JPH0728372A - 給紙装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数枚の用紙が貼付けられる転写ドラムの径
を小さくでき、しかも搬送における速度を低下させず
に、高速化を行うことができる給紙装置を提供するこ
と。 【構成】 用紙を供給するためのピックアップローラ６
と、その供給された用紙を搬送するフィードローラ４及
びレジストローラ３と、その搬送された用紙を、２枚の
用紙を周方向に並べて装着可能な転写ドラム１に吸着さ
せる吸着ローラ２と、転写ドラム１上に吸着される用紙
の間隔を、ピックアップローラ６による供給及びフィー
ドローラ４及びレジストローラ３による用紙搬送におけ
る用紙の間隔より小さくなるように、ピックアップロー
ラ６、フィードローラ４及びレジストローラ３、吸着ロ
ーラ２、及び転写ドラム１の速度を制御する制御手段５
とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写機、プリンタ、フ
ァックス等の画像形成装置の転写ドラムに画像形成用紙
を供給する給紙装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、転写ドラムを有する複写機、プリ
ンタ等において、高速コピーを行う場合、転写ドラム上
に１度に２枚の用紙を貼付けて行う方法がある。この場
合、機械を小型化するためには転写ドラムの直径を極力
小さくする必要があるが、そうすると転写ドラム上にお
ける用紙の間隔も小さくなる。このときの状態を図４に
示す。図４において、例えば、転写ドラム１の直径を１
５６ｍｍ、ステー１９の周方向の長さを３５ｍｍ、貼付
け可能な２枚の用紙２１ａ，２１ｂの最大の用紙サイズ
を１１×８．５インチ、その貼付け方を、転写ドラム１
の軸方向に用紙の長手方向を転写ドラム１の回転方向に
用紙の短手方向にし、またステー１９と各用紙２１ａ，
２１ｂとの間隔をそれぞれ２ｍｍとすると、２枚の用紙
２１ａ，２１ｂの間隔は１９ｍｍとなる。従って、用紙
を搬送する途中における用紙の間隔を１９ｍｍに保持す
るように用紙の供給、搬送を行う必要がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】一方、用紙の搬送途中
のタイミングスイッチ、クラッチ、ソレノイド等の応答
性、更にローラ自身の滑り等を考えると、給紙及び搬送
中の用紙の間隔はできるだけ大きく取る方が、先行の用
紙の後端と次の用紙の先端が重なる恐れをなくすことが
できる。

【０００４】しかしながら、以上のような方法では、給
紙及び搬送途中での用紙の間隔が転写ドラム上での間隔
と同じであるため、先行の用紙の後端と次の用紙の先端
が重なる恐れをなくすためには、給紙及び搬送の速度を
小さく抑えなければならず、高速化が妨げられるという
課題がある。

【０００５】本発明は、従来の給紙装置のこのような課
題を考慮し、複数枚の用紙を貼つけ得る転写ドラムの径
を小さくでき、しかも、搬送における速度を低下させず
に、高速化を行うことができる給紙装置を提供すること
を目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、用紙を供給す
るための用紙供給手段と、その供給された用紙を搬送す
る用紙搬送手段と、その搬送された用紙を、少なくとも
２枚の用紙を周方向に並べて装着可能な転写ドラムに吸
着させる用紙吸着手段と、転写ドラム上に吸着される用
紙の間隔を、用紙搬送手段による用紙搬送における用紙
の間隔より小さくなるように、用紙供給手段、用紙搬送
手段、及び転写ドラムの速度を制御する制御手段とを備
えた給紙装置である。

【０００７】

【作用】本発明では、用紙供給手段が用紙を供給し、用
紙搬送手段が供給された用紙を搬し、用紙吸着手段が搬
送された少なくとも２枚の用紙を転写ドラムに吸着さ
せ、制御手段が、転写ドラム上に吸着される用紙の間隔
を、用紙搬送手段による用紙搬送における用紙の間隔よ
り小さくなるように、用紙供給手段、用紙搬送手段、及
び転写ドラムの速度を制御する。

【０００８】

【実施例】以下に、本発明をその実施例を示す図面に基
づいて説明する。

【０００９】図１は、本発明にかかる一実施例の給紙装
置を備えた複写機の構成図である。すなわち、複写機の
上部には、コピーを行う原稿を載せる原稿載置板１７及
び載せられた原稿を抑える原稿押えカバー１８等が取り
付けられ、その下部には原稿の光画像を形成させる光学
ユニット１６が設けられている。その光学ユニット１６
の下部には、用紙を供給する給紙装置、供給された用紙
上にトナー像を形成するために、用紙を静電力により貼
付ける転写ドラム１、光学ユニット１６から入射される
光画像により感光してトナーが付着される感光体ドラム
１０、用紙上に形成されたトナー像を定着する定着装置
１３等が設けられている。

【００１０】前述の給紙装置は、給紙カセット７又は９
から用紙を送出するためのピックアップローラ６，８、
そのピックアップローラ６又は８により送出されきた用
紙を搬送するフィードローラ４、そのフィードローラ４
により搬送されてきた用紙をタイミングをとって送り出
すレジストローラ３、そのレジストローラ３により送ら
れてきた用紙を転写ドラム１に吸着させる吸着ローラ
２、及びそれらピックアップローラ６，８、フィードロ
ーラ４、レジストローラ３、吸着ローラ２をそれぞれ駆
動する各駆動手段２ａ，３ａ，４ａ等により構成されて
いる（ピックアップローラ６，８の駆動手段は図示省
略）。上記のピックアップローラ６，８及びその駆動手
段が用紙供給手段を構成し、レジストローラ３、フィー
ドローラ４及び駆動手段３ａ，４ａが用紙搬送手段を構
成し、吸着ローラ２及び駆動手段２ａが用紙吸着手段を
構成している。

【００１１】又、用紙の搬送方向を基準として転写ドラ
ム１の下流側には、転写ドラム１に吸着している用紙を
分離するための分離爪１１が、転写ドラム１に接近して
設けられ、その分離爪１１の下流側には用紙を搬送する
ための搬送ベルト１２が設けられている。その搬送ベル
ト１２の下流側には、用紙上に形成されたトナー画像を
定着するための定着装置１３が設けられ、その定着装置
１３の下流側には、定着処理の終わった用紙を排出する
ための排紙ローラ１４が設けられ、更に、その排紙ロー
ラ１４の下流側には排出された用紙を受けるための排紙
トレイ１５が設けられている。

【００１２】次に、上記実施例の給紙装置の動作につい
て、図面を参照しながら説明する。

【００１３】いま、複写機のコピー動作は転写ドラム１
上に２枚の用紙を吸着して高速コピーを行うとする。

【００１４】まず、コピー動作が開始されると、例えば
給紙カセット７からピックアップローラ６により用紙が
フィードローラ４側へ送出される。この１番目の用紙２
０ａは、フィードローラ４によりレジストローラ３へ搬
送され、そのレジストローラ３でタイミングがとられて
吸着ローラ２側へ送り出される。このとき、レジストロ
ーラ３は、一時停止して用紙先端の進行も停止するが、
用紙後端はそのまま進行して用紙がたわむため、後続の
用紙先端との間隔はほとんど小さくなることはない（図
３のレジストローラ３後方の一点鎖線で示す用紙参
照）。又、用紙２０ａに続いて２番目の用紙２０ｂが、
ピックアップローラ６によって給紙カセット７から送出
されるが、この用紙２０ｂの送出のタイミングは、制御
手段５により１番目の用紙２０ａの後端と、２番目の用
紙２０ｂの先端との間隔が３８ｍｍになるように行われ
る。その後、制御手段５は、フィードローラ４及びレジ
ストローラ３の各駆動手段４ａ，３ａを制御して、この
間隔３８ｍｍが保持された状態で用紙２０ｂを搬送させ
る。

【００１５】次に、図２（ａ）に示すように、１番目の
用紙２０ａの先端が吸着ローラ２に到達すると、転写ド
ラム１及び吸着ローラ２の周速度は、レジストローラ３
及びフィードローラ４などの周速度より低速に制御され
ているため、用紙２０ａは吸着ローラ２とレジストロー
ラ３との間でたわみを生じる。更に用紙２０ａは吸着ロ
ーラ２によって転写ドラム１上に吸着されていき、２番
目の用紙２０ｂがフィードローラ４からレジストローラ
３へ送られ、先端が吸着ローラ２に到達する。このと
き、用紙２０ｂが吸着ローラ２に到達するまでは、２枚
の用紙２０ａ，２０ｂの間隔は、ほぼ３８ｍｍに保持さ
れている。

【００１６】その後、用紙２０ｂが吸着ローラ２により
転写ドラム１上に吸着され始めると、図２（ｂ）に示す
ように、転写ドラム１及び吸着ローラ２の周速度が、用
紙の間隔が１９ｍｍになるように調整されているので、
転写ドラム１上で１９ｍｍの間隔をおいて用紙２０ｂが
吸着されていく。このとき、レジストローラ３は速い速
度で用紙２０ｂを送り出しているので、用紙２０ａの場
合と同様、用紙２０ｂは吸着ローラ２とレジストローラ
３との間でたわみを生じる。ここで、例えばフィードロ
ーラ４及びレジストローラ３の周速度を、転写ドラム１
及び吸着ローラ２の周速度の１．２倍に調整する。

【００１７】更に、用紙２０ｂが吸着ローラ２により転
写ドラム１上に吸着されていき、図２（ｃ）に示すよう
に、２枚の用紙２０ａ，２０ｂが貼付けられる。

【００１８】このようにして、用紙が転写ドラム１に貼
付けられた後、感光体ドラム１０上に形成されたトナー
像が転写され、転写後用紙は転写ドラム１から分離され
て搬送ベルト１２により搬送され、更に定着装置１３に
より定着処理されて、排紙ローラ１４によって排紙トレ
イ１５に排紙される。

【００１９】次に、上記実施例の給紙速度及び給紙にお
ける用紙間隔等の実験結果（表１）について、図面及び
表を参照しながら説明する。

【００２０】

【表１】

【００２１】図３は、実験に用いた給紙装置のモデルを
示す図である。図３において、吸着ローラ２は転写ドラ
ム１の上側に配置され、その吸着ローラ２から１３０ｍ
ｍ離れた位置にレジストローラ３が配置されている。こ
こで、転写ドラム１の周速度を１６３ｍｍ／ｓｅｃと
し、用紙サイズをＡ４（２１０ｍｍ）とする。又、レジ
ストローラ３でのたわみは２０ｍｍである。

【００２２】以上の条件において、転写ドラム１上の用
紙間隔を１０、２０、３０、４０ｍｍにとり、その各用
紙間隔に対して給紙速度（レジストローラの速度）を１
８０、１９０、２００、２１０ｍｍ／ｓｅｃとしたとき
の給紙における用紙間隔及び最大たわみを測定すると、
（表１）に示すような値が得られた。機械の小型化の点
からは転写ドラム１上の用紙間隔はできる限り小さい方
がよく、コピー速度を速くする点からは給紙速度及び給
紙における用紙間隔はできるだけ大きい方がよいので、
この実験結果から転写ドラム１上の用紙間隔は１０ｍｍ
で、給紙速度が２１０ｍｍの条件の時、給紙における用
紙間隔が５３．４４ｍｍ、又最大たわみが１７．９０ｍ
ｍになり、最も良い条件と言える。

【００２３】なお、上記実施例では、転写ドラム１に用
紙を貼付ける方法として静電吸着による方法を用いた
が、これに限らず、他の吸着方法を用いてもよい。

【００２４】また、上記実施例では、転写ドラム上に貼
付ける用紙を２枚として説明したが、これに限らず、用
紙のサイズによっては３枚以上を貼付ける構成としても
よい。

【００２５】また、上記実施例では、制御手段５を専用
のハードウェアにより構成したが、これに代えて、同様
の機能をコンピュータを用いてソフトウェア的に実現し
ても勿論よい。

【００２６】

【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、転写ドラム上に吸着される用紙の間隔を、用紙
搬送手段による用紙搬送における用紙の間隔より小さく
なるように、用紙供給手段、用紙搬送手段、及び転写ド
ラムの速度を制御する制御手段を備えているので、複数
枚の用紙を貼つけ得る転写ドラムの径を小さくでき、し
かも、搬送における速度を低下させずに、高速化を行う
ことができるという長所を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる一実施例の給紙装置を備えた複
写機の構成図である。

【図２】同実施例の給紙装置における動作を説明するた
めの図である。

【図３】用紙間隔と給紙速度の実験に用いた給紙装置の
モデルを示す図である。

【図４】転写ドラム上の用紙の間隔を示す図である。

【符号の説明】

１ 転写ドラム ２ 吸着ローラ ３ レジストローラ ４ フィードローラ ５ 制御手段 ６、８ ピックアップローラ ７、９ 給紙トレイ １０ 感光体ドラム １６ 光学ユニット １９ ステー

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 用紙を供給するための用紙供給手段と、
   その供給された用紙を搬送する用紙搬送手段と、その搬
   送された用紙を、少なくとも２枚の用紙を周方向に並べ
   て装着可能な転写ドラムに吸着させる用紙吸着手段と、
   前記転写ドラム上に吸着される用紙の間隔を、前記用紙
   搬送手段による用紙搬送における用紙の間隔より小さく
   なるように、前記用紙供給手段、前記用紙搬送手段、及
   び前記転写ドラムの速度を制御する制御手段とを備えた
   ことを特徴とする給紙装置。
2. 【請求項２】 前記用紙吸着手段は、吸着ローラを有す
   ることを特徴とする請求項１記載の給紙装置。