JP4424899B2 - 長尺セラミック焼結体の製造方法および接合体の製造方法 - Google Patents

長尺セラミック焼結体の製造方法および接合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は長尺セラミック焼結体の製造方法および接合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
セラミック成形体を焼成用治具から支持ピンを用いて吊り下げることが知られている(例えば特許文献1)。この公報によれば、一つの治具から、円筒状のセラミック成形体を多数吊り下げ、焼成することが記載されている。また、いわゆるゾーンファイアリング焼成法も知られている(例えば特許文献2、特許文献3、特許文献4)。
【特許文献1】
特開平6−265277号公報
【特許文献2】
特開昭61−252481号公報
【特許文献3】
特開昭61−256982号公報
【特許文献4】
特開昭61−256983号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、エキシマレーザー装置の銅電極を固定するための高純度アルミナ製チューブの製造を試みてきた。こうしたチューブにおいては、長さ1000mm程度の長尺品が必要であると共に、焼結体の曲がり量は例えば0.50mm以下といった低い値に抑えなければならないという厳格な制約があった。しかし、このように曲がり量の小さい高純度アルミナチューブを高い生産性と歩留りとをもって量産することは困難であった。
【0004】
例えばゾーンファイアリング法は量産には向かない。また、円筒状のアルミナ成形体を吊り下げて還元雰囲気中で焼成すると、炉内の温度差により成形体の各部分が均一に収縮せず、収縮率にバラツキがあるために、曲がりが発生しやすかった。
【0005】
更に、本発明者は、円筒状アルミナ仮焼体の下端部開口内に封止部材の仮焼体を挿入し、この状態でアルミナ仮焼体を焼成することによって、封止部材をチューブ端部に焼き嵌めすることを試みた。しかし、この場合には、焼成後のチューブの曲がりが一層生じやすいことが分かった。
【0006】
本発明の課題は、長手方向に延びる細長い孔が設けられている長尺被焼成体を焼結させることによって長尺セラミック焼結体を製造する方法において、焼結体の曲がりを抑制でき、量産に適した方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、長手方向に延びる細長い孔が設けられているセラミック長尺成形体を準備し、細長い支持部材を長尺成形体の孔内に挿入し、支持部材の両端を長尺成形体から露出させ、支持部材の両端を水平に支持し、長尺成形体の内壁面を支持部材に接触させることで駐車成形体を支持した状態で長尺成形体を仮焼することによって、長手方向に延びる細長い孔が設けられている長尺被焼成体を得、
細長い吊り部材を支持ピンによって吊り下げ、この吊り部材を長尺被焼成体の孔内に挿入し、長尺被焼成体を焼結させることで長尺被焼成体を焼成収縮させ、長尺被焼成体の上端部を吊り部材によって吊り下げることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、長尺セラミック焼結体の長手方向に延びる細長い孔が設けられている長尺セラミック焼結体と、長尺セラミック焼結体の端部に固定されている封止部材とを備えている接合体を製造する方法であって、
長手方向に延びる細長い孔が設けられている長尺被焼成体を準備し、細長い吊り部材を長尺被焼成体の孔内に挿入し、長尺被焼成体の下端部において長尺被焼成体の孔内に封止部材の被焼成体を挿入し、次いで長尺被焼成体および封止部材の被焼成体を焼結させることで長尺被焼成体を焼成収縮させ、長尺被焼成体の上端部および吊り部材に支持具を貫通させることによって長尺被焼成体の上端部を吊り下げることを特徴とする。
【0009】
本発明者は、細長い吊り部材を長尺被焼成体の孔内に挿入し、長尺被焼成体の上端部を吊り部材から吊り下げ、この状態で長尺被焼成体を焼結させることを想到した。この焼成方法では、焼結プロセスが進行するのにつれて、長尺被焼成体の全体が比較的に均等に収縮しやすい。また、収縮過程において、長尺被焼成体の曲がりが、孔内の吊り部材によって規制される。これらの相乗効果により、長尺セラミック焼結体の曲がり量が少なくなり、かつそのバラツキも少なくすることができた。更に、この方法は、長尺成形体を吊り下げて焼成する方法であり、特別な焼成炉を必要とせず、量産に適している。
【0010】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明を更に詳細に説明する。
図1は、長尺被焼成体1をセッター18上にセットした状態を概略的に示す断面図であり、図2は、長尺被焼成体の焼成によって得られた長尺セラミック焼結体11を概略的に示す断面図である。
【0011】
図1に示すように、支持ピン5によって細長い吊り部材3を吊り下げる。吊り部材3は、本例では丸棒形状を有している。吊り部材3の上端部には細長い貫通孔3aが形成されており、貫通孔3a内に支持ピン6が挿通されている。本例の長尺被焼成体1は略円筒形状をしている。被焼成体1の本体1aの上端部1eの外周には例えばリング状突起1bが設けられている。被焼成体1の下端部1dは焼成用セッター18上に設置されている。被焼成体1は、ヒーター9内の炉内空間10に設置されている。
【0012】
焼成前には、図1に示すように、被焼成体1はセッター18上に設置され、支持されている。そして、被焼成体1の孔4内に吊り部材3が挿入されている。支持ピン6は吊り部材3の貫通孔3aに挿入され、かつ被焼成体1の上端部1e内に挿通されている。しかし、焼成前には、支持ピン6は長尺被焼成体1を支持していない。
【0013】
本例では、長尺被焼成体1の下端部1d内に、封止部材の被焼成体2 を挿入し、支持ピン7および治具8によって被焼成体2を長尺被焼成体1に固定している。
【0014】
次いでヒーター9を発熱させ、長尺被焼成体1および被焼成体2の焼結プロセスを進行させる。この結果、図2に示すように、長尺被焼成体1が長手方向および径方向に収縮し、長尺セラミック焼結体11を生成させる。この収縮は、図1に矢印AおよびBに示すように進行する。即ち、長尺被焼成体1の収縮が進行すると、その長さが小さくなる。この結果、上端部1eが下方へと移動し、これに伴って支持ピン6も下方へと移動する。そして支持ピン6が貫通孔3aの底面(支持面3b)に接触した後に長尺被焼成体1が更に収縮すると、図2に示すように支持ピン6が支持面3bによって支持され、それ以上は下降しない。この支持ピン6によって長尺被焼成体1が持ち上げられ、端部1dがセッター18から離れて上昇する。最終的には、図2に示すように、長尺セラミック焼結体11が支持ピン3bによって支持され、セッター18から浮上した状態で、焼成工程が終了する。
【0015】
この焼結体11の端部11eには支持ピン6が挿通されている。円筒状の本体11aの内側面11c内には吊り部材3が挿通されている。また、焼結体11の下端部11dには封止部材12が挿入されている。ここで、本例においては、筒状の長尺被焼成体が径方向にも収縮することから、焼結体11の内部に封止部材12が強く圧着され、焼き嵌めされる。この焼結体11を支持ピンから取り外すと、図3(a)、(b)に示す接合体13が得られる。この接合体13は、長尺セラミック焼結体11と、この端部11d内に固定された封止部材12とからなる。
【0016】
焼成収縮の初期においては、長尺被焼成体1が台座18にによって支持されているので、長尺被焼成体1は全体としてその下端部1d側へと向かって矢印Aのように収縮する。しかし、支持ピン6が下降して吊り部材3の支持面3bに到達すると、今度は長尺被焼成体1の全体が上端部1eから吊り下げられ、セッター18から浮上する。この結果、長尺被焼成体1の全体が、上端部1eへと向かって矢印Bのように上方へと収縮する。このように、被焼成体1が矢印Aのような下方への収縮と矢印Bのような上方への収縮との両方を経過するので、被焼成体1の収縮の度合いの不均一が少なくなり、この結果、曲がりが抑制されることを発見した。
【0017】
本発明者は、図4に示すように、長尺被焼成体1をセッター18上に載置し、被焼成体1内に吊り部材3Aを挿入して焼成を行うことを検討した。しかし、この場合には、焼成後の長尺セラミック焼結体の曲がり量が大きくなり、あるいはそのバラツキが大きくなる傾向があった。この焼成方法では、被焼成体1がセッター18上に載置されており、長尺被焼成体1が矢印Aのように下方へと向かって収縮する。この際、被焼成体1の各部分での焼成収縮の進行にバラツキが生ずると、その焼成収縮量の偏差が拡大され、焼結体の曲がりとなって現れるものと考えられる。
【0018】
本発明において、長尺被焼成体の長手方向に延びる細長い孔の個数は限定されない。好ましくは図1、図2に示すように孔4は一個である。しかし、図3(c)に示すように、長尺被焼成体内に複数の孔4A、4Bを設けることができる。なお、図3(c)に示す接合体13Aは、複数の孔4A、4Bを有する焼結体11Aと、各孔に固定された封止部材12A、12Bとからなる。
【0019】
細長い孔の長さと直径との比率は特に限定されない。また、長尺セラミック焼結体の長さと外径との比率も特に限定されない。また、長尺被焼成体の形態も特に限定されない。例えば図1に示すようなリング状突起1bは必ずしも必要ではなく、従って長尺被焼成体1が直管であってもよい。
【0020】
長尺セラミック焼結体や封止部材を構成するセラミックスは特に限定されない。例えばアルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ、マグネシア、フェライト、コージェライト、イットリア等の希土類元素の酸化物等の酸化物系セラミックス;チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛、希土類元素のマンガナイト、希土類元素のクロマイト等の複合酸化物;窒化アルミニウム、窒化珪素,サイアロン等の窒化物系セラミックス;炭化珪素、炭化ホウ素、炭化タングステン等の炭化物系セラミックスを例示できる。
【0021】
これらの中で高純度アルミナが特に好ましい。高純度アルミナの種類は限定されない。しかし、透光性アルミナが特に好ましい。透光性アルミナとは、可視光(600(nm))領域で全光線透過率が80%以上のアルミナである。透光性アルミナは、特に好ましくは、純度99.99%の高純度アルミナに、焼結中の粒径のコントロールのための添加剤を加えて原料とし、この原料を用いて機械的プレスやコールドアイソスタティックプレス、押出技術等によって成形体を作製し、この成形体を脱脂し、脱脂体を水素雰囲気中で、1700〜1900℃で焼成したものである。焼成体は均一な六方晶の粒子からなる。
【0022】
本発明では、吊り部材を長尺被焼成体の孔内に挿入し、長尺被焼成体の上端部を吊り部材から吊り下げ、次いで長尺被焼成体を焼結させる。吊り部材は、焼成温度において実質的に収縮しない材質からなることが好ましい。金属としては、耐熱性金属または合金が好ましく、また還元雰囲気によって腐食されにくい金属が好ましい。例えばモリブデン、タングステン、タンタル等の耐熱性金属や、耐熱性金属の合金が好ましい。
【0023】
吊り部材の形態も特に限定されない。しかし、長尺被焼成体の孔と適合する形態であることが好ましく、丸棒状、管状が好ましい。また、長尺被焼成体の内周面と吊り部材の外周面との間には、吊り部材の挿通を可能とする程度のクリアランスが必要である。この観点からは、長尺被焼成体の内周面と吊り部材の外周面との間のクリアランスを0.3mm以上とすることが好ましい。クリアランスが大きくなると、吊り部材によって長尺被焼成体の曲がりを規制することが難しくなるので、クリアランスは1.0mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることが更に好ましい。
【0024】
長尺被焼成体、封止部材の被焼成体は、焼成工程において密度が上昇するようなものであれば特に限定されないが、セラミック粉末の成形体(好ましくはホットプレス成形体やHIP成形体)、仮焼体、脱脂体であることが好ましい。焼結体の曲がりを低減するという観点からは、長尺被焼成体が仮焼体であることが特に好ましい。
【0025】
長尺被焼成体の上端部を吊り部材から吊り下げる方法は特に限定されない。好ましくは、長尺被焼成体の上端部および吊り部材に支持具を貫通させ、この支持具を支持することによって、支持具から長尺被焼成体を垂下する。図1、図2は、この実施形態に係るものである。この支持方法によれば、他の支持方法と比べて、長尺被焼成体の外形に対する悪影響を生じないので特に好ましい。
【0026】
こうした支持具の種類や外形は特に限定されない。好ましくは前述のように支持具がピン形状であるが、棒状、管状であってもよい。また、支持具の好適な材質は、前述した吊り部材の材質と同様である。
【0027】
好適な実施形態においては、図1、図2に示すように、支持具6が吊り部材3に対して上下にスライド可能である。これによって、焼結の初期段階では支持具6が吊り部材3に対して下方にスライドし、次いで支持具6が支持面3bに接触した後で長尺被焼成体1のセッター18からの浮上が始まる。
【0028】
好適な実施形態においては、封止部材の被焼成体の密度が長尺被焼成体の密度よりも高い。
【0029】
即ち、両者の密度が焼成前に同程度であると、焼成後の気密性を十分に高くすることができない。封止部材の被焼成体の密度を長尺被焼成体の密度よりも高くしておくと、焼成段階で、長尺被焼成体が封止部材被焼成体よりも大きく収縮する。この結果、長尺セラミック焼結体から封止部材へと圧力が加わり、両者の間の気密性が向上する。
【0030】
この観点からは、封止部材の被焼成体のグリーン密度と長尺被焼成体のグリーン密度の差が0.05g/cm以上であることが好ましく、0.50g/cm以上が更に好ましい。
また、この観点からは、封止部材の被焼成体の相対密度と長尺被焼成体の相対密度との差が3%以上であることが好ましく、30%以上が更に好ましい。また焼きバメ率が0.5%以上であることが好ましく、5%以上が更に好ましい。
焼きバメ率=
{(長尺焼結体の本体1a、11aの外径寸法―長尺焼結体の端部1d、11dの外径寸法)/長尺焼結体の本体1a、11aの外径寸法}×100%
【0031】
好適な実施形態においては、長手方向に延びる細長い孔が設けられているセラミック長尺成形体を仮焼することによって長尺被焼成体を製造する。この際、特に好ましくは、細長い支持部材を長尺成形体の孔内に挿入し、支持部材の両端を長尺成形体から露出させ、支持部材の両端を水平に支持し、長尺成形体を仮焼する。
【0032】
この実施形態について更に説明する。セラミック成形体を水平に保持して(横置き)仮焼した場合も、セラミック成形体を垂直に保持して(縦置き)仮焼した場合も、仮焼体にはかなりの曲がりが見られた。そこで、支持部材を成形体の孔内に挿入し、支持部材の両端を水平に保持して仮焼を行ったところ、仮焼体の曲がりが抑制され、曲がりのバラツキが小さくなった。
【0033】
図5は、この実施形態に係るものであり、セラミック成形体21の仮焼時の固定状態を示す。本例では、セッター18上に支持突起19が一対突出しており、一対の支持突起の各先端は水平に調整されている。セラミック成形体21は、前述した長尺仮焼体1を製造する前の段階の成形体である。成形体21の両端21d、21eは開口しており、端部21e側の外周面にはリング状突起21bが形成されている。円筒状の本体21aの内側には細長い丸棒状の支持部材20が挿通されており、支持部材20の両端が端部21d、21eから露出している。そして、支持部材20の両端が支持突起19によって水平に支持されている。この状態で成形体21を仮焼する。
【0034】
この支持部材は、仮焼温度において実質的に曲がらず、収縮しない材質からなることが好ましく、高純度アルミナセラミックスが好ましい。
金属としては、耐熱性金属または合金が好ましく、また還元雰囲気によって腐食されにくい金属が好ましい。例えばモリブデン、タングステン、タンタル等の耐熱性金属や、耐熱性金属の合金が好ましい。
【0035】
支持部材の形態も特に限定されない。しかし、長尺被焼成体の孔と適合する形態であることが好ましく、丸棒状、管状が好ましい。また、長尺成形体の内周面21cと支持部材20の外周面との間には、支持部材20の挿通を可能とする程度のクリアランスが必要である。この観点からは、長尺成形体の内周面21cと支持部材20の外周面との間のクリアランスを0.3mmとすることが好ましい。一方、クリアランスが大きくなると、支持部材によって長尺成形体の曲がりを規制することが難しくなるので、クリアランスは1.0mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることが更に好ましい。
【0036】
【実施例】
純度99.9%の高純度アルミナ粉末をスプレードライヤーによって造粒した。この造粒粉末をコールドアイソスタティックプレス法によって成形し、図5に示す成形体21と、封止部材の成形体(柱状)とを得た。この成形体21を旋盤で加工した。成形体の外径は15.30mmであり、内径は12.60mmであり、肉厚は1.35mm(焼成後1.0mm)である。この成形体21を、図5に示すようにセットした。支持部材20としては、直径12.0mmの純度99.5%のアルミナ焼結体を使用した。仮焼温度1000℃で3時間保持し仮焼し、仮焼体を得た。この結果、8本の仮焼体の曲がり量の平均値は0.14mmであった。
【0037】
なお、曲がり量は以下のようにして測定する。
定盤の上に仮焼体を設置する。定盤の平坦面を基準面とし、シックネスゲージを用いて、チューブ状の仮焼体全体の最大曲がり値を測定する。
【0038】
これに対して、成形体21を一対の支持突起19上に水平に載置した。支持部材20は使用していない。そして上記と同様にして仮焼を実施した。この結果、8本の仮焼体の曲がり量の平均値は1.19mmであった。
【0039】
上記のようにして曲がり量0.2mm以下の仮焼体1を準備した。そして、仮焼体1を、図1、図2を参照しつつ説明した方法に従って焼成した。ただし、吊り部材3としてはモリブデン製の丸棒を使用した。支持ピン5、6、7はモリブデン製である。仮焼体1の相対密度は2.00g/cmとし、封止部材の仮焼体2の相対密度は2.30g/cmとした。仮焼体1の外径は15.30mmであり、内径は12.60mmであり、肉厚は1.35mmであり、長さは930mmである。仮焼体1、2を水素雰囲気下で温度1860℃で3時間 保持し、焼成した。この結果、8本の焼結体11の曲がり量の平均値は0.34mmであった。
【0040】
また、上記の仮焼体1を、図4を参照しつつ説明した方法に従って焼成した。ただし、吊り部材3Aとしてはモリブデン製の丸棒を使用した。支持ピン5、7はモリブデン製である。仮焼体1の相対密度は2.00g/cmとし、封止部材の仮焼体2の相対密度は2.30g/cmとした。仮焼体1の外径は15.30mmであり、内径は12.60mmであり、肉厚は12.60mmであり、長さは930mmである。仮焼体1、2を水素雰囲気下で温度1860℃で3時間保持し、焼成した。この結果、8本の焼結体11の曲がり量の平均値は0.55mmであった。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、長手方向に延びる細長い孔が設けられている長尺被焼成体を焼結させることによって長尺セラミック焼結体を製造する方法において、焼結体の曲がりを抑制でき、量産に適した方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法において、長尺被焼成体1をセッター18上にセットした状態を概略的に示す断面図である。
【図2】長尺被焼成体1を焼成して得られた長尺セラミック焼結体11、封止部材12およびこれらをつり上げる吊り部材3を概略的に示す断面図である。
【図3】(a)は、長尺セラミック焼結体11と封止部材12との接合体13を示す断面図であり、(b)は、(a)の接合体13を下端部11dから見た図であり、(c)は、他の接合体13Aを端部側から見た図である。
【図4】比較例において、長尺被焼成体1をセッター18上にセットした状態を概略的に示す断面図である。
【図5】セラミック成形体21を仮焼する前の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 長尺被焼成体 1a、11a 円筒状本体 1b、11b リング状突起 1c、11c 内壁面 1d、11d下端部 1e、11e 上端部 2 封止部材の被焼成体
3 吊り部材 3a 吊り部材の貫通孔 3b 支持面
4、4A、4B 長尺被焼成体の孔 5、6、7 支持具 9 ヒーター 10 炉内空間 11、11A 長尺セラミック焼結体
12、12A、12B 封止部材 13、13A 接合体
18、焼成用セッター 19、支持突起 20、支持部材
21、セラミック成形体 21a、円筒状の本体 21b、リング状突起部
21c、成形体内周面 21d、21eは成形体21の開口
A、B 被焼成体の収縮の方向

Claims (7)

  1. 長手方向に延びる細長い孔が設けられているセラミック長尺成形体を準備し、細長い支持部材を前記長尺成形体の前記孔内に挿入し、前記支持部材の両端を前記長尺成形体から露出させ、前記支持部材の前記両端を水平に支持し、前記長尺成形体の内壁面を前記支持部材に接触させつつ前記長尺成形体を支持した状態で前記長尺成形体を仮焼することによって、長手方向に延びる細長い孔が設けられている長尺被焼成体を得、
    細長い吊り部材を支持ピンによって吊り下げ、この吊り部材を前記長尺被焼成体の前記孔内に挿入し、前記長尺被焼成体を焼結させることで前記長尺被焼成体を焼成収縮させ、前記長尺被焼成体の上端部を前記吊り部材によって吊り下げることを特徴とする、長尺セラミック焼結体の製造方法。
  2. 前記長尺被焼成体の前記上端部および前記吊り部材に支持具を貫通させることによって前記長尺被焼成体を前記支持具から吊り下げることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記支持具が前記吊り部材に対して上下に移動可能であることを特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. 長尺セラミック焼結体の長手方向に延びる細長い孔が設けられている長尺セラミック焼結体と、前記長尺セラミック焼結体の端部に固定されている封止部材とを備えている接合体を製造する方法であって、
    長手方向に延びる細長い孔が設けられている長尺被焼成体を準備し、細長い吊り部材を前記長尺被焼成体の前記孔内に挿入し、前記長尺被焼成体の下端部において前記長尺被焼成体の前記孔内に封止部材の被焼成体を挿入し、前記長尺被焼成体および前記封止部材の被焼成体を焼結させることで前記長尺被焼成体を焼成収縮させ、前記長尺被焼成体の上端部および前記吊り部材に支持具を貫通させることによって前記長尺被焼成体の前記上端部を吊り下げることを特徴とする、接合体の製造方法。
  5. 前記支持具が前記吊り部材に対して上下に移動可能であることを特徴とする、請求項4記載の方法。
  6. 長手方向に延びる細長い孔が設けられているセラミック長尺成形体を準備し、細長い支持部材を前記長尺成形体の前記孔内に挿入し、前記支持部材の両端を前記長尺成形体から露出させ、前記支持部材の前記両端を水平に支持し、前記長尺成形体を仮焼することによって前記長尺被焼成体を得ることを特徴とする、請求項4または5記載の方法。
  7. 前記封止部材の被焼成体の相対密度が前記長尺被焼成体の相対密度よりも高いことを特徴とする、請求項4〜のいずれか一つの請求項に記載の方法。
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