JPH07278193A - 黒色腫関連抗原ポリペプチド、そのエピトープ及び黒色腫のワクチン - Google Patents

黒色腫関連抗原ポリペプチド、そのエピトープ及び黒色腫のワクチン

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JPH07278193A
JPH07278193A JP7028387A JP2838795A JPH07278193A JP H07278193 A JPH07278193 A JP H07278193A JP 7028387 A JP7028387 A JP 7028387A JP 2838795 A JP2838795 A JP 2838795A JP H07278193 A JPH07278193 A JP H07278193A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 黒色腫関連抗原を単離し、この抗原及び/ま
たはそのエピトープを黒色腫患者の免疫療法の開発のた
めに使用する。 【構成】 gp100として公知のメラノーマ関連抗原
及び該抗原から誘導されるペプチドを提供する。gp1
00及びそのペプチドは、メラノーマ治療用のワクチン
に使用し得る。本発明は更に、gp100またはgp1
00誘導ペプチドを発現し得る宿主細胞、gp100を
特異的に認識する腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、及びT
ILを含むワクチンもまた提供する。更に本発明は、メ
ラノーマ検出のため及び本発明の予防接種形態をモニタ
ーするための診断キットも提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガンの治療及び診断、
特に黒色腫関連抗原、そのエピトープ、黒色腫のワクチ
ン、抗原を認識する腫瘍浸潤Tリンパ球、並びに黒色腫
の検出及びワクチン接種監視のための診断に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようする課題】腫瘍細胞
は、腫瘍遺伝子の活性化及び/又は腫瘍抑制遺伝子の不
活化により制限増殖制御から解放され得る。腫瘍進行の
過程は、種々の’単位特性’、即ち表現型特性で漸進的
で段階的な一連の変化をたどる。その多くが、所定の腫
瘍遺伝子及び/又は腫瘍抑制遺伝子の変容発現により決
定されるか又は少なくともその影響を受けることは知ら
れている。免疫宿主制限からの細胞のエマンシペーショ
ンは、増殖制御からのエマンシペーションと同様の多段
階経路をたどり得る。
【0003】ガン免疫療法でしばしば見られる問題は、
腫瘍の免疫原性欠如である。免疫制御系のこのような欠
落は、腫瘍細胞に認められる表現型の違い(Klei
n,G.及びBoon, T., Curr. Opi
nion in Immunol. , 687−6
92, 1993に基づきBurkittリンパ球細胞
で認められた違い): −抗原の処理/提示能力の低下; −自己由来T細胞の刺激能力の低下; −形質転換細胞に関連する免疫原タンパク質の完全ダウ
ンレギュレーション; −白血球付着分子又は他の補助分子の発現がないか又は
小さいこと;及び −あるMHCクラスI及びクラスIIの対立遺伝子の選
択的ダウンレギュレーション に基づくものであると理解され得る。
【0004】MHCクラスI/II抗原はしばしば固体
腫瘍でダウンレギュレートされる。これは、全てのクラ
スI/IIの抗原又はその一部分のみに作用し得る。細
胞毒性Tリンパ球媒介溶解のために適切な標的細胞を感
作し得るウイルスペプチド及び細胞ペプチドは、MHC
クラスI抗原の発現レベルが低い細胞で産生されると、
感作できないことがある。細胞毒性感受性は、少なくと
も場合によってはインターフェロンγ及び腫瘍壊死因子
αによりMHCクラスI/II抗原の発現レベルを増す
ことにより誘発され得る。
【0005】しかしながら、正常組織から腫瘍組織への
段階的変化の間に、腫瘍関連抗原が出現する。これらの
抗原は、以下に示す種々の機構で解明され得る: −前記抗原は、正常細胞の発達中に何からの方法でマス
キングする分子であり得るが、腫瘍変化が免疫系のため
のマスキング保護の除去を誘発する; −原形質膜から幾つかの分子が欠失すると、所与の膜パ
ッチで隣接分子のプロフィルが変化し、従って実際には
宿主に対して免疫原性となり得る新しいプロフィルを生
じ得る; −腫瘍形質転換を伴う膜変化は、以前は隠されていた分
子の新しい領域を露出させ得るか又は既存分子に新しい
構造的特徴を付加し得る; −腫瘍細胞のシェディング(shedding)及び崩
壊により、免疫系は、通常細胞内に隠されている核成
分、核小体成分又は細胞質成分にさらされ得る。
【0006】腫瘍関連抗原の特性は、抗原を保有する腫
瘍の起源に大きく依存する。動物腫瘍に関連する抗原の
存在は今世紀に文献で証明され、ヒトガンの抗原性は、
主に最近のモノクローナル抗体の研究により十分に確立
されている。
【0007】これらの抗原を単離して、化学特性の分析
を行おうとしたが、重大な困難に遭遇した。困難の多く
は、溶液から抗原を保有する分子を沈殿させるのに適し
た試薬が欠如していることに関係していた。
【0008】他の多くの刺激と同様に、腫瘍関連抗原
は、特異的及び非特異的な体液及び細胞の両方の防御機
構のひとつではなく、全体を活性化する。腫瘍増殖のi
n vivo耐性の主要な役割はTリンパ球が果たして
いる。これらの細胞は、抗原提示細胞(APC)により
該細胞に示される腫瘍関連抗原を認識し、この認識によ
り活性化され、活性化及び判別により腫瘍細胞を攻撃し
て死滅させる。特定型のこの種のリンパ球は、固体腫瘍
で認められ得る腫瘍浸潤リンパ球(TIL)により生成
される。
【0009】Tリンパ球を不溶性担体にin vitr
o結合した抗原物質で活性化し、次いでこれらの活性化
リンパ球を腫瘍患者に投与することは既に提案されてい
る(ヨーロッパ特許第147,689号)。
【0010】従来の化学療法は転移性黒色腫患者の治療
では比較的効果がなく、米国では毎年この疾病で約60
00人の患者が死亡している。
【0011】Rosenberg等(New Eng.
J. Med. 319(25), 1676−16
81, 1988)は、黒色腫患者での自己由来TIL
及びインターロイキン−2(IL−2)による免疫療法
の有効性を示した。
【0012】この療法は、腫瘍デポジットを切除し、T
ILを単離し、TILをin vitro膨張させ、併
用治療中の患者に毒性を誘発する高用量のIL−2を注
入することからなる。
【0013】Rosenbergが使用したTILは、
黒色腫関連抗原を認識するためのものであり且つこれを
認識し得る。
【0014】このような黒色腫関連抗原を単離し、この
抗原及び/又はそのエピトープを黒色腫患者の免疫療法
の開発のために使用できるようにすることが本発明者等
の目標である。
【0015】黒色腫抗原は既に、120の黒色腫細胞系
で産生する6種の抗原糖タンパク質及び3種の糖脂質を
同定したOld, L.(1981)により発表されて
いる。
【0016】黒色腫抗原を含むワクチンも記載されてい
る:米国特許第5,030,621号及び第5,19
4,384号では、黒色腫細胞を培養し、次いで分泌さ
れた黒色腫特異抗原を培地から単離することにより多価
ワクチンが製造されている。
【0017】黒色腫型ガンの治療や診断用として既に提
案されている特異抗原もある:ペプチドp97は米国特
許第5,262,177号及び米国特許第5,141,
742号に開示され、35kDタンパク質はヨーロッパ
特許第529,007号に記載されている。
【0018】
【課題を解決するための手段】発明者等は、配列番号2
のアミノ酸配列を含んでいることを特徴とする黒色腫関
連ポリペプチドを発見した。
【0019】このメラニン細胞系に特異的な抗原ポリペ
プチド(gp100とも称する)は、診断に適している
ことが証明されたモノクローナル抗体NKI−bete
bにより認識される。この抗体により認識される抗原
は、約10kd(gp10)及び100kd(gp10
0)の細胞内タンパク質である。後者は、黒色腫細胞の
培地でも検出可能である(Vennegoor, C.
等,Am. J. Pathol. 130, 179
−192, 1988)。gp100抗原が他の黒色腫
特異抗体(例えばHMB−50)(Vogel, A.
M.及びEsclamado, R.M., Can
cer Res. 48, 1286−1294, 1
988に記載)、又はHMB−45(Gown, A.
M.等,Am. J. Pathol. 123, 1
95−203, 1986に記載)と反応することも判
明した。これらのモノクローナル抗体と反応するタンパ
ク質は黒色腫細胞でグリコシル化されることが判明して
いるので、SDS−PAGEで分析すると移動度が違う
ことが判明した。
【0020】これらの細胞内タンパク質が処理され、M
HC分子の場合のペプチドとして免疫系の細胞に提示さ
れ得ることが実証されているので、このgp100抗原
は主に細胞内で発現されるが、適切な免疫原抗原である
ことが確定している。実際、黒色腫患者の腫瘍に由来す
る腫瘍浸潤リンパ球が抗原と反応することが判明した。
【0021】従って、gp100ポリペプチドはガンに
対する細胞応答の潜在的標的であり、従って黒色腫患者
の治療や診断の適切な材料となる。
【0022】gp100は、タンパク質の中央に存在す
る反復性アミノ酸配列を含むトレオニンに富むドメイン
(アミノ酸309−427)を有する型Iのトランスメ
ンブランタンパク質である。伸長性O−結合グリコシル
化され得るこのトレオニンに富むドメインの前には、ヒ
スチジンに富む領域(アミノ酸182−313)があ
り、後にはシステインに富むドメイン(アミノ酸475
−566)が来る。疎水性プロット分析(Kyte,
J.及びDoolittle, R.F., 198
2)に基づけば、帯電残基を末端に有する単一トランス
メンブランドメインがgp100のカルボキシ末端部分
(アミノ酸591−611)に存在する。予測される細
胞質ドメインの長さは45アミノ酸である。5個の推定
上のN−結合グリコシル化部位が存在し、gp100
(糖タンパク質)と一致している。
【0023】“ポリペプチド”という用語は、アミノ酸
の分子鎖を意味し、産生物の特定の長さを意味するもの
ではなく、必要とあれば、例えばグリコシル化、アミド
化、カルボキシル化又はリン酸化によりin vivo
又はin vitro改変させることができる。従っ
て、とりわけペプチド、オリゴペプチド及びタンパク質
がポリペプチドの定義に包含される。
【0024】もちろん、本発明のポリペプチドの機能的
誘導体及び断片も本発明に包含される。機能的誘導体
は、配列全体のうち1個以上のアミノ酸が、欠失、置
換、逆位又は付加によって異なるポリペプチドを意味す
る。殆ど生物/免疫活性を変化させないと思われ得るア
ミノ酸置換は文献に記載されている。関連アミノ酸間の
アミノ酸置換、即ち進化中にしばしば生じた置換はとり
わけ、Ser/Ala,Ser/Gly,Asp/Gl
y,Asp/Asn,Ile/Valである(Dayh
of, M.D., Atlas of protei
n sequence and structure,
Nat. Biomed. Res. Foun
d., Washington D.C., 197
8, vol. 5, suppl. 3を参照)。L
ipman及びPearsonは、この情報に基づいて
高速感受性タンパク質比較方法(Science 22
7, 1435−1441, 1985)を開発し、同
種ポリペプチドの機能的類似性を決定している。
【0025】モノクローナル抗体NKI−beteb又
はHMB−50又はHMB−45に対して尚免疫活性を
示す機能的誘導体も本発明の範囲に包含される。
【0026】更には、これらのペプチドの機能的誘導体
は、腫瘍浸潤リンパ球による標的細胞溶解を誘発し得る
gp100由来のペプチドを意味する。
【0027】更には、これらのペプチドの機能的誘導体
は、ペプチドの付加塩、ペプチドのアミド、特にC−末
端アミド、エステル(とりわけC−末端エステル)、N
−アシル誘導体(とりわけN−末端アシル誘導体)及び
N−アセチル誘導体を意味する。
【0028】本発明のポリペプチドは、合成処理により
又は組換えDNA技術により産生され得る。合成ポリペ
プチドの産生方法は当業界ではよく知られている。
【0029】ペプチド合成の有機化学方法は、均質相で
の又はいわゆる固相を用いた縮合反応による必要なアミ
ノ酸のカップリングを包含すると考えられる。縮合反応
は以下の方法で実施され得る: a)縮合剤の存在下で、遊離カルボキシル基及び保護さ
れた他の反応性基を有する化合物(アミノ酸、ペプチ
ド)を、遊離アミノ基及び保護された他の反応性基を有
する化合物(アミノ酸、ペプチド)と縮合させる; b)活性化カルボキシル基及び遊離した又は保護された
他の反応性基を有する化合物(アミノ酸、ペプチド)
を、遊離アミノ基及び遊離した又は保護された他の反応
性基を有する化合物(アミノ酸、ペプチド)と縮合させ
る。
【0030】カルボキシル基の活性化はとりわけ、カル
ボキシル基を酸ハロゲン化物、アジ化物、無水物、イミ
ダゾリド又は活性化エステル(例えばN−ヒドロキシ−
スクシンイミド、N−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール
又はp−ニトロフェニルエステル)に変換することによ
り実施され得る。
【0031】前記縮合反応の最も一般的な方法は、Th
e Peptides, Analysis, Syn
thesis, Biology Vol. 1−3
(Ed. Gross, E.及びMeienhofe
r, J.)1979, 1980, 1981(Ac
ademic Press, Inc.)に記載のよう
なカルボジイミド法、アジ化物法、混合無水物法及び活
性化エステルを用いる方法である。
【0032】組換えDNA技術によるポリペプチドの産
生は公知の一般的な方法であるが、多くの可能性があ
り、それにより幾分異なる結果が得られる。発現すべき
ポリペプチドは、DNA配列、更に正確に言えば核酸配
列によりコードされる。
【0033】gp100のアミノ酸配列が、Kwo
n,.B.S.(1991)が開示した公知の黒色腫関
連ペプチドpMel17のアミノ酸配列と非常に類似し
ていることが判明した。
【0034】gp100とpMel17とのアミノ酸の
違いは、アミノ酸274位(T−C/PRO−LEU)
及び597位(C−G/ARG−PRO)での置換、並
びに587位でgp100には存在しない7アミノ酸の
伸長からなる。762位での単なるヌクレオチドの相違
(C−T)はアミノ酸の置換を生じない。gp100は
更に、ウシ網膜cDNAライブラリーから単離した部分
的cDNAクローン(RPE−1)からの推定上のタン
パク質と80%相同であり(Kim, R.Y.及びW
istow, G.J., 1992)、ニワトリメラ
ノゾームマトリックスタンパク質MMP115とは42
%相同である(Mochii, M.,1991 )。
図2も参照のこと。
【0035】gp100ポリペプチドをコードする配列
を含んでいる核酸配列も本発明の一部分である。
【0036】好ましくはgp100をコードする配列は
配列番号1の配列である。
【0037】当業界でよく知られているように、遺伝暗
号のデジェネラシーによりコドンの塩基が置換されて
も、その結果依然として同一のアミノ酸をコードする他
のコドンが得られる。例えば、アミノ酸グルタミン酸の
ためのコドンはGAT及びGAAの両方である。配列番
号2に示すアミノ酸配列でポリペプチドを発現するため
に、このような代替のコドン組成物を有して、配列番号
1に示す核酸配列とは異なる誘導体核酸配列を使用する
ことができることは明白である。
【0038】本明細書で使用する“核酸配列”とは、任
意長さのポリマー形態のヌクレオチド、即ちリボ核酸
(RNA)配列及びデオキシリボ核酸(DNA)配列の
両方を意味する。一般に、この用語は分子の一次構造を
意味する。従って、この用語は二本鎖DNA、一本鎖D
NA、二本鎖RNA、一本鎖RNA及びこれらの変形を
包含している。
【0039】gp100のヌクレオチド配列は2115
塩基対(bp)を含み、15ヌクレオチドのポリ(A)
領域を末端とする。この末端の前には、コンセンサスポ
リアデニル化配列AATAAAが位置する。ヌクレオチ
ド22から2007に及ぶ読取り枠(ORF)がgp1
00 DNAに存在する。このORFは、翻訳開始の適
切な配列コンテキスト内でATGコドンにより開始し、
661アミノ酸のタンパク質をコードする。アミノ末端
20アミノ酸は、シグナル配列(例えば20位(−1)
でのALAの後の潜在的な開裂部位を含む)の全ての基
準を満たす。これは、成熟gp100が641アミノ酸
(約70kD)を含んでいることを示す。
【0040】gp100とPmel17との間のcDN
Aの最も顕著な違いは、gp100cDNAでの21b
pのインフレーム(inframe)欠失である(第2
図)。ゲノムDNAのヌクレオチド配列をgp100
cDNAの配列と比較すると、ちょうどPmel17
cDNAの21bp挿入の位置にイントロン(102b
p)が存在することが判明した。エキソン/イントロン
の境界は、コンセンサス5’ドナー及び3’アクセプタ
ースプライス部位配列と十分に適合する(Padget
t, 1986)。ゲノムDNAでは、Pmel17
cDNAにおける追加の21bpを含む配列が、gp1
00 RNAの産生に使用される3’開裂部位のすぐ上
流に位置し、その前には代替の3’アクセプタースプラ
イス部位が位置する。gp100特異的3’アクセプタ
ースプライス部位はコンセンサス部位に適合するが、P
mel17特異的3’アクセプタースプライス部位は、
ピリミジンに富む領域が欠如している点で次善であるよ
うに思える。次善のRNAプロセッシング部位は、代替
方法で処理された多くのメッセンジャーRNA前駆体に
存在し、代替のRNAプロセッシングの調節機能に関与
した(Green, M.R., 1991により再考
察)。総括的には、これらのデータは、gp100及び
Pmel17のcDNAに対応する転写が単一の一次転
写の代替スプライシングにより生じることを証明してい
る。
【0041】本発明の他の部分は、gp100ポリペプ
チドの免疫原断片たるペプチドである。
【0042】免疫原断片はgp100分子の断片であ
り、この断片は尚、免疫原応答を誘発することができ
る。即ち、断片を特異的に認識する抗体を産生すること
ができるか又はこの断片によって活性化されたTリンパ
球を見つけることができる。
【0043】前述したように、腫瘍関連抗原の免疫原作
用がしばしばT細胞の活性化機構により引出されること
は知られている(Townsend, A.R.M.及
びBodmer, H., Ann. Rev. Im
munol. , 601−624, 1989)。
T細胞レセプター(TCR)依存的及びMHC制限的に
黒色腫細胞を認識する細胞毒性Tリンパ球(CTL)が
腫瘍患者から単離されている(Knuth,A., 1
992により再考察)。Brichard等(199
3)は、他のメラニン細胞特異抗原であるチロシナーゼ
由来のペプチドがCTLクローンにより認識されること
を示した。
【0044】MHC分子によるT細胞の活性化が、その
短いピース(例えば8−12マー)がTリンパ球に提示
される抗原のプロセッシングを必要とすることは知られ
ている。
【0045】gp100配列に位置する免疫原オリゴペ
プチドも本発明の一部を構成する。
【0046】MHC I分子と結合できるだけでなく、
黒色腫患者から単離した腫瘍浸潤リンパ球を認識するこ
とも実証されたgp100配列の免疫原ペプチド配列を
見出した。
【0047】数種のペプチドが見出された:アミノ酸配
列V−L−P−D−G−Q−V−I−W−V,M−L−
G−T−H−T−M−E−V,R−L−M−K−Q−D
−F−S−V,(V)−(W)−(K)−T−W−G−
Q−Y−W−Q−V−(L)及びL−L−D−G−T−
A−T−L−R−Lを有するペプチドが、MHC HL
A−A2.1分子と結合することが判明した。更には、
最後の2種のペプチドは、HLA−A2.1のコンテキ
ストで抗黒色腫細胞毒性Tリンパ球により認識される。
【0048】これらのペプチドが、非関連配列、即ち本
来は全く関連のない配列によってフランキングされてい
ることが好ましい。何故ならば、このようなフランキン
グが、恐らくはAPCによるより良いプロセッシング及
び提示によって、これらのペプチドの免疫原性を高める
ことが判明しているからである。
【0049】本発明の他の部分は、前記ペプチドをコー
ドするヌクレオチド配列を含んでいるヌクレオチド配列
により構成される。
【0050】以下で詳しく説明する組換えDNA技術に
よるペプチド産生でのこれらの配列の使用に次いで、g
p100又はそのエピトープについて配列表に開示され
た配列情報を診断のために使用することができる。
【0051】これらの配列からプライマーを診断試験の
基準として誘導して、核酸増幅技術(例えばそれぞれ米
国特許第4,683,202号及びヨーロッパ特許第3
29,822号に記載されているポリメラーゼ連鎖反応
(PCR)又は核酸配列ベースの増幅(NASBA))
によりgp100又はgp100様タンパク質を検出す
ることができる。
【0052】PCRを用いる場合、標的DNA配列をオ
リゴヌクレオチドプライマーで処理して、プライマー伸
長産物を合成し、熱変性を用いてこれを鋳型から分離
し、分離したものを鋳型として用いて標的配列を増幅さ
せることにより多量のDNAが産生される。RNAをP
CRで増幅すべきときには、まず逆転写酵素を用いてR
NA鎖をDNA鎖に転写する。
【0053】NASBAを用いる場合、多量の一本鎖R
NAが一本鎖RNA、一本鎖DNA又は二本鎖DNAか
ら産生される。RNAを増幅すべきときには、ssRN
Aが、ssRNAポリメラーゼ認識部位を含む第1のプ
ライマーの伸長により第1のDNA鎖を合成するための
鋳型として機能する。産生されたDNA鎖は、第2のプ
ライマーの伸長により第2の相補的なDNA鎖を合成す
るための鋳型として機能する。これにより二本鎖活性R
NA−ポリメラーゼプロモーター部位が得られる。第2
のDNAは、RNAポリメラーゼを用いて第1の鋳型で
あるssRNAを多量に合成するための鋳型として機能
する。
【0054】増幅ヌクレオチド配列の検出は、相補的な
検出プローブを増幅した核酸とハイブリダイズすること
により達成される。このプローブは固相上で標識及び/
又は固定化され得る。ラベルの検出は、当業界で公知の
方法により実施され得る。プローブにより固相に結合し
た核酸の検出は、核酸の選択的検出を可能とする化合物
により実施され得る。
【0055】前述したように、ヌクレオチド配列は、組
換えDNA技術によるgp100又はそのエピトープの
ひとつの産生のために使用され得る。このために、ヌク
レオチド配列は、適切な宿主細胞を形質転換又はトラン
スフェクトするために使用され得るクローニング媒体に
含まれねばならない。
【0056】多種多様な宿主細胞とクローニング媒体と
の組み合わせを有効に用いて核酸配列をクローニングし
てもよい。例えば、有用なクローニング媒体には、染色
体、非染色体及び合成DNA配列[例えば種々の公知の
細菌プラスミドや宿主範囲がより広範なプラスミド(例
えばpBR 322、種々のpUC、pGEM及びpB
luescriptプラスミド)、バクテリオファージ
(例えばλ−gt−Wes、Charon 28及びM
13由来のファージ)、並びにプラスミド及びファージ
又はウイルスDNA(例えばSV40、アデノウイルス
もしくはポリオーマウイルスDNA)の組み合わせに由
来するベクター]が含まれ得る(Rodriquez,
R.L.及びDenhardt(1988);Len
stra,1990も参照)。
【0057】有用な宿主には、細菌宿主、酵母及び他の
真菌、植物又は動物の宿主(例えばチャイニーズハムス
ター卵巣(CHO)細胞又はサル細胞)並びに他の宿主
が含まれ得る。
【0058】ペプチドの発現に使用されるビヒクルは更
に、該ペプチドをコードする核酸配列に操作可能に連結
された制御配列を含む。かかる制御配列は一般にプロモ
ーター配列と、発現レベルを調節及び/または増強する
配列とを含む。更に、複製開始点及び/または主選択マ
ーカーがかかるビヒクル中に存在することが多い。当然
ながら制御配列及び他の配列は、選択した宿主細胞に従
って変えることできる。
【0059】宿主細胞を形質転換またはトランスフェク
トする方法は当分野において公知である(例えばMan
iatisら,1982及び1989参照)。
【0060】ペプチドの情報のほかに、宿主細胞を、前
記ペプチドが結合することが知られているMHC分子の
情報を担うベクターを用いて同時形質転換または同時ト
ランスフェクトするならば、それは極めて実用的であ
る。MHC分子はHLA−A2.1、HLA−A1もし
くはHLA−A3.1、またはメラノーマ患者に存在す
ることが知られている任意の他のHLA対立遺伝子であ
るのが好ましい。メラノーマ細胞は、メラノーマ患者由
来のHLA−A2.1制限細胞障害性T細胞クローンに
よって認識される抗原を担うことが立証されている(A
nichiniA.,1993)ことから、HLA−A
2.1は特に好ましい。
【0061】gp100の発現に特に適した宿主細胞は
ネズミEL4及びP8.15細胞である。(Katan
o,M.,1984によって記載されている)ヒトBL
M細胞は既にMHC分子HLA−A2.1を発現し得る
ので、gp100の発現には特に適している。
【0062】gp100または上記ペプチドもしくはそ
れらのヌクレオチド配列のいずれかをメラノーマ治療用
のワクチンに使用し得る。
【0063】免疫原有効量の活性ペプチドに加え、ワク
チンは医薬的に容認可能な担体または希釈剤を含み得
る。
【0064】本発明のペプチド、特にオリゴペプチドの
免疫原性は、免疫原性担体分子(即ち、本発明のペプチ
ドが共有結合することができる、患者中で免疫学的応答
を独立に誘発する特性を有する高分子)に架橋またはカ
ップリングすることにより増強し得る。
【0065】担体分子への共有結合は当分野において公
知の方法を使用して実施し得るが、その厳密な選択は使
用する担体分子の特性によって左右される。免疫原性担
体分子がタンパク質である場合、本発明のペプチドを例
えばジシクロヘキシルカルボジイミドのごとき水溶性カ
ルボジイミドまたはグルタルアルデヒドを使用してカッ
プリングし得る。
【0066】上述のごときカップリング剤を使用してペ
プチドをそれ自体に、別個の担体分子を使用せずに架橋
することができる。ポリペプチドまたはペプチド凝集体
をもたらす架橋は免疫原性を増強し得る。
【0067】本発明に有用な医薬的に容認可能な担体ま
たは希釈剤の例としては、SPGAのごとき安定化剤、
炭水化物(例えばソルビトール、マンニトール、澱粉、
スクロース、グルコース、デキストラン)、アルブミン
またはカゼインのごときタンパク質、ウシ血清またはス
キムミルクのごときタンパク質含有物質、及び緩衝液
(例えばリン酸緩衝液)が挙げられる。
【0068】必要によっては、アジュバント活性を有す
る1種以上の化合物をワクチンに添加してもよい。適当
なアジュバントとしては例えば水酸化アルミニウム、リ
ン酸アルミニウムまたは酸化アルミニウム、(例えばB
ayol F(R)またはMarcol 52(R)の)油性
エマルジョン、サポニンまたはビタミンE溶解物が挙げ
られる。
【0069】本発明のワクチンは特に、静脈内、腹腔
内、鼻腔内、皮内、皮下または筋肉内に与え得る。
【0070】投与すべき有効量は患者の年齢及び体重並
びにワクチン投与形態に従って変わる。
【0071】本発明ワクチンを使用して特にT細胞応答
を得ることができるが、予防接種後にB細胞応答を誘発
することも可能である。その場合、B細胞応答によりワ
クチンのペプチドに対する抗体が形成されるが、その抗
体は抗原産生源、即ち腫瘍細胞に対するものである。こ
のように腫瘍細胞は両免疫学的系の応答によって応戦さ
れるが故に、これは有利な特徴である。
【0072】両免疫学的系は、ワクチンが抗原提示細胞
(APC)によってMHC分子中に提示されるペプチド
を含む場合に、より有効に誘発される。抗原提示は、本
発明のペプチドの1つを負荷された、単球、マクロファ
ージ、指状突起細胞、ランゲルハンス細胞、特に樹状細
胞を使用して行われ得る。APCの負荷(loadin
g)は、本発明ペプチドをAPCの近辺に置くことによ
り行い得るが、APCに完全gp100抗原を取込ませ
ることがより好ましい。こうして、in vivo状況
を最も実態に即して模倣した提示が行われる。更に、細
胞によって使用されるMHCは、エピトープを提示する
のに適したタイプのものである。
【0073】エピトープ提示のためにAPCを使用する
ことの総合的な利点は、これに関して使用されるAPC
細胞を選択し得ることである。種々のタイプのAPCか
ら、刺激性のAPCや阻害性のAPCがあることが知ら
れている。
【0074】好ましいのは、所謂「専門的(profe
ssional)」抗原提示細胞である列挙した細胞タ
イプであって、これらは、抗原提示過程で重要な機能を
果たす同時刺激分子を有することを特徴とする。かかる
同時刺激分子は例えばB7、CTLA−4、CD70ま
たは熱安定性抗原(Schwartz,1992)であ
る。
【0075】抗原提示細胞としても作用し得ることが判
明している線維芽細胞にはかかる同時刺激分子が欠如し
ている。
【0076】gp100の情報を保有するクローニング
ビヒクルによって既にトランスフェクトされていると共
に、MHCクラスI分子のヌクレオチド配列、例えばH
LA−A2.1、HLA−A1またはHLA−A3.1
をコードする配列を含むクローニングビヒクルによって
同時トランスフェクトされている細胞を使用することも
できる。かかる細胞は抗原提示細胞として作用し、表面
に発現されたMHCクラスI分子でgp100フラグメ
ントを提示する。細胞が上述の同時刺激分子のいずれか
または類似機能を有する分子も発現し得る場合、この提
示は増強されることが考えられる。この発現は、かかる
同時刺激分子をコードする配列情報を有する第3のクロ
ーニングビヒクルを用いて細胞を形質転換またはトラン
スフェクトした結果であり得るが、細胞が既に同時刺激
分子を産生し得たということもあり得る。
【0077】所望の発現産物のほかに、やはり発現さ
れ、細胞の所望の免疫原性反応に悪影響を及ぼし得る多
数のエレメントを保有する細胞を含むワクチンに代え、
ペプチドが負荷されたMHC分子を露出すると共に例え
ばリンフォカインが充填されたリポソームを用いてワク
チンを調合することもできる。このようなリポソームは
免疫学的T細胞反応を誘発する。
【0078】in vivoで提示されるようにペプチ
ドを提示することにより、増強されたT細胞応答が喚起
される。更に、比較的大きな抗原提示細胞の天然アジュ
バント作用により、B細胞応答も誘発される。このB細
胞応答は特にペプチド−MHC複合体に対する抗体の形
成をもたらす。この複合体は特に腫瘍細胞中に認められ
るが、患者の腫瘍細胞中ではgp100のエピトープが
自然に提示され、それがT細胞応答を誘発し得ることが
判っている。本発明のペプチドを既に提示するAPCの
予防接種により拡張されるのはこの自然現象である。こ
の拡張により、拡張されたT細胞応答が喚起されるだけ
でなく、MHC−ペプチド複合体に対する抗体をもたら
すB細胞応答も開始される。
【0079】本発明のワクチンは、予防接種後のT細胞
及びB細胞の両応答の開始及び維持に増強作用を有する
多数の化合物によって増強され得る。
【0080】従って、ワクチンにサイトカインを添加す
ることでT細胞応答が増強される。適当なサイトカイン
は例えば、IL−2、IL−4、IL−7またはIL−
12のごときインターロイキン、GM−CSF、RAN
TES、腫瘍壊死因子、及びIFN−のごときインター
フェロンである。
【0081】同様に、CD2、CD3、CD27及びC
D28のごときT細胞表面抗原に対する抗体も免疫原性
反応を増強する。
【0082】CD4+ヘルパー細胞またはCD8+キラー
細胞を刺激すべくヘルパーエピトープを添加することで
も免疫原性反応は増強される。或いは、他の抗原、例え
ば熱ショック誘導タンパク質またはコレラトキシン由来
のヘルパーエピトープを使用することもできる。
【0083】本発明の別の部分は、gp100反応性腫
瘍浸潤リンパ球(TIL)の使用により形成される。こ
の方法においては、第1ステップは患者から試料を採取
することからなる。これは通常、局所麻酔下に腫瘍デポ
ジットを切除することにより行われる。この被検体中に
存在するTILを公知の方法(Topalian,S.
L.ら,1987)に従って培地中で4〜8週間膨張さ
せる。この培養の間、gp100またはgp100から
誘導されたエピトープの1つとの反応性についてTIL
を検査する。抗原を認識するTILを単離し、更に培養
する。
【0084】上記方法によって得られたgp100に反
応性を示す腫瘍浸潤リンパ球も本発明の一部を形成す
る。gp100及びそのエピトープと特異的に反応する
1つのこのようなTIL細胞系が明らかとなり、TIL
1200と命名した。このTIL 1200細胞系は
MHC分子HLA−A2.1をも発現する。更に、この
細胞系によるTCR α/β、CD3及びCD8の発現
も認められた。更にTIL 1200は、HLA−A
2.1及びgp100の両方を発現するトランスフェク
ト体を認識する。
【0085】このTIL 1200及びgp100を認
識する他のTILはメラノーマ患者の治療に適してい
る。かかる治療のため、TILを上述のごとく培養し、
静脈内注入によって患者に戻す。治療の成功は、全身放
射線照射またはシクロホスファミドを用いた治療によっ
て腫瘍を有する宿主を前処置し、更にインターロイキン
−2(Rosenberg,S.A.ら,1986)を
同時投与することにより増大され得る。
【0086】注入により患者に戻されたTILは自原性
TIL(即ち患者自身の腫瘍から誘導されたもの)であ
るのが好ましいが、同種TILを用いた注入も考え得
る。
【0087】上述の方法によって得られたTILは更に
in vivo診断にも使用される。TILを例えば
111In(Fisher,1989)または任意の他の
適当な診断マーカーで標識し、メラノーマ患者中の腫瘍
デポジットの同定に適したものとする。
【0088】本発明の別の部分は、gp100反応性C
TLによって発現されるT細胞レセプター(TCR)に
よって形成される。当分野において公知のように、TC
RはCTLの特異性を決定する。従って、TCR、特に
その可変域をコードするcDNAを単離し、T細胞中に
導入し、それによって抗腫瘍活性を任意のT細胞に移入
し得る。特に、このようなTCRを自原性T細胞中に導
入し、次いでかかるT細胞を膨張させると、自原性患者
中への養子移入に適した多数のCTLが得られる。
【0089】このT細胞を保有する細胞を予防接種に使
用することもできる。
【0090】ワクチンは更にp100を発現し得るメラ
ノーマ細胞から調合することもできる。NKI−bet
ebのごとき抗gp100抗体を使用してかかる細胞を
患者から単離することもできるが、天然のgp100産
生体であるかまたはgp100を産生するよう遺伝子操
作された培養メラノーマ細胞系からかかるメラノーマ細
胞を生産することもできる。かかる細胞に放射線を照射
して非腫瘍形成性とし、患者中に注入する(戻す)こと
もできる。かかるメラノーマ細胞の免疫学的作用を増強
するため、それらを、リンフォカイン、好ましくはイン
ターロイキン−2(IL−2)または顆粒球−マクロフ
ァージコロニー刺激因子(GM−CSF)を産生するよ
う遺伝的に変性することが好ましい。gp100+メラ
ノーマ細胞は、IL−2またはGM−CSFの産生をコ
ードする配列を有するクローニングビヒクルを用いてト
ランスフェクトし得る。
【0091】このようなワクチンを患者に注入するとC
TLの形成が刺激される。
【0092】同様の作用を有する別のタイプの予防接種
は、純粋なDNA、例えばgp100抗原またはそれか
ら誘導されるペプチドをコードするDNA配列を有する
ベクターまたはベクターウイルスのDNAを用いた予防
接種である。一旦注射すると、ウイルスが感染するか、
またはDNAが抗原もしくはペプチドを発現する細胞に
形質転換される。
【0093】(V)−(W)−(K)−T−W−G−Q
−Y−W−Q−V−(L)及びL−L−D−G−T−A
−T−L−R−Lに対する抗体を含む、任意のgp10
0ペプチドに対する抗体も本発明の一部である。
【0094】かかるペプチドに対する単一特異性抗体
は、Hall,R.ら(1984)の方法を改良するこ
とにより多特異性抗血清からアフィニティー精製によっ
て得ることができる。多特異性抗血清は、標準免疫方法
に従ってウサギを免疫することにより得ることができ
る。
【0095】本明細書に使用される単一特異性抗体と
は、関連抗原に対して均一の結合特性を有する単一抗体
種または複数抗体種であると定義される。本明細書に使
用される均一結合(homogeneous bind
ing)とは、本発明のリガンド結合ドメインに結合し
得る抗体種の能力を指す。
【0096】抗体は好ましくはモノクローナル抗体であ
り、より好ましくはヒト化モノクローナル抗体である。
【0097】モノクローナル抗体は、当分野において公
知の方法(Koehler,G.及びMilstein
C.,1975)によって、同系交配マウス、好まし
くはBalb/cを適当なタンパク質を用いて免疫する
ことにより調製し得る。次いで、ダルベッコ改良イーグ
ル培地(DMEM)のごとき適当な細胞培地においてヒ
ポキサンチン、チミジン及びアミノプテリン中で増殖さ
せることにより、ハイブリドーマ細胞を選択する。抗体
産生ハイブリドーマを好ましくはMacPherson
(1973)の軟寒天法を使用してクローニングする。
適当な培地で培養するために、個々のコロニーを培養プ
レートのそれぞれのウェル中に移す。適当な免疫原を用
いてスクリーニングすることにより抗体産生細胞を同定
する。免疫原性陽性ハイブリドーマ細胞を当分野におい
て公知の方法によって維持する。ハイブリドーマをin
vitroで培養するかまたは当分野において公知の
方法によってハイブリドーマをマウスに注入した後に腹
水を調製することにより、特異的抗モノクローナル抗体
を生産する。
【0098】ヒト化抗体を使用することは好ましい。C
DR移植のごとき抗体をヒト化する方法が公知である
(Jones,P.T.ら,1986)。本発明のポリ
ペプチドに反応性を示す抗体に対する抗原性応答を回避
する別の可能性は、ヒト抗体またはそのフラグメントも
しくは誘導体を使用することである。
【0099】ヒト抗体は、単離したBリンパ球をin
vitro刺激することで生産することもできるし、少
なくとも1種の本発明のリガンド結合ドメインを用いて
免疫したヒトから採取した(不死化)Bリンパ球から単
離することもできる。
【0100】上述の抗体は、メラノーマ患者の受動予防
接種に使用し得る。この種のワクチンに好ましいタイプ
の抗体は、MHC分子に関連して提示される上記ペプチ
ドに対する抗体である。この種の抗体を生産するために
は、APCによって提示されるペプチドの免疫が必要で
ある。このような免疫は上述のごとく実施し得る。或い
は、ペプチド−MHC複合体に対するヒト抗体を、前記
ペプチドの1つを負荷したAPCからなるワクチンを用
いて処置した患者から単離することもできる。
【0101】本発明のワクチンの1つで処置したあとに
形成される抗体を、前記予防接種をモニターするために
使用することもできる。かかる方法においては、患者の
血清を得、予防接種したペプチドに対する抗体を検出す
る。この検出から抗体力価は既知となり、追加予防接種
が必要かどうか判定し得る。
【0102】血清中の前記抗体の特異的検出は標識ペプ
チドによって行ない得る。標識は、in vitro診
断分野において公知の任意の診断マーカーとし得るが、
最も好ましいのは(そして広く使用されているのは)酵
素、色素、金属及び放射性核種、例えば67Ga、99m
c、111In、113mIn、123I、125Iまたは131Iであ
る。
【0103】放射性診断マーカーは、本発明のペプチド
に直接カップリングしてもよいし、或いは、ペプチドに
直接またはリンカーもしくはスペーサー分子を介してカ
ップリングさせたキレート形成部分を介してカップリン
グしてもよい。放射性核種をペプチドまたはペプチド様
構造体にカップリングする方法は、in vivo及び
in vitro試験に使用されている多数の標識抗体
用法から、(腫瘍)診断分野において既に知られてい
る。
【0104】ペプチドの直接標識は例えば1バイアル法
(Haisma,1986)に記載のごとく実施し得
る。リンカーまたはスペーサー分子を用いても用いなく
ても、ペプチドをキレート試薬を介して標識する一般方
法は例えば米国特許第4,472,509号明細書及び
米国特許第4,485,086号明細書に記載されてい
る。DTPAの二環式無水物を使用するキレート試薬は
Hnatowich,D.J.ら(1983)に記載さ
れている。ジアミドジメルカプチド化合物を介してのカ
ップリングは欧州特許第188,256号明細書に記載
されている。
【0105】
【実施例】添付の図面を参照し、本発明を実施例によっ
て更に説明する。
【0106】実施例1−gp100分子の特性分析 材料と方法 細胞及びモノクローナル抗体 メラノーマ細胞系Mel−2a、M14、MEWO、B
LM(Vennegoorら,1989;van Mu
ijenら,1991;Beanら,1975;Kat
anoら,1984)及びぶどう膜メラノーマ細胞系M
el 202(Ksanderら,1991)が既に記
載されている。Eisinger及びMarko(19
82)の方法に(Smitら,1993)による改良を
加えた方法により、胸または包皮から正常ヒトメラニン
形成細胞を単離した。
【0107】Mabs NKI−beteb及びHMB
−50が既に記載されている(Vennegoor,1
988;Vogel及びEsclamado,198
8)。MAb HMB−45はEnzo Bioche
mから購入した。
【0108】DNA構築物及びトランスフェクション gp100 cDNAを含む2.2kbのEco RI
フラグメントを、クレノウDNAポリメラーゼを用いて
末端を充填することによりブラント末端化し、次いで、
真核性発現ベクターpSVL(Pharmacia)の
SmaI部位に両方向(pSVLgp100+及びpS
VLgp100−)でクローニングした。pSVLはS
V40後期プロモーター(late promote
r)及びポリアデニル化部位とSV40複製開始点とを
含み、COS−7細胞中での一時的発現の際に極めて高
いコピー数が可能であった。
【0109】3’切欠gp100転写単位pSVLgp
100+(@BS)を構築するため、gp100 cD
NAの3’部分にあるBgl II部位と、ベクターの
多重クローニング部位にあるSac I部位との間の配
列を欠失させた。得られた構築物は、gp100のカル
ボキシ末端の133のアミノ酸がベクター配列によって
コードされる4つアミノ酸(Arg−Ile−Gln−
Thr)で置き換えられた切欠qp100タンパク質を
コードした。
【0110】COS−7細胞中での構築物の一時的発現
は、BRL(Felgnerら,1987)由来のリポ
フェクチン試薬40μg/ml及び前述のごときDNA
(Loenenら,1991)7.5μgを使用して実
施した。
【0111】免疫蛍光法 上述のごときリポフェクチン/DNA混合物を添加した
48時間後に、トランスフェクトしたCOS−7細胞を
免疫蛍光法のために調製した(Vennegoorら,
1988)。1次抗体と一緒に45分間インキュベート
した後、細胞を洗浄し、フルオレセインイソチオシアネ
ート(FITC)標識ヤギF(ab)’2抗マウスIg
G(Nordic)と一緒に30分間インキュベートし
た。同焦点レーザー走査顕微鏡(Biorad MRC
600)を使用して488nmにおいて調製物を調査
した。
【0112】代謝標識、免疫沈降及びV8プロテアーゼ
マップ作成 プロテインA−CL 4Bセファロースビーズ(Pha
rmacia)に共有結合したmAb NKI−bet
ebまたはHMB−50のいずれかを使用し、Venn
egoorら(1988)によって記載されているよう
な代謝標識(L−[35S]−メチオニン/システイン;
Amersham)細胞において免疫沈降試験を実施し
た。幾つかの実験においては前標識時にツニカマイシン
(75μg/ml,Calbiochem)を添加し、
代謝標識反応時(12.5分間)にそのまま存在させ
た。5〜17.5%ポリアクリルアミド濃度勾配ゲルを
使用したSDS−PAGEによって還元条件下(SDS
試料緩衝液中5%β−メルカプトエタノール)で免疫沈
降物を分析した。タンパク質の相対分子量を、同時電気
泳動した前染色分子量マーカー(BRL)を使用して決
定した。オートラジオグラフィー(Kodak XA
R)の前にゲルを1Mサリチル酸ナトリウム(pH5.
4)を用いて処理した。
【0113】Clevelandら(1977)によっ
て記載されているゲル薄片法におけるタンパク質の消化
を使用し、V8プロテアーゼのマップを作成した。簡単
に述べると、100kDのタンパク質を含むゲル薄片を
第2SDSゲル(10%)のウェル中に置き、Stap
hylococcus aureus V8プロテアー
ゼ(2.5μg/試料,Miles laborato
ries)を重層した。電気泳動後、ゲルを上述のごと
く処理した。
【0114】gp100/Pmel17遺伝子の一部の
分子クローニング 既に記載されているプライマー:1497/1516:
5’−TATTGAAAGTGCCGAGATCC−
3’及び1839/1857:5’−TGCAAGGA
CCACAGCCATC−3’(Adema及びBaa
s,1991)を使用し、gp100/Pmel17遺
伝子の一部を、末梢血リンパ球(PBL)から単離した
ヒトゲノムDNAにおいてPCR(Taq DNAポリ
メラーゼはGibco製)によって増幅した。次いでP
CR産物を、追加Eco RI部位(5’−TATCT
GAATTCTGCACCAGATACTGAAG−
3’及び5’−TATCTAGAATTCTGCAAG
ATGCCCACGATCAG−3’)を含むネストさ
れたプライマーセットを使用して増幅した。これらのプ
ライマー中の下線を引いたEco RI部位は、pUC
18のEco RI部位においてPCR産物をクローニ
ングするために使用した。
【0115】RNAの単離及び分析 グアニジンチオシアネート法及び塩化セシウムクッショ
ンによる遠心(Chirgwinら,1979)を使用
し、全RNAを単離した。Geneamp RNA P
CRキット(Perkin Elmer Cetus)
を製造業者指示に従って使用し、cDNAを調製した。
cDNAのPCR分析を、既に記載されているプライマ
ー1497/1516及び1839/1857(上記参
照)(Adema及びBaas,1991)を使用して
3mM MgCl2の存在下に35サイクル実施した。
反応産物をアガロースゲル上でサイズ分画化し、ナイロ
ン膜(Hybond−N,Amersham)上にブロ
ットし、既に記載されている[32P]標識オリゴヌクレ
オチドプローブ(Adema及びBaas,1991)
にハイブリダイズさせた。プローブとして、本発明者ら
はgp100特異的エキソン/エキソン接合オリゴヌク
レオチド(5’−CTTCTTGACCAGGCATG
ATA−3’)またはPmel17特異的オリゴヌクレ
オチド(5’−TGTGAGAAGAATCCCAGG
CA−3’)のいずれかを使用した。後者はPmel1
7 cDNA中に存在する追加の21ヌクレオチドのう
ちの20個に相当する。全てのハイブリダイゼーション
実験において、Pmel17エキソン/エキソン接合
(5’−GCTTATCATGCCTGTGCCTGG
ATTCTTCTCACAGGT−3’)からなるオリ
ゴヌクレオチドを含むスポットブロットを対照として含
めた。
【0116】ヌクレオチド配列分析 T7 DNAポリメラーゼ(Pharmacia)を使
用し、ジデオキシ−ヌクレオチド配列法(Sanger
ら,1977)によってgp100 cDNA及びゲノ
ムDNAクローンの配列を決定した。両鎖の配列は各ケ
ースで決定した。ゲノムDNAクローンはPCR後に得
られたものなので、4つの別個のクローンの配列を決定
した。DNA配列分析は、the Universit
y ofWinconsin Genetics Co
mputing Group配列分析プログラム(De
vereuxら,1984)を使用して実施した。
【0117】結果 非染色COS−7細胞におけるgp100 cDNAの
発現は、mAb NKI−beteb、mAb HMB
−50及びmAb HMB−45との免疫反応性をもた
らす。
【0118】gp100陰性であるBLM黒色腫細胞に
おけるgp100 cDNAの発現は、メラノサイト系
統特異的なmAb NKI−beteb、mAb HM
B−50及びmAb HMB−45との免疫反応性をも
たらす。メラノサイト系統以外の細胞におけるgp10
0−C1 cDNAの発現も上記mAbとの免疫反応性
をもたらすかどうか確認するために、コーディング配向
または非コーディング配向のgp100 cDNAを含
む構築体を用いてCOS−7細胞(サル腎臓線維芽細
胞)における遷移発現(transient expr
ession)実験を行なった。コーディング配向のg
p100 cDNAを含む構築体でトランスフェクトし
たCOS−7細胞(COS−7/pSVLgp100
+)のみが3種のmAb総てと反応する。このようなデ
ータは、gp100 cDNA発現後にmAb NKI
−beteb、mAb HMB−50及びmAb HM
B−45と免疫反応性となるのはメラノサイト系統細胞
に限らないことを明示している。加えて、上記データ
は、COS発現系がgp100 cDNAによってコー
ドされたタンパク質の生化学的特徴を更に明らかにする
のに用いられ得ることも示している。
【0119】gp100 cDNAによってコードされ
たタンパク質の解析 gp100 cDNAによってコードされたタンパク質
の特徴を明らかにするべくCOS−7/pSVLgp1
00+細胞を代謝的に標識し、これにmAbNKI−b
etebまたはmAb HMB−50を用いて免疫沈降
を生起させた。mAb NKI−beteb及びmAb
HMB−50はCOS−7/pSVLgp100+細
胞の抽出物から約100kDのタンパク質を特異的に免
疫沈降させる。前記タンパク質の分子量は代謝的に標識
した、当該抗原を内在的に発現させるMEWO細胞の抽
出物から免疫沈降するタンパク質の分子量(Venne
goor等,1988)に類似する(後段も参照)。こ
れまでの報告(Vennegoor等,1988; V
ogel及びEsclamado,1988)にも有る
ように、上記両mAbはMEWO黒色腫細胞の抽出物中
に存在する10kDのタンパク質も認識する。同じ大き
さのタンパク質はCOS−7/pSVLgp100+細
胞のmAb NKI−betebと反応し、かつ長期曝
露後にはmAb HMB−50と共に可視となる(図示
せず)。10kDタンパク質の量は実験毎に甚だしく変
化したことを指摘しておく。上記mAbが、非コーディ
ング配向のgp100 cDNAを含む構築体でトラン
スフェクトしたCOS−7細胞から調製した抽出物に由
来する場合は、いずれのmAbによっても特異的タンパ
ク質は免疫沈降しない。
【0120】黒色腫細胞の培地中にはmAb NKI−
beteb及びmAb HMB−50と反応する約10
0kDの糖タンパク質も見出されている(Venneg
oor等,1988; Vogel及びEsclama
do,1988)。代謝的に標識したCOS−7/pS
VLgp100+細胞及びMEWO細胞の培地を比較す
れば、上記両mAbがこれらの細胞の培地中に存在する
約100kDのタンパク質(後段も参照)も認識するこ
とは明らかである。黒色腫細胞に関して示したように、
COS−7/pSVLgp100+細胞の培地に由来す
るmAbによって10kDのタンパク質は免疫沈降しな
い。このようなデータは、黒色腫細胞でのように、CO
S−7/pSVLgp100+細胞のmAb NKI−
beteb及びmAb HMB−50によって認識され
る約100kDのタンパク質が分泌されることを明示し
ている。
【0121】mAbによって検出されるタンパク質がg
p100 cDNAでのトランスフェクション後に誘導
される内在遺伝子に由来する可能性を排除するために、
3′截頭gp100転写単位を発現させるCOS−7細
胞を用いて免疫沈降実験を行なった(詳細は“物質及び
方法”の項参照)。129アミノ酸の欠失に合致して約
85kDのタンパク質が、上記構築体を発現させるCO
S−7細胞に由来する上記両mAbによって免疫沈降す
る。この発見は、COS−7/pSVLgp100+細
胞のmAb NKI−beteb及びmAb HMB−
50によって認識される100kDタンパク質がgp1
00 cDNAによってコードされることの直接の証拠
となる。
【0122】gp100 cDNAによってコードされ
る100kDタンパク質はgp100と同等である COS−7/pSVLgp100+細胞のmAb NK
I−beteb及びmAb HMB−50によって同定
される約100kDのタンパク質は、SDS−PAGE
によって解析すると、MEWO細胞のものとは僅かに異
なる移動度を有する。黒色腫細胞においては上記mAb
と反応するタンパク質はグリコシル化されることが示さ
れているので(Vennegoor等,1988; V
ogel及びEsclamado,1988)、この相
違はCOS発現系においてしばしば観察される事象であ
る変形グリコシル化に起因する可能性が有る。このこと
を確認するために、mAb NKI−betebを用い
て、グリコシル化阻害剤であるツニカマイシンの存在下
に培養したMEWO細胞及びCOS−7/pSVLgp
100+細胞からタンパク質を免疫沈降させた。COS
−7/pSVLgp100+細胞とMEWO細胞とのい
ずれにおいても約100kDの大きさのタンパク質は9
0kDと85kDとの2個のタンパク質バンドに縮小
し、この事実によって観察された移動度の相違が変形グ
リコシル化に起因することが確認される。
【0123】COS−7/pSVLgp100+細胞及
びMEWO細胞のmAb NKI−betebによって
認識されるタンパク質が同等であることの更に別の証拠
を得るべく、V8プロテアーゼマッピング実験を行なっ
た。COS−7/pSVLgp100+細胞またはME
WO細胞から単離した主要な100kDタンパク質をV
8プロテアーゼで消化すると同じタンパク質フラグメン
トが得られる。これらのデータから本発明者は、gp1
00 cDNAは黒色腫細胞のmAb NKI−bet
eb及びmAb HMB−50によって認識されるメラ
ノサイト系統特異的な糖タンパク質gp100をコード
すると結論する。
【0124】gp100はPmel17と高度に相同の
I型膜透過タンパク質である gp100 cDNAのヌクレオチド配列を決定した。
この配列は2115個の塩基対(bp)を含み、その末
端部は15ヌクレオチドのポリ(A)領域で、この領域
の手前に共通ポリアデニル化配列AATAAAが位置す
る(Proudfoot及びBrownlee,197
6)。gp100 cDNAにはヌクレオチド22から
2007まで伸長する読み取り枠(ORF)が存在す
る。このORFは、適当な配列コンテクスト内に位置す
る翻訳開始のためのATGコドンから始まり(Koza
k,1987)、661アミノ酸のタンパク質をコード
する(配列番号1)。アミノ末端の20個のアミノ酸
は、20位のAlaの後に位置する潜在的切断部位を含
めてシグナル配列に関するあらゆる規準に適合し(vo
n Heyne,1986)、このことは成熟したgp
100が641個のアミノ酸を含む(約70kDに相
当)ことを示唆する。疎水性プロット解析(Kyte及
びDoolittle,1982)によれば、gp10
0のカルボキシル末端部(アミノ酸591〜611)に
は荷電残基によって規定されるただ一つの膜透過領域が
存在する。予測される細胞質領域は45アミノ酸の長さ
を有する。五つの推定N末端連結グリコシル化部位が存
在し、このことはgp100が糖タンパク質であること
に合致する。更に、ヒスチジンに富む領域(アミノ酸1
82〜313)、反復アミノ酸配列を有するトレオニン
に富む領域(アミノ酸309〜427)、及びシステイ
ンに富む領域(アミノ酸475〜566)が存在する。
【0125】データベース検索(Pearson及びL
ipman,1988; Altschul等,199
0)によって、gp100は別のメラノサイト特異的タ
ンパク質Pmel17とほぼ同等であることが判明した
(Kwon等,1991)。gp100のアミノ酸配列
とPmel17のアミノ酸配列とは、274位(T−C
/Pro−Leu)及び597位(C−G/Arg−P
ro)のアミノ酸が置き換わっている点、及びPmel
17の587位からの7個のアミノ酸がgp100には
存在しない点で相違する(図2も参照)。782位にお
けるただ1個のヌクレオチドの相違(C−T)はアミノ
酸の置換を惹起しない。gp100はまた、ウシ網膜c
DNAライブラリーから単離された部分cDNAクロー
ン(RPE−1)から推定されるタンパク質と80%相
同であり(Kim及びWistow,1992)、ニワ
トリメラノソームマトリックスタンパク質MMP115
とは42%相同である(Mochii等,1991)。
【0126】gp100とPmel17とはただ一つの
遺伝子によってコードされる gp100 cDNAとPmel17 cDNAとの最
も顕著な相違は、gp100 cDNAにおける21b
pの読み取り枠内欠失である。この相違は、例えば緊密
に関連する2種の遺伝子が存在するためと説明すること
ができる。しかし、上記両cDNAは翻訳されないその
3′領域に同等のヌクレオチド配列を有するので、この
説明が当を得ているとは考えられない。別の可能性とし
て、両cDNAがただ一つの一次転写物の択一的スプラ
イシングによって得られる転写物に対応するということ
が考えられる。この仮説を検証するべく、PCRを用い
てgp100遺伝子の推定の択一的スプライス部位を囲
繞する部分に対応するゲノムDNAを解析した。このゲ
ノムDNAのヌクレオチド配列をgp100−c1cD
NAの配列と比較したところ、Pmel17 cDNA
において21bpが挿入されたまさにその位置にイント
ロン(102bp)が存在することが判明した(図
1)。エキソン/イントロン境界部は、5′供与及び
3′受容スプライス部位の共通配列に良く適合する(P
adgett等,1986)。上記ゲノムDNAにおい
て、Pmel17 cDNAの付加的な21bpを含む
配列はgp100 RNAの調製に用いられる3′切断
部位にその上流側で隣接し、この配列の手前に択一的
3′受容スプライス部位が位置する(図1)。gp10
0特異的な3′受容スプライス部位が共通配列に適合す
る一方、Pmel17特異的な3′受容スプライス部位
はピリミジンに富む領域を欠く点で次善のものと考えら
れる(図1)。次善のRNAプロセッシング部位は択一
的プロセッシングを施される多くのメッセンジャーRN
A前駆体に存在し、択一的RNAプロセッシングの調節
機能と関係付けられている(Greenの観察,199
1)。これらのデータは全体として、gp100 cD
NA及びPmel17 cDNAに対応する転写物がた
だ一つの一次転写物の択一的スプライシングによって得
られ、即ちただ一つの遺伝子に由来することを証明す
る。
【0127】メラノサイト系統の細胞におけるgp10
0 RNA及びPmel17 RNAの発現 gp100 RNA及びPmel17 RNAがただ一
つの一次転写物の択一的スプライシングによって得られ
るという発見は、この事象が発生上規則的に生起するの
かどうかという疑問をもたらす。メラノサイト細胞から
単離されたRNAを含有するノザンブロット上でgp1
00 cDNAによって検出される主要なRNA生成物
は、2.5kbのRNA種である。プローブとしてPm
el17cDNAを用いたKwon等(1987)によ
っても同じ結果が得られた。しかし、上記プローブはい
ずれもgp100 RNAとPmel17 RNAとを
識別しない。メラノサイト系統の細胞におけるgp10
0 RNA及びPmel17 RNAの発現を調べるべ
く、逆転写酵素/ポリメラーゼ連鎖反応(RT/PC
R)アッセイを行ない、その後サザンブロッティング、
及びgp100特異的なエキソン/エキソン連結プロー
ブまたはPmel17特異的なオリゴヌクレオチドプロ
ーブへのハイブリダイゼーションを行なった(“物質及
び方法”の項参照)。4種の皮膚黒色腫細胞のうちの3
種と、ブドウ膜黒色腫細胞と、新生児及び成人メラノサ
イトとにおいてgp100とPmel17との両方のス
プライシング生成物が検出される。gp100陰性のB
LM黒色腫細胞では、いずれのプローブを用いても生成
物は検出されない。これらの結果は、試験した総てのメ
ラノサイト細胞においてgp100 RNAとPmel
17 RNAとが同時に発現することを明示している。
【0128】実施例2―TILによるgp100の認識 物質及び方法 細胞培養物 転移性黒色腫のsibgle細胞懸濁液を1,000U
/mlのIL−2(Cetus Corp., Eme
ryville, CA)の存在下に増殖させてTIL
を得、これを先に述べた方法(Kawakami,19
92)で増殖させた。黒色腫細胞系Mel 397及び
Mel 624を得、これらを先に示した方法(Kaw
akami,1992)で増殖させた。HLA−A2.
+黒色腫細胞系MeWo(Bean,1975)及び
BLM(Katano,1984)並びにマウスP81
5トランスフェクト体は、DMEM(Gibco, P
aisley, Scotland, UK)に7.5
%熱失活FCS(Gibco)を加えた中で増殖させ
た。JY、K562及びマウスEL4トランスフェクト
体は、Iscoves培地(Gibco)に7.5%
FCSを加えた中で培養した。マウス細胞は5×105
M β−MEの存在下に増殖させ、いずれの培地にも抗
生物質を含有させた。正常なメラノサイトは、Eisi
nger及びMarkoの方法(1982)を先に述べ
たように改良した方法(Smit,1989)で包皮か
ら単離した。2回目から3回目の継代培養で得られたメ
ラノサイトをクロム放出アッセイで用いた。
【0129】DNA構築体及びトランスフェクション コーディング配向のλ gp100 cDNAクローン
EcoRI断片をポリリンカーpBJ1−neo中で
クローニングすることにより、プラスミドpBJ1gp
100neoを得た(Lin,1990)。HLA−A
2.1及びヒトβ−2ミクログロブリンをコードするゲ
ノム断片を含むプラスミドpBA2はE. J. Ba
as(The Netherlands Cancer
Institute, Division of B
iochemistry, Amsterdam, T
he Netherlands)から、その好意によっ
て提供を受けた。プラスミドpGK−hygはハイグロ
マイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子を含む(Te
Liele,1990)。HLA−A2.1遺伝子及
びヒトβ−2ミクログロブリン遺伝子導入のためにEL
4細胞を、リン酸カルシウムトランスフェクション系
(Gibco BRL, Baithersburg,
MD)を用いてリン酸カルシウム共沈法(Graha
m,1973)に従い18μgのpBA2及び2μgの
pGK−hyg DNAでトランスフェクトした。トラ
ンスフェクションの24時間後、安定なトランスフェク
ト体を選択するべく培地に500μg/mlのハイグロ
マイシンB(Calbiochem−Novabioc
hem Corp., La Jolla, CA)を
添加した。安定なHLA−A2.1+ EL4クローン
をリン酸カルシウム共沈により20μgのpBJ1gp
100neo DNAでトランスフェクトしてHLA−
A2.1+ gp100+ EL4細胞を得、これを1m
g/mlのG418で選択した。P815 A2.1及
びP815 A2.1/gp100細胞はP. Cou
lie(Ludwig Ins., Brussel
s, Belgium)から、その好意によって提供を
受けた。
【0130】mAb及び流動細胞計測法 間接免疫蛍光法を実施し、続いてFACScan(登録
商標)(BectonDickinson & C
o., Mountain View, CA)を用い
て流動細胞計測法を実施することにより、黒色腫、トラ
ンスフェクト体及び正常なメラノサイトの表現型分析を
行なった。精製した抗gp100 mAbのNKI−b
eteb(Vennegoor,1988)並びに抗H
LA−A2mAbのBB7.2(培養物上清; Par
ham,1981)及びMA2.1(腹水1:500稀
釈物; Parham,1978)を一次試薬として用
いた。第二のインキュベーションのためにはFITC結
合GAM−IgG−F(ab′)2(Zymed La
boratories, Inc., S. San
Francisco, CA)を用いた。細胞内gp1
00抗原検出のために、細胞を0.01%ジギトニン中
で透過性とし、その後1%パラホルムアルデヒド中で固
定した。
【0131】クロム放出アッセイ クロム放出アッセイを先に述べたように行なった(Ka
wakami,1992)。手短に言えば、106個の
標的細胞を100μCiのNa51CrO4(Amers
ham Int., Bucks, UK)と共に1時
間インキュベートした。次に、丸底マイクロタイタープ
レート(Costar, Badhoevedorp,
The Netherlands)の三つ組ウェル内
に配置した2×103個の標的細胞に様々な量のエフェ
クター細胞を、最終的な量が150μlとなるように添
加した。インキュベーションの5時間後、上清の一部を
収穫してその放射性物質含量を測定した。標的細胞は、
クロム放出アッセイに用いる前に50U/mlのヒト
(Boehringer, Ingelheim, G
ermany)またはマウス(TNO, Rijswi
jk, The Netherlands)組み換え体
IFNと共に48時間インキュベートした。
【0132】TIL 1200 gp100特異的な細胞毒性Tリンパ球(CTL)の探
索において、本発明者は制限要素としてHLA−A2.
1に注目したが、なぜならHLA−A2.1は白色人種
が一般的に有する抗原であり、かつ黒色腫に対するCT
Lの反応において主要な役割を果たすと推定されるから
である。この研究にはHLA−A2.1+ TIL系の
TIL 1200(Shilyansky, J.等,
1994)を用いた。このTIL系はTCR α/β、
CD3及びCD8を発現させる。
【0133】結果 TIL 1200が黒色腫腫瘍細胞をHLA−A2.1
の制限下に死滅させることはgp100の発現に対応す
一群のヒト黒色腫細胞系を用いて、TIL 1200
の細胞溶解活性を分析した。TIL 1200は、いず
れもgp100を発現させるHLA−A2.1+のMe
l 624及びMeWo黒色腫腫瘍細胞を有効に溶解さ
せたが、HLA−A2.1- gp100+ Mel 3
97細胞への反応性は認められなかった。HLA−A
2.1+ BLM黒色腫細胞もTIL 1200による
溶解に対して耐性であることを観察したということが興
味深く指摘される。更に、やはりgp100を発現させ
ないHLA−A2.1+のEBV形質転換B細胞(J
Y)、及びK562細胞がTIL 1200によって溶
解しなかった。これらのデータは全体として、TIL
1200がHLA−A2.1の制限下に細胞の死滅を実
現し、その際前記死滅はgp100の発現と相関するこ
とを明示している。
【0134】TIL 1200はHLA−A2.1 +
gp100+トランスフェクト体を認識する HLA−A2.1をコードするゲノム断片と、ハイグロ
マイシン耐性をもたらすプラスミドとで同時にトランス
フェクトしたEL4細胞を流動細胞計測法で選択及び分
析した。その後、HLA−A2.1発現細胞を、gp1
00をコードし、かつG418に対する耐性をもたらす
pBJ1−gp100neoでトランスフェクトした。
安定なトランスフェクト体を選択し、mAb NKI−
betebを用いてgp100発現に関しスクリーニン
グした。P. Coulieと協力して、一群の同様ト
ランスフェクト体をマウスP815細胞(P815 A
2.1及びP815 A2.1/gp100)において
作製した。得られたマウストランスフェクト体をクロム
放出アッセイにおいて標的細胞として用いたところ、T
IL 1200によるgp100特異的溶解が明らかに
観察された。TIL1200によってマウスEL4 A
2.1/gp100及びP815 A2.1/gp10
0トランスフェクト体が特異的に溶解するパーセンテー
ジ(25〜35%; E/T 30:1)は、HLA−
A2.1+ gp100+ヒト黒色腫細胞に関して得られ
るパーセンテージ(45〜60%; E/T 30:
1)に比較して幾分低かった。この相違は、ヒトTIL
とマウストランスフェクト体との間に非整合性の補助分
子が存在することで説明できる。この点を克服するべ
く、ヒトHLA−A2.1+ gp100- BLM黒色
腫細胞にgp100抗原を、pBJ1−gp100ne
oでのトランスフェクションによって導入した。安定な
BLM gp100クローンを、TIL 1200を用
いるクロム放出アッセイにおいて試験した。BLM g
p100クローンがTIL 1200による溶解に関し
て、gp100抗原を内在的に発現させるMel 62
4及びMeWo細胞と同様に感受性であることが判明し
た。TIL 1200のgp100特異性は、gp10
0を発現させないG418耐性BLM細胞が溶解しない
ことによっても明示され、それによってネオマイシン由
来のペプチドが認識される可能性が排除された。
【0135】実施例3 TIL 1200によって認識されるgp100エピト
ープの、gp100欠失変異株を用いてのマッピング 基本的に、抗腫瘍CTLによって認識されるエピトープ
のマッピングに当業者が通常用いる方法は二つ有る。
【0136】1.HLA結合モチーフに従い、標的細胞
中に存在するペプチドは合成可能である。合成したペプ
チドは、適当な制限要素を有する細胞に付加してCTL
のための標的として用いることができる。
【0137】2.欠失変異株を得、この欠失変異株を適
当な制限要素と共に、例えばCOS−7細胞において発
現させる。このようにトランスフェクトした細胞をCT
Lと共に培養し、CTLによる標的細胞の溶解またはT
NF−α/IFNγの産生を測定する。CTLによって
認識されないトランスフェクト体はペプチドを発現させ
ない。
【0138】本発明のエピトープの探索では上記方法を
両方とも行なった。
【0139】ペプチド付加T2細胞のTIL 1200
媒介溶解 TIL 1200によって潜在的に認識され得るgp1
00ペプチドを化学的に合成した。ペプチドの合成はF
moc化学(Nijman,1993)を用いて、自動
多段ペプチド合成機(Abimed AMS 422)
において固相法で行なった。ペプチドがHLA−A2.
1に実際に結合したことを、最近開示された、プロセッ
シング欠陥T2細胞を用いるペプチド結合アッセイ(N
ijman,1993)で確認した。この分析によっ
て、HLA−A2.1に強固に結合したgp100由来
ペプチドを同定した。その後、HLA−A2.1に強固
に結合したペプチドを付加したT2細胞を、標準的なク
ロム放出アッセイを用いてTIL 1200により溶解
させた。このような操作によってペプチドL−L−D−
G−T−A−T−L−R−Lを同定した。
【0140】実施例4 欠失マッピングによって同定されるgp100エピトー
gp100 cDNAを、発現ベクターpBJ1ne
o、pCMVneo(Baker等,1990)及びp
SVLに挿入した。ペプチド457〜466のためのコ
ーディング配列を欠くgp100 cDNAを得るべ
く、鋳型として完全長gp100 cDNAを用い、か
つ次の組み合わせのオリゴヌクレオチド: 5'-CATGGAAGTGACTGTCTACC-3' / 5'- CTGAGCGAATTCGGAACCTGTAATACTTTCCG-3' 及び 5'- CTGAGCGAATTCGTGAAGAGACAAGTCCCCC-3' / 5'- TCACAGCATCATATGAGAGTAC-3'を用いてPCR反応を生起
させた。PCR生成物をEcoRIで消化し、連結し、
次のプライマー:5'-GCACAGGCCAACTGCAGA-3'/5'-TTCAG
TATCTGGTGCAGAAC-3'を用いる入れ子式PCRのための鋳
型として用いた。前記入れ子式PCRの生成物から得た
KpnI−ClaI断片をpCMVgp100neoの
対応する断片と交換してpCMVgp100DEL45
4−481neoを得た。pBJ1gp100DEL4
54−481neoの1.7kbHindIII断片及
び0.8kb EcoRI断片を欠失させることによ
り、gp100 cDNA変異株DEL149−654
及びDEL454−654をそれぞれ得た。pSVLg
p100のBglI−SacI断片、BamHI−
II断片及びApaI−NsiI断片を欠失させるこ
とにより、gp100cDNA変異株DEL100−6
54、DEL194−528及びDEL167−508
をそれぞれ得た。
【0141】BLM細胞を、リン酸カルシウムトランス
フェクション系(BRL, Gaithersbur
g, MD)を用いてリン酸カルシウム共沈操作(Gr
aham及びvan der Eb,1973)に従い
20μgのpCMVgp100DEL454−481n
eo DNAでトランスフェクトし、1mg/mlのG
418(Gibco, Paisley, Scotl
and, UK)で選択した。
【0142】COS−7細胞を、DEAE−デキストラ
ン/クロロキン法(Seed及びAruffo,198
7)を用いて5μgのpBJ1HLA−A2.1neo
と、完全長または欠失gp100 cDNAを含む5μ
gのpBJ1またはpSVLプラスミドとで同時にトラ
ンスフェクトした。トランスフェクションの48時間
後、COS−7細胞をIFN−γ放出実験において刺激
細胞として用いた。
【0143】放出アッセイ 実施例2と同様の方法でクロム放出アッセイを行なっ
た。
【0144】IFN放出アッセイを行なうべく、105
個のTIL 1200応答細胞を平底96ウェルマイク
ロタイタープレートにおいて、100U/mlのIL−
2の存在下に300μlの培地中で5×104個の遷移
トランスフェクト(transiently tran
sfected)COS−7刺激細胞と共にインキュベ
ートした。インキュベーションの24時間後に100μ
lの上清を収穫し、hIFN−γ−IRMA免疫放射線
測定アッセイキット(megenix Diagnos
tics SA, Fleurus, Belgiu
m)を用いてIFN−γの存在に関しスクリーニングし
た。
【0145】結果 図3Aに、得られたgp100 cDNA欠失変異株を
示す。図3Bに示したように、TIL 1200はHL
A−A2.1及び完全長gp100 cDNAでトラン
スフェクトしたCOS−7細胞で刺激した場合に特異的
にIFN−γを分泌した。また、gp100DEL45
4−481変異株に対するTIL 1200反応性も観
察された。その他のgp100欠失変異株のうちではD
EL100−661及びDEL149−661構築体の
みが認識されなかったが、それによって、TIL 12
00がgp100タンパク質のN末端からアミノ酸14
8位までに位置するペプチドと反応する可能性が排除さ
れた。gp100タンパク質のC末端領域も除外でき、
なぜならTIL 1200の反応性が、gp100の最
初の453個のアミノ酸をコードする変異構築体DEL
454−661を用いて観察し得るからである。このN
末端領域内でアミノ酸166までをコードする構築体
(DEL167−508)がTIL 1200を刺激し
得たという観察から、認識されるエピトープがgp10
0タンパク質のアミノ酸148〜166に位置するとい
う結論が得られた。
【0146】HLA−A2.1結合 自然のプロセッシングによってもたらされるHLA−A
2.1に結合する9マーまたは10マーペプチド、及び
合成されるHLA−A2.1結合ペプチドに関して幾つ
かのモチーフが開示されている(Falk等,199
1; Hunt等,1992; Ruppert等,1
993)。gp100タンパク質の148〜166領域
を上記モチーフに対してスクリーニングし、2位に位置
するトレオニン残基を含めた、幾分幅広いモチーフに適
合する幾つかのペプチドを合成した。合成したペプチド
をHLA−A2.1+ T2細胞に付加し、TIL 1
200媒介標的細胞溶解を誘発する能力に関して試験し
た(図4A)。試験した五つのペプチドはいずれも、1
0μg/mlの濃度で用いた場合T2細胞をTIL12
00による溶解に関して感受性とし得た。これらのペプ
チドは総て、gp100のアミノ酸155〜162に対
応する8マーペプチドTWGQYWQVを含む。全ペプ
チドを滴定してこれらのペプチドの、T2標的細胞をT
IL 1200による溶解に関して感受性とする相対的
な能力を評価した。図4Bに、9マーペプチドKTWG
QYWQVは3ng/mlの濃度で適用すればTIL
1200によって認識され得るが、他のペプチドはより
高い濃度で適用しなければならないことを示す。
【0147】ペプチドKTWGQYWQV(gp100
のアミノ酸155〜162)、LLDGTATLRL
(gp100のアミノ酸457〜466)及びYLEP
GPVTA(gp100のアミノ酸280〜288;
Cox等が1994年に同定)を、HLA−A2.1中
に現われる三つの公知ウイルスエピトープ、即ちインフ
ルエンザマトリックス58−66ペプチド(Gotch
等,1987)、HIVポリメラーゼ510−518ペ
プチド(Tsomides等,1991)及びHIV
gp120 197−205ペプチド(Dadagli
o等,1991)と比較した。上記エピトープのHLA
−A2.1結合能を、プロセッシング欠陥細胞系T2を
用いる間接結合アッセイ(Nijman等,1993)
によって分析した。簡単に言うと、T2細胞を12.5
μgのエピトープと共にインキュベートした。細胞表面
におけるHLA−A2.1安定化を、mAb BB7.
2を用いて流動細胞計測法により測定した。蛍光指数
を、T2細胞を同様濃度のHLA−A2.1非結合ペプ
チドと共にインキュベートした場合に得られる平均蛍光
強度(mean fluorescence)で除した
実験での平均蛍光強度として表わす。
【0148】このアッセイを用いて、gp100 28
0−288エピトープ、及び試験したウイルスエピトー
プに関しては同様のHLA−A2.1安定化が確認され
た。本発明のエピトープ(KTWGQYWQV及びLL
DGTATLRL)は両方ともHLA−A2.1に、幾
分低い親和性をもって結合する(図5)。このことか
ら、gp100エピトープはHLA−A2.1に固有の
親和性をもって結合すると結論付けられる。
【0149】参考文献
【0150】
【表1】
【0151】
【表2】
【0152】〔配列表〕配列番号:1 配列の長さ:2115 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:mRNAに対するcDNA ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 起源 組織の種類:メラノーマ 細胞の種類:メラノサイト 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:22..2005 配列の特徴 特徴を表す記号:misc signal 存在位置:1..81 配列の特徴 特徴を表す記号:misc feature 存在位置:1792..1870 他の情報:/機能=“膜貫通域” 配列の特徴 特徴を表す記号:misc binding 存在位置:262..264 他の情報:/bound moiety=“炭水化物” 配列の特徴 特徴を表す記号:misc binding 存在位置:337..339 他の情報:/bound moiety=“炭水化物” 配列の特徴 特徴を表す記号:misc binding 存在位置:352..354 他の情報:/bound moiety=“炭水化物” 配列の特徴 特徴を表す記号:misc binding 存在位置:982..984 他の情報:/bound moiety=“炭水化物” 配列の特徴 特徴を表す記号:misc binding 存在位置:1723..1725 他の情報:/bound moiety=“炭水化物” 配列
【0153】
【表3】
【0154】
【表4】
【0155】
【表5】
【0156】
【表6】
【0157】配列番号:2 配列の長さ:661 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列
【0158】
【表7】
【0159】
【表8】
【0160】
【表9】
【0161】配列番号:3 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:mRNAに対するcDNA ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1..30 配列 CTG CTG GAT GGT ACA GCC ACC TTA AGG CTG 30 Leu Leu Asp Gly Thr Ala Thr Leu Arg Leu 1 5 10 配列番号:4 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 分子の種類:タンパク質 配列番号:5 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1..30 配列 GTA TTG CCA GAT GGG CAG GTT ATC TGG GTC 30 Val Leu Pro Asp Gly Gln Val Ile Trp Val 1 5 10 配列番号:6 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 分子の種類:タンパク質 配列番号:7 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:mRNAに対するcDNA ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 起源 組織の種類:メラノーマ 細胞の種類:メラノサイト 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1..24 配列 ACC TGG GGC CAA TAC TGG CAA GTT 24 Thr Trp Gly Gln Tyr Trp Gln Val 1 5 配列番号:8 配列の長さ:8 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 分子の種類:タンパク質 配列番号:9 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:mRNAに対するcDNA ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 起源 組織の種類:メラノーマ 細胞の種類:メラノサイト 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1..36 配列の特徴 特徴を表す記号:protein bind 存在位置:1..33 配列の特徴 特徴を表す記号:protein bind 存在位置:7..36 配列の特徴 特徴を表す記号:protein bind 存在位置:7..33 配列の特徴 特徴を表す記号:protein bind 存在位置:10..36 配列 GTC TGG AAG ACC TGG GGC CAA TAC TGG CAA GTT CTA 36 Val Trp Lys Thr Trp Gly Gln Tyr Trp Gln Val Leu 1 5 10 配列番号:10 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列番号:11 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列の特徴 特徴を表す記号:misc feature 存在位置:7..12 他の情報:/ラベル=EcoRI−site 配列 TATCTAGAAT TCTGCACCAG ATACTGAAG 29 配列番号:12 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列の特徴 特徴を表す記号:misc feature 存在位置:7..12 他の情報:/ラベル=EcoRI−site 配列 TATCTAGAAT TCTGCAAGAT GCCCACGATC AG 32 配列番号:13 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 CTTCTTGACC AGGCATGATA 20 配列番号:14 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 TGTGAGAAGA ATCCCAGGCA 20 配列番号:15 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 GCTTATCATG CCTGTGCCTG GATTCTTCTC ACAGGT 36 配列番号:16 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA ハイポセティカル配列:No 配列 CATGGAAGTG ACTGTCTACC 20 配列番号:17 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA ハイポセティカル配列:No 配列 CTGAGCGAAT TCGGAACCTG TAATACTTTC CG 32 配列番号:18 配列の長さ:31 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA ハイポセティカル配列:No 配列 CTGAGCGAAT TCGTGAAGAG ACAAGTCCCC C 31 配列番号:19 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA ハイポセティカル配列:No 配列 TCACAGCATC ATATGAGAGT AC 22
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒトgp100/Pmel17遺伝子の一部の
ゲノム構成を示す。A及びA’はそれぞれgp100
cDNA及びPmel17 cDNAに相当する転写物
において除去されたイントロンを表わす。エキソン配列
は大文字で、イントロン配列は小文字で表わしてある。
分岐点配列(Ruskin,B.ら,1984)に最も
適合する箇所には下線を引いてある。
【図2】gp100/pMel17ファミリーのメンバ
ーのカルボキシ末端部分を並べて示す。同一のアミノ酸
(−)及びギャップ(*)を示すと共に、保存されてい
るシステイン残基(#)も示す。
【図3】(A)gp100タンパク質の一部をコードす
るgp100欠失突然変異体を示す(数字は、配列番号
2に示したgp100タンパク質におけるアミノ酸を示
す)。 (B)HLA−A2.1及び図3(A)に示したgp1
00欠失突然変異体を用いてトランスフェクトした細胞
のTIL 1200による認識を示す。
【図4】(A)gp100の148−166領域から誘
導された、8−merから11−merの5つのペプチ
ドのTIL 1200による認識を試験した。エフェク
ター対ターゲット比30:1で、特異的溶解物を検出し
た。 (B)図4Aで同定されたgp100ペプチドのTIL
1200による認識に対する滴定(E/T比30:
1)を示す。
【図5】gp100とウイルスエピトープのHLA−A
2.1に対する結合を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 16/32 8318−4H C12N 5/10 15/09 ZNA C12Q 1/68 A 9453−4B G01N 33/574 Z // A61K 39/395 E C12P 21/02 C 9282−4B 21/08 9161−4B (C12P 21/02 C12R 1:91) (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号2のアミノ酸配列を含んでいる
    ことを特徴とする黒色腫関連抗原。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の抗原をコードするヌク
    レオチド配列を含んでいることを特徴とするヌクレオチ
    ド配列。
  3. 【請求項3】 配列番号1のヌクレオチド配列を含んで
    いることを特徴とする請求項2に記載のヌクレオチド配
    列。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の抗原の免疫原断片を含
    んでいることを特徴とする免疫原ペプチド。
  5. 【請求項5】 L−L−D−G−T−A−T−L−R−
    L、V−L−P−D−G−Q−V−I−W−V、T−W
    −G−Q−Y−W−Q−V、V−W−K−T−W−G−
    Q−Y−W−Q−V、K−T−W−G−Q−Y−W−Q
    −V−L、K−T−W−G−Q−Y−W−Q−V及びT
    −W−G−Q−Y−W−Q−V−Lからなる群の中から
    選択されるアミノ酸配列を含んでいることを特徴とする
    免疫原ペプチド。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のペプチドをコードする
    ヌクレオチド配列を含んでいることを特徴とするヌクレ
    オチド配列。
  7. 【請求項7】 配列番号3、5、7及び9の配列からな
    る群の中から選択されるヌクレオチド配列を含んでいる
    ことを特徴とする請求項6に記載のヌクレオチド配列。
  8. 【請求項8】 請求項2もしくは3に記載のヌクレオチ
    ド配列又はその相補的配列に対する1個の標識プローブ
    及び1個又は2個のプライマーを含んでいることを特徴
    とする黒色腫細胞を検出するための試験キット。
  9. 【請求項9】 a.患者から試料を採取し、 b.試料で請求項2もしくは3に記載のヌクレオチド配
    列又は該配列の一部分の増幅を行い、 c.増幅した核酸を相補的な標識プローブと反応させ、 d.ラベルを検出する 段階からなることを特徴とする黒色腫細胞の検出方法。
  10. 【請求項10】 請求項2、3、6及び7のいずれか一
    項に記載のヌクレオチド配列を含んでいるクローニング
    媒体。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のクローニング媒体
    でトランスフェクト又は形質転換し、好ましくはMHC
    クラスIの対立遺伝子をコードするヌクレオチド配列を
    含んでいるクローニング媒体でコトランスフェクトする
    ことを特徴とする宿主細胞。
  12. 【請求項12】 宿主細胞がネズミEL4、P8.15
    細胞及びヒトBLM細胞からなる群の中から選択される
    ことを特徴とする請求項11に記載の宿主細胞。
  13. 【請求項13】 抗原提示細胞であることを特徴とする
    請求項11又は12に記載の宿主細胞。
  14. 【請求項14】 更に同時刺激分子を産生することを特
    徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載の宿
    主細胞。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載の抗原又はそのエピト
    ープを含んでいることを特徴とするワクチン。
  16. 【請求項16】 請求項4に記載のペプチドを含んでい
    ることを特徴とするワクチン。
  17. 【請求項17】 請求項5に記載のペプチドを含んでい
    ることを特徴とする請求項26に記載のワクチン。
  18. 【請求項18】 ペプチドを医薬的に許容できる担体又
    は希釈剤と混合することを特徴とする請求項15から1
    7のいずれか一項に記載のワクチン。
  19. 【請求項19】 予めペプチドが負荷されている抗原提
    示細胞を含んでいることを特徴とする請求項15から1
    7のいずれか一項に記載のワクチン。
  20. 【請求項20】 請求項11から13のいずれか一項に
    記載の宿主細胞を含んでいることを特徴とするワクチ
    ン。
  21. 【請求項21】 請求項2、3、6及び7のいずれか一
    項に記載のヌクレオチド配列を含んでいることを特徴と
    するワクチン。
  22. 【請求項22】 請求項1、4及び5のいずれか一項に
    記載のペプチドに対するT細胞レセプター又は該T細胞
    レセプターを発現する細胞を含んでいることを特徴とす
    るワクチン。
  23. 【請求項23】 アジュバント、1種以上のサイトカイ
    ン、CD2、CD3、CD27、CD28又は他のT細
    胞表面抗原に対する抗体、及びCD4+又はCD8+T
    細胞を刺激するためのヘルパーエピトープからなる群の
    中から選択された1種以上の化合物を更に含んでいるこ
    とを特徴とする請求項15から22のいずれか一項に記
    載のワクチン。
  24. 【請求項24】 a.患者から黒色腫試料を採取し; b.試料から腫瘍浸潤リンパ球を単離し; c.該リンパ球を請求項1に記載の抗原と反応させ; d.該抗原と結合するリンパ球を単離する 段階からなることを特徴とする抗原反応性腫瘍浸潤リン
    パ球の産生方法。
  25. 【請求項25】 請求項1に記載の抗原に結合し得るこ
    とを特徴とする腫瘍浸潤リンパ球。
  26. 【請求項26】 リンホカインをコードするヌクレオチ
    ド配列を有するクローニング媒体でトランスフェクトさ
    れたことを特徴とする請求項1に記載の抗原を発現し得
    る黒色腫細胞。
  27. 【請求項27】 請求項25に記載の腫瘍浸潤リンパ球
    及び/又は請求項26に記載の黒色腫細胞を含んでいる
    ことを特徴とするワクチン。
  28. 【請求項28】 請求項1、4及び5のいずれか一項に
    記載のペプチドを使用することを特徴とするペプチドと
    検出可能マーカーとの結合体。
  29. 【請求項29】 検出可能マーカーが放射性核種である
    ことを特徴とする請求項28に記載の結合体。
  30. 【請求項30】 請求項4又は5に記載のペプチドに対
    するものであることを特徴とする抗体。
  31. 【請求項31】 請求項30に記載の抗体を含んでいる
    ことを特徴とするワクチン。
  32. 【請求項32】 請求項4又は5に記載のペプチドに対
    する抗体の存在を患者の血清から検出することを特徴と
    する免疫療法の監視方法。
  33. 【請求項33】 請求項28又は29に記載の結合体を
    含んでいることを特徴とする請求項30に記載の抗体の
    検出用キット。
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