JP5895719B2 - 透光性セラミックス接合体および製造方法 - Google Patents
透光性セラミックス接合体および製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5895719B2 JP5895719B2 JP2012127828A JP2012127828A JP5895719B2 JP 5895719 B2 JP5895719 B2 JP 5895719B2 JP 2012127828 A JP2012127828 A JP 2012127828A JP 2012127828 A JP2012127828 A JP 2012127828A JP 5895719 B2 JP5895719 B2 JP 5895719B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- translucent
- ceramic
- sintered body
- translucent ceramic
- frame
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
Description
ここでαは熱膨張係数(1/℃)、ΔTは、室温と嵌め込み温度との温度差(℃)である。(1)式を満たす条件であれば、外枠により透明セラミックスが挟み込まれ、透明セラミックスに圧縮応力が発生した接合体を得ることができる。例えば、室温:30℃、ジルコニア焼結体(熱膨張率10.6×10−6/℃)において嵌め込み寸法L=30mmとした場合、300℃における膨張量は86μm程度である。嵌め込みシロ(a−L)を調節することで、透明セラミックスに付与する圧縮応力を調整することができる。
アルキメデス法を用いて試料の密度を測定した。得られた密度を真密度に対する相対密度として求めた。黒色ジルコニア焼結体の真密度は6.06g/cm3とし、イットリア及びチタニア含有透光性ジルコニア焼結体の真密度は5.83g/cm3とした。
透光性セラミックス接合体の衝撃強度評価は鋼球落下試験を用いて行った。鋼球落下試験は、「ウオッチ用ガラスの寸法、試験方法」規格のISO14368−3に類似した方法を適用した。すなわち25mmのSUS製鋼球を透光性セラミックスの中心位置に自由落下させ破壊した高さを測定した。試料は3点曲げ強度試験用の支点に支持し、支点間のスパンは3cmとした。なお、測定試料は表面粗さRa=0.02μm以下に両面鏡面研磨したものを用いた。
(直線透過率)
透明セラミックス部分の表面粗さRaを0.02μm以下に両面鏡面研磨した透光性セラミックス接合体を測定試料として用いた。直線透過率はヘーズメーター(日本電色製、商品名「NDH5000」)を用いて測定した。使用光源はD65光線とした。
(圧縮応力測定)
等方的な透光性セラミックスの圧縮応力は、セナルモン法による歪検査器(ルケオ製、商品名「LSM−3002」)を用いて測定した。計算に用いる光弾性定数は、透光性ジルコニア:−1.2nm/cm/105Pa、青板ガラス:2.6nm/cm/105Paを用いた。接合体の長手方向の、圧縮応力(σ1)および短手方向の圧縮応力(σ2)について評価した。
(Lの測定)
光学異方性が存在するサファイヤについては、母材の変形量を測定することにより圧縮応力を評価した。応力の計算は平面応力モデル(セラミックスの破壊学、内田老鶴圃、15ページ)を仮定し、母材の変形量は、測定顕微鏡(ニコン製、商品名「MM−800」)による顕微鏡観察によって行った。計算に用いたサファイヤの弾性定数は、400GPaとした。
(ビッカース測定)
透光性ジルコニア焼結体について強化前後の破壊靭性値をビッカース押し込み試験を用いて評価した。押し込み加重10kgfとし、JIS R1607に準拠して評価した。ここでジルコニアの弾性率は、205GPaとした。
(ジルコニア焼結体の作製)
黒色ジルコニア粉末(東ソー製,商品名「TZ−Black」)を金型プレスによって圧力50MPaで成形した。成形後の黒色ジルコニア粉末を圧力200MPaの冷間静水圧プレス(CIP)で成形し、縦70mm、横70mmの板状成形体を得た。得られた成形体を常圧焼結して相対密度が99%の黒色ジルコニア焼結体を得た。
10mol%イットリア含有ジルコニア粉末(東ソー製,商品名「TZ−10YS」)及び高純度チタニア粉末を、ジルコニアに対して10mol%添加し、エタノール溶媒中で直径10mmのジルコニア製ボールで72時間ボールミル混合した後、乾燥し、原料粉末とした。
枠型ジルコニア焼結体をヒーターにより300℃に熱し、中空部に透光性ジルコニア焼結体を配置し、冷却することで接合体を作製した。得られた接合体の概観を図1(実施例1)に示す。またセナルモン法を用いて得られた圧縮応力の様子を図2(実施例1)に示す。枠型ジルコニア焼結体の収縮により、ジルコニア焼結体と透光性ジルコニア焼結体とが接合し、透明ジルコニア側に圧縮応力を付与していることがわかる。強度評価の結果を表1に示す。強化された透光性ジルコニア焼結体は高い強度を供することがわかった。また、透光性ジルコニア焼結体の直線透過率は70%以上であり、高い透明性を有していることがわかった。
透光性セラミックスとして市販の青板ガラスを用いた以外は実施例1と同様な方法により、セラミックス接合体を得た。結果を表1に示す。強化された青板ガラスは高い強度を供することがわかった。
透光性セラミックスとして市販のサファイヤを用いた以外は実施例1と同様な方法により、セラミックス接合体を得た。結果を表1に示す。強化されたサファイヤは高い強度を供することがわかった。
実施例1の透光性ジルコニア焼結体についてビッカース押し込み法により破壊靭性値を評価した。強化品では2.7MPam0.5であった。
強化処理をしていない透光性ジルコニア焼結体、青板ガラスについて、鋼球落下測定を行った。テストピースの寸法は、縦50mm、横45mm、厚み1.1mmとした。破壊高さは、それぞれ2cm、5cmであった。
強化処理をしていな透光性ジルコニア焼結体について、ビッカース押し込み法による破壊靱性測定を行った。未処理の透明ジルコニア焼結体の破壊靭性値は、1.4MPam0.5であった。
Claims (6)
- 透光性セラミックスと、該セラミックスの外周の少なくとも一部と接触するジルコニア質焼結体からなる枠からなり、枠を接合することで発生した圧縮応力により当該セラミックスが強化されてなる、透光性セラミックス接合体。
- 透光性セラミックスが透明ジルコニア焼結体からなる請求項1に記載の接合体。
- 透光性セラミックスの圧縮応力の平均値が、10MPa以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の接合体。
- 加熱により枠を熱膨張させ、膨張した枠に透光性セラミックスを挟み込むように配置し、冷却による熱収縮によって枠と透光性セラミックスを嵌め込み、透光性セラミックスに圧縮応力を付与してなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の透光性セラミックス接合体の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の接合体を用いた携帯用電子機器。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の接合体を用いた時計部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012127828A JP5895719B2 (ja) | 2012-06-05 | 2012-06-05 | 透光性セラミックス接合体および製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012127828A JP5895719B2 (ja) | 2012-06-05 | 2012-06-05 | 透光性セラミックス接合体および製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013252978A JP2013252978A (ja) | 2013-12-19 |
JP5895719B2 true JP5895719B2 (ja) | 2016-03-30 |
Family
ID=49950846
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012127828A Active JP5895719B2 (ja) | 2012-06-05 | 2012-06-05 | 透光性セラミックス接合体および製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5895719B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6630722B2 (ja) | 2014-08-28 | 2020-01-15 | ビーワイディー カンパニー リミテッド | セラミック基板およびその製造方法、パワーモジュール |
US20220162127A1 (en) * | 2019-03-26 | 2022-05-26 | Tosoh Corporation | Zirconia sintered body and method for producing same |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0712231A (ja) * | 1993-06-21 | 1995-01-17 | Nippon Steel Corp | セラミックス2軸シリンダ |
KR20000052780A (ko) * | 1996-10-24 | 2000-08-25 | 알프레드 엘. 미첼슨 | 내파-저항 음극선관 엔벌로프 |
JP2002348180A (ja) * | 2001-05-28 | 2002-12-04 | Toshiba Ceramics Co Ltd | 石英ガラス部材と炭化ケイ素部材の接合体および接合方法 |
JP4424899B2 (ja) * | 2002-10-09 | 2010-03-03 | 日本碍子株式会社 | 長尺セラミック焼結体の製造方法および接合体の製造方法 |
WO2008123626A1 (ja) * | 2007-04-03 | 2008-10-16 | Ngk Insulators, Ltd. | 複合発光管容器 |
-
2012
- 2012-06-05 JP JP2012127828A patent/JP5895719B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013252978A (ja) | 2013-12-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5125065B2 (ja) | 透明ジルコニア焼結体 | |
JP5685846B2 (ja) | 透明ジルコニア焼結体及びその製造方法、並びにその用途 | |
Casolco et al. | Transparent/translucent polycrystalline nanostructured yttria stabilized zirconia with varying colors | |
JP5018142B2 (ja) | 透光性ジルコニア焼結体及びその製造方法 | |
JP6064567B2 (ja) | 複合プレートおよびその製造方法 | |
WO2012053312A9 (ja) | コーディエライト質焼結体 | |
WO2009142238A1 (ja) | 焼結体およびその製造方法ならびに光学部品 | |
JP5895719B2 (ja) | 透光性セラミックス接合体および製造方法 | |
JP2013014471A (ja) | 透光性セラミックス接合体及びその製造方法 | |
US20080096758A1 (en) | Low-thermal expansion ceramics bonding body and manufacturing method of the same | |
CN115666932A (zh) | 层叠部件 | |
KR102004575B1 (ko) | 복합 플레이트 및 그 제조 방법 | |
EP2366675A1 (en) | Sintered colored alumina of high toughness and high translucency, and manufacturing method and uses therefor | |
JP2010105884A (ja) | 高靭性で透光性のアルミナ焼結体及びその製造方法並びに用途 | |
JP5817262B2 (ja) | 透光性セラミックス接合体及びその製造方法 | |
JP2010120795A (ja) | 高靭性且つ透光性の着色アルミナ焼結体及びその製造方法並びに用途 | |
JP2015089656A (ja) | 複合プレートおよびその製造方法 | |
JP5790366B2 (ja) | 耐プラズマ部材およびその製造方法 | |
RU2735350C2 (ru) | Прозрачный керамический материал в качестве компонента небьющихся оптических стекол | |
US20190127285A1 (en) | Method for reinforcing transparent ceramics, and ceramic | |
Sundararajan et al. | Mechanical properties of transparent polycrystalline alumina ceramics processed using an environmentally benign thermal gel casting process | |
Roy et al. | Water-based gelcasting of lead zirconate titanate and evaluation of mechanical properties of the gelcast samples | |
WO2022168734A1 (ja) | カバー部材 | |
WO2021015057A1 (ja) | 積層部材 | |
TWI653210B (zh) | 多晶系透明陶瓷基板之製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150520 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20151029 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151110 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151208 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160202 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160215 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5895719 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |