JPH072846A - テトラヒドロフルフリルアルコール誘導体 - Google Patents

テトラヒドロフルフリルアルコール誘導体

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JPH072846A
JPH072846A JP5171023A JP17102393A JPH072846A JP H072846 A JPH072846 A JP H072846A JP 5171023 A JP5171023 A JP 5171023A JP 17102393 A JP17102393 A JP 17102393A JP H072846 A JPH072846 A JP H072846A
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JP
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compound
silica gel
nmr
mmol
chemical
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JP5171023A
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Hisatoyo Kato
久豊 加藤
Masao Yoshida
▲祇▼生 吉田
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Publication date
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 式[I]で示される核酸塩基を有するテトラ
ヒドロフルフリルアルコール誘導体。 〔式中、Bはプリン又はピリミジン塩基、Rは水素原
子、水酸基の保護基、リン酸残基、二リン酸残基、又は
三リン酸残基であり、Rは水素原子、アルキル基又は
ハロゲン化アルキル基であり、Rは水素原子又はアル
キル基であり、X,Yはいずれか一方が酸素原子、他方
がメチレン基を示す。〕 【効果】 分子生物学の分野においては、遺伝子の解
析、各種菌体の同定、検出などを行うためのサンガー法
に必要なチェーンターミネーターとして、また、核酸医
薬の分野では、抗ウイルス薬等の研究材料としての利用
し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核酸有機化学、核酸医
薬及び分子生物学等の分野で幅広く利用できる、新規な
核酸塩基を有するテトラヒドロフルフリルアルコール誘
導体を提供するものである。
【0002】
【従来技術】近年、核酸有機化学、核酸医薬及び分子生
物学等の分野において、いわゆる、2'-、3'-ジデオキ
シヌクレオシド類の合成及び利用方法の研究が活発に行
われている。たとえば、分子生物学の分野では、遺伝子
の解析、各種菌体の同定、検出などを行うために、DN
A塩基配列の分析が行われ、その有用な方法であるサン
ガー法において、2'-、3'-ジデオキシヌクレオシド
5'-三リン酸類が用いられている[F. Sanger, Proc. N
atl. Acxd. Sci. U.S.A. 5463(1977)及び特開昭63-1523
64号公報]。又、核酸医薬の分野では、抗ウイルス剤と
して2'-、3'-ジデオキシイノシンに代表される天然型
の誘導体、さらには、たとえば、次の式〔II〕、〔II
I〕及び〔IV〕(但し、式〔II〕、〔III〕及び〔IV〕中
のBは核酸塩基を示す。)で示されるような非天然型の
ヌクレオシドアナログなどの研究が活発に行われてい
る。
【0003】
【化2】
【0004】[D. W. Norbeck, et al., Tetrahedron L
ett., 6263(1989)]
【0005】
【化3】
【0006】[C. K. Chu, et al., Tetrahedron Let
t., 595(1992) ]
【0007】
【化4】
【0008】[V. Nair, et al., J. Am. Chem. Soc. 1
14, 7951(1992)]
【0009】一方、核酸有機化学の分野では、核酸医薬
及び分子生物学等の分野での需要に対応して、天然型の
2'-、3'-ジデオキシヌクレオシド類の合成法の改良及
び各種の非天然型のヌクレオシドアナログの合成研究が
行われ、その構造と合成法が次の総説に網羅されてい
る。 1)G. Gosselin, et al., Nucleosides Nucleotides,
11, 903(1992) 2)D. M. Huryn, et al,. Chem. Rev. 92, 1745(1992)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この様に核酸医薬及び
分子生物学等の分野で、2'-、3'-ジデオキシヌクレオ
シド類について活発な研究が行われており、それらの化
合物を簡便かつ安価に合成することを可能にする原料、
中間体が強く求められており、本発明者等はそれらの要
望に答えるため種々の検討を行ったのである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、新規な核酸塩基
を有するテトラヒドロフルフリルアルコール誘導体を合
成することに成功し、本発明を完成したのである。すな
わち、本発明は次の式[I]で示されるテトラヒドロフ
ルフリルアルコール誘導体に関するものである。
【0012】
【化5】
【0013】但し、式中のBはプリン又はピリミジン塩
基、R1は水素原子、水酸基の保護基、リン酸残基、二
リン酸残基、又は三リン酸残基であり、R2は水素原
子、アルキル基又はハロゲン化アルキル基であり、R3
は水素原子又はアルキル基であり、X、Yはいずれか一
方が酸素原子、他方がメチレン基を示す。
【0014】○合成方法 本発明のテトラヒドロフルフリルアルコール誘導体は、
例えば、以下の手順で合成することができる。すなわ
ち、次の式[V]又は[VI]で示されるオレフィン誘導
体とヨウ素分子との間でR7Iの脱離をともなう環化反
応を行い、式[VII]で示されるテトラヒドロフルフリ
ルアルコール誘導体を合成する。
【0015】
【化6】
【0016】但し、式[V]中のR4は水素原子、水酸
基の保護基、リン酸残基、二リン酸残基、又は三リン酸
残基であり、R5は水素原子、アルキル基又はハロゲン
化アルキル基であり、R6は水素原子又はアルキル基で
あり、R7は水素原子、アルキル基又はアルキルシリル
基を示す。
【0017】
【化7】
【0018】但し、式[VI]中のR4は水素原子、水酸
基の保護基、リン酸残基、二リン酸残基、又は三リン酸
残基であり、R5は水素原子、アルキル基又はハロゲン
化アルキル基であり、R6は水素原子又はアルキル基で
あり、R7は水素原子、アルキル基又はアルキルシリル
基を示す。
【0019】
【化8】
【0020】但し、式[VII]中のR4は水素原子、水酸
基の保護基、リン酸残基、二リン酸残基、又は三リン酸
残基であり、R5は水素原子、アルキル基又はハロゲン
化アルキル基であり、R6は水素原子又はアルキル基で
あり、X、Yはいずれか一方が酸素原子、他方がメチレ
ン基を示す。
【0021】次に、式[VII]で示されるテトラヒドロ
フルフリルアルコール誘導体と核酸塩基との間で求核置
換反応を行うことにより式[I]で示される本発明の核
酸塩基を有するテトラヒドロフルフリルアルコール誘導
体が合成される。
【0022】上記合成方法をより詳細に説明すると以下
のとおりである。まずはじめに、下記式[VIII]で示さ
れる化合物A(たとえば、R8=R9=Hの時、市販の1,
2-ヘキセンジオール)の一級水酸基を公知の方法により
保護すると、下記式[IX]で示される化合物Bが得られ
る。
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】上記式[IX]において水酸基の保護基を示
すR10としては、トリチル型保護基、ベンジルおよびア
リル型保護基、アシル型保護基、シリル型保護基などが
例示され、本発明にとり好ましいものは、tert-ブチル
ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、ベンジル基及
び2,6-ジクロロベンジル基である。又、上記式[VIII]
及び[IX]において、R8は水素原子、アルキル基又は
ハロゲン化アルキル基であり、アルキル基の鎖長は特に
限定されるものではないが、原料入手の困難性を考慮す
ると炭素数20以下が好ましい。R9は水素原子又はア
ルキル基であり、アルキル基の鎖長は特に限定されるも
のではないが、原料入手の困難性を考慮するとR8と同
様に炭素数20以下が好ましい。
【0026】次に、化合物Bを用いて、ヨウ素環化反応
[P. A. Bartlett, et al., J. Am.Chem. Soc., 103, 3
693(1981)及びJ. K. Cha, et al., Tetrahedron Lett.,
2011(1988)等]を行うと、下記式[X]で示される化
合物Cが得られる。
【0027】
【化11】
【0028】一方、市販のマロン酸ジエチル[XI]及び
下記式[XII]で示される化合物D(Z1はハロゲン原子
を示し、本発明では特に反応性の高いヨウ素原子、塩素
原子又は臭素原子が好ましい。)とを常法にしたがって
反応させる(たとえば、アセトニトリル中水素化ナトリ
ウム存在下での反応)と下記式[XIII]で示される化合
物Eが得られる。
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】続いて同様に化合物EとR8−Z2(Z2はハ
ロゲン原子を示し、本発明では特に反応性の高いヨウ素
原子又は臭素原子が好ましい。)とを反応させると下記
式[XIV]で示される化合物Fが得られる。
【0033】
【化15】
【0034】化合物Fは、水素化リチウムアルミニウ
ム、H2/Pd、水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤の
作用により、下記式[XV]で示される化合物Gに誘導さ
れる。
【0035】
【化16】
【0036】次に、常法により、化合物Gに水酸基を反
応させると、下記式[XVI]及び[XVII]で示される化
合物H又は化合物Iが得られる。
【0037】
【化17】
【0038】
【化18】
【0039】上記式[XVII]において、R11は、次工程
の環化反応においてヨウ化物として脱離可能な置換基で
あれば良いが、中でもメチル基、tert-ブチルジメチル
シリル基、トリメチルシリル基、ベンジル基及び2,6-ジ
クロロベンジル基が本発明に好ましい。
【0040】更に、化合物H又はIを用いて、ヨウ素環
化反応を行うと、下記式[XVIII]で示される化合物J
が得られる。
【0041】
【化19】
【0042】上記の様な方法で合成された中間化合物C
又はJと核酸塩基とを、適当な溶媒中、塩基存在下で反
応させると下記式[XIX]で示される本発明に属する化
合物K(但し、X、Yはいずれか一方が酸素原子、他方
がメチレン基を示す。)が得られる。
【0043】
【化20】
【0044】上記の反応で用いる溶媒としては、反応の
進行を妨げないものから選択すれば良く、具体的にはN,
N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、1,4-ジオキ
サン、N,N-ジメチルホルムアミド−水、及びこれらの混
合物が例示される。塩基としては、アルカリ金属の炭酸
塩又は重炭酸塩、金属水酸化物、水素化金属、アルキル
金属、グリニャール試薬などを用いることができ、好ま
しくは、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化テトラn-ブチルアンモニウムである。
また、触媒として、臭化テトラn-ブチルアンモニウム、
テトラn-ブチルアンモニウム硫酸水素塩、トリス〔2-
(2-メトキシエトキシ)エチル]アミン等を0.05当量
から2当量の範囲で用いると効果的である。反応温度と
しては、室温から100℃程度を用いることができる。
核酸塩基は、プリンまたはピリミジン塩基であり、好ま
しくは、アデニン、グアニン、ジアミノプリン、イノシ
ン、シトシン、ウラシル、チミンである。化合物Kは、
保護基の除去、三リン酸化反応など公知の反応を行うこ
とにより、各種の核酸塩基を有するテトラヒドロフルフ
リルアルコール誘導体に変換できる。また、これらの反
応の際、必要に応じて、核酸塩基に公知の保護基を導入
することも可能である。
【0045】○利用方法 本発明で提供される核酸塩基を有するテトラヒドロフル
フリルアルコール誘導体は、分子生物学の分野において
は、遺伝子の解析、各種菌体の同定、検出などを行うた
めのサンガー法に必要なチェーンターミネーターとし
て、また、核酸医薬の分野では、抗ウイルス薬等の研究
材料としての利用が可能である。
【0046】
【作用】本発明の誘導体を用いれば、核酸医薬及び分子
生物学等の分野で、活発な研究が行われている2'-、
3'-ジデオキシヌクレオシド類を簡便かつ安価に合成す
ることができる。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明で提供される誘導
体の合成例について説明するが、本発明は、これらの実
施例に限定されるものではない。なお、以下の構造式に
おいては、次の略号を使用する。すなわち、Ad=アデ
ニン残基、da−Pu=ジアミノプリン残基、Gu=グ
アニン残基、Cy=シトシン残基、Th=チミン残基、
TBDMS=t-ブチルジメチルシリル基、Et=エチル
基である。
【0048】実施例1 下記式で示される化合物1を以下の手順にて合成した。
【0049】
【化21】
【0050】まず、下記式で示される化合物2を以下の
様に合成した。
【0051】
【化22】
【0052】市販のアリルマロン酸ジエチルエステル1
1.5ml(58.0mmol)を溶解したテトラヒドロフラン溶
液35mlに0℃で1.0M水素化リチウムアルミニウム
/テトラヒドロフラン溶液59.0ml(59.0mmol)を滴
下し、室温下で2時間攪拌した。次に、水3ml、0.0
5%水酸化カリウム水溶液15ml、水3mlを順次加えた
後、不溶物を濾別し、濃縮後、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィーによる精製を行い、無色液状の化合物2.
95gを得た(収率44%)。1H-NMR及びIR分析に
より化合物2であることを確認した。1H-NMRシグナ
ルのケミカルシフト、IRシグナルの波数及びシリカゲ
ル薄層クロマトグラフィーの移動度を以下に示した。1 H-NMR(CDCl3)δ: 1.53−2.23(3H,m) 2.70−3.27(2H,br) 3.40−3.93(4H,m) 4.80−4.97(1H,m) 5.00−5.20(1H,m) 5.40−6.13(1H,m) IR(KBr)cm-1:3370,2930,1640,1
440,1040. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.31(クロロホルム:メタノール=10:1)
【0053】次に、下記式で示される化合物3を以下の
様に合成した。
【0054】
【化23】
【0055】化合物2の2.58g(22.2mmol)及びN,
N-ジイソプロピルエチルアミン10.0ml(57.4mmol)
を溶解したジクロロメタン溶液25mlに0℃で塩化t-ブ
チルジメチルシリル7.10g(47.1mmol)を加え、室
温下で2時間攪拌した。次に、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗
浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を行い、無色
液状の化合物7.10gを得た(収率93%)。1H-NM
R及びIR分析により化合物3であることを確認した。
1H-NMRシグナルのケミカルシフト、IRシグナルの
波数及びシリカゲル薄層クロマトグラフィーの移動度を
以下に示した。1 H-NMR(CDCl3)δ: 0.03(12H,s) 0.88(18H,s) 1.47−2.23(3H,m) 3.53(4H,d) 4.73−4.90(1H,m) 4.93−5.15(1H,m) 5.40−6.10(1H,m) IR(KBr)cm-1:2960,2930,2860,1
470,1260,1090. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.75(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)
【0056】更に、下記式で示される化合物4を以下の
様に合成した。
【0057】
【化24】
【0058】化合物3の6.73g(19.5mmol)を溶解
したテトラヒドロフラン−アセトニトリル(1:1)溶液
100mlに0℃でヨウ素7.43g(29.3mmol)を加
え、同温で1時間攪拌した後、4℃で24時間放置し
た。次に、チオ硫酸ナトリウム15gを溶解した水溶液
250mlを加えた後酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で
洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮後シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を行い、淡黄
色液状の化合物5.75gを得た(収率83%)。1H-N
MRおよびIR分析により化合物4であることを確認し
た。1H-NMRシグナルのケミカルシフト、IRシグナ
ルの波数およびシリカゲル薄層クロマトグラフィーの移
動度を以下に示し、図1にIRチャートを示す。1 H-NMR(CDCl3)δ: 0.05(6H,s) 0.88(9H,s) 1.20−2.80(3H,m) 3.07−4.20(7H,m) IR(KBr)cm-1:2960,2860,1470,1
260,1100. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.50(ヘキサン:酢酸エチル=30:1)
【0059】上記の様にして得られた化合物4を使用し
て以下の様に化合物1を合成した。アデニン1.15g
(8.51mmol)を懸濁したN,N-ジメチルホルムアミド懸
濁液60mlに60%油性水素化ナトリウム0.35g
(8.75mmol)を加え、室温で10分間攪拌後、60℃
に加熱し、さらに1時間攪拌した。次に同温で、化合物
4の2.76g(7.75mmol)およびトリス〔2-(2-メ
トキシエトキシ)エチル〕アミン0.50ml(1.56mmo
l)を溶解したN,N-ジメチルホルムアミド15ml溶液を加
え、同温で20時間攪拌した。放冷後、クロロホルムで
抽出し、水および飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーによる精製及びクロロホルム−酢酸エチルから
の再結晶を行い、無色結晶性の化合物1.19gを得た
(収率42%)。1H-NMR及びIR分析により化合物1
であることを確認した。1H-NMRシグナルのケミカル
シフト、IRシグナルの波数及びシリカゲル薄層クロマ
トグラフィーの移動度を以下に示し、図2に1H-NMR
のチャートを示した。1 H-NMR(CDCl3)δ: 0.00(6H,s) 0.83(9H,s) 1.17−2.73(3H,m) 3.23−4.43(7H,m) 6.10−6.57(2H,br) 7.90(1H,s) 8.29(1H,s) IR(KBr)cm-1:3300,3150,2930,2
860,1670,1600,1320,1300,1
100. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.47(クロロホルム:メタノール=10:1)
【0060】実施例2 下記式で示される化合物5を以下の手順にて合成した。
【0061】
【化25】
【0062】化合物1を1.19g(3.27mmol)溶解し
たテトラヒドロフラン溶液3.5mlに1.0Mフッ化テト
ラn-ブチルアンモニウム/テトラヒドロフラン溶液3.
50ml(3.50mmol)を加え、室温で10時間攪拌し
た。濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによ
る精製およびイソプロピルアルコールからの再結晶を行
い、無色結晶性の化合物180mgを得た(収率22
%)。1H-NMR及びIR分析により化合物5であるこ
とを確認した。1H-NMRシグナルのケミカルシフト、
IRシグナルの波数及びシリカゲル薄層クロマトグラフ
ィーの移動度を以下に示した。1 H-NMR(CDCl3−DMSO−d6)δ: 0.87−2.67(3H,m) 3.10−4.50(8H,m) 6.93−7.33(2H,br) 7.98(1H,s) 8.15(1H,s) IR(KBr)cm-1:3280,3110,2950,2
870,1680,1610,1330,1300,1
060,1050. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.36(クロロホルム:メタノール=5:1)
【0063】実施例3 下記式で示される化合物6を以下の手順にて合成した。
【0064】
【化26】
【0065】まず、次の式で示される化合物7を以下の
様に合成した。
【0066】
【化27】
【0067】市販のエチルマロン酸ジエチルエステル1
7.0g(90.3mmol)を溶解したアセトニトリル溶液5
0mlに室温で60%油性水素化ナトリウム3.70g(9
2.5mmol)を加え100分間攪拌した後、同温でメタリ
ルクロライド9.00ml(91.1mmol)を滴下し、さらに
3.5時間攪拌した。次に、酢酸エチルで抽出し、水お
よび飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾
燥後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに
よる精製を行い、無色液状の化合物21.3gを得た(収
率96%)。1H-NMR及びIR分析により化合物7で
あることを確認した。1H-NMRシグナルのケミカルシ
フト、IRシグナルの波数及びシリカゲル薄層クロマト
グラフィーの移動度を以下に示した。1 H-NMR(CDCl3)δ: 0.83(3H,t) 1.24(6H,t) 1.67(3H,s) 1.94(2H,q) 2.70(2H,s) 4.16(4H,q) 4.63−4.93(2H,m) IR(KBr)cm-1:2980,1730,1220,1
190. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.39(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)
【0068】ついで、次の式で示される化合物8を以下
の様に合成した。
【0069】
【化28】
【0070】化合物7の12.0g(49.5mmol)を溶解
したテトラヒドロフラン溶液50mlに温度−10〜20
℃で1.0M水素化リチウムアルミニウム/テトラヒド
ロフラン溶液45.0ml(45.0mmol)を滴下し、室温下
で3時間攪拌した。次に、水1ml、0.05%水酸化ナ
トリウム水溶液5ml、水1mlを順次加えた後、不溶物を
濾別し、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
による精製を行い、無色液状の化合物5.40gを得た
(収率76%)。1H-NMRおよびIR分析により化合
物8であることを確認した。1H-NMRシグナルのケミ
カルシフト、IRシグナルの波数及びシリカゲル薄層ク
ロマトグラフィーの移動度を以下に示した。1 H-NMR(CDCl3)δ: 0.68−1.07(3H,m) 1.17−1.50(2H,m) 1.80(3H,s) 2.02(2H,s) 3.53(6H,s) 4.60−4.93(2H,m) IR(KBr)cm-1:3370,2970,1460,1
050. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.39(クロロホルム:メタノール=10:1)
【0071】ついで、次の式で示される化合物9を化合
物8から合成した。
【0072】
【化29】
【0073】化合物8の5.40g(34.1mmol)及びト
リエチルアミン10.0ml(71.7mmol)を溶解したジク
ロロメタン溶液35mlに、塩化t-ブチルジメチルシリル
10.8g(71.7mmol)を加え、室温下で3.5時間攪
拌した。次に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、
クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。無水硫
酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーによる精製を行い、無色液状の化合物
9.03gを得た(収率97%)。1H-NMR及びIR
分析により化合物9であることを確認した。1H-NMR
シグナルのケミカルシフト、IRシグナルの波数及びシ
リカゲル薄層クロマトグラフィーの移動度を以下に示し
た。1 H-NMR(CDCl3)δ: 0.07(6H,s) 0.83−1.07(12H,m) 1.35(2H,t) 1.73−1.87(3H,s) 2.00(2H,s) 2.67(1H,t) 3.40−3.60(4H,m) 4.58−4.90(2H,m) IR(KBr)cm-1:3460,2960,1470,1
260,1090. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.22(ヘキサン:酢酸エチル=30:1)
【0074】さらに、次の式で示される化合物10を合
成した。
【0075】
【化30】
【0076】化合物9の8.35g(30.6mmol)を溶解
したテトラヒドロフラン−アセトニトリル(1:1)溶液
90mlに、0℃でヨウ素11.6g(45.7mmol)を加
え、同温で1時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液30mlを加えて、室温で15時間攪拌した。次
に、チオ硫酸ナトリウム30gを溶解した水300ml溶
液を加えた後、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄
した。無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーによる精製を行い、無色液
状の化合物6.41gを得た(収率53%)。1H-NM
R及びIR分析により化合物10であることを確認し
た。1H-NMRシグナルのケミカルシフト、IRシグナ
ルの波数及びシリカゲル薄層クロマトグラフィーの移動
度を以下に示し、図3に1H-NMRチャートを示した。1 H-NMR(CDCl3)δ: 0.02(6H,s) 0.80−1.07(12H,m) 1.15−1.95(7H,m) 3.23−3.90(6H,m) IR(KBr)cm-1:2960,2860,1260,1
100,1060. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.50(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)
【0077】ついで目的とする化合物6を以下の様に合
成した。アデニン1.50g(11.1mmol)及びトリス
〔2-(2-メトキシエトキシ)エチル]アミン0.64ml
(2.00mmol)を懸濁したN,N-ジメチルホルムアミド懸
濁液30mlに60%油性水素化ナトリウム0.45g(1
1.3mmol)を加え、室温で10分間攪拌後、60℃に加
熱し、さらに30分間攪拌した。次に同温で、化合物1
0の4.00g(10.0mmol)のN,N-ジメチルホルムアミ
ド20ml溶液を加え、95℃に加温し、20時間攪拌し
た。放冷後、クロロホルムで抽出し、水及び飽和食塩水
で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、イ
ソプロピルアルコール−酢酸エチルからの再結晶を行
い、無色結晶性の化合物0.38gを得た(収率9%)。
1H-NMR及びIR分析により化合物6であることを確
認した。1H-NMRシグナルのケミカルシフト、IRシ
グナルの波数及びシリカゲル薄層クロマトグラフィーの
移動度を以下に示し、図4に1H-NMRのチャートを示
した。1 H-NMR(CDCl3)δ: 0.03(6H,s) 0.42−1.33(17H,m) 1.67(2H,s) 3.37(1H,d) 3.39(2H,s) 3.77(1h,d) 4.18(2H,s) 6.03−6.40(2H,br) 7.88(1H,s) 8.42(1H,s) IR(KBr)cm-1:3290,3130,2960,2
860,1670,1610,1330,1310. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.44(クロロホルム:メタノール=10:1)
【0078】実施例4 下記式で示される化合物11を以下の手順にて合成し
た。
【0079】
【化31】
【0080】まず下記式で示される化合物12を以下の
様に合成した。
【0081】
【化32】
【0082】市販の90%1,2-ヘキセンジオール5.2
1g(40.4mmol)及びイミダゾール6.06g(101m
mol)のジクロロメタン溶液50mlに塩化t-ブチルジメチ
ルシリル13.0g(86.6mmol)を加え、室温下で16
時間攪拌した。次に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を
加え、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。
無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーによる精製を行い、無色液状の化
合物12.7gを得た(収率91%)。1H-NMR及び
IR分析により化合物12であることを確認した。1H-
NMRシグナルのケミカルシフト、IRシグナルの波数
及びシリカゲル薄層クロマトグラフィーの移動度を以下
に示した。1 H-NMR(CDCl3)δ: 0.06(12H,s) 0.89(18H,s) 1.40−1.77(2H,m) 1.90−2.27(2H,m) 3.30−3.90(3H,m) 4.75−5.17(2H,m) 5.48−6.13(1H,m) IR(KBr)cm-1:2960,2930,1470,1
260,1120. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.69(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)
【0083】ついで下記式で示される化合物13を以下
の様に合成した。
【0084】
【化33】
【0085】化合物12の27.3g(79.3mmol)を溶
解したテトラヒドロフラン−アセトニトリル(1:1)溶
液100mlに0℃でヨウ素25.0g(98.5mmol)を加
え、同温で1時間攪拌した後、4℃で15時間放置し
た。次に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液200mlおよ
びチオ硫酸ナトリウム15gの水250ml溶液を加えた
後、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。無水
硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィーによる精製を行い、無色液状の化合物
19.9gを得た(収率71%)。1H-NMR及びIR
分析により化合物13であることを確認した。1H-NM
Rシグナルのケミカルシフト、IRシグナルの波数及び
シリカゲル薄層クロマトグラフィーの移動度を以下に示
し、図5にIRチャートを示した。1 H-NMR(CDCl3)δ: 0.05(6H,s) 0.88(9H,s) 1.37−2.43(4H,m) 3.07−3.73(4H,m) 3.85−4.33(2H,m) IR(KBr)cm-1:2930,2860,1470,1
260,1110. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.44(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)
【0086】化合物13を用いて化合物11を以下の様
に合成した。アデニン1.67g(12.4mmol)を懸濁し
たN,N-ジメチルホルムアミド懸濁液80mlに60%油性
水素化ナトリウム0.50g(12.5mmol)を加え、室温
で10分間攪拌後、60℃に加熱し、さらに1時間攪拌
した。次に同温で、化合物13の4.00g(11.2mmo
l)及びトリス〔2-(2-メトキシエトキシ)エチル]アミン
0.72ml(2.25mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド2
0ml溶液を加え、同温で6時間攪拌した。放冷後、クロ
ロホルムで抽出し、水及び飽和食塩水で洗浄した。無水
硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィーによる精製及びクロロホルム−酢酸エ
チル−ヘキサンからの再結晶を行い、無色結晶性の化合
物1.78gを得た(収率44%)。1H-NMR及びI
R分析により化合物11であることを確認した。1H-N
MRシグナルのケミカルシフト、IRシグナルの波数及
びシリカゲル薄層クロマトグラフィーの移動度を以下に
示した。1 H-NMR(CDCl3-CD3OD)δ: 0.00(6H,s) 0.83(9H,s) 1.40−2.33(4H,m) 3.23−3.40(1H,m) 3.50−3.70(2H,m) 3.87−4.40(2H,m) 8.03(1H,s) 8.19(1H,s) IR(KBr)cm-1:3290,3140,2930,2
860,1670,1600,1320,1310. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.41(クロロホルム:メタノール=10:1)
【0087】実施例5 下記式で示される化合物14を以下の様にして合成し
た。
【0088】
【化34】
【0089】化合物13の7.35g(20.2mmol)を溶
解したテトラヒドロフラン溶液24mlに1.0Mフッ化
テトラn-ブチルアンモニウム/テトラヒドロフラン溶液
24.0ml(24.0mmol)を加え、室温で1.5時間攪拌
した。濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに
よる精製およびイソプロピルアルコール−クロロホルム
−ヘキサンからの再結晶を行い、無色結晶性の化合物
1.37gを得た(収率27%)。1H-NMR及びIR分
析により化合物14であることを確認した。1H-NMR
シグナルのケミカルシフト、IRシグナルの波数及びシ
リカゲル薄層クロマトグラフィーの移動度を以下に示し
た。1 H-NMR(CDCl3-DMSO-d6)δ: 1.37−2.23(4H,m) 3.20−4.50(7H,m) 6.87−7.17(2H,br) 7.94(1H,s) 8.07(1H,s) IR(KBr)cm-1:3130,2930,1680,1
610,1330,1310,1070. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.39(クロロホルム:メタノール=5:1)
【0090】実施例6 化合物14の三リン酸化物を以下の様にして合成した。
三リン酸化方法は池原等の方法(Chem. Pharm. Bull., 1
1, 435(1963)及び 961(1963))に従って実施した。すな
わち、モルホリノホスホロジクロリデート0.35ml
(2.54mmol)、及びジフェニルリン酸635mg(2.
54mmol)を溶解した1,4-ジオキサン溶液6mlに、2,6-
ルチジン0.59ml(5.07mmol)を加え、15分間攪拌
した後、化合物14を310mg(1.24mmol)を加
え、室温下で48時間攪拌した。生成した塩酸塩を濾別
した後、水1.00mlおよび7N−アンモニア/メタノ
ール溶液10.0mlを加え、30分間攪拌後、濃縮し
た。ピリジン共沸による脱水を行った後、ピリジン5ml
に溶解し、1.2Mビス(トリn-ブチルアンモニウム)ピ
ロホスフェート/ピリジン溶液5mlを加え、室温下で2
0時間攪拌した。次に、水25mlを加え、クロロホルム
で三度洗浄し、濃縮した。この反応混合物について、次
の条件でHPLCによる分析を行い、目的とする三リン
酸化合物の生成を確認した。 HPLC条件 カラム:ODS−15 8×250mm 溶出溶媒:1.5%メタノール/0.05%リン酸 二水素カリウム-0.05%臭化テトラ n-ブチルアンモニウム水溶液 検出波長:254nm 反応混合物および精製後のHPLCチャートを図6およ
び図7に示した。
【0091】実施例7 下記式で示される化合物15を以下の手順で合成した。
【0092】
【化35】
【0093】チミン0.78g(6.19mmol)及び化合物
13の2.00g(5.61mmol)を懸濁したジオキサン懸
濁液30mlに40%水酸化テトラn-ブチルアンモニウム
水溶液4.00ml(6.10mmol)及び水3.00mlを加
え、70℃に加熱し、38時間攪拌した。放冷後、酢酸
エチルで抽出し、水及び飽和食塩水で洗浄した。無水硫
酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーによる精製を行い、無色液状の化合物
0.79gを得た(収率40%)。1H-NMR及びIR
分析により化合物15であることを確認した。1H-NM
Rシグナルのケミカルシフト、IRシグナルの波数及び
シリカゲル薄層クロマトグラフィーの移動度を以下に示
し、IRチャートを図8に示す。1 H-NMR(CDCl3)δ: 0.03(6H,s) 0.87(9H,s) 1.33−2.10(7H,m) 3.27−4.17(6H,m) 6.87−7.00(1H,m) 9.10−9.43(1H,m) IR(KBr)cm-1:3170,2960,2860,1
690,1470,1250,1100. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.50(クロロホルム:メタノール=10:1)
【0094】実施例8 下記式で示される化合物16を以下の手順で合成した。
【0095】
【化36】
【0096】シトシン0.76g(6.84mmol)及び化合
物13の2.20g(6.17mmol)を溶解したジオキサン
30ml−水3.00mlの混合溶液に40%水酸化テトラn
-ブチルアンモニウム水溶液4.50ml(6.87mmol)を
加え、70℃に加熱し、45時間攪拌した。放冷後、酢
酸エチルで抽出し、水および飽和食塩水で洗浄した。無
水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、シリカゲルカラム
クロマトグラフィーによる精製を行い、無色結晶性の化
合物0.61gを得た(収率29%)。1H-NMRおよ
びIR分析により化合物16であることを確認した。1
H-NMRシグナルのケミカルシフト、IRシグナルの
波数およびシリカゲル薄層クロマトグラフィーの移動度
を以下に示し、1H-NMRチャートを図9に示した。1 H-NMR(CDCl3)δ: 0.04(3H,s) 0.07(3H,s) 0.88(9H,s) 1.37−2.10(4H,m) 3.17−4.37(6H,m) 5.60−5.90(1H,m) 6.50−7.50(3H,m) IR(KBr)cm-1:3350,3130,2950,2
860,1660,1620,1490,1390,1
280,1260. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.21(クロロホルム:メタノール=10:1)
【0097】実施例9 下記式で示される化合物17を以下の手順で合成した。
【0098】
【化37】
【0099】グアニン0.93g(6.15mmol)及び臭化
テトラn-ブチルアンモニウム3.00g(9.31mmol)を
懸濁したN,N-ジメチルホルムアミド懸濁液40mlに60
%油性水素化ナトリウム0.50g(12.5mmol)を加
え、室温で10分間攪拌後、80℃に加熱し、さらに1
時間攪拌した。次に同温で、化合物13の2.00g
(5.61mmol)を溶解したN,N-ジメチルホルムアミド溶
液10mlを加え、同温で45時間攪拌した。放冷後、ク
ロロホルムで抽出し、水及び飽和食塩水で洗浄した。無
水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、シリカゲルカラム
クロマトグラフィーによる精製およびクロロホルム−ヘ
キサンからの再結晶を行い、無色結晶性の化合物0.3
2gを得た(収率15%)。1H-NMR及びIR分析に
より化合物17であることを確認した。1H-NMRシグ
ナルのケミカルシフト、IRシグナルの波数及びシリカ
ゲル薄層クロマトグラフィーの移動度を以下に示した。1 H-NMR(CDCl3-DMSO-d6)δ: 0.04(6H,s) 0.86(9H,s) 1.27−2.20(4H,m) 3.33−3.63(2H,m) 3.73−4.27(4H,m) 6.03−6.33(2H,br) 7.93(1H,s) IR(KBr)cm-1:3330,3170,2930,1
690,1490,1390. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.19(クロロホルム:メタノール=10:1)
【0100】実施例10 下記式で示される化合物18を以下の手順で合成した。
【0101】
【化38】
【0102】ジアミノプリン1.65g(11.0mmol)及
び化合物13の3.57g(10.0mmol)を溶解したジオ
キサン50ml−水5.00mlの混合溶液に40%水酸化
テトラn-ブチルアンモニウム水溶液7.10ml(10.8m
mol)を加え、70℃に加熱し、24時間攪拌した。放冷
後、酢酸エチルで抽出し、水及び飽和食塩水で洗浄し
た。無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、シリカゲル
カラムクロマトグラフィーによる精製を行い、無色結晶
性の化合物0.76gを得た(収率20%)。1H-NMR
及びIR分析により化合物18であることを確認した。
1H-NMRシグナルのケミカルシフト、IRシグナルの
波数及びシリカゲル薄層クロマトグラフィーの移動度を
以下に示し、IRチャートを図10に示す。1 H-NMR(CDCl3-DMSO-d6)δ: 0.00(6H,s) 0.87(9H,s) 1.37−2.10(4H,m) 3.15−4.33(6H,m) 5.27−5.50(2H,br) 6.10−6.40(2H,br) 7.92(1H,s) IR(KBr)cm-1:3340,3130,2930,2
860,1670,1660,1410. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.31(クロロホルム:メタノール=10:1)
【0103】実施例11 下記式で示される化合物19を以下の手順で合成した。
【0104】
【化39】
【0105】まず次の式で示される化合物20を合成し
た。
【0106】
【化40】
【0107】市販のアリルマロン酸ジエチルエステル1
2.5g(62.4mmol)を溶解したアセトニトリル溶液5
0mlに室温で60%油性水素化ナトリウム2.75g(6
8.8mmol)を加え60分間攪拌した後、1,5-ジブロモペ
ンタン43.0ml(316mmol)を加え、さらに18時間
攪拌した。次に、クロロホルムで抽出し、水及び飽和食
塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を
行い、無色液状の化合物19.4gを得た(収率89
%)。1H-NMR及びIR分析により化合物20である
ことを確認した。1H-NMRシグナルのケミカルシフ
ト、IRシグナルの波数及びシリカゲル薄層クロマトグ
ラフィーの移動度を以下に示した。1 H-NMR(CDCl3)δ: 0.87−2.17(14H,m) 2.62(2H,d) 3.35(2H,t) 4.13(4H,q) 4.83−5.00(1H,m) 5.03−5.23(1H,m) 5.27−6.00(1H,m) IR(KBr)cm-1:2980,1730,1440,1
220. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.53(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)
【0108】つぎに次の式で示される化合物21を合成
した。
【0109】
【化41】
【0110】化合物20の17.4g(49.8mmol)を溶
解したテトラヒドロフラン溶液50mlに−10〜20℃
で1.0M水素化リチウムアルミニウム/テトラヒドロ
フラン溶液45.0ml(45.0mmol)を滴下し、室温下で
3時間攪拌した。次に、水1ml、1%水酸化ナトリウム
水溶液5ml、水1mlを順次加えた後、不溶物を濾別し、
濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精
製を行い、無色液状の化合物7.63gを得た(収率6
4%)。1H-NMR及びIR分析により化合物21であ
ることを確認した。1H-NMRシグナルのケミカルシフ
ト、IRシグナルの波数及びシリカゲル薄層クロマトグ
ラフィーの移動度を以下に示した。1 H-NMR(CDCl3)δ: 1.00−2.23(10H,m) 2.87−3.87(8H,m) 4.80−5.00(1H,m) 5.03−5.23(1H,m) 5.40−6.17(1H,m) IR(KBr)cm-1:3380,2930,1470,1
030. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.25(クロロホルム:メタノール=25:1)
【0111】つぎに次の式で示される化合物22を合成
した。
【0112】
【化42】
【0113】化合物21の7.10g(26.8mmol)及び
トリエチルアミン8.00ml(57.4mmol)を溶解したジ
クロロメタンml溶液25に塩化t-ブチルジメチルシリル
8.50g(56.4mmol)を加え、室温下で8時間攪拌し
た。次に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロ
ロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マ
グネシウムで乾燥、濃縮後、シリカゲルカラムクロマト
グラフィーによる精製を行い、無色液状の化合物9.0
4gを得た(収率89%)。1H-NMR及びIR分析に
より化合物22であることを確認した。1H-NMRシグ
ナルのケミカルシフト、IRシグナルの波数及びシリカ
ゲル薄層クロマトグラフィーの移動度を以下に示した。1 H-NMR(CDCl3)δ: 0.07(6H,s) 0.90(9H,s) 1.10−1.57(8H,m) 2.07(2H,d) 2.52−2.83(1H,m) 3.23−3.65(6H,m) 4.78−5.00(1H,m) 5.05−5.23(1H,m) 5.37−6.20(1H,m) IR(KBr)cm-1:3460,2930,2860,1
470,1250,1100. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.26(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)
【0114】つぎに次の式で示される化合物23を合成
した。
【0115】
【化43】
【0116】化合物22の8.15g(21.5mmol)を溶
解したテトラヒドロフラン−アセトニトリル(1:1)溶
液90mlに0℃でヨウ素8.18g(32.2mmol)を加
え、同温で1時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液30mlを加えて、室温で15時間攪拌した。次
に、チオ硫酸ナトリウム30gを溶解した水溶液300
mlを加えた後、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄
した。無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーによる精製を行い、無色液
状の化合物6.23gを得た(収率57%)。1H-NM
R及びIR分析により化合物23であることを確認し
た。1H-NMRシグナルのケミカルシフト、IRシグナ
ルの波数及びシリカゲル薄層クロマトグラフィーの移動
度を以下に示し、図11に1H-NMRチャートを示し
た。1 H-NMR(CDCl3)δ: 0.03(6H,s) 0.87(9H,s) 1.13−2.23(10H,m) 3.11−4.22(9H,m) IR(KBr)cm-1:2930,2860,1470,1
260,1100. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.31(ヘキサン:酢酸エチル=30:1)
【0117】化合物23を用いて化合物19を以下の様
に合成した。アデニン1.50g(11.1mmol)及びトリ
ス[2-(2-メトキシエトキシ)エチル]アミン0.64ml
(2.00mmol)を懸濁したN,N-ジメチルホルムアミド懸
濁液30mlに60%油性水素化ナトリウム0.45g(1
1.3mmol)を加え、室温で10分拌後、60℃に加熱
し、さらに30分間攪拌した。次に同温で、化合物23
の5.10g(10.1mmol)を溶解したN,N-ジメチルホル
ムアミド溶液20mlを加え、さらに、2時間攪拌した。
放冷後、クロロホルムで抽出し、水及び飽和食塩水で洗
浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーによる精製および酢酸エ
チル−ヘキサンからの再結晶を行い、無色結晶性の化合
物2.57gを得た(収率50%)。1H-NMR及びI
R分析により化合物19であることを確認した。1H-N
MRシグナルのケミカルシフト、IRシグナルの波数及
びシリカゲル薄層クロマトグラフィーの移動度を以下に
示し、図12にIRのチャートを示した。1 H-NMR(CDCl3)δ: 0.03(6H,s) 0.87(9H,s) 1.10−2.20(10H,m) 3.13−4.37(9H,m) 6.10−6.37(2H,br) 7.73(1H,s) 8.31(1H,s) IR(KBr)cm-1:3290,3150,2930,2
860,1670,1600,1470,1330,1
310. シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf: 0.44(クロロホルム:メタノール=10:1)
【0118】
【発明の効果】本発明は、核酸医薬および分子生物学等
の分野で、活発な研究が行われている2'-、3'-ジデオ
キシヌクレオシド類を、簡便かつ安価に合成することが
できる新規な誘導体を提供するものであり、利用価値の
高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は実施例1で得た化合物4のIRチャー
トである。
【図2】 図2は実施例1で得た化合物1の1H-NMR
のチャートである。
【図3】 図3は実施例3で得た化合物10の1H-NM
Rチャートである。
【図4】 図4は実施例3で得た化合物6の1H-NMR
のチャートである。
【図5】 図5は実施例4で得た化合物13のIRチャ
ートである。
【図6】 図6は実施例6で得た反応混合物のHPLC
チャートである。
【図7】 図7は実施例6で得た反応物の精製後のHP
LCチャートである。
【図8】 図8は実施例7で得た化合物15のIRチャ
ートである。
【図9】 図9は実施例7で得た化合物16の1H-NM
Rチャートである。
【図10】 図10は実施例10で得た化合物18のIRチ
ャートである。
【図11】 図11は実施例11で得た化合物23の1H-N
MRチャートである。
【図12】 図12は実施例11で得た化合物19のIRチ
ャートである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式[I]で示されるテトラヒドロ
    フルフリルアルコール誘導体 【化1】 但し、式中のBはプリン又はピリミジン塩基、R1は水
    素原子、水酸基の保護基、リン酸残基、二リン酸残基、
    又は三リン酸残基であり、R2は水素原子、アルキル基
    又はハロゲン化アルキル基であり、R3は水素原子又は
    アルキル基であり、X、Yはいずれか一方が酸素原子、
    他方がメチレン基を示す。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998039334A1 (en) * 1997-03-07 1998-09-11 President And Fellows Of Harvard College Dna glycosylase inhibitors, and uses related thereto

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998039334A1 (en) * 1997-03-07 1998-09-11 President And Fellows Of Harvard College Dna glycosylase inhibitors, and uses related thereto
US6369237B1 (en) 1997-03-07 2002-04-09 President And Fellows Of Harvard College DNA glycosylase inhibitors, and uses related thereto

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