JPH0728738B2 - アルカリ耐性セルラーゼ - Google Patents
アルカリ耐性セルラーゼInfo
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- JPH0728738B2 JPH0728738B2 JP1655387A JP1655387A JPH0728738B2 JP H0728738 B2 JPH0728738 B2 JP H0728738B2 JP 1655387 A JP1655387 A JP 1655387A JP 1655387 A JP1655387 A JP 1655387A JP H0728738 B2 JPH0728738 B2 JP H0728738B2
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- JP
- Japan
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- activity
- medium
- optimum
- range
- cellulase
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- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規なアルカリ耐性セルラーゼに関する。
繊維素分解酵素セルラーゼの開発は、従来、バイオマス
資源、特にセルロース資源の有効利用を一大目標として
勧められてきた。セルラーゼ生産菌として分離されて来
た菌株は多種類にわたり、アスペルギルス属、ペニシリ
ウム属、トリコデルマ属、フザリウム属、フミコーラ
属、アクレモニウム属等の糸状菌を中心に、シユウドモ
ナス属、セルロモナス属、ルミノコツカス属、バチルス
属等の細菌、更に、ストレプトマイセス属、サーモアク
チノマイセス属等の放線菌でも報告されている。しかし
ながら、現時点では、バイオマス用セルラーゼの工業的
規模での利用は、多くはない。
資源、特にセルロース資源の有効利用を一大目標として
勧められてきた。セルラーゼ生産菌として分離されて来
た菌株は多種類にわたり、アスペルギルス属、ペニシリ
ウム属、トリコデルマ属、フザリウム属、フミコーラ
属、アクレモニウム属等の糸状菌を中心に、シユウドモ
ナス属、セルロモナス属、ルミノコツカス属、バチルス
属等の細菌、更に、ストレプトマイセス属、サーモアク
チノマイセス属等の放線菌でも報告されている。しかし
ながら、現時点では、バイオマス用セルラーゼの工業的
規模での利用は、多くはない。
一方、セルラーゼの新規な産業的用途として、衣料用洗
浄剤の配合成分としての利用が検討され注目を集めてい
る(特公昭59−49279号公報、特公昭60−23158号公報、
特公昭60−36240号公報)。しかし、自然界において従
来見出されたセルラーゼのほとんどは、中性乃至酸性領
域に於いて最大且つ安定な酵素活性を示す、所謂中性若
しくは酸性セルラーゼに分類されるものであつて、衣料
用洗浄剤配合成分としての必要条件である、アルカリ領
域で最大活性を示すか、あるいはアルカリ耐性を有する
セルラーゼ、所謂アルカリセルラーゼ及びアルカリ耐性
セルラーゼの存在は、極めて少ないのが実情である。
浄剤の配合成分としての利用が検討され注目を集めてい
る(特公昭59−49279号公報、特公昭60−23158号公報、
特公昭60−36240号公報)。しかし、自然界において従
来見出されたセルラーゼのほとんどは、中性乃至酸性領
域に於いて最大且つ安定な酵素活性を示す、所謂中性若
しくは酸性セルラーゼに分類されるものであつて、衣料
用洗浄剤配合成分としての必要条件である、アルカリ領
域で最大活性を示すか、あるいはアルカリ耐性を有する
セルラーゼ、所謂アルカリセルラーゼ及びアルカリ耐性
セルラーゼの存在は、極めて少ないのが実情である。
ここで言うアルカリセルラーゼとは、至適pHがアルカリ
領域にあるものを言い、アルカリ耐性セルラーゼとは、
至適pHは中性から酸性領域にあるが、アルカリ領域に於
いても至適pHに於ける活性に比較して充分に活性を有し
かつ安定性を保持するものを言う。
領域にあるものを言い、アルカリ耐性セルラーゼとは、
至適pHは中性から酸性領域にあるが、アルカリ領域に於
いても至適pHに於ける活性に比較して充分に活性を有し
かつ安定性を保持するものを言う。
また、中性とはpH6〜8の範囲を言い、アルカリ性とは
それ以上のpH範囲をいう。
それ以上のpH範囲をいう。
即ち、従来、衣料用洗浄剤組成物として使用し得るアル
カリセルラーゼ及びアルカリ耐性セルラーゼの生産方法
としては、好アルカリ性バチルス属細菌の培養によりセ
ルラーゼAを採取する方法(特公昭50−28515号公
報)、セルロモナス属に属する好アルカリ性細菌を培養
してアルカリセルラーゼ301−Aを生産する方法(特開
昭58−224686号公報)、好アルカリ性バチルスNo.1139
を培養してカルボキシメチルセルラーゼを生産する方法
(Fukumori,F.,Kudo,T.and Horikoshi,K.,J.Gen.Microb
iol.,131,3339,(1985))及びストレプトマイセス属の
一種を用いてアルカリセルラーゼを生産する方法(特開
昭61−19483号公報)が報告されているに過ぎず、いず
れも工業的発酵生産に適うものでは無かった。
カリセルラーゼ及びアルカリ耐性セルラーゼの生産方法
としては、好アルカリ性バチルス属細菌の培養によりセ
ルラーゼAを採取する方法(特公昭50−28515号公
報)、セルロモナス属に属する好アルカリ性細菌を培養
してアルカリセルラーゼ301−Aを生産する方法(特開
昭58−224686号公報)、好アルカリ性バチルスNo.1139
を培養してカルボキシメチルセルラーゼを生産する方法
(Fukumori,F.,Kudo,T.and Horikoshi,K.,J.Gen.Microb
iol.,131,3339,(1985))及びストレプトマイセス属の
一種を用いてアルカリセルラーゼを生産する方法(特開
昭61−19483号公報)が報告されているに過ぎず、いず
れも工業的発酵生産に適うものでは無かった。
ところが、最近、本発明者らは好アルカリ性微生物の一
種であるバチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM−635
(FERM P−8872)が、衣料用洗浄剤組成物として適し
たアルカリセルラーゼKを効率良く生産すること、及び
更に培養条件を選択することにより、より高収率で、ア
ルカリセルラーゼKが得られ、アルカリセルラーゼの工
業的発酵生産が可能となることを見出した。
種であるバチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM−635
(FERM P−8872)が、衣料用洗浄剤組成物として適し
たアルカリセルラーゼKを効率良く生産すること、及び
更に培養条件を選択することにより、より高収率で、ア
ルカリセルラーゼKが得られ、アルカリセルラーゼの工
業的発酵生産が可能となることを見出した。
しかしながら、上記バチルス エスピーKSM−635の培養
条件は、必ずしも工業的に有利なものと言えない。すな
わち、好アルカリ性菌株は培養中、pHをアルカリ性に保
ち続ける必要があるが、現在までのところ、好アルカリ
性菌株を用いる所謂アルカリ性発酵法の歴史は浅く、通
常の中性微生物と比較するとこれら好アルカリ性微生物
の生理、生化学についての知見は充分に蓄積されておら
ず、工業的発酵生産を行うにあたつての培地調製、培養
方法が操作上の難点となつていた。
条件は、必ずしも工業的に有利なものと言えない。すな
わち、好アルカリ性菌株は培養中、pHをアルカリ性に保
ち続ける必要があるが、現在までのところ、好アルカリ
性菌株を用いる所謂アルカリ性発酵法の歴史は浅く、通
常の中性微生物と比較するとこれら好アルカリ性微生物
の生理、生化学についての知見は充分に蓄積されておら
ず、工業的発酵生産を行うにあたつての培地調製、培養
方法が操作上の難点となつていた。
本発明者らはかかる問題点を解決するためにアルカリ領
域に至適pHを有するアルカリセルラーゼ或いは、アルカ
リ領域に於いても、至適pHに於ける最高活性に比較して
も高活性を維持し得るアルカリ耐性セルラーゼを生産す
る中性細菌を得べく、中性領域で生育する菌株を宿主と
して、該当するセルラーゼ遺伝子をクローニングする、
所謂遺伝子組換えの手段と併行し、自然界において該細
菌の探索を続けて来た。
域に至適pHを有するアルカリセルラーゼ或いは、アルカ
リ領域に於いても、至適pHに於ける最高活性に比較して
も高活性を維持し得るアルカリ耐性セルラーゼを生産す
る中性細菌を得べく、中性領域で生育する菌株を宿主と
して、該当するセルラーゼ遺伝子をクローニングする、
所謂遺伝子組換えの手段と併行し、自然界において該細
菌の探索を続けて来た。
そして、その結果、栃木県芳賀郡の土壌から分離した菌
株は、アルカリ側においても充分作用を有し、且つ安定
性を保持する、所謂アルカリ耐性セルラーゼを産生する
ことを見出し、本発明を完成した。
株は、アルカリ側においても充分作用を有し、且つ安定
性を保持する、所謂アルカリ耐性セルラーゼを産生する
ことを見出し、本発明を完成した。
本発明において用いられる菌株は、次のような菌学的性
質を有する。なお、以下の分類同定において用いた培地
は次の通りである。
質を有する。なお、以下の分類同定において用いた培地
は次の通りである。
培地 1. 肉エキス,1.0;バクトペプトン,1.0;NaCl,0.5;
バクト寒天,1.5(pH 7.2)(表示は、重量%;以下同
じ) 培地 2. 肉エキス,1.0;バクトペプトン,1.0;NaCl,0.5
(pH 7.2) 培地 3. 肉エキス,1.0;バクトペプトン,1.0;NaCl,0.5;
ゼラチン,1.0(pH 7.2) 培地 4. バクトリトマスミルク,10.0 培地 5. バクトペプトン,1.0;KNO3,0.1 培地 6. バクトペプトン,1.0;NaNO3,1.0 培地 7. バクトペプトン,0.7;NaCl,0.5;ブドウ糖,0.5
(pH 7.0) 培地 8. バクトペプトン,1.0 培地 9. TSI寒天(栄研化学製);指示量 培地10. 肉エキス,1.0;バクトペプトン,1.0;NaCl,0.5;
可溶性澱粉,0.2;寒天,1.5 培地11. NaNH4HPO4・4H2O,0.15;KH2PO4,0.1;MgSO4・7H
2O,0.02;クエン酸ナトリウム,0.25(pH 6.8) 培地12. クリステンセン培地(栄研化学製);指示量 培地13. ブドウ糖,1.0;KH2PO4,0.1;MgSO4・7H20,0.05;
KCl,0.02;窒素源,0.1(窒素源は、硝酸ナトリウム及び
硫酸アンモニウムを用いた)(pH 7.2) 培地14. キングA培地“栄研”(栄研化学製);指示
量 培地15. キングB培地“栄研”(栄研化学製);指示
量 培地16. 尿素培地“栄研”(栄研化学製);指示量 培地17. チトクローム・オキシダーゼ試験用瀘紙(日
水製薬製) 培地18. 3%過酸化水素水 培地19. OF基礎培地(Difco社製);指示量 培地20. (NH4)2HPO4,0.1;KCl,0.02;MgSO4・7H2O,0.0
2;酵母エキス,0.02;バクト寒天,2.0;BCP(0.2%溶液),
0.4 培地21. バクト・サブロー・デキストロース寒天培地
(Difco社製);指示量 培地22. 肉エキス,0.3;バクトペプトン,0.5;酵母エキ
ス,1.0;グリセリン,2.0 培地23. フェニルアラニン マロン酸塩培地(日水製
薬社製);指示量 培地24. スキムミルク,5.0;バクト寒天,1.5 培地25. 肉エキス,0.3;バクトペプトン,0.5;L−チロシ
ン,0.5;バクト寒天,1.5 (菌学的性質) (a)顕微鏡的観察結果 菌体の大きさは、0.4〜0.8μm×1.0〜2.0μmの桿菌で
あり、菌体の中央に円柱形又は楕円形の内生胞子(0.4
〜0.8μm×0.8〜1.2μm)を作る。周鞭毛を有し運動
性がある。グラム染色は陽性。抗酸性はない。
バクト寒天,1.5(pH 7.2)(表示は、重量%;以下同
じ) 培地 2. 肉エキス,1.0;バクトペプトン,1.0;NaCl,0.5
(pH 7.2) 培地 3. 肉エキス,1.0;バクトペプトン,1.0;NaCl,0.5;
ゼラチン,1.0(pH 7.2) 培地 4. バクトリトマスミルク,10.0 培地 5. バクトペプトン,1.0;KNO3,0.1 培地 6. バクトペプトン,1.0;NaNO3,1.0 培地 7. バクトペプトン,0.7;NaCl,0.5;ブドウ糖,0.5
(pH 7.0) 培地 8. バクトペプトン,1.0 培地 9. TSI寒天(栄研化学製);指示量 培地10. 肉エキス,1.0;バクトペプトン,1.0;NaCl,0.5;
可溶性澱粉,0.2;寒天,1.5 培地11. NaNH4HPO4・4H2O,0.15;KH2PO4,0.1;MgSO4・7H
2O,0.02;クエン酸ナトリウム,0.25(pH 6.8) 培地12. クリステンセン培地(栄研化学製);指示量 培地13. ブドウ糖,1.0;KH2PO4,0.1;MgSO4・7H20,0.05;
KCl,0.02;窒素源,0.1(窒素源は、硝酸ナトリウム及び
硫酸アンモニウムを用いた)(pH 7.2) 培地14. キングA培地“栄研”(栄研化学製);指示
量 培地15. キングB培地“栄研”(栄研化学製);指示
量 培地16. 尿素培地“栄研”(栄研化学製);指示量 培地17. チトクローム・オキシダーゼ試験用瀘紙(日
水製薬製) 培地18. 3%過酸化水素水 培地19. OF基礎培地(Difco社製);指示量 培地20. (NH4)2HPO4,0.1;KCl,0.02;MgSO4・7H2O,0.0
2;酵母エキス,0.02;バクト寒天,2.0;BCP(0.2%溶液),
0.4 培地21. バクト・サブロー・デキストロース寒天培地
(Difco社製);指示量 培地22. 肉エキス,0.3;バクトペプトン,0.5;酵母エキ
ス,1.0;グリセリン,2.0 培地23. フェニルアラニン マロン酸塩培地(日水製
薬社製);指示量 培地24. スキムミルク,5.0;バクト寒天,1.5 培地25. 肉エキス,0.3;バクトペプトン,0.5;L−チロシ
ン,0.5;バクト寒天,1.5 (菌学的性質) (a)顕微鏡的観察結果 菌体の大きさは、0.4〜0.8μm×1.0〜2.0μmの桿菌で
あり、菌体の中央に円柱形又は楕円形の内生胞子(0.4
〜0.8μm×0.8〜1.2μm)を作る。周鞭毛を有し運動
性がある。グラム染色は陽性。抗酸性はない。
(b)各種培地に於ける生育状態 肉汁寒天平板培養(培地1) 生育状態は弱い。集落の形状は円形であり、表面は円
滑、周縁は円滑である。又集落の色調は淡黄色半透明で
光沢がある。
滑、周縁は円滑である。又集落の色調は淡黄色半透明で
光沢がある。
肉汁寒天斜面培養(培地1) 生育は弱く、その状態は拡布状で光沢が有り、淡黄色半
透明である。
透明である。
肉汁液体培養(培地2) 生育する。特に、上層生育が認められる。
肉汁ゼラチン穿刺培養(培地3) 表層部に生育し、ゼラチンの液化が認められる。
リトマスミルク培地(培地4) ミルクの液化は認められるが、リトマス色素の明確な変
化はない。
化はない。
(c)生理学的性質 硝酸塩の還元及び脱窒反応(培地5,培地6)共に、陰
性。
性。
MRテスト(培地7) 陰性、陽性は、はつきりせず(pH5.2)。
VPテスト(培地7) 陰性、陽性は、はつきりせず(pH5.2)。
インドールの生成(培地8) 陰性。
硫化水素の生成(培地9) 陰性。
澱粉の加水分解(培地10) 陽性。
クエン酸の利用(培地11,培地12) コーサ培地及びクリステンセン培地で、ともに陽性。
無機窒素源の利用(培地13) 硝酸塩、アンモニウム塩ともに利用する。
色素の生成(培地14,培地15) 陰性。
ウレアーゼ(培地16) 陰性。
オキシダーゼ(培地17) 陽性。
カタラーゼ(培地18) 陽性。
生育の範囲(培地2) 生育の温度範囲は、15〜50℃、生育最適温度範囲は25〜
40℃ 生育のpH範囲は、pH5〜11、生育最適pH範囲はpH6〜10で
あつた。
40℃ 生育のpH範囲は、pH5〜11、生育最適pH範囲はpH6〜10で
あつた。
酸素に対する態度 通気嫌気性。
O−Fテスト(培地19) 好気嫌気共に生育する。
糖の利用性(培地20)(+:利用する、−:利用しな
い) 1. L−アラビノース + 2. D−キシロース + 3. D−グルコース + 4. D−マンノース − 5. D−フラクトース + 6. D−ガラクトース − 7. 麦芽糖 − 8. シヨ糖 + 9. 乳糖 − 10. トレハロース − 11. D−ソルビツト + 12. D−マンニツト + 13. イノシツト − 14. グリセリン + 15. デンプン + VP培地に於けるpH(培地7) pH 5.2。
い) 1. L−アラビノース + 2. D−キシロース + 3. D−グルコース + 4. D−マンノース − 5. D−フラクトース + 6. D−ガラクトース − 7. 麦芽糖 − 8. シヨ糖 + 9. 乳糖 − 10. トレハロース − 11. D−ソルビツト + 12. D−マンニツト + 13. イノシツト − 14. グリセリン + 15. デンプン + VP培地に於けるpH(培地7) pH 5.2。
食塩含有培地に於ける生育(改変培地1) 5%で生育する。
7%で生育する。
10%で生育せず。
pH 5.7に於ける生育(培地21) 生育する。
ジハイドロキシアセトンの生成(培地22) 陰性。
フエニルアラニンの脱アミノ化(培地23) 陰性。
ガゼインの分解(培地24) 陽性。
チロシンの分解(培地25) 陰性。
以上の菌学的性質について、バージーズ・マニユアル・
オブ・デイタミネイテイブ・バクテリオロジー(Bargey
‘s Mannual of Determinative Bacteriology)第8版
及びザ・ジーナス・バチルス(“The Genus Bacillus",
Ruth,E.Gordon著Agriculture Handbook No.427,Agricul
tural Research Service,U.S.Department of Agricultu
re,Washington D.C.(1973))を参照し比較、検索した
結果、本発明で用いる菌株は、有胞子桿菌であるバチル
ス(Bacillus)属の一種であると認められる。そして本
菌株は、最近、堀越と秋葉(“Alkalophilic Microorga
nism",Japan Scientific Society Press(Tokyo),1982
年刊)の主張している、所謂好アルカリ性(Alkalophil
ic)微生物がpH8以上のアルカリ培地に於いて生育し、
これ以下の中性pH領域では生育出来ないのに対し、弱酸
性領域からアルカリ領域(pH5〜11)に於いて生育が可
能である事から、この好アルカリ性微生物とは明らかに
異なるものであり、一般的な中性で生育可能なバチルス
属微生物と判断できる。
オブ・デイタミネイテイブ・バクテリオロジー(Bargey
‘s Mannual of Determinative Bacteriology)第8版
及びザ・ジーナス・バチルス(“The Genus Bacillus",
Ruth,E.Gordon著Agriculture Handbook No.427,Agricul
tural Research Service,U.S.Department of Agricultu
re,Washington D.C.(1973))を参照し比較、検索した
結果、本発明で用いる菌株は、有胞子桿菌であるバチル
ス(Bacillus)属の一種であると認められる。そして本
菌株は、最近、堀越と秋葉(“Alkalophilic Microorga
nism",Japan Scientific Society Press(Tokyo),1982
年刊)の主張している、所謂好アルカリ性(Alkalophil
ic)微生物がpH8以上のアルカリ培地に於いて生育し、
これ以下の中性pH領域では生育出来ないのに対し、弱酸
性領域からアルカリ領域(pH5〜11)に於いて生育が可
能である事から、この好アルカリ性微生物とは明らかに
異なるものであり、一般的な中性で生育可能なバチルス
属微生物と判断できる。
更に本菌株を他の公知のバチルス属の菌株と比較する
と、最も類縁の種としてバチルス・リケニホルミス(Ba
cillus licheniformis)が挙げられる。しかしながら、
公知のリケニホルミスに属する菌株と本菌株とを比較す
ると、硝酸塩の還元能において相異する。更に上記リケ
ニホルミスに属する菌株は少なくともアルカリ耐性のセ
ルラーゼを産生しないので本発明者らは本菌株を新菌株
と判断し、バチルス エスピー KSM−577と命名して工
業技術院微生物工業技術研究所に寄託した(FERM P−
9012)。
と、最も類縁の種としてバチルス・リケニホルミス(Ba
cillus licheniformis)が挙げられる。しかしながら、
公知のリケニホルミスに属する菌株と本菌株とを比較す
ると、硝酸塩の還元能において相異する。更に上記リケ
ニホルミスに属する菌株は少なくともアルカリ耐性のセ
ルラーゼを産生しないので本発明者らは本菌株を新菌株
と判断し、バチルス エスピー KSM−577と命名して工
業技術院微生物工業技術研究所に寄託した(FERM P−
9012)。
このの菌株を用いてアルカリ耐性セルラーゼ、セルラー
ゼK−577を得るには、培地に該菌株を接種し、常法に
従つて培養すれば良い。培地中には、資化し得る炭素源
及び窒素源を適当量含有せしめておくことが好ましい。
この炭素源及び窒素源については特に制限はないが、そ
の例としては、窒素源として無機態の硝安、硫安、塩
安、リン酸アンモニウム、硝酸ソーダや、コーングルテ
ンミール、大豆粉、コーンスチープリカー、カザミノ
酸、酵母エキス、フアーマメデイア、イワシミール、肉
エキス、ペプトン、ハイプロ、アジパワー、コーンソイ
ビーンミール、コーヒー粕、綿実油粕、カルチベータ、
アミフレツクス及びアジジプロン、ゼスト、アジツクス
などが挙げられる。又、炭素源としては、籾殻、麩、瀘
紙、一般紙類、おが屑などの植物繊維質、廃糖蜜、転化
糖、カルボキメチルセルロース(CMC)、アビセル、セ
ルロース綿、キシラン、ペクチンに加え、資化し得る炭
素源、例えば、アラビノース、キシロース、グルコー
ス、フラクトース、庶糖、ソルビトール、マンニトー
ル、グリセリン、可溶性デンプンや資化し得る有機酸、
例えば酢酸、クエン酸等が挙げられる。また、その他、
リン酸、Mg2+,Ca2+,Mn2+,Zn2+,Co2+,Na+,K+などの無機
塩や、必要であれば、無機、有機微量栄養源を培地中に
適宜添加することもできる。
ゼK−577を得るには、培地に該菌株を接種し、常法に
従つて培養すれば良い。培地中には、資化し得る炭素源
及び窒素源を適当量含有せしめておくことが好ましい。
この炭素源及び窒素源については特に制限はないが、そ
の例としては、窒素源として無機態の硝安、硫安、塩
安、リン酸アンモニウム、硝酸ソーダや、コーングルテ
ンミール、大豆粉、コーンスチープリカー、カザミノ
酸、酵母エキス、フアーマメデイア、イワシミール、肉
エキス、ペプトン、ハイプロ、アジパワー、コーンソイ
ビーンミール、コーヒー粕、綿実油粕、カルチベータ、
アミフレツクス及びアジジプロン、ゼスト、アジツクス
などが挙げられる。又、炭素源としては、籾殻、麩、瀘
紙、一般紙類、おが屑などの植物繊維質、廃糖蜜、転化
糖、カルボキメチルセルロース(CMC)、アビセル、セ
ルロース綿、キシラン、ペクチンに加え、資化し得る炭
素源、例えば、アラビノース、キシロース、グルコー
ス、フラクトース、庶糖、ソルビトール、マンニトー
ル、グリセリン、可溶性デンプンや資化し得る有機酸、
例えば酢酸、クエン酸等が挙げられる。また、その他、
リン酸、Mg2+,Ca2+,Mn2+,Zn2+,Co2+,Na+,K+などの無機
塩や、必要であれば、無機、有機微量栄養源を培地中に
適宜添加することもできる。
斯くして得られた培養物中からの目的物質であるセルラ
ーゼK−577の採取及び精製は、一般の酵素の採取及び
精製の手段に準じて行なうことが出来る。即ち、遠心分
離又は過等の通常の固液分離手段により菌体を培養液
から除去して粗酵素液を得ることも出来る。この粗酵素
液は、そのまま使用することも出来るが、必要に応じ
て、塩析法、沈澱法、限外過法等の分離手段により粗
酵素を得、更に公知の方法により精製結晶化して、精製
酵素として使用することも可能である。
ーゼK−577の採取及び精製は、一般の酵素の採取及び
精製の手段に準じて行なうことが出来る。即ち、遠心分
離又は過等の通常の固液分離手段により菌体を培養液
から除去して粗酵素液を得ることも出来る。この粗酵素
液は、そのまま使用することも出来るが、必要に応じ
て、塩析法、沈澱法、限外過法等の分離手段により粗
酵素を得、更に公知の方法により精製結晶化して、精製
酵素として使用することも可能である。
斯くして得られた本発明のアルカリセルラーゼK−577
は、以下に示す酵素学的性質を有する。なお、酵素活性
の測定は、以下の方法に従つて行ない、また用いた緩衝
液は次の通りである。
は、以下に示す酵素学的性質を有する。なお、酵素活性
の測定は、以下の方法に従つて行ない、また用いた緩衝
液は次の通りである。
pH3〜8 マクルベイン緩衝液 pH8〜11 グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液 pH12〜13 塩化カリウム−水酸化ナトリウム緩衝液 酵素活性測定法: (1)CMCアーゼ活性 10mgCMC(A−01L,山陽国策パルプ社)、100μmol各種
緩衝液(マクルベイン、リン酸、グリシン−NaOH等)を
含む基質溶液0.9mlに0.1mlの酵素溶液を加え、30℃、20
分反応した。反応後、3.5−ジニトロ−サリチル酸(3,5
−dinitro−salicylic acid(DNS)法にて還元糖の定量
を行つた。すなわち、反応液1.0mlにDNS試薬.0mlを加
え、5分間、100℃で加熱発色させ、冷却後、4.0mlの脱
イオン水を加えて希釈した。これを波長535nmで比色定
量した。酵素力価は、上記の条件下で1分間に1μmol
のグルコースに相当する還元糖を生成する酵素量を1単
位とした。
緩衝液(マクルベイン、リン酸、グリシン−NaOH等)を
含む基質溶液0.9mlに0.1mlの酵素溶液を加え、30℃、20
分反応した。反応後、3.5−ジニトロ−サリチル酸(3,5
−dinitro−salicylic acid(DNS)法にて還元糖の定量
を行つた。すなわち、反応液1.0mlにDNS試薬.0mlを加
え、5分間、100℃で加熱発色させ、冷却後、4.0mlの脱
イオン水を加えて希釈した。これを波長535nmで比色定
量した。酵素力価は、上記の条件下で1分間に1μmol
のグルコースに相当する還元糖を生成する酵素量を1単
位とした。
(2)p−ニトロフエニルセロビオシド分解活性0.1μm
olp−ニトロフエニルセロビオシド(シグマ社)、100μ
molリン酸緩衝液(pH 7.0)を含む反応液1.0ml中に適
当量の酵素液を30℃で作用させた後、1M Na2CO3を0.3m
l、脱イオン水を1.7ml順位加え、遊離するp−ニトロフ
エノールを400nmで比色定量した。酵素力価は、上記の
条件下で1分間に1μmolのp−ニトロフエノールを遊
離させる酵素量を1単位とした。
olp−ニトロフエニルセロビオシド(シグマ社)、100μ
molリン酸緩衝液(pH 7.0)を含む反応液1.0ml中に適
当量の酵素液を30℃で作用させた後、1M Na2CO3を0.3m
l、脱イオン水を1.7ml順位加え、遊離するp−ニトロフ
エノールを400nmで比色定量した。酵素力価は、上記の
条件下で1分間に1μmolのp−ニトロフエノールを遊
離させる酵素量を1単位とした。
(3)アルビセ、セルロース粉末、及び瀘紙分解活性 20mgアビセル(メルク社)、200μmolリン酸緩衝液(pH
7.0)を含む反応液2.0ml中に適当量の酵素液を加え、
30℃、250rpmで振とうしながら作用させた。反応後、冷
却遠心分離(5℃、3000rpm、20分)を行い、その上清
1.0mlを3.5−ジニトロ−サリチル酸(3,5−dinitro−sa
licylic acid(DNS))法にて還元糖の定量を行つた。
セルロース粉末分解活性はセルロース粉末(東洋瀘紙
社)を、瀘紙分解活性は瀘紙(セルラーゼ活性検定用瀘
紙;東洋No.51−特)を用い、アビセラーゼ活性の時と
同様に行つた。酵素力価は、上記の条件下で1分間に1
μmolのグルコースに相当する還元糖を生成する酵素量
を1単位とした。
7.0)を含む反応液2.0ml中に適当量の酵素液を加え、
30℃、250rpmで振とうしながら作用させた。反応後、冷
却遠心分離(5℃、3000rpm、20分)を行い、その上清
1.0mlを3.5−ジニトロ−サリチル酸(3,5−dinitro−sa
licylic acid(DNS))法にて還元糖の定量を行つた。
セルロース粉末分解活性はセルロース粉末(東洋瀘紙
社)を、瀘紙分解活性は瀘紙(セルラーゼ活性検定用瀘
紙;東洋No.51−特)を用い、アビセラーゼ活性の時と
同様に行つた。酵素力価は、上記の条件下で1分間に1
μmolのグルコースに相当する還元糖を生成する酵素量
を1単位とした。
(4)セロビアーゼ活性 10mgセロビオース(関東化学社)、100μmolリン酸緩衝
液(pH 7.0)を含む反応液1.0ml中に適当量の酵素液を
30℃で作用させた後、100℃、2分処理し酵素を失活さ
せた後、生成グルコース量をムロターゼ・GOD法(Gluco
se C−Test、和光純薬工業社)で測定した。酵素力価
は、上記の条件下で1分間に2μmolのグルコースを生
成する酵素量を1単位とした。
液(pH 7.0)を含む反応液1.0ml中に適当量の酵素液を
30℃で作用させた後、100℃、2分処理し酵素を失活さ
せた後、生成グルコース量をムロターゼ・GOD法(Gluco
se C−Test、和光純薬工業社)で測定した。酵素力価
は、上記の条件下で1分間に2μmolのグルコースを生
成する酵素量を1単位とした。
(酵素学的性質) (1)作用 セルロース、紙、アビセル、CMC等の繊維素によく作
用し、これらを溶解せしめ、グルコース等の還元糖を生
成する。
用し、これらを溶解せしめ、グルコース等の還元糖を生
成する。
(2)基質特異性 本酵素はCMCの他にも、セルロース粉末、アビセル及び
瀘紙に対する活性を有していた。
瀘紙に対する活性を有していた。
(3)作用pH及び最適pH 作用pH範囲は、3〜12と極めて広範囲にわたる。最適pH
は、7であり、4.5〜10.5の範囲に於いても至適pHに於
ける活性の50%以上の相対活性を有しており、過去に研
究されたセルラーゼの中でも最もアルカリ側で作用pH範
囲が広い酵素と言える(第1図)。
は、7であり、4.5〜10.5の範囲に於いても至適pHに於
ける活性の50%以上の相対活性を有しており、過去に研
究されたセルラーゼの中でも最もアルカリ側で作用pH範
囲が広い酵素と言える(第1図)。
(4)pH安定性 各々のpHで30℃、1時間保持した後の残存活性を測定
し、pH安定性を調べた。その結果、pH5〜12で極めて安
定で失活せず、pH4.5〜12.5に於いても、約50%以上の
活性を維持していた。本酵素は、このように高アルカリ
領域に於いても充分に安定である(第2図)。
し、pH安定性を調べた。その結果、pH5〜12で極めて安
定で失活せず、pH4.5〜12.5に於いても、約50%以上の
活性を維持していた。本酵素は、このように高アルカリ
領域に於いても充分に安定である(第2図)。
(5)最適温度 作用温度は、15〜75℃の広範囲にわたり、その至適温度
は60℃であつた。又、40〜65℃の範囲に於いても、至適
温度での活性の50%以上を有していた(第3図)。
は60℃であつた。又、40〜65℃の範囲に於いても、至適
温度での活性の50%以上を有していた(第3図)。
(6)温度安定性 至適pHに於いて、30分間各温度で処理した後、残存活性
を測定した結果、50℃では安定しており、55℃に於いて
も約50%の残存活性を有していた(第4図)。
を測定した結果、50℃では安定しており、55℃に於いて
も約50%の残存活性を有していた(第4図)。
(7)分子量 本酵素をセフアデツクスG−100(“Sephadex G−10
0")によるゲル濾過法に基づき分子量を測定したとこ
ろ、約1.7万と約3.0万に主たるピークが観察された。
0")によるゲル濾過法に基づき分子量を測定したとこ
ろ、約1.7万と約3.0万に主たるピークが観察された。
(8)金属イオンの影響 本酵素について、各種金属イオン(Al3+,Fe3+,Ba2+,Ca
2+,Cd2+,Co2+,Cr2+,Cu2+,Fe2+,Hg2+,Mn2+,Mo2+,Ni2+,Pb
2+,Zn2+,Li+,K+,Na+)を活性測定時に共存させて、その
影響を検討した(各種金属イオン濃度は1mM,K+,Na+は50
mMである)。
2+,Cd2+,Co2+,Cr2+,Cu2+,Fe2+,Hg2+,Mn2+,Mo2+,Ni2+,Pb
2+,Zn2+,Li+,K+,Na+)を活性測定時に共存させて、その
影響を検討した(各種金属イオン濃度は1mM,K+,Na+は50
mMである)。
その結果、Hg2+で阻害が、Ca2+,Cd2+,Ba2+,Co2+により
活性化が認められた。
活性化が認められた。
(9)界面活性剤の影響 各種界面活性剤(例えば、LAS、AS、ES、AOS、α−SF
E、SAS、石鹸、ポリオキシエチレンセカンダリーアルキ
ルエーテル)の酵素活性に及ぼす影響を調べた。界面活
性剤0.05%溶液で30℃、15分間処理後、活性測定を行つ
た。その結果、何れの界面活性剤によつてもほとんど阻
害を受けなかつた。強力なデタージエントであるソデイ
ウム・ドデシルサルフエートによつても活性の阻害は認
められなかつた。
E、SAS、石鹸、ポリオキシエチレンセカンダリーアルキ
ルエーテル)の酵素活性に及ぼす影響を調べた。界面活
性剤0.05%溶液で30℃、15分間処理後、活性測定を行つ
た。その結果、何れの界面活性剤によつてもほとんど阻
害を受けなかつた。強力なデタージエントであるソデイ
ウム・ドデシルサルフエートによつても活性の阻害は認
められなかつた。
(10)プロテアーゼ耐性 洗剤用プロテアーゼ、例えばAPI−21(昭和電工)、マ
クサターゼ(ギスト社)及びアルカラーゼ(ノボ社)
を、活性測定時に共存(0.1mg/ml)させてその影響を調
べたところ、何れのプロテアーゼによつても、本酵素が
プロテアーゼに対して強い耐性を有することがわかつ
た。
クサターゼ(ギスト社)及びアルカラーゼ(ノボ社)
を、活性測定時に共存(0.1mg/ml)させてその影響を調
べたところ、何れのプロテアーゼによつても、本酵素が
プロテアーゼに対して強い耐性を有することがわかつ
た。
(11)キレート剤の影響 キレート剤であるEDTA、EGTA、クエン酸、ゼオライト、
トリポリリン酸ソーダを活性側定時に共存させ、その影
響を検討したが、ほとんど阻害は認められなかつた。
トリポリリン酸ソーダを活性側定時に共存させ、その影
響を検討したが、ほとんど阻害は認められなかつた。
本発明のセルラーゼK−577は、至適pHを7に有するに
もかかわらずアルカリにおいても高い相対活性を有し、
pH5〜12に於て極めて安定である。また、界面活性剤、
プロテアーゼ、キレート剤等の洗浄剤配合成分によつて
もほとんど阻害を受けない。したがつて、本酵素は洗浄
剤組成物の配合成分として有利に使用することができる
ものである。
もかかわらずアルカリにおいても高い相対活性を有し、
pH5〜12に於て極めて安定である。また、界面活性剤、
プロテアーゼ、キレート剤等の洗浄剤配合成分によつて
もほとんど阻害を受けない。したがつて、本酵素は洗浄
剤組成物の配合成分として有利に使用することができる
ものである。
また、バチルス エスピー KSM−577は中性で生育する
菌株であるので、好アルカリ性細菌と比べ容易にアルカ
リ耐性セルラーゼを工業的に生産することができる。
菌株であるので、好アルカリ性細菌と比べ容易にアルカ
リ耐性セルラーゼを工業的に生産することができる。
以下、実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。
参考例1. 栃木県芳賀郡市貝町の土壌を薬匙一杯(約0.5g)を滅菌
生理食塩水に懸濁し、80℃で10分間熱処理した。この熱
処理液の上清を適当に希釈して、分離用寒天培地(培地
1)に塗布した。次いで、これを30℃にて3日間培養
し、集落を形成させた。集落の周囲にCMCの溶解に基づ
く透明帯を形成するものを選出し、CMCアーゼ生産菌を
取得した。更に、取得菌を培地2の液体培地に接種し、
30℃で3日間振盪培養した。培養後、遠心分離した上清
液についてCMCアーゼ活性を、pH3〜13にて測定し、アル
カリ耐性セルラーゼ生産菌をスクリーニングした。
生理食塩水に懸濁し、80℃で10分間熱処理した。この熱
処理液の上清を適当に希釈して、分離用寒天培地(培地
1)に塗布した。次いで、これを30℃にて3日間培養
し、集落を形成させた。集落の周囲にCMCの溶解に基づ
く透明帯を形成するものを選出し、CMCアーゼ生産菌を
取得した。更に、取得菌を培地2の液体培地に接種し、
30℃で3日間振盪培養した。培養後、遠心分離した上清
液についてCMCアーゼ活性を、pH3〜13にて測定し、アル
カリ耐性セルラーゼ生産菌をスクリーニングした。
上述の方法により、本発明で用いるバチルス エスピー
KSM−577株(FERM P−9012)を取得することが出来
た。
KSM−577株(FERM P−9012)を取得することが出来
た。
培地1. CMC 2% ポリペプトン 0.5% 酵母エキス 0.05% KH2PO4 0.1% Na2HPO4・12H2O 0.25% MgSO4・7H2O 0.02% 寒天 0.75% pH6.8 培地2. CMC 1% ポリペプトン 1% 酵母エキス 0.5% KH2PO4 0.1% Na2HPO4・12H2O 0.25% MgSO4・7H2O 0.02% pH6.8 実施例1 参考例1で得たバチルス エスピー KSM−577を参考例
1の液体培地2に接種し、30℃で3日間振盪培養した。
培養後、菌体を遠心分離して除き、粗酵素液を得た。こ
の粗酵素液1に対して、ドライアイス−エタノール中
で3のエタノールを加え、生じた沈澱を遠心分離し更
に凍結乾燥を行ない乾燥粉末としてセルラーゼK−577
9g(比活性22単位/g;pH9における測定値以下同じ)を
得た。
1の液体培地2に接種し、30℃で3日間振盪培養した。
培養後、菌体を遠心分離して除き、粗酵素液を得た。こ
の粗酵素液1に対して、ドライアイス−エタノール中
で3のエタノールを加え、生じた沈澱を遠心分離し更
に凍結乾燥を行ない乾燥粉末としてセルラーゼK−577
9g(比活性22単位/g;pH9における測定値以下同じ)を
得た。
実施例2 液体培地2においてCMCを1%庶糖に、ポリペプトンを
7%CSL(コーン・スチープ・リカー)に代えた培地を
用い、実施例1に準じて30℃で2日間振盪培養した。得
られた培養液の遠心分離上清についてそのCMCアーゼ活
性を測定したところ40単位/であつた。
7%CSL(コーン・スチープ・リカー)に代えた培地を
用い、実施例1に準じて30℃で2日間振盪培養した。得
られた培養液の遠心分離上清についてそのCMCアーゼ活
性を測定したところ40単位/であつた。
第1図は、酵素反応pHと相対活性の関係を示す図面であ
る。 第2図は、酵素処理pHと相対活性の関係を示す図面であ
る。 第3図は、酵素反応温度と相対活性の関係を示す図面で
ある。 第4図は、酵素処理温度と相対活性の関係を示す図面で
ある。
る。 第2図は、酵素処理pHと相対活性の関係を示す図面であ
る。 第3図は、酵素反応温度と相対活性の関係を示す図面で
ある。 第4図は、酵素処理温度と相対活性の関係を示す図面で
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】次の酵素学的性質を有するアルカリ耐性の
セルラーゼK−577。 (1)作用 カルボキシメチルセルロース、セルロース、瀘紙、アビ
セル等の繊維素によく作用し、これらを溶解せしめ、グ
ルコース等の還元糖を生成する。 (2) 基質特異性 カルボキシメチルセルロースの他にも、セルロース粉
末、アビセル及び瀘紙に対する活性を有する。 (3) 作用pH及び最適pH 作用pH範囲は、3〜12である。最適pHは、7であり、4.
5〜10.5の範囲に於いても至適pHに於ける活性の50%以
上の相対活性を有する。 (4) pH安定性 pH5〜12で極めて安定で失活せず、pH4.5〜12.5に於いて
も、約50%以上の活性を維持している。 (5) 最適温度 作用温度は、15〜75℃の広範囲にわたり、その至適温度
は60℃である。また、40〜65℃の範囲に於いても、至適
温度での活性の50%以上を有している。 (6) 分子量 約1.7万と3.0万に分子量のピークを有する(セファデッ
クスG−100を用いたゲル濾過法による)。 (7) 金属イオンの影響 Hg2+で阻害され、Ba2+,Ca2+,Cd2+及びCo2+により活性化
される。 (8) 界面活性剤の影響 LAS、AS、ES、AOS、α−SFE、SAS、石鹸、ポリオキシエ
チレンセカンダリーアルキルエーテルは、活性をほとん
ど阻害しない。 (9) プロテアーゼ耐性 プロテアーゼに対して耐性を有する。 (10) キレート剤の影響 EDTA、EGTA、トリポリリン酸ソーダ、ゼオライト、クエ
ン酸は活性を阻害しない。
Priority Applications (9)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1655387A JPH0728738B2 (ja) | 1986-12-09 | 1987-01-27 | アルカリ耐性セルラーゼ |
ES87117686T ES2074043T3 (es) | 1986-12-05 | 1987-11-30 | Celulasas resistentes a los alcalis y microorganismos capaces de producirlas. |
US07/126,739 US4943532A (en) | 1986-12-05 | 1987-11-30 | Alkali-resistant cellulases and microorganisms capable of producing same |
EP87117686A EP0270974B1 (en) | 1986-12-05 | 1987-11-30 | Alkali-resistant cellulases and microorganisms capable of producing same |
DE3751270T DE3751270T2 (de) | 1986-12-05 | 1987-11-30 | Alkali-resistente Cellulasen und Mikroorganismen, fähig zu ihrer Herstellung. |
MYPI87003141A MY102260A (en) | 1986-12-05 | 1987-12-02 | Alkali-resistant cellulases and microorganisms capable of producing same |
PH36169A PH27442A (en) | 1986-12-05 | 1987-12-04 | Alkali-resistant cellulases and microorganisms capable of producing same |
DK198706383A DK174891B1 (da) | 1986-12-05 | 1987-12-04 | Alkali-resistente cellulaser og mikroorganismer, der kan producere disse |
HK160695A HK160695A (en) | 1986-12-05 | 1995-10-12 | Alkali-resistant cellulases and microorganisms capable of producing same |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61-293078 | 1986-12-09 | ||
JP29307886 | 1986-12-09 | ||
JP1655387A JPH0728738B2 (ja) | 1986-12-09 | 1987-01-27 | アルカリ耐性セルラーゼ |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23579894A Division JP2509535B2 (ja) | 1986-12-09 | 1994-09-30 | アルカリ耐性セルラ―ゼを産生する微生物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63279790A JPS63279790A (ja) | 1988-11-16 |
JPH0728738B2 true JPH0728738B2 (ja) | 1995-04-05 |
Family
ID=26352916
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1655387A Expired - Lifetime JPH0728738B2 (ja) | 1986-12-05 | 1987-01-27 | アルカリ耐性セルラーゼ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0728738B2 (ja) |
-
1987
- 1987-01-27 JP JP1655387A patent/JPH0728738B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63279790A (ja) | 1988-11-16 |
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