JPH0728544Y2 - 冷水機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、卓上型の冷水機または冷温水機で、特に排水
ケースの取付けの改良に関する。

〔従来の技術〕

卓上型の冷温水機を第３図に示すと、図中（１）は胴体
部をなす外装で、前面側において上半部が張出し、この
上半部内にタンク（図示せず）をそのフタ（２）が外装
（１）の上面にでるように収納する。該タンクは下部が
細径となり、この細径下部の側面外周に冷凍サイクルに
よる冷却器を巻回し、底部にヒーターを取付ける。ま
た、外装（１）内の下半部は機械室としてここに圧縮機
やファンを設置し、外装（１）内の背面側には凝縮器を
設けて、これらと冷却器とを連結する。

また、タンクの底部からの注水パイプを外装（１）の前
面に導出し、その先端に注水レバー（３）の操作により
開閉する注水バルブを結合した。

前面側の張出し上半部は前面パネル（４）で覆われる
が、この前面パネル（４）は左右を延設垂下して前面下
半部に左右の側壁板（５）を形成し、この側壁板（５）
間で前面パネル（４）下の凹所を形成する。

前記注水バルブや注水レバー（３）はこの凹所の上部に
収まり、下部には排水ケース（６）を着脱自在にセット
する。

さらに、電装品を収めたコントロール部は上半部の張出
部分の前面パネル（４）の裏側に設置し、スイッチ等は
前面パネル（４）の面上に顕出させる。

このようにして、注水レバー（３）で注水バルブを開け
ば、タンク内の冷水または温水は吐出される。

ところで、排水ケース（６）は左右の側壁板（５）間に
挿入され、この側壁板（５）で挟まれるようにして収ま
るが、抜け出し防止のためには排水ケース（６）の側壁
板（５）への接合面に突起等の凸部を設けてこれで側壁
板（５）との摩擦による係合を行っていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

このように従来の冷水機では、冷水機本体側の側壁板
（５）に排水ケース（６）を挟み込みで係止するもので
あり、排水ケースを挿入する際、節度、所謂手応えがな
いため、装着感に欠け、完全にセットされているのかど
うかわかりにくいものである。

また、冷水機の使用時に圧縮機等の振動により排水ケー
スがズレたりするおそれがあり、最悪の場合は排水ケー
スが冷水機本体より脱落して床面を濡らしてしまうこと
になる。

このような排水ケースのズレを防止するために、冷水機
本体の側壁板（５）間と排水ケース（６）との嵌合寸法
を厳しく管理すると、挿入しづらくなり、また外しにく
いという欠点を生じる。

本考案の目的は前記従来例の不都合を解消し、排水ケー
スを容易に着脱でき操作性がよく、かつ装着時には確実
に保持して脱落しにくいものとすることができる冷水機
を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は前記目的を達成するため、前面パネルの左右及
び後部を延設垂下して前面下半部に左右の側壁板及び背
面板を形成し、この対向する側壁板間下部で背面板の前
方に排水ケースを嵌込む冷水機において、該側壁板内側
面に横長四角の切欠き係合孔を形成し、排水ケース側部
にはこの係合孔に嵌入する山型の横長係合突起を設け、
また、左右の側壁板と背面板との連設個所である角部の
下縁に縦長のスリットを形成したことを要旨とするもの
である。

〔作用〕

本考案によれば、排水ケースは前面パネルの左右を延設
垂下した前面下半部の左右の側壁板間で背面板の前方に
挿入するが、その際、側部の山型の横長突起が側壁板を
左右に押広げるようにして排水ケースは差し入れられ、
そのまま横長突起は側壁板内側面の横長四角の切欠き係
合孔に嵌まる。この時、側壁板と背面板とが連設する角
部に形成したスリットにより側壁板は容易に外方にたわ
み、嵌合時には側壁板を押す力は解除されるので、手応
えがあり、嵌まったことを確認できる。

この切欠き係合孔と突起との嵌合で、排水ケースは左右
の側壁板間にしっかりと係止される。

また、排水ケースを引出すにはこれを強く手前に引け
ば、横長突起は切欠き係合孔から抜けでて側壁板を左右
に押広げるようにして排水ケースは外れる。

〔実施例〕

以下、図面について本考案の実施例を詳細に説明する。

第１図は本考案の冷水機の１実施例を示す斜視図、第２
図は同上要部の横断側面図である。

冷水機本体は、胴体部をなす外装（１）は前面側におい
て上半部が張出し、この上半部内にタンク（図示せず）
をそのフタ（２）が外装（１）の上面にでるように収納
し、該前面側の張出し上半部は前面パネル（４）で覆
う。そして、この前面パネル（４）は左右及び後部を延
設垂下して前面下半部に左右の側壁板（５）及び背面板
（９）を形成し、この側壁板（５）間で背面板（９）の
前方に前面パネル（４）下の凹所を形成する。

以上は前記従来例と同じであるが、本考案はこの側壁板
（５）間で背面板（９）の前方に収める排水ケース
（６）の左右側部に中央が頂点（7a）となる二等辺三角
形の山型の横長係合突起（７）を設けた。

一方、側壁板（５）の内側面には前記突起（７）が嵌入
する横長四角の切欠き係合孔（８）を形成する。

排水ケース（６）の左右巾は側壁板（５）間にほぼ合致
するものであり、左右の横長係合突起（７）の頂点（7
a）同士の距離は、左右の切欠き係合孔（８）同士の距
離よりもわずかに大きく設定する。

さらに、側壁板（５）と背面板（９）との連設個所であ
る角部の下縁に縦長のスリット（10）を設け、該スリッ
ト（10）により側壁板（５）の下部部分を背面板（９）
と切離す。

次に使用法について説明すると、排水ケース（６）をセ
ットするために側壁板（５）間に挿入すると、その際、
側部の山型の横長係合突起（７）が側壁板（５）を左右
に押広げるようにして該排水ケース（６）は差し入れら
れ、そのまま突起（７）は側壁板（５）の内側面の横長
四角の切欠き係合孔（８）に嵌まる。この場合、側壁板
（５）の下方部分はスリット（10）により背面板（９）
と切離されているので容易に外方に弾性変形によってた
わみ、さらに、係合突起（７）は頂点（7a）から裾にか
けてテーパー面を有するので係合孔（８）にスムーズに
滑り込ませることができる。

そして、この切欠き係合孔（８）と係合突起（７）との
嵌合で、排水ケース（６）は左右の側壁板（５）間にし
っかりと係止され、圧縮機等の振動により排水ケース
（６）が側壁板（５）間でズレたり、抜けて脱落してし
まうことはない。

また、内部の水を捨てたり、掃除したりするために排水
ケース（６）を引出すには、これを強く手前に引けば、
前記テーパー面と反対のテーパー面を介して係合突起
（７）は切欠き係合孔（８）から抜けでて、側壁板
（５）を左右に押広げるようにして外れる。

なお、以上の実施例は冷温水機について述べたが冷水の
みを得る冷水機の場合も同様である。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案の冷水機は、前面パネルの左右
及び後部を延設垂下して前面下半部に左右の側壁板と背
面板を形成し、この対向する側壁板間下部で背面板前方
に排水ケースを嵌込む冷水機において、弾性変形による
たわみを利用して排水ケースを容易に着脱でき、かつ装
着時には切欠き係合孔と係合突起との嵌合で確実に保持
して脱落しにくいものとすることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の冷水機の１実施例を示す斜視図、第２
図は同上要部の横断側面図、第３図は従来例を示す冷水
機の斜視図である。 （１）……外装、（２）……フタ （３）……注水レバー、（４）……前面パネル （５）……側壁板、（６）……排水ケース （７）……横長係合突起、（7a）……頂点 （８）……横長四角の切欠き係合孔 （９）……背面板、（10）……スリット

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前面パネルの左右を延設垂下して前面下半
   部に左右の側壁板を形成し、この対向する側壁板間下部
   に排水ケースを嵌込む冷水機において、該側壁板内側面
   に横長四角の切欠き係合孔を形成し、排水ケース側部に
   はこの係合孔に嵌入する山型の横長係合突起を設けたこ
   とを特徴とする冷水機。
2. 【請求項２】前面パネルの左右及び後部を延設垂下して
   前面下半部に左右の側壁板及び背面板を形成し、この対
   向する側壁板間下部で背面板の前方に排水ケースを嵌込
   む冷水機において、該側壁板内側面に横長四角の切欠き
   係合孔を形成し、排水ケース側部にはこの係合孔に嵌入
   する山型の横長係合突起を設け、また、左右の側壁板と
   背面板との連設個所である角部の下縁に縦長のスリット
   を形成したことを特徴とする冷水機。