JPH07276780A - 画像形成方法及び装置 - Google Patents

画像形成方法及び装置

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JPH07276780A
JPH07276780A JP6592094A JP6592094A JPH07276780A JP H07276780 A JPH07276780 A JP H07276780A JP 6592094 A JP6592094 A JP 6592094A JP 6592094 A JP6592094 A JP 6592094A JP H07276780 A JPH07276780 A JP H07276780A
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JP6592094A
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Takuro Sekiya
卓朗 関谷
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ミスト、蒸気等によって紙上に潜像を形成す
るようにし、もって、インクジェット記録方法等に比
し、ノズルの目づまりがなく、信頼性の高い画像形成方
法を提供する。 【構成】 発熱体基板1を、画像情報源からの画像情報
に応じて加熱し、多孔質体2より微小ミスト或いは蒸気
を被記録体(紙)6に付与し、被記録体6上に潜像Aを
形成する。この潜像Aをインクホッパー3よりインク付
与ローラ4に付着されたインク5により、顕像Bする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構成が簡単でかつ新規
な画像形成方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、紙等の被記録体に画像形成を行う
方法として、カールソン法(いわゆる電子写真方式)が
広く普及し、知られている。この方法は、たとえば、C
dS,Se等の光導電体を表面に形成した感光体ドラ
ム、あるいは、有機感光性材料(OPC)を表面に塗布
した感光体ベルト上に、画像情報に応じた潜像を形成
し、その後、トナーと呼ばれる色材を前記ドラムあるい
はベルト上にふりかけ、顕像化し、その顕像化したトナ
ー像を被記録体である、たとえば、紙等に転写して記録
を行う方法であり、普通紙複写機(PPC)として広く
普及している。しかしながら、この方法では、画像を得
るまでのプロセスに、高価な感光体上で、帯電、露光、
現像、転写、クリーニング、除電を行い、さらに、紙搬
送系で分離、定着、ベルト除電を行う必要があり、大変
複雑である。そのため、装置全体も、高価、大型化、複
雑化しているのが実情である。
【0003】一方、他の画像形成を行う方法として、イ
ンクジェット記録法が知られており、従来から、種々の
方式が提案され、又、すでに製品化され実用されてい
る。このようなインクジェット記録法は、いわゆるイン
クと称される記録液体を直径20〜50μm程度の微細
なノズルから小滴として噴射し、被記録体に付着させて
記録を行うもので、記録液体の小滴の発生方法及び小滴
の飛翔方向を制御するための制御方法により、いくつか
の方法があるが、いずれの方式においても、原理的に
は、インク小滴を噴射して、直接被記録体に付着させる
というもので、非常に簡単であるという特徴を有してい
る。
【0004】しかしながら、インクジェット記録法は、
微細なノズルからインクを噴射するという原理的な理由
により、従来より、ノズルがつまるという欠点を有して
いた。また、インクジェット記録法は、一般に、1〜数
10個のノズルを集積したヘッドユニットをキャリッジ
上に搭載して、被記録体の前をシリアル走査して記録す
るものがほとんどであり、原理は単純ではあるが、記録
速度が遅いという欠点を有している。原理的には、被記
録体幅全域にノズル(数1000個のノズルになる)を
配した、いわゆる、ページプリンタタイプのものも可能
であるが、前述のノズルがつまるという欠点を考慮する
と、数1000個ものノズルを配するというのは現実的
とはいい難い。
【0005】一方、このようなインクジェット記録法の
ノズルがつまるという欠点に鑑みてなされた発明とし
て、特開昭62−117782号公報に開示されている
ようなもの、具体的には、像担持体(紙)に、インクジ
ェット法と同様の方法によって溶媒を吐出・付着させて
溶媒潜像を形成し、その後、溶媒中にインクを移行させ
て溶媒潜像に対応したインクによる可視像を形成すると
いうものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭62−117782号公報に記載の方法によると、
ノズルから吐出・付着させる溶媒中に染料あるいは顔料
等の着色材が含まれていない分、ノズルのつまりに対し
ては有利にはなるものの、原理的に、微細なノズルから
液体を噴射するというインクジェット法と同様の方法を
使用しているために、ノズルのつまりが完全に解消でき
るわけではない。又、インクジェット法と同様の方法を
利用しているため、数1000個ものノズルを配して、
ページプリンタタイプとするには、ノズルの目づまりの
問題等を考えると難しいといわざるを得ない。
【0007】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、第1に、従来に
はない新規な画像形成方法、並びに、その装置を提案す
ることにある。第2に、簡単な構成で画像形成を行うこ
とのできる方法、並びに、装置を提案することにある。
第3に、ハーフトーン(階調記録)が可能な画像形成方
法、並びに、その装置を提案することにある。第4に、
ページプリンタタイプの高速記録が可能な画像形成方
法、並びに、その装置を提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)被記録体に、最終的に顕像化され
る1つの画素に対して複数滴の微小ミストもしくは蒸気
を付与し、しかる後に、前記被記録体にインクを付与し
て顕像化すること、更には、(2)前記微小ミストもし
くは蒸気の付与量を、画像濃度情報に応じて変えるこ
と、更には、(3)前記インクは、粉体色材であり顕像
化の後、熱又は圧力のいずれかもしくは両方によって定
着すること、更には、(4)前記インクは、インク供給
体の表面に形成された薄層インクであり、該薄層インク
は、前記インク供給体にウェット状態で付与され、その
後、溶媒成分が揮発して前記被記録体に付与される時は
ドライ状態となるような速乾性のインクであり、前記微
小ミストもしくは蒸気を構成する成分と、前記溶媒の成
分とは、少なくとも1つの成分が同じであること、或い
は、(5)被記録体搬送手段と、該搬送手段により搬送
される被記録体に対し、微小ミストもしくは蒸気を付与
する液体を含浸させた多孔質部材と、該多孔質部材に画
像情報に応じてエネルギーを付与するエネルギー付与手
段と、前記被記録体表面に顕像化するための粉体色材の
インクを付与するインク付与手段と、顕像化した像を定
着するための加熱又は加圧のいずれか一方もしくは両方
の手段を有すること、或いは、(6)被記録体搬送手段
と、該搬送手段により搬送される被記録体に対し、微小
ミストもしくは蒸気を付与する液体を含浸させた多孔質
部材と、該多孔質部材に画像情報に応じてエネルギーを
付与するエネルギー付与手段と、前記被記録体表面に顕
像化するためのインクを付与するインク付与手段であっ
て、基体の表面に薄層状にインクをコートする手段を備
えたインク付与手段とを有すること、更には、(7)前
記多孔質部材は、ガラスの多孔質部材であることを特徴
としたものである。
【0009】
【作用】ミスト、蒸気等によって被記録体(紙)上に潜
像を形成するようにし、もって、インクジェット記録方
法等に比し、ノズルに対する目づまりがなく、信頼性の
高い画像形成方法を提供する。
【0010】
【実施例】図1は、本発明による画像形成方法の一実施
例を説明するための要部構成図で、図中、1は発熱体基
板、2は多孔質体、3はインクホッパー、4はインク付
与ローラ、5はインク、6は被記録体(紙)で、発熱体
基板1を、図示しない画像情報源からの画像情報に応じ
て加熱し、多孔質体12より、微小ミスト或いは蒸気を
被記録体(紙)6に付与して該被記録体6上に潜像Aを
形成し、この潜像Aをインクホッパー3よりインク付与
ローラ4に付着されたインク5により、顕像Bするもの
である。
【0011】多孔質体2は、図示しない液供給源に接触
しており、毛管現象によって液体を含浸させられてい
る。ここで用いられる多孔質体2としては、たとえば、
多孔性ガラスが使用される。具体的には、ホウケイ酸ソ
ーダガラス(たとえば、Na2O:8.0,B23:2
4.0,SiO2:68.0wt%)を溶融し、2mm×
10mm×210mmの大きさに形成した後、500〜
600℃で加熱し、Na2O−B23組成とSiO2組成
の2相に分離させ、両相がそれぞれ連続した網目とした
分散ガラスとし、約5%の硫酸、塩酸、あるいは硝酸に
浸潰し、酸に溶解しやすいNa2O−B23部分を溶出
させ、SiO2部分のみが残存するような形で製作でき
る。上述のように製作された多孔性ガラスは、数100
〜数1000Åの微細孔を有し、液体を含浸させること
が可能となる。
【0012】他の多孔質体としては、焼結金属が好適に
使用できる。具体的には、ニッケル、ステンレス鋼など
の金属粉を所定の粒度に分け焼結することにより、多孔
質の金属材料を得ることができる。このような金属の多
孔質体は、必ずしも、ニッケル、ステンレス鋼に限定さ
れることはないが、金、白金等は、コストが割高にな
り、又、銅、鉄、青銅、黄銅などは、液体に接した場
合、サビたり、腐蝕したりすることがあるため、現状で
は、ニッケル、ステンレス鋼が望ましい。
【0013】このような金属の多孔質体は金属粉の粒度
を適切に選択することにより、最終的に得られる多孔質
体(焼結金属)の微細孔を、数1000Å〜数10μm
まで自由に変えることができる。本発明に好適に利用で
きる微細孔の大きさは、数1000Å〜数10μmであ
る。他に利用できる多孔質体としては、アルミナ(Al
23),セラミックスなどもある。
【0014】これらの多孔質体は、いずれも好適に使用
しうるが、後述するように、画像情報に応じて付与する
エネルギーとして、熱を利用する場合には、ガラスの多
孔質体が好ましい。これは、ガラスが他の金属、あるい
は、セラミックスに比べて、熱伝導率が1桁小さいた
め、付与される熱エネルギーを保持する保持力が高く、
エネルギー効率が良いからである(他の材料は、熱が逃
げやすいため、エネルギーを多く必要とする)。
【0015】次に、本発明の多孔質体に含浸させる液体
について説明する。基本的には、水およびエチルアルコ
ールを主成分とした水性系の液体であり、これに適度な
粘度(後述のインク付着力を得るのに必要)を得るため
に、ジエチレングリコール、グリセリンなどを加えたも
のである。具体的な例を示すと、水:エチルアルコー
ル:ジエチレングリコール:グリセリン=5:2:2:
1である。これにさらに、微量の防腐剤、防カビ剤を添
加したものである。
【0016】上述のようにして液体を含浸した多孔質体
に、画像情報に応じてエネルギーを付与すると、含浸液
体が無数の微小滴(ミスト)あるいは蒸気となって多孔
質体2より放出され、10〜100μm程度に近接した
被記録体たとえば紙6に付着、転移して、この液体によ
る潜像を紙6の上に形成する。ここで液体を微小滴ある
いは蒸気として放出せしめるための付与エネルギーの与
え方としては、たとえば、サーマルヘッドのような発熱
体基板1による方法がある。
【0017】図2は、本発明に使用される発熱体基板1
の一例を示す図で、図2(a)は斜視図、図2(b)は
1つの発熱体の近傍の断面(図2(a)のB−B線断
面)を示したもので、図中、101〜10n(以下、10
と記す)は発熱体、111〜11n(以下、11と記す)
は第1電極(制御電極)、121〜12n(以下、12と
記す)は第2電極(アース電極)、131〜13n(以
下、13と記す),141〜14n(以下、14と記す)
はボンディングパッドで、発熱体基板1上には、多数の
発熱体及び各発熱体に対応した電極が設けられている。
【0018】各発熱体10は、それぞれ第1電極(制御
電極)11、第2電極(アース電極)12に接続され、
また、それぞれの電極は、その端部にボンディングパッ
ド13,14を有し、外部の画像情報入力手段(図示せ
ず)に接続され、各々の発熱体10は独立に駆動可能で
ある。なお、第2電極12は、複数個の発熱体10(第
1電極11)に対して1つの共通の第2電極とすること
も可能である。このような発熱体列は、例えば、400
dpiの配列密度で3072個設けられ、A4サイズ紙
の短手方向をカバーできるような大きさとされる。
【0019】このような大きなサイズの発熱体基板は、
例えば、サーマルヘッドなどを製作する際に使用され
る、グレーズ層を設けたアルミナ基板に、スパッタリン
グ等の薄膜形成技術、フォトリソエッチング等のパター
ン形成技術を駆使して製作される。また、近年は、Si
ウエハも直径8インチ以上のものもできるようになった
ので、Siウエハによっても形成できる。そこで、ここ
では、Siウエハを用いてこのような発熱基板を製作す
る方法を簡単に説明する。
【0020】最初に、Siウエハは、例えば、拡散炉中
でO2,H2Oのガスを流しながら800〜1000℃の
高温にさらされ、表面に熱酸化膜SiO2を1〜2μm
成長させる。このSiO2は蓄熱層として働き、後述の
発熱体で発生した熱が基板の方へ逃げないようにし、イ
ンクの方向に効率良く伝わるようにするためのものであ
る。
【0021】次に、発熱体および電極等の形成方法につ
いて説明する。図2(b)は、発熱体部近傍の詳細断面
図(図2(a)のB−B線断面図)で、図中、10aは
Si基板、10bはSiO2の蓄熱層、10cは発熱
体、10dは電極、10eは保護層、Iは発熱部、IIは
電極部を構成している。蓄熱層(SiO2)10bの上
には発熱体層10cが形成されるが、この発熱体10c
を構成する材料として有用なものには、タンタルーSi
3の混合物、窒化タンタル、ニクロム、銀−パラジウ
ム合金、シリコン半導体、あるいはハフニウム、ランタ
ン、ジルコニウム、チタン、タンタル、タングステン、
モリブデン、ニオブ、クロム、バナジウム等の金属の硼
化物があげられる。金属の硼化物のうち、最も特性の優
れているのは、硼化ハフニウムであり、次いで、硼化ジ
ルコニウム、硼化ランタン、硼化タンタル、硼化バナジ
ウム、硼化ニオブの順となっている。
【0022】発熱体10cは、前述の材料を用いて電子
ビーム蒸着やスパッタリング等の手法を用いて形成する
ことができる。発熱体10cの膜厚は、単位時間当りの
発熱量が所望通りとなるように、その面積、材質及び熱
作用部分の形状及び大きさ、更には、実際面での消費電
力等に従って決定されるものであるが、通常の場合、
0.001〜5μm、好適には、0.01〜1μmとされ
る。なお、図示の実施例には、HfB2を2000Åス
パッタリングした例を示した。電極10dを構成する材
料としては、通常使用されている電極材料の多くのもの
が有効に使用され、具体的には、たとえば、Al,A
g,Au,Pt,Cu等があげられ、これらを使用して
蒸着等の手法で所定位置に所定の大きさ、形状、厚さで
設けられる。図示の実施例では、Alをスパッタリング
により1.4μm形成した。
【0023】保護層10eに要求される特性は、発熱体
10cで発生された熱を記録液体に効果的に伝達するこ
とを妨げずに、記録液体より発熱体を保護するというこ
とである。保護層10eを構成する材料として有用なも
のには、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化マ
グネシウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ジ
ルコニウム等があげられ、これらは、電子ビーム蒸着や
スパッタリング等の手法を用いて形成することができ
る。また、炭化ケイ素、酸化アルミニウム(アルミナ)
等のセラミック材料も好適に用いられる材料である。保
護層10eの膜厚は、通常は0.01〜10μm、好適
には0.1〜5μm、最適には0.1〜3μmとされるの
が望ましい。図示実施例では、スパッタリングによりS
iO2を1.2μm形成した。
【0024】次に、付与エネルギーの好適な与え方の例
として、レーザを使用する例を説明する。図3(a)
は、画像情報に応じて光を液体含浸多孔質体に照射する
際の信号の流れを示す図で、図中、21は走査制御部、
22はレーザ光源、23は光変調器、24はビーム径変
調、25は光走査部、26はひずみ補正、焦点絞り部、
27は光位置検知部で、光走査系を構成するには、少な
くとも、光源、光走査器(スキャナ)、F−θ光
学系、光スイッチの4機能要素が必要となる。
【0025】図3(b)は光走査の一例を説明するため
の構成図で、図中、22は光源、31はビームコンプレ
ッサ、32は音響光学変調器、33はビームエックスパ
ンダ、34はシリンドリカルレンズ、35は回転多面
鏡、36は回転軸、37はトロイダルレンズ、38はタ
ブレットスフェリカルレンズであるが、光源22には、
次のような条件、すなわち、比較的焦点距離の長い光学
系(F−θ)を用いて、微細光点(直径数μm〜数10
μm程度)像が形成できること、光点エネルギーが高い
ことが必要である。これを可能とする光源は、発光部の
面積ができるだけ微小の点光源であることであり、さら
に発光モードが平行光であれば理想的である。このよう
な条件に実用上もっとも適合する光源はレーザである。
【0026】図3(b)は、光源としてガスレーザを用
いているので、光を高速で点滅させるには、音響光学変
調器のような独立したスイッチング素子を必要とする。
光源として、半導体レーザを用いる場合には、直接高速
スイッチングができるので、光変調部は不要となり、小
形、簡略化、低コスト化が可能となる。
【0027】光走査器は、多孔質体表面に微細光点の直
線状繰返し走査運動を発生させるもので、もっとも実用
的なものは、ポリゴンスキャナ(回転多面鏡35)を用
いるものである。F−θ光学系は、ポリゴンスキャナか
ら反射されてきた光束を多孔質体表面に絞りこむための
レンズ系である。通常の絞り光学系では、焦点の軌跡は
円弧面となる。F−θ光学系の目的は、この焦点軌跡を
多孔質体表面で直線状に、かつ、等速度化にすることで
ある。
【0028】上記のような光学系でレーザ照射された多
孔質体2は、内部に含浸されている液体が急激なレーザ
加熱により沸騰、気化して、近接して搬送される紙6の
面に、液体を無数の微小滴あるいは蒸気の状態で転移さ
せる。つまり、その領域に、液体による潜像が形成され
るわけである。その後、インク付与ローラ4によって液
体潜像は顕像化され、さらにその後、定着ローラ8によ
って定着される。なお、この定着工程は、後述するよう
に、いわゆる電子写真に使用されるトナーのようなドラ
イの粉体色材をインクとして使用する場合には必要とさ
れるが、ウェットで速乾性のインクを使用する場合に
は、必ずしも必要とはされない。
【0029】他の付与エネルギーの与え方の例として
は、たとえば、PZTに代表されるようなピエゾ素子を
利用する方法がある。上記の2つの例は、いずれも熱を
利用して液体を沸騰、気化させる方法であるが、ピエゾ
素子を利用する場合は、数10〜数100KHzで振動
させることにより、その振動によって多孔質体内に含浸
されている液体を直接、微小ミストにするというもので
ある。この方法のメリットは、熱を利用しないので、液
体および多孔質体が熱による劣化、分解作用をうけない
という点である。
【0030】次に、本発明に使用されるインクおよびそ
のインク付与方法について説明する。まず、第1にイン
クとして粉体のドライインクを使用する場合であるが、
色材の材料としては、たとえば、カーボンブラックのよ
うな顔料粉を使用することができる。このような顔料を
数μmに粉砕したものと、スチレン−アクリル系の熱可
塑性樹脂を同様にして粉砕したものを混合したものがド
ライインクとして使用できる。あるいは、上記の顔料を
上記の熱可塑性樹脂に溶融させた後に、粉砕したものも
本発明のドライインクとして好適に使用できる。
【0031】このようなドライインクは、図1あるいは
図3(b)に示したようなインク付与ローラ4の表面に
付着され、次いで紙面6に付着されて搬送される。イン
ク付与ローラ4の表面にドライインクを付着させる手段
としては、インク付与ローラ4の表面を粘着性を有する
スポンジで形成することにより実現できる。他の方法と
しては、インク付与ローラ4に電界を印加しておき、静
電的吸引によってインクを付着する方法がある。その際
は、インクは、帯電制御材を添加して上記のように溶
融、粉砕して作られ、また、トナーホッパー内で、撹拌
され、摩擦帯電される必要がある。また、さらに、他の
方法として、インク付与ローラ4の内部にマグネットを
装着して、磁気的にインクを付着させる方法がある。そ
の際は、インクは、磁性体を添加して上記の方法で作ら
れる。以上のような、粉体ドライインクは、紙上に付着
して顕像化されるが、インクの付着を確実にするため
に、定着を行う必要があり、上述のようにしてインクが
付着されて顕像化された紙6は、定着ローラ8と搬送
(加圧)ローラ9により圧着されて搬送される。
【0032】図4は定着装置の一例を詳細に示す図で、
3はドライインク粒子、8aはヒータ、8bは加熱ロー
ラ、Bは定着前のドライインク、Cは定着後のインク
で、前述のように、ドライインク粒子3には、熱可塑性
樹脂が分散されている、あるいは、熱可塑性樹脂中に顔
料粉が溶融されているインクを使用しているので、定着
させるためには、主に熱と圧力が利用される。加えられ
る熱としては、加熱ローラの表面温度が150℃〜20
0℃となるものが好適である。なお、この例では、加熱
および加圧ローラによる例を示したが、加熱単独、加圧
単独でも定着は可能である。加熱だけで定着を行う例と
しては、オーブン、熱板、赤外線・フラシュランプなど
によるふく射熱を利用する方法が用いられる。
【0033】次に、インクとして、液体のインクを使用
する例についてを説明する。このようなインクとして
は、顔料あるいは染料を脂肪族エステル系オイル等をメ
チルイソブチルケトン等のケトン類や酢酸ブチル、酢酸
エチル等のエステル類、エチルアルコール、メチルアル
コール、イソブロピルアルコール等のアルコール類に分
散あるいは溶解させたものが使用される。ここに挙げた
インクは、溶媒が比較的速く揮発するので、ローラコー
ティング、あるいはブレード等によって、薄い塗布膜を
形成すると、速やかに、溶媒分が揮発して顔粉あるいは
染料の薄層を形成することができる。
【0034】図5は、液体インクを使用する場合のイン
ク付与ローラの例を示す図で、図5(a)はインク容器
40内の液状インク41を直接インク付与ローラ4にコ
ートする例であり、その際、インク容器のディスペンス
部はブレード42状になっており、インク付与ローラ4
の表面と、このブレード42とのギャップは、10μm
以下とされ、薄いインク液層状態43でコートされる。
又、この液層状態43でコートされたウェット状態のイ
ンク43は、紙に付与される時(顕像化時)には、溶媒
成分が揮発してドライ状態44になっている。このドラ
イ状態にするには、インクの溶媒成分を適切に選ぶこと
により、特別な手段を用いることなく実現できるが、記
録速度を速くしたい場合などの場合には、インク液層表
面にヒータ等を近接させ、揮発を瞬時に行うような方法
としてもよい。図5(b)は、スポンジローラ45から
インク付与ローラ4にインクを転移させて薄いインク液
層43を形成する例である。
【0035】このような、液状インクを使用する場合に
は、前述のような粉体ドライインクを使用する場合のよ
うに、必ずしも定着装置を必要としない。そのかわり、
インクの転移が紙に確実にでき、さらに十分な強度で付
着するためには、インクの親和性を良くするために、使
用する液状インクの成分と、潜像を形成する液体との成
分を考慮する必要がある。
【0036】本発明では、潜像形成に使用する液体の成
分と、インク溶媒の成分のうち、少なくとも1つは、共
通の液体を使用することで、この課題を達成した。具体
的には、潜像形成用液体として、前述のように、水の他
にエチルアルコールを添加している。一方、インク側の
溶媒としても、上記のように、エチルアルコールを添加
している。このように、共通の液体を互いに添加するこ
とによって、インクが付与ローラに塗布された後、溶媒
が揮発して、ドライの薄層インクになっても、潜像形成
用液体にすぐに付着、転移でき、又、潜像形成用液体の
中に溶け込むので、粉体ドライインクを使用する場合の
ような定着は必ずしも必要としない。ただ、一方で、図
1に示したように、顕像化時に、紙とインク付与ローラ
とは粉体ドライインクを使用する場合よりも強い加圧力
(少なくとも3倍以上)は必要である。
【0037】次に、本発明の別の特徴について説明す
る。本発明では、紙上に液体の潜像を形成する際に、微
小ミストあるいは蒸気を利用している。そのため、これ
らのミスト蒸気は、加熱等のエネルギー付与の時間、あ
るいは、パワーを変えることにより、その液体の紙への
転移量を連続的に変えることができるという特徴をも
つ。このことは、何を意味するかというと、顕像化時
に、付着されるインクの量(濃度)、あるいはインクの
広がり(ドット径)を変えることができる。つまり、濃
度変調、あるいは、ドット径変調といった階調制御がで
きるということである。たとえば、前述の従来技術であ
る特開昭62−117782号公報のようなインクジェ
ット法で潜像を形成する場合には、液滴が紙上にのるか
/のらないかのオン/オフ2値制御であるため、良好な
ハーフトーンは得ることが困難であったが、本発明の場
合には、高画質なハーフトーン画像が得られる。なお、
画像濃度情報に応じて、微小ミストあるいは蒸気の紙へ
の付与量を変える手段として、発熱体を使用する場合に
は、通電時間、あるいは電圧を変えればよく、又、レー
ザを使用する場合には、レーザ発光時間、発光強度、あ
るいは、ほぼ同一箇所へ複数パルス照射するということ
を行えばよい。又、ピエゾ素子を使用する場合も電圧を
変える等によって実現できる。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、以下のような効果がある。 (1)請求項1に対応する効果:簡単な構成で紙面上に
画像形成できる新規な方法を提案できる。又、ミスト、
蒸気によって紙上に潜像を形成するので、インクジェッ
ト法によって形成する方法に比べて、目づまり等がな
く、高い信頼性が維持できる。その結果、紙幅全域をプ
リントするような、いわゆる、ページプリンタタイプの
画像形成方法として高い信頼性が期待できる。 (2)請求項2に対応する効果:インクジェット法で潜
像を形成する方法では、オン/オフの2値記録しかでき
ないが、本発明では濃度変調、ドット径変調等の階調記
録が実現でき、高画質記録が実現できた。 (3)請求項3,5に対応する効果:顔料系粉体色材を
インクとして使用できるので、高濃度、高耐光性の画像
が得られるようになった。 (4)請求項4,6に対応する効果:インクと潜像形成
液体との親和性を良くできるようになったので、高エネ
ルギーを必要とするような熱定着が不要になり、装置の
小型化、低エネルギー化、低コスト化が実現した。 (5)請求項7に対応する効果:多孔質体として、熱伝
導率の低いガラスを使用したので、他の材料のものよ
り、熱保持力が高く、低エネルギーで記録ができるよう
になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による画像形成方法の一実施例を説明
するための要部概略構成図である。
【図2】 本発明の実施に使用して好適な発熱体基板の
一例を示す斜視図及び要部断面図である。
【図3】 多孔質体へのエネルギー付与方法の例を説明
するための図である。
【図4】 定着方法の一例を説明するための図である。
【図5】 定着方法の他の例を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1…発熱体基板、2…多孔質体、3…インクホッパー、
4…インク付与ローラ、5…インク、6…被記録体
(紙)、7…液補給容器、8…定着ローラ、9…搬送ロ
ーラ、10(101〜10n)…発熱体、11(111
11n)…第1電極(制御電極)、12(121〜1
n)…第2電極(アース電極)、13(131〜1
n),14(141〜14n)…ボンディングパッド、
22…レーザ、31…ビームコンプレッサ、32…音響
光学変調器、33…ビームエックスパンダ、34…シリ
ンドリカルレンズ、35…回転多面鏡、36…回転軸、
37…トロイダルレンズ、38…タブレットスフェリカ
ルレンズ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録体に、最終的に顕像化される1つ
    の画素に対して複数滴の微小ミストもしくは蒸気を付与
    し、しかる後に、前記被記録体にインクを付与して顕像
    化することを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記微小ミストもしくは蒸気の付与量
    を、画像濃度情報に応じて変えることを特徴とする請求
    項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記インクは、粉体色材であり、顕像化
    の後、熱又は圧力のいずれかもしくは両方によって定着
    することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成
    方法。
  4. 【請求項4】 前記インクは、インク供給体の表面に形
    成された薄層インクであり、該薄層インクは、前記イン
    ク供給体にウェット状態で付与され、その後、溶媒成分
    が揮発して前記被記録体に付与される時はドライ状態と
    なるような速乾性のインクであり、前記微小ミストもし
    くは蒸気を構成する成分と、前記溶媒の成分とは、少な
    くとも1つの成分が同じであることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 被記録体搬送手段と、該搬送手段により
    搬送される被記録体に対し、微小ミストもしくは蒸気を
    付与する液体を含浸させた多孔質部材と、該多孔質部材
    に画像情報に応じてエネルギーを付与するエネルギー付
    与手段と、前記被記録体表面に、顕像化するための粉体
    色材のインクを付与するインク付与手段と、顕像化した
    像を定着するための加熱又は加圧のいずれか一方もしく
    は両方の手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】 被記録体搬送手段と、該搬送手段により
    搬送される被記録体に対し、微小ミストもしくは蒸気を
    付与する液体を含浸させた多孔質部材と、該多孔質部材
    に画像情報に応じてエネルギーを付与するエネルギー付
    与手段と、前記被記録体表面に顕像化するためのインク
    を付与するインク付与手段であって、基体の表面に薄層
    状にインクをコートする手段を備えたインク付与手段と
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記多孔質部材は、ガラスの多孔質部材
    であることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形
    成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1060903A2 (en) * 1999-06-17 2000-12-20 Fuji Photo Film Co., Ltd. Apparatus and process for forming images by heat-transfer
US6561645B2 (en) 2001-03-13 2003-05-13 Fuji Photo Film Co., Ltd. Image forming process and image forming apparatus

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