JPH07277839A - セラミックス成形体の焼成方法 - Google Patents

セラミックス成形体の焼成方法

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JPH07277839A
JPH07277839A JP6072116A JP7211694A JPH07277839A JP H07277839 A JPH07277839 A JP H07277839A JP 6072116 A JP6072116 A JP 6072116A JP 7211694 A JP7211694 A JP 7211694A JP H07277839 A JPH07277839 A JP H07277839A
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molded body
firing
heating element
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ceramic molded
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JP6072116A
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English (en)
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Hitoshi Higuchi
均 樋口
Satoshi Yamada
聡 山田
Takao Iimi
孝夫 飯味
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】焼成炉内に長尺のセラミックス成形体をつり下
げ、焼成炉の内壁にある発熱体を発熱させてセラミック
ス成形体を焼成する方法において、セラミックス成形体
の長さが大きくなっても、これをつり下げる作業を比較
的に容易に行えるようにし、セラミックス成形体の焼成
時の熱効率を顕著に向上させ、セラミックス成形体の焼
成温度を精密に制御できるようにすること。 【構成】焼成炉内に遮蔽構造体なしにセラミックス成形
体を保持する。焼成炉の内壁4aに沿って延びる発熱体
10を設置する。各発熱体10の少なくとも前面側に細
長い構造部材11を固定する。これにより発熱体10の
熱輻射が直接セラミックス成形体に輻射されるように構
成した。好ましくは、構造部材11が管状体である。好
ましくは、固定用枠9を内壁に取り付け、固定用枠9に
対して構造部材11を固定するか、構造部材を直接に内
壁4aに対して取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長尺のセラミックス成
形体の焼成方法に関するものであり、例えば、セラミッ
クスフィルター、セラミックスヒーター、セラミックス
窯道具、固体電解質型燃料電池の支持部材として有用
な、多孔質焼結体を製造するためのものである。
【0002】
【従来の技術】セラミックスフィルター、セラミックス
ヒーター、セラミックス窯道具、固体電解質型燃料電池
の支持部材等の細長い多孔質焼結体においては、長尺の
セラミックス成形体を焼成する工程が必要である。特
に、これらの各部材においては、真直度が必要である
が、長尺の成形体を横方向ないし水平方向に設置して焼
成すると、重力の作用によって、長尺の多孔質焼結体が
湾曲してしまう。このため、多孔質焼結体の真直度を保
持するため、セラミックス成形体の上端部を固定してつ
り下げ、鉛直方向に重力がかかった状態で焼成すること
が一般的である。
【0003】図7は、長尺の成形体を吊り下げて焼成す
るための焼成炉の構造を概略的に示す一部破断斜視図で
あり、図8は、この焼成炉の構造を説明するための模式
的断面図である。焼成炉20の内壁には、図示しない発
熱体が取り付けられている。焼成炉20の内部空間25
には、更に、アルミナ等の耐火物からなる遮蔽材料21
が積み上げられている。各遮蔽材料21は、例えば図
7、図8の例においては、平面的に見て長方形であり、
複数の遮蔽材料21を複数個積み上げることによって、
遮蔽構造体22を形成している。この結果、遮蔽構造体
22の中には、焼成用空間23が形成される。遮蔽構造
体22の上に、耐火物製の細長い平板6を水平に架け渡
す。隣り合う平板6の間には、細長い隙間24が形成さ
れている。長尺の各成形体7の上端部7aをそれぞれ隙
間24に挿通し、各成形体7の上端部7aをそれぞれピ
ン8等によって固定し、各ピン8等を平板6によって支
持する。こうして、ピン8によって、各成形体7を吊り
下げる。こうした遮蔽構造体は、成形体を吊り下げるた
めの治具を固定するために、必要であると考えられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、こうした焼成
方法によると、次のような問題が生ずる。まず、最近
は、長尺のセラミックス製品の長さが、増大する傾向に
ある。特に、固体電解質型燃料電池の空気極材料として
は、現在、ランタンマンガナイト焼結体が有望と見られ
ている(エネルギー総合工学、13、2、52〜68
頁、1990年)。こうしたランタンマンガナイト焼結
体においては、ほぼ化学量論的組成のものやAサイト
(ランタン部位)が一部欠損した組成のもの(マンガン
リッチな組成)が知られている。特に、AサイトにC
a、Srをドープしたランタンマンガナイトからなる多
孔質焼結体製の支持部材が、空気極を兼ねた自己支持型
の電極材料として、有望視されている。また、固体電解
質型燃料電池の支持部材として、ジルコニア製の支持部
材が汎用されている。
【0005】こうした固体電解質型燃料電池の支持部材
と言う用途においては、支持部材の長さを大きくするこ
とが、発電効率の観点から要求されており、最近は2m
以上の長さのものが生産されている。しかし、前記した
ように遮蔽構造体22を組み立てた後、遮蔽構造体22
の上に平板6を架け渡し、遮蔽構造体22の中に成形体
7を上から挿入し、つり下げる作業が必要である。しか
し、このように成形体7が長くなってくると、遮蔽構造
体22中の狭い空間に各成形体7を一つ毎挿入し、つり
下げる作業は、非常に面倒であってコスト上昇の要因と
なる。特に、成形体7の長さが2mを越えてくると、作
業者の身長を大きく超えるので、狭い遮蔽構造体22の
中に各成形体をつり下げる作業は、困難になってくる。
【0006】更に、遮蔽構造体22は耐火物製であり、
各成形体を水平に吊り下げる必要があるので、遮蔽構造
体22を肉圧の高強度構造体とする必要がある。この結
果、遮蔽構造体22の熱容量が大きく、かつ、熱の遮断
効果が高い。従って、焼成炉の内壁に設置した発熱体を
発熱させても、その発熱量の大部分が遮蔽構造体22の
温度上昇のために消費されるので、熱効率がきわめて悪
い。しかも、遮蔽構造体22によって熱量が消費される
結果、発熱体の温度を制御しても、その制御温度と、遮
蔽構造体22の内部にある焼成用空間23との温度差が
非常に大きく、かつ制御時の応答性が悪い。従って、各
成形体7の温度を制御することが非常に困難であった。
【0007】本発明の課題は、焼成炉内に長尺のセラミ
ックス成形体をつり下げ、焼成炉の内壁にある発熱体を
発熱させてセラミックス成形体を焼成する方法におい
て、セラミックス成形体の長さが大きくなっても、これ
をつり下げる作業を比較的に容易に行えるようにし、か
つ、セラミックス成形体の焼成時の熱効率を顕著に向上
させ、セラミックス成形体の焼成温度を精密に制御でき
るようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る焼成方法
は、焼成炉内に長尺のセラミックス成形体を保持してつ
り下げ、この際焼成炉内に遮蔽構造体なしにセラミック
ス成形体を保持し、この焼成炉の内壁に沿って延びる発
熱体を設置し、各発熱体の少なくとも前面側に細長い構
造部材を固定し、これにより発熱体の熱輻射が直接前記
セラミックス成形体に輻射されるように構成したことを
特徴とする。
【0009】
【作用】本発明者は、前記した問題を解決するため、種
々検討していたが、この過程で、図7に示す遮蔽構造体
22を除去することも検討した。しかし、この遮蔽構造
体を取り外すと、各成形体7が不安定な状態でつり下げ
られており、しかも焼成温度においては半溶融状態にな
っており、反応性が極めて高い。従って、何らかの原因
で成形体7が大きく傾斜したり、破損したり、互いに接
触したりすると、問題が生じうる。
【0010】本発明者は、この問題を更に検討したが、
結局のところ、各成形体7が互いに接触したり、破損し
たりしても、それ自体では、その成形体7が不良品にな
るのみであり、こうした不良品の発生率自体も低いの
で、破損した成形品のみを破棄すれば済むことを確認し
た。この一方、重大な問題が発生することも判った。
【0011】即ち、各成形体7は反応性が高い状態なの
で、各成形体7が傾斜したり、つり下げるための保持部
分から落下したりすると、焼成炉内壁の発熱体に対して
接触し、この発熱体を構成する元素と反応し、発熱体の
動作を不良にすることが判明した。こうなると、生産設
備である焼成炉自体に損傷を与えるため、非常に損失が
大きく、また焼成炉の稼働自体を停止する必要があり、
生産が滞る。
【0012】本発明者は、この問題を解決するため、更
に検討したが、その結果、焼成炉の内壁に延びる発熱体
を設置し、かつ各発熱体の少なくとも前面側に、発熱体
を保護するための細長い構造部材を固定しておけば、前
記のように各成形体7が傾斜したり、落下したりして
も、この成形体7が発熱体に対して直接に接触せず、発
熱体と成形体との反応による焼成炉の稼働停止を防止で
きることを確認した。
【0013】この結果、初めて、遮蔽構造体なしに、焼
成炉内に各成形体7をつり下げて焼成することができる
ようになった。従って、狭い遮蔽構造体22内に各成形
体7をつり下げる作業は不要なので、セラミックス成形
体の長さが大きくなっても、これをつり下げる作業を比
較的に容易に行えるようになった。しかも、発熱体の熱
輻射が直接セラミックス成形体に輻射されるように構成
できるので、セラミックス成形体の焼成時の熱効率を顕
著に向上させ、セラミックス成形体の焼成温度を精密に
制御できるようになった。
【0014】
【実施例】本発明においては、発熱体の前面に固定され
る保護用の構造部材は、細長い形状の部材一般を含んで
いる。従って、この構造部材は、外形が細長い形状てあ
ればよく、棒状体及び管状体を含む。この棒状体とは、
内部に空洞が存在しない充実体であり、この管状体と
は、内部に細長い空洞が存在しているものである。管状
体の両端において空洞が開放されていてよく、一端にお
いて開放され、かつ他端が封止されていてよい。
【0015】この構造部材は、高温の焼成炉内雰囲気に
対して曝されるので、耐熱性材料で形成する必要がある
が、特に、セラミックス成形体が構造部材に対して接触
した時に、構造部材にクラック、破壊が生ずるのを、防
止する必要がある。この観点から、構造部材が管状体で
ある場合には、充実体の場合よりも、構造部材の耐熱衝
撃性が高くなるし、クラックの伝播も相対的に生じにく
くなるので、有利である。
【0016】この構造部材を発熱体の前面に設置するた
めには、次の方法が考えられる。 (1)固定用枠を内壁に取り付け、この固定用枠に対し
て構造部材を固定する。この場合に、固定用枠ではな
く、板状体に対して構造部材を固定することも考えられ
る。しかし、板状体に対して構造部材を固定すると、当
然発熱体の近傍に板状体が設置されることになる。
【0017】特に焼成炉における高温条件下では、熱輻
射による伝導が主となるので、板状体が発熱体の近傍に
存在していると、板状体によって発熱体の熱輻射が阻止
されるので、その分熱効率が悪化する。従って、固定用
枠に対して、構造部材を固定することが好ましい。
【0018】更に、この取り付け方法を採用すると、発
熱体の前面に構造部材を取り付けるのに際して、固定用
枠を発熱体の前面に突出させ、この突出した部分に真っ
直ぐな構造部材を取り付ければ、発熱体の前面に構造部
材を取り付けることができる。一般に、耐熱性材料とし
てセラミックスを採用した場合には、曲げ加工が困難で
あるが、このようにすれば真っ直ぐな構造部材を使用す
ることができる。
【0019】この場合において、固定用枠と構造部材と
を互いに接合することもできるが、固定用枠と構造部材
とを、互いに着脱可能にすることもできる。固定用枠と
構造部材とを着脱可能にした場合には、仮に構造部材の
うち1本が破損したときには、この破損した構造部材の
みを交換すれば、再び使用できるという利点がある。
【0020】(2)前記構造部材を、直接に内壁に対し
て取り付ける。この場合には、上記した熱輻射の阻害
が、(1)の場合に比べて、より一層減少するので、熱
効率の観点からは更に好ましい。
【0021】各発熱体について、構造部材をそれぞれ複
数本固定し、発熱体の前面で各構造部材が略水平に延び
ている場合には、セラミックス成形体がどのような形で
傾斜した場合にも、成形体の発熱体への接触を確実に防
止することができる。
【0022】本発明によって、固体電解質型燃料電池の
支持部材を製造する場合には、特に効果が大きい。なぜ
なら、前記したように、固体電解質型燃料電池の発電出
力を向上させるには、この支持部材を長くすることが必
要であるが、これが2mを越えると、前記したように、
遮蔽構造体22内に成形体を挿入し、吊り下げること
が、きわめて困難になるからである。しかも、固体電解
質型燃料電池の支持部材を製造する場合には、支持部材
の長さ方向の気孔率を均一化するため、焼成炉内の各領
域において精密な温度制御が必要であるが、前記したよ
うに、本発明によれば、こうした精密な温度制御を、従
来よりも容易に行うことができる。
【0023】しかも、この支持部材が、自己支持型の空
気極である場合には、空気極の材料は、通常、希土類原
子とイットリウムとからなる群より選ばれた1種以上の
金属原子を含有しており、かつマンガンを含有している
複合酸化物である。こうした材料を焼成する場合には、
成形体の金属との反応性が非常に高く、発熱体と接触し
たときに損傷を与えやすいことがわかった。従って、こ
の場合には、特に構造部材による発熱体の保護の作用効
果が著しい。
【0024】焼成炉内にセラミックス成形体を保持して
つり下げる方法は特に限定されないが、例えば、以下の
方法を例示できる。
【0025】(1)長尺の成形体7の上部7aに貫通孔
を形成し、この貫通孔にピン等の細長い保持部材を挿通
し、この保持部材によって成形体7を吊り下げる。この
保持部材の両端を、それぞれ支持し、固定する。 (2)上記した保持部材に相当する形状の一対の棒状突
出部を成形体に設け、これら一対の棒状突出部を支持
し、固定する。 (3)長尺の成形体7の上部に、成形体7よりも直径が
大きいフランジ部分を設ける。このフランジ部分を支持
し、固定する。
【0026】長尺のセラミックス成形体は、多孔質焼結
体及び緻密質焼結体の双方を含む。長尺のセラミックス
成形体の幅方向断面形状は、円形、円環状、正方形、正
六角形、他の多角形等、任意の形状とできる。このセラ
ミックス成形体の材質も任意であるが、アルミナ、ジル
コニア、窒化珪素、ムライト等、Mg、Al、Zr及び
Siからなる群より選ばれた1種以上の元素を含む酸化
物、窒化物又は炭化物等を例示できる。
【0027】また、本発明の方法は、多数のセラミック
ス成形体を吊り下げた状態で移動させる連続処理方法に
対しても、適用することができる。この場合には、従来
のように、遮蔽構造体によってセラミックス成形体を囲
んでいる場合には、連続処理炉においては、遮蔽構造体
をセラミックス成形体と同時に移動させる必要があるの
で、非現実的であった。しかし、本発明によれば、遮蔽
構造体を使用しないので、セラミックス成形体を保持し
た状態で移動させれば、連続処理が可能になる。
【0028】発熱体の形状としては、焼成炉の内壁に沿
って鉛直方向に延びていることが、焼成炉の内部の温度
を制御するうえで好ましい。また、発熱体の材質として
は、ジルコニア、二珪化モリブデン等が好ましい。
【0029】更に具体的には、スウェーデン国のカンタ
ルガデノウス社が製造している「カンタルスーパー18
00、1900」、(株)リケン製の「パイロマックス
スーパー」が特に好ましい。
【0030】以下、図面を参照しつつ、本発明について
更に詳細に説明する。図1は、焼成炉の構造例を模式的
に示す断面図である。図2は、各発熱体10の設置状態
を模式的に示す正面図である。図3は、この発熱体10
を保護する構造部材11及び固定用枠9の周辺を模式的
に示す側面図である。
【0031】図1に模式的に示す焼成炉は、蓋2、保持
部3及び炉体4から構成されている。本実施例では、蓋
2は、固定用の鉄筋1Aによって固定され、保持されて
いる。蓋2には、図示しない駆動装置が連結されてお
り、この駆動装置を動作させることによって、蓋2を持
ち上げることができる。むろん、蓋2は、炉体4に対し
て、移動可能なように構成されている。
【0032】炉体4は、固定用の鉄筋1Bによって固定
されている。炉体4の上側に保持部3が設けられてお
り、保持部3に、支持用の平板6が水平に保持されてい
る。この平板6に支持用のピン8の両端がそれぞれ支持
されており、この各ピン8が、それぞれ各セラミックス
成形体の上端部にある貫通孔7bに対して挿通されてい
る。隣り合う平板6の間にある細長い隙間24に、各成
形体7の上端部7aがそれぞれ挿通されており、各成形
体7の上端部7aが、それぞれピン8によって固定され
ており、各成形体7が吊り下げられている。
【0033】焼成炉の焼成用空間5には、アルミナ等の
耐火物は積み上げられておらず、遮蔽構造体は特に設置
されていない。また、焼成炉の炉体4の内壁4aには、
発熱体10が取り付けられている。従って、各成形体7
と各発熱体10との間には、熱輻射を阻止する障害物は
ほとんど存在しておらず、発熱体10の熱輻射が直接セ
ラミックス成形体7に輻射される。
【0034】本実施例では、各発熱体10が、炉体の内
壁4aに、水平方向に一定間隔で所定数配置されてお
り、各発熱体10が、焼成炉の内壁4aに沿って鉛直方
向に延びている。各発熱体10は、略U字形状をなして
おり、内壁4a側には、鉛直部分10a、10bと、こ
れらを連結する湾曲部分10cとが露出している。ま
た、特に図3に示すように、各鉛直部分10a、10b
の上端部には、リード部分10dが接続されており、各
リード部分10dは、炉体4内に埋設されている。
【0035】図2、図3に示すように、固定用枠9が、
内壁4aに取り付けられている。隣り合った各発熱体1
0の間に、各固定用枠9が、それぞれ配置されている。
固定用枠9の全体の外形は、図3に示すように長方形で
あるが、仮にこの位置に長方形の板を設置すると、この
板による熱輻射の阻止量が大きくなる。この点、こうし
た長方形の板に空隙9aを設けており、枠状の形状とな
っているので、この空隙9aから熱輻射があるため、熱
効率が良好になる。
【0036】この各固定用枠9の前面9bに、真っ直ぐ
な構造部材11を取り付け、隣り合う一対の固定用枠9
の間に、それぞれ各構造部材を架け渡す。即ち、固定用
枠9のうち、発熱体10の前面に突出した部分9bに、
真っ直ぐな構造部材11を取り付けることにより、発熱
体10の前面に構造部材11を位置させている。
【0037】各発熱体10について、構造部材11をそ
れぞれ複数本、例えば図3では3本固定し、発熱体10
の前面で各構造部材11が略水平に延びている。本実施
例においては、各固定用枠9と構造部材11とを互いに
接合することができるが、各固定用枠9と構造部材11
とを、互いに着脱可能にすることもできる。
【0038】また、図4、図5、図6に模式的に示すよ
うな構造部材を使用することができる。図4に示す例に
おいては、各発熱体10について、構造部材12をそれ
ぞれ複数本、例えば図4では3本固定し、発熱体10の
前面で各構造部材12が略水平に延びている。各構造部
材12は、一対の真直部分12bと、これら一対の真直
部分12bの間に挟まれた真直部分12aとから形成さ
れている。
【0039】一対の各真直部分12bは、それぞれ、炉
体4の内壁4aから、ほぼ垂直に延びている。各真直部
分12aと12bとは、互いに約90°折れ曲がった形
状をなしており、この結果、真直部分12aは、各発熱
体10の炉内前面において、ほぼ炉の内壁4aと平行な
方向に延びる。こうした実施例であれば、保護用の構造
部材の固定用枠も存在していないので、熱輻射の阻害が
きわめて小さく、事実上無視できる程度である。
【0040】図5に示す例においては、各発熱体10に
ついて、構造部材13をそれぞれ複数本、例えば図5で
は3本固定し、発熱体10の前面で各構造部材13が略
水平に延びている。各構造部材13は、それぞれアーチ
形状に湾曲しており、各構造部材13の両端部分が、そ
れぞれ炉壁4aに対して固定されている。こうした実施
例であれば、保護用の構造部材の固定用枠も存在してい
ないので、熱輻射の阻害がきわめて小さく、事実上無視
できる程度である。
【0041】図6に示す実施例においては、一対の丸棒
形状の固定用枠14が、内壁4aに取り付けられてい
る。各固定用枠14は、内壁4aから、ほぼ垂直に延び
ている。各固定用枠14の先端付近に、貫通孔14aが
設けられており、一対の固定用枠14の貫通孔14a
に、それぞれ真っ直ぐな構造部材15の端部が挿通され
ており、これにより、構造部材15が架け渡されてい
る。この結果、発熱体10の前面に、構造部材15が位
置する。
【0042】各固定用枠14と構造部材15とは、互い
に約90°折れ曲がった形状をなしており、この結果、
各構造部材15は、各発熱体10の炉内前面において、
ほぼ炉の内壁4aと平行な方向に延びる。各発熱体10
について、構造部材15をそれぞれ複数本、例えば2本
固定し、発熱体10の前面で各構造部材15が略水平に
延びている。本実施例においては、各固定用枠14か
ら、各構造部材15を引き抜くことにより、構造部材1
5を取り外すことができる。
【0043】こうした実施例であれば、固定用枠14
が、単に炉壁4aから垂直に延びる構造部材であるの
で、固定用枠による熱輻射の阻害もきわめて小さく、事
実上無視できる程度である。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、焼成炉内に長尺のセラ
ミックス成形体をつり下げ、焼成炉の内壁にある発熱体
を発熱させてセラミックス成形体を焼成する方法におい
て、セラミックス成形体の長さが大きくなっても、これ
をつり下げる作業を比較的に容易に行うことができ、セ
ラミックス成形体の焼成時の熱効率を顕著に向上させる
ことができ、セラミックス成形体の焼成温度を精密に制
御することができる。
【0045】しかも、焼成時において、半溶融状態にあ
るセラミックス成形体と発熱体との接触による反応を防
止することができ、これによる焼成炉の稼働停止、発熱
体の交換を防止することができる。しかも、セラミック
ス成形体の焼成工程における歩留りはほとんど低下しな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼成炉の構造例を模式的に示す部分断面図であ
る。
【図2】各発熱体10の設置状態を模式的に示す正面図
である。
【図3】発熱体10を保護する構造部材11及び固定用
枠9の周辺を模式的に示す部分断面側面図である。
【図4】構造部材12を炉壁4aに対して取り付け、発
熱体10の前面に構造部材12を位置させた状態を模式
的に示す正面図である。
【図5】構造部材13を炉壁4aに対して取り付け、発
熱体10の前面に構造部材13を位置させた状態を模式
的に示す正面図である。
【図6】固定用枠14を炉壁4aに対して取り付け、各
固定用枠14に構造部材15を取り付け、発熱体10の
前面に構造部材15を位置させた状態を模式的に示す正
面図である。
【図7】長尺の成形体を吊り下げて焼成するための焼成
炉の構造を概略的に示す一部破断斜視図である。
【図8】図7の焼成炉の構造を説明するための模式的断
面図である。
【符号の説明】
2 焼成炉の蓋 4 焼成炉の炉体 5 焼成用空
間 6保持部材8を支持するための支持部材(平板)
7 セラミックス成形体 8 成形体7を保持するための保持部材(ピン) 9
固定用枠 10発熱体 11、15 真っ直ぐな
構造部材 12 折曲部分を有する構造部材 13
湾曲している構造部材 14 真っ直ぐな固定用枠
20 焼成炉 21 耐火物製の遮蔽材料 2
2 遮蔽構造体 23 遮蔽構造体内部の焼成用空間
25 焼成炉の内部空間

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長尺のセラミックス成形体を焼成する方法
    であって、焼成炉内に前記セラミックス成形体を保持し
    てつり下げ、この際前記焼成炉内に遮蔽構造体なしに前
    記セラミックス成形体を保持し、この焼成炉の内壁に沿
    って延びる発熱体を設置し、各発熱体の少なくとも前面
    側に細長い構造部材を固定し、これにより前記発熱体の
    熱輻射が直接前記セラミックス成形体に輻射されるよう
    に構成したことを特徴とする、セラミックス成形体の焼
    成方法。
  2. 【請求項2】前記構造部材が管状体あるいは棒状体であ
    ることを特徴とする、請求項1記載のセラミックス成形
    体の焼成方法。
  3. 【請求項3】固定用枠が前記内壁に取り付けられてお
    り、この固定用枠に対して前記構造部材が固定されてい
    ることを特徴とする、請求項1又は2記載のセラミック
    ス成形体の焼成方法。
  4. 【請求項4】前記構造部材が直接に前記内壁に対して取
    り付けられていることを特徴とする、請求項1又は2記
    載のセラミックス成形体の焼成方法。
  5. 【請求項5】各発熱体について、前記構造部材がそれぞ
    れ複数本固定されており、前記発熱体の前面で各構造部
    材が略水平に延びていることを特徴とする、請求項1〜
    4のいずれか一つの項に記載のセラミックス成形体の焼
    成方法。
  6. 【請求項6】前記セラミックス成形体を焼成することに
    よって、固体電解質型燃料電池の支持部材を製造するこ
    とを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つの項に記
    載のセラミックス成形体の焼成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102419103A (zh) * 2011-08-18 2012-04-18 西安奥杰电热设备工程有限责任公司 一种三元非均匀式航空用电阻炉加热器
JP2015075279A (ja) * 2013-10-09 2015-04-20 三菱日立パワーシステムズ株式会社 焼成装置

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