JPH07281377A - ハロゲン化銀写真感光材料用の定着能を有する錠剤型処理剤の製造方法及び製造された処理剤 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料用の定着能を有する錠剤型処理剤の製造方法及び製造された処理剤

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JPH07281377A
JPH07281377A JP24632694A JP24632694A JPH07281377A JP H07281377 A JPH07281377 A JP H07281377A JP 24632694 A JP24632694 A JP 24632694A JP 24632694 A JP24632694 A JP 24632694A JP H07281377 A JPH07281377 A JP H07281377A
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Hiroshi Yamashita
博 山下
Takeshi Haraguchi
剛 原口
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 処理性能に影響を与えることなく、保存や輸
送に耐え得る強度の定着用錠剤型処理剤及びその製造方
法を提供する。更に、造粒過程を簡略化して生産性の向
上を図りつつも、充分な強度を有する定着又は漂白定着
用錠剤型処理剤を提供する。 【構成】 JIS規格による粒度が149μm未満の粉粒が40
重量%以下の粉粒体を圧縮形成して得られ、チオ硫酸塩
を65重量%以上含有するハロゲン化銀写真感光材料用の
定着能を有する錠剤型処理剤、及びその製造方法とし
て、チオ硫酸塩を65重量%以上含有し、且つJIS規格に
よる粒度が149μm未満の粉粒が40重量%以下の粉粒体を
圧縮形成すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料用の錠剤型処理剤に関し、詳しくは、製造直後のみな
らず保存後及び輸送後においても実用上充分な強度及び
処理性能を保持し、更には生産性を向上し得る定着能を
有する錠剤型写真処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境対応の観点から、ハロゲン化
銀写真感光材料用の処理剤の固体化が検討されており、
例えば、特開平5-119454号、同5-165174号及び同5-2326
56号等の各公報に、定着能を有する処理剤として錠剤型
に成形された固体処理剤が記載されている。
【0003】上記各公報に記載された定着処理用錠剤型
処理剤は、製造過程等の調温・調湿された空間に保持さ
れている場合及び製造直後においては充分な強度を有し
ているにもかかわらず、製品輸送時の連続的な振動や、
流通過程やユーザー保管時等における温度・湿度の変化
により実用上の強度に問題が発生することが分かった。
【0004】実用上の充分な強度を有する定着処理用の
錠剤を得る方法として、例えば、定着剤成分を多量の結
合剤と混合し打錠する、あるいは定着剤成分を予め粉末
化し結合剤とともに顆粒を製造しこれを打錠する等の方
法を用いることができるが、これらにより得られるもの
は、たとえ一般的に用いられる水に対する溶解度の大き
い結合剤を用いたとしても、多量の結合剤を含有してい
るため、特に定着剤あるいは漂白定着剤では補充で投入
する固体処理剤の量が他の処理剤に比較して多くなるた
め、溶解時に沈殿物や浮遊物を発生したり、処理性能に
影響を与えることとなる。又、後者の方法では、前記理
由により多量の顆粒の製造を必要とし、造粒工程、乾燥
工程等を含めた生産性も問題であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
よりなされたもので、その目的は、処理性能に影響を与
えることなく、保存や輸送に耐え得る強度の定着又は漂
白定着用錠剤型処理剤及びその製造方法を提供すること
にある。
【0006】更に本発明の他の目的は、造粒過程を簡略
化して生産性の向上を図りつつも、充分な強度を有する
定着又は漂白定着用錠剤型処理剤を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、JI
S規格による粒度が149μm未満の粉粒が40重量%以下の
粉粒体を圧縮形成して得られ、チオ硫酸塩を65重量%以
上含有するハロゲン化銀写真感光材料用の定着能を有す
る錠剤型処理剤、前記粉粒体が亜硫酸塩、亜硫酸水素
塩、ピロ亜硫酸塩及び重亜硫酸塩付加物から選ばれる少
なくとも1種を含有すること、前記粉粒体の少なくとも
1部がチオ硫酸塩結晶及び/又はチオ硫酸塩結晶破片で
あること、前記粉粒体がチオ硫酸塩結晶及び/又はチオ
硫酸塩結晶破片と湿式造粒により得られた顆粒との混合
体であること、前記粉粒体が前記一般式〔K−1〕〜
〔K−10〕で表される化合物から選ばれる少なくとも1
種を含有すること、前記粉粒体のJIS規格による粒度が2
000μm以上の粉粒が20重量%以下であること、前記粉粒
体が水溶性のポリマー又は糖類を0.5〜10.0重量%含有
すること、及びその製造方法として、チオ硫酸塩を65重
量%以上含有し、且つJIS規格による粒度が149μm未満
の粉粒が40重量%以下の粉粒体を圧縮形成すること、チ
オ硫酸塩結晶及び/又はチオ硫酸塩結晶破片と、湿式造
粒により得られた顆粒を混合して、圧縮形成すること、
チオ硫酸塩結晶及び/又はチオ硫酸塩結晶破片を混合
物の総重量に対して30%以上99%以下とし、JIS規格
による粒度が149μm未満の粉粒が40重量%以下の湿式造
粒物を混合物の総重量に対して1%以上70%以下とし、
且つチオ硫酸塩結晶及び/又はチオ硫酸塩結晶破片及
びJIS規格による粒度が149μm未満の粉粒が40重量%以
下の湿式造粒物の合計を混合物の総重量に対して80%以
上となるように混合して、圧縮形成すること、チオ硫酸
塩結晶及び/又はチオ硫酸塩結晶破片を目びらき0.35mm
以上2.0mm以下のスクリーンを用いて整粒した後に混合
すること、湿式造粒により得られた顆粒がチオ硫酸塩を
20重量%以上含有すること、造粒中及び乾燥中に粉粒体
温度を60℃以下に調整して湿式造粒すること、チオ硫酸
塩結晶及び/又はチオ硫酸結晶破片、湿式造粒により得
られた顆粒、及び、水溶性ポリマー及び糖類から選ばれ
る少なくとも1種を混合して、圧縮形成すること、によ
り達成される。
【0008】以下本発明を詳しく説明する。
【0009】本発明で言う定着能を有する錠剤型処理剤
とは、該錠剤型処理剤を溶解した際にハロゲン化銀写真
感光材料の定着処理を行うことが可能なもののことをい
い、定着剤、漂白定着剤、酸性硬膜定着剤等に適用可能
である。
【0010】本発明でいう粉粒体とは、微粒結晶からな
る粉体、結晶あるいは結晶破片又はそれらを造粒して得
られた顆粒から選ばれる単体又はそれぞれの混合物のこ
とをいう。
【0011】本発明はチオ硫酸塩を65重量%以上含有
し、JIS規格による粒度が149μm未満の粉粒が40重量%
以下の粉粒体を圧縮形成して得られる錠剤であるが、こ
の粉粒体の好ましい粒度としては、149μ未満の粉粒を2
0重量%以下とすることである。
【0012】本発明でいうJIS規格による粒度とは、JIS
-Z8801の篩を用い、篩分け法により、前記篩を通過する
又は不通過である粉粒体の重量を測定することにより求
めた値である。
【0013】本発明において粉粒体の好ましいチオ硫酸
塩の含有率は75重量%以上であり、更には85重量%以上
が好ましい。更にJISによる粒度が2000μm以上のものが
20重量%以下であることが好ましく、より好ましくはJI
Sによる粒度が2000μm以上のものを実質的に含有しない
ことである。
【0014】本発明に係わる顆粒(造粒物)は、チオ硫
酸塩を20重量%以上含有することが好ましい。これによ
り圧縮形成した際の錠剤の硬度を高めると同時に保存時
の膨張や硬度低下を抑制することができる。この場合、
造粒中及び乾燥中の粉粒体の温度を60℃以下に調整する
ことが好ましい。60℃を越える場合には、チオ硫酸塩が
硫化し、処理剤を溶解したときに沈殿が発生する危険が
ある。
【0015】本発明に係わる顆粒形成のための造粒方法
は、造粒工程で溶媒を注加することを特徴とする湿式造
粒であり、転動造粒、押し出し造粒、解砕造粒、撹拌造
粒、流動層造粒、噴霧乾燥造粒等の公知の方法を用いる
ことができる。溶媒としては水を用いることが好まし
い。又本発明の粉粒体を加圧圧縮して錠剤に形成する際
には、公知の圧縮機、例えば油圧プレス機、単発式打錠
機、ロータリー式打錠機、ブリケッティングマシーン等
を用いることができる。
【0016】本発明における整粒とは、粗粉砕、すなわ
ち2000μm程度以上の粉粒体をそれ以下のサイズに砕く
ことを指し、造粒前に原料を100μm以下に微粉砕すると
きに用いる粉砕とは異なる。整粒においてはハンマーミ
ル型、ロールミル型、スクリーンミル型等の粉砕機を用
いることができる。中でも、破壊羽根で粉粒体を破砕
し、スクリーンにより一定の粒度以下の粉粒体のみを排
出するタイプのものが好ましく、例えばフラッシュミル
(不二パウダル社製)、ニュースピードミル(岡田精工
社製)等が市販されている。本発明においては、湿式造
粒した顆粒を必要に応じて整粒して用いてもよく、特に
2000μm以上の粉粒体が存在する場合は整粒するのが好
ましい。又、造粒しないチオ硫酸塩結晶又はチオ硫酸塩
結晶破片は整粒した後に他の成分の粉粒体と混合するこ
とが好ましく、この際のスクリーンの目開きは、0.35mm
以上2.0mm以下が作業性及び圧縮形成した際の錠剤の硬
度の点で好ましい。ここに“整粒した後に混合する”場
合、予め整粒したものを保管して適宜混合に用いてもよ
いが、整粒した後長期間保管するとブロッキングを起こ
しやすいため、整粒直後からせいぜい整粒後数日以内に
混合することが好ましい。
【0017】本発明の錠剤型処理剤はチオ硫酸塩として
アンモニウム、カリウム、ナトリウム等の各塩を単独又
は併用で含有する。
【0018】本発明の錠剤型処理剤には、保存、輸送等
による錠剤型処理剤の劣化を抑制するために、アンモニ
ウム、カリウム、ナトリウム等の亜硫酸塩、亜硫酸水素
塩、ピロ亜硫酸塩及び重亜硫酸塩付加物から選ばれる少
なくとも1種を1〜30重量%含有せしめるのが好まし
い。
【0019】重亜硫酸塩付加物としては、下記一般式
〔I〕及び〔II〕で表される化合物の重亜硫酸塩付加物
として添加する。
【0020】
【化11】
【0021】式中、R1は水素原子、アルキル基、アル
ケニル基、アラルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、ヘテロ環基、カルボキシ基、ベンゾイル基、アシル
基、ホルミル基又はカルバモイル基の置換又は未置換の
各基を表し、R2は水素原子又はメチル基を表す。
【0022】
【化12】
【0023】式中、Yは3〜6員環のシクロアルキル
基、ヘテロ環基を形成するのに必要な原子群を表し、Z
は置換基を表し、nは0〜5の整数を表す。nが2〜5
の整数を表す場合は、Zは同一であっても異なっていて
もよい。
【0024】以下に、一般式〔I〕または〔II〕で表さ
れる具体的化合物を示す。
【0025】
【化13】
【0026】
【化14】
【0027】
【化15】
【0028】
【化16】
【0029】本発明の錠剤型処理剤には、実用上良好な
強度を得るという点で、0.1〜10重量%の一般式〔K−
1〕〜〔K−10〕で表される化合物を含有せしめるのが
好ましい。使用できる該化合物の具体例を以下に示す
が、これに限定されるものではない。
【0030】(1)1,3-プロパンジアミン四酢酸 (2)2-ヒドロキシ-1,3-プロパンジアミン四酢酸 (3)2,3-プロパンジアミン四酢酸 (4)1,4-ブタンジアミン四酢酸 (5)2-メチル-1,3-プロパンジアミン四酢酸 (6)N-(2-ヒドロキシエチル)-1,3-プロパンジアミン
三酢酸 (7)1,3-プロパンジアミンテトラキスメチレンホスホ
ン酸 (8)2-ヒドロキシ-1,3-プロパンジアミンテトラキス
メチレンホスホン酸 (9)2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン四酢酸 (10)2,4-ブタンジアミン四酢酸 (11)2,4-ペンタンジアミン四酢酸 (12)2-メチル-2,4-ペンタンジアミン四酢酸
【0031】
【化17】
【0032】
【化18】
【0033】
【化19】
【0034】
【化20】
【0035】(39)エチレンジアミン四酢酸 (40)トランス-1,2-シクロヘキサンジアミン四酢酸 (41)ジヒドロキシエチルグリシン酸 (42)エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸 (43)ニトリロトリスメチレンホスホン酸 (44)ジエチレントリアミンペンタキスメチレンホスホ
ン酸 (45)ジエチレントリアミン五酢酸 (46)エチレンジアミンジオルトヒドロキシフェニル酢
酸 (47)ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸 (48)エチレンジアミンジプロピオン酸 (49)エチレンジアミン二酢酸 (50)ヒドロキシエチルイミノ二酢酸 (51)ニトリロ三プロピオン酸 (52)トリエチレンテトラミン六酢酸 (53)エチレンジアミン四プロピオン酸 本発明の錠剤型処理剤には、更にチオシアン酸塩、メソ
イオン化合物、チオエーテル系化合物、界面活性剤、緩
衝剤等の公知の定着能を有する固体処理剤を構成する成
分を含有せしめることができる。
【0036】本発明においては、打錠する粉粒体の粒度
を特定したことにより、含有するチオ硫酸塩の少なくと
も1部を原料の結晶あるいはこれを粉砕した結晶破片を
本発明の粒度にて結晶形態のまま造粒せずに用いても、
形成される錠剤は実用上充分な強度を得ることが可能と
なるため、造粒量を著しく軽減できる。尚、圧縮形成す
る粉粒体の粒度は、整粒、分級等の公知の方法により調
整することができる。
【0037】造粒工程の簡略化のためには、原料結晶を
顆粒化しないで整粒、分級等により本発明の粒度に調整
し圧縮形成して直接錠剤を得ることが望ましいが、錠剤
構成成分の1部を顆粒化して用いてもよく、実用上充分
な強度を保ちつつ造粒量を減らし得る範囲として、チ
オ硫酸塩結晶及び/又はチオ硫酸塩結晶破片を混合物の
総重量に対して30%以上99%以下とし、JIS規格によ
る粒度が149μm未満の粉粒が40重量%以下の湿式造粒物
を混合物の総重量に対して1%以上70%以下とし、且つ
チオ硫酸塩結晶及び/又はチオ硫酸塩結晶破片及びJI
S規格による粒度が149μm未満の粉粒が40重量%以下の
湿式造粒物の合計を混合物の総重量に対して80%以上と
なるように混合することが好ましい。
【0038】本発明においては、造粒時又は打錠時に水
溶性ポリマー又は糖類を単独又は併用して0.5〜10.0重
量%添加混合することにより、不溶物を発生したり、処
理性能に影響を与えたりすることなく実用上の強度を向
上させることができ好ましい。
【0039】本発明の効果を有効に得ることのできる水
溶性ポリマー又は糖類としては、ポリアルキレングリコ
ール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルアセタール、ポリビニルアセテート、アクリ
ル酸-アクリル酸エステル系共重合体、アクリル酸-アク
リルアミド系共重合体、アクリル酸系ベタイン型共重合
体、セルロース類、デキストリン類、澱粉分解物、二糖
類、単糖類などが挙げられる。
【0040】本発明に用いられるポリアルキレングリコ
ールは下記一般式〔A〕で示される。
【0041】一般式〔A〕 HO−(A)n1−(B)n2−(C)n3−H 式中、A,BおよびCは、それぞれ−CH2CH2O−、−CH
(R12)CH2O−、−CH2CH2CH2O−または−CH2CH(R12)CH2O
−を表す。R12は置換または未置換の低級アルキル基
(メチル基、エチル基、プロピル基等)または水酸基を
表す。n1,n2およびn3はそれぞれ0または1乃至500
の整数を表す。この化合物の平均分子量は1000乃至2000
0の範囲が好ましい。ここでいう平均分子量は水酸基価
より算出したものである。以下にポリアルキレングリコ
ールの好ましい具体的例示化合物を示す。
【0042】
【化21】
【0043】上記具体的例示化合物の中でも、A−1で
表されるいわゆるポリエチレングリコールが特に好まし
い。
【0044】本発明で好ましく用いられるセルロース類
としては、メチルセルロース、ジメチルセルロース、ト
リメチルセルロース、エチルセルロース、ジエチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチ
ルセルロース、アミノエチルセルロース、ヒドロキシメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
アセテートサクシネート、カルボキシメチルヒドロキシ
エチルセルロース等が挙げられる。
【0045】本発明で好ましく用いられるデキストリン
類としては、マルトデキストリン、α-シクロデキスト
リン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリ
ン、ヒドロキシプロピル-α-シクロデキストリン、ヒド
ロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプ
ロピル-γ-シクロデキストリン等が挙げられる。
【0046】本発明でいう単糖類とは、単一のポリヒド
ロキシアルデヒド、ポリヒドロキシケトンおよびこれら
の還元誘導体、酸化誘導体、デオキシ誘導体、アミノ誘
導体、チオ誘導体等の広い範囲の誘導体の総称である。
多くの糖は、一般式−CnH2nOn−で表されるが、この一
般式で表される糖骨格から誘導される化合物も含めて、
ここでは単糖類と定義する。これらの単糖類のうちで好
ましいものは、炭素数が3〜7のトリオース、テトロー
ス、ペントース、ヘキソース、ヘプトースおよびその誘
導体である。
【0047】本発明に用いられる単糖類の具体的例示化
合物を以下に示す。
【0048】(1)グリセルアルデヒド、(2)ジヒドロキ
シアセトン(二量体を含む)、(3)D-エリトロース、(4)
L-エリトロース、(5)D-トレオース、(6)L-トレオー
ス、(7)D-リボース、(8)L-リボース、(9)D-アラビノ
ース、(10)L-アラビノース、(11)D-キシロース、(12)L-
キシロース、(13)D-リキソース、(14)L-リキソース、(1
5)D-キシルロース、(16)L-キシルロース、(17)D-リブロ
ース、(18)L-リブロース、(19)2-デオキシ-D-リボー
ス、(20)D-アロース、(21)L-アロース、(22)D-アルトロ
ース、(23)L-アルトロース、(24)D-グルコース、(25)L-
グルコース、(26)D-マンノース、(27)L-マンノース、(2
8)D-グロース、(29)L-グロース、(30)D-イドース、(31)
L-イドース、(32)D-ガラクトース、(33)L-ガラクトー
ス、(34)D-タロース、(35)L-タロース、(36)D-キノボー
ス、(37)ジギタロース、(38)ジギトキソース、(39)シマ
ロース、(40)D-ソルボース、(41)L-ソルボース、(42)D-
タガトース、(43)D-フコース、(44)L-フコース、(45)2-
デオキシ-D-グルコース、(46)D-プシコース、(47)D-フ
ルクトース、(48)L-フルクトース、(49)L-ラムノース、
(50)D-ラムノース、(51)D-ガラクトサミン、(52)D-マン
ノサミン、(53)D-グリセロ-D-ガラクトヘプトース、(5
4)D-グリセロ-D-マンノヘプトース、(55)D-グリセロ-L-
マンノヘプトース、(56)D-グリセロ-D-グロヘプトー
ス、(57)D-グリセロ-D-イドヘプトース、(58)D-グリセ
ロ-L-グルコヘプトース、(59)D-グリセロ-L-タロヘプト
ース、(60)D-アルトロヘプツロース、(61)D-マンノヘプ
ツロース、(62)D-アルトロ-3-ヘプツロース、(63)D-グ
ルクロン酸、(64)L-グルクロン酸、(65)トレイット、(6
6)エリトリット(エリスリトール)、(67)アラビット
(アラビトール)、(68)リビット(リビトール)、(69)
キシリット、(70)ソルビット(ソルビトール、グリシト
ール)、(71)マンニット(マンニトール)、(72)イジッ
ト、(73)タリット、(74)ズルシット(ガラクチトー
ル)、(75)アリット(アロズルシット)、等。
【0049】本発明でいう二糖類とは、2分子の単糖類
より成るものの総称であり、具体的例示化合物を以下に
示す。
【0050】(76)アガロビオース、(77)N-アセチルキト
ビオース、(78)N-アセチルラクトサミン、(79)イソマル
トース、(80)キシロビオース、(81)ゲンチオビオース、
(82)コージビオース、(83)スクロース(ショ糖)、(84)
セロビオース、(85)ソホロース、(86)α,α−トレハロ
ース、(87)マルトース(麦芽糖)、(88)メリビオース、
(89)ラクトース(乳糖)、(90)ラミナリビオース、(91)
ルチノース、等。
【0051】本発明で用いられるベタイン構造を有する
ビニル重合体は、重合性ビニル重合体の1分子中に陽イ
オンとして四級アンモニウムとカルボン酸の陰イオンを
持った分子内塩を少なくとも1種構成単位として有する
重合体を意味する。ベタイン構造には、溶液中もしくは
結晶状態において、水和物、例えば、 R3N+CH2COO-+H2O →(OH)-R3N+ CH2COOH の形で存在しているものも含まれる。
【0052】ベタイン構造を有する重合性ビニル単量体
を単独で重合させたものであっても良いが別の重合性ビ
ニル単量体と共重合させることが好ましい。本発明で
は、下記一般式IおよびIIで表される重合性ビニル単量
体をそれぞれ少なくとも1種含む共重合体であることが
特に好ましい。
【0053】
【化22】
【0054】この場合、一般式IおよびIIで表される単
量体以外に他の重合性ビニル単量体を共重合させてもよ
い。上記一般式Iにおいて、R1は水素原子またはメチル
基を表し、特にメチル基が好ましい。R2およびR5はそ
れぞれ炭素数1〜4のアルキレン基を表し、特に、メチ
レン基もしくはエチレン基が好ましい。R3およびR4
それぞれ炭素数1〜18のアルキル基を表し、特にメチル
基もしくはエチル基が好ましい。また、Aは酸素原子ま
たはNH基を表し、特に酸素原子が好ましい。上記一般式
IIにおいて、R6はR1同様、水素原子またはメチル基を
表し、特にメチル基が好ましい。R7は炭素数1〜18の
飽和、不飽和のアルキル基またはシクロアルキル基を表
す。本発明で用いられる重合体の好ましい重合比率は、
一般式Iで表される単量体20〜60重量%、一般式IIで
表される単量体30〜70重量%、および他の重合性ビニル
単量体0〜50重量%である。
【0055】上記単量体は、特開昭55-17009号に記載の
方法等により合成できる。前記重合体は、例えば、三菱
油化社製(ユカフォーマー)として市販されている。
【0056】次に、一般式IおよびIIで表される重合性
ビニル単量体の好ましい具体例を以下に示す。
【0057】
【化23】
【0058】
【化24】
【0059】
【化25】
【0060】これらの水溶性ポリマー及び糖類のうち特
に好ましく用いられるのはポリエチレングリコール、デ
キストリン類、澱粉分解物及び単糖類のうちの(65)〜(7
5)である。
【0061】これらの化合物は、造粒時に添加する等し
て顆粒中に含有させてもよいし、造粒せずに粉末や結晶
として、混合して用いてもよい。
【0062】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれらに限定されるものではな
い。
【0063】実施例1 (操作−1)定着処理用錠剤試料の作製−1 チオ硫酸アンモニウム 表1に記載の量 チオ硫酸ナトリウム 表1に記載の量 亜硫酸ナトリウム 2000g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 200g 上記化合物をそれぞれ市販のハンマーミル中で平均粒径
50μ以下になるまで粉砕した。
【0064】得られた粉体にパインフロー(松谷化学
(株)製)2重量%を添加してクロスロータリー式混合機
により混合し、次いで市販の撹拌造粒機で約10分間、水
を500ml添加しながら造粒した。
【0065】得られた造粒物を市販の流動層乾燥機で60
℃にて2時間乾燥し、整粒及び/又は分級を適宜行い、
表1に記載の粒度となるように調整した。
【0066】尚、粒度の測定はJIS−Z8801の篩を用い
ふるい分け法により残留又は通過する粉粒体の重量を測
定することにより行った。
【0067】このようにして得られた粉粒体試料を菊水
製作所(株)製クリーンプレスコレクト18Kを改造した打
錠機を用い、1錠当たりの充填量を11gとし、直径30mm
の臼と杵とで約1t/cm2の打錠圧で圧縮形成し、隅角
平面円筒状の定着処理用錠剤試料を作製した。
【0068】(実験1)上記操作によって得られた錠剤
試料の任意に抽出した100個を、それぞれ1個づつ製造
時に発生した微粉をほぼ完全に除去した後、蓋付きのス
チロール製角型ケース(縦45mm×横45mm×高さ22mm)に
入れた後、ポリエチレン製の包材で密閉し、これをIDEX
(株)社製VIBRATION TESTER BF-UAを用いて、振動条件5
〜67Hz/210secで3時間の振動テストを行い、テスト終
了後の錠剤試料の様子及びケースの内壁に付着する処理
剤の様子を目視にて確認した。結果を表1に示す。
【0069】評価基準は以下の通りである。
【0070】(状態1)=(×):錠剤試料に割れ又は
欠けが発生し、ケースに付着する処理剤の微粉の発生も
多い (状態2)=(△):錠剤試料に問題はないが、ケース
に付着する処理剤の微粉の発生が見られる (状態3)=(○):錠剤試料に問題はなく、ケースに
付着する処理剤の微粉の発生もほとんど見られない 上記評価の各状態における発生頻度として示した。
【0071】(状態1)=(×)の発生頻度が0以外の
定着処理用錠剤試料は製品の取り扱い上問題を発生す
る。又、(状態3)=(○)の発生頻度が高いものほど
製品上好ましいものとなる。
【0072】
【表1】
【0073】表中、チオ硫酸塩とはチオ硫酸アンモニウ
ムとチオ硫酸ナトリウムの重量比を90:10としたもので
ある。
【0074】表1より明らかな様に、本発明で規定する
範囲に粒度及びチオ硫酸塩の含有率を制御することによ
り、実用上問題の無い充分な強度を有した定着処理用錠
剤を安定して得られることが解る。
【0075】実施例2 (操作−2)定着処理用錠剤試料の作製−2 表2に記載の化合物(A) 2000g又は添加なし 表2に記載の化合物(K) 200g又は添加なし 炭酸カリウム 200g 上記化合物を実施例1の(操作−1)と同様に粉砕し、
これにパインフロー(松谷化学(株)製)2重量%を添加
して実施例1の(操作−1)と同様に混合、造粒及び乾
燥を行った。前記操作により得られた顆粒及びチオ硫酸
アンモニウムの顆粒化しない原料の結晶あるいは結晶片
90重量%を実施例1の(操作−1)と同様に整粒及び/
又は分級を適宜実施し、混合粉粒体の粒度が表2に記載
の値となるように調整し、混合粉粒体を得た。これを実
施例1の(操作−1)と同様に打錠を行い、定着用錠剤
試料を作製した。
【0076】(実験2−1) (操作−2)によって得られた錠剤試料から任意に抽出
した100個をそれぞれ (実験1)と同様に振動テストを行い、同様の評価をし
た。結果を表2に示す。 (実験2−2) (操作−2)によって得られた錠剤試料から任意に抽出
した100個をそれぞれ(実験1)と同様にケースに入れ
包材に密閉した後、温度50℃、湿度50%にて7日間保存
した後、(実験1)と同様に振動テストを行い、同様の
評価をした。結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】
【化26】
【0079】表中、化合物(K)の略称は以下の化合物
を示す。
【0080】 EDTA-2Na=エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 DTPA-5Na=ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩 PDTA-4H =1,3−プロパンジアミン四酢酸 EDDS-4H =エチレンジアミンジコハク酸 表2より明らかな様に、本発明で規定する範囲に粒度を
制御することにより、実用上問題の無い充分な強度の定
着用錠剤を安定して得ることができ、更に化合物(A)
及び/又は化合物(K)の添加により、より良好な結果
を示し、更にJIS規格による粒度2000μm以上のものを20
重量%以下、更には実質的に含有せしめないことにより
安定した強度を得て、より良好な結果を示すことが解
る。
【0081】実施例3 (操作−3)定着用錠剤試料の作製−3 チオ硫酸アンモニウム 2250g チオ硫酸ナトリウム 250g 亜硫酸ナトリウム 1800g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 200g 炭酸カリウム 200g 上記化合物を実施例1の(操作−1)と同様に粉砕し、
これに表3に記載の結合剤を表3に記載される量で添加
して実施例1の(操作−1)と同様に混合、造粒及び乾
燥を行った。得られた顆粒及びチオ硫酸アンモニウムの
顆粒化しない原料の結晶あるいは結晶片22500gを実施
例1の(操作−1)と同様に整粒及び/又は分級を適宜
施し、混合粉粒体の粒度が表3記載の値となるように調
整し、混合粉粒体を得た。これも実施例1の(操作−
1)と同様に打錠を行い定着処理用錠剤試料を作製し
た。
【0082】(実験3−1)上記(操作−3)によって
得られた錠剤試料から任意に抽出した100個をそれぞれ
(実験1)と同様に振動テストを行い、同様の評価をし
た。結果を表3に示す。
【0083】(実験3−2)上記(操作−3)により得
られた錠剤試料から任意に抽出した100個をそれぞれ
(実験1)と同様にケースに入れ包材に密閉し、温度50
℃、湿度50%にて7日間保存した後、(実験1)と同様
に振動テストを行い、同様に評価した。結果を表3に示
す。
【0084】
【表3】
【0085】表中、PEG#2000はポリエチレングリコ
ール#2000(関東化学(株)製)を示す。表3により明ら
かなように、本発明に規定する範囲に粒度を制御するこ
とにより、実用上問題の無い充分な強度の定着用錠剤を
安定して得ることができ、更に水溶性ポリマー又は糖類
の添加によりより良好な結果を示し、更にJIS規格によ
る粒度2000μm以上のものを20重量%以下、更には実質
的に含有しないことにより、安定した強度を得てより良
好な結果を示すことが解る。
【0086】実施例4 (操作−4)定着用錠剤試料の作製−4 チオ硫酸アンモニウム 5400g チオ硫酸ナトリウム 600g 亜硫酸ナトリウム 4000g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 400g 炭酸カリウム 400g 上記の化合物をそれぞれ市販のハンマーミルで平均粒径
50μm以下になるまで粉砕した。得られた粉体にパイン
フロー(松谷化学製)を2重量%添加して混合し、市販
の撹拌造粒機で約10分間、水を300ml添加しながら造粒
した。
【0087】得られた造粒物を市販の流動層乾燥機で層
内温度が55℃になるように給気温度及び風量を調整して
約2時間乾燥させた。造粒物は整粒及び分級を適宜行
い、149μm未満の粉粒が表4に記載の混合比となるよう
に調整した。
【0088】これとは別にチオ硫酸アンモニウムとチオ
硫酸ナトリウムの結晶混合物(重量比90:10)をニュー
スピードミル(岡田精工社製)でスクリーン目開きを0.
5mmとして整粒した。このときの149μm未満の粉粒は約
5重量%であった。
【0089】更に亜硫酸ナトリウム結晶を上記同様に整
粒したものを準備した。
【0090】これらを表4に記載の割合で市販のクロス
ロータリー混合機で10分間混合し、実施例1の(操作−
1)と同様に打錠を行い、定着用錠剤試料を作製した。
【0091】(実験4) (操作−4)によって得られた錠剤試料から任意に抽出
した20個の硬度を岡田精工社製の硬度計により測定し、
平均値を求めた。同様に抽出した20個の錠剤を、その厚
みを測定後、蓋付きのポリエチレン製ケースに入れ、更
に外側をアルミニウムでラミネートしたポリエチレン製
の包材で密閉し、温度45℃、相対湿度50%の恒温槽内で
2週間保存した。保存後の錠剤の厚みと硬度を測定し、
厚みの膨張率と硬度の低下の平均を以下により求めた。
尚、膨張率は5%以内、硬度低下は30%以内であれば製
品として実用上問題はないと見做すことができる。又、
生産性は打錠前に全量造粒した場合に要する工数を100
として、同じ重量の打錠前の粉体を得るのに要する工数
の概算値を求めた。
【0092】膨張率={(保存後の厚みの平均)−(保存
前の厚みの平均)}/(保存前の厚みの平均) 硬度低下={(保存後の硬度)−(保存前の硬度)}/(保
存前の硬度) 結果を表4に示す。
【0093】
【表4】
【0094】表4から、造粒物の重量比が1%以上、
又、チオ硫酸塩結晶破片の重量比が99%以下の場合
に、特に膨張や硬度低下が抑えられることが解る。尚、
造粒物の重量比が70%を超え、且つチオ硫酸塩結晶破
片の重量比が30%未満の場合は、作業工数が打錠前に全
量造粒した場合に比べて削減されず、コストメリットは
ほとんど期待できない。
【0095】又、造粒物及びチオ硫酸塩結晶破片の合計
量の重量比が80%以上の場合(試料No.4−12、4−1
3)には良好な結果が得られたのに対し、80%未満(試
料No.4−14)ではやや劣る結果となった。
【0096】同様に、造粒物中の149μm未満の粒子が40
重量%以下の場合(試料No.4−15、4−16)は、良好
なのに対し、40重量%を超えた場合(試料No.4−17)
はこれよりやや劣る結果となった。
【0097】実施例5 実施例4の(操作−4)において、チオ硫酸アンモニウ
ムとチオ硫酸ナトリウムの結晶混合物を整粒する際のス
クリーン目開きを表5に示すように変えて、同様に定着
用錠剤を作製した。このとき、造粒物中の149μm未満の
粒子は約5重量%であり、造粒物とチオ硫酸塩結晶(又
は破片)は20:80の重量比で混合(試料No.4−6に相
当)した。(実験4)と同様に評価した結果を表5に示
す。
【0098】
【表5】
【0099】表5により、スクリーンの目開きを0.35mm
以上2.0mm以下で整粒した場合に保存後の膨張や硬度低
下が少なく良好な結果が得られることが解る。尚、目開
きが0.35mm未満の場合には整粒に要する時間が増大する
とともに、微粉末の発生が多くなり、作業性が著しく低
下する。
【0100】実施例6 (操作−6)定着用錠剤試料の作製−6 チオ硫酸アンモニウム 表6に記載の量 チオ硫酸ナトリウム 表6に記載の量 亜硫酸ナトリウム 4000g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 400g 炭酸カリウム 400g 上記化合物を実施例4の(操作−4)と同様に粉砕し、
パインフローを2重量%添加して造粒した。得られた造
粒物を市販の流動層乾燥機で層内の温度が表6に記載の
値となるように給気温度及び風量を調整した。乾燥は顆
粒の水分による重量減少量が市販の赤外水分計を用い
て、100℃になるまで加熱したとき1.5%以下になるまで
行った。
【0101】この造粒物と、実施例4の(操作−4)と
同様に整粒したチオ硫酸アンモニウム及びチオ硫酸ナト
リウムの結晶破片を混合後の総重量に対するチオ硫酸塩
の比率が約90%になるように混合し、打錠した。
【0102】(実験6) 実施例4の(実験4)と同様にして、保存後の膨張率と
硬度低下を測定した。
【0103】(実験7) (操作−6)で得られた錠剤試料から任意に抽出した12
個を25℃、500mlの水に溶解させ、沈殿の有無を確認し
た。
【0104】以上の結果を表6に示す。
【0105】
【表6】
【0106】表中のチオ硫酸塩は、チオ硫酸アンモニウ
ムとチオ硫酸ナトリウムの重量比を90:10としたもので
ある。
【0107】表6から、錠剤中に含有するチオ硫酸塩の
重量比率が一定であっても、造粒物中のチオ硫酸塩の比
率が20%以上である場合に、膨張や硬度低下が特に良好
に抑えられていることが解る。又、乾燥中の温度が60℃
を超えた場合は、チオ硫酸塩が硫化し、沈殿が生ずるこ
とが解る。
【0108】実施例7 (操作−7)定着用錠剤試料の作製−7 実施例4の(操作−4)と同様にして造粒した顆粒と、
整粒したチオ硫酸塩結晶破片(重量でチオ硫酸アンモニ
ウム:チオ硫酸ナトリウム=90:10)を準備した。顆粒
とチオ硫酸塩結晶破片を重量比で20:80、更にソルビト
ール(東和化成社製;50Mパウダー)を表7に記載の比
率になるようにしてクロスロータリー混合機で10分間混
合した。これを実施例1の(操作−1)と同様にして打
錠した。
【0109】(実験7) 実施例4の(実験4)と同様にして保存後の膨張率と硬
度低下を測定した。結果を表7に示す。
【0110】
【表7】
【0111】ソルビトールを10重量%を超えて添加する
と打錠時の滑沢性が著しく損なわれ、連続打錠に支障が
あった。表7より、糖類(又は水溶性ポリマー)は造粒
せずに添加しても膨張や硬度低下の抑制に効果があり、
0.5重量%以上10.0重量%以下でその効果が顕著である
ことが解る。
【0112】
【発明の効果】本発明により、輸送や保存に対して実用
上問題の無い強度のハロゲン化銀写真感光材料用の定着
能を有する錠剤型処理剤を安定して得ることができ、
又、生産工程を簡略化しても尚、実用上問題の無い強度
のハロゲン化銀写真感光材料用の定着能を有する錠剤型
処理剤を得ることができる。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チオ硫酸塩を65重量%以上含有し、且つ
    JIS規格による粒度が149μm未満の粉粒が40重量%以下
    の粉粒体を圧縮形成することを特徴とするハロゲン化銀
    写真感光材料用の定着能を有する錠剤型処理剤の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 チオ硫酸塩結晶及び/又はチオ硫酸塩結
    晶破片と、湿式造粒により得られた顆粒を混合して、圧
    縮形成することを特徴とする請求項1に記載のハロゲン
    化銀写真感光材料用の定着能を有する錠剤型処理剤の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 チオ硫酸塩結晶及び/又はチオ硫酸塩
    結晶破片を混合物の総重量に対して30%以上99%以下と
    し、JIS規格による粒度が149μm未満の粉粒が40重量
    %以下の湿式造粒物を混合物の総重量に対して1%以上
    70%以下とし、且つチオ硫酸塩結晶及び/又はチオ硫
    酸塩結晶破片及びJIS規格による粒度が149μm未満の粉
    粒が40重量%以下の湿式造粒物の合計を混合物の総重量
    に対して80%以上となるように混合して、圧縮形成する
    ことを特徴とする請求項2に記載のハロゲン化銀写真感
    光材料用の定着能を有する錠剤型処理剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 チオ硫酸塩結晶及び/又はチオ硫酸塩結
    晶破片を目開き0.35mm以上2.0mm以下のスクリーンを用
    いて整粒した後に混合することを特徴とする請求項2又
    は3に記載のハロゲン化銀写真感光材料用の定着能を有
    する錠剤型処理剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 湿式造粒により得られた顆粒がチオ硫酸
    塩を20重量%以上含有することを特徴とする請求項2、
    3又は4に記載のハロゲン化銀写真感光材料用の定着能
    を有する錠剤型処理剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 造粒中及び乾燥中に粉粒体温度を60℃以
    下に調整して湿式造粒することを特徴とする請求項5に
    記載のハロゲン化銀写真感光材料用の定着能を有する錠
    剤型処理剤の製造方法。
  7. 【請求項7】 チオ硫酸塩結晶及び/又はチオ硫酸結晶
    破片、湿式造粒により得られた顆粒、及び、水溶性ポリ
    マー及び糖類から選ばれる少なくとも1種を混合して、
    圧縮形成することを特徴とする請求項1、2、3、4、
    5又は6に記載のハロゲン化銀写真感光材料用の定着能
    を有する錠剤型処理剤の製造方法。
  8. 【請求項8】 JIS規格による粒度が149μm未満の粉粒
    が40重量%以下の粉粒体を圧縮形成して得られ、チオ硫
    酸塩を65重量%以上含有することを特徴とするハロゲン
    化銀写真感光材料用の定着能を有する錠剤型処理剤。
  9. 【請求項9】 前記粉粒体が亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、
    ピロ亜硫酸塩及び重亜硫酸塩付加物から選ばれる少なく
    とも1種を含有することを特徴とする請求項8に記載の
    ハロゲン化銀写真感光材料用の定着能を有する錠剤型処
    理剤。
  10. 【請求項10】 前記粉粒体の少なくとも1部がチオ硫
    酸塩結晶及び/又はチオ硫酸塩結晶破片であることを特
    徴とする請求項8又は9に記載のハロゲン化銀写真感光
    材料用の定着能を有する錠剤型処理剤。
  11. 【請求項11】 前記粉粒体がチオ硫酸塩結晶及び/又
    はチオ硫酸塩結晶破片と湿式造粒により得られた顆粒と
    の混合体であることを特徴とする請求項10に記載のハロ
    ゲン化銀写真感光材料用の定着能を有する錠剤型処理
    剤。
  12. 【請求項12】 前記粉粒体が下記一般式〔K−1〕〜
    〔K−10〕で表される化合物から選ばれる少なくとも1
    種を含有することを特徴とする請求項8、9、10又は11
    に記載のハロゲン化銀写真感光材料用の定着能を有する
    錠剤型処理剤。 【化1】 〔式中、A1〜A4は同一でも互いに異なっていてもよ
    く、水素原子、ヒドロキシ基、−COOM、−PO3(M1)2、−
    CH2COOM2、−CH2OH又は置換基を有してもよい低級アル
    キル基を表す。但し、A1〜A4の少なくとも1つは−CO
    OM、−PO3(M1)2、−CH2COOM2である。M、M1及びM2
    それぞれ水素原子、アンモニウム基、アルカリ金属又は
    有機アンモニウム基を表す。〕 【化2】 〔式中、A11〜A14は同一でも互いに異なっていてもよ
    く、−CH2OH、−COOM3又は−PO3(M4)2を表す。M3及び
    4はそれぞれ水素原子、アンモニウム基、アルカリ金
    属又は有機アンモニウム基を表す。Xは炭素原子数2〜
    6の直鎖又は分岐のアルキレン基又は−(B1O)n−B2−を
    表す。nは1〜8の整数を表し、B1及びB2は同一でも
    互いに異なっていてもよい炭素原子数1〜5の直鎖又は
    分岐のアルキレン基を表す。〕 【化3】 〔式中、A21〜A24は同一でも互いに異なっていてもよ
    く、−CH2OH、−COOM5又は−PO3(M6)2を表す。M5及び
    6はそれぞれ水素原子、アンモニウム基、アルカリ金
    属又は有機アンモニウム基を表す。X1は炭素原子数2
    〜6の直鎖又は分岐のアルキレン基、環を形成する飽和
    又は不飽和の有機基又は−(B11O)n5−B12−を表す。n5
    は1〜8の整数を表し、B11及びB12はそれぞれ同一で
    も異なっていてもよい炭素原子数1〜5の直鎖又は分岐
    のアルキレン基を表す。n1〜n4は1以上の整数を表
    し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。〕 【化4】 〔式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子、置換されても
    よいアルキル基又はアリール基を表す。Lは 【化5】 のいずれかを表し、Y1〜Y3は、それぞれ直鎖又は分岐
    のアルキレン基又はアリーレン基を表し、置換基を有し
    ていてもよい。X2及びX3はそれぞれ酸素原子又は硫黄
    原子を表し、R3〜R7はそれぞれ置換基を有してもよい
    アルキル基又はアリール基、水素原子を表す。〕 【化6】 〔式中、R1〜R3はそれぞれ置換されてもよいアルキル
    基又はアリール基、水素原子を表す。Lは前記と同義で
    ある。Wは2価の連結基を表す。〕 【化7】 〔式中、R1〜R3、R6〜R9はそれぞれ水素原子、置換
    されてもよいアルキル基又はアリール基を表し、R4
    5はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニ
    トロ基、アシル基、スルファモイル基、カルバモイル
    基、アルコキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル
    基、スルホニル基、スルフィニル基、置換されてもよい
    アルキル基又はアリール基を表し、R4とR5が共同して
    5員環又は6員環を形成してもよい。Aはカルボキシ
    基、ホスホノ基、スルホ基、ヒドロキシ基又はこれらの
    アルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩を表す。Yは直
    鎖又は分岐のアルキレン基又はアリーレン基を表し、置
    換基を有していてもよい。tとuはそれぞれ0又は1を
    表す。〕 【化8】 〔式中、n′は1〜3の整数を、A1〜A4、B1〜B5
    水素原子、ヒドロキシル基、−CnH2n+1又は(CH2)mXを表
    し、n、mはそれぞれ1〜3、0〜3の整数を表し、X
    は−COOM(Mは水素原子、カチオン又はアルカリ金属原
    子を表す。)、−NH2、−OHを表す。但し、B1〜B5
    すべてが水素原子であることはない。〕 一般式〔K−8〕 RN(CHPO 〔式中、Rは低級アルキル基、アラルキル基、含窒素
    6員環基を表し、置換基を有していてもよい。Mは水素
    原子、アルカリ金属を表す。〕 【化9】 〔式中、R9〜R11は水素原子、ヒドロキシル基、置換
    基を有していてもよい低級アルキル基を表し、B1〜B3
    は水素原子、ヒドロキシル基、−COOM、−PO3M2、−N
    (R′)2を表し、R′は水素原子、炭素原子数1〜5の置
    換基を有していてもよいアルキル基、−PO3M2を表し、
    Mは水素原子、アルカリ金属を表し、n及びmは0又は
    1である。〕 【化10】 〔式中、R15〜R18はそれぞれ水素原子、ハロゲン原
    子、スルホン酸基、炭素原子数1〜7のアルキル基、ア
    ルコキシ基又はカルボニル基を表し、これらは置換基を
    有していてもよい。〕
  13. 【請求項13】 前記粉粒体のJIS規格による粒度が200
    0μm以上の粉粒が20重量%以下であることを特徴とする
    請求項8、9、10、11又は12に記載のハロゲン化銀写真
    感光材料用の定着能を有する錠剤型処理剤。
  14. 【請求項14】 前記粉粒体が水溶性のポリマー及び糖
    類から選ばれる少なくとも1種を0.5〜10.0重量%含有
    することを特徴とする請求項8、9、10、11、12又は13
    に記載のハロゲン化銀写真感光材料用の定着能を有する
    錠剤型処理剤。
JP24632694A 1994-02-16 1994-10-12 ハロゲン化銀写真感光材料用の定着能を有する錠剤型処理剤の製造方法及び製造された処理剤 Pending JPH07281377A (ja)

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