JPH072805B2 - ポリアルケニルエ−テルの製造方法 - Google Patents

ポリアルケニルエ−テルの製造方法

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JPH072805B2
JPH072805B2 JP10365486A JP10365486A JPH072805B2 JP H072805 B2 JPH072805 B2 JP H072805B2 JP 10365486 A JP10365486 A JP 10365486A JP 10365486 A JP10365486 A JP 10365486A JP H072805 B2 JPH072805 B2 JP H072805B2
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iii
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oxygen
ether
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敏延 東村
貞人 青島
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敏延 東村
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ポリアルケニルエーテルの製造方法に関する
ものである。
(従来の技術) 従来、アルケニルエーテルは、カチオン重合でのみ重合
するが、カチオン重合の場合は、一般に移動、停止反応
が起こりやすいためリビング生長しないことから、分子
量分布の狭いポリマーやブロック共重合体を生成しにく
いものであった。
ところが本発明者らは、最近、HIとI2とからなる開始剤
を用いるとアルケニルエーテルがリビング生長すること
を見いだし、かくしてアルケニルエーテルが分子量分布
の狭いポリマーやブロック共重合体を生成しうることを
見いだしたのである〔高分子学会予稿集,32,187,188,19
0,1439,1443(1983)〕。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記のHIとI2とからなる開始剤を用いた
場合、−15℃以下の低温で重合することにより初めてリ
ビング重合が進行するため、重合速度も小さく、工業的
見地からは有利とはいえず、したがってもし室温付近で
リビング重合が大きい速度で進行するようにすることが
できるならば工業的に極めて有利である、という問題点
があった。また、HIとI2とからなる開始剤を用いる場合
は、高分子量のポリマーを得るために開始剤濃度を下げ
すぎると不純物等による副反応が顕著になることから、
高分子量のポリマーを得ることは困難である、という問
題点があった。
本発明は、上記の従来の方法の問題点を解決して、分子
量分布の狭いポリアルケニルエーテルを工業的有利に得
ることのできる新規な製造方法の提供を目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、かかる目的を達成すべく鋭意研究を進め
た結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、一般
式〔I〕 CHR1=CH(OR2) ………〔I〕 (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は一価の
有機基を示す。)で表わされるアルケニルエーテルを、
一般式〔II〕 R3mAlXn ………〔II〕 (式中、R3は一価の有機基を示し、Xはハロゲン原子を
示し、m及びnはm+n=3でかつ0m<3、0<n
3の数を示す。)で表わされる有機アルミニウム化合
物と含酸素化合物〔III〕の存在下で重合することを特
徴とするポリアルケニルエーテルの製造方法を要旨とす
るものである。
本発明の方法で使用される開始剤は、前示一般式〔II〕
で表わされる有機アルミニウム化合物と前示含酸素化合
物〔III〕からなるものである。
前示一般式〔II〕で表わされる有機アルミニウム化合物
において、R3は一価の有機基を示し、その具体例として
は、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニ
ル基、アルコキシ基等が挙げられるが、とくに制限され
るものではない。また、Xはハロゲン原子を示し、m及
びnは、m+n=3でかつ0m<3、0<n3の数
を示す。かかる有機アルミニウム化合物の具体例として
は、ジエチルアルミニウムクロリド,ジエチルアルミニ
ウムブロミド,ジイソブチルアルミニウムクロリド,ジ
エチルアルミニウムハイドライド,ジメチルアルミニウ
ムセスキクロリド,ジエチルアルミニウムセスキクロリ
ド,ジエチルアルミニウムセスキブロミド,ジイソブチ
ルアルミニウムセスキクロリド,メチルアルミニウムク
ロリド,エチルアルミニウムクロリド,エチルアルミニ
ウムブロミド,エチルアルミニウムヨージド,エチルア
ルミニウムフルオライド,イソブチルアルミニウムクロ
リド,オクチルアルミニウムクロリド,エトキシアルミ
ニウムジクロリド,ビニルアルミニウムジクロリド,フ
エニルアルミニウムジクロリド,アルミニウムトリクロ
リド,アルミニウムトリブロミド等が挙げられる。これ
らの有機アルミニウム化合物の1種又は2種以上の混合
物の使用量としては、一般に原料モノマー〔I〕/有機
アルミニウム化合物〔II〕=2〜1000の範囲でよく、好
ましくは10〜1000の範囲でよい。
前示含酸素化合物〔III〕としては、エステル、カルボ
ン酸、酸無水物、ケトン、イミド、リン酸化合物等が挙
げられるが、とりわけエステルが望ましい。エステルと
しては酢酸エチル,酢酸ブチル,酢酸フエニル,酪酸エ
チル,ステアリン酸エチル,安息香酸エチル,安息香酸
フエニル,フタル酸ジエチル,イソフタル酸ジエチル
等、カルボン酸としては酢酸,クロル酢酸等、酸無水物
としては無水酢酸等、ケトンとしてはアセトン,メチル
エチルケトン等、イミドとしてはエチルフタルイミド
等、リン酸化合物としてはトリエチルホスフエート等を
挙げることができる。
(作用) これらの含酸素化合物〔III〕を用いるには、一種でも
よいし、二種以上混合してもよい。また、これらはバル
クで使用してもよいし、不活性溶媒で希釈した後使用し
てもよい。これらの含酸素化合物〔III〕の使用量とし
ては、本発明における原料モノマーの前示一般式〔I〕
で表わされるアルケニルエーテルの使用量を〔I〕と略
記すれば、〔I〕/〔III〕0.1(モル比)とするのが
好適であり、〔I〕/〔III〕<0.1(モル比)であると
きは、本発明の重合方法の系は完全なリビング系にはな
りにくい。すなわち、本発明の方法における使用量とし
ては、好ましくは〔I〕/〔III〕0.3(モル比)、特
に好ましくは〔I〕/〔III〕0.5(モル比)である。
この含酸素化合物〔III〕を使用しない場合は、全くリ
ビング系にはならず、通常の移動、停止を伴う重合にな
る。
本発明の方法の原料モノマーであるアルケニルエーテル
は、前示一般式〔I〕で表わされ、該式中、R1は水素原
子又はメチル基を示し、R2は一価の有機基を示し、例え
ばアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル
基、アルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル基
等を示し、それらはヘテロ基で置換されていてもよい。
これらのモノマーは1種でも2種以上を共存させてもよ
い。又、1種又は2種以上のアルケニルエーテルを重合
させた後、別のアルケニルエーテル(1種又は2種以
上)を添加することにより重合させブロック共重合体に
してもよい。
アルケニルエーテルの具体的な例としては、下記第1表
の1及び2に示す29種等が挙げられる。
ポリアルケニルエーテルの重合度は、2以上ならいくら
でもよい。
重合反応を行う場合、バルクで行ってもよいが通常、溶
媒を用いる。溶媒としてはノルマルヘキサン、シクロヘ
キサンなど脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳
香族炭化水素、四塩化炭素、塩化メチレン等のハロゲン
化炭化水素等が望ましい。
溶媒と原料モノマーとの仕込比は通常1:1〜100:1が好ま
しい。とくに5:1〜30:1が好ましい。
本発明の方法における重合温度は、+50℃以下から好適
に選ばれる。このことは、0℃〜室温付近でもリビング
重合しうることを意味するから、その工業的意義は特に
大きい。勿論、従来どうり0℃以下の低温で重合するこ
とも何ら差し支えない。
ここで製造されたポリアルケニルエーテルは、分子量分
布は非常に狭いMw/Mn1.3(Mw:重合平均分子量、Mn:数
平均分子量を表す。)という特徴を有する。
ここにMw/Mn比は、GPC(日本分光製“トリローター(TR
IROTAR)”クロマトグラフ、カラム:昭和電工製ポリス
チレンゲルA802、A803、A804;内径8mm、長さ500mm)に
より求めた。
(実施例) 次に、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
実施例1 窒素雰囲気下で充分精製したトルエン100ml中にイソブ
チルビニルエーテルを10ml加えて溶解し(0.76モル/
)、そこへ10mlの酢酸エチルを添加し(1.0モル/
)、−40℃に冷却した。
そこへヘプタンで希釈したエチルアルミニウムジクロリ
ドを20ミリモル/添加して重合を開始し、50時間重合
を継続した。その後少量のアンモニア水を含むメタノー
ルで重合を停止した。停止した混合物は塩酸水溶液(5
〜10vol%)、水で洗浄し触媒残渣を除去した後、溶媒
等を蒸発させて生成物を回収した。
その結果、転換率58%でMn=7400、Mw/Mn=1.25であっ
た。
実施例2 重合時間を160時間にした以外は、実施例1と全く同一
条件で行った。
その結果、転換率90%でMn=1.2×104、Mw/Mn=1.16で
あった。
実施例3 酢酸エチルの代わりに安息香酸エチルを10ml添加し(0.
7モル/)、重合時間を42時間にした以外は、実施例
1と同様にして行った。
その結果、転換率100%でMn=7.8×104、Mw/Mn=1.3で
あった。
比較例1 実施例1の方法で酢酸エチルを使用せずに重合を行った
ところ、触媒濃度2.5ミリモル/,1.5時間で転換率97
%であったが、Mw/Mn=2.3となり分子量分布が広がっ
た。
実施例4 重合温度を0℃、重合時間を8時間にした以外は、実施
例1と同様にして行った。
その結果、転換率95%でMn=1.92×104、Mw/Mn=1.12で
あった。
実施例5 重合温度を25℃、重合時間を1.4時間にした以外は、実
施例1と同様にして行った。
その結果、転換率97%でMn=2.4×104、Mw/Mn=1.15で
あった。
実施例6 モノマーとしてイソブチルビニルエーテルの代わりにイ
ソブチルプロペニルエーテルを用いた以外は、実施例4
と同様にして重合を8時間行った。
その結果、転換率90%でMn=2.3×104、Mw/Mn=1.18で
あった。
実施例7 エチルアルミニウムジクロリドの代わりにエチルアルミ
ニウムセスキクロリドを用いた以外は、実施例5と同様
にして重合を行った場合もMw/Mn=1.15であった。
実施例8 モノマーとしてイソブチルビニルエーテルの代わりにベ
ンジルビニルエーテルを用いた以外は、実施例4と同様
にして重合を行った場合もMw/Mn=1.23であった。
実施例9 エチルアルミニウムジクロリドの代わりにエトキシアル
ミニウムジクロリドを用いた以外は、実施例4と同様に
して重合を行った場合もMw/Mn=1.18であった。
比較例2 実施例1でエチルアルミニウムジクロリドの代わりにBF
3(OC2H5を用いたところ、生成ポリマーのMw/Mn=
2.4となり分子量分布が広がった。
(発明の効果) 以上の結果から明らかなように、本発明の製造方法は、
分子量分布の狭いポリアルケニルエーテル類を、しかも
それらの高分子量体を、+50℃以下という従来になく工
業的有利な高温でかつ高収率で製造できる、という工業
的価値ある顕著な効果を奏するものである。特に0℃〜
室温付近でも分子量分布の狭いポリアルケニルエーテル
類を製造できる点は、工業上画期的な意義のあることで
ある。加えて、ここで製造されたポリマー末端はリビン
グのため、他のポリマーとのブロック共重合体を得た
り、末端に官能基を導入したりし、マクロマーとして利
用することも可能である。又、モノマーの種類によって
は、ポリマーの反応により親水化したり、親水・疎水ブ
ロック共重合体を製造したりし、新規な界面活性剤等と
して使用することも可能である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔I〕 CHR1=CH(OR2) ………〔I〕 (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は一価の
    有機基を示す。)で表わされるアルケニルエーテルを、
    一般式〔II〕 R3mAlXn ………〔II〕 (式中、R3は一価の有機基を示し、Xはハロゲン原子を
    示し、m及びnはm+n=3でかつ0m<3、0<n
    3の数を示す。)で表わされる有機アルミニウム化合
    物と含酸素化合物〔III〕の存在下で重合することを特
    徴とするポリアルケニルエーテルの製造方法。
  2. 【請求項2】含酸素化合物〔III〕の量を含酸素化合物/
    CHR1=CH(OR2)0.1(モル比)とする特許請求の範囲
    第1項記載のポリアルケニルエーテルの製造方法。
  3. 【請求項3】含酸素化合物〔III〕がエステル含有化合
    物である特許請求の範囲第1項記載のポリアルケニルエ
    ーテルの製造方法。
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