JPH07279424A - コンクリート打設用化粧型枠とその製造方法 - Google Patents

コンクリート打設用化粧型枠とその製造方法

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JPH07279424A
JPH07279424A JP6721594A JP6721594A JPH07279424A JP H07279424 A JPH07279424 A JP H07279424A JP 6721594 A JP6721594 A JP 6721594A JP 6721594 A JP6721594 A JP 6721594A JP H07279424 A JPH07279424 A JP H07279424A
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JP
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decorative
concrete
covering sleeve
formwork
sleeve
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JP6721594A
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English (en)
Inventor
Koichi Kono
弘一 河野
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TAIYO PLAST KOGYOSHO KK
Original Assignee
TAIYO PLAST KOGYOSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面に意匠が施されたコンクリート構造物を
容易に施工することのできる化粧型枠を提供すること。 【構成】 枠組用の軸足が挿通される挿通孔16を、化
粧型枠10の表裏に貫通して設ける一方、かかる軸足に
外挿されて外周面を覆う被覆スリーブ18を、該挿通孔
16の内部に組み込んで挿通孔16の内周面に密接させ
て固定すると共に、該被覆スリーブ18の先端部を、化
粧型枠10の表面上に突出させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、表面に凹凸の意匠が付されたコ
ンクリート構造物を製作するためにコンクリートの打設
時に用いられるコンクリート打設用化粧型枠と、その製
造方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】コンクリート構造物は、一般に、木製パネ
ル材等を用いて組み立てられた型枠内にコンクリートを
充填し、養生後に型枠を取り外すことによって形成され
る。そこにおいて、かかる型枠は、例えば、表側と裏側
の一対の型枠パネルを所定距離を隔てて対向配置すると
共に、表側の型枠パネルに貫通固定されたロッド状の軸
足を、裏側の型枠パネルに固定された丸セパ(コンクリ
ート中に埋設されるボルト部材)の端部に対して、接続
ナットで連結することにより、組み立てられる。
【0003】また、近年では、トンネルの出入口や内部
の壁面にレリーフを設けたり、建築物の内装,外装や擁
壁前面等に凹凸の意匠を付することが多い。このような
コンクリート構造物の表面における凹凸模様は、例え
ば、表面に凹凸模様が形成された化粧型枠を発泡スチロ
ールや発泡ウレタン、パルプ等で形成し、その裏面にお
いて型枠パネルの内面に貼着せしめて、かかる化粧型枠
の凹凸模様に対応した凹凸をコンクリート構造物に転写
することによって形成される。
【0004】ところで、型枠においては、軸足へのコン
クリートの付着を防止してコンクリートの養生後におけ
る取外しを容易とする必要があり、そのために、従来で
は、丸セパと軸足を連結する接続ナットとして外周面に
テーパが付された合成樹脂製のテーパコーンを用い、該
テーパコーンによって型枠内に位置する軸足を覆う施工
方法や、特開平5−79183号公報等に記載されてい
るように、径方向の弾性変形が許容されるスリーブを軸
足に外挿し、該スリーブによって型枠内に位置する軸足
を覆う施工方法等が提案されている。
【0005】ところが、化粧型枠を用いる場合には、そ
のような何れの施工方法においても、化粧型枠を貫通し
て配設される軸足を被覆せしめてコンクリートの付着を
防止するために、化粧型枠を型枠パネルに貼着した後、
現場で、化粧型枠にテーパコーン又はスリーブを挿入す
るための孔を、一々、墨出し(位置決め)してドリル等
で穿つ必要があり、施工時の工程数が多く作業も面倒で
あるという問題があった。
【0006】しかも、コンクリートを打つ現場で化粧型
枠に孔を穿つと多量の切粉が発生するために、処理が面
倒であるばかりでなく、コンクリートを打継ぎする場合
には、型枠内の打継ぎ面上に切粉が堆積してコンクリー
トに混入することにより、継目のコンクリート強度が低
下するおそれもあった。
【0007】また、表面に凹凸模様が付された化粧型枠
は場所によって型厚寸法が異なり、化粧型枠を型枠パネ
ルに貼着した後に、現場で墨出しして孔を穿つ場合に
は、形成される孔の深さを予め知ることが極めて困難で
あるために、多種類の長さのテーパコーン乃至はスリー
ブを準備しておいて、それらの中から最適長さのものを
一々選定しなければならず、作業が極めて面倒であると
共に、テーパコーン乃至はスリーブの長さの選定の錯誤
等に起因して、テーパコーンやスリーブのコンクリート
中への埋設長さが長くなったり、或いは軸足の被覆が充
分に為されずにコンクリートが軸足に付着すること等に
より、コンクリート養生後の型枠のばらし作業が難しく
なり易いという問題もあったのである。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、施工時の作業性が向上されると共に、切粉
によるコンクリート強度の低下が防止されるコンクリー
ト打設用化粧型枠およびその製造方法を提供することに
ある。
【0009】また、本発明は、現場でスリーブ等の長さ
を一々選定しなくても、軸足の被覆が良好に為されて、
コンクリート養生後の型枠の取り外しを容易に行うこと
のできるコンクリート打設用化粧型枠およびその製造方
法を提供することも、目的とする。
【0010】
【解決手段】そして、かくの如き課題を解決するため
に、本発明にあっては、コンクリートに接する表面に凹
凸模様を有し、裏面において型枠パネルに取り付けられ
るコンクリート打設用化粧型枠において、コンクリート
中に埋設される丸セパの端部に連結されて型枠パネルに
取り付けられる軸足の挿通孔を表裏に貫通して設ける一
方、かかる軸足に外挿されて外周面を覆う被覆スリーブ
を、挿通孔の内部に組み込んで該挿通孔の内周面に密接
させて固定すると共に、該被覆スリーブの先端部分を表
面上に突出せしめたコンクリート打設用化粧型枠を、特
徴とするものである。
【0011】そこにおいて、被覆スリーブとしては、軸
方向全長に渡って外径が略一定の円筒状外周面を有する
ものの他、例えば、少なくとも化粧型枠の表面上に突出
位置する先端部分が、突出側先端部に行くに従って小径
化するテーパ状の外周面形状を有するものを、採用する
こともできる。
【0012】また、かかる被覆スリーブとしては、軸足
の外径に対応した内径の中心孔を有するものの他、例え
ば、軸足の外径よりも所定量だけ大きな内径の中心孔を
有し、該中心孔の内周面上に、内方に突出して軸方向に
延びる複数本の脚部が形成されたものを、採用すること
もできる。
【0013】更にまた、挿通孔およびそれに組み込まれ
る被覆スリーブの数は限定されるものではないが、それ
らを複数形成する場合には、表面に付される凹凸模様を
考慮して挿通孔の形成位置を選定することにより、挿通
孔および被覆スリーブの長さを同一とすることが可能で
ある。
【0014】また、被覆スリーブの材質は、特に限定さ
れるものではないが、例えば、ナイロンやゴムの如き弾
性変形可能な材質が、好適に用いられ得る。
【0015】さらに、表面に勾配のあるコンクリート構
造物用型枠のように、軸足を化粧型枠に対して傾斜して
挿通して型枠パネルに固定する必要がある場合には、例
えば、軸方向一方の端面が挿通孔の傾斜角に対応した傾
斜端面とされた筒状の台座を、挿通孔の裏面側端部に配
設し、該台座における挿通孔の軸に直角な軸方向他方の
端面によって、被覆スリーブの軸方向端部を支持せしめ
ることも、可能である。
【0016】また、本発明は、上述の如き本発明に従う
構造とされたコンクリート打設用化粧型枠を製造するに
際して、成形型の成形キャビティに被覆スリーブを位置
決めして配設した後、該成形キャビティ内で化粧型枠の
発泡成形を行ない、かかる成形と同時に挿通孔を形成す
ると共に、該挿通孔の内周面に被覆スリーブを固着せし
めるコンクリート打設用化粧型枠の製造方法をも、特徴
とする。
【0017】さらに、かくの如き本発明方法に従ってコ
ンクリート打設用化粧型枠を製造する場合には、成形型
の成形キャビティに支持ロッドを配設し、該支持ロッド
に前記被覆スリーブを外挿することにより、該被覆スリ
ーブを前記成形キャビティ内に位置決め保持せしめるよ
うにしても良い。
【0018】また、本発明は、前述の如き本発明に従う
構造とされたコンクリート打設用化粧型枠を複数種類製
造するに際して、成形キャビティの内法寸法の最大値が
互いに同一とされた複数種の成形型と、長さが互いに同
一とされた被覆スリーブの複数本とを用い、それぞれの
成形型における成形キャビティの内法寸法が最大となる
位置に該被覆スリーブを位置決めして配設し、該成形キ
ャビティ内で化粧型枠の発泡成形を行なうことにより、
かかる成形と同時に挿通孔を形成すると共に、該挿通孔
の内周面に前記被覆スリーブを固着せしめるコンクリー
ト打設用化粧型枠の製造方法をも、特徴とする。
【0019】
【作用・効果】このような本発明に従う構造とされたコ
ンクリート打設用化粧型枠は、型板パネルに対して接着
剤やテープ,釘等によって固着されることによって型板
を構成することとなり、更に、丸セパの端部等に連結さ
れる軸足を被覆スリーブに挿通して型板パネルに固定す
ることにより型枠が組み立てられる。そして、このよう
にして組み立てられた型枠においては、軸足の表面が被
覆スリーブによって覆われ、コンクリートの付着が防止
され得るのである。
【0020】そこにおいて、かかるコンクリート打設用
化粧型枠においては、軸足の表面を被覆する被覆スリー
ブが、予め決定された所定位置に設けられた挿通孔内に
組み込まれていることから、現場において被覆スリーブ
を組み込むための墨出しや穿孔、更には被覆スリーブ長
さの選定等を行う必要がなく、現場での型枠組みの作業
性が飛躍的に向上され得るのである。
【0021】また、現場で穿孔する必要がないことか
ら、切粉によるコンクリート強度の低下等の不具合が完
全に回避され得る。
【0022】さらに、型板パネルに対して、軸足の挿通
用孔を穿つ場合でも、化粧型枠に組み込まれた被覆スリ
ーブを案内孔として利用できることから、ドリル等で容
易に穿孔することができる。しかも、化粧型枠には穿孔
する必要がないことから、二段錐などの特殊なドリルを
用いる必要がなく、一般的な木工用ドリル等を用いて型
板パネルへの穿孔を行うことが可能である。
【0023】また、被覆スリーブは挿通孔の内周面に密
接されていることから、コンクリートの打設時に被覆ス
リーブと挿通孔の間へのノロ侵入が防止され、ノロ侵入
に起因するコンクリート表面仕上作業や被覆スリーブの
取外し作業の悪化等の問題も効果的に防止され得る。
【0024】さらに、被覆スリーブの少なくとも化粧型
枠表面上に突出する先端部分の外周面をテーパ状とすれ
ば、コンクリート養生後における被覆スリーブの取外し
が一層容易となる。
【0025】なお、被覆スリーブの化粧型枠表面上にお
ける突出高さは、特に限定されるものではないが、余り
大きいと被覆スリーブのコンクリートからの取外しが困
難となるために、好ましくは7〜30mm、より好ましく
は10mm程度に設定される。
【0026】また、被覆スリーブの内周面上に複数本の
脚部を形成すれば、被覆スリーブの筒壁部を厚肉化する
ことなく、それらの脚部によって軸足に対する被覆スリ
ーブの位置決めを有利に行うことができる。なお、その
際、かかる脚部は、必ずしも被覆スリーブの全長に渡っ
て連続して形成する必要はない。
【0027】更にまた、被覆スリーブとして変形可能な
材質のものを採用すれば、コンクリートの養生後におけ
る取外しを、かかる被覆スリーブを変形させることによ
って一層容易に行うことが可能となる。
【0028】なお、前述の如く、被覆スリーブの内周面
上に複数本の脚部を形成する場合に、かかる被覆スリー
ブの筒壁部および脚部を、弾性変形可能な材質で形成す
れば、内部に挿通される軸足に脚部を当接せしめて筒壁
部に弾性的な拡径変形が生ぜしめられた状態で装着する
ことができ、そうすれば、コンクリートの養生後に軸足
を抜き取った際、筒壁部が縮径してコンクリートから離
脱し易くなることから、かかる被覆スリーブの取外しが
一層容易となるといった利点がある。
【0029】また、本発明に従う構造とされたコンクリ
ート打設用化粧型枠においては、挿通孔の形成位置を予
め設定することができることから、複数の挿通孔を形成
する場合に全ての挿通孔の長さを同一とすることが可能
であり、それによって、同一長さおよび形状の被覆スリ
ーブを用いることができることから、製造が容易とな
り、製造コストも向上され得ると共に、被覆スリーブの
突出高さ(コンクリート中への埋入長)も一定の適当な
長さに設定できることから、被覆スリーブの取外し作業
性の更なる向上が図られ得る。
【0030】更にまた、挿通孔の裏面側端部に傾斜端面
を有する筒状の台座を配設すれば、表面に勾配のあるコ
ンクリート構造物用の型枠等に対しても、本発明に従う
構造とされたコンクリート打設用化粧型枠が有利に適用
可能となる。
【0031】さらに、上述の如き、本発明に従う構造と
されたコンクリート打設用化粧型枠の材質や製造方法は
何等限定されるものではなく、化粧型枠の製造後に穿孔
した挿通孔に被覆スリーブを挿通し、必要に応じて接着
処理等を施すことによって製造すること等も可能である
が、例えば、化粧型枠の成形型の成形キャビティに、予
め被覆スリーブをセットして化粧型枠を成形する、本発
明に従う製造方法が、有利に採用され得る。
【0032】かかる本発明に従う製造方法においては、
化粧型枠の成形と同時に挿通孔の形成と被覆スリーブの
配設および固着が為されることから、目的とする化粧型
枠を極めて容易に且つ迅速に製造することができるので
ある。
【0033】また、このような製造方法に従えば、成形
キャビティの形状の設計や被覆スリーブの配設位置の設
定によって、挿通孔の長さを予め決定することができる
ことから、複数の挿通孔を形成する場合に、挿通孔や被
覆スリーブの長さの種類を少なくしたり、長さを一定化
することが容易となるといった利点もある。
【0034】更にまた、成形キャビティ内に配設した支
持ロッドに被覆スリーブを外挿せしめて位置決めするよ
うにすれば、被覆スリーブの位置決めが容易であると共
に、被覆スリーブが弾性材等で形成される場合にも、成
形時の変形等が有利に防止されて、目的とする化粧型枠
を安定して製造することが可能となる。
【0035】さらに、各種の凹凸模様が付された複数種
類の化粧型枠を製造するに際して、各化粧型枠の成形型
における成形キャビティの内法寸法の最大値を同一とす
ると共に、かかる内法寸法が最大となる位置に被覆スリ
ーブを位置決めする、本発明の製造方法に従えば、複数
種類の化粧型枠を製造する場合でも、同一寸法の被覆ス
リーブを用いることができ、製造作業性およびコスト性
の向上が一層効果的に達成され得る。
【0036】しかも、かかる方法によって製造された化
粧型枠を用いれば、構造物の強度計算等に基づいて決定
される壁厚寸法に、一定とされた化粧型枠の成形キャビ
ティの内法寸法の最大値をプラスすることによって、型
板パネルの配設位置を容易に求めることができると共
に、壁厚寸法が一定ならば、異なる凹凸模様が付された
別の化粧型枠を用いる場合でも、型板パネルの配設位置
や使用する軸足等の寸法を一定とすることができ、型枠
組み等の施工も容易となるのである。
【0037】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。
【0038】先ず、図1には、本発明の一実施例として
のコンクリート打設用化粧型枠10の要部断面図が、示
されている。この化粧型枠10は、図面上では明らかで
ないが全体として略矩形平板形状を呈しており、発泡ス
チロールや発泡ウレタン,パルプ類の発泡体などのよう
に、コンクリートに対する付着力が小さく且つ軽量な材
質によって形成されている。また、この化粧型枠10の
一方の面(図中、右側の面。以下、表面と称す。)12
には、コンクリート構造物に転写すべき凹凸模様が形成
されている一方、他方の面(図中、左側の面。以下、裏
面と称す。)14は平坦面とされており、この裏面14
において、コンパネ等の型枠パネルに取り付けられるよ
うになっている。
【0039】さらに、かかる化粧型枠10には、厚さ方
向に貫通する円形の挿通孔16が、適数個形成されてい
ると共に、それらの各挿通孔16に被覆スリーブ18が
挿通配置されている。この被覆スリーブ18は、化粧型
枠10の厚さ寸法よりも、所定量だけ長い円筒形状を有
しており、軸方向一方の端面が化粧型枠10の裏面14
に面一となるように位置決めされることによって、軸方
向他方の端部が化粧型枠10の表面12上に所定高さで
突出せしめられている。なお、化粧型枠10の表面12
上における被覆スリーブ18の突出高さは、コンクリー
ト打設後における被覆スリーブ18の取外しを容易とす
るために、7〜30mm、好ましくは10mm程度に設定す
ることが望ましい。
【0040】また、かかる被覆スリーブ18としては、
図2に示されている如き、単純な円筒形状の被覆スリー
ブ18aを採用することも可能であるが、その他、図3
に示されているように、薄肉円筒形状の筒壁部20に対
して、その径方向内方に所定高さで突出して軸方向全長
に渡って延びる複数本の脚部22が一体的に形成された
被覆スリーブ18b等も、有利に採用され得る。
【0041】なお、被覆スリーブ18の材質は、特に限
定されるものではないが、コンクリートに対する付着強
度が小さく製造が容易なものが望ましく、また或る程度
の弾性変形が許容されるとコンクリートからの取外しが
一層容易となることから、一般に、各種のゴムやナイロ
ン,ウレタン等の合成樹脂などが好適に採用される。
【0042】そして、かくの如き被覆スリーブ18は、
化粧型枠10に形成された挿通孔16に対して、該挿通
孔16の内周面との間に隙間が存在しないように密接さ
れており、且つ必要に応じて接着処理が施されることに
よって、化粧型枠から容易に抜け落ちないように取り付
けられている。
【0043】また、被覆スリーブ18の配設位置や数等
は、何等限定されるものではないが、複数本の被覆スリ
ーブ18を組み込む場合には、化粧型枠10の厚さ寸法
が略同一となる位置に被覆スリーブ18を配設すること
が望ましく、それによって、一定長さの被覆スリーブ1
8が有利に採用され、化粧型枠10からの突出高さを容
易に揃えることが可能となる。そして、特に、図4及び
図5に示されているように、高さが一定の規則的な凹凸
模様が表面12に付された化粧型枠10の場合には、全
ての被覆スリーブ18の配設位置(挿通孔16の形成位
置)を、凸部(乃至は凹部)に設定することにより、一
定長さの被覆スリーブ18の採用が容易に実現され得
る。
【0044】ところで、このような構造とされた化粧型
枠10は、例えば、以下の如き、本発明方法に従って、
有利に製造され得る。
【0045】先ず、図6乃至図8には、本発明方法に従
う化粧型枠の製造に際して用いられる成形型の一具体例
が示されている。この成形型は、第一の金型24と第二
の金型26から構成されており、図示はされていない
が、所定の型締装置に装着されて互いに接近,離隔方向
に相対移動可能に支持せしめられ、型合わせされること
によって、型合わせ面間に全体として略矩形板状の成形
キャビティ28を形成するようになっている。
【0046】そして、第一の金型24におけるキャビテ
ィ形成面30には、目的とする化粧型枠10の表面12
に付すべき模様に対応した凹凸模様が形成されており、
第二の金型26を貫通して設けられた材料供給パイプ3
2を通じて成形キャビティ28内に所定の成形材料を供
給して発泡成形することにより、キャビティ形成面30
の凹凸が表面に転写された化粧型枠10が成形されるよ
うになっている。
【0047】なお、第一の金型24および第二の金型2
6の内部には、温調用空間34および36が形成されて
おり、それぞれ成形キャビティ28の背後に位置せしめ
られるようになっている。そして、これらの温調用空間
34,36に対して、給排パイプ38および40を通じ
て、加熱又は冷却用の蒸気や水等の媒体が給排されるこ
とにより、第一及び第二の金型24,26の温度調節が
行われるようになっている。
【0048】また、第二の金型26には、内部を型合わ
せ方向に貫通して延びてキャビティ形成面42上に突出
するエジェクタピン44が、軸方向に移動可能に配設さ
れており、化粧型枠の成形後に図示しない駆動機構によ
り突出駆動されることによって、成形された化粧型枠を
離型するようになっている。
【0049】さらに、第二の金型26のキャビティ形成
面42には、4個の嵌着穴46が形成されており、それ
らの嵌着穴46にそれぞれ円形ロッド状の支持ロッド4
8が圧入固定されることにより、かかる支持ロッド48
がキャビティ形成面42上に突設されている。また、第
一の金型24のキャビティ形成面30にも、第二の金型
26の嵌着穴46に対応する位置に、それぞれ、支持穴
50が形成されており、両金型24,26が型合わせさ
れた際、支持ロッド48の突出先端部が、かかる支持穴
50内に挿入されるようになっている。これにより、図
1に示されている如く、支持ロッド48が、成形キャビ
ティ28内において、第一の金型24と第二の金型26
の対向面間に跨がって固定的に位置せしめられるように
なっているのである。
【0050】このような金型24,26を用いて、前述
の如き化粧型枠10を製造するに際しては、先ず、図9
に示されているように、第一及び第二の金型24,26
の型合わせに先立って、第二の金型26に立設された各
支持ロッド48に被覆スリーブ18を外挿し、その後、
両金型24,26を型合わせする。それにより、被覆ス
リーブ18を、成形キャビティ28内の所定位置におい
て、両キャビティ形成面30,42間に跨がって配設支
持せしめると共に、かかる被覆スリーブ18の軸方向両
端部を両キャビティ形成面30,42に当接させて、そ
の開口部を覆蓋せしめる。
【0051】なお、第一の金型24のキャビティ形成面
30に形成された支持穴50は、開口部が所定長さに渡
って大径化されており、かかる大径部51内に、被覆ス
リーブ18の化粧型枠10の表面から突出する部分が挿
入されるようになっている。また、被覆スリーブ18の
外周面には、必要に応じて接着剤の塗布等の前処理が施
される。
【0052】また、被覆スリーブ18として、前記図2
又は図3に示されているように、軸方向全長に渡って断
面が同一形状とされたものを用いれば、成形キャビティ
28における被覆スリーブの配設空間の大きさに応じ
て、適宜にはさみ等で切断して長さを調節しながら使用
することができる。
【0053】その後、材料供給パイプ32を通じて、化
粧型枠10の成形材料を成形キャビティ28内に供給
し、続いて、給排パイプ38,40を通じて加熱媒体を
温調用空間34,36に供給して金型24,26を加熱
し、発泡操作を行うことにより、化粧型枠10を形成す
る。また、かかる発泡成形により、発泡材料を成形キャ
ビティ28内に充満せしめて、成形キャビティ28内に
配設された被覆スリーブ18の外周面に密着させる。そ
の後、金型24,26を型開きし、エジェクタピン44
によって、成形体を金型から離型させることにより、目
的とする化粧型枠10を得る。
【0054】それによって、化粧型枠10の形成と同時
に、挿通孔16が形成されると共に、かかる挿通孔16
内に被覆スリーブ18が配置されて組み込まれるのであ
り、その後、金型24,26を型開きし、エジェクタピ
ン44によって離型させることにより、目的とする化粧
型枠10を得ることができるのである。
【0055】すなわち、このような化粧型枠10の製造
方法によれば、化粧型枠10の形成と同時に、挿通孔1
6を形成することができることから、挿通孔16の穿孔
作業を行う必要がないのであり、しかも、被覆スリーブ
18の挿通孔16への組込みおよび固定も、化粧型枠1
0の形成と同時に為されることから、被覆スリーブ18
の組付作業も不要となり、化粧型枠の製作性が飛躍的に
向上され得るのである。
【0056】また、上述の如き製造方法によれば、被覆
スリーブ18の挿通孔16に対する密接状態を、有利に
且つ安定して得ることができるのであり、被覆スリーブ
18と挿通孔16との密接不良が効果的に防止され得る
のである。
【0057】しかも、かかる製造方法によれば、金型2
4,26の設計時に被覆スリーブ18の配設位置を決定
すれば、成形の毎に被覆スリーブ18の位置決めや長さ
の決定等を行わなくても、被覆スリーブ18が、高精度
に位置決めされて成形キャビティ28内に配設されると
いった利点もある。
【0058】また、上述の如き製造方法においては、成
形キャビティ28に配設された被覆スリーブ18内に支
持ロッド48が挿通されていることから、発泡圧等によ
る被覆スリーブ18の変形等も効果的に防止され得るの
である。
【0059】一方、このような製造方法によって有利に
形成される、前記図1に示されている如き構造の化粧型
枠10を用いてのコンクリート構造物の施工は、例え
ば、図10乃至図13に示されているようにして行われ
る。
【0060】具体的には、かかる化粧型枠10を用いて
コンクリート壁を施工するに際しては、先ず、図10に
示されているように、従来の手法と同様、化粧型枠10
を、その裏面14側において、木製パネル等を用いて形
成された壁表側の型枠パネル52に重ね合わせて、テー
プや釘,接着剤などによって固着する。
【0061】また、かかる化粧型枠10の型枠パネル5
2への固着前或いは固着後に、型枠パネル52に対し
て、化粧型枠10における被覆スリーブ18の配設位置
に対応した位置に、軸足挿通用の貫通孔54をドリル等
で穿孔する。なお、化粧型枠10の型枠パネル52への
固着後に貫通孔54を穿孔するようにすれば、被覆スリ
ーブ18の内孔を、ドリルの案内孔として利用すること
ができ、穿孔が容易となる。
【0062】一方、壁裏側の型枠パネル56を、別途準
備し、壁表側の型枠パネル52における貫通孔54に対
応する位置に、それぞれ貫通孔58を、ドリル等で穿孔
する。そして、施工現場において、この壁裏側の型枠パ
ネル56を、壁表側の型枠パネル52における化粧型枠
10が固着された側の面に所定距離を隔てて対向するよ
うに配置せしめる。
【0063】また、それら両型枠パネル52,56間
に、軸方向両端部に雄ねじ溝を有する丸セパ60を配す
ると共に、かかる丸セパ60の軸方向両端部に、それぞ
れ、軸方向両端部に雄ねじ溝を有する軸足62,64
を、高ナット66,テーパコーン68を用いて連結す
る。なお、高ナット66としては、被覆スリーブ18の
内径よりも大きな外径を有するものが用いられる。ま
た、テーパコーン68としては、従来から公知の樹脂製
のものが用いられ得る。
【0064】そして、丸セパ60の軸方向一方の端部に
連結された軸足62を、化粧型枠10に組込まれた被覆
スリーブ18の内孔を通じて、壁表側の型枠パネル52
の貫通孔54に挿通する一方、丸セパ60の軸方向他方
の端部に連結された軸足64を、壁裏側の型枠パネル5
6の貫通孔58に挿通する。そして、各軸足62,64
の型枠パネル52,56からの突出端部に、それぞれホ
ームタイ70,72を螺着することにより、軸足62を
壁表側の型枠パネル52に固定すると共に、軸足64を
壁裏側の型枠パネル56に固定する。
【0065】すなわち、このような軸足62,64の型
枠パネル52,56への固定により、両型枠パネル5
2,56が、丸セパ60および軸足62,64を介し
て、相互に連結されて固定的に位置決めされて、それら
両型枠パネル52,56の対向面間にコンクリート打設
空間を有するコンクリート壁の型枠が形成されるのであ
る。
【0066】また、軸足62の型枠パネル52への固定
により、高ナット66が被覆スリーブ18の突出端面に
当接せしめられ、かかる被覆スリーブ18の開口部が覆
蓋される。これによって、被覆スリーブ18の内部空間
が、コンクリート打設空間から遮断されており、被覆ス
リーブ18内へのコンクリートの侵入が防止されるよう
になっているのである。
【0067】なお、上述の如き、丸セパ60と軸足6
2,64の連結や、軸足62,64の型枠パネル52,
56への固定には、定まった作業順序はなく、適宜に現
場での型枠組立てが行われ得る。また、そのような型枠
の組立前、組立後、或いは組立てと同時に、必要に応じ
て、コンクリート打設空間内に配筋が施される。
【0068】そして、図11に示される如く、このよう
に組み立てられた型枠内に、コンクリート74を打設す
る。その後、適当な期間、養生した後、型枠のばらし作
業を実施する。この型枠のばらし作業は、基本的には、
従来のテーパコーンを用いた工法と同じである。具体的
には、一般に、軸足62,64からホームタイ70,7
2を取り外した後、型枠パネル52および化粧型枠10
と型枠パネル56を取り外し、次いで、軸足62,64
を、それぞれ、高ナット66,テーパコーン68から離
脱させて取り外す。その後、被覆スリーブ18とテーパ
コーン68を取り外すことにより、型枠のばらし作業が
完了する。なお、被覆スリーブ18は、化粧型枠10と
一体的に取り外される場合もある。
【0069】そこにおいて、軸足62は、型枠内に位置
する部分の全面が、被覆スリーブ18にて覆われてお
り、コンクリート74の付着が完全に防止されているこ
とから、その取外し作業が極めて容易となるのである。
【0070】しかも、図12に示されているように、被
覆スリーブ18は、化粧型枠10の挿通孔16の内周面
に密接されていることから、それらの隙間にノロが侵入
して被覆スリーブ18の外周面に固着するようなことも
なく、化粧型枠10からの突出部の外周面にだけ、コン
クリートが付着するに過ぎないことから、容易にコンク
リートから離脱され得るのである。また、被覆スリーブ
18は、化粧型枠10を取り外した後、化粧型枠10内
に埋設されていた部分がコンクリート表面から突出する
ことから、かかる突出部分をペンチ等で挟んで取り外す
ことも可能である。
【0071】さらに、被覆スリーブ18として、弾性変
形可能な材質にて形成されたものを用いれば、その変形
作用に基づいて、一層優れたコンクリートからの離脱性
を得ることができる。
【0072】また、化粧型枠10における挿通孔16の
形成位置や被覆スリーブ18の長さを調節することによ
り、被覆スリーブ18の化粧型枠10からの突出長さが
適当に設定されている場合には、被覆スリーブ18の取
外し作業が一層容易となる。
【0073】更にまた、被覆スリーブ18として、前記
図3に示されている如き、筒壁部20の内周面に突設さ
れた複数条の脚部22を有する、弾性変形可能な材質に
て形成されたものを採用し、挿通される軸足62の外周
面に脚部22の先端部を当接せしめて、筒壁部20に拡
径変形が生ぜしめられるようにすれば、軸足62の取外
しによって筒壁部20に及ぼされていた拡径力が除去さ
れて縮径変形されることから、かかる縮径力によってよ
り一層優れたコンクリートからの離脱性を得ることがで
きるのである。
【0074】そして、このような型枠のばらし作業の
後、図13に示されているように、被覆スリーブ18の
取外しによってコンクリート表面に生じた穴76に対し
て、モルタル等の充填材78を充填し、表面を整えるこ
とによって、コンクリートの打設による壁の構築作業が
完了する。
【0075】そこにおいても、被覆スリーブ18の取外
しによってコンクリート表面に生ずる穴76は、従来の
テーパコーン等に比べて充分に小径とすることができる
と共に、深さも略一定とすることができることから、充
填材48の充填が容易に為されると共に充分な固着強度
を安定して得ることができるのである。
【0076】しかも、被覆スリーブ18として弾性変形
可能な材質にて形成されたものを用いる場合には、コン
クリート打設時における被覆スリーブ18の変形を利用
したり、或いは外周面に凹凸を有する被覆スリーブを採
用すること等によって、被覆スリーブ18の取外し作業
性を損なうことなく、穴76の内周面に凹凸を形成する
ことも可能であり、それによって、充填材78の飛び出
し等を防止することができる。
【0077】次に、図14には、本発明において好適に
採用され得る被覆スリーブの別の具体例が示されてい
る。この被覆スリーブ80は、外周面がテーパ筒状とさ
れている。また、図15には、本発明において好適に採
用され得る被覆スリーブの更に別の具体例が示されてい
る。この被覆スリーブ82は、テーパ筒状の筒壁部84
を備えていると共に、その内周面上に突出して軸方向に
延びる複数条の脚部86が形成されている。なお、各脚
部86は、筒壁部84の小径側の内周面よりも僅かに径
方向内方にまで突出する高さで形成されている。
【0078】なお、これらの被覆スリーブ80,82の
材質としては、何れも、前記実施例と同様、各種のゴム
やナイロン,ウレタン等の合成樹脂などが好適に採用さ
れる。
【0079】このような被覆スリーブ80,82にあっ
ても、前記実施例と同様、化粧型枠10の挿通孔16に
挿通されて、外周面が挿通孔16の内面に密接された状
態で組み込まれることとなるが、その際、図16に示さ
れているように、大径側端面が型枠パネル52に当接す
るように位置せしめられる。それによって、かかる被覆
スリーブ80,82における、化粧型枠10から突出す
る部分が、先端部に向かって小径化するテーパ状とされ
るのである。
【0080】すなわち、このようなテーパ状外周面を有
する被覆スリーブ80,82を用いれば、前記実施例と
同様な効果が何れも有効に奏され得ることに加えて、外
周面に付されたテーパの作用により、コンクリートから
の被覆スリーブ80,82の取外しが一層容易となるの
である。
【0081】さらに、図17(a),(b)には、本発
明方法に従って製造された、互いに異なる凹凸模様が表
面に付された化粧型枠88,90を用いた型枠の具体例
が示されている。即ち、図17(a)に示された化粧型
枠88と(b)に示された化粧型枠90は、表面に付さ
れた凹凸模様の深さ:d,d′等が相互に異なる異種の
ものであって、それぞれ、異なる成形型によって製造さ
れたものである。
【0082】そこにおいて、成形型の設計時に、両化粧
型枠88,90における最大型厚:Hが同一となるよう
にされている。しかも、それら両化粧型枠88,90に
は、それぞれ、同一型厚とされた最大型厚部位におい
て、挿通孔16が形成されており、そこに被覆スリーブ
18が組み込まれている。
【0083】なお、被覆スリーブ18の挿通孔16への
組込みは、前記実施例と同様、化粧型枠88,90の成
形型内の所定位置に、支持ロッド等を用いて被覆スリー
ブ18を位置決め保持せしめた状態下で、化粧型枠8
8,90を発泡成形することによって、有利に為され得
る。
【0084】すなわち、かくの如く製造された化粧型枠
88,90にあっては、表面に付された凹凸模様が異な
る異種のものであるが、同一型厚とされた最大型厚部位
に挿通孔16が形成されていることから、同一長さの被
覆スリーブ18を用いることができ、優れた製造性およ
びコスト性が実現され得るのである。
【0085】また、このようにして製造された化粧型枠
88,90にあっては、表面に付された凹凸模様が異な
る異種のものであるが、最大型厚寸法:Hが同一とされ
ていることから、コンクリート壁の実質的な壁厚:Tが
同一ならば、両型枠パネル52,56の配設間隔:H+
Tを同一とすることができ、型枠の枠組み作業が容易と
なると共に、要求されるコンクリート壁の実質的な壁
厚:Tから、両型枠パネル52,56の配設間隔:H+
Tを容易に算出することができるといった利点もある。
【0086】次に、図18には、本発明に従う化粧型枠
10を用いた、別の施工方法の一例が示されている。図
示された施工においては、被覆スリーブ18に挿通され
る軸足62に対して、径方向外方に突出する板ナット状
の突部92が設けられており、この突部92とホームタ
イ70との間で型枠パネル52を挟圧することによっ
て、軸足62が型枠パネル52に固定されるようになっ
ている。
【0087】すなわち、このような突部92を有する軸
足62を用いた施工方法を採用すれば、軸足62自体を
型枠パネル52に固定することができ、被覆スリーブ1
8に及ぼされる締付力を軽減して締付力に起因する座屈
等の不良変形を防止することが可能となるのであり、そ
れ故、被覆スリーブ18として、変形容易な材質や薄肉
のもの等を有利に用いることが可能となるのである。
【0088】また、図19には、本発明に従う化粧型枠
10を用いた、更に別の施工方法の一例が示されてい
る。図示された施工においては、被覆スリーブ18に挿
通される軸足62の両端雄ねじ部に対して、それぞれ、
径方向外方に突出する係止突起92が突設されており、
この係止突起92によって、軸足62に螺着される高ナ
ット66およびホームタイ70の螺入量が制限されるよ
うになっている。
【0089】すなわち、このような係止突起92を有す
る軸足62を用いた施工方法を採用すれば、枠組時に被
覆スリーブ18に大きな締付力が及ぼされることが完全
に防止されることから、被覆スリーブ18として変形容
易な材質や薄肉のもの等を用いた場合における、締付力
に起因する座屈等の不良変形がより有効に防止されると
共に、枠組時における高ナット66やホームタイ70の
締付作業も容易となるのてある。
【0090】さらに、図20には、表面が勾配を有する
コンクリート構造物を施工する際に用いられる化粧型枠
10に対して、本発明を適用したものの一実施例が示さ
れている。
【0091】かかる場合には、化粧型枠10および型枠
パネル52に対して、軸足62が、コンクリート構造物
の表面勾配に対応した角度だけ傾斜して挿通されること
となるから、化粧型枠10における挿通孔16および型
枠パネル52における貫通孔54が、それぞれパネル面
に対して傾斜して形成されている。そして、型枠パネル
52を挟んだ両側には、それぞれ、貫通孔54の傾斜角
度に対応した傾斜端面を有する筒状の台座96,98が
配設されている。
【0092】すなわち、これらの台座96,98によっ
て、被覆スリーブ18およびホームタイ70における型
枠パネル56側の当接端面が、それぞれ、挿通孔16お
よび貫通孔54に対して直角な平坦面とされているので
ある。
【0093】従って、このような台座96,98を採用
すれば、型枠パネル52への当接面を傾斜面とした被覆
スリーブ等を用いることなく、表面が勾配を有するコン
クリート構造物の型枠を容易に枠組みすることができる
のである。
【0094】また、そこにおいて、図21に示されてい
る如く、化粧型枠10側に装着される台座96は、化粧
型枠10の成形時に、被覆スリーブ18と共に支持ロッ
ド48に挿通せしめて成形キャビティ28内にセットす
ること等により、化粧型枠10の挿通孔16内に固定的
に組み込むことも可能であり、それによって、施工作業
性の一層の向上が図られ得る。
【0095】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0096】例えば、複数本の脚部22,86を有する
被覆スリーブ18,80を用いる場合に、脚部の数や突
出高さ等は限定されるものではなく、また、かかる脚部
は必ずしも被覆スリーブの全長に渡って連続して形成す
る必要はない。
【0097】また、被覆スリーブの材質として、実質的
に変形しない硬質の樹脂材料等を採用することも可能で
ある。なお、その場合には、被覆スリーブ18の外径や
化粧型枠10からの突出高さ等を調節して、コンクリー
トの付着面積を小さくすること等により、被覆スリーブ
18のコンクリートからの取外し作業性を確保すること
が望ましい。
【0098】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのコンクリート打設用
化粧型枠を示す要部断面図である。
【図2】図1に示された化粧型枠に採用され得る被覆ス
リーブの具体例を示す図であって、(a)は縦断面図,
(b)は軸方向端面図である。
【図3】図1に示された化粧型枠に採用され得る被覆ス
リーブの別の具体例を示す図であって、(a)は縦断面
図,(b)は軸方向端面図である。
【図4】本発明の別の実施例としてのコンクリート打設
用化粧型枠を示す正面図である。
【図5】図4におけるV−V断面図である。
【図6】図1に示された化粧型枠の製造に用いられる成
形型の具体例を示す縦断面図である。
【図7】図6に示された成形型を構成する第一の金型を
示す正面図である。
【図8】図6に示された成形型を構成する第二の金型を
示す正面図である。
【図9】図6に示された成形型に対する被覆スリーブの
セット状態を示す要部拡大断面図である。
【図10】図1に示された化粧型枠の具体的な使用例を
説明するための説明図である。
【図11】図10に示された工程の後の施工工程を説明
するための説明図である。
【図12】図11に示された工程の後の施工工程を説明
するための説明図である。
【図13】図12に示された工程の後の施工工程を説明
するための説明図である。
【図14】本発明において採用され得る被覆スリーブの
具体例を示す図であって、(a)は縦断面図,(b)は
軸方向一方の端面図である。
【図15】本発明において採用され得る被覆スリーブの
別の具体例を示す図であって、(a)は縦断面図,
(b)は軸方向一方の端面図,(c)は軸方向他方の端
面図である。
【図16】図14に示された被覆スリーブを用いた、本
発明の一実施例としての化粧型枠の施工状態を示す説明
図である。
【図17】(a),(b)は、本発明方法に従って製造
された、互いに異なる2種類の化粧型枠を用いた施工状
態を示す説明図である。
【図18】図1に示された化粧型枠を用いた別の施工方
法を示す説明図である。
【図19】図1に示された化粧型枠を用いた更に別の施
工方法を示す説明図である。
【図20】本発明の一実施例としての化粧型枠を用い
た、表面が勾配を有するコンクリート構造物の施工状態
の説明図である。
【図21】図20に示された化粧型枠を本発明に従って
製造するに際して好適に用いられる成形型の要部拡大断
面図である。
【符号の説明】
10,88,90 化粧型枠 12 表面 14 裏面 16 挿通孔 18,80,82 被覆スリーブ 20,84 筒壁部 22,86 脚部 28 成形キャビティ 48 支持ロッド 52 型枠パネル 54 貫通孔 60 丸セパ 62 軸足 66 高ナット 70 ホームタイ 74 コンクリート 96 台座

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリートに接する表面に凹凸模様を
    有し、裏面において型枠パネルに取り付けられるコンク
    リート打設用化粧型枠において、 コンクリート中に埋設される丸セパの端部に連結されて
    前記型枠パネルに取り付けられる軸足の挿通孔を表裏に
    貫通して設ける一方、かかる軸足に外挿されて外周面を
    覆う被覆スリーブを、前記挿通孔の内部に組み込んで該
    挿通孔の内周面に密接させて固定すると共に、該被覆ス
    リーブの先端部分を表面上に突出せしめたことを特徴と
    するコンクリート打設用化粧型枠。
  2. 【請求項2】 前記被覆スリーブが、少なくとも前記表
    面上に突出位置する先端部分において、突出側先端部に
    行くに従って小径化するテーパ状外周面を有している請
    求項1に記載のコンクリート打設用化粧型枠。
  3. 【請求項3】 前記被覆スリーブの内周面上に、内方に
    突出して軸方向に延びる複数本の脚部が形成されている
    請求項1又は2に記載のコンクリート打設用化粧型枠。
  4. 【請求項4】 前記挿通孔が同一の長さで複数形成され
    ていると共に、それらの挿通孔に同一長さの被覆スリー
    ブがそれぞれ組み込まれている請求項1乃至3の何れか
    に記載のコンクリート打設用化粧型枠。
  5. 【請求項5】 前記被覆スリーブが、弾性変形可能な材
    質で形成されている請求項1乃至4の何れかに記載のコ
    ンクリート打設用化粧型枠。
  6. 【請求項6】 前記型枠パネルが取り付けられる裏面に
    対して前記挿通孔が傾斜して設けられていると共に、か
    かる挿通孔の裏面側端部に、軸方向一方の端面が該挿通
    孔の傾斜角に対応した傾斜端面とされた筒状の台座を配
    設し、該台座における前記挿通孔の軸に直角な軸方向他
    方の端面によって、前記被覆スリーブの軸方向端部を支
    持せしめた請求項1乃至5の何れかに記載のコンクリー
    ト打設用化粧型枠。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のコンクリート打設用化
    粧型枠を製造するに際して、 成形型の成形キャビティに、前記被覆スリーブを位置決
    めして配設した後、該成形キャビティ内で前記コンクリ
    ート打設用化粧型枠を発泡成形し、かかる成形と同時に
    前記挿通孔を形成すると共に、該挿通孔の内周面に前記
    被覆スリーブを固着せしめることを特徴とするコンクリ
    ート打設用化粧型枠の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記成形型の成形キャビティに支持ロッ
    ドを配設し、該支持ロッドに前記被覆スリーブを外挿す
    ることにより、該被覆スリーブを前記成形キャビティ内
    に位置決め保持せしめる請求項7に記載のコンクリート
    打設用化粧型枠の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のコンクリート打設用化
    粧型枠を複数種類製造するに際して、 成形キャビティの内法寸法の最大値が互いに同一とされ
    た複数種の成形型と、長さが互いに同一とされた前記被
    覆スリーブの複数本とを用い、それぞれの成形型におけ
    る成形キャビティの内法寸法が最大となる位置に該被覆
    スリーブを位置決めして配設し、該成形キャビティ内で
    前記コンクリート打設用化粧型枠を発泡成形することに
    より、かかる成形と同時に前記挿通孔を形成すると共
    に、該挿通孔の内周面に前記被覆スリーブを固着せしめ
    ることを特徴とするコンクリート打設用化粧型枠の製造
    方法。
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