JP2813135B2 - 瓦焼成用棚組 - Google Patents

瓦焼成用棚組

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JP2813135B2 JP14789794A JP14789794A JP2813135B2 JP 2813135 B2 JP2813135 B2 JP 2813135B2 JP 14789794 A JP14789794 A JP 14789794A JP 14789794 A JP14789794 A JP 14789794A JP 2813135 B2 JP2813135 B2 JP 2813135B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、瓦焼成用棚組に関する
ものであり、特に施釉瓦の焼成に適した瓦焼成用棚組に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の瓦焼成用棚組は、所定の間隔で立
設された棚脚間に棚板を水平に架設し、この棚板の上面
に瓦を垂直に立てる構造のものが普通である。ところが
このような瓦焼成用棚組によって施釉瓦を焼成する場合
には、瓦の下面が棚板と広い面で密着するために釉薬が
棚板に融着し、焼成不良となるおそれがあった。また棚
板により焼成ガスが遮断されるため、瓦の下部に焼きむ
らが生ずるおそれがあった。
【0003】そこで図7に示すように、棚板21の上面に
浅溝を形成し、この浅溝の内部に金属製の断面円形の瓦
支持棒22を載せることにより、瓦23と棚板21とが密着す
ることを防止した瓦焼成用棚組も使用されている。しか
しこの場合にも釉薬が瓦支持棒22に融着するおそれがあ
るうえ、瓦23の下面と棚板21の上面との隙間はわずか数
mmに過ぎないため、やはり焼成ガスのまわりが悪く、瓦
23の下部に焼きむらが生ずるおそれがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決し、施釉瓦を焼成する場合にも釉薬が付
着しにくく、また焼きむらを生ずることのない瓦焼成用
棚組を提供するために完成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の瓦焼成用棚組は、所定の間隔で立
設された棚脚間に、断面が長方形であって、かつ中空体
である瓦支持棒をその稜線を上端に向けて架設したこと
を特徴とするものである。
【0006】
【作用】本発明の瓦焼成用棚組は、断面が多角形の瓦支
持棒の尖った稜線上に瓦を載せて焼成を行うため、瓦と
瓦支持棒とは線接触となる。このため、瓦が施釉瓦であ
る場合にも瓦の下面の釉薬が瓦支持棒に融着することが
防止される。また本発明の瓦焼成用棚組は棚脚間に棚板
を使用することなく瓦支持棒を架設してあるので、焼成
用ガスが棚板によって遮断されることがない。従ってガ
スのまわりがよく、焼成むらを生じない。なお、瓦支持
棒は断面が多角形であるため、瓦と接触する稜線が摩耗
してきた場合には、回転させて他の稜線で瓦を支持させ
ることができる。
【0007】
【実施例】以下に本発明を図示の実施例により詳細に説
明する。図1は本発明の第1の実施例を示すもので、
1、1は焼成台車上に所定間隔で立設された棚脚、2、
2はこれらの棚脚1、1間に従来のような棚板を使用す
ることなく直接架設された2本の瓦支持棒である。棚脚
1、1の間隔は例えば1500mmである。従来使用されてい
た金属製の瓦支持棒は高温強度が不足するため、その下
面に耐火物製の棚板を必要としていたのであるが、実施
例では高温強度および耐熱性に優れたSi-SiC製の瓦支持
棒2を使用しており、1500mm〜3000mm程度のスパンであ
れば棚板を使用することなく、直接架設することができ
る。なお、高温強度が強いセラミックスであれば、Si-S
iC以外にも高純度ムライトや炭化珪素等の瓦支持棒の使
用も可能である。
【0008】このSi-SiCは、SiC と25重量%以下のSiと
からなるもので、Si粉末とC粉末をSiC 粉末とともに混
合して押し出し成形し、1300〜1400℃で焼結させる方法
によって製造することができる。なお、カーボンにより
成形体を作成したうえ、Siと反応させてSi-SiCを得るこ
ともできる。さらにこのほか、再結晶炭化珪素にSiを含
浸させる方法によっても製造することができる。このSi
-SiCについては、本出願人の特開平6-1660号公報に詳細
が開示されている。
【0009】第1の実施例の瓦支持棒2は断面が正方形
の中実棒であり、棚脚1の上面のV字状の溝3に嵌合さ
せることによって、稜線4を上端に向けて架設されてい
る。このためその上面に瓦を載せて焼成する場合、瓦と
瓦支持棒2とは線接触することとなり、施釉瓦を焼成す
る場合にも釉薬が瓦支持棒2に融着するおそれがない。
また、瓦支持棒2の稜線4が摩耗した場合には、90度ず
つ回転させることにより新しい稜線を上端に向けること
ができ、繰り返し使用できるため使用寿命が長くなる利
点がある。
【0010】図2は本発明の第2の実施例を示すもの
で、瓦5を支持するために断面が正方形の中空の瓦支持
棒2を使用している。このような中空体を使用すれば、
重量を増加させることなく断面係数を増加させることが
できる利点がある。その他の点は第1の実施例と同様で
ある。
【0011】以上の実施例では、棚脚1の上面に直接瓦
支持棒2を載せたのであるが、図3に示す第3の実施例
では隣接する棚脚1の上面に横桁6を載せ、この横桁6
の上面に断面が正方形の中空の瓦支持棒2を載せてい
る。なおこの横桁6は棚脚1の上面にのみ位置するもの
で、棚板のように紙面に垂直方向に延びるものではな
い。このような横桁6を使用すれば、棚脚1の設置間隔
と瓦支持棒2の設置間隔を1対1に対応させる必要がな
くなる利点がある。
【0012】図4に示す第4の実施例では、断面が正三
角形の中実の瓦支持棒2を使用している。この場合に
は、瓦支持棒2の平坦な下面をそのまま棚脚1や横桁6
の上面に置くことができ、第1〜第3の実施例のように
棚脚1や横桁6の上面に溝3を形成する必要がない。従
って、瓦5のサイズに応じて2本の瓦支持棒2、2間の
間隔を自由に調節できる利点がある。
【0013】図5に示す第5の実施例では、断面が正五
角形の瓦支持棒2が使用されている。また図6に示す第
6の実施例では、断面が正六角形の瓦支持棒2が使用さ
れている。このように角数が多くなると摩耗したときに
回転させて使用できる稜線4の数が増加するが、その半
面次第に断面が円に近づき、瓦5と瓦支持棒2との接触
点における釉薬の融着が生じ易くなるため、断面をこれ
以上角数の多い多角形とすることは好ましくない。
【0014】図7に示す第7の実施例では、断面形状を
長方形とした瓦支持棒2が使用されている。この場合に
は、図7に実線及び想像線で示したように瓦支持棒2の
載せ方を変えることにより、上端の稜線4、4間の間隔
をa、b、cと変えることができ、瓦のサイズや瓦の形
状(例えば尻剣の有無)によって使い分けることが可能
となる。
【0015】以上に説明した各実施例では、瓦支持棒2
のコーナー部の稜線4により瓦5を支持させたが、押し
出し成形法により瓦支持棒2を成形する際に、コーナー
部の稜線4のアールを小さくするとクラックが生じ易く
なり、逆にコーナー部の稜線4のアールを大きくすると
瓦5の釉薬が融着し易くなる。そこで図8に示す第8の
実施例では、辺の途中に突状7を設けた多角形の瓦支持
棒2が使用されており、瓦5はこの突状7の稜線8によ
り支持される。このような辺の途中の突状7は成形時に
アールを小さくすることができ、瓦5の釉薬の融着を防
止することができる。この図8の実施例では、コーナー
部の稜線4は5R以上、突状7の稜線8は2Rとされて
いる。
【0016】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の瓦焼成
用棚組は棚脚間に断面が多角形の瓦支持棒をその稜線を
上端に向けて架設したことにより、施釉瓦を焼成する場
合にも釉薬が瓦支持棒に付着しにくく、またガスのまわ
りがよく焼きむらを生ずることのないものである。特に
このような瓦支持棒を高温強度および耐熱性に優れたSi
-SiC製とすることにより、棚脚間のスパンを従来通りと
したまま、本発明の棚組を構築することができる。よっ
て本発明は従来の問題点を解決した瓦焼成用棚組とし
て、業界に大きく寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す正面図である。
【図3】本発明の第3の実施例を示す正面図である。
【図4】本発明の第4の実施例を示す正面図である。
【図5】本発明の第5の実施例を示す正面図である。
【図6】本発明の第6の実施例を示す正面図である。
【図7】本発明の第7の実施例を示す正面図である。
【図8】本発明の第8の実施例を示す正面図である。
【図9】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 棚脚、2 瓦支持棒、3 溝、4 稜線、5 瓦、
6 横桁、7 突状、8 稜線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F27D 3/12 C04B 33/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の間隔で立設された棚脚間に、断面
    長方形であって、かつ中空体である瓦支持棒をその稜
    線を上端に向けて架設したことを特徴とする瓦焼成用棚
    組。
  2. 【請求項2】 棚脚間に横桁を載せ、この横桁上に瓦支
    持棒を架設した請求項に記載の瓦焼成用棚組。
  3. 【請求項3】 瓦支持棒をSi-SiC製とした請求項1また
    は2に記載の瓦焼成用棚組。
JP14789794A 1994-06-29 1994-06-29 瓦焼成用棚組 Expired - Lifetime JP2813135B2 (ja)

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JP14789794A JP2813135B2 (ja) 1994-06-29 1994-06-29 瓦焼成用棚組

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JPH0814768A JPH0814768A (ja) 1996-01-19
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