JPH07287234A - 液晶配向剤及びこれを用いた液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤及びこれを用いた液晶表示素子

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JPH07287234A
JPH07287234A JP7826094A JP7826094A JPH07287234A JP H07287234 A JPH07287234 A JP H07287234A JP 7826094 A JP7826094 A JP 7826094A JP 7826094 A JP7826094 A JP 7826094A JP H07287234 A JPH07287234 A JP H07287234A
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JP
Japan
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liquid crystal
polyamide
acid
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crystal aligning
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JP7826094A
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English (en)
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Toshimasa Eguchi
敏正 江口
Sumitoshi Asakuma
純俊 朝隈
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Publication date
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 脂肪族ジカルボン酸構造を有するポリアミド
と脂肪族テトラカルボン酸構造を有するポリアミド酸と
を必須成分とする液晶配向剤。 【効果】 150℃以下の極めて低温で焼成した場合にも
良好な耐ラビング性を示し、工程の低温化が必要なカラ
ーアクティブマトリクスLCD、プラスティックパネル又
はプラスティックフィルム基板LCDの製造に使用でき特
にプラスティック基板TN-LCDの製造に最適な液晶配向剤
である。更に、本配向剤を用いた液晶表示素子は、低温
での加工において高い歩留まりを実現できるとともに表
示性,電気特性の信頼性に優れた液晶表示素子である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子の製造に使
用する液晶配向剤に関するものであり、更に詳しくは低
温で加工でき基板との密着性と耐ラビング性に優れる液
晶配向膜が得られる液晶配向剤に関するものであり、こ
の液晶配向剤を用いた信頼性に優れる液晶表示素子に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示素子は、薄型ディスプレ
イとして広範囲に用いられてきている。一般的に用いら
れている液晶表示素子は、ツイステッドネマティック(T
N)方式とスーパーツイステッドネマティック(STN)方式
であるが、これらの液晶表示素子を作製する場合には特
公昭62−38689号公報に示されるように透明電極
付き基板に挟まれた液晶を基板に対して一定方向に配向
させる液晶配向膜が必要である。
【0003】一般的に、液晶表示素子の基板には0.3mm
〜1.0mm程度の厚さのガラス板が用いられている。近
年、液晶表示素子を搭載する電子機器の更なる薄型化、
軽量化のために、基板にポリエチレンテレフタレート
(以下、PETと略す)やポリエーテルスルホン(以下、P
ESと略す)、ポリアリレート等のプラスティック基板を
用いることが検討され、一部で実用化されはじめてい
る。これらのプラスティック基板を用いることにより、
薄型化、軽量化が可能であり、更にプラスティックの特
徴であるフレキシビリティを活かして、表示面が曲面で
あるディスプレイや屈曲性のあるディスプレイを作製す
ることも可能である。
【0004】しかし、このようなプラスティック液晶表
示素子を製造するにあたり、これに用いる液晶配向剤に
関する問題が生じている。すなわち、プラスティック基
板を用いるため、PETで120℃程度、PESやポリアリレー
トで150℃程度が工程に許容される最高温度となり、良
好な配向膜が得られる焼成温度が200〜350℃である前記
のような液晶配向剤を使用することができないというこ
とである。
【0005】一方、200℃以下で焼成可能な液晶配向剤
として、特開昭61−205924号公報に記載されて
いる可溶性ポリイミドを樹脂成分とする液晶配向剤や、
特開平5−158047号公報に記載されているシリコ
ーン変性ポリアミド酸を樹脂成分とする液晶配向剤が提
案されている。前者は樹脂成分がポリイミド前駆体では
なく、すでにイミド化が完了したポリイミドであるた
め、溶剤を揮発させれば配向膜が得られるというもので
ある。また後者は、熱イミド化が通常のポリイミド前駆
体より進行し易いため、低温での焼成が可能であるとい
うものである。
【0006】しかし、これらの液晶配向剤を使用した場
合にもプラスティック基板を用いるために焼成温度100
〜150℃で液晶配向膜を製膜した場合次のような問題が
生じている。すなわち、可溶性ポリイミドを樹脂成分と
する液晶配向剤を用いると配向膜と基板との密着性が充
分でなくラビング工程で配向膜が剥離する場合がある。
液晶を一軸配向させるためには配向膜とするポリイミド
は直線性の高い剛直な構造が要求されるが、このような
構造のポリイミドは150℃以上のガラス転移温度を持
ち、これ以下の温度では高い密着性を得ることは本質的
に不可能である。一方、シリコーン変性ポリアミド酸を
樹脂成分とする液晶配向剤を用いた場合、製膜時のガラ
ス転移温度は低く密着性は良好であるが、150℃未満で
はイミド化が充分に進行せず液晶を均一に一軸配向させ
る配向性を得ることができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な液晶配向剤の問題点を解決し、150℃以下の低温で加
工した際にも良好な配向性が得られるとともに基板との
密着性が良好で耐ラビング性に優れる配向膜が得られる
液晶配向剤を提供するとともに、この液晶配向剤を用い
た歩留まりが高く信頼性に優れる液晶表示素子を提供す
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリアミドと
脂肪族テトラカルボン酸構造を有するポリアミド酸とを
必須成分とする液晶配向剤及びこれを用いた液晶表示素
子である。
【0009】本発明の液晶配向剤は低温焼成でも良好な
配向性が得られるポリアミドと、良好な密着性と電気特
性を示す脂肪族テトラカルボン酸構造を有するポリアミ
ド酸とを必須成分とする液晶配向剤である。これらの特
性を両立するためにはポリアミドと脂肪族テトラカルボ
ン酸構造を有するポリアミド酸との比率は重量比で0.05
/0.95〜0.95/0.05であることが好ましい。
【0010】前述したように一般的には150℃以下の低
温焼成が可能な液晶配向剤の樹脂成分は可溶性ポリイミ
ドが用いられているが、可溶性ポリイミドはポリアミド
酸とは相溶しないためポリアミド酸と併用することによ
る密着性の向上は不可能である。一方、本発明のポリア
ミドとポリアミド酸は良好な相溶性を示し、溶液の状態
でも配向膜とした状態でも均一で透明な状態が得られ
る。
【0011】ポリアミド酸の構造としては、特公昭62
−38689号公報に示されるような芳香族テトラカル
ボン酸構造を有するもののほうが一般的でありこれを用
いても良好な密着性は達成できるが、脂肪族テトラカル
ボン酸構造を有するポリアミド酸に比べ加水分解を受け
易いためイミド化が充分進行しない150℃以下で焼成し
て使用する場合に長期の安定性に欠け、液晶表示素子の
信頼性試験において消費電流の増加を起こすという電気
特性の問題を発生する場合がある。本発明中の脂肪族テ
トラカルボン酸構造を有するポリアミド酸を使用した場
合これらの問題を発生しない。更に、ポリアミドが脂肪
族ジカルボン酸構造を有するものである場合、特に消費
電流を低く抑える作用が良好である。これらの構造のう
ち、ポリアミドが一般式(1)で表される構造であり、
ポリアミド酸が一般式(2)で表される構造である場合
は特に配向性の安定性に優れ好ましい。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】一般式(1)中のR1と一般式(2)中のR3
が一般式(3)で表される場合は、特に低温焼成性に優
れ100〜120℃で焼成することが可能である。
【0015】
【化3】
【0016】更に、一般式(3)中のR4が -CH2- で表
される場合、これらの中でも特に配向性の安定性に優れ
る。
【0017】本発明の液晶配向剤中のポリアミドは、ジ
カルボン酸とジアミンを極性溶媒中で脱水縮合するか、
ジカルボン酸クロライドとジアミンを極性溶媒中で反応
させることにより得ることができる。
【0018】ジカルボン酸の例としては、1,4-シクロヘ
キサンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン
酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジ
ピン酸、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタ
ン、1,8-ジアミノオクタン、1,10-ジアミノデカン、ド
デカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4'-オキ
シジ安息香酸、4,4'-スルホニルジ安息香酸、2,2-ビス
(4-カルボキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-カルボ
キシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。ジカルボン酸ク
ロライドを用いる場合、の例としては、上記ジカルボン
酸に相当するジカルボン酸クロライドを挙げることがで
きるが、これらに限定されるものではない。また、2種
以上を同時に用いることもできる。これらのジカルボン
酸成分のうち、脂肪族ジカルボン酸構造を与える1,4-シ
クロヘキサンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、
アジピン酸、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプ
タン、1,8-ジアミノオクタン、1,10-ジアミノデカン、
ドデカン二酸又はその酸クロライドを用いることが好ま
しく、更には1,4-シクロヘキサンジカルボン酸又はその
酸クロライドを用いることがより好ましい。
【0019】本発明においてポリアミドの原料として用
いられるジアミンとしては、3,4'-ジアミノジフェニル
エーテル、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジ
アミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルス
ルホン、1,3-(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス
[4,4'-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-
ビス[4,4'-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフル
オロプロパン等の芳香族ジアミン及び1,2-エチレンジア
ミン、テトラメチレンジアミン、1,5-ジアミノペンタ
ン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,
8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジア
ミノデカン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ビス
(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4'-ジアミノジシク
ロヘキシルメタン等の脂肪族ジアミンであるがこれらに
限定されるものではない。更に、一般式(1)中のR1
一般式(3)となるジアミンである2,2-ビス(4,4'-(4-
アミノフェノキシ)フェニル)4,4'-ジアミノジフェニル
エーテル、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジア
ミノジフェニルスルホン、2,2-ビス[4,4'-(4-アミノフ
ェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4,4'-(4-アミ
ノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンである
ことが好ましく、一般式(3)中のR3が一般式-CH2-と
なる4,4'-ジアミノジフェニルメタンである場合がより
好ましい。また、本発明においては2種以上のジアミン
を用いることも可能である。
【0020】本発明中の脂肪族テトラカルボン酸構造を
有するポリアミド酸は、極性溶媒中で脂肪族テトラカル
ボン酸二無水物とジアミンとを反応させることにより得
ることができる。脂肪族テトラカルボン酸二無水物の例
としては、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロブ
タンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカ
ルボン酸二無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラ
ニル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無
水物、ビシクロ[2,2,2]オクト-7-エン、1,3,3a,4,5,9b-
ヘキサヒドロ-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニ
ル)-ナフト[1,2-c]フラン-1,3-ジオン、ビシクロ[2,2,
1]ヘプタン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、2,3,5
-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物等が挙げ
られるがこれらに限定されるものではない。また、2種
類以上を併用してもかまわない。これらの脂肪族テトラ
カルボン酸二無水物のうち、ブタンテトラカルボン酸二
無水物を用いることがより好ましい。
【0021】本発明において脂肪族テトラカルボン酸構
造を有するポリアミド酸の原料として用いられるジアミ
ンとしては、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジア
ミン、2,5-ジアミノトルエン、3,5-ジアミノトルエン、
2,5-ジアミノキシレン、3,3'-ジメチルベンジジン、3,
4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェ
ニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-
ジアミノジフェニルスルホン、1,3-(4-アミノフェノキ
シ)ベンゼン、2,2-ビス[4,4'-(4-アミノフェノキシ)フ
ェニル]プロパン、2,2-ビス[4,4'-(4-アミノフェノキ
シ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4-ジアミノシ
クロヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサ
ン、4,4'-ジアミノジシクロヘキシルメタン、エチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,7-ジアミノペン
タン、1,8-ジアミノオクタン等であるがこれらに限定さ
れるものではない。これらのジアミンのうち、一般式
(2)中のR2が一般式(3)となるジアミンである2,2-
ビス(4,4'-(4-アミノフェノキシ)フェニル)4,4'-ジ
アミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニル
メタン、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、2,2-ビス
[4,4'-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-
ビス[4,4'-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフル
オロプロパンであることが好ましく、一般式(3)中の
R3が一般式-CH2-となる4,4'-ジアミノジフェニルメタン
である場合がより好ましい。また、本発明においては2
種以上のジアミンを用いることも可能である。
【0022】液晶配向剤は樹脂成分と溶剤成分からなる
が、本発明の液晶配向剤の溶剤成分として好ましいもの
の例を挙げると、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)とブチ
ルセロソルブの混合溶剤,NMPとエチルカルビトールの
混合溶剤、ジメチルアセトアミドとブチルセロソルブの
混合溶剤等があるが、これらに限定されるものではな
い。更に、基板との密着性をより向上させるために、シ
ランカップリング剤やチタン系カップリング剤を微量添
加してもよい。
【0023】本発明の液晶配向剤を用いて液晶表示素子
を製造する際には、液晶配向剤をフレキソ印刷,スピン
コーティング,ディッピング等により透明電極付き基板
上に塗布し、100℃〜250℃,好ましくは110℃〜150℃で
焼成した後ラビングする。この基板の周囲にシール剤を
印刷したものを対向させスペーサーによってギャップを
保持したセルを組み立て、液晶を注入後注入口を封止
し、偏光板を張り合わせて液晶表示素子とする。配向膜
は焼成後ラビングすることにより配向規制力を発現する
が、ラビング後に焼成温度より高い温度で処理するとそ
の能力が低下する場合がある。そのため、最も高温の工
程は配向膜焼成工程であることが好ましい。
【0024】本発明の液晶表示素子に用いる透明電極付
き基板には、最も一般的なガラス/ITO基板に比べて耐
熱性の低いカラーフィルター付き基板や、更に耐熱性の
低いプラスティック基板を用いることができる。プラス
ティック基板として好ましいものの例を挙げると、ポリ
エチレンテレフタレート(PETと略)、ポリエーテルス
ルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレ
ート等があるがこれらに限定されるものではない。
【0025】
【実施例】以下、実施例により詳細を説明するが、本発
明はこれらの実施例によって何等限定されるものではな
い。
【0026】(合成例1)温度計、撹拌機、原料投入
口、乾燥窒素ガス導入管を備えた四ツ口セパラブルフラ
スコ中、4,4'-ジアミノジフェニルメタン19.83g(0.100
モル)、亜リン酸トリフェニル62.06g(0.200モル)をN
MP300gとピリジン75gの混合溶媒中に溶解させる。この
系に、原料投入口から1,4-シクロヘキサンジカルボン酸
17.22g(0.100モル),塩化リチウム15.0gを投入し、系
の温度を100℃に保ちながら5時間撹拌を続けた。系の
温度を室温に下げ、得られた懸濁液を10リットルのメタ
ノール中に滴下して固形分を濾別した。この固形分をNM
P/メタノール系で溶解/再沈を3回繰り返した後80℃
で24時間減圧乾燥した。乾燥後の固形分5gをNMPとBCS
の7対3混合溶剤95gに溶解し濃度5%のポリアミド溶
液(a)を得た。
【0027】(合成例2)温度計、撹拌機、原料投入
口、乾燥窒素ガス導入管を備えた四ツ口セパラブルフラ
スコ中、2,2-ビス[4,4'-(4-アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパン41.05g(0.100モル)、トリエチルアミン2
0.24gをNMP400g中に溶解させる。系の温度を5℃に保ち
ながら原料投入口からテレフタル酸クロライド20.31g
(0.100モル)を投入し、系の温度を5℃に保ちながら
5時間撹拌を続けた。系の温度を室温にもどし、得られ
た液を濾過した後10リットルのメタノール中に滴下して
固形分を濾別した。この固形分をNMP/メタノール系で
再び溶解/再沈を行った後80℃で24時間減圧乾燥した。
乾燥後の固形分5gをNMPとBCSの7対3混合溶剤95gに溶
解し濃度5%のポリアミド溶液(b)を得た。
【0028】(合成例3)合成例1において、4,4'-ジ
アミノジフェニルメタン19.83g(0.100モル)を4,4'-ジ
アミノジフェニルエーテル20.02g(0.100モル)に、1,4
-シクロヘキサンジカルボン酸17.22g(0.100モル)をコ
ハク酸11.81g(0.100モル)に替えた以外は同様にして
合成を行いポリアミド溶液(c)を得た。
【0029】(合成例4)合成例2において、4,4'-ジ
アミノジフェニルメタン19.83g(0.100モル)をテトラ
メチレンジアミン8.815g(0.100モル)に、テレフタル
酸クロライド20.31g(0.100モル)をテレフタル酸クロ
ライド12.19g(0.060モル)とイソフタル酸クロライド
8.12g(0.040モル)に替えた以外は同様にして合成を行
いポリアミド溶液(d)を得た。
【0030】(合成例5)温度計、撹拌機、原料投入
口、乾燥窒素ガス導入管を備えた四ツ口セパラブルフラ
スコ中、4,4'-ジアミノジフェニルメタン19.83g(0.100
モル)をNMP300g中に溶解させる。この系に、ブタンテト
ラカルボン酸二無水物19.81g(0.100モル)を投入し乾燥
窒素流入下0〜10℃で12時間反応しポリアミド酸を合成
した。この溶液にNMPとBCSを加え溶剤組成がNMP/BCS=7
/3である濃度5%のポリアミド酸溶液(A)を得た。
【0031】(合成例6)合成例5において、4,4'-ジ
アミノジフェニルメタン19.83g(0.100モル)を1,4-ビ
ス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン29.23g(0.100モ
ル)に替えた以外は同様にしてポリアミド酸溶液(B)
を得た。
【0032】(合成例7)合成例5において、ブタンテ
トラカルボン酸二無水物19.81g(0.100モル)を5-(2,5-
ジオキソテトラヒドロフラニル)-3-メチル-3-シクロヘ
キセン-1,2-ジカルボン酸無水物26.42g(0.100モル)に
替えた以外は同様にしてポリアミド酸溶液(C)を得
た。
【0033】(合成例8)合成例5において、4,4'-ジ
アミノジフェニルメタン19.83g(0.100モル)を1,4-ジアミノシ
クロヘキサン11.42g(0.100モル)に替えた以外は同様にしてポ
リアミド酸溶液(D)を得た。
【0034】(合成例9)合成例5において、ブタンテ
トラカルボン酸二無水物19.81g(0.100モル)をシクロ
ブタンテトラカルボン酸二無水物19.61g(0.100モル)
に替えた以外は同様にしてポリアミド酸溶液(E)を得
た。
【0035】(実施例1)合成例1で得たポリアミド溶
液(a)50重量部と合成例7で得たポリアミド酸溶液
(A)50重量部を混合し、液晶配向剤とした。
【0036】この液晶配向剤をフレキソ印刷機を用いて
面積1cm2のITO電極を形成してあるポリエーテルスルホ
ン基板上に印刷し、乾燥機中130℃2時間焼成し基板上
に配向膜を形成した。長さ2mmのナイロン糸を静電植毛
した直径4cmのラビングロールを用い、毛先押し込み長
さ0.5mm、ロール回転数1500rpm、テーブル送り速度10cm
/minでラビングを行ったところ、配向膜の傷、剥離は見
られなかった。
【0037】この基板を用いてセルギャップ5μm,TN
方式の液晶表示素子を作製した。この際、シール剤の硬
化は120℃で行った。液晶はメルク社製ZLI-1132を用い
た。この液晶表示素子の非駆動時の表示性を目視で確認
したところ、ムラや配向性の不良による欠陥は見られず
良好であった。この液晶表示素子を33Hz,±5Vの矩形波
で駆動した際の消費電流を測定したところ、0.9μAであ
った。更に、駆動した際の表示性を確認したところ、ム
ラや欠陥は見られず良好であった。この液晶表示素子を
90℃の恒温槽中に1週間放置した後消費電流を同様に測
定したところ0.9μAであり、表示性を確認したところム
ラや欠陥は見られず良好であった。
【0038】焼成温度を110℃に変えて同様に行ったと
ころ、配向膜の傷,剥離は見られず、90℃放置前後の表
示性についても焼成温度130℃の場合と同様であった。
【0039】(実施例2〜7)ポリアミドとポリアミド
酸の組み合わせを表1のように変更した以外は実施例1
と同様に行った。
【0040】
【表1】
【0041】(比較例1)温度計、撹拌機、原料投入
口、乾燥窒素ガス導入管を備えた四ツ口セパラブルフラ
スコ中、ピロメリット酸二無水物17.45g(0.08モル)を
NMP200gに分散させる。この系に、滴下ロートを用いて
1,2-ビス(アミノプロビル)テトラメチルジシロキサン
9.94g(0.04モル)を滴下し、滴下後1時間系の温度を2
0℃に保ちながら反応させた。つづいて、2,2-ビス(4-(4
-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン16.42g(0.04モ
ル)を一気に投入し、20℃に保ちながら5時間撹拌を続
けてシリコーン変性ポリアミド酸溶液を得た。このシリ
コーン変性ポリアミド酸溶液を樹脂分濃度が5%となる
ようにNMPとブチルセロソルブの6対4混合溶剤で希釈
し液晶配向剤を得た。
【0042】この液晶配向剤を用い、実施例1と同様に
して焼成温度130℃で液晶表示素子を作製した。ラビン
グ時には剥離は認められなかった。液晶表示素子の非駆
動時の表示性を確認したところ、配向性が不良であり、
表示ムラが見られた。
【0043】(比較例2)温度計、撹拌機、原料投入
口、乾燥窒素ガス導入管を備えた四ツ口セパラブルフラ
スコ中、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラニル)-3-メ
チル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物21.14g
(0.08モル)をNMP250gに溶解させる。つづいて、p-フ
ェニレンジアミン8.651g(0.08モル)を一気に投入し、20
℃に保ちながら3時間撹拌を続けた。この系にトルエン
25gを添加し、乾燥窒素ガス導入管を外して代わりにデ
ィーンスターチ還流冷却管を取り付け、系の温度を上昇
させる。イミド化に伴って生じる水をトルエンとの共沸
により系外へ除去しながら加熱を続け、160〜170℃でイ
ミド化を進めて水が生成しなくなった5時間後に反応を
終了させた。得られたポリイミドワニスを、30リットル
のメタノール中に撹拌しながら1時間かけて滴下し、ポ
リマーを沈澱させ、濾過して固形分のみを回収した後、
乾燥機中にて80℃で8時間乾燥させた。この可溶性ポリ
イミド樹脂5重量部をγ-ブチロラクトン95重量部に溶
解し液晶配向剤を得た。
【0044】この液晶配向剤を用い、実施例1と同様に
して焼成温度130℃で液晶表示素子を作製したところ、
ラビング時に配向膜の剥離が見られた。液晶表示素子の
非駆動時の表示性を確認したところ、ラビング時の配向
膜の剥離による表示不良が見られた。
【0045】(比較例3)合成例1で得たポリアミド溶
液(a)を液晶配向剤として用い、実施例1と同様にし
て焼成温度130℃で液晶表示素子を作製したところ、ラ
ビング時に配向膜の剥離が見られた。液晶表示素子の非
駆動時の表示性を確認したところ、ラビング時の配向膜
の剥離による表示不良が見られた。
【0046】(比較例4)合成例8で得たポリアミド酸
溶液(B)を液晶配向剤として用い、実施例1と同様に
して焼成温度130℃で液晶表示素子を作製したところ、
ラビング時には剥離は認められなかった。更に液晶表示
素子の非駆動時の表示性を確認したところ、配向性が不
良であり、表示ムラが見られた。
【0047】(比較例5)比較例2において、γ-ブチ
ロラクトン95重量部をNMP95重量部に代えた以外は同様
にしてポリイミド溶液を得た。このポリイミド溶液50重
量部と合成例7で得たポリアミド酸溶液(A)50重量部
を混合して液晶配向剤としたところ、白濁し均一な溶液
を得ることができなかった。実施例1と同様にして焼成
温度130℃で液晶表示素子を作製するために基板上に塗
布・焼成したところ、均一な被膜を得ることができなか
った。
【0048】(比較例6)温度計、撹拌機、原料投入
口、乾燥窒素ガス導入管を備えた四ツ口セパラブルフラ
スコ中、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プ
ロパン32.84g(0.08モル)をNMP200gに溶解させる。つづい
て、ピロメリット酸二無水物17.45g(0.08モル)を一気
に投入し、20℃に保ちながら5時間撹拌を続けてポリア
ミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液50重量部と合
成例1で得たポリアミド溶液(a)50重量部を混合して
液晶配向剤とした。実施例1と同様にしてラビングを行
ったところ、配向膜の傷,剥離は見られなかった。
【0049】続いて実施例1と同様にして焼成温度130
℃で液晶表示素子を作製し、消費電流の評価を行ったと
ころ、90℃1週間放置前が1.2μAで90℃1週間放置後が
3.0μAであった。表示性は、90℃1週間放置前には非駆
動時,駆動時とも良好であったが、90℃1週間放置後は
駆動時に表示不良を発生した。
【0050】実施例1〜7では、焼成温度が130℃と極
めて低いにもかかわらずいずれも耐ラビング性が良好で
配向膜の剥離やそれに基づく表示不良が発生しておら
ず、液晶表示素子の表示性及び消費電流も良好であっ
た。また、90℃/1週間の高温放置試験後にも表示性の
低下,消費電流の増加といった性能の劣化はほとんど起
こらず、良好であった。更に、実施例1〜4では焼成温
度110℃の場合にも表示性の低下が起こらず良好であっ
た。
【0051】比較例1では、シリコーン変性ポリアミド
を樹脂成分とする液晶配向剤を用いたところ、焼成温度
が低いため、配向性が不良で良好な表示性が得られなか
った。
【0052】比較例2では、可溶性ポリイミドを樹脂成
分とする液晶配向剤を用いたところ、密着性が不足でラ
ビング時に剥離を生じ液晶表示素子とした場合にはこれ
に基づく表示不良を発生し良好な表示が得られなかっ
た。
【0053】比較例3では、芳香族基を有するポリアミ
ドのみを樹脂成分とする液晶配向剤を用いたところ、密
着性が不足でラビング時に剥離を生じ液晶表示素子とし
た場合にはこれに基づく表示不良を発生し良好な表示が
得られなかった。
【0054】比較例4では、脂肪族テトラカルボン酸構
造を有するポリアミド酸のみを樹脂成分とする液晶配向
剤を用いたところ、焼成温度が低いため、配向性が不良
で良好な表示性が得られなかった。
【0055】比較例5では、ポリイミド溶液とポリアミ
ド酸溶液を混合して用いようとしたところ、均一な配向
剤を得ることができず、配向膜とした場合にも不均一で
使用不可能であった。
【0056】比較例6では脂肪族テトラカルボン酸構造
を有するポリアミド酸を用いず芳香族テトラカルボン酸
構造を有するポリアミド酸を用いたため、90℃/1週間
の高温放置試験前には良好な性能を示したもの、高温放
置試験後には消費電流の大幅な増大,駆動時の表示性不
良が発生し、信頼性に問題があった。
【0057】
【発明の効果】本発明の液晶配向剤は、150℃以下の極
めて低温で焼成した場合にも良好な耐ラビング性を示
し、工程の低温化が必要なカラーアクティブマトリクス
LCD、プラスティックパネル又はプラスティックフィル
ム基板LCDの製造に使用でき特にプラスティック基板TN-
LCDの製造に最適な液晶配向剤である。更に、本配向剤
を用いた液晶表示素子は、低温での加工において高い歩
留まりを実現できるとともに表示性,電気特性の信頼性
に優れた液晶表示素子である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミドと脂肪族テトラカルボン酸構
    造を有するポリアミド酸とを必須成分とする液晶配向
    剤。
  2. 【請求項2】 ポリアミドが脂肪族ジカルボン酸構造を
    有するポリアミドである請求項1記載の液晶配向剤。
  3. 【請求項3】 ポリアミドが一般式(1)で表される構
    造であり、ポリアミド酸が一般式(2)で表される構造
    である請求項2記載の液晶配向剤。 【化1】 【化2】
  4. 【請求項4】 一般式(1)中のR1及び一般式(2)中
    のR3が、一般式(3)で表される請求項3記載の液晶配
    向剤。 【化3】
  5. 【請求項5】 R4が -CH2- で表される請求項4記載の
    液晶配向剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の液
    晶配向剤を用いた液晶表示素子。
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