JPH0727974U - 液圧倍力装置の弁機構 - Google Patents
液圧倍力装置の弁機構Info
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- JPH0727974U JPH0727974U JP6311393U JP6311393U JPH0727974U JP H0727974 U JPH0727974 U JP H0727974U JP 6311393 U JP6311393 U JP 6311393U JP 6311393 U JP6311393 U JP 6311393U JP H0727974 U JPH0727974 U JP H0727974U
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 液圧倍力装置の圧力室17とバランス室18
との間の連通を遮断するシール手段は、カラー15の外
周面に形成した環状溝15b内の第1シール部材20
と、上記カラー15に形成した嵌合孔15cに順次嵌合
した第2シール部材21とリテーナ22とを備えてい
る。上記第2シール部材21の内径は弁体14の外径よ
りも小径に設定してあり、該第2シール部材で弁体の外
周面の液密を保持させている。さらに第2シール部材2
1をリテーナ22によりカラーの段部端面15dに圧着
させて、その部分の液密を保持させている。 【効果】 第1シール部材20で軸孔2bの内周面の液
密を、第2シール部材21で弁体14の外周面の液密
を、さらに第2シール部材20をカラーの段部端面15
dに圧着させることによりその部分の液密を保持するこ
とができる。
との間の連通を遮断するシール手段は、カラー15の外
周面に形成した環状溝15b内の第1シール部材20
と、上記カラー15に形成した嵌合孔15cに順次嵌合
した第2シール部材21とリテーナ22とを備えてい
る。上記第2シール部材21の内径は弁体14の外径よ
りも小径に設定してあり、該第2シール部材で弁体の外
周面の液密を保持させている。さらに第2シール部材2
1をリテーナ22によりカラーの段部端面15dに圧着
させて、その部分の液密を保持させている。 【効果】 第1シール部材20で軸孔2bの内周面の液
密を、第2シール部材21で弁体14の外周面の液密
を、さらに第2シール部材20をカラーの段部端面15
dに圧着させることによりその部分の液密を保持するこ
とができる。
Description
本考案は自動車のブレーキ等に用いられる液圧倍力装置に関し、より詳しくは 液圧倍力装置の弁機構に関する。
従来、液圧倍力装置の弁機構として、パワーピストンの軸部に形成されてリヤ 側開口が動力室に連通する有底の軸孔と、この軸孔内に嵌合されて該軸孔内を上 記動力室に連通するリヤ側の圧力室とフロント側のバランス室とに区画するカラ ーと、このカラーの貫通孔内に摺動自在に貫通されてリヤ側端部が圧力室内に、 フロント側端部がバランス室内にそれぞれ臨む弁体と、上記圧力室とバランス室 との間の連通を遮断するシール手段と、上記軸孔の開口部側に設けた弁座と、通 常は上記弁体を弁座に着座させて上記圧力室と動力室との連通を遮断させるばね とを備えたものが知られている。 上記圧力室には圧力流体が供給されており、入力軸の操作により上記弁体が弁 座から離座されると圧力室内の圧力流体が動力室に供給され、その動力室内の圧 力上昇によりパワーピストンが前進されるようになる。上記弁体が弁座に着座し て動力室の圧力が零となっている状態では、該弁体には圧力室内の圧力が作用し 弁座に押し付けられているので、該弁体を弁座から離座させるにはその圧力に打 勝つだけの大きな力が必要となる。上記バランス室はその力を低減する目的で設 けられており、そのために上記弁座に着座する弁体の一端部とは反対側の他端部 をバランス室に臨ませ、かつバランス室を動力室に連通させておけばよい。 そして従来は、上記パワーピストンの軸孔内に圧力室とバランス室とを区画形 成するために、その軸孔内に弁体を摺動自在に案内するカラーを嵌合して該カラ ーの前後にバランス室と圧力室とを形成し、かつそれらバランス室と圧力室との 間の連通を遮断するシール手段を設けている。 上記シール手段は、通常、上記カラーの外周面に形成した環状溝に嵌合された Oリングと、上記カラーの圧力室側へ配置して該カラーに接触させた例えばPT FE製のシール部材とを備えており、上記Oリングによってパワーピストンの軸 孔の内周面の液密を保持させている。他方、上記シール部材は、その内径を上記 弁体の外径よりも小径に設定して該シール部材で弁体の外周面の液密を保持させ 、さらに上記シール部材と弁体との間に上記ばねを弾装することにより該シール 部材をカラーの圧力室側端面に圧着させてその部分の液密を保持させて圧力室内 の圧力流体がバランス室側へ逃げるのを防止している。
しかしながら上記ばねのシール部材の接触部は、通常、鋼線の先端部とこれに 連続する螺旋部とに間隙が形成されており、この間隙の部分では上記シール部材 をカラーに充分に圧接することができないため、圧力室内の圧力流体がシール部 材の外周からその部分を流通し、さらにカラーと弁体との間を流通してバランス 室側に逃げる危険性があった。また、各部材の摩擦等によって生じた金属片等が 上記シール部材の外周から該シール部材とカラーとの間に入り込みやすく、それ によってその部分のシール性が損なわれる危険性があった。 ところで、このような欠点を解決する手段として、上記内径を弁体の外径より も小径に設定して該弁体の外周面の液密を保持させるようにした上記シール部材 について、該シール部材の外径を上記パワーピストンの軸孔の内径よりも大径に 設定することにより、該シール部材により軸孔の内周面および弁体の外周面の液 密を同時に保持させるようにすることが考えられる。 しかしながらそのような設定にした場合には、シール部材に対する弁体の滑ら かな摺動を確保しつつ確実なシール性を確保することが困難となる。すなわち、 上記シール部材は弁体の往復摺動を許容しながらその部分をシール必要があるこ とから、例えば上述したようなPTFE等の摺動性と耐摩耗性に優れた材料を使 用する必要がある。しかしながらそのような材料は柔軟性に欠けるため、シール 部材に対する弁体の滑らかな摺動を確保しつつ確実なシール性を確保するには、 該シール部材と弁体とのはめ合い公差を高精度に維持しなくてはならない。しか るに、上記シール部材の外周部を軸孔内に圧入すると、その影響によりシール部 材の内径が縮径されるようになるが、この影響を予測した上で上記シール部材と 弁体とのはめ合い公差を高精度に維持することは実際上不可能で、弁体が滑らか に摺動しなくなったり、シール性が不良であったりする結果となっていた。 本考案は上述した事情に鑑み、弁体の滑らかな摺動を確保しつつ上記圧力室と バランス室との間の連通を確実に遮断することができる液圧倍力装置の弁機構を 提供するものである。
すなわち本考案の第1の構成は、上記シール手段を、上記カラーの外周面に形 成した環状溝と、この環状溝内に配設されてカラーの外周面と軸孔の内周面とを シールする第1シール部材と、上記貫通孔の圧力室側の内周面に形成した該貫通 孔よりも大径の嵌合孔と、内径が上記弁体の外径よりも小径に形成されて該弁体 の外周面に液密を保って摺接され、かつ上記嵌合孔内に嵌合されて該嵌合孔と貫 通孔との段部端面に接触された第2シール部材と、上記嵌合孔内に圧入嵌着され 、上記第2シール部材を上記段部端面に圧着させてその部分をシールさせるリテ ーナとから構成したものある。 また本考案の第2の構成は、上記シール手段を、上記カラーの外周面に形成し た環状溝と、この環状溝内に配設されてカラーの外周面と軸孔の内周面とをシー ルする第1シール部材と、内径が上記弁体の外径よりも小径に形成されて該弁体 の外周面に液密を保って摺接され、かつ上記カラーの圧力室側端面に接触された 第2シール部材と、上記軸孔内に圧入嵌着され、上記第2シール部材を上記端面 に圧着させてその部分をシールさせるリテーナとから構成したものである。 さらに本考案の第3の構成は、上記シール手段を、内径が上記弁体の外径より も小径に形成されて該弁体の外周面に液密を保って摺接され、かつ上記カラーの 圧力室側端面に接触された第1シール部材と、この第1シール部材の外周部に液 密を保持して一体に設けられ、外径が上記軸孔の内径よりも大径に形成されて該 軸孔の内周面の液密を保持する第2シール部材と、これらシール部材の圧力室側 に配置されて該シール部材に接触されたワッシャとから構成し、さらに上記ワッ シャと弁体との間に上記ばねを弾装したものである。
上記第1の構成によれば、カラーの外周面に形成した環状溝内に配設した第1 シール部材により該カラーの外周面と軸孔の内周面の液密を保持することができ る。また上記第2シール部材はカラーの嵌合孔内に嵌合され、かつリテーナによ り上記嵌合孔と貫通孔との段部端面に圧着されるので、その部分の液密を確実に 保持することができ、しかも金属片等が第2シール部材とカラーとの間に入り込 むのも防止することができる。 さらに、上記第2シール部材の内径が上記弁体の外径よりも小径に形成されて 該弁体の外周面に液密を保って摺接されているので、そのシール部分と上述した 各シール部分とにより上記圧力室とバランス室との間の連通を確実に遮断するこ とができる。そしてこのとき、上記リテーナにより第2シール部材を段部端面に 圧着させてその部分の液密を保持しているので、該第2シール部材を嵌合孔に圧 入して外周部をシール部とする必要がなく、したがって該シール部材の内径と弁 体の外径とのはめ合い公差を高精度に維持して、弁体の滑らかな摺動を確保しつ つその部分の液密を確保することができる。 上記第2の構成によれば、カラーの外周面に形成した環状溝内に配設した第1 シール部材により該カラーの外周面と軸孔の内周面の液密を保持することができ る。また上記第2シール部材はリテーナにより上記カラーの圧力室側端面に圧着 されるので、その部分の液密を確実に保持することができ、しかも金属片等が第 2シール部材とカラーとの間に入り込むのも防止することができる。 さらに、上記第2シール部材の内径が上記弁体の外径よりも小径に形成されて 該弁体の外周面に液密を保って摺接されているので、そのシール部分と上述した 各シール部分とにより上記圧力室とバランス室との間の連通を確実に遮断するこ とができる。そしてこのとき、上記リテーナにより第2シール部材をカラーの圧 力室側端面に圧着させてその部分の液密を保持しているので、該第2シール部材 を軸孔に圧入して外周部をシール部とする必要がなく、したがって該シール部材 の内径と弁体の外径とのはめ合い公差を高精度に維持して、弁体の滑らかな摺動 を確保しつつその部分の液密を確保することができる。 さらに上記第3の構成によれば、上記ばねはワッシャを介して第1シール部材 と第2シール部材とに弾接されるのでそれら第1シール部材や第2シール部材に 均一にばねの弾撥力が作用するようになり、したがって第1シール部材や第2シ ール部材が局部的に歪むことがない。そして第1シール部材によって軸孔の内周 面の液密を保持し、また第2シール部材によって弁体の外周面の液密を保持して いるので、確実に圧力室とバランス室との間の連通を遮断することができ、また 金属片等が第1シール部材や第2シール部材とカラーとの間に入り込むのも防止 することができる。そしてこのとき、第2シール部材の外周の第1シール部材は 弁体と摺動することがなく、したがってその材料として柔らかい弾性が大きな材 料を使用することができるので、該第1シール部材を軸孔内に圧入してもそれに よる第2シール部材の内径への影響を無くすことができ、したがって第2シール 部材の内径と弁体の外径とのはめ合い公差を高精度に維持して、弁体の滑らかな 摺動を確保しつつその部分の液密を確保することができる。
以下図示実施例について本考案を説明すると、図1において、液圧倍力装置の ハウジング1内にパワーピストン2を摺動自在に嵌合してあり、このパワーピス トン2の左側に、上記ハウジング1に液密を保持して貫通させたプッシュロッド 3を設けている。上記ハウジング1より外部に突出したプッシュロッド3の左端 部は図示しないマスターシリンダのピストンに連動させてあり、また該プッシュ ロッド3の右端部に上記パワーピストン2の左端部の外径よりも大径に形成した 嵌合部3aを設け、この嵌合部3a内に上記パワーピストン2の左端部を遊嵌合 している。そして上記パワーピストン2の左側の端面に、その軸心位置に半球状 の突起2aを形成し、この突起2aを上記プッシュロッド3に当接させることに より、調芯機能を持たせている。 上記ハウジング1の右端部開口はプラグ4によって密封してあり、このプラグ 4とパワーピストン2との間に圧油が導入される動力室5を形成している。また パワーピストン2およびプッシュロッド3との上記動力室5との反対側に形成し た低圧室6内にばね7A、7Bとをそれぞれ収容し、外側のばね7Aの弾撥力に よって通常はパワーピストン2をプラグ4に当接する図示非作動位置に保持し、 また内側のばね7Bによってプッシュロッド3をパワーピストン2に当接する非 作動位置に保持している。そして上記ばね7A、7Bを収容した低圧室6は、ハ ウジング1に形成した通路8および導管9を介してリザーバ10に連通させてい る。 図2に拡大して示すように、上記パワーピストン2の軸部には有底の軸孔2b を形成してあり、該軸孔の右端部を動力室5に連通させている。上記パワーピス トン2には段付のスリーブ11を一体に取付けてあり、このスリーブ11の左端 部を上記軸孔2b内に液密を保って嵌合させ、その先端部に弁機構12を構成す る第1弁座13を設けている。 上記軸孔2b内にはボール14aとこれを支持する軸部14bとから構成した 弁体15を設けてあり、その軸部14bをカラー15の貫通孔15a内に挿通さ せることにより該カラー15によって摺動自在に支持している。上記弁体14と カラー15との間にはばね16を弾装してあり、このばね16の弾撥力により弁 体14を上記動力室5と反対側から第1弁座13に着座させて軸孔2bを閉じる ようにしている。 そして上記軸孔2b内において、弁体14と第1弁座13との間を圧力室17 とするとともに、カラー15の左側にバランス室18を形成し、該バランス室1 8をパワーピストン2に形成した連通路19およびスリーブ11に形成した透孔 11aを介して上記動力室5に連通させている。 上記カラー15の外周部には円周方向に環状溝15bを形成し、この環状溝1 5b内に第1シール部材20を配設して該カラーの外周面と軸孔2bの内周面の 液密を保持させている。またこのカラー15の貫通孔15aの圧力室側の内周部 には該貫通孔よりも大径とした嵌合孔15cを形成してあり、この嵌合孔15c 内にPTFE製の第2シール部材21とリテーナ22を順次配設している。 上記第2シール部材の内径は上記弁体14の軸部14bの外径よりも小径に設 定してあり、該第2シール部材21内に弁体14の軸部14bを摺動自在に圧入 して貫通させることにより、該第2シール部材21で弁体14の外周面の液密を 保持させている。また上記リテーナ22の外周部の外径は上記カラー15の嵌合 孔15cの内径より僅かに大径に設定してあり、該リテーナ22を上記嵌合孔1 5c内に圧入嵌着すると同時に、該リテーナ22で上記第2シール部材21を貫 通孔15aと嵌合孔15cとの段部端面15dに圧着させてその部分の液密を保 持させている。なお、上記リテーナ22は、その外周部を菊座金状に形成した爪 付きリテーナであってもよい。 次に図1において、上記圧力室17は、パワーピストン2に形成した供給通路 23と、パワーピストン2の外周面に形成した環状溝24と、ハウジング1に形 成した半径方向の通路25と、さらにこの通路25に接続した導管26とを介し てポンプ27に連通させてあり、該ポンプによって常時圧力室17内に所定の圧 油を供給できるようにしている。また上記導管26にはアキュームレータ28が 設けられており、該アキュームレータによって上記ポンプ27で発生された圧油 を蓄圧できるようにしている。 さらに前述のプラグ4には図示しないブレーキペダルに連動させた入力軸29 を摺動自在に貫通させ、この入力軸29の先端部に上記弁機構12を構成する環 状ピン30を取付け、この環状ピン30の先端部に第2弁座31を形成している 。 図示しないブレーキペダルの踏み込みが解除されている図示非作動状態では、 上記入力軸29はこれと上記スリーブ11との間に弾装したばね32の弾撥力に よって右方に付勢されて環状ピン30が弁体14から離隔している。この状態で は、環状ピン30の軸部14bに形成した排出通路30aは上記動力室5に連通 する一方、入力軸29の軸部14bに形成した通路33、上記プラグ4に形成し た通路34、ハウジング1に形成した通路35、および上述の通路8を介してリ ザーバ10に連通し、それによって上記動力室5をリザーバ10に連通させてい る。 これに対し、上記ブレーキペダルが踏み込まれて入力軸29が前進された際に は、上記環状ピン30の先端部に形成した第2弁座31を弁体14に当接させて 排出通路30aと動力室5との連通を遮断させるとともに、環状ピン30によっ て弁体14をばね16の弾撥力に抗して第1弁座13から離座させることができ るようにしている。 これにより上記圧力室17内に導入されていた圧油は、環状ピン30の外周と スリーブ11の内周面との間隙を介して動力室5内に導入され、該動力室5内に 導入された圧油によって、従来周知の液圧倍力装置と同様に、所定の倍力比でパ ワーピストン2を左方に前進させてブレーキ作動を行なわせることができる。 然して本実施例では、前述したように上記カラー15の外周面に形成した環状 溝15a内に配設した第1シール部材20により該カラーの外周面と軸孔2bの 内周面の液密を保持させている。また、上記第2シール部材21はカラー15の 嵌合孔15c内に圧着固定されるリテーナ22により上記段部端面15dに圧着 された状態に保持されるので、その部分の液密を保持することができる。そして さらに、該第2シール部材21によって弁体14の外周面の液密を保持している ので、それらにより圧力室17とバランス室18との間の連通を遮断することが でき、また金属片等が第2シール部材21とカラー15との間に入り込むのも防 止することができる。 また、上記第2シール部材21の外径は嵌合孔15cの内径と実質的に同一か それよりも小さく設定してあり、該第2シール部材21が嵌合孔15c内に圧入 されることがないようにしている。そしてそれにより、第2シール部材21を嵌 合孔15c内に嵌合しても、第2シール部材21の内径と弁体14の外径とのは め合い公差を高精度に維持することができるようにし、これによって第2シール 部材21に対する弁体14の滑らかな摺動を確保しつつ、その部分の液密を確保 することができるようにしている。 図3は本考案の第2実施例を示したもので、本実施例ではカラー115の圧力 室117側に第2シール部材121と爪付きリテーナ122とを順次配設し、第 2シール部材121をカラー115に接触させるとともに、この第2シール部材 121に爪付きリテーナ122を接触させ、さらに上記爪付きリテーナ122と 弁体114との間にばね116を弾装している。 上記第2シール部材121の内径は弁体114の外径よりも小径に設定して該 第2シール部材121で弁体14の外周面の液密を保持させてあり、また上記爪 付きリテーナ122の爪部122aの外径をパワーピストン102の軸孔102 bの内径より大径に形成して、該リテーナ122を上記軸孔102b内に圧入嵌 着すると同時に、該リテーナ122で上記第2シール部材121をカラー115 の圧力室側端面に圧着させてその部分の液密を保持させている。 このような構成によれば、カラー115の外周面に形成した環状溝115a内 に配設した第1シール部材120により該カラーの外周面と軸孔102bの内周 面の液密を保持することができる。また上記第2シール部材121は軸孔102 a内に圧着固定される爪付きリテーナ122により上記カラー115の圧力室側 端面に圧着された状態に保持されるので、その部分の液密を保持することができ る。そして該第2シール部材によって弁体114の外周面の液密とを保持してい るので、それらにより圧力室117とバランス室118との間の連通を遮断する ことができ、また金属片等が第2シール部材121とカラー115との間に入り 込むのも防止することができる。 また、上記第2シール部材121の外径は軸孔102bの内径と実質的に同一 かそれよりも小さく設定してあり、該第2シール部材121が軸孔102b内に 圧入されることがないようにしている。そしてそれにより、第2シール部材12 1を軸孔102b内に嵌合しても、第2シール部材121の内径と弁体114の 外径とのはめ合い公差を高精度に維持することができるようにし、これによって 第2シール部材121に対する弁体114の滑らかな摺動を確保しつつ、その部 分の液密を確保することができるようにしている。 なお本実施例においては、爪付きリテーナ122を用いているが、爪無しのリ テーナでもよいことは勿論である。 さらに図4は本考案の第3実施例を示したもので、本実施例ではカラー215 の圧力室217側に、第2シール部材221と、この第2シール部材の外周部に 液密を保持して一体に設けた第1シール部材220とを配置している。そして第 2シール部材221と第1シール部材220とをカラー215に接触させるとと もに、これら第1シール部材220と第2シール部材221との圧力室217側 にリテーナ222を配置して該リテーナを第1シール部材220と第2シール部 材221とに接触させ、さらに上記リテーナ222と弁体214との間にばね2 16を弾装している。 上記第2シール部材221の内径は弁体214の外径よりも小径に設定して該 第2シール部材221で弁体214の外周面の液密を保持させてあり、他方、上 記第1シール部材220を大きな弾性を有する材料から製造し、かつその外径を パワーピストン202の軸孔202bの内径よりも大径に設定して、該第1シー ル部材220で軸孔202bの内周面の液密を保持させている。 このような構成によれば、上記ばね216はワッシャ222を介して第1シー ル部材220と第2シール部材221とに弾接されるのでそれら第1シール部材 220や第2シール部材221に均一にばね216の弾撥力が作用するようにな り、したがって第1シール部材220や第2シール部材221が局部的に歪むこ とがない。そして第2シール部材221によって弁体214の外周面の液密を保 持し、また第2シール部材221と一体の第1シール部材220によって軸孔2 02bの内周面の液密を保持しているので、確実に圧力室217とバランス室2 18との間の連通を遮断することができ、また金属片等が第1シール部材220 や第2シール部材221とカラー215との間に入り込むのも防止することがで きる。 さらにまた、上記第1シール部材220を弾性の高い材料から製造しているの で、第1シール部材220および第2シール部材221を圧入した際に、第1シ ール部材220の弾性変形が第2シール部材221に及ぼす悪影響を無くすこと ができ、これにより第2シール部材221の内径と弁体214の外径とのはめ合 い公差を高精度に維持して、第2シール部材221に対する弁体214の滑らか な摺動を確保しつつ、その部分の液密を確保することができる。
以上のように本考案によれば、第2シール部材に対する弁体の滑らかな摺動を 確保しつつ、圧力室とバランス室との間の液密を確実に保持することができると ういう効果が得られる。
【図1】本考案の第1実施例を示す断面図。
【図2】図1の要部の拡大図。
【図3】本考案の第2実施例を示す要部の拡大断面図。
【図4】本考案の第3実施例を示す要部の拡大断面図。
2、102、202…パワーピストン 2b、102b、202b…軸孔 5…動力室 12…弁機構 14、114、214…弁体 14b、114b、214b…軸部 15、115、215…カラー 15a、115a、215a…貫通孔 15b、115b…環状溝 17、117、217…圧力室 18、118、218…バランス室 20、120、220…第1シール部材 21、121、221…第2シール部材 22、122…リテーナ 122…ワッシャ
Claims (3)
- 【請求項1】 パワーピストンの軸部に形成されてリヤ
側開口が動力室に連通する有底の軸孔と、この軸孔内に
嵌合されて該軸孔内を上記動力室に連通するリヤ側の圧
力室とフロント側のバランス室とに区画するカラーと、
このカラーの貫通孔内に摺動自在に貫通されてリヤ側端
部が圧力室内に、フロント側端部がバランス室内にそれ
ぞれ臨む弁体と、上記圧力室とバランス室との間の連通
を遮断するシール手段と、上記軸孔の開口部側に設けた
弁座と、通常は上記弁体を弁座に着座させて上記圧力室
と動力室との連通を遮断させるばねとを備えた液圧倍力
装置の弁機構において、 上記シール手段を、上記カラーの外周面に形成した環状
溝と、この環状溝内に配設されてカラーの外周面と軸孔
の内周面とをシールする第1シール部材と、上記貫通孔
の圧力室側の内周面に形成した該貫通孔よりも大径の嵌
合孔と、内径が上記弁体の外径よりも小径に形成されて
該弁体の外周面に液密を保って摺接され、かつ上記嵌合
孔内に嵌合されて該嵌合孔と貫通孔との段部端面に接触
された第2シール部材と、上記嵌合孔内に圧入嵌着さ
れ、上記第2シール部材を上記段部端面に圧着させてそ
の部分をシールさせるリテーナとから構成したことを特
徴とする液圧倍力装置の弁機構。 - 【請求項2】 パワーピストンの軸部に形成されてリヤ
側開口が動力室に連通する有底の軸孔と、この軸孔内に
嵌合されて該軸孔内を上記動力室に連通するリヤ側の圧
力室とフロント側のバランス室とに区画するカラーと、
このカラーの貫通孔内に摺動自在に貫通されてリヤ側端
部が圧力室内に、フロント側端部がバランス室内にそれ
ぞれ臨む弁体と、上記圧力室とバランス室との間の連通
を遮断するシール手段と、上記軸孔の開口部側に設けた
弁座と、通常は上記弁体を弁座に着座させて上記圧力室
と動力室との連通を遮断させるばねとを備えた液圧倍力
装置の弁機構において、 上記シール手段を、上記カラーの外周面に形成した環状
溝と、この環状溝内に配設されてカラーの外周面と軸孔
の内周面とをシールする第1シール部材と、内径が上記
弁体の外径よりも小径に形成されて該弁体の外周面に液
密を保って摺接され、かつ上記カラーの圧力室側端面に
接触された第2シール部材と、上記軸孔内に圧入嵌着さ
れ、上記第2シール部材を上記端面に圧着させてその部
分をシールさせるリテーナとから構成したことを特徴と
する液圧倍力装置の弁機構。 - 【請求項3】 パワーピストンの軸部に形成されてリヤ
側開口が動力室に連通する有底の軸孔と、この軸孔内に
嵌合されて該軸孔内を上記動力室に連通するリヤ側の圧
力室とフロント側のバランス室とに区画するカラーと、
このカラーの貫通孔内に摺動自在に貫通されてリヤ側端
部が圧力室内に、フロント側端部がバランス室内にそれ
ぞれ臨む弁体と、上記圧力室とバランス室との間の連通
を遮断するシール手段と、上記軸孔の開口部側に設けた
弁座と、通常は上記弁体を弁座に着座させて上記圧力室
と動力室との連通を遮断させるばねとを備えた液圧倍力
装置の弁機構において、 上記シール手段を、内径が上記弁体の外径よりも小径に
形成されて該弁体の外周面に液密を保って摺接され、か
つ上記カラーの圧力室側端面に接触された第1シール部
材と、この第1シール部材の外周部に液密を保持して一
体に設けられ、外径が上記軸孔の内径よりも大径に形成
されて該軸孔の内周面の液密を保持する第2シール部材
と、これらシール部材の圧力室側に配置されて該シール
部材に接触されたワッシャとから構成し、さらに上記ワ
ッシャと弁体との間に上記ばねを弾装したことを特徴と
する液圧倍力装置の弁機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6311393U JPH0727974U (ja) | 1993-10-29 | 1993-10-29 | 液圧倍力装置の弁機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6311393U JPH0727974U (ja) | 1993-10-29 | 1993-10-29 | 液圧倍力装置の弁機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0727974U true JPH0727974U (ja) | 1995-05-23 |
Family
ID=13219916
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6311393U Withdrawn JPH0727974U (ja) | 1993-10-29 | 1993-10-29 | 液圧倍力装置の弁機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0727974U (ja) |
-
1993
- 1993-10-29 JP JP6311393U patent/JPH0727974U/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19980305 |