JPH07289204A - 肉片の粉末改質剤及びこれで処理した食用肉片 - Google Patents
肉片の粉末改質剤及びこれで処理した食用肉片Info
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- JPH07289204A JPH07289204A JP6107688A JP10768894A JPH07289204A JP H07289204 A JPH07289204 A JP H07289204A JP 6107688 A JP6107688 A JP 6107688A JP 10768894 A JP10768894 A JP 10768894A JP H07289204 A JPH07289204 A JP H07289204A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 肉質が柔らかく、肉汁に富み、食べ易く、風
味も良好で、かつ簡単な調理方法で食べることができ
る、ある程度の大きさを持つ肉片の粉末改質剤を提供す
る。 【構成】 ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン
脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エ
ステル、HLB10未満のショ糖脂肪酸エステル、およ
びレシチンからなる群より選ばれる少なくとも一種のも
のを含有する肉片の粉末改質剤。上記の肉片の粉末改質
剤で処理した食用肉片。
味も良好で、かつ簡単な調理方法で食べることができ
る、ある程度の大きさを持つ肉片の粉末改質剤を提供す
る。 【構成】 ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン
脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エ
ステル、HLB10未満のショ糖脂肪酸エステル、およ
びレシチンからなる群より選ばれる少なくとも一種のも
のを含有する肉片の粉末改質剤。上記の肉片の粉末改質
剤で処理した食用肉片。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、肉片の粉末改質剤及び
これで処理した食用肉片に関する。特に、本発明は、焼
く、揚げるなどの加熱調理によっても肉質が柔らかく、
肉汁に富み、良好な風味の肉を提供できる肉片の粉末改
質剤及びこれで処理した食用肉片に関する。
これで処理した食用肉片に関する。特に、本発明は、焼
く、揚げるなどの加熱調理によっても肉質が柔らかく、
肉汁に富み、良好な風味の肉を提供できる肉片の粉末改
質剤及びこれで処理した食用肉片に関する。
【0002】
【従来の技術】牛、豚などの畜肉、鳥、カモなどの鳥
肉、あるいはアジ、白身魚などの魚肉を用いた肉料理
(肉片を含む料理)は、数多くあるが、これらの調理に
際しての焼く、炒める、揚げるなどの調理方法に拘らず
肉は、適度な柔らかさを有し、そしてうま味成分である
肉汁に富んだ状態(ジューシーな状態)で食べられるこ
とが望ましい。特に、例えばステーキやカツフライなど
の加工品でない大きな肉片を用いて調理する場合にはこ
の柔らかさやジューシーさは肉をおいしく食べるために
は重要な要素である。しかし、一般に上記のような肉、
特に肉片は加熱調理で固く締まる性質があり、また肉汁
も流出して失われる傾向にあり、従って、肉のおいしさ
を更に充分享受できるような改良が望まれる。
肉、あるいはアジ、白身魚などの魚肉を用いた肉料理
(肉片を含む料理)は、数多くあるが、これらの調理に
際しての焼く、炒める、揚げるなどの調理方法に拘らず
肉は、適度な柔らかさを有し、そしてうま味成分である
肉汁に富んだ状態(ジューシーな状態)で食べられるこ
とが望ましい。特に、例えばステーキやカツフライなど
の加工品でない大きな肉片を用いて調理する場合にはこ
の柔らかさやジューシーさは肉をおいしく食べるために
は重要な要素である。しかし、一般に上記のような肉、
特に肉片は加熱調理で固く締まる性質があり、また肉汁
も流出して失われる傾向にあり、従って、肉のおいしさ
を更に充分享受できるような改良が望まれる。
【0003】従来から上記のような肉を柔らかくしたり
あるいは肉の保存性を高めたり等の肉を改質する方法と
して、有機酸モノグリセリド(例、アセチル化モノグリ
セリド)を使用する方法(特開昭49−20353号公
報)、レシチン等の活性剤を使用する方法(特開昭54
−62356号、特開平4−148663号公報)、塩
類等を使用する方法(特開平4−36167号、特開昭
61−239862号公報)、及び酵素を使用する方法
(特開平4−278063号、同5−7476号、同5
−252911号公報)が知られているが、これらの方
法ではなお充分満足できる程の改良には至ってない。
あるいは肉の保存性を高めたり等の肉を改質する方法と
して、有機酸モノグリセリド(例、アセチル化モノグリ
セリド)を使用する方法(特開昭49−20353号公
報)、レシチン等の活性剤を使用する方法(特開昭54
−62356号、特開平4−148663号公報)、塩
類等を使用する方法(特開平4−36167号、特開昭
61−239862号公報)、及び酵素を使用する方法
(特開平4−278063号、同5−7476号、同5
−252911号公報)が知られているが、これらの方
法ではなお充分満足できる程の改良には至ってない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、肉質
が柔らかく、そして肉汁に富んだ肉、特に、ある程度の
大きさを持つ肉片を得ることができる肉片の粉末改質剤
を提供することである。また、本発明の目的は、上記の
ような特性を有する粉末改質剤により、食べ易く、風味
も良好で、かつ簡単な調理方法で食べることができる、
肉片の粉末改質剤で処理した食用肉片を提供することで
もある。
が柔らかく、そして肉汁に富んだ肉、特に、ある程度の
大きさを持つ肉片を得ることができる肉片の粉末改質剤
を提供することである。また、本発明の目的は、上記の
ような特性を有する粉末改質剤により、食べ易く、風味
も良好で、かつ簡単な調理方法で食べることができる、
肉片の粉末改質剤で処理した食用肉片を提供することで
もある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ソルビタン脂
肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグ
リセリン縮合リシノレイン酸エステル、HLB10未満
のショ糖脂肪酸エステルおよびレシチンからなる群より
選ばれる少なくとも一種のものを含有する肉片の粉末改
質剤にある。
肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグ
リセリン縮合リシノレイン酸エステル、HLB10未満
のショ糖脂肪酸エステルおよびレシチンからなる群より
選ばれる少なくとも一種のものを含有する肉片の粉末改
質剤にある。
【0006】また本発明は、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮
合リシノレイン酸エステル、HLB10未満のショ糖脂
肪酸エステルおよびレシチンからなる群より選ばれる少
なくとも一種のものを含有する肉片の粉末改質剤で処理
した食用肉片にある。なお、本明細書において肉片と
は、畜肉等の生肉から切り出した、比較的形状の大きな
肉(例えば、肉片の表面積が1cm2 程度以上のもの)
を意味する。従って、ミンチ状の肉をつなぎ合わせて整
形したような肉片(例えば、ハンバーグなど)は意味し
ない。
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮
合リシノレイン酸エステル、HLB10未満のショ糖脂
肪酸エステルおよびレシチンからなる群より選ばれる少
なくとも一種のものを含有する肉片の粉末改質剤で処理
した食用肉片にある。なお、本明細書において肉片と
は、畜肉等の生肉から切り出した、比較的形状の大きな
肉(例えば、肉片の表面積が1cm2 程度以上のもの)
を意味する。従って、ミンチ状の肉をつなぎ合わせて整
形したような肉片(例えば、ハンバーグなど)は意味し
ない。
【0007】本発明者の検討によると、上記の粉末改質
剤が肉、特に肉片の軟化等に特に有効であることが判明
した。この理由は明らかではないが、肉片、特に畜肉や
鳥肉の肉片においては、腱等の硬質タンパク(コラーゲ
ン)が比較的多く含まれ、これが肉片の加熱調理に際し
て収縮、凝集し、その結果、肉が締まり、固くなると考
えられる。本発明の上記のような改質剤の存在下では、
これらのタンパク質の収縮が抑制され、その結果、柔ら
かな肉が得られると考えられる。
剤が肉、特に肉片の軟化等に特に有効であることが判明
した。この理由は明らかではないが、肉片、特に畜肉や
鳥肉の肉片においては、腱等の硬質タンパク(コラーゲ
ン)が比較的多く含まれ、これが肉片の加熱調理に際し
て収縮、凝集し、その結果、肉が締まり、固くなると考
えられる。本発明の上記のような改質剤の存在下では、
これらのタンパク質の収縮が抑制され、その結果、柔ら
かな肉が得られると考えられる。
【0008】本発明の好ましい態様は以下の通りであ
る。 (1)肉片の粉末改質剤が、肉の量に対して活性剤換算
で0.1〜10重量%(更に好ましくは、0.5〜5重
量%、特に1〜3重量%)の範囲で添加される。 (2)食用肉片が、冷凍食品、冷蔵食品、又はレトルト
食品などの加熱調理済、あるいは加熱調理用の製品に含
まれる肉片である。
る。 (1)肉片の粉末改質剤が、肉の量に対して活性剤換算
で0.1〜10重量%(更に好ましくは、0.5〜5重
量%、特に1〜3重量%)の範囲で添加される。 (2)食用肉片が、冷凍食品、冷蔵食品、又はレトルト
食品などの加熱調理済、あるいは加熱調理用の製品に含
まれる肉片である。
【0009】以下に本発明の肉片の粉末改質剤について
説明する。本発明の肉片の粉末改質剤は、ソルビタン脂
肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグ
リセリン縮合リシノレイン酸エステル、HLB10未満
のショ糖脂肪酸エステル及びレシチンからなる群より選
ばれる少なくとも一種のものを含有する。本発明におい
て、ソルビタン脂肪酸エステルは、その構成脂肪酸残基
が炭素数16以下の飽和又は不飽和の脂肪酸を有するも
のが利用できる。好ましくは炭素数12〜16の飽和又
は不飽和の脂肪酸を有するものであり、更に飽和脂肪酸
を構成脂肪酸残基とするものが好ましい。またそのエス
テル化度は1〜3のもの、すなわち、モノ、ジそしてト
リエステルが通常利用されるが、本発明においては特に
モノエステルが好ましい。
説明する。本発明の肉片の粉末改質剤は、ソルビタン脂
肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグ
リセリン縮合リシノレイン酸エステル、HLB10未満
のショ糖脂肪酸エステル及びレシチンからなる群より選
ばれる少なくとも一種のものを含有する。本発明におい
て、ソルビタン脂肪酸エステルは、その構成脂肪酸残基
が炭素数16以下の飽和又は不飽和の脂肪酸を有するも
のが利用できる。好ましくは炭素数12〜16の飽和又
は不飽和の脂肪酸を有するものであり、更に飽和脂肪酸
を構成脂肪酸残基とするものが好ましい。またそのエス
テル化度は1〜3のもの、すなわち、モノ、ジそしてト
リエステルが通常利用されるが、本発明においては特に
モノエステルが好ましい。
【0010】本発明において、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルは、ポリグリセリンと脂肪酸とのエステルであっ
て、ポリグリセリンは、グリセリンの平均重合度が通常
1〜10のものが使用される。本発明においては、平均
重合度4〜10のものが好ましく、更に好ましくは6〜
10のものである。また脂肪酸は、炭素数2〜24の飽
和又は不飽和の脂肪酸であるが、好ましくは炭素数16
〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸である。これらの脂肪
酸は混合物として用いても良い。本発明で用いるポリグ
リセリン脂肪酸エステルとしては、上記構成脂肪酸の種
類、グリセリンの重合度、あるいはエステル化度により
種々のものが適用可能であるが、特にヘキサグリセリン
と炭素数18の飽和脂肪酸とからなるエステルであっ
て、平均エステル化度が1〜5のエステルが好ましい。
あるいはまたデカグリセリンと炭素数18の不飽和脂肪
酸とからなるエステルであって、平均エステル化度が4
〜6のエステルが好ましい。またこれらは併用しても良
い。
ステルは、ポリグリセリンと脂肪酸とのエステルであっ
て、ポリグリセリンは、グリセリンの平均重合度が通常
1〜10のものが使用される。本発明においては、平均
重合度4〜10のものが好ましく、更に好ましくは6〜
10のものである。また脂肪酸は、炭素数2〜24の飽
和又は不飽和の脂肪酸であるが、好ましくは炭素数16
〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸である。これらの脂肪
酸は混合物として用いても良い。本発明で用いるポリグ
リセリン脂肪酸エステルとしては、上記構成脂肪酸の種
類、グリセリンの重合度、あるいはエステル化度により
種々のものが適用可能であるが、特にヘキサグリセリン
と炭素数18の飽和脂肪酸とからなるエステルであっ
て、平均エステル化度が1〜5のエステルが好ましい。
あるいはまたデカグリセリンと炭素数18の不飽和脂肪
酸とからなるエステルであって、平均エステル化度が4
〜6のエステルが好ましい。またこれらは併用しても良
い。
【0011】本発明において、ポリグリセリン縮合リシ
ノレイン酸エステルは、平均重合度2以上のグリセリン
と縮合度が2以上のリシノレイン酸とのエステルが使用
できるが、本発明においては、平均重合度4〜10のグ
リセリンと縮合度が3〜4のリシノレイン酸とのエステ
ルが好ましい。特に好ましい例としては、テトラグリセ
リン縮合リシノレート、ヘキサグリセリン縮合リシノレ
ートを挙げることができる。
ノレイン酸エステルは、平均重合度2以上のグリセリン
と縮合度が2以上のリシノレイン酸とのエステルが使用
できるが、本発明においては、平均重合度4〜10のグ
リセリンと縮合度が3〜4のリシノレイン酸とのエステ
ルが好ましい。特に好ましい例としては、テトラグリセ
リン縮合リシノレート、ヘキサグリセリン縮合リシノレ
ートを挙げることができる。
【0012】本発明において、HLB10未満のショ糖
脂肪酸エステルは、その構成脂肪酸残基が、炭素数8〜
24の飽和又は不飽和脂肪酸残基を有するものを使用す
ることができる。好ましくは、炭素数12〜18の飽和
又は不飽和脂肪酸残基を有するものである。HLB10
未満(好ましくは、HLB2〜9)のショ糖脂肪酸エス
テルの更に具体的な構成としては、ショ糖モノ脂肪酸エ
ステルが10重量%〜55重量%含まれ、かつショ糖ジ
脂肪酸エステルが15重量%〜38重量%含まれている
ものであることが好ましい。ショ糖モノ脂肪酸エステル
の含有量は、20重量%〜50重量%であることが更に
好ましく、またショ糖ジ脂肪酸エステルの含有量は、3
0重量%〜38重量%であることが更に好ましい。
脂肪酸エステルは、その構成脂肪酸残基が、炭素数8〜
24の飽和又は不飽和脂肪酸残基を有するものを使用す
ることができる。好ましくは、炭素数12〜18の飽和
又は不飽和脂肪酸残基を有するものである。HLB10
未満(好ましくは、HLB2〜9)のショ糖脂肪酸エス
テルの更に具体的な構成としては、ショ糖モノ脂肪酸エ
ステルが10重量%〜55重量%含まれ、かつショ糖ジ
脂肪酸エステルが15重量%〜38重量%含まれている
ものであることが好ましい。ショ糖モノ脂肪酸エステル
の含有量は、20重量%〜50重量%であることが更に
好ましく、またショ糖ジ脂肪酸エステルの含有量は、3
0重量%〜38重量%であることが更に好ましい。
【0013】本発明において、レシチンは、卵黄、大豆
等の動植物から抽出した、60〜70重量%のリン脂質
を含む所謂クルード(粗製)レシチン(リン脂質混合
物)と称されるペースト状のものを始めとして、アセト
ン不溶分としてレシチン分を分画した高純度レシチン
(アセトン不溶分90重量%以上)、酵素処理によるレ
シチン、あるいは溶剤処理による分画レシチンなど何れ
のタイプのものも使用が可能である。なお、通常のレシ
チンは、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノ
ールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチ
ジルグリセロール、ホスファチジン酸、及びホスファチ
ジルセリン(またこれらのリゾ体を含む)を主な成分と
して含む。
等の動植物から抽出した、60〜70重量%のリン脂質
を含む所謂クルード(粗製)レシチン(リン脂質混合
物)と称されるペースト状のものを始めとして、アセト
ン不溶分としてレシチン分を分画した高純度レシチン
(アセトン不溶分90重量%以上)、酵素処理によるレ
シチン、あるいは溶剤処理による分画レシチンなど何れ
のタイプのものも使用が可能である。なお、通常のレシ
チンは、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノ
ールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチ
ジルグリセロール、ホスファチジン酸、及びホスファチ
ジルセリン(またこれらのリゾ体を含む)を主な成分と
して含む。
【0014】本発明で使用するレシチンは、ホスファチ
ジルイノシトールが25重量%以上(更に好ましくは3
0重量%以上)含むものが好ましい。またホスファチジ
ルコリンの含有量は、25重量%以下(更に好ましく
は、20重量%以下)であることが好ましい。またレシ
チンを構成する脂肪酸残基としては、炭素数8〜22の
飽和または不飽和脂肪酸が好ましく、中でも炭素数16
〜18の不飽和脂肪酸が最適である。ホスファチジルイ
ノシトールを25重量%以上含むレシチンは、前記溶剤
分画法やクロマトグラフ法などの分画処理により得るこ
とができる。
ジルイノシトールが25重量%以上(更に好ましくは3
0重量%以上)含むものが好ましい。またホスファチジ
ルコリンの含有量は、25重量%以下(更に好ましく
は、20重量%以下)であることが好ましい。またレシ
チンを構成する脂肪酸残基としては、炭素数8〜22の
飽和または不飽和脂肪酸が好ましく、中でも炭素数16
〜18の不飽和脂肪酸が最適である。ホスファチジルイ
ノシトールを25重量%以上含むレシチンは、前記溶剤
分画法やクロマトグラフ法などの分画処理により得るこ
とができる。
【0015】本発明の改質剤は、粉末状であるが、この
ような形態は、例えば、澱粉類、蛋白質類、糖類、調味
料などを使用することにより、得ることができる。例え
ば、得られる改質剤が常温で液状の場合には、上記成分
に含ませ、噴霧するなどの方法で、あるいは得られる改
質剤が常温で固体(高融点のもの)である場合には、改
質剤を溶解させて上記成分と混合した後、冷却、粉砕す
るなどの方法で改質剤を粉末状とすることができる。こ
のようにして得られる粉末改質剤は、肉の表面に均一に
塗布、散布等できるようにJIS規格で1000μmパ
ス、好ましくは、300〜500μmパスの平均粒子径
を有しているものことが好ましい。
ような形態は、例えば、澱粉類、蛋白質類、糖類、調味
料などを使用することにより、得ることができる。例え
ば、得られる改質剤が常温で液状の場合には、上記成分
に含ませ、噴霧するなどの方法で、あるいは得られる改
質剤が常温で固体(高融点のもの)である場合には、改
質剤を溶解させて上記成分と混合した後、冷却、粉砕す
るなどの方法で改質剤を粉末状とすることができる。こ
のようにして得られる粉末改質剤は、肉の表面に均一に
塗布、散布等できるようにJIS規格で1000μmパ
ス、好ましくは、300〜500μmパスの平均粒子径
を有しているものことが好ましい。
【0016】本発明の肉片の粉末改質剤は、得られるエ
ステルの形態でそのまま直接肉片に塗布、散布などの方
法で使用することができるが、肉片の形状、またその調
理方法などに応じて使用することができる。例えば、唐
揚げ粉、粉末調味料などの粉末基材に配合して使用する
方法を挙げることができる。
ステルの形態でそのまま直接肉片に塗布、散布などの方
法で使用することができるが、肉片の形状、またその調
理方法などに応じて使用することができる。例えば、唐
揚げ粉、粉末調味料などの粉末基材に配合して使用する
方法を挙げることができる。
【0017】本発明の肉片の粉末改質剤は、肉の量に対
して活性剤換算で0.1〜10重量%(更に好ましく
は、0.5〜5重量%、特に1〜3重量%)の範囲で添
加することが好ましい。
して活性剤換算で0.1〜10重量%(更に好ましく
は、0.5〜5重量%、特に1〜3重量%)の範囲で添
加することが好ましい。
【0018】本発明の肉片の粉末改質剤は、牛、豚、羊
などの畜肉、鶏、七面鳥、カモ、ガチョウ等の鳥肉、あ
るいはアジ、サケ、タラやヒラメなどの白身魚などの魚
肉を用いて調理するときに効果があるが、特に畜肉、鳥
肉において効果が大である。また肉の部位としては、カ
タ、モモ等の比較的硬質のタンパク質を多く含む部位の
ものを用いるときに効果がある。更に肉の形態として
は、前述のように肉片としての形状のあるもの(厚切り
肉、薄切り肉、細切り肉)を用いるときに有効である
が、特に、ある程度の大きさのある肉片(ステーキ、焼
き肉用の肉、唐揚、フライあるいは照り焼き用の肉、塩
焼き、かば焼きあるいはムニエル用の肉など)を用いる
ときに効果が大きい。
などの畜肉、鶏、七面鳥、カモ、ガチョウ等の鳥肉、あ
るいはアジ、サケ、タラやヒラメなどの白身魚などの魚
肉を用いて調理するときに効果があるが、特に畜肉、鳥
肉において効果が大である。また肉の部位としては、カ
タ、モモ等の比較的硬質のタンパク質を多く含む部位の
ものを用いるときに効果がある。更に肉の形態として
は、前述のように肉片としての形状のあるもの(厚切り
肉、薄切り肉、細切り肉)を用いるときに有効である
が、特に、ある程度の大きさのある肉片(ステーキ、焼
き肉用の肉、唐揚、フライあるいは照り焼き用の肉、塩
焼き、かば焼きあるいはムニエル用の肉など)を用いる
ときに効果が大きい。
【0019】また、本発明の肉片の粉末改質剤は、肉片
を加熱調理する際の使用により効果が得られるが、焼
く、炒める、揚げる、煮る、蒸すなどの調理方法によっ
ては制限されず何れの調理方法においても効果が得られ
る。特に、焼く、揚げるなどの調理において顕著な効果
が得られる。適用できる肉料理の例としては、焼き肉、
ステヤキ、カツフライ、唐揚、竜田揚げ、カレー、シチ
ュー、しゃぶしゃぶ、焼き魚(かば焼きなども含む)、
ムニエル、煮魚などを挙げることができる。
を加熱調理する際の使用により効果が得られるが、焼
く、炒める、揚げる、煮る、蒸すなどの調理方法によっ
ては制限されず何れの調理方法においても効果が得られ
る。特に、焼く、揚げるなどの調理において顕著な効果
が得られる。適用できる肉料理の例としては、焼き肉、
ステヤキ、カツフライ、唐揚、竜田揚げ、カレー、シチ
ュー、しゃぶしゃぶ、焼き魚(かば焼きなども含む)、
ムニエル、煮魚などを挙げることができる。
【0020】更に、本発明の粉末改質剤は、冷凍、冷
蔵、あるいはレトルトなどの常温保存可能な肉片を含む
肉製品においても適用できる。本発明の粉末改質剤で処
理された肉片を含む肉製品は、既に加熱調理されている
ものでも良いし(加熱調理済食品)、あるいは食べると
きに加熱調理するように調理されているものでも良い
(未加熱調理食品、加熱調理用食品)。すなわち、加熱
調理済食品においては、これを製造する際の加熱調理工
程で本発明の粉末改質剤で処理されていれば良く、一方
未加熱調理食品においては、食べるときの加熱調理する
際に本発明の粉末改質剤が作用するように予めこの食品
に付着等の処理をしておけば良い。本発明の粉末改質剤
で処理された肉片を含む肉製品は、保存後においても、
肉の柔らかさやジューシーさが維持され、良好な風味の
ものとなる。本発明の粉末改質剤で処理した肉片を含む
肉製品としては、例えば、カツフライ、唐揚、カレー、
ハヤシ、シチュー、肉ジャガ、酢豚、アジ、サケ、白身
魚(タラ、ヒラメ、キス)などのフライ、カレイの天ぷ
ら、うなぎのかば焼きなどを挙げることができる。
蔵、あるいはレトルトなどの常温保存可能な肉片を含む
肉製品においても適用できる。本発明の粉末改質剤で処
理された肉片を含む肉製品は、既に加熱調理されている
ものでも良いし(加熱調理済食品)、あるいは食べると
きに加熱調理するように調理されているものでも良い
(未加熱調理食品、加熱調理用食品)。すなわち、加熱
調理済食品においては、これを製造する際の加熱調理工
程で本発明の粉末改質剤で処理されていれば良く、一方
未加熱調理食品においては、食べるときの加熱調理する
際に本発明の粉末改質剤が作用するように予めこの食品
に付着等の処理をしておけば良い。本発明の粉末改質剤
で処理された肉片を含む肉製品は、保存後においても、
肉の柔らかさやジューシーさが維持され、良好な風味の
ものとなる。本発明の粉末改質剤で処理した肉片を含む
肉製品としては、例えば、カツフライ、唐揚、カレー、
ハヤシ、シチュー、肉ジャガ、酢豚、アジ、サケ、白身
魚(タラ、ヒラメ、キス)などのフライ、カレイの天ぷ
ら、うなぎのかば焼きなどを挙げることができる。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の実施例及び比較例を示し、
本発明を更に具体的に説明する。なお下記の「%」は重
量%を示す。また以下の実施例では、全てJIS規格3
00〜500μmパスの平均粒子径となるように造粒し
た粉末改質剤を使用した。
本発明を更に具体的に説明する。なお下記の「%」は重
量%を示す。また以下の実施例では、全てJIS規格3
00〜500μmパスの平均粒子径となるように造粒し
た粉末改質剤を使用した。
【0022】[実施例1]鶏肉50gに対し、下記配合
の唐揚げ粉を約3g(肉に対して精製大豆レシチンを
0.6%)まぶした後、160℃に加熱したサラダ油で
揚げ、唐揚を作った。 唐揚げ粉の配合 重量部 小麦粉(薄力粉) 55 コーンスターチ 10 粉糖 3.5 食塩 11 脱脂粉乳 2 粉末醤油 5 グルタミン酸ナトリウム 2.5 香辛料末 1 下記の精製大豆レシチン 10 ──────────────────── 合計 100 精製大豆レシチン:商品名:SLP−ホワイト−SP、
アセトン不溶分95重量%以上、ツルーレシチン工業
(株)製
の唐揚げ粉を約3g(肉に対して精製大豆レシチンを
0.6%)まぶした後、160℃に加熱したサラダ油で
揚げ、唐揚を作った。 唐揚げ粉の配合 重量部 小麦粉(薄力粉) 55 コーンスターチ 10 粉糖 3.5 食塩 11 脱脂粉乳 2 粉末醤油 5 グルタミン酸ナトリウム 2.5 香辛料末 1 下記の精製大豆レシチン 10 ──────────────────── 合計 100 精製大豆レシチン:商品名:SLP−ホワイト−SP、
アセトン不溶分95重量%以上、ツルーレシチン工業
(株)製
【0023】[比較例1]上記実施例1において、精製
レシチンを使用する代わりに、小麦粉の配合量を65重
量部に変えて唐揚げ粉(全配合量100重量部)を調製
し、これを同量使用した以外は、上記実施例1と同様に
して唐揚げを作った。
レシチンを使用する代わりに、小麦粉の配合量を65重
量部に変えて唐揚げ粉(全配合量100重量部)を調製
し、これを同量使用した以外は、上記実施例1と同様に
して唐揚げを作った。
【0024】[実施例2] (溶剤分画レシチンの調製)精製大豆レシチン(商品
名:SLP−ホワイト−SP、ツルーレシチン工業
(株)製)を原料として、以下の溶剤分画法を用いて、
下記のような組成の溶剤分画レシチン(リン脂質混合
物)を得た。 精製大豆レシチン100gを500ミリリットルのエ
タノールに分散させ、これを攪拌しながら50℃に加
熱して30分間保持した後、0℃まで冷却し30分間保
持した。得られた溶液を吸引濾過して不溶性画分を得
た。得られた不溶性画分を上記〜と同様な処理を更
に二回繰り返した後、乾燥させて目的のエタノール分画
レシチンを得た。得られたレシチンのリン脂質組成を示
す。 リン脂質組成 重量% ホスファチジルコリン 8.5 ホスファチジルエタノールアミン 36.5 ホスファチジルイノシトール 30.3 ホスファチジン酸 21.5 その他 3.5 上記実施例1において、精製大豆レシチンの代わりに、
上記で調製したエタノール分画レシチンを同量使用して
唐揚げ粉を調製し、これを同量(肉に対してエタノール
分画レシチンを0.6%)使用した以外は、上記実施例
1と同様にして唐揚を作った。
名:SLP−ホワイト−SP、ツルーレシチン工業
(株)製)を原料として、以下の溶剤分画法を用いて、
下記のような組成の溶剤分画レシチン(リン脂質混合
物)を得た。 精製大豆レシチン100gを500ミリリットルのエ
タノールに分散させ、これを攪拌しながら50℃に加
熱して30分間保持した後、0℃まで冷却し30分間保
持した。得られた溶液を吸引濾過して不溶性画分を得
た。得られた不溶性画分を上記〜と同様な処理を更
に二回繰り返した後、乾燥させて目的のエタノール分画
レシチンを得た。得られたレシチンのリン脂質組成を示
す。 リン脂質組成 重量% ホスファチジルコリン 8.5 ホスファチジルエタノールアミン 36.5 ホスファチジルイノシトール 30.3 ホスファチジン酸 21.5 その他 3.5 上記実施例1において、精製大豆レシチンの代わりに、
上記で調製したエタノール分画レシチンを同量使用して
唐揚げ粉を調製し、これを同量(肉に対してエタノール
分画レシチンを0.6%)使用した以外は、上記実施例
1と同様にして唐揚を作った。
【0025】[比較例2]上記実施例2において、エタ
ノール分画レシチンを使用する代わりに、小麦粉の配合
量を65重量部に変えて唐揚げ粉(全配合量100重量
部)を調製し、これを同量使用した以外は、上記実施例
2と同様にして唐揚げを作った。
ノール分画レシチンを使用する代わりに、小麦粉の配合
量を65重量部に変えて唐揚げ粉(全配合量100重量
部)を調製し、これを同量使用した以外は、上記実施例
2と同様にして唐揚げを作った。
【0026】[実施例3]焼き肉用の厚さ5mmのオー
ストラリア産牛モモ肉20gに対してヘキサグリセリン
モノステアレート(商品名:TS−500、阪本薬品工
業(株)製)の粉末約0.2g(肉に対して約1%)を
肉表面に散布した後、200℃のホットプレート上で焼
成し、焼き肉を作った。
ストラリア産牛モモ肉20gに対してヘキサグリセリン
モノステアレート(商品名:TS−500、阪本薬品工
業(株)製)の粉末約0.2g(肉に対して約1%)を
肉表面に散布した後、200℃のホットプレート上で焼
成し、焼き肉を作った。
【0027】[比較例3]上記実施例3において、ヘキ
サグリセリンモノステアレートを使用しなかった以外
は、上記実施例3と同様にして焼き肉を作った。
サグリセリンモノステアレートを使用しなかった以外
は、上記実施例3と同様にして焼き肉を作った。
【0028】[実施例4]厚さ1cmの国産豚ロース1
00gに対して適当量の食塩、胡椒を振った後、α化澱
粉とソルビタンモノラウレート(商品名:L−10
(F)、花王(株)製)を2:1で混合した粉末約5g
(肉に対して1.7%)を肉表面に散布した。その後、
肉の表面に小麦粉、液卵、パン粉の順で衣を付け、これ
を180℃のサラダ油で揚げ、豚カツを作った。
00gに対して適当量の食塩、胡椒を振った後、α化澱
粉とソルビタンモノラウレート(商品名:L−10
(F)、花王(株)製)を2:1で混合した粉末約5g
(肉に対して1.7%)を肉表面に散布した。その後、
肉の表面に小麦粉、液卵、パン粉の順で衣を付け、これ
を180℃のサラダ油で揚げ、豚カツを作った。
【0029】[比較例4]上記実施例4において、ソル
ビタンモノラウレートを使用しなかった以外は、上記実
施例4と同様にして豚カツを作った。
ビタンモノラウレートを使用しなかった以外は、上記実
施例4と同様にして豚カツを作った。
【0030】[実施例5]厚さ2cmのステーキ用オー
ストラリア産牛ロース150gに対して塩:胡椒:下記
のショ糖脂肪酸エステルを9:1:50の割合で混合し
た粉末調味料約2.7g(肉に対してショ糖脂肪酸エス
テルを0.9%)を肉表面に散布し、直ちに200℃の
ホットプレート上で焼成し、ステーキを作った。ショ糖
脂肪酸エステル;商品名:S−970、HLB:9、モ
ノエステル含有量:48%、ジエステルの含有量:31
%、三菱化成食品(株)製
ストラリア産牛ロース150gに対して塩:胡椒:下記
のショ糖脂肪酸エステルを9:1:50の割合で混合し
た粉末調味料約2.7g(肉に対してショ糖脂肪酸エス
テルを0.9%)を肉表面に散布し、直ちに200℃の
ホットプレート上で焼成し、ステーキを作った。ショ糖
脂肪酸エステル;商品名:S−970、HLB:9、モ
ノエステル含有量:48%、ジエステルの含有量:31
%、三菱化成食品(株)製
【0031】[比較例5]上記実施例5において、粉末
調味料として、塩:胡椒を9:1の割合で混合した、シ
ョ糖脂肪酸エステルを含まない粉末調味料約0.5gを
使用した以外は、上記実施例5と同様にしてステーキを
作った。
調味料として、塩:胡椒を9:1の割合で混合した、シ
ョ糖脂肪酸エステルを含まない粉末調味料約0.5gを
使用した以外は、上記実施例5と同様にしてステーキを
作った。
【0032】[実施例6]厚さ1cmの国産豚ロース1
00gに対して適当量の食塩、胡椒を振った後、α化澱
粉とテトラグリセリン縮合リシノレート(太陽化学
(株)製)を2:1で混合した粉末約5g(肉に対して
テトラグリセリン縮合リシノレートを1.7%)を肉表
面に散布した。その後、肉の表面に小麦粉、液卵、パン
粉の順で衣を付け、これを180℃のサラダ油で揚げ、
豚ロースカツを作った。
00gに対して適当量の食塩、胡椒を振った後、α化澱
粉とテトラグリセリン縮合リシノレート(太陽化学
(株)製)を2:1で混合した粉末約5g(肉に対して
テトラグリセリン縮合リシノレートを1.7%)を肉表
面に散布した。その後、肉の表面に小麦粉、液卵、パン
粉の順で衣を付け、これを180℃のサラダ油で揚げ、
豚ロースカツを作った。
【0033】[比較例6]上記実施例6において、テト
ラグリセリン縮合リシノレートを使用しなかった以外
は、上記実施例6と同様にして豚ロースカツを作った。
ラグリセリン縮合リシノレートを使用しなかった以外
は、上記実施例6と同様にして豚ロースカツを作った。
【0034】[実施例7]上記実施例6で揚げた豚ロー
スカツを冷まし、−20℃の冷凍庫に1週間保管した
後、室温で解凍し、オーブントースターで再加熱した。
スカツを冷まし、−20℃の冷凍庫に1週間保管した
後、室温で解凍し、オーブントースターで再加熱した。
【0035】[比較例7]上記比較例6で揚げた豚ロー
スカツを冷まし、−20℃の冷凍庫に1週間保管した
後、室温で解凍し、オーブントースターで再加熱した。
スカツを冷まし、−20℃の冷凍庫に1週間保管した
後、室温で解凍し、オーブントースターで再加熱した。
【0036】[実施例8]厚さ1cmの国産豚ロース1
00gに対して適当量の食塩、胡椒を振った後、α化澱
粉とテトラグリセリン縮合リシノレート(太陽化学
(株)製)を2:1で混合した粉末約5g(肉に対して
テトラグリセリン縮合リシノレートを1.7%)を肉表
面に散布した。その後、肉の表面に小麦粉、液卵、パン
粉の順で衣を付け、これを−20℃の冷凍庫に1週間保
管した。保管した後、衣付き豚ロース肉をそのまま18
0℃のサラダ油で揚げた。
00gに対して適当量の食塩、胡椒を振った後、α化澱
粉とテトラグリセリン縮合リシノレート(太陽化学
(株)製)を2:1で混合した粉末約5g(肉に対して
テトラグリセリン縮合リシノレートを1.7%)を肉表
面に散布した。その後、肉の表面に小麦粉、液卵、パン
粉の順で衣を付け、これを−20℃の冷凍庫に1週間保
管した。保管した後、衣付き豚ロース肉をそのまま18
0℃のサラダ油で揚げた。
【0037】[比較例8]上記実施例8において、テト
ラグリセリン縮合リシノレートを使用しなかった以外
は、上記実施例8と同様にして衣付き豚ロース肉を保管
し、更に衣付き豚ロース肉を同様にして油で揚げた。
ラグリセリン縮合リシノレートを使用しなかった以外
は、上記実施例8と同様にして衣付き豚ロース肉を保管
し、更に衣付き豚ロース肉を同様にして油で揚げた。
【0038】[肉片の粉末改質剤及び肉製品としての評
価]上記のようにして得られた各種肉料理を20人のパ
ネルにより官能評価を行った。評価は、実施例と比較例
で得られた各肉料理の「柔らかさ」、「ジューシーさ」
を比較し、比較例に比べ実施例の方が、『明らかに柔ら
かい(又はジューシー)』、『やや柔らかい(又はジュ
ーシー)』、そして『変わらない』の3段階で行った。
また、得られた各種肉料理の肉の物性値を測定し、肉の
柔らかさを評価した。『柔らかさ』は、ミートシェア
(ワーナーブラッツラー社製)による剪断応力値で表し
た。値が小さい程、肉が柔らかいことを示す。結果を以
下の表1に示す。
価]上記のようにして得られた各種肉料理を20人のパ
ネルにより官能評価を行った。評価は、実施例と比較例
で得られた各肉料理の「柔らかさ」、「ジューシーさ」
を比較し、比較例に比べ実施例の方が、『明らかに柔ら
かい(又はジューシー)』、『やや柔らかい(又はジュ
ーシー)』、そして『変わらない』の3段階で行った。
また、得られた各種肉料理の肉の物性値を測定し、肉の
柔らかさを評価した。『柔らかさ』は、ミートシェア
(ワーナーブラッツラー社製)による剪断応力値で表し
た。値が小さい程、肉が柔らかいことを示す。結果を以
下の表1に示す。
【0039】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 の方が 1 2 3 4 5 6 7 8 ──────────────────────────────────── 明らかに 12 13 11 8 16 12 11 8 柔らかい やや柔らかい8 7 9 12 4 8 9 12 変わらない 0 0 0 0 0 0 0 0 ──────────────────────────────────── 明らかに 10 12 15 7 16 9 12 8 ジューシー ややジュー10 8 5 10 4 11 8 11 シー 変わらない 0 0 0 3 0 0 0 1 ──────────────────────────────────── 剪断応力値(kg) 実施例 2.7 2.7 2.1 2.1 3.0 2.0 2.2 2.1 比較例 5.2 5.2 3.5 2.9 4.8 2.9 3.2 3.1 ────────────────────────────────────
【0040】上記表1に示された結果から明らかなよう
に、本発明の粉末改質剤を使用した肉料理(実施例1〜
6)は、これを使用しない肉料理(比較例1〜6)に比
べ肉が柔らかく、かつジューシーである。また、剪断応
力値の結果からも明らかなように本発明の粉末改質剤を
使用することにより肉が柔らかくなる。また、本発明の
粉末改質剤を使用して加熱調理した後、一旦冷蔵庫に保
管したような肉片を含む肉製品(加熱調理済食品)(実
施例7)あるいは予め本発明の粉末改質剤を使用して処
理し、一旦冷蔵庫に保管し、後に加熱調理して食べるよ
うな肉片を含む肉製品(未加熱調理食品)(実施例8)
においても肉は柔らかく、かつジューシーであり、粉末
改質剤による効果は維持されている。
に、本発明の粉末改質剤を使用した肉料理(実施例1〜
6)は、これを使用しない肉料理(比較例1〜6)に比
べ肉が柔らかく、かつジューシーである。また、剪断応
力値の結果からも明らかなように本発明の粉末改質剤を
使用することにより肉が柔らかくなる。また、本発明の
粉末改質剤を使用して加熱調理した後、一旦冷蔵庫に保
管したような肉片を含む肉製品(加熱調理済食品)(実
施例7)あるいは予め本発明の粉末改質剤を使用して処
理し、一旦冷蔵庫に保管し、後に加熱調理して食べるよ
うな肉片を含む肉製品(未加熱調理食品)(実施例8)
においても肉は柔らかく、かつジューシーであり、粉末
改質剤による効果は維持されている。
【0041】
【発明の効果】本発明の肉片の粉末改質剤を使用するこ
とにより、肉質が柔らかく、そして肉汁に富んだ肉を得
ることができる。特に、ある程度の大きさを持つ肉片の
加熱調理に際して有効である。また本発明の肉片の粉末
改質剤を使用することにより、冷凍食品、冷蔵食品、あ
るいはレトルト食品のような保存可能な肉片を含む肉製
品においても、その保存後でも肉質が柔らかく、ジュー
シーさも維持され、かつ良好な風味で食べることができ
る。
とにより、肉質が柔らかく、そして肉汁に富んだ肉を得
ることができる。特に、ある程度の大きさを持つ肉片の
加熱調理に際して有効である。また本発明の肉片の粉末
改質剤を使用することにより、冷凍食品、冷蔵食品、あ
るいはレトルト食品のような保存可能な肉片を含む肉製
品においても、その保存後でも肉質が柔らかく、ジュー
シーさも維持され、かつ良好な風味で食べることができ
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセ
リン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン
酸エステル、HLB10未満のショ糖脂肪酸エステル、
およびレシチンからなる群より選ばれる少なくとも一種
のものを含有する肉片の粉末改質剤。 - 【請求項2】 上記ソルビタン脂肪酸エステルが、ソル
ビタンモノ脂肪酸エステルである請求項1に記載の肉片
の粉末改質剤。 - 【請求項3】 上記ポリグリセリン脂肪酸エステルが、
ヘキサグリセリンと炭素数18の飽和脂肪酸とからなる
エステルであって、その平均エステル化度が1〜5であ
る、又はデカグリセリンと炭素数18の不飽和脂肪酸と
からなるエステルであって、その平均エステル化度が4
〜6である請求項1に記載の肉片の粉末改質剤。 - 【請求項4】 上記ポリグリセリン縮合リシノレイン酸
エステルが、平均重合度4〜10のポリグリセリンと縮
合度が3〜4のリシノレイン酸とのエステルである請求
項1に記載の肉片の粉末改質剤。 - 【請求項5】 上記HLB10未満のショ糖脂肪酸エス
テルが、ショ糖モノ脂肪酸エステルを10〜55重量
%、およびショ糖ジ脂肪酸エステルを15〜38重量%
含む請求項1に記載の肉片の粉末改質剤。 - 【請求項6】 上記レシチンが、ホスファチジルイノシ
トールを25重量%以上含む請求項1に記載の肉片の粉
末改質剤。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の肉
片の粉末改質剤で処理した食用肉片。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6107688A JPH07289204A (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | 肉片の粉末改質剤及びこれで処理した食用肉片 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6107688A JPH07289204A (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | 肉片の粉末改質剤及びこれで処理した食用肉片 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07289204A true JPH07289204A (ja) | 1995-11-07 |
Family
ID=14465452
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6107688A Withdrawn JPH07289204A (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | 肉片の粉末改質剤及びこれで処理した食用肉片 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07289204A (ja) |
-
1994
- 1994-04-22 JP JP6107688A patent/JPH07289204A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010703 |