JP2001354692A - シチジン誘導体の製造法 - Google Patents

シチジン誘導体の製造法

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JP2001354692A
JP2001354692A JP2001115769A JP2001115769A JP2001354692A JP 2001354692 A JP2001354692 A JP 2001354692A JP 2001115769 A JP2001115769 A JP 2001115769A JP 2001115769 A JP2001115769 A JP 2001115769A JP 2001354692 A JP2001354692 A JP 2001354692A
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atom
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JP2001115769A
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Kunihiko Morisane
邦彦 森實
Hiroharu Tanigawa
谷川  広晴
Toshiyuki Kono
河野  敏之
Hironori Komatsu
小松  弘典
Nobuyuki Fukazawa
信幸 深澤
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 効率的なシチジン誘導体の製造法の提供。 【解決手段】 式(1)で表されるウリジン誘導体を3
級アミン及び脱水性の反応剤と反応させ、ついで式
(2)で表されるアンモニア或いは1級又は2級アミン
と反応させる、式(3)で表されるシチジン誘導体の製
造方法。 〔式(1),(2),(3)中Xは水素原子、ハロゲン
原子、炭素数1から4のアルキル基等を表し、R1、R
2はそれぞれ独立して、水素原子或いは水酸基の保護基
を表し、R3は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル
基、炭素数1から4のアルキル基、シアノ基、アルケニ
ル基、アルキニル基、炭素数1から4のアルコキシ基等
を表し、R4及びR5はそれぞれ独立して水素原子、炭
素数1から4のアルキル基、炭素数5から8のシクロア
ルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1から4の
アルキル基、炭素数2から4のアルケニル基、R4とR
5は結合して環を形成していてもよいことを表す〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシチジン誘導体の製
造方法に関する。シチジン誘導体は、制癌剤、抗ウイル
ス剤をはじめとする医薬品や農薬として有用であるとと
もに、近年開発されつつあるアンチセンスDNAなどの
原料としても有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】これまでシチジン誘導体の製造法として
は、例えば次のようなものが知られている。 (1)5’−O−(ジメトキシトリチル)-ウリジン誘導
体と1,2,4−トリアゾールを縮合させて1−[5’
−O−(ジメトキシトリチル)−β−D−リボフラノシ
ル]−4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピ
リミジン−2−(1H)オン誘導体とし、次いでジオキ
サン溶媒中アミン類と反応させ5’−O−(ジメトキシ
トリチル)シチジン誘導体を得る方法〔Journal
of Organic Chemistry,47,
3623(1982)〕。 (2)2’−デオキシ−2’−メチルウリジン誘導体を
4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(以下、DM
APと称する)と反応させ、4−[4−(N,N−ジメ
チルアミノ)ピリジニウム]誘導体とし、次いで28%
NH4OHにより2’−デオキシ−2’−メチルシチジ
ン誘導体を得る方法〔Arch.Pharm.,32
9,66(1996)〕。
【0003】上記方法のうち(1)の1,2,4−トリ
アゾールを用いる方法は、4−(1,2,4−トリアゾ
ール−1−イル)ピリミジン−2−(1H)オン誘導体
を合成するための反応が極めて遅く長時間を要する上、
生成物の抽出をしなくてはならず手間がかかり、大量製
造には不向きである。(2)の4−[4−(ジメチルア
ミノ)ピリジニウム]誘導体を経る方法は、後の比較例
でも述べるが反応が極めて遅く長時間を要する上、DM
APの使用量が反応基質に対し2.0当量より少ない
と、基質が残るため目的物との分離操作が必要となり、
工程数がかかるため大量製造には適していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように従来は、効
率的かつ大量供給可能なシチジン誘導体の製造方法は存
在していなかった。本発明はシチジン誘導体を効率的に
製造するための製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ウリジン誘導体を脱
酸剤の存在下、3級アミン及び脱水性の反応剤と反応さ
せ、次いでアンモニアあるいは1級または2級アミンと
反応させると短時間かつ容易な操作でシチジン誘導体が
得られることを見出した。すなわち従来法では反応時間
が長かったが、反応時間が大幅に短縮された。さらには
3級アミンをウリジン誘導体とほぼ等モルまで削減で
き、本発明を完成したものである。即ち、本発明のシチ
ジン誘導体の製造方法は、式(1)
【0006】
【化9】
【0007】(式中Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素
数1から4のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭
素数1から4のアルキル基、炭素数2から4のアルケニ
ル基を表し、R1、R2はそれぞれ独立して、水素原子
あるいは水酸基の保護基を表し、R3は水素原子、ハロ
ゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1から4のアルキル
基、シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、炭素数1
から4のアルコキシ基、水酸基の保護基で置換されたヒ
ドロキシル基を表す)で表されるウリジン誘導体を3級
アミン及び脱水性の反応剤と反応させ、ついで式(2)
【0008】
【化10】
【0009】(式中、R4及びR5はそれぞれ独立して
水素原子、炭素数1から4のアルキル基、炭素数5から
8のシクロアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素
数1から4のアルキル基、炭素数2から4のアルケニル
基、R4とR5は結合して環を形成していてもよいこと
を表す)で表されるアンモニアあるいは1級又は2級ア
ミンと反応させることを特徴とする、式(3)
【0010】
【化11】
【0011】(式中、X、R1、R2、R3、R4およ
びR5は前記と同義である。)で表されるシチジン誘導
体の製造方法である。
【0012】上記の各式におけるR1及びR2としての
水酸基の保護基としては、炭素数1から4の脂肪族アシ
ル基、芳香族アシル基、炭素数1から4のアルキル基で
置換された芳香族アシル基、ハロゲン原子で置換された
芳香族アシル基、炭素数1から4のアルコキシ基で置換
された芳香族アシル基、トリアルキルシリル基を、R3
としては水素原子、炭素数1から4のアルコキシ基、炭
素数1から4のアルコキシ基で置換された炭素数1から
4の脂肪族アルキルオキシ基、炭素数1から4の脂肪族
アシルオキシ基、芳香族アシルオキシ基、炭素数1から
4のアルキル基で置換された芳香族アシルオキシ基、ハ
ロゲン原子で置換された芳香族アシルオキシ基、炭素数
1から4のアルコキシ基で置換された芳香族アシルオキ
シ基を好ましいものとして挙げることができる。
【0013】上記式(1)及び(3)におけるXとR3
の好ましい組合せとしては、Xが水素原子あるいはメチ
ル基を表し、R3が水素原子、メトキシ基、メトキシエ
チル基である組合せを挙げることができる。
【0014】上記の3級アミンとしては、式(4)
【0015】
【化12】
【0016】(式中、n及びmはそれぞれ独立に1から
4の整数を表し、Yは水素原子、炭素原子、窒素原子、
酸素原子、硫黄原子を表し、Zは水素原子、炭素数1か
ら4のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1
から4のアルキル基、炭素数2から4のアルケニル基、
Aと結合して環を形成していてもよいことを表し、Aは
炭素数1から4のアルキル基、ハロゲン原子で置換され
た炭素数1から4のアルキル基、炭素数2から4のアル
ケニル基、Zと結合して環を形成していてもよいことを
表す)で表される脂環式アミン;式(6)
【0017】
【化13】
【0018】(式中、R6、R7及びR8はそれぞれ独
立して炭素数1から4のアルキル基、炭素数5から8の
シクロアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1
から4のアルキル基、炭素数2から4のアルケニル基を
表す)で表される脂肪族アミン;等を挙げることができ
る。
【0019】この3級アミンの具体例としては、N−メ
チルピペリジン、N−メチルモルフォリン、1,4−ジ
アザビシクロ[2.2.2]オクタン、N,N’−ジメ
チルピペラジン、トリメチルアミンを挙げることができ
る。
【0020】一方、本発明にかかるシチジン誘導体の製
造方法は、ウリジン誘導体を3級アミン及び脱水性の反
応剤と反応させた際に、反応中間体として、式(5)
【0021】
【化14】
【0022】(式中、X、R1、R2、R3、n、m、
A、Y、Zは前記と同義である)で表されるシチジン誘
導体が得られる反応ルートを有することができる。
【0023】また、上記方法における脱水性の反応剤と
しては、酸ハロゲン化物あるいは酸無水物を挙げること
ができ、この場合は脱酸剤の存在下に上記の反応を行う
ことが好ましい。更に、上記の脱水性の反応剤の具体例
としては、p−トルエンスルホン酸クロリドを挙げるこ
とができる。
【0024】前記3級アミンの式(1)で表されるウリ
ジン誘導体に対する使用量は、例えば1.2倍モル以下
とすることができる。
【0025】式(5)
【0026】
【化15】
【0027】(式中、X、R1、R2、R3、n、m、
A、Y、Zは前記と同義である)で表されるシチジン誘
導体またはその塩は、新規な化合物であり、本発明に含
まれる。上記式(5)の化合物としては、Xが水素原子
あるいはメチル基を表し、R1、R2が水素原子あるい
は水酸基の保護基、R3が水素原子、メトキシ基、メト
キシエチルオキシ基、nおよびmが2、Aがメチル基、
Yがメチレン基あるいは酸素原子である化合物を挙げる
ことができる。
【0028】本発明にかかるシチジン誘導体の製造方法
の他の態様は、上記式(5)で表されるシチジン誘導体
またはその塩をアンモニア、あるいは1級又は2級アミ
ンと反応させることを特徴とする式(3)
【0029】
【化16】
【0030】(式中、X、R1、R2、R3、R4およ
びR5は前記と同義である。)で表されるシチジン誘導
体の製造方法である。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0032】式(1)で表されるウリジン誘導体(以
下、ウリジン誘導体(1)と称する)のXは、水素原子
や、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及び沃素原子など
のハロゲン原子、炭素数1から4のアルキル基すなわちメ
チル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、第3
ブチル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1から4のア
ルキル基すなわちクロロメチル基、ジクロロメチル基、
トリフルオロメチル基、炭素数2から4のアルケニル基
すなわちブロモビニル基であるが、これらに限定される
ものではない。
【0033】ウリジン誘導体(1)のR1及びR2は独
立して、水素原子あるいは水酸基の保護基を表す。水酸
基の保護基としては、例えば、アルキルエーテル類、ア
ラルキル類、アシル類、カーボネート類、スルフォネー
ト類、シリル類をあげることができる。
【0034】アルキルエーテル類としては、メトキシメ
チル基、2−メトキシエチル基、1−エトキシエチル
基、2−メトキシエトキシメチル基、テトラヒドロピラ
ニル基などを用いることができる。
【0035】アラルキル類としては、ベンジル基、4−
メトキシベンジル基、2−ニトロベンジル基、トリチル
基、4−メトキシトリチル基、4,4’−ジメトキシト
リチル基などを用いることができる。
【0036】アシル類としては、脂肪族アシル基、芳香
族アシル基のいずれも使用可能である。これらのアシル
基は必要に応じて、ハロゲン、アルキルオキシ基、ニト
ロ基、アシル基、アルキル基などの置換基を1つ以上有
していてもよい。
【0037】より好ましくは、上記アシル基として、ア
セチル基やプロピオニル基などの脂肪族アシル基、ベン
ゾイル基、トルオイル基、ニトロベンゾイル基、4−ク
ロロベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、2−クロ
ロベンゾイル基および4−メトキシベンゾイル基などの
芳香族アシル基などをあげることができる。
【0038】カーボネート類としては、メトキシカルボ
ニル基、エトキシカルボニル基、第3ブチルオキシカル
ボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、フェニルオキ
シカルボニル基などを用いることができる。
【0039】スルフォネート類としては、p−トルエン
スルフォニル基、メタンスルホニル基、2,4,6−ト
リメチルフェニルスルホニル基、2,4,6−トリイソ
プロピルフェニルスルホニル基などを用いることができ
る。
【0040】シリル類としては、トリメチルシリル基、
トリエチルシリル基、ジメチルt−ブチルシリル基、ジ
フェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基、1,
1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3
−ジイル基などを用いることができる。
【0041】ウリジン誘導体(1)のR3としては、例
えば、水素原子や、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及
び沃素原子などのハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素
数1から4のアルキル基すなわちメチル基、エチル基、
プロピル基、2−プロピル基、第3ブチル基、シアノ
基、ブロモビニル基などのアルケニル基、エチニル基な
どのアルキニル基、炭素数1から4のアルコキシ基すな
わちメトキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ
基、n−ブチルオキシ基、または前述の水酸基の保護基
で置換されたヒドロキシル基をあげることができる。よ
り好ましくは、水素原子、メトキシ基、メトキシエチル
オキシ基である。
【0042】式(4)および(6)で表される3級アミ
ンは、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ト
リプロピルアミン、トリ(2−プロピル)アミン、トリ
ブチルアミン、トリ(2−ブチル)アミン、トリ(第3
ブチル)アミン、ジ(2−プロピル)エチルアミン、N
−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチ
ルピロール、N,N’−ジメチルピペラジン、1,4−
ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N−メチルモ
ルホリン、N−メチルチオモルホリンなどが例示される
が、窒素原子の求核性が反応進行に充分である限り、こ
れらに限定されるものではない。
【0043】中でも、トリメチルアミン、N−メチルピ
ロリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オク
タン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルフォリン
及びN,N’−ジメチルピペラジンが特に好ましい。
【0044】式(2)で表されるアンモニアあるいは1
級または2級アミンのR4及びR5は独立して、水素原
子や、炭素数1から4のアルキル基すなわちメチル基、エ
チル基、プロピル基、2−プロピル基、第3ブチル基、
炭素数5から8のシクロアルキル基すなわちシクロペン
チル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロ
オクチル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1から4
のアルキル基すなわちクロロメチル基、ジクロロメチル
基、ブロモビニル基などの炭素数2から4のアルケニル
基などを用いることができる。また、R4とR5が結合
して環を形成していてもよく、その場合にはR4(R
5)N基が、ピロリジン基やピペリジン基などになるこ
とができるが、これらに限定されるものではない。中で
もアンモニア及びピペリジンが特に好ましい。
【0045】脱水性の反応剤としては、酸ハロゲン化
物、酸無水物、エステル・アミド化剤、酸触媒やフッ素
化剤などをあげることができるが、これらに限定される
ものではない。
【0046】酸ハロゲン化物としては、p−トルエンス
ルホニルクロリド、メタンスルホニルクロリド、2,
4,6−トリメチルフェニルスルホニルクロリド、2,
4,6−トリイソプロピルフェニルスルホニルクロリ
ド、オキシ塩化りん、塩化チオニル、ジクロロリン酸4-
クロロフェニル、塩化オキサリル、マロニルジクロリド
などを用いることができる。酸無水物としては、トリフ
ルオロメタンスルホン酸無水物、無水酢酸、無水トリフ
ルオロ酢酸などを用いることができる。エステル・アミ
ド化剤としては、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイ
ミドなどのカルボジイミド類、ブロモ(トリスピロリジ
ノ)フォスフォニウム ヘキサフルオロフォスフェート
などのフォスフォニウム塩類、2−クロロ−N−メチル
ピリジニウムイオダイドなどのピリジニウム塩類、ジエ
チル アゾジカルボキシレートなどのアゾカルボキシレ
ート類などを用いることができる。酸触媒としては、三
フッ素化ホウ素 ジエチルエーテル、四塩化すず、三塩
化アルミニウムなどを用いることができる。フッ素化剤
としては、ジエチルアミノサルファートリフロリド、シ
アヌル酸フロリドや1,3−ジメチル−2,2−ジフル
オロイミダゾリンなどを用いることができる。酸ハロゲ
ン化物が好ましく、中でもp−トルエンスルホニルクロ
リドが特に好ましい。
【0047】本反応の反応溶媒としては、ジエチルエー
テル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン及
びジオキサンなどのエーテル類、n−ペンタン、n−ヘ
キサン及びシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶
媒、ベンゼン、トルエン、キシレン及びハロゲン化ベン
ゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、ク
ロロホルム及びジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水
素系溶媒、またはアセトニトリルなどが使用可能である
がこれらに限定されるものではない。中でもアセトニト
リル及びクロロホルムが特に好ましい。
【0048】本発明のウリジン誘導体(1)と、3級ア
ミン及び脱水性の反応剤との反応は、ウリジン誘導体
(1)と3級アミンの溶液に、脱水性の反応剤又はそれ
らの溶液を添加することにより行われる。
【0049】反応系内の酸性が反応に影響を与える場合
には、3級アミンとは別に、脱酸剤を加えることができ
る。脱酸剤としては、前述の3級アミンの他に、ピリジ
ン、ルチジン、N,N−ジメチルアニリンなどの有機塩
基類、又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素
ナトリウムなどの無機塩基類、イオン交換樹脂などが例
示されるが、これらに限定されるものではない。中でも
トリエチルアミンが特に好ましい。
【0050】ウリジン誘導体(1)に対する3級アミン
の使用量は、0.5倍モルから3.0倍モルの範囲であ
り、1.0倍モルから2.0倍モルの範囲が好ましく、
中でも1.2倍モルが更に好ましい。
【0051】ウリジン誘導体(1)と、3級アミン及び
脱水性の反応剤の反応時に使用する脱水性の反応剤の量
は、ウリジン誘導体(1)に対して0.5倍モルから
5.0倍モルの範囲であり、1.0倍モルから3.0倍
モルの範囲が好ましく、中でも2.0倍モルが更に好ま
しい。
【0052】ウリジン誘導体(1)と、3級アミン及び
脱水性の反応剤の反応時に脱酸剤を共存させる場合の脱
酸剤の量は、ウリジン誘導体(1)に対して0.5倍モ
ルから5.0倍モルの範囲であり、1.0倍モルから
3.0倍モルの範囲が好ましく、中でも2.0倍モルが
更に好ましい。
【0053】ウリジン誘導体(1)と3級アミンの溶液
に、脱水性の反応剤又はそれらの溶液を添加するときの
温度としては、−10℃から50℃の範囲まで可能であ
るが、好ましくは−5℃から10℃の範囲である。
【0054】ウリジン誘導体(1)と、3級アミン及び
脱水性の反応剤の反応時間としては、0.5時間から2
7時間を要するが、好ましくは0.5時間から3時間の
間である。
【0055】本発明のシチジン誘導体(3)の合成は、
ウリジン誘導体(1)と、3級アミン及び脱水性の反応
剤を反応させた後、次いでアンモニアあるいは1級及び
2級アミンと反応させることにより行われる。ウリジン
誘導体(1)に対するアンモニアあるいは1級及び2級
アミン(2)の使用量は0.5倍モルから60倍モルの
範囲であり、1.0倍モルから40倍モルの範囲が好ま
しく、中でも2.0倍モルから37倍モルの範囲が更に
好ましい。
【0056】ウリジン誘導体(1)と、3級アミン及び
脱水性の反応剤を反応させた後、次いでアンモニアある
いは1級及び2級アミンと反応するときの条件は、温度
としては−10℃から50℃まで可能であるが、好まし
くは−5℃から10℃の間であり、時間は0.5時間か
ら10時間を要するが、好ましくは0.5時間から6時
間の間である。なお、本反応においては、まず脱水性の
反応剤によってウリジン誘導体の4位の活性化が進行
し、活性化されたウリジン誘導体(1)は、3級アミン
との反応により式(5)で表されるシチジン誘導体ある
いは式(7)
【0057】
【化17】
【0058】(式中R1、R2、R3、R6、R7、R
8及びXは前記と同義である)で示されるアンモニウム
塩が生成し、次いでアンモニアあるいは1級及び2級ア
ミンと反応して4位のアミノ化が進行する。
【0059】シチジン誘導体(5)および(7)を単離
した後にアンモニアあるいは1級及び2級アミンで処理
することにより、シチジン誘導体(3)を製造すること
もできる。
【0060】以上本発明によりシチジン誘導体(3)を
より効率的に製造できるようになった。
【0061】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。
【0062】実施例1 3’,5’−O−ビス(4−クロロベンゾイル)−2’
−デオキシウリジン10.0gにアセトニトリル50m
L、トリエチルアミン4.0g及び1−メチルピペリジ
ン2.4g(ウリジン誘導体の1.2倍モル)を加え、
氷浴中で攪拌した。ここにp−トルエンスルホニルクロ
リド7.5gとアセトニトリル25mLを混合した溶液
を−1.5℃以下で1時間かけて滴下した。滴下終了後
1時間攪拌した。28%アンモニア水50mLを4.5
℃以下で20分かけて滴下した。滴下終了後2時間30
分攪拌した。析出した結晶を濾過し、アセトニトリルで
洗浄して、3’,5’−O−ビス(4−クロロベンゾイ
ル)−2’−デオキシシチジン7.93gを得た。収率
79.5%。
【0063】1H−NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 2.47〜2.55(m,2H)、3.35
(s,1H)、4.50〜4.63(m,3H)、5.
59〜5.61(m,1H)、5.70(d,J=7.
6Hz,1H)、6.29(t,J=7.0Hz,1
H)、7.23(d,J=7.8Hz,1H)、7.5
9〜7.66(m,5H)、7.96〜8.04(m,
4H). IR(KBr)cm-1 1719、1655、149
1、1271、1095. 比較例1 DMAPを用いた、従来法(2)に示した方法を追試し
た。以下に記載する。3’,5’−O−ビス(4−クロ
ロベンゾイル)−2’−デオキシウリジン0.283g
にアセトニトリル8.5mL、p−トルエンスルホニル
クロリド0.221g及びDMAP0.141g(ウリ
ジン誘導体の2.1倍モル)を加え、トリエチルアミン
0.117gを滴下しながら加え、22時間室温で攪拌
した。ここに28%アンモニア水5.7mLを加え、室
温で2時間攪拌し、氷冷した。結晶を濾過し、60%ア
セトニトリル−水で洗浄して、3’,5’−O−ビス
(4−クロロベンゾイル)−2’−デオキシシチジン
0.17gを得た。収率60%。
【0064】このように従来法では28%アンモニア水
を加える前に室温で22時間攪拌しなければならない
が、本発明の方法では1時間でよく、反応時間を大幅に
短縮することが可能になった。
【0065】比較例2 DMAPの当量数を変えた実験を行った。以下に記載す
る。
【0066】3’,5’−O−ビス(4−クロロベンゾ
イル)−2’−デオキシウリジン0.2gにアセトニト
リル3.0mL、p−トルエンスルホニルクロリド0.
151g及び表1に示した当量数のDMAPを加え、ト
リエチルアミン80.2mgを滴下しながら加え、30
時間室温で攪拌した。反応液を高速液体クロマトグラフ
ィーにより分析し、反応基質3’,5’−O−ビス(4
−クロロベンゾイル)−2’−デオキシウリジンの残存
率を調べた。結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】以上のように、DMAPが1.2当量以下
では原料が残ってしまい、目的物との分離操作が必要と
なり、工程数がかかる。これは反応系内で発生した塩化
水素によってDMAPが失活するからだと考えられる。
一方、本発明で示した3級アミンは塩化水素で失活せ
ず、1.2当量使用した場合でも反応基質が残ることな
く、短時間で目的物を得ることが出来る。
【0069】実施例2 3’,5’−O−ビス(4−クロロベンゾイル)−2’
−デオキシウリジン1.0gにアセトニトリル5mL、
トリエチルアミン0.40g、1−メチルピペリジン
0.24g(ウリジン誘導体の1.2倍モル)及びp−
トルエンスルホニルクロリド0.76gを加え、氷浴中
2時間攪拌した。ここに2−プロパノール性アンモニア
7.5mLを加え、氷浴中4時間攪拌した後、室温で1
時間攪拌した。結晶を濾過し、アセトニトリルで洗浄し
て、3’,5’−O−ビス(4−クロロベンゾイル)−
2’−デオキシシチジン0.54gを得た。収率54
%。
【0070】実施例3 3’,5’−O−ビス(4−クロロベンゾイル)−2’
−デオキシウリジン2.0gにアセトニトリル60m
L、トリエチルアミン0.81g、1,4−ジアザビシ
クロ[2.2.2]オクタン0.54g(ウリジン誘導
体の1.2倍モル)及びp−トルエンスルホニルクロリ
ド1.5gを加え、室温で3時間攪拌した。ここにアン
モニアガスを1時間室温で吹き込み、氷浴中30分間攪
拌した。結晶を濾過し、アセトニトリルで洗浄して、
3’,5’−O−ビス(4−クロロベンゾイル)−2’
−デオキシシチジン1.52gを得た。収率75.2
%。
【0071】実施例4 3’,5’−O−ビス(4−クロロベンゾイル)−2’
−デオキシウリジン3.0gにクロロホルム30mL、
トリエチルアミン0.72g、1,4−ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタン0.80g(ウリジン誘導体の
1.2倍モル)及びp−トルエンスルホニルクロリド
1.36gを加え、室温で30分間攪拌した。ここにア
ンモニアガスを1時間室温で吹き込み、氷浴中1時間攪
拌した。水100mL、メタノール100mLを加えて
スラッジングした後、結晶を濾過し、水−メタノール
(1:1)混合溶媒で洗浄して、3’,5’−O−ビス
(4−クロロベンゾイル)−2’−デオキシシチジン
2.42gを得た。収率80.9%。
【0072】参考例1 チミン 5.0gをHMDS41.8mLに縣濁し、3
時間加熱還流した。放冷後、過剰のHMDSを留去し
た。残さにクロロホルム 60mLを加え溶解した後、
3,5−O−ビス(4−クロロベンゾイル)−2−デオ
キシリボフラノース−1−イル クロリド 11.4g
(85%含量)を加え、さらにクロロホルム60mLを
加え、50℃で4時間加熱攪拌した。放冷後、炭酸水素
ナトリウム4.46gの水70mL溶液およびメタノー
ル70mLを加えて室温で1時間攪拌した。水層を除去
した後、炭酸ナトリウム300mgの水30mL溶液を
加え、室温で10分間攪拌した。分液後、有機層の溶媒
を留去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(クロロホルム:メタノール=30:1)にて
精製し、3’,5’−O−ビス(4−クロロベンゾイ
ル)チミジン10.5gを得た。収率90%。
【0073】1H-NMR(400MHz,CDCl3
δ 1.65(d,J=0.7Hz,3H),2.55
−2.66(m,2H),4.48−4.68(m,3
H),5.61−5.65(m,1H),6.28−
6.32(m,1H),7.50(d,J=0.7H
z,1H),7.57−7.64(m,4H),7.9
9−8.04(m,4H),11.4(s,1H). IR(KBr)cm-1 3193, 3067, 17
20, 1680,1593, 1488, 127
6, 1013, 761. 実施例5 3’,5’−O−ビス(4−クロロベンゾイル)チミジ
ン(Xがメチル基であるウリジン誘導体)3.00gの
アセトニトリル15mL縣濁液に、1−メチルピペリジ
ン 0.85mL(ウリジン誘導体の1.2倍モル)と
トリエチルアミン1.70mLを加えた後、冷却した。
p−トルエンスルホニルクロリド 2.31gのアセト
ニトリル15mL溶液を0℃以下に保ちながら滴下した
後、0℃以下を保ちながら3時間攪拌した。0℃以下を
保ちながら28%アンモニア水15mLを加え,6時間
攪拌した。溶媒をろ過して得られた残さにメタノール1
0mLを加え、氷冷下2時間攪拌した。溶媒をろ過し得
られた固体を乾燥することにより、3’,5’−O−ビ
ス(4−クロロベンゾイル)−5−メチル−2’−デオ
キシシチジン 1.59gを淡褐色固体として得た。収
率52%。
【0074】1H−NMR(400MHz,DMSO−
d6)δ 1.68(s,3H),2.42−2.56
(m,2H),4.47−4.50(m,1H),4.
54−4.59(m,1H),4.64−4.69
(m,1H),5.60−5.64(m,1H),6.
31−6.35(m,1H),6.86(br s,1
H),7.39(br s,2H),7.59−7.6
4(m,4H),7.98−8.04(m,4H). IR(KBr)cm-1 3470,1681,148
8,1270,1093,760. 参考例2 3’,5’−O−ビス(4−クロロベンゾイル)−5−
メチル−2’−デオキシシチジン0.71gのメタノー
ル4mL縣濁液に、水酸化ナトリウム−メタノール溶液
(水酸化ナトリウム100mgをメタノール4mLに溶
解して調整)0.7mLを加え、45℃で5時間加熱攪
拌した。放冷後、塩酸−メタノール溶液にて中和し、メ
タノールを留去した。残さにクロロホルムと水を加えた
後、分液し、水層をクロロホルムで洗浄した。水層を濃
縮したのちに6N塩酸水溶液を加えて酸性にし、アセト
ン5mLを加えて−14℃で一晩放置した。析出した固
体を濾取、乾燥することにより、5−メチル−2’−デ
オキシシチジン塩酸塩0.37gを淡褐色固体として得
た。収率97%。
【0075】参考例3 2’−O−メチルウリジン1.01gとイミダゾール
0.67gのDMF20mL溶液に、クロロ(t−ブチ
ル)ジメチルシラン1.3gを加えて室温で7時間攪拌
した。反応終了後、濃縮し、残さをシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=3:
7)にて精製して3’,5’−O−ビス(t−ブチルジ
メチルシリル)−2’−O−メチルウリジン1.44g
を無色粉末として得た。収率76%。
【0076】1H−NMR(400MHz,DMSO−
d6)δ 0.085(s,3H),0.10(s,3
H),0.12(s,3H),0.13(s,3H),
0.91(s,9H),0.94(s,9H),3.5
5(s,3H),3.60(dd,J=1.7&4.9
Hz,1H),3.77(dd,J=2.0&12.0
Hz,1H),4.18(dd,J=2.0&12.0
Hz,1H),4.02〜4.06(m,1H),4.
24(dd,J=4.9&7.1Hz,1H),5.6
8(dd,J=2.0&8.3Hz,1H),5.94
(d,J=2.0Hz,1H),8.07(d,J=
8.3Hz,1H),8.77(br s,1H). IR(KBr)cm-1 3463,2953,293
0,2858,1691,1630,1542,146
3,1192,1124,1035,1012,83
9,683. 実施例6 3’,5’−O−ビス(t−ブチルジメチルシリル)−
2’−O−メチルウリジン750mgのアセトニトリル
10mL溶液に、1−メチルピぺリジン 0.23mL
(ウリジン誘導体の1.2倍モル)とトリエチルアミン
0.45mLを加えた後、冷却した。p−トルエンスル
ホニルクロリド 614mgのアセトニトリル5mL溶
液を氷冷下で滴下した後、1時間攪拌した。原料消失
後、反応液1mLをとって濃縮し、残さにジエチルエー
テルを加えて析出する結晶をろ去した。ろ液を濃縮後、
残さをn−ヘキサンで洗浄、乾燥し、[[3,5−O−
ビス(t−ブチルジメチルシリル)−2−O−メチルリ
ボフラノース−1−イル]−2−オキソ−1,2−ジヒ
ドロ−4−ピリミジニル]−1−メチルピペリジニウム
クロリド(反応中間体)
【0077】
【化18】
【0078】を淡黄色油状物として得た。
【0079】1H−NMR(400MHz,DMSO−
d6)δ 0.065(s,3H),0.088(s,
3H),0.095(s,3H),0.10(s,3
H),0.89(s,18H),2.2〜1.6(m,
6H),3.65(s,3H),3.69(s,3
H),3.74(d,J=4.4Hz,1H),3.8
0(d,J=12.0Hz,1H),4.0〜4.2
(m,5H),4.60(m,2H),5.92(s,
1H),7.40(d,J=7.3Hz,1H),8.
88(d,J=7.3Hz,1H). IR(KBr)cm-1 3453,3194,305
8,2953,2930,2859,1702,146
2,1256,1129,1073,838,780. 残りの反応液に氷冷下、28%アンモニア水 3.5m
Lを加え,2時間攪拌した。反応液を濃縮し、酢酸エチ
ルで希釈して水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を
硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、残さをシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(メタノール:クロロホルム
=1:25)にて精製して3’,5’−O−ビス(t−
ブチルジメチルシリル)−2’−O−メチルシチジン5
44mgを無色粉末として得た。収率73%。
【0080】1H−NMR(400MHz,DMSO−
d6)δ 0.054(s,3H),0.076(s,
3H),0.11(s,3H),0.13(s,3
H),0.89(s,9H),0.94(s,9H),
3.61(d,J=4.9Hz,1H),3.64
(s,3H),3.78(d,J=12.0Hz,1
H),4.04(d,J=9.0Hz,1H),4.0
9(d,J=12.0Hz,1H),4.18(dd,
J=4.9&8.8Hz,1H),5.61(d,J=
7.3Hz,1H),5.93(s,1H),8.17
(d,J=7.3Hz,1H). IR(KBr)cm-1 3355,3200,295
5,2930,2859,1647,1491,125
5,1129,1073,838,781.
【0081】
【発明の効果】本発明により、大量製造可能な方法を用
いて、従来の方法に比べて効率的にシチジン誘導体を製
造することができるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 敏之 千葉県茂原市東郷1144 三井化学株式会社 内 (72)発明者 小松 弘典 千葉県茂原市東郷1144 三井化学株式会社 内 (72)発明者 深澤 信幸 千葉県茂原市東郷1144 三井化学株式会社 内 Fターム(参考) 4C057 BB02 DD01 LL10 LL19

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 (式中Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1から4の
    アルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1から4
    のアルキル基、炭素数2から4のアルケニル基を表し、
    R1、R2はそれぞれ独立して、水素原子あるいは水酸
    基の保護基を表し、R3は水素原子、ハロゲン原子、ヒ
    ドロキシル基、炭素数1から4のアルキル基、シアノ
    基、アルケニル基、アルキニル基、炭素数1から4のア
    ルコキシ基、水酸基の保護基で置換されたヒドロキシル
    基を表す)で表されるウリジン誘導体を3級アミン及び
    脱水性の反応剤と反応させ、ついで式(2) 【化2】 (式中、R4及びR5はそれぞれ独立して水素原子、炭
    素数1から4のアルキル基、炭素数5から8のシクロア
    ルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1から4の
    アルキル基、炭素数2から4のアルケニル基、R4とR
    5は結合して環を形成していてもよいことを表す)で表
    されるアンモニアあるいは1級又は2級アミンと反応さ
    せることを特徴とする、式(3) 【化3】 (式中、X、R1、R2、R3、R4およびR5は前記
    と同義である。)で表されるシチジン誘導体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 R1、R2がそれぞれ独立して炭素数1
    から4の脂肪族アシル基、芳香族アシル基、炭素数1か
    ら4のアルキル基で置換された芳香族アシル基、ハロゲ
    ン原子で置換された芳香族アシル基、炭素数1から4の
    アルコキシ基で置換された芳香族アシル基、トリアルキ
    ルシリル基であり、R3が水素原子、炭素数1から4の
    アルコキシ基、炭素数1から4のアルコキシ基で置換さ
    れた炭素数1から4の脂肪族アルキルオキシ基、炭素数
    1から4の脂肪族アシルオキシ基、芳香族アシルオキシ
    基、炭素数1から4のアルキル基で置換された芳香族ア
    シルオキシ基、ハロゲン原子で置換された芳香族アシル
    オキシ基、炭素数1から4のアルコキシ基で置換された
    芳香族アシルオキシ基である請求項1記載のシチジン誘
    導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 Xが水素原子あるいはメチル基を表し、
    R3が水素原子、メトキシ基、メトキシエチル基である
    請求項2記載のシチジン誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 3級アミンが式(4) 【化4】 (式中、n及びmはそれぞれ独立に1から4の整数を表
    し、Yは水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫
    黄原子を表し、Zは水素原子、炭素数1から4のアルキ
    ル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1から4のアル
    キル基、炭素数2から4のアルケニル基、Aと結合して
    環を形成していてもよいことを表し、Aは炭素数1から
    4のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1か
    ら4のアルキル基、炭素数2から4のアルケニル基、Z
    と結合して環を形成していてもよいことを表す)で表さ
    れる脂環式アミンである請求項1から3に記載のシチジ
    ン誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 ウリジン誘導体を3級アミン及び脱水性
    の反応剤と反応させた際の反応中間体が、式(5) 【化5】 (式中、X、R1、R2、R3、n、m、A、Y、Zは
    前記と同義である)で表されるシチジン誘導体であるこ
    とを特徴とする、請求項4に記載のシチジン誘導体の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 3級アミンが式(6) 【化6】 (式中、R6、R7及びR8はそれぞれ独立して炭素数
    1から4のアルキル基、炭素数5から8のシクロアルキ
    ル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1から4のアル
    キル基、炭素数2から4のアルケニル基を表す)で表さ
    れる脂肪族アミンである請求項1から3に記載のシチジ
    ン誘導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 3級アミンがN−メチルピペリジン、N
    −メチルモルフォリン、1,4−ジアザビシクロ[2.
    2.2]オクタン、N,N’−ジメチルピペラジン、ト
    リメチルアミンである請求項1から6に記載のシチジン
    誘導体の製造方法。
  8. 【請求項8】 脱水性の反応剤が、酸ハロゲン化物ある
    いは酸無水物であり、脱酸剤の存在下に行うことを特徴
    とする請求項1から7に記載のシチジン誘導体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 脱水性の反応剤が、p−トルエンスルホ
    ン酸クロリドである請求項1から8に記載のシチジン誘
    導体の製造方法。
  10. 【請求項10】 3級アミンの式(1)で表されるウリ
    ジン誘導体に対する使用量が1.2倍モル以下である請
    求項1から9に記載のシチジン誘導体の製造方法。
  11. 【請求項11】 式(5) 【化7】 (式中、X、R1、R2、R3、n、m、A、Y、Zは
    前記と同義である)で表されるシチジン誘導体またはそ
    の塩。
  12. 【請求項12】 Xが水素原子あるいはメチル基を表
    し、R1、R2が水素原子あるいは水酸基の保護基、R
    3が水素原子、メトキシ基、メトキシエチルオキシ基、
    nおよびmが2、Aがメチル基、Yがメチレン基あるい
    は酸素原子である請求項11記載のシチジン誘導体また
    はその塩。
  13. 【請求項13】 請求項11および12に記載のシチジ
    ン誘導体またはその塩をアンモニアあるいは1級又は2
    級アミンと反応させることを特徴とする、式(3) 【化8】 (式中、X、R1、R2、R3、R4およびR5は前記
    と同義である。)で表されるシチジン誘導体の製造方
    法。
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