JPH10217477A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH10217477A
JPH10217477A JP2530997A JP2530997A JPH10217477A JP H10217477 A JPH10217477 A JP H10217477A JP 2530997 A JP2530997 A JP 2530997A JP 2530997 A JP2530997 A JP 2530997A JP H10217477 A JPH10217477 A JP H10217477A
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JP
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ink
recording medium
meniscus
diameter
jet recording
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Application number
JP2530997A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Sato
博昭 佐藤
Susumu Hiragata
進 平潟
Yasushi Oki
靖 大木
Yutaka Morita
豊 森田
Yuji Suemitsu
裕治 末光
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】目詰まり、サテライト、および微小液柱の発生
を防止して小径ドットを再現性良く形成することによ
り、高画質の画像が得られるとともに小型化およびコス
トの低減化が図られたインクジェット記録装置を提供す
る。 【解決手段】加速電極1,信号電極6,記録信号発生手
段5からなる静電気力発生手段が作用する以前のインク
メニスカス8底面部からインクメニスカス8頂上部まで
の距離をMH、インクメニスカス8底面部から記録媒体
4までの距離をHGとした時に、1.7≦HG/MH≦
3.5の関係を満足するように設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凸状のインクメニ
スカスを形成する記録ヘッドに保持されたインクに静電
気力を作用させてインクメニスカス形状を変形させ、変
形したインクメニスカス先端が記録媒体に接触してイン
クの一部が転移することにより画像記録を行なうインク
ジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、静粛で、印字品位が高く、また低
価格な小型プリンタを実現するためのインクジェット記
録装置が注目を浴びている。このようなインクジェット
記録装置において、世の中のニーズとして更なる高画質
化が望まれるが、高精細な画像を再現するためには、十
分な階調再現能力が必要であり、特に低濃度領域の再現
性が重要である。階調再現方式としては濃度変調方式と
面積変調方式が知られているが、制御安定性や線画と階
調画像の両立性、装置の簡易性等の点で優れる面積変調
方式が、多くのデジタルプリンタに採用されている。面
積変調方式では、高濃度のドットで低濃度領域を再現す
ることになるので、十分に小径のドットを形成する必要
がある。高級印刷や写真並みの画質を実現するために
は、孤立ドットが肉眼で認識されない程度、すなわち直
径数十μm以下程度、好ましくは10〜30μm程度の
ドットで印字しなければならない。また、ドットの形
は、必ずしも円形である必要はないが、規則性をもった
異形のドットは、例え充分に小径ドットであっても、そ
れらがある密度で分布した時に構造的な画像ノイズとし
て認識され得るので、高画質再現において大きな障害と
なる。
【0003】以下に、各種の方式によるインクジェット
記録装置について特徴と問題点を述べる。 (1)圧電方式によるインクジェット記録装置 圧電方式によるインクジェット記録装置は、ノズルに通
じるインク室に設けられた圧電素子にパルス電圧を印加
し、圧電素子を変形させることによりインク室の圧力を
変化させ、これによりノズルからインク滴を吐出させて
記録用紙にドットを記録するものである。 (2)サーマル方式によるインクジェット記録装置 サーマル方式によるインクジェット記録装置は、インク
室内に設けられたヒータによりインクを加熱し、その加
熱によって発生したバブルによりインク滴をノズルから
吐出させ、記録用紙にドットを記録するものである。
【0004】これら圧電方式やサーマル方式によるイン
クジェット記録装置は、いずれもノズル内部の高圧力に
よりインク液滴を打ち出すタイプであり、これらのイン
クジェット記録装置で記録用紙上に形成されるドット径
は、ノズル内径の約2〜3倍になる。従ってドット径を
小さくするには、ノズル内径を小さくすることが必要で
ある。しかしながら、ノズル内径を小さくすると、ゴミ
や、あるいはノズル内の、インクに接触する表面の乾燥
等によるノズル詰まりや、ノズル周囲へのインクの付着
によるインク吐出方向の変化が発生しやすくなり、記録
用紙上の画像に欠陥を生じることとなる。また、ノズル
を小径化するとインク粒子を打ち出すために必要な圧力
が大きくなるので、加圧手段、すなわち圧電素子やヒー
タの能力が不足するという問題がある。したがって、ノ
ズル内径を小さくするには限度があり、このためノズル
内径を小さくするという対処方法では、ある一定以上の
高解像度および小径ドット化には対処できないという問
題がある。 (3)荷電制御型連続流方式によるインクジェット記録
装置 荷電制御型連続流方式によるインクジェット記録装置で
は、先ず、高周波電源により励振されている圧電素子を
取り付けたノズルに、インクタンクから供給されるイン
クを、インク加圧装置で加圧する。すると、ノズル孔よ
りインクが噴出し、インク柱が形成される。このインク
柱には励振の効果により周期的なくびれが発生し、これ
が先端にいくほど成長し、その後粒子となって分離飛行
する。この粒子を記録信号に応じて荷電、偏向して記録
用紙に付着させ、記録に不要な粒子は直進させてガター
で回収する。荷電、偏向は、インク柱先端部近傍に配置
した荷電電極および一対の制御電極と、これに接続した
記録信号源と、バイアス電源とにより行なう。この方式
によるインクジェット記録装置も、前述した圧電方式や
サーマル方式によるインクジェット記録装置と同様にイ
ンク粒子を打ち出すタイプであり、小径ドットには小径
ノズルが必須となる。ただし、圧電方式やサーマル方式
によるインクジェット記録装置に比べて大型の加圧装置
を用いるものであるため、より小径のノズルを採用する
ことが可能である。しかしこの方式では、装置が大型で
かつ複雑であり小型・低価格のプリンタには適していな
い。
【0005】圧電方式,サーマル方式によるインクジェ
ット記録装置、および荷電制御型連続流によるインクジ
ェット記録装置に共通する問題点として、サテライトの
発生がある。これらのいずれの方式においても、インク
粒子形成の際に、印字のために必要な主液滴以外に、サ
テライトと呼ばれる不要液滴が形成される。サテライト
は多くの場合規則性を持った異形ドットを印字する原因
となり、前述したように高画質印字を実現する上での重
要な課題である。 (4)マイクロドット方式によるインクジェット記録装
置 マイクロドット方式によるインクジェット記録装置は、
荷電制御型連続流方式によるインクジェット記録装置と
ほぼ同じ構成をとるものであり、インク供給圧力や励振
の強度等を適切な範囲に設定するとインク柱先端部から
大径粒子とマイクロドット粒子とが交互に発生すること
を利用したものである。マイクロドット粒子のみを記録
信号に応じて荷電、偏向して記録用紙に付着させ、記録
に不要なマイクロドット粒子や大径粒子は直進させて回
収することにより小径ドットの印字を行なうことができ
る。この方式ではノズル内径とほぼ同程度のドット径を
印字することができる。しかしながら、荷電制御型連続
流方式によるインクジェット記録装置と同様に大型で複
雑な装置構成となり小型・低価格のプリンタには適して
いない。 (5)音響方式によるインクジェット記録装置 この音響方式によるインクジェット記録装置は、特公平
6−45233号公報等に提案されたものであり、イン
ク中の予め決められた深さに音響波生成源である圧電体
と音響レンズ手段を浸漬し、音響波をインク液面の1点
に集中することによって、インク粒子を吐出させるもの
である。この方式によれば、ノズルなしでインク粒子が
形成できるため、目詰まりの問題はない。直径10μm
前後のドットを印字できることも報告されている。しか
しながら、音響波の伝搬損失が大きいため、他の方式の
インクジェット記録装置に比べて消費電力が大きいとい
う問題がある。また、インク粒子径は音響波の周波数に
依存し、数十μm程度のドットを形成するためには、圧
電体を数十〜数百MHzで駆動する必要がある。すなわ
ち、高周波信号発生源および高周波圧電素子が必要とな
るので、コストアップの要因になる。また、音響波の焦
点がずれるとインク粒子径が大きくなるので、小径粒子
を再現性よく形成するためには、液面の高さを高精度に
管理する必要があり、装置の大型化、複雑化を招く。 (6)静電吸引方式によるインクジェット記録装置 静電吸引方式によるインクジェット記録装置は、静電気
力を液体に作用させて飛翔させるものであり、その研究
は古くから行われている。文献「Journal of
Colloid Science 13,179−1
87(1958)“The Preparation
of Uniform Emulsions by E
lectrical Dispersion”」や、文
献「Proc.Roy.Soc.Lond.A.31
3,453−475(1969)“Electrica
lly driven jets”」等に基礎的な研究
の成果が報告されている。静電飛翔現象をプリンタに応
用したものが静電吸引方式によるインクジェット記録装
置である。
【0006】図16は、静電吸引方式によるインクジェ
ット記録装置の原理説明図である。図16に示す信号電
極161を兼ねたノズルの先端に、破線で示した凸状の
インクメニスカス162が形成される。加速電極163
と信号電極161間には電圧パルスAが印加される。す
ると、半導電性のインク164は静電気力によって記録
媒体165側に吸引され、曳糸166と呼ばれる直径1
0μm程度の細い液柱となって飛翔する。このような飛
翔は、抵抗率を106 〜109 Ω・cm程度に調整され
たインクにおいて可能となる。すなわち、静電吸引方式
によるインクジェット記録装置を用いれば、大口径のノ
ズルから小径ドットを印字することが可能である。
【0007】図17は、曳糸飛翔のメカニズムを説明す
る模式図である。図17(a)に示す記録信号発生手段
171により加速電極172と信号電極173間に電位
差が与えられる。すると、インク174中に電界が発生
し、インク174中の電荷は電界に従って移動しはじめ
る。この時インク174の抵抗率が106 〜109 Ω・
cm程度と高抵抗に調整されているので、電荷の移動に
比較的時間がかかり、その結果、図17(b)に示すよ
うに曳糸形状に変形したインク柱の内部にも電荷が存在
することとなる。すなわち、インク174の先端のみが
静電気力を受けて吸引されるのではなく、インク174
内部にも記録媒体175方向への移動力が生じるので、
電界が印加されているかぎりは、信号電極173を有す
る記録ヘッド側からのインク供給とバランスがとれる範
囲で曳糸飛翔が継続する。インク174の飛翔速度は記
録媒体175に近づくにつれ加速されるため、インク1
74は直径数μm〜10μm程度の非常に細い曳糸形状
に変形する。曳糸径の下限はインク174の表面張力、
粘度、飛翔速度、および飛翔空間の密度等に依存する。
【0008】図18は、電圧印加時間とインク転移量の
関係を示す図である。電圧印加からインク飛翔開始まで
の遅れ時間t1と、インクが記録ヘッドと記録媒体間を
飛翔するのに要する時間t2との双方の時間経過後に曳
糸先端が記録媒体に到達しインクが転移される。インク
の転移量は電圧印加時間に応じて増加するので、ドット
径も拡大する。しかしながら、インク飛翔開始までの遅
れ時間t1は、インクメニスカス近傍の電界強度や、イ
ンクの粘度、表面張力等に依存する時間である。通常そ
れらを考慮して、所望のドット径が得られるように電圧
印加時間が決定されるが、インクの粘度、表面張力等の
変化、あるいは記録媒体表面の凹凸等に起因する電界分
布の乱れ等の外乱により生じる時間t1の変動を抑える
のは困難であり、このためインク転移量の変動は避けら
れず、ドット径が安定しないという問題を抱えている。
【0009】また、ドット径は電圧パルス印加時間とと
もに増大するので、小径ドットを印字するには電圧パル
スのオン時間を短くする必要がある。電圧パルスの電圧
は、通常数百〜数千ボルト必要とされており、印字すべ
きドットが小径であればあるほど高電圧を高速でスイッ
チングする必要があるため、あるサイズ以下のドットに
は対応できないという問題も抱えている。
【0010】さらに、曳糸が細いがゆえに、印字終了時
つまり電圧パルスオフ時の曳糸の切断位置が不安定であ
り、それに起因してドット径の変動や、異形ドットを印
字するという問題が発生する。電圧パルスの印加が終了
すると、曳糸に作用していた静電気力がなくなるととも
に、曳糸先端のインクの、記録媒体への浸透あるいは流
動が進行し、かつノズル部分の界面張力により曳糸の戻
りが開始する。その結果、曳糸はさらに細くなり最も細
いところで切断される。
【0011】図19は、外径250μmのノズルから直
径10μm弱の曳糸飛翔を起こさせ、電圧パルスオフ直
後の様子を観察したものである。ある時は図19(a)
に示すように、インク191が記録媒体192側まで届
かず曳糸の中間で切断し、ある時は図19(b)に示す
ように、インク191がノズル193側で切断すること
を確認した。また、切断の際にはいくつかの小液滴ある
いは小液柱が発生しており、それらの中には記録媒体1
92側に飛翔して異形ドットの原因となるものや、記録
ヘッド側に戻ってノズル193の汚れの原因となるもの
があることも確認した。曳糸が切断する位置は、インク
191の飛翔領域を流れる空気流や、インク191の粘
度、表面張力等の変化、あるいは記録媒体192表面の
凹凸等に起因する電界分布の乱れ等の外乱により変動す
る。直径10μm程度の曳糸により直径10〜30μm
程度の小径ドットを形成する場合、曳糸切断位置の不安
定さはドット径を大きく変動させ画質劣化の大きな原因
となる。
【0012】さらに、インクの抵抗率を106 〜109
Ω・cm程度に調整しなければならないので、インク材
料の選択範囲が著しく制限され、抵抗の高い油性インク
あるいはワックス系インクが用いられる。油性インク
は、水性インクに比較して、沸点が高く、目詰まりしに
くいという利点があるものの、臭いや引火性、安全性等
に対する対策が要求される。また、ワックス系インクと
しては、常温で固体のものが用いられ、これを曳糸飛翔
させる前に加熱溶融して液化するので目詰まりの恐れは
ほとんどないが、放熱および消費電力が増大するという
問題がある。
【0013】前述した静電吸引方式によるインクジェッ
ト記録装置において、低抵抗のインクを用いる提案も多
数なされている。例えば、画像電子学会誌,第6巻,第
2号,(1977),“水性インクによる静電形インク
ジェットの微粒子化特性”では、比較的抵抗率の低いイ
ンクの飛翔形態が報告されている。そこでは、粗大粒子
化飛翔、微粒子化飛翔、霧化飛翔が観測されている。ま
た、特開平6−134992号公報には、インクを通し
ての電流漏洩及びそれに伴う電極反応や電気分解を防止
するために、電極に被覆膜を設けるとともにインク流路
に気泡を発生させインク間を分離隔絶する技術が提案さ
れている。さらに特開平5−208501号公報には、
インク吐出口を仕切り壁で区切り、電極の引き出し配線
部分を絶縁膜で被覆する技術が提案されている。また、
特開平5−116322号公報には、ヘッドノズル部に
一体的に設けられた多層の加速電極を、ノズルの外側に
向かうに連れて大径をなすとともに、孔部および周辺部
を撥インク性物質でコーティングすることにより電流リ
ークを防止する技術が提案されている。
【0014】これらに提案されているインク飛翔形態
は、すべてインクメニスカスの先端からインク液滴が分
離して、記録媒体に向かって飛翔するいわゆるドロップ
飛翔である。その点で、前述した圧電方式、サーマル方
式、および家電制御型連続流方式によるインクジェット
記録装置と同様に、インクのドロップがちぎれる際に不
要粒子が発生する素性を持っており、特に本発明者らが
目的とする極めて小径のドットを安定に形成する飛翔形
態としては不適当である。
【0015】図20は、特開昭63−218363号公
報に提案されたインクジェット記録装置の動作原理を説
明するための断面図である。この装置は、図20(a)
に示すように、ノズル201上に配置されリード線20
2が接続された圧電振動子203、および電圧が印加さ
れる背面電極204等からなる加圧手段により、インク
205をノズル201内部から加圧して押し出すと同時
に、ノズル201外部から静電気力を作用させて、図2
0(b)に示すようにインクメニスカス206を円錐形
状に変形させることにより、インクメニスカス206の
先端を記録媒体207に接触させてインク205の一部
を転移して印字するものである。この装置によれば、ノ
ズル径より小さい径のドットを印字することができるた
め、ノズル径を大きくすることができ、従ってノズルの
目詰まりを防止することが可能となる。また、加圧圧力
あるいは電極電圧を制御することによりインクの押し出
し量を変化させて広範囲にドット径を変化させることも
可能である。しかし、直径10〜30μm程度のドット
を印字する場合、インクの押し出し量を精密に制御する
のは困難であり、ドット径の安定性に問題がある。ま
た、加圧手段と電界印加手段を各ノズル毎に個別に制御
する必要があるため、構成および制御方法が複雑になり
小型化、低価格化の障害となる。
【0016】図21は、特開昭59−41279号公報
に提案されたインクジェット記録装置の、凸状のインク
メニスカスに電界を作用させることによりインクの液柱
を伸長させて印字する動作プロセスを示す図である。こ
のインクジェット記録装置では、図21(a)に示すよ
うに、先端が円弧形状のインク柱211がノズル212
径と同程度の径で、電極214を有する支持体215に
支持された記録媒体213に向かって伸長し、図21
(b)に示すように記録媒体213に接触すると同時に
逆電界が印加され、これにより図21(c)に示すよう
にインク柱211がノズル212側に引き戻され、図2
0(d)に示すように印字される。従って、印字される
ドット径はノズル212の径と同程度となる。この装置
では、逆電界の印加によってインクの分離を実現するの
で、ドット径は電界印加時間に依存する。すなわち、前
述した静電吸引方式によるインクジェット記録装置と同
様に、小径ドットを印字するためには高電圧を高速で制
御するという課題を有する。また、前述した静電吸引方
式によるインクジェット記録装置と同様に、小径ドット
を印字する際の目詰まりの問題を回避しがたいものと考
えられ、従ってノズル径より大幅に小さいドットを印字
することは困難である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み、目詰まり、サテライト、および微小液柱の発生を
防止して小径ドットを再現性良く形成することにより、
高画質の画像が得られるとともに小型化およびコストの
低減化が図られたインクジェット記録装置を提供するこ
とを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のインクジェット記録装置は、記録媒体を保持する記
録媒体保持部と、その記録媒体保持部に保持された記録
媒体に対向する位置に配置され、インクを保持しその記
録媒体保持部に保持された記録媒体に向かう凸状のイン
クメニスカスを形成する記録ヘッドと、その記録ヘッド
に保持されたインクに上記記録媒体保持部に保持された
記録媒体に向かう飛翔力を与える静電気力を発生する静
電気力発生手段とを備え、インクメニスカスが上記静電
気力発生手段により飛翔力を得て変形し、変形したイン
クメニスカス先端が記録媒体に接触してインクの一部が
転移することにより画像記録を行なうインクジェット記
録装置において、上記静電気力発生手段が作用する以前
のインクメニスカス底面部からインクメニスカス頂上部
までの距離をMH、インクメニスカス底面部から記録媒
体までの距離をHGとした時に、1.7≦HG/MH≦
3.5の関係を満足するよう設定されてなることを特徴
とする。
【0019】本発明のインクジェット記録装置は、1.
7≦HG/MH≦3.5の関係を満足するように設定さ
れているため、インクメニスカスがほぼ錐体形状に変形
し印字を行なうことができ、目詰まり、サテライト、お
よび微小液柱の発生を防止することができる。従って、
小径ドットを再現性良く形成することができ、高画質の
画像を得ることができる。また、1.7≦HG/MH≦
3.5の関係を満足するよう設定するのみであるため、
簡単な構成で済み、小型化およびコストの低減化が図ら
れる。
【0020】ここで、上記記録ヘッドが、6.2×10
1 Ω・cm以上、かつ4.5×10 5 Ω・cm以下の抵
抗率のインクを保持しそのインクのメニスカスを形成す
るものであることが効果的である。インクの抵抗率を
6.2×101 Ω・cm以上、かつ4.5×105 Ω・
cm以下にすると、比較的長い時間電界を印加した場合
であっても、記録ヘッドから記録媒体へのインク転移が
自然停止的に終了するため、小径ドットを再現性良く形
成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1は、本発明のインクジェット記録装置の
一実施形態における基本構成およびインク飛翔形態を示
す模式図である。図1(a)に示す記録媒体4に対向す
るように、図示しない記録ヘッドを構成する、信号電極
を兼ねたノズル6(以下、信号電極6と記述する場合が
ある)が配置され、そのノズル6の先端に、凸状インク
メニスカス8が形成される。記録媒体4の背面には加速
電極1が配置され、その加速電極1とノズル6の間に記
録信号発生手段5により電圧が印加される。これら加速
電極1,信号電極6,記録信号発生手段5からなる静電
気力発生手段により、インク3に静電気力を作用させ
て、そのインク3を記録媒体4に向けて変形、飛翔さ
せ、接触印字する。本実施形態では、インクメニスカス
8底面部からインクメニスカス8頂上部までの距離をM
H、インクメニスカス8底面部から記録媒体4までの距
離をHGとした時に、1.7≦HG/MH≦3.5の関
係を満足するように設定されており、この関係により、
図1(b)に示すように、インクメニスカス8がほぼ錐
体形状に変形し、図1(c)に示すように、そのインク
メニスカス8の先端が記録媒体4に接触してインク3の
一部が転移することにより印字を行なう。
【0022】図2は、HG/MH<1.7の条件にした
場合の比較例を示す図(a)、およびHG/MH>3.
5の条件にした場合の比較例を示す図(b)である。図
2(a)に示すHG/MH<1.7の条件では、記録媒
体4に接触したインク3が分離せずにノズル6と記録媒
体4の間に滞留する現象(ブリッジと呼ぶ)が発生し
た。このようなブリッジが発生すると高画質印字は不可
能となる。
【0023】一方、図2(b)に示すHG/MH>3.
5の条件では、インク3がほぼ錐体形状で記録媒体4に
接触するようなことはなく、インク3の抵抗率が低い場
合は直径数十μm程度の液柱を形成し、高い場合は曳糸
を形成する。あるいは途中で液柱が分離してドロップ飛
翔となることもある。曳糸の場合は、従来例で説明した
ように、時間に依存してドット径が変動する現象と、曳
糸切断位置の変動に起因するドット径の変動が見られ
た。図2(b)に示す液柱の場合は原因は解明されてい
ないが、飛翔が不安定になることが分かった。このよう
な状態で印字されるドットはばらつきが大きく、尾引き
の激しい形となり印字品質を著しく劣化させる原因とな
る。
【0024】図3は、図1に示すインクジェット記録装
置による良好なドット例を示す図(a)、および図2
(b)に示す比較例の飛翔モードによる異形ドット例を
示す図(b)である。図3(b)に示すように、ドロッ
プ飛翔の場合は、分離したドロップのみを記録媒体4に
着弾させるのが困難であり、ドロップ分離時に発生した
サテライトや、ドロップを追いかけるように飛翔する液
柱も記録媒体4に着弾する結果となり、安定した印字を
行なうことができなかった。これに対して、1.7≦H
G/MH≦3.5を満足する条件では、図3(a)に示
すように、ドット形状が真円に近く、サテライト等の不
要液滴の発生がなく、ドット径が安定し、印字位置精度
の高い印字を行なうことができた。
【0025】一般に、インクの抵抗率が4.5×105
Ω・cmより大きい場合は、ドット径が電界印加時間依
存性を示すようになり、一定のドット径を再現性よく印
字するのが困難である。本実施形態では、インクの抵抗
率を、6.2×101 Ω・cm以上、かつ4.5×10
5 Ω・cm以下にしており、このため詳細は後述する
が、電圧をオフしなくてもインクが自然に分離し、ドッ
ト印字が自動的に停止する。すなわち、比較的長い時間
電圧を印加してもドットの径が一定でかつ小径に形成で
きる。
【0026】図4は、図1に示すインクジェット記録装
置における電圧印加時間とインク転移量の関係を示す図
である。前述した図18に示した曳糸飛翔の場合と同様
に、インク飛翔開始までの遅れ時間t1’および記録媒
体に到達するまでの飛翔時間t2’との双方の時間経過
後にインクが記録媒体に転移するが、本実施形態では電
圧が印加され電界が発生していてもインクが自然に分離
し、ドット印字が自動的に停止するので、インク転移量
が電圧印加時間によって変化することはない。
【0027】図5は、図1に示すインクジェット記録装
置におけるインク飛翔メカニズムの詳細な動作説明図で
ある。図5(a)は、記録信号発生手段5がオン状態に
なった直後のインク3の形状と、インク3内の電荷の様
子を模式的に示している。MHはインクメニスカス8底
面部からインクメニスカス8頂上部までの距離、HGは
インクメニスカス8底面部から記録媒体4までの距離を
示している。インク3の抵抗率が十分小さい場合は、記
録信号発生手段5がオン状態になり、これにより電界が
発生し、インク3内の電荷はインク3が変形するよりも
早くインクメニスカス8の表面に分布すると考えられ
る。その結果、電荷はインクメニスカス8表面に分布
し、表面が静電気力を感じて記録媒体4側に吸引される
ことになる。インク3は、インクメニスカス8表面が吸
引されるのに追従して、記録媒体4側に移動する。ここ
で、インクメニスカス8の頂上部付近が最も電界が強い
ので、この部分が最も大きな吸引力を受け、その結果、
図5(b)に示すように、インクメニスカス8は錐体形
状に変形して、その先端が記録媒体4に接触する。図5
(c)には、インク3が記録媒体4に接触した後、イン
クメニスカス8のうちの記録媒体4側の部分にくびれ8
aが生じドットを形成しつつある状態が示されている。
図5(c)に示すように、錐体形状に変形したインクメ
ニスカス8は、静電気力を感じていた先端部が記録媒体
4に付着した結果、記録媒体4方向への積極的な移動力
を失い、飛翔中に得た慣性力で移動する。この慣性力も
インク相互の粘性抵抗により急速に消滅し、その結果、
記録媒体4に転移するに至らなかったインク3は、ノズ
ル6方向へ戻り始める。すると、インク3が分離する。
この分離はインク3の最も細い位置で起こるが、本実施
形態においては、インク3が錐体形状で記録媒体4と接
触しているので、図5(c)に示すように必ずインクメ
ニスカス8の、記録媒体4側の部分で分離が起こり、イ
ンクメニスカス8の、錐体形状の中間部で分離するよう
なことはない。
【0028】図6は、図1に示すインクジェット記録装
置によるインク飛翔の瞬間を高速度カメラで撮影した映
像を2値化処理して示す図である。図6(a)は、ノズ
ル6の先端に、記録媒体4の方向に向けて凸状のインク
メニスカス8が形成された状態を示す図である。図6
(b)は、信号電極を兼ねたノズル6と、図示しない対
向電極間に電圧を印加した瞬間のインクメニスカス8を
示す図、図6(c)は、静電吸引力をうけたインク3が
記録媒体4に向かって飛翔しはじめた状態を示す図、図
6(d)は錐体形状に変形したインクメニスカス8が記
録媒体4に接触する寸前における図、図6(e)は、イ
ンクメニスカス8が記録媒体4に接触した瞬間を示す
図、図6(f)は、記録媒体4にドット61が印字され
インクメニスカス8がノズル6側に戻りはじめた状態を
示す図、図6(g)は、インクメニスカス8がノズル6
側にほぼ戻った状態を示す図、および図6(h)は、図
6(a)と同じ状態にインクメニスカス8が戻った(リ
セットされた)状態を示す図である。
【0029】図7は、図1に示すインクジェット記録装
置が有する静電気発生手段とは異なる静電気発生手段を
有するインクジェット記録装置の模式図である。図7に
示すインクジェット記録装置では、静電気発生手段が、
貫通孔1aを有する加速電極1と、その加速電極1を挟
んで対向して配置されてなる信号電極6および記録信号
発生手段5とから構成されている。インク3の飛翔経路
は、記録媒体4と信号電極6の間の、加速電極1の貫通
孔1aを介する経路である。このような静電気発生手段
を設けて記録媒体4に印字を行なってもよい。またこの
場合、加速電極1から記録媒体4間のインク吸引電界を
補う目的で、記録媒体4の裏面に第3の電極を設けても
よい。
【0030】図8は、図1,図7に示すインクジェット
記録装置が有する静電気発生手段とは異なる静電気発生
手段を有するインクジェット記録装置の模式図である。
図8に示すインクジェット記録装置では、静電気発生手
段が、記録ヘッドを構成する絶縁部材15の中に組み込
まれるとともに表面に絶縁性保護膜14が形成された加
速電極1と、信号電極2と、記録信号発生手段5とから
構成されている。このように、加速電極1が、記録ヘッ
ドの中に一体的に組み込まれたものであってもよい。要
はインク3を記録媒体4方向に飛翔させる静電気力を発
生させる構成であればよい。
【0031】凸状インクメニスカス8を形成するのは貫
通孔を設けたノズルの先端に限られるものではない。図
9は、曲面に凸状インクメニスカスが形成されてなるイ
ンクジェット記録装置の動作説明図である。この装置で
は、例えば撥水性表面を有するロール状部材16に、水
によく濡れる材料、例えばNi、Al、Au等の金属材
料で信号電極2が形成されており、その信号電極2の、
インク3の濡れ性を応用してインクメニスカス8を形成
し、記録媒体4と対向する位置で記録信号発生手段5に
よりその信号電極2と加速電極1との間に電圧パルスを
印加することにより印字を行なう。尚、平面に凸状イン
クメニスカスが形成されてなるものであってもよい。
【0032】図10は、針のような細い部材の先端に凸
状インクメニスカスが形成されてなるインクジェット記
録装置の動作説明図である。針のような細い部材で形成
された信号電極2は、印刷する以前は、図10(a)に
示すように、インク3の中に浸漬されている。記録媒体
4へのドットの印刷にあたり、図10(b)に示すよう
に、信号電極2が、図示しないアクチュエータ等の手段
でインク3の面から突出することにより、信号電極2の
先端にインクメニスカス8が形成される。
【0033】また、凸状インクメニスカス8を形成する
方法として、ポンプによる圧力印加や界面エネルギの差
を利用する方法や、静電気力を作用させてインクを引き
出す方法等がある。いずれにしても図20に示す従来
の、ノズル毎に制御して印字するものとは異なり、各ノ
ズル毎の個別の制御は不要なので、簡易な構成になる。
尚、インクメニスカスの底面形状は円形に限られるもの
ではなく、例えば図1に示したノズル6の孔断面が、三
角形や四角形等の形状でもよい。また、図9および図1
0に示したインクメニスカスの場合も、その底面形状は
円形に限られるものではない。
【0034】また、インク材料は、例えば水とグリコー
ル類、グリコールエーテル類等の水溶性有機溶剤を使用
した水性インクや、芳香族系、アルコール系、脂肪族
系、エステル系、エーテル系等の非水溶性有機溶剤を使
用した非水性インクの使用が可能である。安全性、臭気
等を考慮すると水性インクの方がより好ましい。さら
に、色素については、染料,顔料のいずれでも使用可能
であり、使用目的に応じて、種類および量を適切に決定
すればよい。
【0035】また、記録媒体は、表面にインク受容層を
設けたいわゆるコート紙や、上質紙、レター用紙、コピ
ー紙等のいわゆる普通紙、およびOHPフィルム等、一
般にインクジェット記録に用いられるものならいかなる
ものでもよい。また、印字の安定性向上等を目的として
中間転写体を採用する場合は、中間転写体が本実施形態
で言うところの記録媒体である。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
11は、本発明のインクジェット記録装置の実施例1の
構成を示す図、図12は、図11に示すインクジェット
記録装置の記録ヘッドの斜視図である。図11に示す記
録ヘッド7は、ノズル板10と、絶縁板11と、スペー
サ12と、発インク層13とから構成されている。ノズ
ル板10は、アルミナやジルコニア等のセラミックなど
によって平板に形成し、絶縁基板11は、アルミナやジ
ルコニア等のセラミック、あるいはガラスなどによって
やはり平板に形成した。この2枚の基板10,11を、
スペーサ12を介して互いに対向するように接着し固定
してインク室9を形成した。スペーサ12は、厚さ10
0μmのポリエチレンテレフタレート製のものを用い
た。また、ノズル板10には、図12に示すように、ノ
ズル6が長手方向に沿って所定のピッチで多数設けられ
ている。インク室9には、図示しないインクタンクから
所定の圧力に調整されたインク3が供給され、図11に
示すごとく凸状のインクメニスカス8が形成される。一
方、静電気力発生手段は、記録ヘッド7から適宜離間配
置され、かつ記録媒体4の支持面としても機能し電気的
に接地されたロール状の加速電極1と、ノズル板10の
裏面に配置された信号電極2と、信号電極2に電圧パル
スを印加する記録信号発生手段5とから構成されてい
る。信号電極2は、各ノズル6毎に独立に設けられ、記
録信号発生手段5によって印字すべき信号電極2にのみ
電圧パルスが印加されるように構成されている。また、
インク3およびインク室9も各ノズル6毎に独立して設
けられており、隣接するノズル6間で、インク3を通し
ての電流漏洩が起きないように構成されている。ノズル
板10の、ノズル孔およびその周辺を除く表面には、撥
インク層13が形成されており、この撥インク層13に
より凸状インクメニスカス8底面部の直径が規制され
る。撥インク層13を構成する材料としては、含フッ素
樹脂、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレ
ン)、ETFE(エチレンーテトラフルオロエチレン共
重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等が用い
られる。ノズル6の孔の直径を100μmとし、これに
より凸状インクメニスカス8底面部の直径が150μm
となるように撥インク層を形成した。次に、凸状インク
メニスカス8底面部から記録媒体4までの距離HGと、
凸状インクメニスカス8底面部からインクメニスカス8
頂上部までの距離MHを、様々な値に設定して印字を行
った。距離MHの調整は、図示しないポンプにより加圧
力を制御することにより行なった。記録信号発生手段5
の印加電圧は距離HGおよび距離MHの条件により適宜
適正な値を選択した。記録媒体4は、市販のインクジェ
ット用コート紙を用いた。インク3は市販のパイロット
社製筆記用水性インクを用いた。抵抗率は4.5×10
2 Ω・cmである。表面張力は26.2mN/m、粘度
は1.0mPa・sと比較的低表面張力、低粘度のイン
クを用いた。
【0037】このようにして得られた記録画像の画質
を、階調再現性、光学濃度、線画の品質等について総合
的に評価し、5段階のグレードに分類した。すなわち、
A…非常に良い、B…良い、C…やや良い、D…やや悪
い、E…悪い、の5段階に分類した。結果を表1に示
す。
【0038】
【表1】
【0039】表1中の記号Zは飛翔不能を意味してお
り、その内容は電圧を上昇させてもインクが飛翔しなか
った場合と、MH≧HGの条件下で飛翔前のインクメニ
スカスが記録媒体に接触してしまい印字が成り立たなか
った場合である。画質の評価結果がDおよびEの部分と
飛翔不能Zの部分を斜線で囲んだ。斜線で囲まれた部分
以外の部分が高画質画像が得られた領域である。
【0040】次に、実施例2について説明する。実施例
2では、実施例1における記録ヘッド7の、撥インク層
13が形成されない部分の直径を200μmとした記録
ヘッドを用いて印字を行い画質評価した。結果を表2に
示す。
【0041】
【表2】
【0042】次に、実施例3について説明する。実施例
3では、実施例1における記録ヘッド7の、撥インク層
13が形成されない部分の直径を275μmとした記録
ヘッドを用いて印字を行い画質評価した。結果を表3に
示す。
【0043】
【表3】
【0044】次に、実施例4について説明する。実施例
4では、実施例1における記録ヘッド7の、撥インク層
13が形成されない部分の直径を350μmとした記録
ヘッドを用いて印字を行い画質評価した。結果を表4に
示す。
【0045】
【表4】
【0046】図13は、実施例1〜4の結果を1枚のグ
ラフにプロットした図である。図13で明らかなよう
に、インクメニスカス底面部から記録媒体までの距離H
Gと、インクメニスカス底面部からインクメニスカス頂
上部までの高さMHを、1.7≦HG/MH≦3.5と
なるよう設定することにより良好な画質を得ることがで
きる。
【0047】また、実施例1〜4において良好な画質を
得た印字サンプルのドット径は10〜50μm程度であ
り、ドット形状もほぼ真円であった。画質が劣ると評価
された印字サンプルのドットは、異形ドットや直径10
0μmを越えるような大径ドットであった。本発明者ら
は、実施例1〜4の結果より、良好な画質を得るための
条件が、1.7≦HG/MH≦3.5であることを見い
出した。また、1.7≦HG/MH≦3.5の場合は、
図6に示したようなほぼ錐体形状のインクメニスカスが
記録媒体に接触するインク飛翔形態であることを確認し
た。HG/MH<1.7の条件では、図2(a)に示し
たブリッジ現象が観測され、大径ドットや尾引き形状の
ドットが印字されて劣悪な画質となった。HG/MH>
3.5の条件では、図2(b)に示した直径数十μm程
度の液柱が飛翔し不安定な挙動を示すことが観測され
た。
【0048】次に、実施例5について説明する。実施例
5では、実施例1におけるインクに、増粘剤としてグリ
セリンを添加し、インクジェット用インクとしては比較
的高粘度のインクを用いた。インク物性は、抵抗率1.
2×103 Ω・cm、表面張力30.4mN/m、粘度
32.3mPa・sである。
【0049】結果を表5に示す。
【0050】
【表5】
【0051】実施例5は、実施例1〜4に比べて、安定
した印字条件として、電界印加時間を長く設定する必要
があったものの、表5に示すように、実施例1〜4と同
様に1.7≦HG/MH≦3.5の時に良好な画質が得
られることを確認した。次に、実施例6について説明す
る。実施例6では、ポリエチレングリコール、ポリオキ
シエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、エチレン
グリコール、水、およびC.I.ダイレクトブラック6
2からなるインクを調整し、インクジェット記録装置用
のインクとしては比較的表面張力の大きいインクを用い
た。インク物性は、抵抗率2.3×102 Ω・cm、表
面張力52.3mN/m、粘度1.7mPa・sであ
る。結果を表6に示す。
【0052】
【表6】
【0053】表6に示すように、実施例6においても、
実施例1〜4と同様に、やはり1.7≦HG/MH≦
3.5の時に良好な画質が得られることを確認した。次
に、実施例7について説明する。実施例7では、実験用
モデルインクとして表7に示すインクを用意した。
【0054】
【表7】
【0055】表7には、モデルインクの組成および物性
値が示されており、水およびメタノールをベース剤とし
両者の混合比率でインクの表面張力を変化させた。抵抗
率調整剤としてNaCl、粘度調整剤としてグリセリ
ン、色材としてC.I.Pigment Red3を用
いた。図14は、実施例7のインクジェット記録装置の
構成を示す図である。
【0056】図14に示すノズル6には、内径80μ
m、外径150μmの真鍮製パイプを用いた。このノズ
ル6は信号電極6を兼ねる。また記録媒体4の背面にA
l製のドラムを配置し加速電極1とした。加速電極1と
信号電極6は、記録信号発生手段5により電気的に接続
され、インク飛翔のための電圧パルスが印加される。イ
ンクメニスカス8底面部の円相当径は、ノズル6の外径
に等しく150μmであり、またインクメニスカス8底
面部から記録媒体4までの距離HGを120μm、イン
クメニスカス8底面部からインクメニスカス8頂上部ま
での高さ距離MHを40μmとした。表7に示す、それ
ぞれのモデルインクについて、印加電圧を適宜調整する
ことによってインク飛翔を起こさせ、パルス幅を変化さ
せた時の、記録媒体4に印字されたドット形状とサイズ
と飛翔状況とを観察した。記録媒体4は市販のインクジ
ェット記録用紙を用いた。結果を表8に示す。
【0057】
【表8】
【0058】表8では、表の各枠中の上段にドットの円
換算径を記した。ドットが複数のドットで形成されてい
る場合は、総面積から円換算径を測定した。また下段に
はドット形状の良否を記した。円形でかつ主ドットのみ
で印字されている場合には良好と判断し○とした。主ド
ット以外に微小なドットや微小なひげ状のものが印字さ
れたドットは不良と判断し×とした。
【0059】ドット径については、インクNo.1、
2、8、15、22、23以外の条件において電圧印加
時間に依らずドット径はほぼ一定であり、高画質画像を
印字するのに十分な小径ドットを形成した。これらの場
合のインクメニスカスの挙動は、電圧が印加されていて
もインクが自然に分離し、印字が自動的に停止するもの
であった。インクNo.1、2、8、15、22、23
の場合は、印加電圧のパルス幅が長くなるにつれてドッ
ト径が拡大しており、小径ドットを安定的に再現する飛
翔形態としては不適であった。インクメニスカスの挙動
はいわゆる曳糸飛翔であった。
【0060】また、ドット形状については、インクN
o.1、2、8、15、22、23において異形ドット
および不要ドットを伴うドットが確認され、不良と判断
された。それ以外のケースでは、ほぼ真円に近いドット
が印字され良好であった。図15は、表8の結果の一部
をグラフ化して示した図である。図15(a)は、電界
印加時間=1msの場合であり、図15(b)は電界印
加時間=10msの場合である。図15(a)では全て
のケースで直径10〜30μm程度の小径ドットが印字
された。一方、図15(b)ではインクの抵抗率が、
6.2×101 Ω・cm以上、かつ4.5×105 Ω・
cm以下の場合には、図15(a)と同様に直径10〜
30μm程度の小径ドットが印字されたが、インクの抵
抗率が4.5×105 Ω・cmを越える場合には直径1
00μm以上の大径ドットが印字された。
【0061】以上の結果より、インク抵抗率が、6.2
×101 Ω・cm以上、かつ4.5×105 Ω・cm以
下の場合に、ドット径およびドット形状が良好に再現で
きることを確認した。また、電界が印加されていてもイ
ンクが自然に分離し、ドット印字が自動的に停止するこ
とを確認した。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、目詰まり、サテライ
ト、および微小液柱の発生が防止され、小径ドットを再
現性良く形成することができる。従って、高画質の画像
が得られる。また、インクメニスカス底面部からインク
メニスカス頂上部までの距離MHと、インクメニスカス
底面部から記録媒体までの距離HGとの関係を、1.7
≦HG/MH≦3.5に設定するものであるため、簡単
な構成で済み、小型化およびコストの低減化が図られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の一実施形態
における基本構成およびインク飛翔形態を示す模式図で
ある。
【図2】HG/MH<1.7の条件にした場合の比較例
を示す図(a)、およびHG/MH>3.5の条件にし
た場合の比較例を示す図(b)である。
【図3】図1に示すインクジェット記録装置による良好
なドット例を示す図(a)、および図2(b)に示す比
較例の飛翔モードによる異形ドット例を示す図(b)で
ある。
【図4】図1に示すインクジェット記録装置における電
圧印加時間とインク転移量の関係を示す図である。
【図5】図1に示すインクジェット記録装置におけるイ
ンク飛翔メカニズムの詳細な動作説明図である。
【図6】図1に示すインクジェット記録装置によるイン
ク飛翔の瞬間を高速度カメラで撮影した映像を2値化処
理して示す図である。
【図7】図1に示すインクジェット記録装置が有する静
電気発生手段とは異なる静電気発生手段を有するインク
ジェット記録装置の模式図である。
【図8】図1,図7に示すインクジェット記録装置が有
する静電気発生手段とは異なる静電気発生手段を有する
インクジェット記録装置の模式図である。
【図9】曲面に凸状インクメニスカスが形成されてなる
インクジェット記録装置の動作説明図である。
【図10】針のような細い部材の先端に凸状インクメニ
スカスが形成されてなるインクジェット記録装置の動作
説明図である。
【図11】本発明のインクジェット記録装置の実施例1
の構成を示す図である。
【図12】図11に示すインクジェット記録装置の記録
ヘッドの斜視図である。
【図13】実施例1〜4の結果を1枚のグラフにプロッ
トした図である。
【図14】実施例7のインクジェット記録装置の構成を
示す図である。
【図15】表8の結果の一部をグラフ化して示した図で
ある。
【図16】静電吸引方式インクジェットの原理説明図で
ある。
【図17】曳糸飛翔のメカニズムを説明する模式図であ
る。
【図18】電圧印加時間とインク転移量の関係を示す図
である。
【図19】外径250μmのノズルから直径10μm弱
の曳糸飛翔を起こさせ、電圧パルスOFF直後の様子を
観察したものである。
【図20】特開昭63−218363号公報に提案され
たインクジェット記録装置の動作原理を説明するための
断面図である。
【図21】特開昭59−41279号公報に提案され
た、凸状のインクメニスカスに電界を作用させることに
よって、インクの液柱を伸長させて印字するインクジェ
ット印字装置の動作プロセスを示す図である。
【符号の説明】
1 加速電極 3 インク 4 記録媒体 5 記録信号発生手段 6 ノズル(信号電極) 7 記録ヘッド 8 インクメニスカス 9 インク室 10 ノズル板 11 絶縁板 12 スペーサ 13 発インク層 14 絶縁性保護膜 15 絶縁部材 16 ロール状部材 61 ドット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 豊 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 末光 裕治 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体を保持する記録媒体保持部と、
    該記録媒体保持部に保持された記録媒体に対向する位置
    に配置され、インクを保持し該記録媒体保持部に保持さ
    れた記録媒体に向かう凸状のインクメニスカスを形成す
    る記録ヘッドと、該記録ヘッドに保持されたインクに前
    記記録媒体保持部に保持された記録媒体に向かう飛翔力
    を与える静電気力を発生する静電気力発生手段とを備
    え、インクメニスカスが前記静電気力発生手段により飛
    翔力を得て変形し、変形したインクメニスカス先端が記
    録媒体に接触してインクの一部が転移することにより画
    像記録を行なうインクジェット記録装置において、 前記静電気力発生手段が作用する以前のインクメニスカ
    ス底面部からインクメニスカス頂上部までの距離をM
    H、インクメニスカス底面部から記録媒体までの距離を
    HGとした時に、1.7≦HG/MH≦3.5の関係を
    満足するよう設定されてなることを特徴とするインクジ
    ェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録ヘッドが、6.2×101 Ω・
    cm以上、かつ4.5×105 Ω・cm以下の抵抗率の
    インクを保持し該インクのメニスカスを形成するもので
    あることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記
    録装置。
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