JPH07285984A - アルドヘキソースモノ分岐アルキルエーテル化合物及びそれを含有する化粧料 - Google Patents

アルドヘキソースモノ分岐アルキルエーテル化合物及びそれを含有する化粧料

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JPH07285984A
JPH07285984A JP7866494A JP7866494A JPH07285984A JP H07285984 A JPH07285984 A JP H07285984A JP 7866494 A JP7866494 A JP 7866494A JP 7866494 A JP7866494 A JP 7866494A JP H07285984 A JPH07285984 A JP H07285984A
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branched alkyl
aldohexose
mono
alkyl ether
salt
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JP7866494A
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Shinji Yano
真司 矢野
Koichi Urata
興一 浦田
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式(1) 【化1】 (式中、2個のRのうち、いずれか1個はC3〜24の
分岐アルキル基を示し、他方はHを示す)で表わされる
アルドヘキソースモノ分岐アルキルエーテル化合物及び
これを含有する化粧料。 【効果】 化合物(1)は、優れた保湿力及び乳化力を
有し、界面活性剤、医薬原料、化粧料原料等として有用
なものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、界面活性剤、医薬原
料、化粧品原料等として重要なアルドヘキソースモノ分
岐アルキルエーテル化合物及びそれを含有する化粧料に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
多価アルコール類及びそれらのエステル類やエーテル類
は、洗剤、食品、工業薬品、医薬品等の製造原料又は製
品として汎用されている。これらの多価アルコールの中
でも、特に糖アルコールのひとつであるソルビトールか
ら誘導されるソルビタン脂肪酸エステル及びそのエチレ
ンオキシド付加物や二糖類の一つであるショ糖から誘導
されるショ糖脂肪酸エステルは、医薬品、化粧品、食品
等の巾広い分野においてとりわけ有用性の高いものであ
る〔例えば、油化学、第16巻、第395〜401頁(1967)
等〕。また、直鎖型単糖類と単環式単糖類がエーテル結
合した二糖類である糖類アルコールは、保湿調整剤とし
て、化粧品基剤への応用がなされている〔例えば、フレ
グランスジャーナル,No.14, 86-93頁,(1975)等〕。更
に、代表的な単糖類の一つであるD−グルコースから誘
導されるオクチル−β−D−グルコシドは、蛋白質膜へ
の可溶化剤として有効であることから、医薬品基剤等へ
の応用が報告されている〔例えば、Biochemistry, 第20
巻, 第6776頁(1981)〕。同様に、D−グルコースを原
料としてD−グルコース骨格の3位をアルキル化するこ
とにより得られる一連の誘導体が、抗腫瘍剤として有効
であることが開示されている(例えば、特開昭56−1
03196号公報等)。
【0003】グルコースに代表されるアルドヘキソース
は、その多くが融点の高い物質であり、また分子内のヒ
ドロキシル基に直鎖アルキル基を導入したアルドヘキソ
ースアルキル化化合物も融点が高くなり、これらを界面
活性剤として利用することを考えた場合には、目的とす
る界面活性が得られ難く、乳化剤や化粧料基剤としての
利用範囲は制限されてしまう。
【0004】従って、乳化剤や化粧料基剤等として幅広
く利用することができる化合物が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、後記一般式(1)で
表わされるアルドヘキソースモノ分岐アルキルエーテル
化合物が、優れた乳化作用を示し、乳化剤や化粧料基剤
等として有用であることを見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、一般式(1)
【0007】
【化2】
【0008】(式中、2個のRのうち、いずれか1個は
炭素数3〜24の分岐アルキル基を示し、他方は水素原
子を示す)で表わされるアルドヘキソースモノ分岐アル
キルエーテル化合物を提供するものである。
【0009】また、本発明は、一般式(1)で表わされ
るアルドヘキソースモノ分岐アルキルエーテル化合物を
含有する化粧料を提供するものである。
【0010】本発明のアルドヘキソースモノ分岐アルキ
ルエーテル化合物は前記一般式(1)で表わされるもの
であり、式中、Rのいずれか1個が分岐アルキル基を示
すものである。ここで、分岐アルキル基は炭素数3〜2
4のものであり、特に炭素数12〜20の分岐アルキル
基が好ましく、具体的には、2−エチルへキシル、2−
ヘプチルウンデシル、5,7,7−トリメチル−2−
(1,3,3−トリメチルブチル)オクチル、次式;
【0011】
【化3】
【0012】(式中、mは4〜10の整数を示し、nは
5〜11の整数を示し、m+nは11〜17を示し、か
つm=7、n=8を頂点とする分布を有する)で表わさ
れるメチル分岐イソステアリル等の分岐鎖アルキル基を
挙げることができる。Rとしては、これらのうち、特に
メチル分岐イソステアリル基が好ましい。
【0013】また、アルドヘキソースとしては、アロー
ス、アルトロース、グルコース、グロース、イドース、
ガラクトース、タロース等が挙げられるが、入手の容易
さ等の点から、特にD−グルコース又はD−ガラクトー
スが好ましい。
【0014】一般式(1)で表わされる化合物のうち、
特に3−O−分岐アルキルグルコピラノース、6−O−
分岐アルキルガラクトピラノースが好ましく、更にこれ
らの分岐アルキル基がメチル分岐イソステアリル基であ
るものが好ましい。
【0015】一般式(1)で表わされるアルドヘキソー
スモノ分岐アルキルエーテル化合物は、例えばアルドヘ
キソースにアセトン等のカルボニル化合物を作用させ、
アルドヘキソース中の4個のヒドロキシル基を保護して
アルドヘキソースジアセトニドとした後、これとエーテ
ル化剤(RX)を、アルカリ性物質及び第4級オニウム
塩の存在下で反応させて、モノ分岐アルキルアルドヘキ
ソースジアセトニドとし、次いでこれを加水分解するこ
とにより、製造することができる。
【0016】アルドヘキソースとカルボニル化合物の反
応は、例えばアルドヘキソースに、過剰量のカルボニル
化合物、好ましくはアセトンを、酸、好ましくはプロト
ン酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ベンゼンスル
ホン酸、p−トルエンスルホン酸などの存在下に反応さ
せることにより行われる。
【0017】次に、アルドヘキソースジアセトニドとエ
ーテル化剤の反応に用いられるエーテル化剤(RX:R
は前記と同じ意味を示し、Xはハロゲン原子、スルホ基
又は硫酸残基を示す)としては、例えばアルキルクロリ
ド、アルキルブロミド、アルキルヨーダイド等のアルキ
ルハライド;アルキルスルホン酸エステル、アルキル硫
酸エステル等が挙げられ、特にアルキルハライドが好ま
しい。
【0018】これらのエーテル化剤は、アルドヘキソー
スジアセトニド1モル当たり1〜10モル用いるのが好
ましく、特に1〜4モルが好ましい。
【0019】また、本発明で用いるアルカリ性物質とし
ては、例えばアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸
塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ土類金属水酸化
物、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属リン酸
塩等を挙げることができる。これらのなかでも、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化
物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物が
好ましい。これらのアルカリ性物質は10〜80%、特
に40〜60%の水溶液として用いるのが好ましいが、
固体のまま用いても差し支えない。
【0020】これらのアルカリ性物質は、アルドヘキソ
ースジアセトニド1モル当たり1〜10モル用いるのが
好ましく、特に1.5〜3モルが好ましい。
【0021】本発明で用いる第4級オニウム塩として
は、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩等が
挙げられ、これらのうち、工業的に入手が容易であるた
め第4級アンモニウム塩が好ましい。第4級アンモニウ
ム塩としては、例えばテトラブチルアンモニウムブロミ
ド、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、トリオクチ
ルメチルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルア
ンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウ
ムクロリド等のテトラアルキルアンモニウム塩;テトラ
オキシエチレンステアリルジメチルアンモニウムクロリ
ド、ビステトラオキシエチレンステアリルメチルアンモ
ニウムクロリド等のポリオキシアルキレン基を有するア
ルキルアンモニウム塩;ベタイン化合物、クラウンエー
テル、アミンオキシド化合物、イオン交換樹脂等を挙げ
ることができる。
【0022】また、第4級ホスホニウム塩としては、
式;〔R111213PR14+ -で表わされるものを
挙げることができる。この第4級ホスホニウム塩の具体
例としては下記の(a)〜(c)群のものを挙げること
ができる。 (a)式中、R11が炭素数7〜10のアラルキル基又は
炭素数8〜20の高級アルキル基を示し、R12、R13
びR14が炭素数1〜6の低級アルキル基を示すもの。例
えば、ベンジルトリブチルホスホニウム塩、ステアリル
トリブチルホスホニウム塩、ヘキサデシルトリブチルホ
スホニウム塩、ラウリルトリブチルホスホニウム塩等を
挙げることができる。
【0023】(b)式中、R11、R12、R13及びR14
うち、2〜4個が炭素数5〜8のシクロアルキル基を示
し、残部が炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数7〜
10のアラルキル基を示すもの。例えば、ジシクロヘキ
シルジメチルホスホニウム塩、トリシクロヘキシルメチ
ルホスホニウム塩、トリシクロヘキシルエチルホスホニ
ウム塩、トリシクロヘキシルn−ブチルホスホニウム
塩、トリシクロヘキシルイソブチルホスホニウム塩、ト
リシクロヘキシルn−プロピルホスホニウム塩、トリシ
クロヘキシルイソプロピルホスホニウム塩、トリシクロ
ヘキシルアミルホスホニウム塩、トリシクロヘキシルヘ
キシルホスホニウム塩、トリシクロヘキシルヘプチルホ
スホニウム塩、トリシクロヘキシルデシルホスホニウム
塩、トリシクロヘキシルラウリルホスホニウム塩、トリ
シクロヘキシルテトラデシルホスホニウム塩、トリシク
ロヘキシルヘキサデシルホスホニウム塩、トリシクロヘ
キシルステアリルホスホニウム塩、トリシクロヘキシル
ベンジルホスホニウム塩、テトラシクロヘキシルホスホ
ニウム塩等を挙げることができる。
【0024】(c)例えば、テトラメチルホスホニウム
塩、テトラエチルホスホニウム塩、メチルトリプロピル
ホスホニウム塩、ジエチルジブチルホスホニウム塩、ジ
ベンジルブチルメチルホスホニウム塩、ジベンジルジメ
チルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウム塩、ジ
ベンジルエチルメチルホスホニウム塩、ジベンジルジエ
チルホスホニウム塩、トリベンジルメチルホスホニウム
塩、トリベンジルエチルホスホニウム塩、トリn−ブチ
ルエチルホスホニウム塩等を挙げることができる。
【0025】なお、上記(a)〜(c)において、ホス
ホニウム塩(〔R111213PR14+ -)中のY
-は、有機又は無機イオンを示し、例えばハロゲンイオ
ン(Cl -、Br-、I-)、水酸イオン(OH-)、硝酸
イオン(NO3 -)、硫酸水素イオン(HSO4 -)等が挙
げられる。
【0026】これらの第4級オニウム塩は、アルドヘキ
ソースジアセトニド1モル当たり0.01〜0.20モ
ル用いるのが好ましく、特に0.05〜0.10モルが
好ましい。
【0027】アルドヘキソースジアセトニドとエーテル
化剤との反応は、溶媒中、加熱下で、好ましくは攪拌し
ながら行う。反応で使用する溶媒としては、反応に関与
しないものであれば特に制限されるものではなく、例え
ば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素
類、シクロペンタン、シクロへキサン等の脂環式炭化水
素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジグリ
ム、ジオキサン等のエーテル類などを挙げることができ
る。反応温度は25〜80℃が好ましく、40〜60℃
が更に好ましく、激しく攪拌することにより、数時間〜
数十時間でエーテル化が完結する。反応終了後、生成物
は必要に応じて蒸留法等の通常の方法に従って分離精製
することができ、得られたモノ分岐アルキルアルドヘキ
ソースジアセトニドは次工程に使用することができる。
【0028】次に、このようにして得たモノ分岐アルキ
ルアルドヘキソースジアセトニドを、酸の存在下、水溶
液中で加水分解することにより、本発明のアルドヘキソ
ースモノ分岐アルキルエーテル化合物を得ることができ
る。
【0029】ここで用いられる酸としては、例えば塩
酸、硫酸、リン酸、硝酸等の無機プロトン酸;酢酸、p
−トルエンスルホン酸等の有機プロトン酸を挙げること
ができる。これらの酸の使用量については、特に限定は
ないが、1〜20%、特に好ましくは1〜10%の水溶
液となるようにして用いるのが適当である。また、加水
分解の際の反応温度は、40〜100℃、特に50〜1
00℃であるのが好ましい。更に、加水分解を効果的に
進行させるため、水に可溶な溶媒類、例えば、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、カルビトール類、ジグライム
等のエーテル類を適量用いることもできる。
【0030】一般式(1)で表わされる化合物が、3−
O−分岐アルキル−D−グルコピラノース(2)又は6
−O−分岐アルキル−D−ガラクトピラノース(3)で
ある場合には、例えば以下に示す反応式に従って製造す
ることができる。
【0031】
【化4】
【0032】(式中、R及びXは前記と同じ意味を示
す)
【0033】すなわち、グルコースを原料とし、これに
過剰量のアセトンを酸の存在下に作用させて1,2;
5,6−ジ−O−イソプロピリデン−D−グルコフラノ
ース(4)を得、次にこれとエーテル化剤を、アルカリ
性物質及び第4級オニウム塩の存在下で反応させること
により、3−O−分岐アルキル−1,2;5,6−ジ−
O−イソプロピリデン−D−グルコフラノース(5)と
し、次いでこれを加水分解することにより、3−O−分
岐アルキル−D−グルコピラノース(2)が得られる。
【0034】
【化5】
【0035】(式中、R及びXは前記と同じ意味を示
す)
【0036】すなわち、ガラクトースを原料とし、これ
に過剰量のアセトンを酸の存在下に作用させて1,2;
3,4−ジ−O−イソプロピリデン−D−ガラクトピラ
ノース(6)を得、次にこれとエーテル化剤を、アルカ
リ性物質及び第4級オニウム塩の存在下で反応させるこ
とにより、6−O−分岐アルキル−1,2;3,4−ジ
−O−イソプロピリデン−D−ガラクトピラノース
(7)とし、次いでこれを加水分解することにより、6
−O−分岐アルキル−D−ガラクトピラノース(3)が
得られる。
【0037】このようにして得られるアルドヘキソース
モノ分岐アルキルエーテル化合物(1)は、保湿性及び
乳化作用を有しており、各種化粧料基剤、特に皮膚化粧
料基剤として有用である。
【0038】本発明の化粧料は、アルドヘキソースモノ
分岐アルキルエーテル化合物(1)を、通常、化粧料配
合成分として用いられている公知成分と混合することに
より、ゲル状、クリーム状、固体状、液体状、粉末状、
エアゾール状等の所望の剤型にすることができる。この
ような公知成分としては、各種界面活性剤、油剤、薬
剤、紫外線吸収剤、防腐剤、酸化防止剤、色素、香料、
溶剤、pH調整剤、保湿剤、増粘剤等を挙げることがで
きる。
【0039】本発明の化粧料におけるアルドヘキソース
モノ分岐アルキルエーテル化合物(1)の含有量は剤型
等により異なるが、これを乳化剤として用いる場合に
は、全組成中に0.1〜20重量%配合するのが好まし
く、保湿剤として用いる場合には、全組成中に1〜50
重量%配合するのが好ましい。
【0040】本発明の化粧料は、化粧用(o/w、w/
o)クリーム、化粧水、口紅、リップクリーム、アイシ
ャドウ、ファンデーション、乳液等として好適である。
【0041】
【発明の効果】本発明のアルドヘキソースモノ分岐アル
キルエーテル化合物(1)は、優れた保湿力及び乳化力
を有し、界面活性剤、医薬原料、化粧料原料等として有
用なものである。また、本発明の化粧料は、保湿性に優
れ、肌への伸びやなじみも良好で、使用感のよいもので
ある。
【0042】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0043】実施例1 (1)1,2;5,6−ジ−O−イソプロピリデン−D
−グルコフラノースの製造:還流冷却器、温度計、滴下
ロート及び攪拌装置を備えた5lの反応容器に、D−グ
ルコース200g及びアセトン4lを仕込み、氷冷下で
激しくかきまぜた。滴下ロートより97%濃硫酸160
mlを少しずつ約1.5時間で滴下した。硫酸の滴下中、
反応混合物の温度を5〜10℃に保った。滴下終了後、
更に室温で約5時間攪拌を続けた。反応混合物の温度は
20〜25℃に上昇し、溶液の色が黄色ないし淡橙色に
変化した。次いで、氷冷下に50%水酸化ナトリウム水
溶液(NaOH245g/水245g)を用い、反応混
合物の温度が急に上がらないように注意しながら、ゆっ
くりと系を中和した。中和終了後、一夜静置し、塩類及
び未反応のD−グルコースを沈殿させた。白色固体を濾
別により除去し、減圧にて濾液よりアセトンを留去し
た。得られた淡黄色のシロップ状物質をクロロホルム3
00mlに溶かし、水150mlで2度水洗した後、再び減
圧にてクロロホルムを留去すると、淡黄色の固体が得ら
れた。これをシクロヘキサンより再結晶することによ
り、白色結晶として、1,2;5,6−ジ−O−イソプ
ロピリデン−D−グルコフラノース120gを得た(収
率42%)。
【0044】m.p.:111〜112℃ 〔文献値 110℃(文献;Method in Carbohydrate C
hem. Vol. II, 320〜322(1963))〕
【0045】(2)3−O−メチル分岐イソステアリル
−1,2;5,6−ジ−O−イソプロピリデン−D−グ
ルコフラノースの製造:還流冷却器、温度計、滴下ロー
ト及び攪拌装置を備えた1lの反応容器に、50%水酸
化ナトリウム水溶液96g(水酸化ナトリウム48g
(1.2モル)/水48g)、(1)で得られた1,
2;5,6−ジ−O−イソプロピリデン−D−グルコフ
ラノース52.1g(0.2モル)、n−ヘキサン18
0ml、50%硫酸水素テトラブチルアンモニウム水溶液
13.6g(0.02モル)をこの順に仕込み、水浴中
20〜25℃でかきまぜた。特公昭64−7061号公
報第6頁第11欄、参考例2に記載の方法に従って製造
したメチル分岐イソステアリルブロミド100g(0.
30モル)を、滴下ロートよりゆっくりと約1.5時間
で滴下した。滴下終了後、反応混合物の温度を50〜5
5℃まで昇温し、この温度で攪拌速度約400r.p.m.に
て約5時間攪拌した。反応混合物のガスクロマトグラフ
分析により、原料のグルコフラノースが消失したのを確
認した後、室温まで冷却し、水400mlを加えて静置す
ることにより、反応混合物を2層に分離した。有機層を
取り出し、水100mlで水洗した後、減圧下にn−ヘキ
サンを留去し、次いで減圧蒸留することにより、無色透
明な油状物として3−O−メチル分岐イソステアリル−
1,2;5,6−ジ−O−イソプロピリデン−D−グル
コフラノース97gを得た(収率95%)。
【0046】b.p.:205〜225℃/0.3mmHg1 H−NMR(δppm):C1−H 5.85(d) C3−OCH2 3.50(t) IR(cm-1):3000,2940,2860,138
0,1370,1215,1165,1075,102
0,850. 元素分析(計算値):C 70.8%(70.3%) H 11.1%(11.0%)
【0047】(3)3−O−メチル分岐イソステアリル
−D−グルコピラノースの製造:還流冷却器、温度計及
び攪拌装置を備えた1lの反応容器に、(2)で得られ
た3−O−メチル分岐イソステアリル−1,2;5,6
−ジ−O−イソプロピリデン−D−グルコフラノース5
0g(0.098モル)、5%硫酸水溶液500mlを加
え、激しくかきまぜながら100℃前後で加熱し、還流
させた。約1時間後、反応混合物の温度が94〜95℃
に低下し、溶液が均一に変化した。ガスクロマトグラフ
分析により原料が消失したのを確認した後、反応混合物
を冷却し、50%水酸化ナトリウム水溶液で中和したと
ころ白色固体の析出が認められた。つづいて酢酸エチル
及び少量のエタノールを用いて反応混合物より有機物を
繰り返し抽出した後、有機層から溶媒を減圧にて留去す
ることにより、白色シロップ状の固体を得た。これをエ
タノールを溶媒として繰り返し再結晶することにより、
白色結晶として3−O−メチル分岐イソステアリル−D
−グルコピラノース14.9gを得た(収率35%)。
【0048】m.p.:85〜110℃1 H−NMR(δppm):C1 6.60(d) C2〜C6,C3−OC2 2.8−4.9(m) 元素分析(計算値):C 66.3%(66.6%) H 11.1%(11.2%) OHV(計算値):515(519)
【0049】実施例2 (1)1,2;3,4−ジ−O−イソプロピリデン−D
−ガラクトピラノースの製造:還流冷却器、温度計及び
攪拌装置を備えた5lの反応容器に、D−ガラクトース
200g、アセトン2.5l及び細かく粉砕した塩化亜
塩粉末240gを仕込み、激しく攪拌した。続いて、9
7%濃硫酸8mlを加え、室温でひきづつき約4時間かき
まぜた後、炭酸ナトリウム400gを用いて反応混合物
を中和した。中和終了後も約1時間激しくかきまぜ、一
夜静置した。沈殿した白色固体を濾別により除去し、濾
液は減圧にてアセトンを留去することで2層に分離し
た。有機層をクロロホルム500mlに溶解し、少量の水
で水洗した。一方、水層はクロロホルム100ml×3で
抽出し、もとの有機層に加えた。得られたクロロホルム
溶液より減圧にてクロロホルムを留去することにより、
粘稠な液状の粗生成物254gを得た(粗収率88
%)。ひきつづき減圧にて蒸留することにより、かなり
純度の高い1,2;3,4−ジ−O−イソプロピリデン
−D−ガラクトピラノース227gを得た(収率78
%)。
【0050】b.p.:132〜140℃/0.8mmHg 〔文献値 110〜120℃/0.1〜0.2mmHg(文
献;J.Amm. Chem. Soc., 70, 2785(1948))〕
【0051】(2)6−O−メチル分岐イソステアリル
−1,2;3,4−ジ−O−イソプロピリデン−α−D
−ガラクトピラノースの製造:(1)で得られた1,
2;3,4−ジ−O−イソプロピリデン−D−ガラクト
ピラノース52.1g(0.2モル)を用い、実施例1
(2)と同様にして、6−O−メチル分岐イソステアリ
ル−1,2;3,4−ジ−O−イソプロピリデン−D−
ガラクトピラノース89gを得た(収率87%)。
【0052】b.p.:205〜240℃/0.3mmHg1 H−NMR(δppm):C1−H 5.50(d) C2〜C6−H,C6−OCH2 3.4−4.7(m) IR(cm-1):2990,2930,2860,138
0,1255,1210,1110,1070,106
5,1000. 元素分析(計算値):C 70.5%(70.3%) H 11.3%(11.0%)
【0053】(3)6−O−メチル分岐イソステアリル
−D−ガラクトピラノースの製造:(2)で得られた6
−O−メチル分岐イソステアリル−1,2;3,4−ジ
−O−イソプロピリデン−D−ガラクトピラノース5
1.2g(0.1モル)を用い、実施例1(3)と同様
にして、6−O−メチル分岐イソステアリル−D−ガラ
クトピラノース17.3gを得た(収率40%)。
【0054】m.p.:95〜98℃1 H−NMR(δppm):C1−H 6.10(d) C2〜C6−H,C6−OCH2 3.3−4.7(m) 元素分析(計算値):C 68.3%(66.6%) H 11.3%(11.2%) OHV(計算値):481(519)
【0055】試験例1 実施例1及び2で得られた化合物を乳化させ、その乳化
力を試験した。すなわち、まず、流動パラフィン28重
量部に各化合物2重量部を混合し、75℃に加熱する。
別にイオン交換水70重量部を75℃に加熱したものを
その中に加え、乳化させた。その後、攪拌しながら室温
まで冷却したのち、乳化力を評価した。評価は、直後の
生成乳化物の状態及び25℃で1日放置したのちの分離
状態を観察することにより行った。結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】上記結果から明らかなとおり、実施例1及
び2の化合物は優れた乳化力を有していた。これに対
し、比較化合物では、全く乳化力が認められなかった。
【0058】実施例3 下記組成のO/Wクリームを製造した。
【表2】 (成分) (重量%) (1)流動パラフィン 10.0 (2)スクワラン 16.0 (3)実施例1の化合物 4.0 (4)バチルアルコール 2.5 (5)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1 (6)プロピレングリコール 7.0 (7)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (8)精製水 残量
【0059】(製法)成分(1)〜(5)を混合し、7
5℃に加熱する。別に成分(6)〜(8)の混合物を加
熱し、これを攪拌しながら徐々に(1)〜(5)の混合
物中に加えて乳化し、室温まで冷却した。得られた乳化
物はO/W型のクリーム状で使用感が良く、また保湿性
に優れるなど、化粧品用クリームとして適していた。
【0060】実施例4 下記組成のハンドクリームを製造した。
【表3】 (成分) (重量%) (1)実施例1の化合物 5.0 (2)ステアリン酸 8.0 (3)スクワラン 4.0 (4)ステアリルアルコール 1.5 (5)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1 (6)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (7)グリセリン 5.0 (8)水酸化ナトリウム 0.1 (9)精製水 残量
【0061】(製法)成分(1)〜(5)を混合して7
5℃に加熱する。別に成分(6)〜(9)の混合物を加
熱し、これを攪拌しながら徐々に(1)〜(5)の混合
物中に加えて乳化し、室温まで冷却した。このようにし
て得られた乳化物は、光沢のあるクリーム状で乳化安定
性もよく、保湿性に優れ、しかも使用感も良好で、ハン
ドクリームとして適していた。
【0062】実施例5 下記組成の乳化型リップクリームを製造した。
【表4】 (成分) (重量%) (1)流動パラフィン 32.0 (2)カルナバワックス 8.0 (3)マイクロクリスタリンワックス 12.0 (4)ホホバ油 8.0 (5)ワセリン 10.0 (6)実施例2の化合物 5.0 (7)グリセリン 5.0 (8)精製水 残量
【0063】(製法)成分(1)〜(6)を85℃に加
熱して均一に混合し、これに成分(7)及び(8)を加
熱混合したものを添加し、充分に攪拌して乳化し、その
後直ちに成型器に流し込んで冷却した。得られた乳化物
は乳白色の光沢を有するやや軟らかい固型のW/Oエマ
ルションで、保湿性に優れたものであり、棒状に成型す
ることにより、使用感も良好で、リップクリームとして
優れた性質を有していた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、2個のRのうち、いずれか1個は炭素数3〜2
    4の分岐アルキル基を示し、他方は水素原子を示す)で
    表わされるアルドヘキソースモノ分岐アルキルエーテル
    化合物。
  2. 【請求項2】 アルドヘキソースが、D−グルコース又
    はD−ガラクトースである請求項1記載のアルドヘキソ
    ースモノ分岐アルキルエーテル化合物。
  3. 【請求項3】 3−O−分岐アルキルグルコピラノース
    である請求項1記載のアルドヘキソースモノ分岐アルキ
    ルエーテル化合物。
  4. 【請求項4】 6−O−分岐アルキルガラクトピラノー
    スである請求項1記載のアルドヘキソースモノ分岐アル
    キルエーテル化合物。
  5. 【請求項5】 分岐アルキル基が、メチル分岐イソステ
    アリル基である請求項1〜4のいずれか1項記載のアル
    ドヘキソースモノ分岐アルキルエーテル化合物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項記載のアル
    ドヘキソースモノ分岐アルキルエーテル化合物を含有す
    る化粧料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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