JPH07286095A - 粒子分散性に優れたポリエステル組成物の製造方法 - Google Patents

粒子分散性に優れたポリエステル組成物の製造方法

Info

Publication number
JPH07286095A
JPH07286095A JP8016994A JP8016994A JPH07286095A JP H07286095 A JPH07286095 A JP H07286095A JP 8016994 A JP8016994 A JP 8016994A JP 8016994 A JP8016994 A JP 8016994A JP H07286095 A JPH07286095 A JP H07286095A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon oxide
polyester
particles
oxide particles
particle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8016994A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3284743B2 (ja
Inventor
Hisaaki Kobayashi
久晃 小林
Minoru Tagaya
実 多賀谷
Takehiko Mitsuyoshi
威彦 三吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP08016994A priority Critical patent/JP3284743B2/ja
Publication of JPH07286095A publication Critical patent/JPH07286095A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3284743B2 publication Critical patent/JP3284743B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】平均一次粒子径が5〜50mμで、ヘキサメチ
ルジシラザンで表面処理して粒子表面のシラノール基を
40%以上封鎖し、かつ残存シラノール基濃度が1.5
個/nm2 以下である酸化ケイ素粒子を、極限粘度が
0.50以上のポリエステルに添加、混合することを特
徴とする粒子分散性の優れたポリエステル組成物の製造
方法。 【効果】本発明方法によるポリエステル組成物は、粗大
粒子が少なく粒子分散性に優れている。このため成型工
程などの操業が安定化する。そしてこのポリエステル組
成物は高速成型技術や高度な品質が要求される繊維やフ
ィルムの他、一般工業用成型用樹脂としての各種用途に
好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粒子分散性の優れたポリ
エステル組成物の製造方法、特に分散性の優れた酸化ケ
イ素粒子を含有するポリエステル組成物の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルは優れた物理的、化学的性
質を有するため、衣料用、産業用の繊維、フィルム、容
器、一般成型品などに、大量に用いられている。
【0003】従来、スケールメリットを活かして安価に
製造するために、バッチ式重合方式から連続重合方式へ
の切替えが進められてきた。ところが、近年用途の多様
化に対応すべく少量多品種生産の必要性が増したが、連
続重合方式において多品種生産をしようとすると品種切
替えに要する生産ロスが多くなって操業性が著しく低下
するという新たな問題が生じ、連続重合方式のスケール
メリットが活かされなくなってきた。
【0004】そこで、連続重合方式のスケールメリット
が活かされ、しかも少量多品種生産する方法が提案され
ている。例えば、重合後半時にベースポリエステルを数
個の分岐に分けてそれぞれに添加剤を添加し混合した
後、重合を完結させて平行して多品種のポリエステル組
成物を得る方法(特開昭60−84325号公報な
ど)、ベースポリエステルから枝取りして添加剤を添加
し混合後再度ベースポリエステルと合流させて希釈する
方法(特公昭62−36848号公報、特公平4−14
128号公報など)、ベースポリエステルを数個の分岐
に分けそれぞれに添加剤を添加し混合して平行して多品
種のポリエステル組成物を得る方法(特公平4−141
28号公報など)などである。
【0005】これらのように、ポリエステルに添加物を
混合するのは公知の技術であるが、特に繊維、フィルム
などのように、高速成型技術や品質向上が益々要求され
ている分野においては、ポリエステルに対して添加物が
高度に分散性を有していることが必要である。
【0006】ところが、特公昭43−23960号公報
に記載されているように、酸化ケイ素は艶消剤として賞
用される酸化チタンとは異なり、ポリエステル中での分
散性がよくない。そのため、ポリエステルと比較的親和
性の良好な酸化ケイ素粒子を添加し重合する方法(例え
ば特公昭37−12150号公報、特開昭53−453
96号公報など)、粒子表面のシラノール基をジメチル
ジクロロシランで処理することにより封鎖した酸化ケイ
素粒子を添加し重合する方法(例えば特開昭57−44
623号公報、特開昭58−45227号公報など)、
粒子表面のシラノール基を,反応基を複数有するシラン
カップリング剤で処理することにより封鎖した酸化ケイ
素粒子を添加し重合する方法(例えば特開平4−743
79号公報、特開平4−298538号公報など)など
によりポリエステル中の酸化ケイ素粒子の分散性を向上
させることが知られている。
【0007】これらはいずれも重合が完結する以前、実
質的には重合反応以前に酸化ケイ素粒子を添加し混合し
てポリエステル中の分散性を向上させる方法であり、例
えば特開昭53−45396号公報、特開昭57−44
623号公報などにも記載されているように、重合が完
結したポリエステルにこれらの酸化ケイ素粒子を添加し
混合すると粒子の凝集が起こり、成型前のフィルター濾
過において濾圧上昇が急増してしまう問題があった。こ
の対策として、特開平5−195320号公報において
は、重合が完結したポリエステルに剪断力が大きい混練
機で酸化ケイ素粒子を混合してマスターポリエステルを
得た後、再度混練機で希釈混合する提案がされている
が、この方法では、成型前のフィルター濾過における濾
圧上昇が大きく安定して操業することはできなかった。
【0008】以上のように、酸化ケイ素粒子を重合が完
結したポリエステルに直接添加し混合する方法は、高度
な粒子分散性が要求されない分野の使用に限られてお
り、高速成型技術や高度な品質が要求される繊維やフィ
ルムなどの分野では未だ工業的に安定して使用されてい
ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来技術の問題点を解消し、高速成型技術や高度な
品質が要求される特に繊維やフィルムなどのように、成
型前の高度なフィルター濾過を必要とする分野におい
て、重合が完結したポリエステルに酸化ケイ素粒子を直
接添加し混合しても、濾圧上昇が小さく、安定して操業
できる分散性の優れた酸化ケイ素粒子含有ポリエステル
組成物の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、平
均一次粒子径が5〜50mμで、ヘキサメチルジシラザ
ンで表面処理して粒子表面のシラノール基を40%以上
封鎖し、かつ残存シラノール基濃度が1.5個/nm2
以下である酸化ケイ素粒子を、極限粘度が0.50以上
のポリエステルに添加、混合することを特徴とする粒子
分散性の優れたポリエステル組成物の製造方法によって
達成することができる。
【0011】本発明における酸化ケイ素粒子は、ヘキサ
メチルジシラザンで粒子表面を処理して表面のシラノー
ル基を40%以上、好ましくは60%以上封鎖すること
が極めて重要である。この封鎖率が40%未満である
と、ポリエステルへの粒子分散性は低下し、成型前のフ
ィルター濾過において濾圧上昇が高くなり、生産安定性
などに問題が生じる。ここでいう封鎖とは、酸化ケイ素
粒子表面のシラノール基がヘキサメチルジシラザンとの
反応によって、シラノール基の水素がトリメチルシリル
基と置換することである。したがって、封鎖率とは酸化
ケイ素粒子のヘキサメチルジシラザンによる処理前後の
シラノール基濃度の比率(%)で表わされる。
【0012】また、酸化ケイ素粒子の表面処理にはヘキ
サメチルジシラザンを用いることが重要である。特開平
5−156517号公報などで提案されているトリメチ
ルクロロシランで表面処理すると、ヘキサメチルジシラ
ザンを用いた場合とほぼ同様な構造の酸化ケイ素粒子と
なるが、副生する塩化水素が微量残存するためPHが4
〜5と酸性となり、ポリエステルへの粒子分散性は低く
なる。これに対して、本発明におけるヘキサメチルジシ
ラザンによる表面処理粒子は、PHが中性あるいは中性
に近くなり、ポリエステルへの粒子分散性は良好であ
る。なお、PHは水:メタノール=1:1の混合溶媒中
で粒子濃度を4%として測定したものである。
【0013】また、ヘキサメチルジシラザン以外の表面
処理剤、例えば上述したジメチルジクロロシラン、シラ
ンカップリング剤、あるいはトリクロロメチルシラン、
トリクロロオクチルシランなどで表面処理しても、表面
封鎖のない酸化ケイ素粒子に比較してポリエステルへの
粒子分散性はある程度向上するが、本発明で目的とする
高度なポリエステルへの粒子分散性はなお不十分であ
る。これら従来公知の表面処理剤で表面封鎖した酸化ケ
イ素粒子が、本発明におけるヘキサメチルジシラザンで
表面処理した酸化ケイ素粒子よりもポリエステルへの粒
子分散性が劣る理由は、従来の表面処理剤による酸化ケ
イ素粒子は疎水性が低くポリエステルとの親和性が低い
こと、また粒子表面に反応基を数多く残るため粒子同志
が反応して粗大粒子を副生することなどが考えられる。
【0014】なお、ヘキサメチルジシラザンで表面処理
する酸化ケイ素粒子は、後述する合成法で得られた酸化
ケイ素粒子をそのまま使用しても、あるいは一旦ジメチ
ルジクロロシラン、トリクロロメチルシラン、トリクロ
ロオクチルシラン、または反応基を複数有するシランカ
ップリング剤などで表面処理してあっても良い。すなわ
ち、酸化ケイ素粒子の最表面がヘキサメチルジシラザン
で表面処理してあれば、ポリエステルとの親和性が高く
粒子分散性が良好となるのである。
【0015】次に、本発明における酸化ケイ素粒子は残
存シラノール基濃度は1.5個/nm2 以下、好ましく
は1.0個/nm2 以下であることが必要である。この
酸化ケイ素粒子表面の残存シラノール基濃度は低いこと
が、前記したようにポリエステルへの粒子分散性を向上
させる大きな要因の一つである。その残存シラノール基
濃度が1.5個/nm2 を越えるとシラノール基の水素
結合による粒子同志の凝集性が高くなり、ポリエステル
への粒子分散性は低下する。
【0016】かかる酸化ケイ素粒子は、その残存シラノ
ール基濃度の点から、乾式法で合成されたことが好まし
い。この乾式法には、例えば、四塩化ケイ素と水素混合
物を空気中で加熱して加水分解する燃焼法、珪砂とコー
クスをアーク炉で加熱還元し空気中の酸素で酸化する加
熱法などがある。これらの製法で得られた酸化ケイ素粒
子は、実質的に内部表面を持たないので残存シラノール
基濃度は通常3個/nm2 以下となるが、さらにヘキサ
メチルジシラザンで表面処理し封鎖することにより、残
存シラノール基濃度はさらに低濃度となる。一方、珪酸
曹達と酸などを原料とする湿式法で合成した酸化ケイ素
粒子は、乾式法で合成したものと異なり内部表面を持つ
ため、残存シラノール基濃度は6〜30個/nm2 と非
常に高濃度となる。かかる湿式法で合成した酸化ケイ素
粒子でも、それを焼成して内部表面をなくし、残存シラ
ノール基濃度を低くして乾式法と同様な表面状態に変性
すれば、実質的に乾式法で合成された酸化ケイ素粒子と
同様にして使用できる。
【0017】次に、本発明における酸化ケイ素粒子は、
その平均一次粒子径が5〜50mμ、好ましくは7〜4
0mμであることが必要である。この平均一次粒子径は
5mμより小さいと粒子の比表面積が大きくなるため、
ポリエステル中で粒子が凝集しやすく粒子分散性が低下
する。また50mμより大きいと二次粒子中の粗大粒子
が多く、その粗大粒子はポリエステル中で微分散しない
ため粒子分散性は低下する。
【0018】本発明において酸化ケイ素粒子を添加する
ポリエステルの極限粘度は、0.50以上、好ましくは
0.55以上とする必要がある。本発明者らの検討によ
れば、該粒子を特定の極限粘度のポリエステルに添加、
混合することで、ポリエステルへの粒子分散性が著しく
向上することを見出したのである。ポリエステルの極限
粘度は0.50未満では粒子分散性が劣るばかりか、得
られる成型物は、ポリエステル本来の優れた機械特性が
損われ、伸度、強度が劣るものとなってしまう。
【0019】酸化ケイ素粒子の添加方法は、一旦チップ
化したポリエステルポリマを再溶融して該粒子を添加、
混合する方法、粒子を連続重合したポリエステルに直接
定量的に供給する方法、またベースポリマから枝分岐し
た後粒子を混合し、得られたマスターポリマを再度ベー
スポリマと最適量混合する方法などがある。これらいず
れの添加方法であっても、溶融ポリマに対して酸化ケイ
素粒子を直接粉末状態のまま添加し混合することが特に
好適である。また、上記酸化ケイ素粒子の混合は、剪断
力が大きい混合機で実施することが好ましい。剪断力が
大きい混合機としては、単軸押出機、二軸押出機、多段
押出機、混練機などが好ましく使用できる。なお、二軸
以上の押出機は同方向回転、異方向回転でも、非かみ合
い型、かみ合い型いずれであっても構わない。なお、か
かる酸化ケイ素粒子のポリエステルへの添加に際し、必
要に応じて、例えばベースポリマからの分岐枝を併設
し、その分岐枝から後述する各種添加剤を添加・混合す
ることもできる。
【0020】次に、本発明におけるポリエステルは、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、あるいはそれらを主成分とした実質的に線状のもの
であり、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体
と、グリコールまたはそのエステル形成性誘導体とを主
たる出発原料としてエステル化またはエステル交換など
の反応により低重合体を合成した後、さらにその低重合
体を高温・減圧下で重縮合反応させることにより製造で
きる。これらのうちではポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレートが好ましい。
【0021】また、これらのポリエステルには、共重合
成分として,イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン
酸、セバシン酸、テトラデカン二酸、エイコサン二酸、
ダイマー酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など
のジカルボン酸成分、1、6−ヘキサンジオール、ビス
フェノールAまたはそのエチレンオキサイド付加物、ビ
スフェノールSまたはそのエチレンオキサイド付加物、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリブチレングリコールなどのジオール成分、
パラオキシ安息香酸、ε−カプロラクトンなどのオキシ
カルボン酸成分などが例示できる。これらの共重合成分
の好ましい共重合量は15モル%以下である。さらに、
これらのポリエステルにはトリメリット酸、ペンタエリ
スリトールなどの多官能性成分などを得られるポリエス
テルが実質的に線状である量を共重合していてもよい。
【0022】なお、上記ポリエステルには、制電剤、紫
外線吸収剤、赤外線吸収剤、難燃剤、蛍光増白剤、抗菌
剤などの各種添加剤を共重合、混合などの方法により、
本発明の目的を逸脱しない範囲で含有させることができ
る。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。なお、本例中の各特性値は次の方法にしたがって
求めた。
【0024】(A) 粒子の一次粒子径 粒子を10万倍に拡大した電子顕微鏡写真から、各一次
粒子の最長径を測定し、1000個の平均として求め
た。
【0025】(B) 粒子の残存シラノール基濃度とその封
鎖率 粒子を100℃減圧下で3時間乾燥後、ジオキサン中リ
チウムアルミニウムハイドライドで還元し、発生した水
素量をガスクロマトグラフィー法により定量分析して単
位重量あたりのシラノール基濃度(個/g)を求め、別
途BET法で求めた粒子の比表面積(g/m2 )で割り
返すことにより、単位比表面積あたりのシラノール基濃
度を算出した。封鎖率は粒子の表面封鎖前後のシラノー
ル基濃度比から算出した。
【0026】(C) ポリエステルの極限粘度 o−クロロフェノールに溶解し、25℃で測定した。
【0027】(D) ポリエステル中の粒子分散性 ポリエステルチップを常法で厚さ25μの二軸延伸フィ
ルムに製膜し、このフィルム25cm2 を顕微鏡で観察
し、最大長さ15μ以上の粒子数を粗大粒子として測定
し、1gあたりとして算出するが、1水準あたり10回
測定してその平均値で表示した。なお、この粗大粒子数
が多いほど、ポリエステルへの粒子分散性が劣ることを
示す。
【0028】実施例1 四塩化ケイ素と水素混合物を空気中で加熱し加水分解し
て得られた平均一次粒子径12mμの酸化ケイ素を、ヘ
キサメチルジシラザンと反応させて、表面シラノール基
の封鎖率が60%で、残存シラノール基濃度が1.0個
/nm2 の表面処理酸化ケイ素粒子を得た。260℃に
設定した東芝機械社製二軸混練機において、常法により
得た極限粘度が0.62dl/gのポリエチレンテレフ
タレートのチップを溶融した状態で、上記酸化ケイ素を
含有量3重量%となるように添加、混合し、脱気しなが
ら押出して極限粘度が0.60dl/gのチップを得
た。酸化ケイ素粒子特性とチップの評価結果は表1に示
すように、チップ中の粗大粒子数は11個/gと少な
く、ポリエステルへの粒子分散性は極めて良好であるこ
とがわかる。
【0029】
【表1】 実施例2〜4、比較例1〜2 それぞれ表1に併記するような表面シラノール基の封鎖
率である表面処理酸化ケイ素粒子を使用した以外は実施
例1と同様にして混練チップを得た。酸化ケイ素粒子特
性とチップの評価結果は表1に併記するように、酸化ケ
イ素粒子の表面シラノール基の封鎖率が低くなるに従
い、チップ中の粗大粒子数が増大し、ポリエステルへの
粒子分散性が低下することがわかる。
【0030】実施例5〜6 ポリエステルとして極限粘度が0.67dl/gのイソ
フタル酸8重量部を共重合したポリエチレンテレフタレ
ート、極限粘度が0.97dl/gのポリブチレンテレ
フタレートのチップをそれぞれ用いた以外は、実施例1
と同様にして混練チップを得た。酸化ケイ素粒子特性と
チップの評価結果は表2に示すように、実施例1と同じ
くポリエステルへの良好な粒子分散性を示すことがわか
る。
【0031】
【表2】 比較例3〜6 表面封鎖していない平均一次粒子径12mμの酸化ケイ
素を、表2に併記するように、それぞれ表面処理剤を用
いて、同程度の表面シラノール基の封鎖率とした表面処
理酸化ケイ素粒子を使用した以外は、実施例1と同様に
して混練チップを得た。酸化ケイ素粒子特性とチップの
評価結果は表2に併記するように、表面処理剤のメチル
基数が増えるに従い、チップ中の粗大粒子数は減る傾向
にある。また、トリメチルクロロシランで表面処理した
酸化ケイ素は、本発明の表面処理酸化ケイ素と同様な構
造ではあるが、ポリエステルへの粒子分散性は劣ってい
ることがわかる。
【0032】実施例7〜9、比較例7〜8 それぞれ表3に示すような平均一次粒子径の酸化ケイ素
を、同程度の表面シラノール基の封鎖率とした表面処理
酸化ケイ素粒子を使用した以外は実施例1と同様にして
混練チップを得た。酸化ケイ素粒子特性とチップの評価
結果は表3に示すように、酸化ケイ素粒子の一次粒子径
が5〜50mμ以外であるとチップ中の粗大粒子数が増
大し、ポリエステルへの粒子分散性が低下することがわ
かる。
【0033】
【表3】 比較例9〜13 それぞれ表4に示すような平均一次粒子径、表面処理
剤、およびその封鎖率を変えた表面処理酸化ケイ素粒子
を使用した以外は実施例1と同様にして混練チップを得
た。酸化ケイ素粒子特性とチップの評価結果は表4に示
すように、酸化ケイ素粒子の表面封鎖率を高くするとチ
ップ中の粗大粒子数は少なくはなるが、ポリエステルへ
の粒子分散性は不十分であることがわかる。
【0034】
【表4】 実施例10、比較例14 湿式法、すなわち珪酸曹達と硫酸を反応させ濾過・水洗
・乾燥して得た平均一次粒子径が28mμの酸化ケイ素
をヘキサメチルジシラザンを反応させて表5に示すよう
に表面シラノール基を封鎖させた表面処理酸化ケイ素粒
子を使用した以外は、実施例1と同様にして混練チップ
を得た。酸化ケイ素粒子特性とチップの評価結果は表5
に示すように、ケイ素粒子の表面封鎖率が高くても、残
存シラノール基濃度が高いとチップ中の粗大粒子数は増
大することがわかる。
【0035】
【表5】 実施例11、比較例15 湿式法による酸化ケイ素粒子を表面シラノール基の封鎖
処理前に焼成して実質的に乾式法酸化ケイ素粒子と同様
な表面特性を付与させた以外は、実施例10と同様にし
て混練チップを得た。酸化ケイ素粒子特性とチップの評
価結果は表5に併記するように、酸化ケイ素粒子の表面
封鎖率がそれほど高くなくても残存シラノール基濃度を
低くすれば、ポリエステルへの粒子分散性は向上するこ
とがわかる。
【0036】実施例12 連続重合し、最終の重合装置から吐出された溶融ポリエ
チレンテレフタレート(極限粘度0.62)を連続的に
二軸混練機へ直接フィードした以外は、実施例3と同様
にして混練チップを得た。酸化ケイ素粒子特性とチップ
の評価結果は表6に示すように、実施例3と同じくポリ
エステルへの良好な粒子分散性を示すことがわかる。
【0037】
【表6】 比較例16 最終の重合装置の前(溶融ポリエチレンテレフタレート
の極限粘度0.43)に、表面処理酸化ケイ素粒子を添
加して重合装置から吐出させた以外は、実施例12と同
様にして混練チップを得た。酸化ケイ素粒子特性とチッ
プの評価結果は表6に併記するように、酸化ケイ素粒子
を添加する際、溶融ポリマの極限粘度が低いとチップ中
の粗大粒子数が増大し、ポリエステルへの粒子分散性が
劣ることがわかる。
【0038】
【発明の効果】得られるポリエステル組成物は粗大粒子
が少なく、粒子分散性が極めて良好である。このため成
型前のフィルター濾過において濾圧上昇が小さく、安定
して操業することができる。また、ポリエステルの少量
多品種生産において連続重合方式のスケールメリットが
活かされ、しかも得られたポリエステル組成物は高速成
型技術や高度な品質が要求される、特に繊維やフィルム
の他、一般工業用成型用樹脂として各種用途に好適であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均一次粒子径が5〜50mμで、ヘキ
    サメチルジシラザンで表面処理して粒子表面のシラノー
    ル基を40%以上封鎖し、かつ残存シラノール基濃度が
    1.5個/nm2 以下である酸化ケイ素粒子を、極限粘
    度が0.50以上のポリエステルに添加、混合すること
    を特徴とする粒子分散性の優れたポリエステル組成物の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 実質的に乾式法で合成された酸化ケイ素
    粒子であることを特徴とする請求項1記載の粒子分散性
    の優れたポリエステル組成物の製造方法。
JP08016994A 1994-04-19 1994-04-19 粒子分散性に優れたポリエステル組成物の製造方法 Expired - Fee Related JP3284743B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08016994A JP3284743B2 (ja) 1994-04-19 1994-04-19 粒子分散性に優れたポリエステル組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08016994A JP3284743B2 (ja) 1994-04-19 1994-04-19 粒子分散性に優れたポリエステル組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07286095A true JPH07286095A (ja) 1995-10-31
JP3284743B2 JP3284743B2 (ja) 2002-05-20

Family

ID=13710830

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08016994A Expired - Fee Related JP3284743B2 (ja) 1994-04-19 1994-04-19 粒子分散性に優れたポリエステル組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3284743B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000000552A1 (fr) * 1998-06-30 2000-01-06 Teijin Limited Composition de resine thermoplastique, son procede de fabrication et feuille a orientation biaxiale renfermant cette composition
EP1657283A1 (en) 2004-11-16 2006-05-17 Nissan Chemical Industries, Ltd. Process for producing hydrophobic silica powder
JP2006299248A (ja) * 2005-03-22 2006-11-02 Fuji Photo Film Co Ltd 無機微粒子含有組成物、光学フィルム、反射防止フィルム、それを用いた偏光板および表示装置
US7186440B2 (en) 2005-07-04 2007-03-06 Nissan Chemical Industries, Ltd. Process for producing hydrophobic silica powder
JP2007517922A (ja) * 2003-11-13 2007-07-05 ソントル ナショナル ド ラ ルシェルシュ ションティフィーク 非対称無機粒子およびそれを調製する方法
WO2007051747A3 (en) * 2005-10-31 2008-05-22 Evonik Degussa Gmbh Improved processing composition comprising silylated silica and method of forming the same
EP1988129A2 (en) 2007-04-25 2008-11-05 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Hydrophobic spherical silica microparticles having a high degree of flowability, method of producing same, electrostatic image developing toner external additive using same, and organic resin compositon containing same
CN102066483A (zh) * 2008-06-16 2011-05-18 旭硝子株式会社 氟树脂膜
US8282991B2 (en) * 2007-04-13 2012-10-09 Asahi Glass Company, Limited Process for producing hydrophobized silicon oxide-coated metal oxide particles comprising primary and secondary hydrophobizing steps
JP2018104866A (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 日華化学株式会社 撥水剤組成物、撥水性繊維製品及び撥水性繊維製品の製造方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000000552A1 (fr) * 1998-06-30 2000-01-06 Teijin Limited Composition de resine thermoplastique, son procede de fabrication et feuille a orientation biaxiale renfermant cette composition
US6441063B1 (en) 1998-06-30 2002-08-27 Teijin Limited Thermoplastic resin composition, process for production thereof, and biaxially oriented film produced from said composition
JP2007517922A (ja) * 2003-11-13 2007-07-05 ソントル ナショナル ド ラ ルシェルシュ ションティフィーク 非対称無機粒子およびそれを調製する方法
EP1657283A1 (en) 2004-11-16 2006-05-17 Nissan Chemical Industries, Ltd. Process for producing hydrophobic silica powder
JP2006299248A (ja) * 2005-03-22 2006-11-02 Fuji Photo Film Co Ltd 無機微粒子含有組成物、光学フィルム、反射防止フィルム、それを用いた偏光板および表示装置
US7186440B2 (en) 2005-07-04 2007-03-06 Nissan Chemical Industries, Ltd. Process for producing hydrophobic silica powder
WO2007051747A3 (en) * 2005-10-31 2008-05-22 Evonik Degussa Gmbh Improved processing composition comprising silylated silica and method of forming the same
US8282991B2 (en) * 2007-04-13 2012-10-09 Asahi Glass Company, Limited Process for producing hydrophobized silicon oxide-coated metal oxide particles comprising primary and secondary hydrophobizing steps
EP1988129A2 (en) 2007-04-25 2008-11-05 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Hydrophobic spherical silica microparticles having a high degree of flowability, method of producing same, electrostatic image developing toner external additive using same, and organic resin compositon containing same
CN102066483A (zh) * 2008-06-16 2011-05-18 旭硝子株式会社 氟树脂膜
JP2018104866A (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 日華化学株式会社 撥水剤組成物、撥水性繊維製品及び撥水性繊維製品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3284743B2 (ja) 2002-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3284743B2 (ja) 粒子分散性に優れたポリエステル組成物の製造方法
CN110804282A (zh) 一种改性扁平玻纤增强的pbt复合材料及其制备方法
EP1295903B1 (en) Polymeric material, molded product and methods for their production
CN111286805B (zh) 熔体直纺制备钛基消光聚酯纤维的方法和制品
JPS6248704B2 (ja)
US5298546A (en) Thermoplastic molding compounds of polyalkylene terephthalate, special barium sulfate, particulate graft polymers and, optionally, reinforcing materials
JP3438345B2 (ja) 芳香族ポリエステル組成物
US20050174880A1 (en) Polymeric material, molded article, and processes for producing these
JP2001503075A (ja) 難燃性組成物
JP3277704B2 (ja) 耐摩耗性の良好なポリエステル繊維とその製造方法
JPS6312894B2 (ja)
CN111423566A (zh) 钛基聚酯复合材料的制备方法
JP3071983B2 (ja) ポリエステルの製造方法
CN109836813A (zh) 尼龙6复合材料及其制备方法
JP3475615B2 (ja) ポリエステル繊維の製造方法
JPH08291426A (ja) ポリエステル繊維の製造方法
KR102598236B1 (ko) 유무기 복합 재료 제조용 상용화제
JP3277703B2 (ja) 耐摩耗性の良好なポリエステル繊維およびその製造方法
JP3546604B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物の製造方法
JPH06271682A (ja) ポリエステル組成物の製造方法
JP3275447B2 (ja) ポリエステル組成物の製造方法
JP2002348447A (ja) 顔料含有樹脂組成物及びその繊維
JP2870358B2 (ja) ポリエステル組成物の製造方法
JPH06328438A (ja) ポリエステル組成物の製造方法
JPS6139971B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees