JPH0727724U - スラブのばり取り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スラブを定位置に置き、スラブ表面がある程
度湾曲していてもスラブ全面のばりを一度に除去し、ば
り取り作業を自動化できる装置を提供する。 【構成】 定位置に置かれたスラブ１の長手方向に、こ
れと並行に走行自在な機枠３上に、スラブ１のばり２を
除去するための先端に所要の曲げ角度をつけたタガネ４
１を取り付けたデバリングハンマー４を複数個並設した
台車５を機枠３の走行方向と同方向に進退機構６によっ
て進退可能に配置する。前記台車５とこの台車５の進退
機構６を昇降機構７によって機枠３上で昇降可能にす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、鋼片を例えばガス切断した際に生じるばりを除去する装置に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

連続鋳造後のスラブは、通常ガス切断により所定の長さに切断される。このガ ス切断時にばりと呼ばれる溶け残りがスラブ端部に付着する。 このばりを除去しないと、後の工程（例えば、シームレス管の製造時）に大き な欠陥として残り、品質上からも工程上からも大きな阻害原因となる。

【０００３】 スラブのばり取り方法は、以下の４つに大別される。 引掻刃物による方法 ガス溶削による方法 チッピングハンマーによる方法 グラインダー研削による方法

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、実公昭５９−３６３３４号公報、実開昭５５−１１１６７５号公報 で提案されているの方法は、スラブの表面が湾曲しているとスラブに当接する 刃物にかかる力が一様でなく、ばりを残してしまう。

【０００５】 また、の方法は溶削面が凹凸となる。特開平２−４８１６２号公報で提案さ れているの方法は、タガネの幅が狭く、１ストロークで取れるばりの量が少な いので、スラブ全面のばりを取るには時間がかかるという問題を有する。の方 法は粉塵飛散の危険がある。 いずれの方法とも決定的に有効なものでない。

【０００６】 そこで、本考案の目的は、スラブを定位置に置き、スラブ表面がある程度湾曲 していてもスラブ全面のばりを一度に除去し、ばり取り作業を自動化できるスラ ブのばり取り装置を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記した目的を達成するために、本考案のスラブのばり取り装置は、定位置に 置かれたスラブの長手方向に、これと平行に走行自在な機枠上に、スラブのばり を除去するための先端に所要の曲げ角度をつけたタガネを取り付けたデバリング ハンマーを複数個並設した台車を機枠の走行方向と同方向に進退機構によって進 退可能に配置すると共に、前記台車及びこの台車の進退機構を昇降機構によって 機枠上で昇降可能に構成したのである。

【０００８】

【作用】

本考案のスラブのばり取り装置は、定位置に置かれたスラブの長手方向に、こ れと平行に走行自在な機枠上に、スラブのばりを除去するための先端に所要の曲 げ角度をつけたタガネを取り付けたデバリングハンマーを複数個並設した台車を 機枠の走行方向と同方向に進退機構によって進退可能に配置すると共に、前記台 車及びこの台車の進退機構を昇降機構によって機枠上で昇降可能に構成したので 、個々のあるいは対をなすデバリングハンマーがスラブの表面形状に沿い、デバ リングハンマーにかかる力が一様な状態でスラブ全面のばりを一度に除去できる 。また、長手方向のそりに対しては、タガネの先端に角度をつけたことで、タガ ネの喰い込みが防止できる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を添付した図面に基づいて説明する。 図１は本考案のスラブのばり取り装置の構成を示す図、図２は本考案のスラブ のばり取り装置のタガネとシリンダの配置を示した台車の平面図、図３は本考案 装置におけるデバリングハンマーと揺動アームの取付部の構成を示す図、図４は タガネがスラブに当接する状態をスラブ幅方向から見た図、図５は進退機構によ ってスラブ上をタガネが移動する状態を示す図である。

【００１０】 図１において、３は所定位置に置かれたスラブ１の長手方向に、これと平行に 走行自在な機枠であり、この機枠３上に、スラブ１表面のばり２を一度に除去す るための複数のデバリングハンマー４を並列的に取り付けた台車５と、この台車 ５を機枠３と同様スラブ１の長手方向に進退自在に駆動する進退機構６と、台車 ５及び進退機構６を昇降自在に駆動する昇降機構７を設けている。

【００１１】 ５４は中心を台車５上に設けたピン５３によって揺動自在に軸支された揺動ア ームであり、その一方端には先端に１０°〜３０°の曲げ角度をつけたタガネ４ １を取り付けたデバリングハンマー４を備え、他方端は台車５上に設置したシリ ンダ５１のピストンロッド５２の先端に取り付けられており、シリンダ５１の作 動によるピストンロッド５２の進退動作に連動して、タガネ４１がスラブ１に対 して接離自在に移動可能である。

【００１２】 さらに、台車５上には図２に示すように、１つのシリンダ５１に例えば３つの デバリングハンマー４が作動するように取り付けられ、スラブ１全幅に対しては デバリングハンマー４を例えば９個設けている。

【００１３】 また、図３に示すように、それぞれのデバリングハンマー４は、揺動アーム５ ４に設けられたＬＭガイド５５に案内されて移動可能であり、スプリング５６に よって下方に付勢されている。

【００１４】 進退機構６を介して台車５は機枠３上を移動自在に設置され、本実施例では、 台車レール６３上に設置した油圧シリンダ６１のピストンロッド６２の先端を台 車５に取り付けており、油圧シリンダ６１の作動によりピストンロッド６２が進 退して、台車５は台車レール６３上をスラブ１の長手方向に移動する。

【００１５】 また、台車５は機枠３上に設けられた昇降機構７によって昇降自在に駆動され る。本実施例では、昇降用モータ７１を作動すると、傘歯車７２・７３・７４・ ７６・７７及び回転軸７５を介してウォーム７８・７９に昇降用モータ７１の回 転が伝達される。ウォーム７８・７９が回転して、ウォーム７８・７９とそれぞ れ螺合し、台車レール６３を取り付けた昇降スリーブ８０・８１がウォーム７８ ・７９上を昇降動する。

【００１６】 本考案のスラブのばり取り装置は、以上説明したような構成をしており、以下 に説明するように動作する。

【００１７】 図示しない連続鋳造機によって鋳造されたスラブ１を図示しないガス切断機 で所定の長さに切断し、台車にて搬出する。 搬出されたスラブ１はクレーンで吊られ、置き台上に置かれる。 スラブ１を定位置に置いた後に、機枠３が走行し、スラブ１のばり２を台車 ５の下方に配置した状態で停止する。

【００１８】 昇降用モータ７１を作動し、ウォーム７８・７９を回転させてスラブ厚さに 合った位置まで台車レール６３を下降させる。 シリンダ５１を作動し、タガネ４１をスラブ１の表面に押しつける。このと き、それぞれのデバリングハンマー４はＬＭガイド５５に案内され、スプリング ５６によって下方に付勢されているので、図４に示すようにスラブ１が幅方向に 湾曲している場合にも、それぞれのタガネ４１はスラブ１の表面に押しつけられ る。

【００１９】 デバリングハンマー４を作動しながら油圧シリンダ６１を作動させることに より、台車５がスラブ１上を移動する。この時に、スラブ１に押しつけられた複 数のタガネ４１によってスラブ１表面のばり２は除去される。そして、タガネ４ １は所要の曲げ角度をつけてデバリングハンマー４に取り付けられているので、 曲げ根元部でバネ作用が生じ、図５に示すようにスラブ１が長手方向に湾曲して いる場合でも、タガネ４１はスラブ１に喰い込むことはなく、スラブ１上を移動 する。なお、ばり２は回収バッグ９に回収される。

【００２０】 ばり２の除去が終了すると、シリンダ５１を作動し、タガネ４１をスラブ１ 表面から離す。 油圧シリンダ６１を作動し、台車５を所定の位置に戻す。 昇降用モータ７１を作動し、台車レール６３を上昇させて所定の位置に戻し た後に、機枠３を走行させてスラブ１から離れ、所定の位置に復帰する。

【００２１】 本実施例では、シリンダ５１を作動させて、タガネ４１をスラブ１に接離自在 に作動するように構成したが、昇降機構７を作動させて、タガネ４１をスラブ１ に接離自在に作動させてもよい。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のスラブのばり取り装置は、スラブの表面が湾曲 している場合にも、各々のデバリングハンマーに取り付けているタガネがスラブ の表面の形状に沿って当接し、スラブを定位置に置いた後に、スラブ全面のばり を一度に除去でき、また、長手方向に湾曲したスラブでも、タガネの先端に角度 をつけることでバネ作用を生じ、スラブへの喰い込みが防止できるので、ばり取 り作業の自動化を図ることができ、省力化が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のスラブのばり取り装置の構成を示す図
である。

【図２】本考案のスラブのばり取り装置のタガネとシリ
ンダの配置を示した台車の平面図である。

【図３】本考案装置におけるデバリングハンマーと揺動
アームの取付部の構成を示す図である。

【図４】タガネがスラブに当接する状態をスラブ幅方向
から見た図である。

【図５】進退機構によってスラブ上をタガネが移動する
状態を示す図である。

【符号の説明】

１ スラブ ２ ばり ３ 機枠 ４ デバリングハンマー ４１ タガネ ５ 台車 ６ 進退機構 ７ 昇降機構

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 定位置に置かれたスラブの長手方向に、
   これと平行に走行自在な機枠上に、スラブのばりを除去
   するための先端に所要の曲げ角度をつけたタガネを取り
   付けたデバリングハンマーを複数個並設した台車を機枠
   の走行方向と同方向に進退機構によって進退可能に配置
   すると共に、前記台車及びこの台車の進退機構を昇降機
   構によって機枠上で昇降可能に構成したことを特徴とす
   るスラブのばり取り装置。