JPH07281427A - 色材転写光記録方法および装置 - Google Patents

色材転写光記録方法および装置

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JPH07281427A
JPH07281427A JP6704594A JP6704594A JPH07281427A JP H07281427 A JPH07281427 A JP H07281427A JP 6704594 A JP6704594 A JP 6704594A JP 6704594 A JP6704594 A JP 6704594A JP H07281427 A JPH07281427 A JP H07281427A
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JP
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tcl
image
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temperature
transfer
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Application number
JP6704594A
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English (en)
Inventor
Masaharu Shiotani
雅治 塩谷
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Duplication Or Marking (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単な構成で高品質のカラー記録画像を容易か
つ安価に形成できる色材転写光記録方法および装置を提
供する。 【構成】親/疎水性の相転移挙動を示す感温性高分子に
光照射でイオン解離する基を導入した二つの相転移温度
TCL、TCH間で可逆変化可能な外部シェル層(3c)を
有する着色微粒子(3)を溶媒(4)に分散させたイン
ク材(2)を、疎水性表面を有し光透過性の転写媒体
(1)に供給し、潜像形成手段(6)により画像光hν
をインク材(2)に照射し相転移温度の異なる領域の潜
像を形成し、ついで温度制御手段(7)によりTCLとT
CHの間の温度にすることで、画像に対応するTCL領域の
着色微粒子(3)を疎水性にして転写媒体(1)に対す
る付着能を向上させ選択付着させ顕像を形成する。その
後、顕像は冷却され親水性に戻り転写媒体(1)に対す
る付着能が低下し、搬送されてくる被転写材(8)に接
触して移行することで画像が記録される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光信号に従って転写媒
体に形成した色材画像を被転写材に転写する色材転写光
記録方法および装置に係わり、特には、光信号を与える
ことにより色材の転写媒体に対する吸脱着挙動の遷移温
度が変化する新規な着色微粒子を含有する色材を利用し
て、色材を被転写材に転写する記録方法および装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】現在、画像形成(記録)装置により形成
された画像に対して要求されている主な品質として、解
像度、画像濃度、画像鮮鋭度、階調表現性、色純度、色
重ね性を挙げることができる。
【0003】また、画像記録装置の性能としては、記録
速度が速いこと、音が静かであること、ランニングコス
トが低廉であること、小型で軽量であること、普通紙お
よび再生紙のどちらも使用できること、メンテナンスフ
リーであることなどが要求されている。最近では、記録
装置としての基本特性である解像度や画像濃度、記録速
度などが一定の水準まで高まったこともあり、カラー表
現が可能であること、記録紙の種類を問わないこと、小
型で軽量であること等が特に重要視されている。
【0004】これまで、様々な画像記録方式が提案され
ているが、前記要求事項を大略満足する普通紙カラー画
像記録方式は未だ実現されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、簡
単な方法および装置により高品質なカラー画像を容易か
つ安価に形成することができる色材転写光記録方法およ
び装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するために、本発明では、相転移温度Tcよりも低い
温度で親水性のハイドロゲルとなり、高い温度では疎水
性に変化すべく相転移挙動を示す感温性高分子に、光照
射によりイオン解離する官能基を導入し、相転移温度T
cが二つの相転移温度TCLおよびTCH(ただし、TCL<
TCH)間で可逆的に変化可能とした外部シェル層を有す
るコアシェル粒子型の着色微粒子を溶媒に分散させてな
るインク材を利用し、疎水性表面を有する光透過性の転
写媒体を介して画像情報に対応した画像光を照射してイ
ンク材の相転移温度TcがそれぞれTCLとTCHである異
なる領域からなる潜像を形成するようにした。
【0007】そして、インク材をTCLとTCHの間の温度
に設定することで、TCL領域の着色微粒子を疎水性にし
て転写媒体に対する付着能を向上させて転写媒体上に着
色微粒子の顕像を形成し、これを相転移温度TCLよりも
低い温度にして親水性に戻し、被転写材を接触させるこ
とで着色微粒子による顕像を被転写材に写し取るように
して画像を記録するようにしたものである。
【0008】すなわち、本発明によれば、着色材を含み
高分子からなる内部コアと、相転移温度Tcを境に、そ
れよりも低温度で疎水性を示し高温度で親水性を示すと
共に、二つの相転移温度TCLおよびTCH(ただし、TCL
<TCH)間で可逆的に変化可能であり、特定波長の光照
射によって前記TCLからTCHへ変化する感光感温性高分
子からなる外部シェル層とで構成された着色微粒子を溶
媒に分散させてなるインク材に、疎水性表面を有する光
透過性の転写媒体を接触させる工程と、前記転写媒体を
介して画像情報に対応した画像光を照射して前記インク
材に前記相転移温度Tcがそれぞれ前記TCLとTCHであ
るところの異なる領域からなる潜像を形成する工程と、
前記潜像の形成されたインク材を前記TCLとTCHの間の
温度TXに設定し、前記TCL領域を疎水性にして前記転
写媒体に対する付着能を向上させて前記画像情報に対応
した前記着色微粒子による顕像を前記転写媒体の疎水性
表面上に形成する工程と、前記疎水性表面上の顕像の温
度を相転移温度TCLよりも低い温度にして、前記外部シ
ェル層を親水性に変化させることにより、前記転写媒体
に対する付着能を低下させる工程と、前記転写媒体の疎
水性表面に被転写材を接触させることにより、前記着色
微粒子による顕像を前記被転写材に移行させる工程を順
次行い、画像を記録することを特徴とする色材転写光記
録方法が提供される。
【0009】また、本発明によれば、上記インク材を供
給するインク供給手段と、疎水性表面を有し無端状に設
けられた光透過性のフィルム状転写媒体と、前記フィル
ム状転写媒体を前記インク供給手段のインク材に接触さ
せつつ循環移動自在に支持する支持手段と、前記転写媒
体を循環移動する駆動手段と、前記転写媒体の内周面の
所定位置に設けられ、前記転写媒体を介して前記インク
材に画像情報に対応した画像光を照射して前記インク材
に前記相転移温度Tcがそれぞれ前記TCLとTCHである
ところの異なる領域からなる潜像を形成する潜像形成手
段と、前記潜像形成手段の前記転写媒体移動方向下流に
設けられ、前記潜像の形成されたインク材を前記TCLと
TCHの間の温度に設定し、前記TCL領域の前記着色微粒
子の外部シェル層を疎水性に変化させることにより、前
記TCL領域を疎水性にして前記転写媒体に対する付着能
を向上させて前記画像情報に対応した前記着色微粒子に
よる顕像を前記転写媒体の疎水性表面上に形成する温度
制御手段と、前記温度制御手段の配設位置を通過後の前
記転写媒体の疎水性表面に相転移温度TCLよりも低い温
度にある被転写材を接触させつつ搬送する搬送手段とを
備え、前記潜像形成手段により形成された前記TCL領域
の着色微粒子の外部シェル層が疎水性に変化して前記転
写媒体に付着して形成された顕像を前記被転写材に移行
させて画像を記録することを特徴とする色材転写光記録
装置が提供される。
【0010】以下、本発明をさらに詳しく説明する。本
発明のインク材は、内部コアを感光感温性高分子の外部
シェル層で覆った2層構造のコアシェル粒子としての着
色微粒子を溶媒に分散させてなる。
【0011】感温性高分子は、ある温度(相転移温度)
を境にして異なる挙動を示すもので、例えばポリ(N−
イソプロピルアクリルアミド)と水から構成される高分
子ゲルでは、その下限臨界共溶温度である31〜32゜
Cを境に不連続に親水性と疎水性に変化し、アクリロイ
ルピロリジンの重合体は51〜52゜Cに相転移温度を
有し親水性と疎水性に変化する。また、両者のモル比を
適宜調整すれば31〜52゜Cの間で相転移温度を自由
に設定できる。
【0012】一方、トリフェニルメタン誘導体のような
光イオン解離物質を感温性高分子の一部に導入すると相
転移温度を光制御できる。すなわち、光照射によって相
転移温度が変化し、その後緩和時間を経てイオンの再結
合が生じて相転移温度が元に戻る。つまり、光および熱
により相転移挙動が変化する感光感温性高分子が構成さ
れる。
【0013】そして、本発明ではこのような感光感温性
高分子を外部シェル層としたコアシェル粒子を用いてい
る。従って、本発明のコアシェル粒子は、相転移温度よ
りも低い温度で親水性となり相転移温度よりも高い温度
で疎水性となるが、光イオン解離状態により上記親水性
と疎水性の転移温度も制御される。
【0014】一般に、疎水性分子が水分子と会合する
時、疎水性分子近傍の水分子の会合状態が変化する。水
素結合の割合が増加しエントロピーの減少が起こる。こ
れは、疎水性分子あるいは疎水基が水分子との会合をで
きるだけ減少させるよう凝集することを意味し、見かけ
上、疎水性分子どうし間に引力が働き会合するように見
え疎水性−疎水性相互作用と言われている。本発明のコ
アシェル粒子は、疎水性状態では疎水性物質に吸着する
性質を示し、親水性状態では疎水性物質に付着しない性
質を示す。
【0015】一方、本発明では、光照射およびインク材
を一旦付着させるために、疎水性表面を有する光透過性
のフィルム状転写媒体を用いている。それゆえ、画像情
報に対応した光信号が照射されて相転移温度が高温側に
シフトした部分(TCH領域)と、光信号が照射されずに
相転移温度の変化しない部分(TCL領域)とでは環境温
度(インク材の温度)がTCHとTCLの間にある時に各部
分の転写媒体に対する付着性が異なることとなる。これ
により、相転移温度がTCLの部分の疎水性となった着色
微粒子が転写媒体に選択的に付着する。
【0016】転写媒体に付着した着色微粒子は、相転移
温度以下に冷却されると、最早、転写媒体に対する付着
性能が低下するので、これに接触すべく適用された被転
写材(親水性い近い)に容易に転写される。このように
して、色材画像が記録できる。
【0017】光照射され相転移温度がTCHに上昇した領
域は、その後、緩和時間を経てイオンの再結合が生じて
相転移温度が元のTCLに戻る。従って、記録を繰り返し
行える。
【0018】本発明において、転写媒体に付着形成され
た着色微粒子による顕像を被転写材に移行させるべく外
部シェル層を親水性に変化させて付着能を低下させるた
め、被転写材に接触する以前あるいは接触と同時に相転
移するように常温よりも少なくとも高い温度の相転移温
度TCLを有する感光感温性高分子を外部シェル層に選定
している。
【0019】そこにおいて、色材を構成する着色微粒子
は、着色材が、ジアリーリッドイエロー、ジアリールア
ミドイエロー、ベンジジンイエロー、ブリリアントカー
ミン6B、レーキッドC、フタロシアニンブルー、カー
ボンブラック、酸化チタンから選ばれた少なくとも1つ
の着色材であることが好ましく、また、内部コアが、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンから選ばれ
た疎水性高分子の少なくとも1つであり、外部シェル層
が、ポリエチレンオキシド、ポリメチルビニルエーテ
ル、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、オキシ
エチレンユニットを側鎖に有するポリビニルエーテル、
ポリアクリロイルピロリジン、ポリアクリロイルピペリ
ジンから選ばれた感温性高分子の少なくとも1つと、側
鎖にトリフェニルメタン誘導体を有する化合物との共重
合体であることが好ましい。また、上記着色微粒子は油
系溶媒に好適に分散されるものである。
【0020】このような本発明に従って画像を記録すれ
ば、簡単な構成で高品質の画像記録が得られる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。全図に渡り、同一箇所は同一符号で示されてい
る。
【0022】図1は、本発明に基づく色材転写光記録装
置の基本構造を示す。
【0023】図1に示す記録装置Pにおいて、無端状に
設けられた転写媒体1が支持手段としてのガイドロール
R1〜R4等により支持され、不図示の駆動手段により
矢視b,c方向に循環移動自在に設けられている。転写
媒体1は疎水性表面を有する光透過性のフィルムからな
り、図示の如くシート状に形成されていることが好まし
いが、この形状に限定されず、さらには円筒状であって
も良い。
【0024】転写媒体1の下方には、インク材2を収容
したインク槽5aと、該インク槽5aから転写媒体1へ
継続的にインク材2を矢視a方向に回転してくみ上げ供
給する供給ロール5bが配設され、両者でインク供給手
段を構成している。図示例では、供給ロール5bの上部
の約半周を転写媒体1とインク材2を介して接触するよ
う配置させてある。
【0025】供給ロール5bにより供給されるインク材
2に接触する転写媒体1の内側には、潜像形成手段6と
しての光照射装置が配設されている。潜像形成手段6
は、光透過性の転写媒体1を透してインク材2の界面に
不図示の制御手段からの画像情報に対応した光信号を照
射するものであり、例えば、レーザー、プラズマ放電光
源、電子線励起蛍光放射光源、発光素子(LED)等を
使用できる。
【0026】転写媒体1の内側であって、潜像形成手段
6よりも転写媒体1の移動方向下流側には、転写媒体1
へインク材2による顕像を形成するための温度制御手段
7を配設してある。温度制御手段7は、インク材2中の
後述する着色微粒子3の相転移温度TCLとTCHの間の適
切な温度、例えばほぼ中間温度TXに、転写媒体1およ
び近傍のインク材2を恒温加熱維持するものである。
【0027】転写媒体1の上方には、温度制御手段7の
配設位置を通過後の転写媒体1の表面に被転写材8(用
紙)を接触させつつ矢視d方向に回転し、被転写材8を
搬送する搬送手段の一部を構成する転写ロール9が配設
してある。転写ロール9は、転写媒体1に近接もしくは
圧接され、例えば弾性ゴムロールや金属ロールで構成す
ることができる。
【0028】上記インク材2は、図2に拡大して示すよ
うに、着色材3bを有し疎水性高分子からなる内部コア
3aと、外部シェル層3cからなる着色微粒子3(コア
シェル粒子)を、溶媒4に分散して構成される。着色微
粒子3の径は数百nm〜数μmであり、その体積の殆ど
はコア部分で占められている。
【0029】内部コア3aは、例えばポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン等の一般的な疎水性高分子
を使用できる。また、これに分散する着色材3bとして
は、ジアリーリッドイエロー、ジアリールアミドイエロ
ー、ベンジジンイエロー、ブリリアントカーミン6B、
レーキレッドC、フタロシアニンブルー、カーボンブラ
ック、酸化チタン等、広く知られた顔料を好適に使用で
きる。
【0030】外部シェル層3cは、常温よりも高温の二
つの相転移温度TCLおよびTCH(ただし、TCL<TCH)
を有し、TCLとTCHが可逆的に変化できるものである。
そして、TCL(あるいはTCH)よりも低温では親水性と
なるハイドロゲルであるが、TCL(あるいはTCH)より
も高温では疎水性を示す感温性高分子である。外部シェ
ル層3cは極めて薄いために、着色微粒子3の色は内部
コア3aに含まれる着色材3bの色を呈する。
【0031】外部シェル層3cを構成する高分子として
は、感温性高分子鎖の側鎖の一部に光によってイオン解
離する官能基を有するもので、ポリエチレンオキシド、
ポリメチルビニルエーテル、ポリ(N−イソプロピルア
クリルアミド)、オキシエチレンユニットを側鎖に有す
るポリビニルエーテル、ポリアクリロイルピロリジン、
ポリアクリロイルピペリジンから選ばれた感温性高分子
の少なくとも1つと、側鎖にトリフェニルメタン誘導体
を有する化合物の共重合体が用いられる。
【0032】着色微粒子3を分散させる溶媒4は、着色
微粒子3を安定分散させ、なおかつ適度な粘性と乾燥特
性を有するものが望ましい。また、転写媒体1との親・
疎水性バランスの選定が重要である。すなわち、外部シ
ェル層3cを構成する高分子材料との界面張力の値を、
外部シェル層3cと転写媒体1との界面張力の値よりも
十分に大きくとる必要がある。
【0033】このような溶媒として、各種パラフィン
類、芳香族炭化水素類、水、比較的低分子量のシリコー
ンオイル、アマニ油等を用いることができるが、油系溶
媒が特に好ましい。また、これら溶媒に対する補助的粘
性調製材として、比較的高分子量の各種高分子を溶解さ
せることもできる。
【0034】さて、このような構成の画像記録装置Pに
おいて、以下、その記録方法をより詳しく説明する。
【0035】なお、ここでは着色微粒子3として、後述
の作成例に示すN−イソプロピルアクリルアミドとトリ
フェニルロイコヒドロキシドの共重合体を外部シェル層
3cに用いた例で説明する。
【0036】〈初期化〉まず、転写媒体1を移動(図1
の矢視b,c方向)させるとともに、インク供給ロール
5bを回転させる(図1の矢視a方向)。これにより、
インク供給ロール5bによりインク槽5内のインク材2
がくみ上げられ転写媒体1に供給される。
【0037】しかし、この初期状態ではインク材2の着
色微粒子3の外部シェル層3cは相転移温度が常温より
も高い温度のTCLとなっており親水性であるから、疎水
性である転写媒体1との間には相互作用引力(付着力)
は働かず、付着しない。外部シェル層3cの光解離基で
あるトリフェニルメタン誘導体は、非イオン状態で安定
である。
【0038】〈潜像形成〉潜像形成手段6によって、転
写媒体1を介して画像情報に対応した非画像光(着色し
ようとする文字部以外の背景部を照射:正規像)を照射
する。トリフェニルメタン誘導体の場合、紫外成分を含
む記録光hνによってイオン解離し、画像の非画線部の
相転移温度のみがTCLからTCHへ上昇する。画像の画線
部の相転移温度は、TCLのままで変化しない。すなわ
ち、インク供給ロール5bに担持されるインク材2に、
相転移温度の異なる領域からなる潜在的画像が形成され
る。
【0039】〈温度制御〉ついで、温度制御手段7によ
り転写媒体1およびインク供給ロール5bに担持される
インク材2がTCLとTCHの間の適切な温度(中間温度T
X)まで昇温される。すると、相転移温度の低いTCL領
域で相転移が生じ、疎水性になる。中間温度TXにおい
ては、相転移温度の高いTCH領域では親水性のままであ
る。従って、TCL領域の着色微粒子3(外部シェル層3
c)は最も界面張力の小さくなる転写媒体1に対して相
互作用引力(付着力)が働き、選択的に付着する。すな
わち、着色微粒子3による画線部の顕像が形成される。
【0040】〈冷却〉着色微粒子3の付着した転写媒体
1はさらに移動され、搬送手段としての転写ロール9と
対向する位置まで移動する間に自然冷却されることにな
る。この冷却で着色微粒子3が相転移温度TCLよりも低
温となれば外部シェル層3cが疎水性から親水性に変化
する。よって、転写媒体1が疎水性であるのに対して、
外部シェル層3cが親水性であるから、付着力を失って
転写媒体1に保持される。
【0041】〈転写〉着色微粒子3による顕像の先端が
転写ロール9と対向する位置に到達するタイミングで被
転写材8が搬送される。被転写材8は常温に保持され搬
送され、しかも熱容量が大きいため、顕像は被転写材8
に接触すると同時に相転移温度TCLよりも低温に確実に
冷却される。従って、この時点でも、上記付着能低下作
用が起こる。また、被転写材8は、転写媒体1と比べて
親水性であるゆえ、転写媒体1上の着色微粒子3(親水
性となっている)は被転写材8へ移行し易くなってい
る。従って、着色微粒子3が容易に被転写材8へ移行し
て転写が完了する。
【0042】転写後、インク材2の一部が転写媒体1に
残るが、転写媒体1はさらに移動して再びインク供給部
に戻りインク供給ロール5bにより供給されるインク材
2と混合されてしまうので、転写媒体1をクリーニング
するような格別の構成は必要としない。
【0043】一方、画像の非画線部のインク材2(TCH
領域)はインク供給ロール5bにより温度制御手段7か
ら離れてインク槽5内に搬送されるが、その間に、着色
微粒子3のトリフェニルメタン誘導体が再びイオン結合
し相転移温度がTCHからTCLへ復帰するので、一度光
照射されたインク材2は繰り返し使用できる。
【0044】以上の工程を繰り返すことによって連続的
に画像記録を行うことができる。
【0045】以下、本発明に用いたインク材2の作成例
を記す。
【0046】〈作成例〉スチレンとアクリルアミド誘導
体をソープフリー乳化共重合すると、両者の親・疎水性
の違いに因り、表面・内部の組成が異なるラテックス粒
子が得られる。この粒子をシード粒子(種粒子)とし
て、アクリルアミド誘導体をシード重合すると、外部シ
ェル層が補強されたコアシェル粒子が作成される。
【0047】感温性アクリルアミド誘導体であるN−イ
ソプロピルアクリルアミドとアクリロイルピロリジンお
よび光解離分子であるトリフェニルメタン誘導体を側鎖
に有するビス(4−(ジメチルアミノ)フェニル)(4
−ビフェニル)メチルロイコシアニドとの共重合体を用
いて、感光感温性ハイドロゲルを外部シェル層とするコ
アシェル構造の粒子を作成し、被転写材に記録する着色
微粒子分散インクとした例を示す。
【0048】−内部コアの作成− 容器中に、イオン交換水、およびイオン交換水に対し
て、N−イソプロピルアクリルアミドモノマーを0.1
Mと、スチレンを1M、顔料としてカーボンブラックを
スチレンに対して1.5wt%、重合開始剤として過硫
酸カリウムを0.004M加え、70℃で約24時間撹
拌してシード粒子を得た。
【0049】−外部シェル層の作成− N−イソプロピルアクリルアミドの重合体とアクリロイ
ルピロリジンの重合体は、水に対してそれぞれ31〜3
2℃、および51〜52℃においてLCST型の相分離
をする。従って、両単量体のモル比を調節することで、
得られる共重合体の相分離温度を31〜52℃の間に設
定できる。この共重合体の相転移温度を光照射により可
逆的に制御するためのビス(4−(ジメチルアミノ)フ
ェニル)(4−ビフェニル)メチルロイコシアニドの割
合は、0.1〜5モル%程度で十分である。
【0050】容器中に、イオン交換水、およびイオン交
換水に対して、上記シード粒子を5wt%、上記感光感
温性高分子を形成する各モノマーの混合物を合計で0.
2M、架橋剤としてメチレンビスアクリルアミドを0.
005M、重合開始剤として過硫酸カリウムを0.00
1M加え、70℃で約3時間撹拌し、外部シェル層が補
強されたコアシェル粒子(相転移温度TCL=40℃、
TCH=45℃)を得た。
【0051】−コアシェル粒子の分散− このようにして作成したコアシェル粒子(着色微粒子
3)の水溶液を容器10に採り(図4参照)、暗所にて
相転移温度TCL以下に保持した。このコアシェル粒子の
水溶液に、TCL以下に保持した油(ドデカン)を加え
て、上層に油層O、下層にコアシェル粒子の水層Wを有
する2層溶液とした。この溶液の2層界面に、図4に示
すように、ヒータ付疎水性フィルムロール11を設置
し、回転させた。
【0052】ロール11は、界面上層においては相転移
温度TCL以下、界面下層においては相転移温度TCL以上
となるようにした。界面下層のコアシェル粒子の水層W
において、ロール11近傍の加熱エリアではコアシェル
粒子の外部シェル層が親水性から疎水性に変化し、疎水
性−疎水性相互作用により、コアシェル粒子は疎水性フ
ィルムロール11に付着した。ロール11が回転して上
層の油層Oに入ると、ロール11がTCL以下になるの
で、コアシェル粒子の外部シェル層が疎水性から親水性
に変化し、疎水性フィルムロール11への付着力を失っ
て油層O中に分散された。
【0053】コアシェル粒子を油層Oに移動させること
により、本発明に適用する油系のインク材(着色微粒子
分散インク)を得た。
【0054】なお、上記ビス(4−(ジメチルアミノ)
フェニル)(4−ビフェニル)メチルロイコシアニドに
代えて、ビス(4−(ジメチルアミノ)フェニル)(4
−ビフェニル)メチルロイコヒドロキシドを用いてもよ
い。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、相転移挙
動を示す感温性高分子に、光照射によりイオン解離する
官能基を導入し、相転移温度Tcが二つの相転移温度T
CLおよびTCH(ただし、TCL<TCH)間で可逆的に変化
可能とした外部シェル層を有するコアシェル粒子型の着
色微粒子を溶媒に分散させてなるインク材を利用し、こ
れに疎水性表面を有する光透過性のフィルム状転写媒体
を介して画像情報に対応した画像光を照射してインク材
の相転移温度TcがそれぞれTCLとTCHであるところの
異なる領域からなる潜像を形成し、インク材をTCLとT
CHの間の温度に設定することで、相転移が生じて転写媒
体への付着性の高まったTCL領域の着色微粒子により一
旦転写媒体へ画像形成し、これを被転写媒体に移行させ
るようにしたので、構成が簡単で高品質のカラー記録画
像を容易かつ安価に形成することができる色材転写光記
録方法を提供できる。
【0056】より具体的には、着色微粒子に内包させる
着色材を適宜交換することにより容易にカラー記録画像
を形成することができるとともに、通常の親水性の被転
写材であればどのような紙質であっても良好な記録画像
を得ることができる。また、インク材は着色微粒子のみ
選択的に画像部に付着して消費されるものであるから、
ランニングコストが安価で、省資源ともなる。さらに、
このような記録方法を実施する装置を複数個内蔵したマ
ルチカラー記録装置も容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく色材転写光記録装置の基本構造
を示す図。
【図2】本発明のインク材に用いる着色微粒子の拡大
図。
【図3】本発明の着色微粒子の転写媒体に対する付着性
と相転移挙動を説明するためのグラフ図。
【図4】本発明に適用するインク材の作成例を示す図。
【符号の説明】
1・・・転写媒体 2・・・インク材(着色微粒子分散インク) 3・・・着色微粒子 3a・・・内部コア 3b・・・着色材 3c・・・外部シェル層 4・・・溶媒 5a・・・インク槽 5b・・・インク供給ロール 6・・・潜像形成手段(光照射装置) 7・・・温度制御手段 8・・・被転写材 9・・・転写ロール 10・・・容器 11・・・ヒータ付疎水性フィルムロール P・・・記録装置 R1〜R4・・・ガイドロール O・・・油層 W・・・水層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色材を含み高分子からなる内部コア
    と、相転移温度Tcを境に、それよりも低温度で疎水性
    を示し高温度で親水性を示すと共に、二つの相転移温度
    TCLおよびTCH(ただし、TCL<TCH)間で可逆的に変
    化可能であり、特定波長の光照射によって前記TCLから
    TCHへ変化する感光感温性高分子からなる外部シェル層
    とで構成された着色微粒子を溶媒に分散させてなるイン
    ク材に、疎水性表面を有する光透過性の転写媒体を接触
    させる工程と、 前記転写媒体を介して画像情報に対応した画像光を照射
    して前記インク材に前記相転移温度Tcがそれぞれ前記
    TCLとTCHであるところの異なる領域からなる潜像を形
    成する工程と、 前記潜像の形成されたインク材を前記TCLとTCHの間の
    温度TXに設定し、前記TCL領域を疎水性にして前記転
    写媒体に対する付着能を向上させて前記画像情報に対応
    した前記着色微粒子による顕像を前記転写媒体の疎水性
    表面上に形成する工程と、 前記疎水性表面上の顕像の温度を相転移温度TCLよりも
    低い温度にして、前記外部シェル層を親水性に変化させ
    ることにより、前記転写媒体に対する付着能を低下させ
    る工程と、 前記転写媒体の疎水性表面に被転写材を接触させること
    により、前記着色微粒子による顕像を前記被転写材に移
    行させる工程を順次行い、画像を記録することを特徴と
    する色材転写光記録方法。
  2. 【請求項2】 着色材を含み高分子からなる内部コア
    と、相転移温度Tcを境に、それよりも低温度で疎水性
    を示し高温度で親水性を示すと共に、二つの相転移温度
    TCLおよびTCH(ただし、TCL<TCH)間で可逆的に変
    化可能であり、特定波長の光照射によって前記TCLから
    TCHへ変化する感光感温性高分子からなる外部シェル層
    とで構成された着色微粒子を溶媒に分散させてなるイン
    ク材を供給するインク供給手段と、 疎水性表面を有し無端状に設けられた光透過性のフィル
    ム状転写媒体と、 前記フィルム状転写媒体を前記インク供給手段のインク
    材に接触させつつ循環移動自在に支持する支持手段と、 前記転写媒体を循環移動する駆動手段と、 前記転写媒体の内周面の所定位置に設けられ、前記転写
    媒体を介して前記インク材に画像情報に対応した画像光
    を照射して前記インク材に前記相転移温度Tcがそれぞ
    れ前記TCLとTCHであるところの異なる領域からなる潜
    像を形成する潜像形成手段と、 前記潜像形成手段の前記転写媒体移動方向下流に設けら
    れ、前記潜像の形成されたインク材を前記TCLとTCHの
    間の温度に設定し、前記TCL領域の前記着色微粒子の外
    部シェル層を疎水性に変化させることにより、前記TCL
    領域を疎水性にして前記転写媒体に対する付着能を向上
    させて前記画像情報に対応した前記着色微粒子による顕
    像を前記転写媒体の疎水性表面上に形成する温度制御手
    段と、 前記温度制御手段の配設位置を通過後の前記転写媒体の
    疎水性表面に相転移温度TCLよりも低い温度にある被転
    写材を接触させつつ搬送する搬送手段とを備え、 前記潜像形成手段により形成された前記TCL領域の着色
    微粒子の外部シェル層が疎水性に変化して前記転写媒体
    に付着して形成された顕像を前記被転写材に移行させて
    画像を記録することを特徴とする色材転写光記録装置。
  3. 【請求項3】 前記外部シェル層はその感温性高分子鎖
    の側鎖の一部に光によってイオン解離する官能基を有す
    る請求項1記載の色材転写光記録方法あるいは請求項2
    記載の色材転写光記録装置。
  4. 【請求項4】 前記着色材が、ジアリーリッドイエロ
    ー、ジアリールアミドイエロー、ベンジジンイエロー、
    ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、フタロシ
    アニンブルー、カーボンブラック、酸化チタンから選ば
    れた少なくとも1つの着色料を含み、 前記内部コアが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
    スチレンから選ばれた疎水性高分子の少なくとも1つで
    あり、 前記外部シェル層が、ポリエチレンオキシド、ポリメチ
    ルビニルエーテル、ポリ(N−イソプロピルアクリルア
    ミド)、オキシエチレンユニットを側鎖に有するポリビ
    ニルエーテル、ポリアクリロイルピロリジン、ポリアク
    リロイルピペリジンから選ばれた感温性高分子の少なく
    とも1つと、側鎖にトリフェニルメタン誘導体を有する
    化合物との共重合体である請求項3記載の色材転写光記
    録方法あるいは色材転写光記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010534554A (ja) * 2007-07-17 2010-11-11 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 疎水性の固体表面を用いた選鉱法

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JP2010534554A (ja) * 2007-07-17 2010-11-11 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 疎水性の固体表面を用いた選鉱法

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