JPH07277852A - セラミックス成形体の焼成方法 - Google Patents

セラミックス成形体の焼成方法

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JPH07277852A
JPH07277852A JP7211794A JP7211794A JPH07277852A JP H07277852 A JPH07277852 A JP H07277852A JP 7211794 A JP7211794 A JP 7211794A JP 7211794 A JP7211794 A JP 7211794A JP H07277852 A JPH07277852 A JP H07277852A
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firing
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furnace
ceramic molded
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JP7211794A
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Hitoshi Higuchi
均 樋口
Satoshi Yamada
聡 山田
Takao Iimi
孝夫 飯味
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】セラミックス成形体を吊り下げた状態で連続的
に焼成できるようにすること、及び、この連続的処理の
途中で、セラミックス成形体同士が互いに接触して、破
損したり、不良品になったりするのを、防止すること 【構成】焼成用具5においては、支持枠が複数列設けら
れており、隣り合う支持枠の間に間隙が設けられてお
り、複数列の支持枠が互いに位置固定されている。この
焼成用具5の前記間隙に、セラミックス成形体8を挿通
して吊り下げる。所定の焼成スケジュールに従った温度
分布を有する連続焼成炉内で、焼成用具5を移動させる
ことによって、複数のセラミックス成形体8を連続的に
焼成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長尺のセラミックス成
形体の焼成方法に関するものであり、例えば、セラミッ
クスフィルター、セラミックスヒーター、セラミックス
窯道具、固体電解質型燃料電池の支持部材として有用
な、長尺体を製造するためのものである。
【0002】
【従来の技術】セラミックスフィルター、セラミックス
ヒーター、セラミックス窯道具、固体電解質型燃料電池
の支持部材等の細長い多孔質焼結体においては、長尺の
セラミックス成形体を焼成する工程が必要である。特
に、これらの各部材においては、真直度が必要である
が、長尺の成形体を横方向ないし水平方向に設置して焼
成すると、重力の作用によって、長尺の多孔質焼結体が
湾曲してしまう。このため、多孔質焼結体の真直度を保
持するため、セラミックス成形体の上端部を固定してつ
り下げ、鉛直方向に重力がかかった状態で焼成すること
が一般的である。
【0003】図11は、長尺の成形体を吊り下げて焼成
するための焼成炉の構造を概略的に示す一部破断斜視図
であり、図12は、長尺の成形体を平板43に吊り下げ
た状態を示す平面図である。焼成炉40の内壁には、図
示しない発熱体が取り付けられている。焼成炉40の内
部空間には、更に、アルミナ等の耐火物からなる遮蔽材
料41が積み上げられている。各遮蔽材料41は、例え
ば平面的に見て長方形であり、複数の遮蔽材料41を複
数個積み上げることによって、遮蔽構造体42を形成し
ている。この結果、遮蔽構造体42の中には、焼成用空
間45が形成される。遮蔽構造体42の上に、耐火物製
の細長い平板43の両端部43aを乗せ、平板43を水
平に架け渡す。隣り合う平板43の間には、細長い間隙
44が形成されている。長尺の各成形体8の上端部をそ
れぞれ隙間44に挿通し、各成形体8の上端部をそれぞ
れピン9等によって固定し、各ピン9等を平板43によ
って支持する。こうして、ピン9によって、各成形体8
を吊り下げる。こうした遮蔽構造体42は、各成形体8
を保護するために、必要であると考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、こうした焼成
方法では、いわゆるバッチ処理であるため、焼成炉内で
各成形体を吊り下げ、焼成用空間45内の温度を上昇さ
せ、焼成温度で保持し、次いで焼成用空間内の温度を低
下させて焼成体を炉から取り出すという、一連の工程が
必要である。従って、焼成用空間45内の加熱及び冷却
を繰り返す必要があるので、熱的な観点からは冷却によ
って炉内の熱を捨てることになるので、熱エネルギーが
非常に無駄であるし、かつ温度上昇、温度下降に長い時
間がかかる。このため、焼成工程の生産性が悪く、量産
に適していなかった。
【0005】本発明者は、この問題を解決するため、長
尺の成形体を吊り下げて連続的に焼成する方法を検討し
た。しかし、連続炉を採用するためには、非常に困難な
問題があることが判明した。即ち、各成形体8を吊り下
げる際には、遮蔽構造体42の上端面に平板43を乗せ
ることによって、焼成用空間45上に、各平板43を水
平に架け渡す必要がある。この理由を説明する。例え
ば、図12に示すように、4列の平板43を架け渡す場
合について説明すると、図12において、位置AとE,
BとF,CとG,DとHとが同じ高さになるように、各
平板43を設置する必要がある。また、位置AとB,E
とF,BとC,FとG,CとD,GとHも、それぞれ同
じ高さになるように、各平板43を設置しなければなら
ない。もし、これらの各位置において水平状態が保持さ
れないと、隣り合う成形体8の下端が接触したり、成形
体8の支持位置が移動し、動いたりする。特に、平板4
3の本数が増加すると、これらの各平板43をすべて水
平に設置することは、きわめて困難である。
【0006】しかも、最近は、長尺のセラミックス製品
の長さが、増大する傾向にある。例えば、固体電解質型
燃料電池の支持部材と言う用途においては、支持部材の
長さを大きくすることが、発電効率の観点から要求され
ており、最近は2m以上の長さのものが生産されてい
る。このように長い各成形体8は、図12に示すよう
に、不安定な状態でつり下げられており、しかも焼成温
度においては半溶融状態になっており、反応性が極めて
高い。従って、成形体8が少し傾斜すると、その下端部
が互いに接触し合い、破損してしまうため、不良品の原
因となる。特に、セラミックス成形体を吊り下げた状態
で移動させると、こうした成形体の傾斜による不良品の
発生が、きわめて生じやすくなってくる。
【0007】その上、次の問題も発生した。即ち、遮蔽
構造体42内の焼成用空間45に各成形体8を吊り下げ
た状態で、連続的に焼成するには、遮蔽構造体42を台
車上に乗せ、遮蔽構造体42の上部に複数の平板43
を、各平板43がすべて水平に同じ高さになるようにセ
ットし、各平板43間にピン9を架け渡して、各ピン9
に長尺のセラミックス成形体を吊り下げた台車を、順次
トンネルキルン内に送り込むことによって、セラミック
ス成形体を吊り焼成することができる。しかしながら、
高温の焼成雰囲気においては、炉内の温度分布にバラツ
キがあり、遮蔽構造体42の高さ方向の距離が大きいた
め、僅かな収縮率の差が、遮蔽構造体において大きな収
縮度合いの差としてあらわれる等の理由から、遮蔽構造
体42の高さ方向の収縮が各位置において異なるため、
平板43の水平度を保持することができない。
【0008】このため、本発明者は、遮蔽構造体42を
使用しない状態で、各セラミックス成形体8を保持した
まま移動させることも検討した。しかし、遮蔽構造体4
2を除去した場合には、焼成炉内壁の発熱体が露出し、
セラミックス成形体8と対向することになる。この状態
で、前記したようにセラミックス成形体が移動途中で傾
斜すると、セラミックス成形体8と炉内壁の発熱体と
が、互いに接触する可能性が高い。
【0009】前記したように、焼成温度において反応性
が高くなっている成形体8が発熱体と接触すると、半溶
融状態のセラミックスと発熱体の金属とが互いに反応
し、発熱体の動作が不良になることが判明した。こうな
ると、生産設備である焼成炉自体に損傷を与えるため、
非常に損失が大きく、また焼成炉の稼働自体を停止する
必要があり、生産が滞る。
【0010】本発明の課題は、セラミックス成形体を吊
り下げた状態で連続的に焼成できるようにすることであ
り、かつ、この連続的処理の途中で、セラミックス成形
体同士が互いに接触して、破損したり、不良品になった
りするのを、防止することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る焼成方法に
おいては、支持枠が複数列設けられており、隣り合う支
持枠の間に間隙が設けられており、かつ複数列の支持枠
が互いに位置固定されている焼成用具を使用し、この焼
成用具の間隙にセラミックス成形体を挿通して吊り下
げ、所定の焼成スケジュールに従った温度分布を有する
連続焼成炉内で焼成用具を移動させることによって、複
数のセラミックス成形体を連続的に焼成することを特徴
とする。
【0012】
【作用】本発明によれば、焼成用具にセラミックス成形
体を吊り下げ、所定の焼成スケジュールに従った温度分
布を有する連続焼成炉内でこの焼成用具を移動させるこ
とによって、複数のセラミックス成形体を連続的に焼成
している。従って、熱エネルギーの無駄を防止でき、温
度上昇、温度下降のサイクルにかかる時間を減らすこと
ができる。従って、セラミックス成形体の焼成に必要な
コストを大幅に低減することが可能であり、量産に適し
ている。
【0013】しかも、支持枠が複数列設けられており、
隣り合う支持枠の間に間隙が設けられており、かつ複数
列の支持枠が互いに位置固定されている焼成用具を使用
し、この焼成用具の間隙にセラミックス成形体を吊り下
げた状態で連続焼成炉中を移動させているので、この連
続的処理ないし移動の途中で、セラミックス成形体同士
が互いに接触して、破損したり、不良品になったりする
のを、防止することができる。
【0014】この点について更に説明する。図12に示
す前記焼成方法では、多数本の支持用の平板43の各両
端部のすべてについて、それぞれ水平度を保持すること
は、現実的に困難であった。これに対し、前記した焼成
用具によれば、支持枠が複数列設けられており、複数列
の支持枠が互いに位置固定されているので、この焼成用
具の少なくとも3点について水平度を確保すれば、この
焼成用具を構成するすべての支持枠の両端部について、
水平度が確保される。従って、各セラミックス成形体の
傾斜を防止することができる。
【0015】特に、この焼成用具に各成形体を保持した
状態であれば、焼成用具を水平に移動させても、各成形
体がほぼ鉛直に正確に保持され、吊り下げられているの
で、焼成用具が連続焼成炉内を移動する間に、各成形体
が互いに接触することはなかった。
【0016】
【実施例】本発明において、好ましくは、焼成用具にお
いて、複数列の支持枠が互いに一体に連結されている。
この場合には、焼成用具を連続焼成炉内で移動させると
きに、複数列の支持枠の相対位置が位置ずれし、各支持
枠に支持されている成形体の位置が変化して互いに接触
するというおそれがない。
【0017】焼成用具は連続焼成炉内を移動し、かつ何
度も再使用されるので、この焼成用具には、非常な高温
と室温との間で、繰り返し熱サイクルがかかる。このた
め、耐火物製の焼成用具も、繰り返し使用するうちに寸
法変化や割れが生ずる。この点、焼成用具が、支持枠
と、これらの支持枠を互いに連結する連結部材とから構
成されており、この連結部材から支持枠を取り外し可能
なように構成されている場合には、支持枠又は連結部材
が破損した時点で、その支持枠又は連結部材のみを交換
すれば、焼成用具を引き続いて使用することができる。
【0018】また、本発明において、焼成用具が、支持
枠と、これらの支持枠を互いに連結する連結部材とから
構成されており、この連結部材において支持枠の取り付
け位置を選択できるように構成することもできる。
【0019】セラミックス成形体は、各支持枠の間隙に
挿通するので、もし成形体の幅が大きい方に変化したと
きには、隣り合った支持枠の間隙の大きさが一定である
と、対応できなくなることがある。この点、連結部材に
おいて支持枠の取り付け位置を選択できるように構成す
れば、間隙の大きさを変更することによって、成形体の
幅の変更にも対応することができる。
【0020】本発明において、連続焼成炉の内壁に発熱
体を設置し、この内壁とセラミックス成形体との間に遮
蔽構造体を設けず、これにより発熱体からの熱輻射が直
接にセラミックス成形体へと放射されるように構成した
場合には、比熱の高い遮蔽構造体42を加熱するための
熱量の無駄を防止することができ、かつ、遮蔽構造体
を、多数のセラミックス成形体8と同時に移動させる機
構も不要である。
【0021】しかも、前記したように、本発明によれ
ば、各成形体を吊り下げた状態で移動させる間、各成形
体が傾斜、位置ズレするのを防止することができるの
で、各成形体が内壁の発熱体と接触して発熱体に損傷を
与えるのを、防止することができる。
【0022】焼成用具を前記連続焼成炉内で移動させる
ためには、次のような方法がある。 (1)連続焼成炉の天井を、炉体に対して移動可能なよ
うに炉体から分離し、この天井に対して焼成用具を固定
し、この天井を移動させることによって焼成用具を連続
焼成炉内で移動させる。
【0023】(2)連続焼成炉の炉体と天井とをそれぞ
れ独立して外部構造物に対して固定し、炉体と天井との
間で焼成用具が炉体及び天井に対して移動可能なように
構成し、この焼成用具を連続焼成炉内で移動させる。
【0024】(3)なお、焼成用具を車体に取り付け、
連続焼成炉内にレールを設け、このレールの上で焼成用
具を移動させることもできる。
【0025】本発明においては、長尺のセラミックス成
形体は、細長い形状のセラミックス成形体一般を含んで
いる。従って、この成形体は、外形が細長い形状てあれ
ばよく、棒状体及び管状体を含む。この棒状体とは、内
部に空洞が存在しない充実体であり、この管状体とは、
内部に細長い空洞が存在しているものである。管状体の
両端において空洞が開放されていてよく、一端において
開放され、かつ他端が封止されていてよい。
【0026】また、焼成後に形成されるセラミックス品
は、多孔質焼結体及び緻密質焼結体の双方を含む。長尺
のセラミックス成形体の幅方向断面形状は、円形、円環
状、正方形、正六角形、他の多角形等、任意の形状とで
きる。このセラミックス成形体の材質も任意であるが、
アルミナ、ジルコニア、窒化珪素、ムライト等、Mg、
Al、Zr及びSiからなる群より選ばれた1種以上の
元素を含む酸化物、窒化物又は炭化物等を例示できる。
【0027】本発明によって、固体電解質型燃料電池の
支持部材を製造する場合には、特に効果が大きい。なぜ
なら、固体電解質型燃料電池の発電出力を向上させるに
は、この支持部材を長くすることが必要であるが、これ
が2mを越えると、成形体の吊り状態が一層不安定とな
り、水平度に対する要求が厳しくなり、僅かな傾斜や位
置ズレによっても、成形体の下端部が、他の成形体や発
熱体に接触し易くなるからである。
【0028】また、この支持部材が、自己支持型の空気
極である場合には、空気極の材料は、通常、希土類原子
とイットリウムとからなる群より選ばれた1種以上の金
属原子を含有しており、かつマンガンを含有している複
合酸化物である。こうした材料を焼成する場合には、成
形体の金属との反応性が非常に高く、発熱体と接触した
ときに、特に損傷を与えやすいことがわかった。従っ
て、この場合には、特に本発明による発熱体の保護の作
用効果が著しい。
【0029】固体電解質型燃料電池の支持部材として、
ジルコニア製の支持部材が汎用されている。また、ラン
タンマンガナイトからなる多孔質焼結体製の支持部材
が、自己支持型の空気極として、有望視されている。こ
うしたランタンマンガナイト焼結体においては、ほぼ化
学量論的組成のものやAサイト(ランタン部位)が一部
欠損した組成のもの(マンガンリッチな組成)が知られ
ており、特に、AサイトにCa、Srをドープしたラン
タンマンガナイトからなる多孔質焼結体製の支持部材
が、有望視されている。
【0030】焼成炉内にセラミックス成形体を保持して
つり下げる方法は特に限定されないが、例えば、以下の
方法を例示できる。
【0031】(1)長尺の成形体8の上端部8aに貫通
孔を形成し、この貫通孔にピン等の細長い保持部材を挿
通し、この保持部材によって成形体8を吊り下げる。こ
の保持部材の両端を、それぞれ支持し、固定する。 (2)上記した保持部材に相当する形状の一対の棒状突
出部を成形体8に設け、これら一対の棒状突出部を支持
し、固定する。 (3)長尺の成形体8の上部に、成形体8よりも直径が
大きいフランジ部分を設ける。このフランジ部分を支持
し、固定する。
【0032】以下、図面を参照しつつ、本発明について
更に詳細に説明する。図1は、連続焼成炉の構造を模式
的に示す断面図であり、図2は、この連続焼成炉につい
て、焼成用具5の周辺の部分のみについて模式的に示す
平面図である。図1、図2に示す実施例においては、連
続焼成炉の炉体7の内壁7aに、図示しない発熱体を設
置し、この内壁7aとセラミックス成形体8との間に遮
蔽構造体42を設けていない。
【0033】また、連続焼成炉の炉体7は、炉外構造物
である鉄筋2Bに対して固定されており、天井1Aは、
炉外構造物である鉄筋2Aに対して固定されている。本
実施例では、炉体7と天井1Aとの間に、焼成用具5が
挟まれており、焼成用具5と天井1Aとの間が、シール
4Aによって封止されており、焼成用具5と炉体7との
間が、シール4Bによって封止されている。焼成用具5
は、炉体7及び天井1Aに対して移動可能なように、取
り付けられている。
【0034】焼成用空間3に、焼成用具5が水平に保持
されている。ただし、図1、図2においては、焼成用具
5の具体的形態は示さないことにする。なぜなら、この
焼成用具5としては、本発明で規定した焼成用具を使用
できるからであり、具体的には、後述する各実施例で示
す各焼成用具21、31、11、35等を使用できるか
らである。
【0035】焼成用具5の平面的形状は、本実施例では
略長方形である。焼成用具5においては、支持枠が複数
列設けられており、隣り合う支持枠の間に間隙が設けら
れており、かつ複数列の支持枠が互いに位置固定されて
いる。長尺の各成形体8の上端部8aを、それぞれ焼成
用具5の前記隙間に挿通し、各成形体8の上端部8aの
貫通孔8bにピン9を挿通し、各ピン9を焼成用具5の
支持枠によって支持する。こうして、ピン9によって、
各成形体8を吊り下げる。
【0036】本実施例では、鉄筋2B上に回転体6が多
数設置されており、多数の回転体によって焼成用具5の
搬送機構が形成されている。各焼成用具5は、好ましく
は、図2に示すように、隙間無く配列されており、この
状態で矢印M方向へと搬送される。ただし、図2におい
ては、便宜上、天井1A、鉄筋2A等を、図示していな
い。この搬送機構における駆動源としては、周知のモー
ター等を使用することができる。
【0037】図3は、連続焼成炉の構造を模式的に示す
断面図であり、図4は、この連続焼成炉について模式的
に示す平面図である。炉体7の内壁7aに、図示しない
発熱体を設置する。連続焼成炉の炉体7は、炉外構造物
である鉄筋2Bに対して固定されている。炉体7と天井
1Bとの間が、シール4Cによって封止されている。天
井1Bは、炉体7に対して移動可能なように、取り付け
られている。
【0038】天井1Bの内壁側に、焼成用具5が水平に
保持されている。ただし、図3、図4においても、焼成
用具5の具体的形態は示さないことにする。焼成用具5
の平面的形状は、本実施例では略長方形である。鉄筋2
C上に回転体6が多数設置されており、多数の回転体6
の上に、天井1Bのフランジ部分10が載置されてお
り、多数の回転体6によって、天井1Bの搬送機構が形
成されている。各天井1Bは、熱を逃がさないように、
好ましくは、図4に示すように隙間無く配列されてお
り、この状態で矢印M方向へと搬送される。ただし、図
4においては、便宜上、鉄筋2Bを、図示していない。
【0039】次いで、焼成用具5の具体的形態につい
て、例示する。図5は、本実施例に係る焼成用具21を
示す斜視図であり、図6は、焼成用具21に長尺の成形
体8を吊り下げた状態を模式的に示す平面図である。平
板状の支持枠21aが互いに平行に設けられ、各支持枠
21aの両端部に、平板状の連結枠21bが連続してい
る。各連結枠21bと各支持枠21aとは直交してい
る。隣り合う支持枠21aと連結枠21bとによって、
間隙22が形成されている。
【0040】隣り合う支持枠21aの間隙22に、それ
ぞれ複数本の成形体8の上端部8aが挿通されている。
図1、図3に示したように、各成形体8の上端部8aに
それぞれ貫通孔8bが設けられ、各貫通孔8bにピン9
が挿通されている。各ピン9の端部が、支持枠21aに
よって支持されている。
【0041】本実施例の焼成用具21によれば、各支持
枠21aが、連結枠21bによって互いに連結されてい
るので、連結枠21bにおいて水平状態を保持できれ
ば、すべての支持枠21aにおいて水平状態が確保され
る。この際には、例えば位置I,J,K,Lについて水
平状態を確保すれば、他の部分の水平度は測定する必要
がない。
【0042】図7(b)は、他の実施例に係る焼成用具
31を示す斜視図であり、図7(a)は、焼成用具31
の各部品30A、30Bを示す斜視図である。支持枠3
0A、連結部材30Bは、共に平板状であり、所定個
数、寸法の凹部30aを有している。ただし、支持枠3
0Aにおいては、凹み30aの間隔が相対的に長く、連
結部材30Bにおいては、凹み30aの間隔が相対的に
短かい。
【0043】そして、支持枠30Aの凹み30aと、連
結部材30Bの凹み30aとを互いに嵌め合わせると、
図7(b)に示す焼成用具31が得られる。焼成用具3
1においては、隣り合う支持枠30Aの間隔が相対的に
短かく、隣り合う連結部材30Bの間隔が相対的に長
い。そして、隣り合う支持枠30Aの間隙22に成形体
8を挿通し、この成形体8を支持枠30Aによって支持
する。各支持枠30Aは、連結部材30Bによって連結
され、互いに対して位置固定される。
【0044】本実施例においては、連結部材30Bから
支持枠30Aを取り外し、交換することができる。しか
も、連結部材30Bにおける凹み30aの間隔を変える
ことが可能であり、即ち、連結部材30Bにおいて支持
枠30Aの取り付け位置を選択できる。従って、成形体
8の幅方向寸法が変っても、連結部材30Bにおける凹
み30aの間隔を変えることにより、即座に対応でき
る。
【0045】図8(a)は、焼成用具35の正面図であ
り、図8(b)は、焼成用具35の平面図である。図9
(a), (b), (c)は、それぞれ焼成用具35の部
品を示す斜視図である。本実施例の焼成用具35におい
ては、支持枠34の連結部材は、図9(a)に示す台座
32と、図9(b)に示す係止具33とから構成されて
いる。
【0046】台座32は、幅の小さい一対の外枠32a
と、相対的に幅の大きい一対の外枠32bとからなる。
外枠32a同士、外枠32b同士は、それぞれ平行であ
る。外枠32a,32bの内側に空間32cが形成され
ている。
【0047】係止具33の形状は略T字状であり、細長
い四角柱状の基部33aと、一対の突出部33bとから
なる。そして、焼成用具35を組み立てる際には、まず
図9(c)に示すように、平板状の支持枠34を、互い
に平行に所定間隔を置いて配列し、隣り合う支持枠34
の間に、基部33aを挿入し、挟み込む。隣り合う支持
枠34の表面に基部33aを隙間なく密着させ、かつ隣
り合う係止具33の突出部33b同士を、隙間なく密着
させる。この状態で、隣り合う支持枠34の間隔は基部
33aによって決定される。
【0048】図9(c)に示すように支持枠34と係止
具33とを組み合わせた後、台座32の上に支持枠34
を載せ、図8(a), (b)に示す状態とする。ただ
し、図8の例では、支持枠34の両端部に、それぞれ係
止具33を組み合わせた状態を示している。
【0049】この状態で、各支持枠34は、一対の外枠
32bの上に支持され、架け渡されている。図8
(a), (b)において最も右側及び左側にある係止具
33の基部33aが、それぞれ外枠32aの内側面に当
接し、かつこれらの係止具33の突出部33bが、それ
ぞれ外枠32aの上側面に密接している。従って、各支
持枠34は、係止具33、外枠32a,32bによって
定位置に固定され、位置ズレしないようになっている。
隣り合う支持枠34の間隙22に成形体8を挿通し、吊
り下げる。
【0050】本実施例においては、支持枠34のみを連
結部材から取り外し、交換することができる。また、係
止具33を交換し、その基部33aの幅を変更すれば、
連結部材において支持枠34の取り付け位置を選択でき
る。
【0051】図10は、焼成用具11の組み立て方法を
示す斜視図である。この焼成用具11は、基本的には、
図8、図9に示す焼成用具に類似した形態のものである
が、各部品の具体的形状が若干異なっている。
【0052】台座12の外形は略長方形状であり、台座
12の内側の方に、取り付け部13が形成されており、
取り付け部13の内側に、空間19が設けられている。
取り付け部13には、空間19へと向かって、略直方体
状の固定用凹部14が設けられている。固定用凹部14
の下側に、突起13aが、空間19を囲むようにその周
囲に形成されている。
【0053】係止具15は、平板状の基部15aと、突
起15bとから構成されている。また、係止具16は、
四角柱形状の基部16aと突起16bとから構成されて
いる。焼成用具11を組み立てる際には、まず、平板状
の支持枠17を、互いに平行に所定間隔を置いて配列
し、隣り合う支持枠17の間に、係止具15の基部15
aを、矢印Nのように挿入し、挟み込む。隣り合う支持
枠17の表面に基部15aを隙間なく密着させる。各支
持枠17の下面に突起15bを接触させる。係止具16
の基部16aを支持枠17に隙間無く密着させ、支持枠
17の下面に突起16bを密着させる。この状態で、隣
り合う支持枠17の間隔は、基部15aの厚さによって
決定される。
【0054】このようにして支持枠17と係止具15及
び16とを組み合わせた後、台座12の取り付け部13
に、支持枠17と係止具15、16とを組み合わせ、焼
成用具11を形成する。この際には、各支持枠17を矢
印Oのように動かして、各支持枠17の両端部分を、そ
れぞれ各固定用凹部14内に挿入し、固定する。この状
態で、各支持枠17は、空間19内に架け渡される。
【0055】このとき同時に、各係止具15の凹部15
cが、突起13aに対して接触し、組み合わされる。ま
た、係止具16をこれと同時に矢印Pのように動かし、
凹部16cを突起13aに対して接触させ、組み合わせ
る。
【0056】最も端部側にある係止具16の基部16a
が、取り付け部分13の内側面に当接している。また、
係止具15、16の凹部15c、16cが、それぞれ突
起13aの上側面に密接している。従って、各支持枠1
7は、係止具15、16及び取り付け部13によって定
位置に固定され、位置ズレしないようになっている。隣
り合う支持枠17の間隙22に成形体8を挿通し、吊り
下げる。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、セ
ラミックス成形体を吊り下げた状態で連続的に焼成する
ことができ、かつ、この連続的処理の途中で、セラミッ
クス成形体同士が互いに接触して、破損したり、不良品
になったりするのを、防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続焼成炉の構造を模式的に示す断面図であ
る。
【図2】図1の連続焼成炉について、焼成用具5の周辺
の部分のみについて模式的に示す平面図である。
【図3】他の実施例に係る連続焼成炉の構造を模式的に
示す断面図である。
【図4】図3の連続焼成炉について模式的に示す平面図
である。
【図5】本実施例に係る焼成用具21を示す斜視図であ
る。
【図6】焼成用具21に長尺成形体6を吊り下げた状態
を模式的に示す平面図である。
【図7】(a)は、他の実施例に係る焼成用具31の各
部品30A、30Bを示す斜視図であり、(b)は、焼
成用具31を示す斜視図である。
【図8】(a)は、焼成用具35を示す正面図であり、
(b)は、焼成用具35の平面図である。
【図9】(a)は、台座32を示す斜視図であり、
(b)は、係止具33を示す斜視図であり、(c)は、
係止具33と支持枠34とを組み合わせた状態を示す斜
視図である。
【図10】焼成用具11の組み立て方法を示す斜視図で
ある。
【図11】長尺の成形体を吊り下げて焼成するための焼
成炉の構造を概略的に示す一部破断斜視図である。
【図12】長尺の成形体を平板43に吊り下げた状態を
示す平面図である。
【符号の説明】
1A 炉外構造物に対して固定された天井 1B 移
動可能な天井 2A、2B、2C 炉外構造物
3、45 焼成用空間 5、11、21、31、35
焼成用具 6 搬送用の回転体 7 炉体 7
a炉の内壁 8 セラミックス成形体 9 保持部
材の一例であるピン 12、32 台座 15、1
6、33 係止具 17、21a、30A、34、4
3 支持枠 21b 連結枠 22 間隙 30
B 連結部材 42 遮蔽構造体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長尺のセラミックス成形体を吊り下げて焼
    成する方法であって、支持枠が複数列設けられており、
    隣り合う前記支持枠の間に間隙が設けられており、かつ
    複数列の前記支持枠が互いに位置固定されている焼成用
    具を使用し、この焼成用具の前記間隙に前記セラミック
    ス成形体を挿通して吊り下げ、所定の焼成スケジュール
    に従った温度分布を有する連続焼成炉内で前記焼成用具
    を移動させることによって、複数の前記セラミックス成
    形体を連続的に焼成することを特徴とする、セラミック
    ス成形体の焼成方法。
  2. 【請求項2】前記複数列の支持枠が互いに一体に連結さ
    れていることを特徴とする、請求項1記載のセラミック
    ス成形体の焼成方法。
  3. 【請求項3】焼成用具が、前記支持枠と、これらの支持
    枠を互いに連結する連結部材とから構成されており、こ
    の連結部材から前記支持枠を取り外し可能なように構成
    されていることを特徴とする、請求項2記載のセラミッ
    クス成形体の焼成方法。
  4. 【請求項4】前記連続焼成炉の内壁に発熱体が設置され
    ており、この内壁と前記セラミックス成形体との間に遮
    蔽構造体が設けられておらず、これにより前記発熱体か
    らの熱輻射が直接に前記セラミックス成形体へと放射さ
    れるように構成したことを特徴とする、請求項1〜3の
    いずれか一つの項に記載のセラミックス成形体の焼成方
    法。
  5. 【請求項5】前記連続焼成炉の天井が炉体に対して移動
    可能なように炉体から分離されており、この天井に対し
    て前記焼成用具を固定し、この天井を移動させることに
    よって前記焼成用具を前記連続焼成炉内で移動させるこ
    とを特徴とする、成形体1〜4のいずれか一つの項に記
    載のセラミックス成形体の焼成方法。
  6. 【請求項6】前記連続焼成炉の炉体と天井とをそれぞれ
    独立して外部構造物に対して固定し、前記炉体と前記天
    井との間で前記焼成用具が前記炉体及び前記天井に対し
    て移動可能なように構成し、この焼成用具を前記連続焼
    成炉内で移動させることを特徴とする、請求項1〜4の
    いずれか一つの項に記載のセラミックス成形体の焼成方
    法。
  7. 【請求項7】前記セラミックス成形体を焼成することに
    よって、固体電解質型燃料電池の支持部材を製造するこ
    とを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つの項に記
    載のセラミックス成形体の焼成方法。
JP7211794A 1994-04-11 1994-04-11 セラミックス成形体の焼成方法 Withdrawn JPH07277852A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017078001A (ja) * 2015-10-21 2017-04-27 三菱日立パワーシステムズ株式会社 焼結体製造装置、焼結体製造方法、燃料電池セルスタックの製造方法及び燃料電池カートリッジの製造方法

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