JPH07285940A - カルボスチリル誘導体 - Google Patents

カルボスチリル誘導体

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JPH07285940A
JPH07285940A JP7062323A JP6232395A JPH07285940A JP H07285940 A JPH07285940 A JP H07285940A JP 7062323 A JP7062323 A JP 7062323A JP 6232395 A JP6232395 A JP 6232395A JP H07285940 A JPH07285940 A JP H07285940A
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JP
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compound
formula
carbostyril
reaction
sodium
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Application number
JP7062323A
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English (en)
Inventor
Takafumi Fujioka
孝文 藤岡
Shuji Teramoto
修二 寺本
Michiaki Tominaga
道明 富永
Yoichi Yabuuchi
洋一 薮内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 優れた心筋収縮増強作用を有するカルボスチ
リル誘導体を提供する。 【構成】 下記式 で表わされる6−[3−(3−メトキシベンジル)アミ
ノ−2−ヒドロキシプロポキシ]カルボスチリル又はそ
の塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カルボスチリル誘導体
に関する。
【0002】
【発明の開示】本発明のカルボスチリル誘導体は、文献
未記載の新規化合物であって、下記一般式
【0003】
【化2】
【0004】で表わされる6−[3−(3−メトキシベ
ンジル)アミノ−2−ヒドロキシプロポキシ]カルボス
チリル又はその塩である。
【0005】上記式(1)で表わされるカルボスチリル
誘導体及びその塩は、心筋の収縮を増強する作用(陽性
変力作用)を有し、うっ血性心不全の治療薬として有用
である。特に上記本発明化合物は、優れた陽性変力作用
を有する反面、心拍数の増加作用は殆んど有していない
特徴がある。上記本発明化合物は、低毒性であり、且つ
中枢性の副作用、例えば嘔吐、運動機能の低下、痙攣、
振せん等が少ないという特徴をも有している。また本発
明の化合物は、吸収性に優れており、持続時間も長いと
いう特徴を有している。
【0006】また、上記式(1)で表わされるカルボス
チリル誘導体及びその塩は、冠血流量増加作用、降圧作
用、ノルエピネフィリンによる血管収縮抑制作用及び消
炎作用を有し、例えば降圧剤、消炎剤等として有用であ
る。
【0007】本発明のカルボスチリル誘導体に類似する
化合物は、例えば特開昭56−8319号公報、特開昭
56−95115号公報、特開昭103589号公報、
特開昭51−122077号公報等に記載されている。
しかしながら、これら公報に記載されているカルボスチ
リル誘導体はいずれもβ−ブロッカーである。
【0008】これに対して本発明のカルボスチリル誘導
体は、強心作用、即ち心筋収縮力を増強する作用(陽性
変力作用)を有し、心筋収縮力低下に基づく心不全の治
療に有用である。β−ブロッカーとは次の点で相違す
る。
【0009】即ち、β−アドリナリンは心臓の収縮力増
強(陽性変力作用)、心拍数増加(陽性変時作用)、自
動興奮性増大、房室伝導促進等の作用を有している(図
解薬理学p112、114)。β−ブロッカーはアドレ
ナリンが受容体に結合するのを遮断し、アドレナリンの
上記作用を抑止する。従ってβ−ブロッカーは、陽性変
力作用とは薬理作用が相違し、しかも全く逆の作用であ
る。
【0010】上記各公報には、各公報記載のカルボスチ
リル誘導体がβ−アドレナリン遮断作用を有し(β−ブ
ロッカー)、不整脈及び狭心症等の治療薬として用いら
れることが開示されているに過ぎない。これら公報のど
こにもこれらカルボスチリル誘導体が心筋の収縮力増強
する陽性変力作用を有することにつき示唆するところは
なく、該公報の記載からも全く予測困難である。実際に
これら公報に具体的に記載されたカルボスチリル誘導体
について陽性変力試験をテストしたが、陽性変力作用を
実質的に有していない(後記薬理試験A参照)。
【0011】また、特開昭57−80322号公報に
は、本発明のカルボスチリル誘導体と類似の化合物が陽
性変力作用を有していることが開示されている。しかし
ながら、該公報記載のカルボスチリル誘導体の陽性変力
作用は、本発明のカルボスチリル誘導体のそれとは著し
く異なるものである。
【0012】本発明のカルボスチリル誘導体は、強い心
房筋収縮作用及び心室筋収縮作用(陽性変力作用)を有
し、殊に心室筋収縮作用についてアムリノンED30値よ
り遥かに低いED30値を有し、その陽性変力作用は強力
である(後記薬理試験A参照)。
【0013】これに対し、特開昭57−80322号公
報には、該公報記載のカルボスチリル誘導体が陽性変力
作用を有する旨の記載はあるが、実際に試験されている
のは心房筋収縮作用のみであり、心室筋収縮作用は試験
されていない。該公報に具体的に開示されたいくつかの
化合物について心室筋収縮作用を試験し、そのED30
をアムリノンのED30値と対比したところ、アムリノン
と同等又はそれ以下であるか、或いはED30値に達しな
いものでしかなかった(後記薬理試験A参照)。
【0014】上記式(1)で表わされる本発明のカルボ
スチリル誘導体は、種々の方法により製造され得るが、
その一例を示せば例えば下記反応式で示される方法に従
い容易に製造される。
【0015】[反応式−1]
【0016】
【化3】
【0017】[式中Xは、ハロゲン原子、低級アルカン
スルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基又は
アラルキルスルホニルオキシ基を示す。] 一般式(2)の化合物と式(3)の化合物との反応は、
無溶媒又は適当な溶媒中、塩基性化合物の存在又は非存
在下に行なわれる。該反応は、通常室温〜200℃、好
ましくは室温〜150℃にて行なわれ、一般に1〜30
時間程度にて終了する。ここで使用される溶媒として
は、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエ
ーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノール
等の低級アルコール類、ジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチ
ルリン酸トリアミド、ピリジン、アセトン等の極性溶媒
を例示できる。また使用される塩基性化合物としては、
例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カ
リウム、ナトリウムアミド、水素化ナトリウム、水素化
カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、トリプロピ
ルアミン、ピリジン、キノリン等の有機塩基等を例示で
きる。該反応の反応系内には、沃化カリウム、沃化ナト
リウム等のアルカリ金属沃化物等を添加すれば、上記反
応は有利に進行する。式(3)の化合物は、一般式
(2)の化合物に対して通常少なくとも等モル量、好ま
しくは等モル〜5倍モル量使用するのがよい。
【0018】前記反応式−1において、Xで示される低
級アルカンスルホニルオキシ基としては、具体的にはメ
タンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、イソ
プロパンスルホニルオキシ、プロパンスルホニルオキ
シ、ブタンスルホニルオキシ、tert- ブタンスルホニル
オキシ、ペンタンスルホニルオキシ、ヘキサンスルホニ
ルオキシ基等を例示でき、またアリールスルホニルオキ
シ基としては、具体的にはフェニルスルホニルオキシ、
4−メチルフェニルスルホニルオキシ、2−メチルフェ
ニルスルホニルオキシ、4−ニトロフェニルスルホニル
オキシ、4−メトキシフェニルスルホニルオキシ、3−
クロルフェニルスルホニルオキシ、α−ナフチルフェニ
ルスルホニルオキシ基等の置換もしくは未置換のアリー
ルスルホニルオキシ基を例示でき、またアラルキルスル
ホニルオキシ基としては、具体的にはベンジルスルホニ
ルオキシ、2−フェニルエチルスルホニルオキシ、4−
フェニルブチルスルホニルオキシ、4−メチルベンジル
スルホニルオキシ、2−メチルベンジルスルホニルオキ
シ、4−ニトロベンジルスルホニルオキシ、4−メトキ
シベンジルスルホニルオキシ、3−クロルベンジルスル
ホニルオキシ、α−ナフチルメチルスルホニルオキシ基
等の置換もしくは未置換のアラルキルスルホニルオキシ
基を例示できる。
【0019】[反応式−2]
【0020】
【化4】
【0021】[式中Xは前記に同じ。Yは基
【0022】
【化5】
【0023】を示す。] 式(4)の化合物と一般式(5)のエピハロゲノヒドリ
ンとの反応は、塩基性化合物の存在下、適当な溶媒中又
は無溶媒下に行なわれる。ここで使用される塩基性化合
物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナ
トリウムエトキシド、水素化ナトリウム、金属ナトリウ
ム、金属カリウム、ナトリウムアミド等の無機塩基、ピ
ペリジン、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基等
を例示できる。また使用される溶媒としては、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエ
チルエーテル、ジオキサン、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル類等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素類、水等を例示できる。一
般式(5)の化合物は、式(4)の化合物に対して通常
少なくとも等モル量、好ましくは5〜10倍モル量使用
するのがよい。該反応は、通常0〜150℃、好ましく
は50〜100℃付近にて進行し、一般に1〜10時間
程度で反応は終了する。
【0024】上記の反応により、式(4)の化合物の水
酸基が一般式(5)のエピハロゲノヒドリンと反応して
(2,3−エポキシ)プロポキシ基及び3−ハロゲノ−
2−ヒドロキシプロポキシ基に変換された化合物が混合
物として得られ、この混合物は、精製分離されることな
く、次の式(3)の化合物との反応に供される。或いは
再結晶、カラムクロマトグラフィー等の慣用手段によ
り、(2,3−エポキシ)プロポキシ基又は3−ハロゲ
ノ−2−ヒドロキシプロポキシ基を有する化合物にそれ
ぞれ分離精製後、式(3)の化合物と反応させてもよ
い。
【0025】一般式(6)の化合物と式(3)の化合物
の反応は、塩基性化合物の存在下、溶媒の存在下又は非
存在下に行なわれる。該反応は、通常室温〜200℃、
好ましくは60〜120℃付近にて行なわれ、一般に1
〜24時間程度にて反応は終了する。使用される溶媒及
び塩基性化合物としては、前記反応式−1における一般
式(2)の化合物及び式(3)との化合物の反応で用い
た溶媒及び塩基性化合物をいずれも使用できる。一般式
(3)の化合物は、一般式(6)の化合物に対して、通
常少なくとも等モル量、好ましくは等モル〜5倍モル量
使用するのがよい。
【0026】[反応式−3]
【0027】
【化6】
【0028】[式中Xは前記に同じ。] 式(4)の化合物と一般式(7)の化合物との反応は、
適当な溶媒中、好ましくは塩基性化合物を脱ハロゲン化
水素剤とし、通常室温〜200℃、好ましくは50〜1
50℃の温度条件下、1〜15時間程度で行なわれる。
上記において適当な溶媒としては、例えばメタノール、
エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチル
エーテル、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチル
エーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素類、DMF、DMSO、ヘキサメチルリン酸
トリアミド等を例示できる。また脱ハロゲン化水素剤と
して利用できる塩基性化合物としては、例えば水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイ
ド、カリウムエトキサイド、水素化ナトリウム、金属カ
リウム、ナトリウムアミド等の無機塩基、ピリジン、キ
ノリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等の有
機塩基等を例示できる。該反応においては、反応促進剤
として沃化カリウム、沃化ナトリウム等の沃化アルカリ
金属化合物を反応系内に添加することもできる。一般式
(7)の化合物の使用量は、特に制限はないが、式
(4)の化合物に対して通常等モル〜5倍モル量、好ま
しくは等モル〜2倍モル量とするのがよい。
【0029】式(4)の化合物と式(8)の化合物との
反応は、前記反応式−2における式(4)の化合物と一
般式(5)の化合物の反応と同様の反応条件下に行なわ
れる。
【0030】[反応式−4]
【0031】
【化7】
【0032】[式中Xは前記に同じ。] 式(9)の化合物と一般式(10)の化合物との反応
は、前記反応式−1における一般式(2)の化合物と式
(3)の化合物との反応と同様の反応条件下に行ない得
る。
【0033】本発明の式(1)で表わされるカルボスチ
リル誘導体は、医薬的に許容される酸を作用させること
により容易に酸付加塩とすることができる。該酸として
は例えば、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸等の無機
酸、シュウ酸、マレイン酸、フマール酸、リンゴ酸、酒
石酸、クエン酸、安息香酸等の有機酸を挙げることがで
きる。
【0034】また本発明の式(1)で表わされるカルボ
スチリル誘導体のうち酸性基を有する化合物は、医薬的
に許容される塩基性化合物を作用させることにより容易
に塩を形成させることができる。該塩基性化合物として
は例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カ
ルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム等を挙げ
ることができる。
【0035】斯くして得られる各々の行程での目的化合
物は、通常の分離手段により容易に単離精製することが
できる。該分離手段としては、例えば溶媒抽出法、稀釈
法、再結晶法、カラムクロマトグラフィー、プレパラテ
ィブ薄層クロマトグラフィー等を例示できる。
【0036】尚本発明は光学異性体も当然に包含するも
のである。
【0037】式(1)の化合物は通常、一般的な医薬製
剤の形態で用いられる。製剤は通常使用される充填剤、
増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤
等の稀釈剤或いは賦形剤を用いて調製される。この医薬
製剤としては各種の形態が治療目的に応じて選択でき、
その代表的なものとして錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁
剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、
懸濁剤等)等が挙げられる。錠剤の形態に成形するに際
しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使
用でき、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ
糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶
セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロ
パノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラ
チン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メ
チルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリド
ン等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、
カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸
カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル類、ウラリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグ
リセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリ
ン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第四級
アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促
進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳
糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸
着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエ
チレングリコール等の滑沢剤等が例示できる。更に錠剤
は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、
ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠或
いは二重錠、多層錠とすることができる。丸剤の形態に
成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知の
ものを広く使用でき、例えばブドウ糖、乳糖、デンプ
ン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形
剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノ
ール等の結合剤、ラミナランカンテン等の崩壊剤等が例
示できる。坐剤の形態に成形するに際しては、担体とし
て従来公知のものを広く使用でき、例えばポリエチレン
グリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコー
ルのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を挙
げることができる。注射剤として調製される場合には液
剤及び懸濁剤は殺菌され、且つ血液と等張であるのが好
ましく、これら液剤、丸剤及び懸濁剤の形態に成形する
のに際しては、稀釈剤としてこの分野において慣用され
ているものを全て使用でき、例えば水、エチルアルコー
ル、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリル
アルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を挙
げることができる。尚、この場合等張性の溶液を調製す
るに充分な量の食塩、フドウ糖或いはグリセリンを強心
剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解補助剤、緩
衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。更に必要に応じて
着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品
を該治療剤中に含有せしめてもよい。
【0038】上記医薬製剤中に含有されるべき式(1)
の化合物の量は特に限定されず広範囲に選択されるが、
通常全組成物中1〜70重量%、好ましくは1〜30重
量%である。
【0039】本発明のカルボスチリル誘導体を有効成分
とする医薬製剤の投与方法には特に制限はなく、各種製
剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等
に応じた方法で投与される。例えば錠剤、丸剤、液剤、
懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤の場合には経口投
与される。また注射剤の場合には単独で或いはブドウ
糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与さ
れ、更には必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下もし
くは腹腔内投与される。坐剤の場合には直腸内投与され
る。
【0040】上記医薬製剤の投与量は、用法、患者の年
齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選択さ
れるが、通常有効成分である式(1)の化合物の量は1
日当り体重1kg当り約0.1〜10mgとするのがよ
い。また、投与単位形態中に有効成分を1〜200mg
含有するのがよい。
【0041】
【実施例】以下に参考例、製造例、実施例、薬理試験結
果及び製剤例を掲げる。
【0042】参考例1 6−ヒドロキシカルボスチリル3.5g及びS−(+)
−エピクロロヒドリン5gをメタノール100ml中に
加え、トリエチルアミン0.5mlを加えて8時間加熱
還流する。放冷後、クロロホルムを加え、シリカゲル中
にまぶし、カラムクロマト(シリカゲル クロロホル
ム:メタノール=100:0〜100:3)にて精製し
て、1.13gのS−6−(3−クロロ−2−ヒドロキ
シプロポキシ)カルボスチリルを得る。
【0043】参考例2 R−(−)−エピクロロヒドリンを用い、参考例1と同
様にしてR−6−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロポ
キシ)カルボスチリルを得る。
【0044】参考例3 85%水酸化カリウム0.65gをメタノール30ml
中に溶解し、R−6−(3−クロロ−2−ヒドロキシプ
ロポキシ)カルボスチリル1.03gを室温にて加え、
同温にて5時間攪拌する。反応後、氷冷し、1N塩酸で
中和した後、室温にて減圧濃縮する。残渣に水を加え、
結晶を濾過する。メタノール15ml中で2〜3分加熱
後、放冷して、0.5gのS−6−(2,3−エポキシ
プロポキシ)カルボスチリルを得る。
【0045】参考例4 S−6−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロポキシ)カ
ルボスチリルを用い、参考例3と同様にしてR−6−
(2,3−エポキシプロポキシ)カルボスチリルを得
る。
【0046】製造例1 6−(2,3−エポキシプロポキシ)カルボスチリル1
5g及びN−メチルベンジルアミン11gのメタノール
150ml懸濁液を2.5時間加熱還流する。メタノー
ルを減圧留去して得られた残渣にジエチルエーテルを加
え析出晶を濾取する。シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶出液;メタノール/クロロホルム=1/100 〜1/
25)にて精製後、エタノールにて再結晶して7.6gの
6−[3−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)−2−
ヒドロキシプロポキシ]カルボスチリルを得る。
【0047】白色粉末状、mp.129〜132℃。
【0048】製造例2 6−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロポキシ)カルボ
スチリル5.05g及びN−メチルベンジルアミン6.
0gのジメチルホルムアミド50ml溶液を50〜60
℃にて5時間加熱攪拌する。溶媒を減圧留去して得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
液;メタノール/クロロホルム=1/100 〜1/25)にて精
製後、エタノールより再結晶して2.5gの6−[3−
(N−メチル−N−ベンジルアミノ)−2−ヒドロキシ
プロポキシ]カルボスチリルを得る。
【0049】白色粉末状、mp.129〜132℃。
【0050】製造例3 6−ヒドロキシカルボスチリル1.6g及び水素化ナト
リウム(50%油性)1gのジメチルホルムアミド30
ml溶液に、室温にて、1−クロロ−2−ヒドロキシ−
3−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)プロパン2.
2gを滴下し、滴下後、70〜80℃にて3時間加熱攪
拌する。反応混合物を水に注ぎ込み、クロロホルムにて
抽出、硫酸マグネシウムで乾燥する。クロロホルムを留
去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶出液;メタノール/クロロホルム=1/100 〜1/
25)にて精製後、エタノールより再結晶して0.76g
の6−[3−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)−2
−ヒドロキシプロポキシ]カルボスチリルを得る。
【0051】白色粉末状、mp.129〜132℃。
【0052】製造例4 N−メチルベンジルアミン21gの50mlメタノール
溶液に6−(2,3−エポキシプロポキシ)カルボスチ
リル4.4gの70mlメタノール溶液を加熱還流下、
30分間で滴下する。滴下終了後、更に2時間加熱還流
する。反応混合物を減圧濃縮後、得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;メタノール/
クロロホルム=1/100 〜1/25)にて精製後、エタノール
より再結晶して5gの6−[3−(N−メチル−N−ベ
ンジルアミノ)−2−ヒドロキシプロポキシ]カルボス
チリルを得る。
【0053】白色粉末状、mp.129〜132℃。
【0054】製造例5 S−(2,3−エポキシプロポキシ)カルボスチリル1
5g及びN−メチル−N−ベンジルアミン11gのメタ
ノール150ml懸濁液を2時間加熱還流する。メタノ
ールを減圧留去して得られた残渣にジエチルエーテルを
加え析出晶を濾取する。シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(溶出液;メタノール/クロロホルム=1/100 〜
1/25)にて精製後、エタノールにて2回再結晶して9.
3g4S−(−)−6−[3−(N−メチル−N−ベン
ジルアミノ)−2−ヒドロキシプロポキシ]カルボスチ
リルを得る。
【0055】無色プリズム状、mp.142〜144℃ [α]D =−32.20(c=1.0,クロロホル
ム)。
【0056】実施例1 適当な出発原料を用い、製造例1〜4と同様にして下記
化合物を得る。
【0057】6−[3−(3−メトキシベンジル)アミ
ノ−2−ヒドロキシプロポキシ]カルボスチリル 白色粉末状(エタノールより再結晶)、mp.138〜
140℃。
【0058】実施例2 適当な出発原料を用い、製造例5と同様にして下記化合
物を得る。
【0059】R−(+)−6−[3−(3−メトキシベ
ンジル)アミノ−2−ヒドロキシプロポキシ]カルボス
チリル 無色針状(エタノールより再結晶)、mp.107〜1
09℃ [α]D 20=+9.0゜(c=1.0,メタノール) S−(−)−6−[3−(3−メトキシベンジル)アミ
ノ−2−ヒドロキシプロポキシ]カルボスチリル 無色針状(エタノールより再結晶)、mp.104〜1
06℃ [α]D 20=−8.7゜(c=1.0,メタノール)。
【0060】薬理試験A(血液潅流摘出乳頭筋標本) 体重8〜13kgの雌雄雑種成犬にペントパルビタール
・ナトリウム塩を30mg/kgの割合で静脈内投与し
て麻酔にかけた。ヘパリンのナトリウム塩を1000U
/kgの割合で静脈内投与後脱血致死させ、心臓を摘出
した。標本は主に乳頭筋及び心室中隔からなり、前中隔
動脈に挿入したカニューレより、供血犬から導かれた血
液で100mmHgの定圧で潅流された。供血犬は体重
18〜27kgで予めペントパルビタール・ナトリウム
塩30mg/kgを静脈内投与して麻酔し、ヘパリンの
ナトリウム塩1000U/kgを静脈内投与してあっ
た。双極電極を用い、閾値の1.5倍の電圧(0.5〜
3V)、5msecの刺激幅、毎分120回の刺激頻度
の矩形波で乳頭筋を刺激した。乳頭筋の静止張力は1.
5gで、乳頭筋の発生張力は力変位交換器を介して測定
した。発生張力の記録はインク書き記録計上に記録し
た。この方法の詳細は、遠藤と橋本により既に報告され
ている(Am.J. Physiol.,218,1459〜146
3,1970)。
【0061】供試化合物は10/30μlの容量で4秒
間で動脈内投与した。10、100、1000nモルで
の回帰分析を行い、回帰式よりED30値を求めた。ED
30値は収縮力をコントロール値に対して30%増加させ
た時の供試化合物の用量である。
【0062】コントロールとしてアムリノンを用い、
【0063】
【数1】
【0064】を求めた。結果は下記表1の通りであっ
た。
【0065】供試化合物a:6−[3−(3−メトキシ
ベンジル)アミノ−2−ヒドロキシプロポキシ]カルボ
スチリル(本発明化合物) 供試化合物b:6−〔2−ヒドロキシ−3−(N−メチ
ル−N−ベンジルアミノ)プロポキシ〕−3,4−ジヒ
ドロカルボスチリル(特開昭56−8319号公報に記
載の化合物35) 供試化合物c:5−〔2−ヒドロキシ−3−(N−メチ
ル−N−ベンジルアミノ)プロポキシ〕−3,4−ジヒ
ドロカルボスチリル(特開昭56−8319号公報に記
載の化合物5) 供試化合物d:5−〔2−ヒドロキシ−3−(N−メチ
ル−N−ベンジルアミノ)プロポキシ〕カルボスチリル
(特開昭56−8319号公報に記載の化合物36) 供試化合物e:5−(2−ヒドロキシ−3−ベンジルア
ミノ)プロポキシ−3,4−ジヒドロカルボスチリル
(特開昭56−95115号公報に記載の化合物C) 供試化合物f:6−(3−ベンジルアミノプロポキシ)
カルボスチリル(引例A特開昭57−80322号公報
に記載の供試化合物3) 供試化合物g:6−〔3−(N−メチル−N−ベンジル
アミノ)プロポキシ〕カルボスチリル(特開昭57−8
0322号公報に記載の化合物)供試化合物h:6−
〔3−(4−クロロベンジルアミノ)プロポキシ〕−
3,4−ジヒドロカルボスチリル(特開昭57−803
22号公報に記載の供試化合物25) 供試化合物i:6−{3−〔N−メチル−N−(4−メ
トキシベンジル)アミノ〕プロポキシ}−3,4−ジヒ
ドロカルボスチリル(特開昭57−80322号公報に
記載の供試化合物28)
【0066】
【表1】
【0067】製剤例1 6−[3−(3−メトキシベンジル)アミノ−2−ヒドロキシプロポキシ]カル ボスチリル 5mg デンプン 132mg マグネシウムステアレート 18mg乳糖 45mg 計 200mg 常法により、1錠中に上記組成を含有する錠剤を製造し
た。
【0068】製剤例2 6−[3−(3−メトキシベンジル)アミノ−2−ヒドロキシプロポキシ]カル ボスチリル 500mg ポリエチレングリコール(分子量:4000) 0.3g 塩化ナトリウム 0.9g ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート 0.4g メタ重亜硫酸ナトリウム 0.1g メチル−パラベン 0.18g プロピル−パラベン 0.02g注射用蒸留水 100ml 上記パラベン類、メタ重亜硫酸ナトリウム及び塩化ナト
リウムを攪拌しながら80℃で上記の蒸留水に溶解し
た。得られた溶液を40℃まで冷却し、本発明化合物、
ポリエチレングリコール及びポリオキシエチレンソルビ
タンモノオレートを順次溶解させ、次のその溶液に注射
用蒸留水を加えて最終の容量に調整し、適当なフィルタ
ーペーパーを用いて滅菌濾過して1mlずつアンプルに
分注し、注射剤を調製した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 で表わされる6−[3−(3−メトキシベンジル)アミ
    ノ−2−ヒドロキシプロポキシ]カルボスチリル又はそ
    の塩。
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