JPH07277033A - 車両用計器の取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両用計器の取付作業性を改善させることが
できる車両用計器取付構造の開発。 【構成】 車両に設けたインストルメントパネル芯材に
係止溝、軸受けを設けた計器ケース取付枠を設け、車体
に取付けるべき計器ケースには、上記係止溝、軸受けと
係止される係止突起、係止軸を設けた。 【効果】 計器ケースを車体のインストルメント芯材へ
ワンタッチ操作で、きわめて容易かつ確実に取付けるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車の車室前方部に
設けられているインストルメントパネル内に計器組付体
を取付けるための車両用計器取付構造に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の車両用計器取付構造とし
ては、図１に示す如き構造のものがある。以下この従来
例構造について説明する。

【０００３】１は車体に固定されているインストルメン
トパネルであって、このインストルメントパネル１は、
芯材２と、その芯材２上に被着される発泡層３と、この
発泡層３の表面に形成される表皮４とからなっている。
このインストルメントパネル１には、該インストルメン
トパネル１に後述する計器組付体５を取付けるための取
付開口部６が形成されており、この取付開口部６には、
計器組付体取付用のブラケット７が前記の芯材２と一体
に設けられている。

【０００４】計器組付体５は、ロアハウジング８と、ア
ッパハウジング９と、これら両ハウジング８，９内に組
込まれている一乃至複数個の計器（図示せず）と、フロ
ントカバー１０とからなり、この計器組付体５は図２で
示すように、４個所の取付ねじ１１によって前記のブラ
ケット７を介して芯材２に固定されている。

【０００５】かくしてインストルメントパネル１内に取
付けられた計器組付体５の前方には、その計器組付体５
前部と、インストルメントパネル１との間で見える取付
部あるいはインストルメントパネルの裏側を隠すため、
さらには計器の視認性を高めるための無反射構造とする
ための化粧枠１２（リッドクラスタ）が取付ねじ１３に
よって前記芯材２に固定されている。

【０００６】さらにその化粧枠１２の奥端縁とフロント
カバー１０との間での衝撃音（摺接音）等の異音発生を
防止するために、その化粧枠１２とフロントカバー１０
との間周縁にクッション材１５を貼着（介在）せしめて
いるものである。

【０００７】なお１６はコラムカバー、１７はステアリ
ング、１８は計器組付体５の背面に嵌入接続されるハー
ネスコネクタ、１９はハーネスを示す。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】このように従来構造の
計器取付構造にあっては、インストルメントパネル１に
取付ける計器組付体５及びその前方に固定する化粧枠１
２は、計器のメンテナンス等のサービスを可能ならしめ
るため、インストルメントパネル１に対して着脱可能で
あり、しかもその計器組付体５に接続されるハーネス１
９は、コネクタ１８を介して計器組付体５の背面に嵌入
接続されるものである。

【０００９】従ってこの従来例の計器組付体５を、イン
ストルメントパネル１の取付開口部６に取付けるには、
先ず計器組付体５にコネクタ１８を介してハーネスを接
続する接続工程、次いでその計器組付体５を開口部６に
ねじ着する取付け工程が必要であることから、それら工
程により、計器組付体をインストルメントパネルに取付
ける作業性が悪いものであった。さらにこの従来例で
は、計器組付体をインストルメントパネルにねじ着けす
るねじ止めが図２に示すように上下左右の少なくとも４
個所の取付ねじ１１によるるじ止め個所であるために、
そのねじ止め個所が多く、これによっても取付作業性が
低下されるという不具合があった。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、かかる従来の
不具合を解消するためになされたもので、計器組付体を
インストルメントパネル内に位置決めさせる動作で、そ
の計器組付体と、該計器組付体に接続されるコネクタと
の接続を同時に行なわせて、コネクタの単独接続操作
（作業）を省略し、さらには上記計器組付体の位置決め
動作により本締めを、ワンタッチで、または最小限度の
取付ねじにより行なわせて、インストルメントパネル内
への計器ケースの取付作業及びその計器ケースに組込ま
れている電気回路とコネクタとの接続作業の簡素化を可
能となして生産性、経済性を高めることにある。

【００１１】

【実施例】以下に本発明を図面に示す実施例に基いて詳
細に説明する。

【００１２】図３乃至図５において、２１は、インスト
ルメントパネルの芯材と一体である計器ケース取付枠で
あって、この計器ケース取付枠２１は、水平枠部２２
と、この水平枠部２２の左右両側部より起立される左右
一対の支柱部２３を有し、その水平枠部２２の正面に
は、コネクタ軸受け２４が、また各支柱部２３には、上
下に隔設される対の係止溝２５及び軸受け２６が一体形
成されている。

【００１３】また前記コネクタ軸受け２４に角孔（本実
施例では６角形）の軸孔２７と、この軸孔２７への支軸
挿通用スリット２８が形成されている。

【００１４】２９は接続線３０を介して不図示の電気回
路に接続されるコネクタであって、このコネクタ２９の
外側面には、前記の軸孔２７内に嵌合される角軸３１が
突設され、該コネクタ２９は、上記角軸３１及び軸孔２
７との係合によってコネクタ軸受け２４に指示されるも
その軸孔２７、スリット２８、角軸３１で回動係止機構
を構成している。

【００１５】３２は内部に計器３３及び回路基板３４を
組付けてある計器ケースであって、この計器ケース３２
の外側面には前記の係止溝２５及び軸受け２６に係止さ
れる係止突起３５及び係止軸３６が突設されている。

【００１６】また前記計器ケース３２と一体に取付けら
れている回路基板３４の下縁には、前記コネクタ２９に
嵌合される嵌合接続部３７が形成されているものであ
る。

【００１７】以上が本実施例の構成であるが、次にその
作用について述べると、車体に取付けられているインス
トルメントパネルの芯材と一体に計器ケース取付枠２１
が構成されており、先ずその計器ケース取付枠２１に設
けられている軸孔２７内に、コネクタ２９に設けられて
いる角軸３１を、スリット２８より嵌入し、コネクタ２
９をコネクタ軸受け２４に軸支せしめる。

【００１８】このコネクタ２９をコネクタ軸受け２４に
軸支せしめるときのコネクタ２９の姿勢（取付け向け）
規制つまり、そのコネクタ２９に、後述する回路基板を
挿入するときの挿入動作を容易ならしめるために、その
コネクタ２９の開口部が前方へ傾いて位置されるように
（図３破線参照）、コネクタの取付け向きの位置規制を
行なうために、軸孔２７及び角軸３１に形成し、計器ケ
ース３２を取付ける前のコネクタ２９の姿勢は図３の破
線で示す位置とする。

【００１９】次に上記計器ケース取付枠２１に計器ケー
ス３２を取付けるが、この取付けに際し、先ず、その計
器ケース３２に一体に設けられている回路基板３４の嵌
合接続部３７を、上記計器取付枠２１に概に軸支されて
いるコネクタ２９内に嵌入接続する。このときのコネク
タ２９の開口部は上記したように手前斜め方向に傾斜し
ているため、その嵌合接続部３７をコネクタ２９内に挿
入する作業が容易である。

【００２０】次にその計器ケース３２をその斜め手前方
向から該計器ケースに設けられている係止軸３６を軸受
け２６上に載置係合せしめた後、その係合を維持しなが
ら、その係止軸３６を支点として計器ケース３２を起立
させる。この計器ケース３２の起立動作に伴ない嵌合接
続部３７が嵌合されるコネクタ２９も起立されるが、こ
のコネクタ２９の起立時において、角軸３１は、コネク
タ軸受け２４のスリット２８を押し広げて回動し、コネ
クタ２９が垂直状態に位置されたところで節度感を受け
て停止する。

【００２１】このとき計器ケース３２に設けられている
係止突起３５が、係止溝２５と係止し、計器ケース３２
の取付枠２１への取付けが完了する。

【００２２】このように本実施例によれば、計器ケース
３２に設けられている回路基板３４の嵌合接続部３７を
計器ケース取付枠に予め軸支せしめてあるコネクタ２９
に嵌合接続せしめた後、その計器ケース３２に設けられ
ている係止突起３５及び係止軸３６を、取付枠２１に設
けられている係止溝２５及び軸受け２６に係止するとい
う係合操作（ワンタッチ操作）で、その計器ケース３２
をインストルメントパネル内に組付けることができるの
で従来の複数本の取付ねじを使用する取付け手段に比し
てきわめて容易かつ迅速に取付けることができる。また
本実施例ではコネクタの接続動作に関連して計器ケース
３２の取付けが完了されるので、計器ケースの車体への
取付作業性が大幅に向上される。

【００２３】図６、図７は本発明の他の実施例を示すも
のであって、この実施例では計器ケース取付枠２１の下
部左右方向に一対のフック形状の軸受け３８を設けると
共に、その上部左右方向に一対の取付ねじ孔３９を設
け、さらに計器ケース３２には、前記軸受け３８に係止
される支軸４０と、前記取付ねじ孔３９に螺着される取
付ねじ４１を挿通する取付片４２が突設されているもの
である。なお４３は、支軸４０上に被着されるカラーを
示す。

【００２４】従って、この実施例によれば前記実施例と
同様にして回路基板の嵌合接続部をコネクタに嵌合接続
せしめた後、支軸４０を軸受け３８と係止した後、その
計器ケース３２を起立状態となし、そこで取付ねじ４１
を使用して計器ケース３２をケース取付枠２１にねじ着
すれば、その計器ケース３２の取付けが完了する。

【００２５】この実施例では、取付ねじ４１を使用して
いるがその使用本数が２本であることから、従来の４本
の取付ねじ使用の取付手段に比して、その取付工数が大
幅に改善される。

【００２６】図８は計器ケース取付枠２１に設けたコネ
クタ軸受け２４とコネクタ２９とを周方向に段階的に係
止する回動係止機構の他の実施例を示すもので、この実
施例ではコネクタ軸受け２４に設けた湾曲凹部４４の下
縁に支持溝４５を設け、その上縁２個所に位置決め凹部
４６，４７を設けたものである。

【００２７】そしてコネクタ２９の両側面には前記支持
溝４５と位置決め凹部４６，４７との間に跨って位置さ
れる偏平軸４８が突設されているものである。

【００２８】従って本実施例では、偏平軸４８を支持溝
４５と位置決め凹部４７との間に跨って係合させてその
コネクタ２９を斜め前方へ傾斜位置せしめ、その状態で
コネクタ２９内へ計器ケースの嵌合接続部３７を嵌合し
た後、そのコネクタ２９を計器ケース３２と共に起立さ
せれば、その偏平軸４８の回動動作で湾曲凹部４４を押
し広げて偏平軸４８の上端が位置決め凹部４６に移り、
これによって節度感をもってコネクタ２９の起立状態が
確認される。

【００２９】

【発明の効果】以上のように本発明は、インストルメン
トパネルの芯材と一体に形成された左右方向に隔設され
る一対の軸受け２６と、これら軸受け２６に対応して上
部に隔設される係止溝２５とを設け、計器、回路基板等
を内装する計器ケース３２の左右両側面には前記軸受け
２６に受け止められる係止軸３６と、前記係止溝２５に
係止される係止突起３５を設けたものであるから、これ
によれば、車体に取付けられているインストルメント芯
材に形成されている計器ケース取付枠２１へ、計器ケー
ス３２を取付ける作業がワンタッチ操作できわめて容易
かつ迅速に行なえることから、その計器ケース取付作業
の省力化と、それに伴なう経済性が大幅に向上される。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来例の計器ケース取付構造を示した説明図。

【図２】従来例の正面説明図。

【図３】本発明第１実施例の取付構造を示した側面構造
説明図。

【図４】本発明第１実施例の取付構造を示した正面構造
説明図。

【図５】本発明第１実施例の取付構造を示した分解構造
説明図。

【図６】本発明第２実施例の取付構造を示した分解斜視
図。

【図７】本発明第２実施例の取付構造を示した側面説明
図。

【図８】本発明第３実施例の要部構造説明図。

【符号の説明】

２１…計器ケース取付枠 ２２…水平枠部 ２３…支柱部 ２４…コネクタ軸受
け ２５…係止溝 ２６…軸受け ２７…軸孔 ２８…スリット ２９…コネクタ ３０…接続線 ３１…角軸 ３２…計器ケース ３３…計器 ３４…回路基板 ３５…係止突起 ３６…係止軸 ３７…嵌合接続部 ３８…軸受け ３９…取付ねじ孔 ４０…支軸 ４１…取付ねじ ４２…取付片 ４３…カラー ４４…湾曲凹部 ４５…支持溝 ４６…位置決め凹部 ４７…位置決め凹部 ４８…偏平軸

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インストルメントパネルの芯材と一体に
   形成された左右方向に隔設される一対の軸受け（２６）
   と、これら軸受け（２６）に対応して上部に隔設される
   係止溝（２５）とを設け、計器、回路基板等を内装する
   計器ケース（３２）の左右両側面には、前記軸受け（２
   ６）に受け止められる係止軸（３６）と、前記係止溝
   （２５）に係止される係止突起（３５）を設けたことを
   特徴とする車両用計器の取付構造。
2. 【請求項２】 インストルメントパネルの芯材と一体
   に、左右方向に隔設される一対の軸受け（２６）と、こ
   れら軸受け（２６）に対応して上部に隔設される係止溝
   （２５）と、コネクタ（２９）を回動可能に係合保持す
   るコネクタ軸受け（２４）を設け、計器、回路基板等を
   内装する計器ケース（３２）の左右両側面には、前記軸
   受け（２６）に受け止められる係止軸（３６）と、前記
   係止溝（２５）に係止される係止突起（３５）と、該計
   器ケースに内装されている回路基板から突設されて、前
   記コネクタに嵌合接続される嵌合接続部（３７）を有し
   ていることを特徴とする車両用計器の取付構造。
3. 【請求項３】 コネクタ軸受け（２４）と、このコネク
   タ軸受け（２４）に軸支されるコネクタ（２９）との間
   に該コネクタを段階位置で係止する回動係止機構を備え
   ていることを特徴とする請求項２記載の車両用計器の取
   付構造。