JPH0728944U - 両面粘着シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業性が良く、かつ離型紙などの廃棄物が発
生しない両面粘着テープを開発する。 【構成】 基材の表面および裏面の両面の長手方向に形
成されたそれぞれ少なくとも一つの粘着部を有し、該粘
着部の対応する基材反対面には離型剤が塗付された非粘
着部が形成されており、且つ該非粘着部は対応する粘着
部よりも面積が広いことを特徴とする両面粘着シートに
より目的を達成できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、両面粘着シートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来両面に粘着剤が塗布されたものは、狭い巾のテープ基材の両面に単に粘着 剤が塗布されてなるものであり、それ故、該両面テープは巻回されてロール巻と するには基材同志の粘着を防止するために離型紙を挟んで巻回されてなるもので ある。 しかし、このようなロール巻された両面テープでは、これを使用した後は、こ の離型紙が廃棄物として発生することになる。家庭内での小規模使用の場合には かかる廃棄物も問題とならない可能性があるが、工業的に多量に使用される場合 には問題になりうる。すなわち、使用後には可燃性で、滑り易い紙が使用現場に 散乱することになるので、火災の危険性、歩行時の滑り、作業環境の悪化などの 問題が生じる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上述の問題点を解決するためになされたものであり、離型紙などの廃 棄物の発生がなく、作業性がよい両面粘着シートを提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、両面粘着シートについて鋭意研究した結果、基材の表面および裏面 に特定の構造を有する粘着部と非粘着部を設けることにより、上記の課題を解決 できることを見いだし本考案を成すに到った。

【０００５】 すなわち本考案の請求項１の考案は、基材の表面および裏面の両面の長手方向 に形成されたそれぞれ少なくとも一つの粘着部を有し、該粘着部の対応する基材 反対面には離型剤が塗付された非粘着部が形成されており、且つ該非粘着部は対 応する粘着部よりも面積が広いことを特徴とする両面粘着シートに関する。

【０００６】 本考案の請求項２の考案は、長尺広巾であり、且つロール巻されていることを 特徴とする請求項１に記載の両面粘着シートに関する。 以下本考案をさらに説明する。

【０００７】 本考案の両面粘着シートは、表裏ともにシートの好ましくは長手方向に平行に 粘着部と離型剤が塗付された非粘着部を交互に設けかつシートを巻いた場合に表 裏の粘着部が重複しないように粘着部および非粘着部を配置してあり、且つ該非 粘着部は対応する粘着部よりも面積が広いことを特徴とする。 本考案の両面粘着シートは、粘着する面積などの施工条件によっては長尺広巾 とし、且つロール巻したものが好ましく用いられる。 このような長尺広幅両面粘着シートは、表裏全面に粘着剤などを塗布した粘着 部が形成されてなる通常の両面粘着テープと異なり、これをロール巻する際には 基材間に特に離型紙を挟むなどの必要がない。

【０００８】 本考案の両面粘着シートの粘着部に対応する非粘着部の面積は、粘着部の面積 よりも広くすることが好ましい。かかる構成を採用することにより、両面粘着シ ート同士の粘着防止が充分に達成可能となる。帯状に粘着剤部を形成する時は、 幅が狭いものとする。 すなわち、非粘着部の面積は対応する粘着部の面積よりも広いために、粘着剤 を基材シートに塗布して両面粘着シートを製造する際に、多少その位置がずれて も粘着剤自身が接する可能性が少なくなる。すなわち、ここで面積が広いとは粘 着部端部同士が接っしないように充分間隔が開いていることを意味する。 それ故、両面粘着テープの製造自体が容易となる。またロール巻される粘着テ ープでは、その中心部ではかなりの圧力がかかり、長期保存の間に粘着剤がコー ルドフローを起こす可能性がある。ロール巻の状態においては、コールドフロー により多少の塗布された粘着剤の位置がずれても、粘着剤同士が接することが少 ないのでロール巻された両面シートを巻き戻して、粘着に使用する作業が容易で ある。 さらに、非粘着部は、離型処理が施されているために、対応する粘着部の粘着 剤が粘着することがなくロール巻された両面シートを巻き戻して、粘着に使用す る作業が容易である。

【０００９】 本考案において好適に使用できる両面粘着シートの基材としては、特に限定す る必要はなく和紙、織布、不織布、合成樹脂シート、発泡シート等を用いること ができる。またその厚みも、１０μｍ前後の薄いフィルムのようなものから数１ ００μｍの厚いものまでに任意に選択することができる。

【００１０】 また、基材表裏に形成される粘着部は、それぞれ少なくとも一つ形成されてな るが、しかし、好ましくは長手方向に帯状に、さらに好ましくは複数条形成され ている。複数条の粘着部が形成されることにより、強力に粘着される。粘着部は 、例えば格子状、モザイク状に形成することもできる（非粘着部も対応する形状 とする）。塗布方法は従来公知のロールコーターなどによることができる。

【００１１】 本考案の両面粘着シートの接着部を形成する粘着剤は、特に限定する必要はな く、その形態として溶剤型、エマルジョン型あるいはホットメルト型粘着剤のい ずれにより塗布されてなる粘着部であることができる。 またその種類としてもアクリル系、天然ゴム系またはＳＢＳ型、ＳＩＳ型等の ブロックポリマー、ＳＢＲ、ブチルゴム系などの合成ゴム系粘着剤など公知のあ らゆる種類のものが適宜に採用できる。

【００１２】 本考案の両面粘着シートの非接着部を形成するための離型剤も同様に従来公知 のものが使用でき、たとえばシリコーン樹脂系、フッ素樹脂系離型剤などが任意 に使用できる。

【００１３】 本考案の両面粘着シートの接着部を形成する粘着剤の塗布厚（乾燥後）は、接 着させるための適当な強度をもたせかつ安価にするため両面とも２０から５０μ ｍ、好ましくは２５から３５μｍの範囲であればよい。

【００１４】 両面粘着シートの幅は、２０ｍｍ〜２ｍの範囲のものである。 その長さは、ロール上に巻いたときの直径および重量により適宜のものとする ことができる。

【００１５】 たとえば本考案の両面粘着シートの典型的な粘着特性は、粘着力；５０〜３０ ００ｇｆ／２５ｍｍ、保持力；０．１〜３．０ｍｍ、剪断接着力；１．０〜１０ ｋｇｆ／ｃｍ² である。シート裏面（粘着する側）の粘着部の粘着力は、シート 両面で異ならせることができる。たとえば、シート表面（粘着する側）の粘着部 よりも、その粘着力は弱い方が好ましい。しかしいずれにしろ粘着部を形成する 粘着剤によるものであるので、粘着してはいるもののその剥離は可能である。

【００１６】

【実施例】

次に本考案の両面粘着シートを実施例によりさらに具体的に説明するが本考案 はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。 図１は、本考案の両面粘着シートの断面説明図であって、それぞれ１はシート 基材、２は粘着部、３は非粘着部、４は離型剤である。 図１のシートは、長尺広幅な合成樹脂シート基材（厚み５０μｍ）の両面に、 該シートの長手方向に平行に天然ゴム系粘着剤が塗布されて製造されたものであ る。粘着剤層の巾よりも、非粘着部層の巾は広くとってある。このため、粘着剤 の塗布が、正確に位置を決める必要がないために容易である。 また粘着部は、天然ゴム系粘着剤を塗布、硬化することにより離型処理され、 粘着剤とは粘着しない。 したがって、本考案の両面粘着シートはロール巻された両面シートを巻き戻し て、粘着に使用する作業が容易である。

【００１７】

【考案の効果】

基材の表面および裏面に特定の構造を有する粘着部と非粘着部を設けた本考案 の両面粘着シートは、ロール巻にして使用することも可能であり、ロール巻する 際には基材間に特に離型紙を挟むなどの必要がなく、使用に際して作業性が良く 、かつ廃棄物が発生しない。 また、本考案の両面粘着シートは、長尺広巾・ロール巻にして使用することも 可能であり、ロール巻する際には基材間に特に離型紙を挟むなどの必要がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の両面粘着シートの断面説明図であ
る。

【符号の説明】

１ シート基材 ２ 粘着部 ３ 非粘着部 ４ 離型剤

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基材の表面および裏面の両面の長手方向
   に形成されたそれぞれ少なくとも一つの粘着部を有し、
   該粘着部の対応する基材反対面には離型剤が塗付された
   非粘着部が形成されており、且つ該非粘着部は対応する
   粘着部よりも面積が広いことを特徴とする両面粘着シー
   ト。
2. 【請求項２】 長尺広巾であり、且つロール巻されてい
   ることを特徴とする請求項１に記載の両面粘着シート。