JPH0728190Y2 - 擁壁構築用コンクリート積みブロックの裏当ゲージ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は擁壁や囲壁等のコンクリート積みブロックの施
工時に、施工規格の正確さを図るために使用される裏当
ゲージに関するものである。

〈従来の技術〉 一般に、垂直または傾斜した土壌面にコンクリート積み
ブロックで擁壁を施工する場合、土壌面との間に適当な
巾の礫石投入用空間を形成する金属製裏板を立設して該
空間に礫石を投入し、前記裏板を基準面として適当な巾
をもつコンクリート打設空間を残してコンクリートブロ
ックを適当段積み重ね、前記コンクリート打設空間に生
コンクリートを流し込んでコンクリートブロックを定着
させ、以後上段のコンクリートブロックを同様な手段に
より順次積み重ねて施工したのち、前記裏板を引抜除去
している。

〈考案が解決しようとする課題〉 この施工において、前記した礫石帯及び打設コンクリー
ト帯の巾は、施工規格に沿った正確さが要求される。そ
こで従来では、現場で棒材を所定の長さに切断してこれ
を裏板とコンクリートブロックの間に橋渡してコンクリ
ート打設空間を保持しているが、棒材の制作や取り付け
作業に相当な時間と手間を必要とすると共に、コンクリ
ート流し込み後に棒材が内部に埋もれてこれを除去する
ことを失念することがある。

そこで本考案は、前記した従来欠点を解消すると共に、
一つのゲージで多様な施工規格に対応することが出来、
加えて裏板と土壌面との間隔も同時に計測できるように
して礫石帯の巾も正確に確保することのできる裏当ゲー
ジを簡単な構成で安価に提供することを主たる目的とす
るものである。

〈課題を解決するための手段〉 上記目的を達成するために、本考案に係る裏当ゲージに
あっては、長さ方向に等間隔を隔てて上下方向に貫通す
る複数の挿入穴（1a）・・・を有する長尺のスケール本体
（１）と、前記スケール本体（１）の先端から長さ方向
に沿って引出すことができるように該スケール本体に装
着されたサブスケール（２）と、前記スケール本体
（１）を擁壁施工工事に使用される裏板（６）の上端に
対して直角に取り付けるために該スケール本体（１）の
先端部分に設けられた裏板挟着体（３）と、前記スケー
ル本体（１）の任意の挿入穴（1a）に着脱自在に装着さ
れるブロック位置決め用棒材（４）とによって構成され
ている。

〈作用〉 上記のごとく構成された裏当ゲージは第４図並びに第５
図に示すように、垂直なまたは傾斜した土壌面（Ａ）と
の間で礫石帯（Ｂ）を保持するために立設させた裏板
（６）の上端に挟着体（３）を介して直角に取り付けて
使用される。ブロック位置決め用棒材（４）によって積
み重ねられるコンクリートブロック（Ｃ）と裏板（６）
との間隔が正確に確保され、同時にサブスケール（２）
によって裏板（６）と土壌面（Ａ）との間隔も正確に管
理することができる。また、挿入すべき穴（1a）・・・を
選択することにより現場の施工規格に合わせてブロック
位置決め用棒材（４）と裏板（６）との間隔を任意に変
更することができる。

〈実施例〉 以下、本考案の実施例について図面を参照にして説明す
る。

第１図乃至第５図は本考案に係る裏当ゲージの一実施例
を示すもので、（１）は断面方形状の長尺状スケール本
体であって金属材料、好ましくはステンレススチール等
の耐錆性金属材料で形成されており、その側面に計測目
盛り（1b）が付されている。そしてこの目盛りに沿って
等分割された複数の棒状挿入穴（1a）・・・が上下方向に
貫通して形成されている。

また、前記スケール本体（１）の先端から長さ方向に沿
って引出すことができるようにサブスケール（２）が該
スケール本体（１）に装着されており、このサブスケー
ル（２）にも計測目盛り（2a）が付されている。

更に、前記スケール本体（１）を擁壁施工工事に使用さ
れる裏板（６）の上端に対して直角に取り付けるために
該スケール本体（１）の先端部分に裏板挟着体（３）が
設けられている。この裏板挟着体（３）は、スケール本
体（１）から下方に垂直に延びる長い棒杆（3a）と、こ
の棒杆（3a）に対して弾力的に圧接する弾性クリップ板
（3b）とから成り、該挟着体（３）を裏板（６）の上端
縁に対して上方から押し込むことによって該裏板を弾力
的に挟着出来るように形成されている。従って、この実
施例で示した挟着体（３）では、裏板（６）に取り付け
たときに、長い棒杆（3a）が裏板（６）の一面に安定良
く当接してスケール本体（１）の直角度を正確に保持す
ることができる。

尚、この挟着体（３）は前記実施例構造に特定されるも
のでなく、裏板（６）の上端を安定良く挟着できるもの
であれば、どのような形態のものでもよく、例えば一般
によくみられるＵの字状の弾性クリップ体で形成しても
よい。

而して、符号（４）は前記スケール本体（１）の任意の
挿入穴（1a）に着脱自在に装着されるブロック位置決め
用棒材であって、上端部分に楔状の止金（５）を挿入す
るための横穴（4a）設けられており、この横穴（4a）よ
り少し下がった位置に大径の鍔部（4b）が設けられてい
る。従って、この棒材（４）をスケール本体（１）の下
方から穴（1a）に挿入してその先端部分を上方に突出さ
せ、そして横穴（4a）に止金（５）を押し込むことによ
り棒材（４）をスケール本体（１）に直角に保持するこ
とができる。尚、前記止金（５）は鎖（７）でスケール
本体（１）につながれていてその紛失を防止している。

上記のごとく構成された裏当ゲージは第４図及び第５図
に示すように、垂直なまたは傾斜した土壌面（Ａ）との
間で礫石帯（Ｂ）を保持するために立設された裏板
（６）の上端に挟着体（３）を介して直角に取り付けて
使用される。ブロック位置決め用棒材（４）によって積
み重ねられるコンクリートブロック（Ｃ）と裏板（６）
との間隔が正確に確保され、同時にサブスケール（２）
によって裏板（６）と土壌面（Ａ）との間隔も管理する
ことができる。また、挿入すべき穴（1a）・・・を選択す
ることにより現場の施工規格に合わせてブロック位置決
め用棒材（４）と裏板（６）との間隔を任意に変更する
ことができる。

以上本考案の代表的な実施例について説明したが、本考
案は必ずしも上記の実施例構造のみに限定されるもので
なく、例えば、スケール本体（１）の断面形状を前記実
施例で示した方形に代えて、第６図に示すように開口部
を下向きにしたコの字状の形態にしたり、あるいは横向
きコの字状に形成してもよく、その他の部分において
も、本考案の構成用件を備え、かつ、効果を有する範囲
内で適宜変更して実施することが出来るものである。

〈考案の効果〉 本考案は上記のごとく構成したものであるから、挟着体
によってワンタッチで簡単に裏板の上端に着脱出来てブ
ロック位置決め用棒材によって積み重ねられるコンクリ
ートブロックと裏板との間隔が正確に確保され、これに
より打設コンクリートの巾を規格通りに施工出来ると共
にコンクリートブロック表面を段差なく奇麗に仕上げる
ことができる。加えて、サブスケールによって裏板と土
壌面との間隔も同時に正確に管理することができる。ま
た、スケール本体は裏板の上端に取り付けられるもので
あるから、打設コンクリートに埋もれることがなく、従
ってコンクリート打設後に容易に引き抜くことができる
と共に、これを除去することを失念することはない。ま
た、挿入すべき穴を選択することにより現場の施工規格
に合わせてブロック位置決め用棒材と裏板との間隔を任
意に変更することができ、これにより一つの器具で施工
規格の異なる多様な現場で反復使用することができて経
済的であり、更にはスケール本体並びにサブスケールの
目盛りによって礫石帯と打設コンクリート帯の間隔の寸
法が一目瞭然に認識出来るので、施工証拠写真のスケー
ルとしても使用出来る等の種々の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る裏当ゲージの一実施例を示す斜視
図、第２図はコンクリート位置決め用棒材部分の拡大断
面図、第３図はスケール本体部分の断面図、第４図は使
用状態を示す側面図、第５図は使用状態を示す斜視図、
第６図はスケール本体の他の実施例を示す断面図であ
る。 図中（１）はスケール本体、（1a）は挿入穴、（２）は
サブスケール、（３）は挟着体、（４）はコンクリート
ブロック位置決め用棒材、（６）は裏板である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】長さ方向に等間隔を隔てて上下方向に貫通
   する複数の挿入穴（1a）…を有する長尺のスケール本体
   （１）と、前記スケール本体（１）の先端から長さ方向
   に沿って引出すことができるように該スケール本体に装
   着されたサブスケール（２）と、前記スケール本体
   （１）を擁壁施工工事に使用される裏板（６）の上端に
   対して直角に取り付けるために該スケール本体（１）の
   先端部分に設けられた裏板挟着体（３）と、前記スケー
   ル本体（１）の任意の挿入穴（1a）に着脱自在に装着さ
   れるブロック位置決め用棒材（４）とから成る擁壁構築
   用コンクリート積みブロックの裏当ゲージ。