JP2857435B2 - 非接触型記録装置 - Google Patents

非接触型記録装置

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JP2857435B2 JP32477089A JP32477089A JP2857435B2 JP 2857435 B2 JP2857435 B2 JP 2857435B2 JP 32477089 A JP32477089 A JP 32477089A JP 32477089 A JP32477089 A JP 32477089A JP 2857435 B2 JP2857435 B2 JP 2857435B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ワックス等の相変化記録媒体を利用した非
接触型記録装置に関し、例えば、コピア、プリンター、
FAX等の記録エンジンに適用されるものである。
従来技術 従来技術としては、米国特許第3790703号明細書、特
開昭63−57248号公報、特開昭63−122553号公報などが
ある。米国特許第3790703号明細書には、オリフィスと
オリフィス近傍に設けたスイッチング加熱手段と、エア
ー流により吐出インクを印写面に運ぶ構成が開示されて
いるが、加熱手段を加熱ONしていないときは、オリフィ
ス先端部でインクが固化して目詰り状態が発生する様な
エアー温度の設定は特に示されてない。また、加圧ガス
がインクを吐出さすための力として十分作用する構成に
なっていない。さらに、オリフィスから吐出したインク
が飛散して解像が上がらないばかりでなく、記録媒体の
温度や粘度特性と加圧ガスの温度との関係については何
も触れていない。このため、大きい加熱パワーが必要で
あり、環境温度条件により印写特性が大きく変化し、信
頼性において問題があった。
また、特開昭63−57248号公報には、ノズル口近傍に
設けた加熱手段によりインクの表面張力や粘度を低下さ
せ、静電吸引力により吐出を出やすくしている点は開示
されているが、相変化インクを利用したものではない。
また、特開昭63−122553号公報には、静電気力で吐出
させ、飛翔中にエアーに乗せて印字スピードを上げるも
ので、マルチの構成については開示されているが、相変
化インクを利用したものではない。
上記2件の公開公報のものは、従来の静電吸引方式の
改良であって、相変化を吐出原理に利用したものでな
く、放置時の目詰りや紙面への付着インクのにじみ、ド
ット径の変形等画質低下の問題を残している。又、高電
圧のスイッチングが必要で集積化やコストの点において
も問題がある。
また、米国特許第3653392号明細書及び米国特許第371
5219号明細書には常温で固体であって、加熱することに
より融解して液体となり、インクジェット法により吐出
が可能となるインクの処方が開示されている。しかしな
がら、上記の処方のようなインクを用いて、ヘッド内の
インクを加熱することにより融解した状態でインクジェ
ット法によりインクを吐出せしめることにより得られる
画像は、摩擦や引っかきに対する抵抗力がなく容易に脱
落するものであった。この欠点を解決するための装置と
して特開昭63−205241号公報には印字した後に被記録対
に熱又は/および圧力を加え定着せしめる装置が開示さ
れている。
前述の米国特許第3653392号明細書及び米国特許第371
5219号明細書に開示されているようなホットメルト・タ
イプのインクを用いてインクジェット法にて印字を行な
うと、上質紙,中質紙,電子写真用複写紙,タイプライ
ター用紙,ボンド紙等の普通紙上にも滲みがなく、高濃
度で色再現の良い画像が得られるという、一般に用いら
れている水性インクや油性インクの液体インクでは得ら
れない特徴を有する。しかしながら、ホットメルトイン
クを用いて印字された画像はインクが記録紙中に浸透す
る前にその温度が低下してしまい粘度が高くなったり、
固化したりしてしまい十分な定着性が得られない。特に
画像を摩擦したり、引っかいたりすることにより容易に
画像が脱落してしまうという欠点があった。
この欠点を解決する方法として前述の特開昭63−2052
41号公報の装置が提案されている。ここには記録紙が軟
化点以上に加熱されている状態において印字される例が
示されている。また印字後の画像を加熱したり、圧力を
印加する思想が示されている。しかしながら、ここには
最良の画像を得るためのインクの物性および加熱のため
の条件は何ら示されていない。印字後の画像を単に熱し
たとしても必ずしも良い結果は得られない。
目的 本発明は、上述のごとき欠点を解決するためになされ
たもので、コピアー、プリンター等、記録部エンジンに
おいて、特に、カラー化やディジタル記録を可能にする
もので、普通紙記録に有利な記録装置を提供することを
目的とする。又、非接触記録で直接像形成が可能である
ため、装置の耐久性や信頼性が上がり、小型でコンパク
トな記録装置が可能となる。
又、相変化を利用するインクであり、放置時の乾燥目
詰りという従来の水性インクを利用した各種方式の大き
い問題を根本的に解決すること、さらに、ソリッドイン
ク特有な問題として、インクの紙面への定着性を改良
し、印字品質の信頼性の向上、質感の向上を目的とす
る。
また、適正な温度にコントロールすることで、定着性
と同時に画質低下が発生しないシステムとすること、定
着のための消費エネルギーを小さく押えて、効率向上を
目的とする。
また、上質紙、中質紙、電子写真用複写紙、タイプラ
イター用紙、ボンド紙等一般に用いられている普通紙上
に鮮明な画像が得られ、かつ該画像の定着性が良好であ
るインクジェット記録方法を用いた非接触型記録装置を
提供することにある。
構成 本発明は、上記目的を達成するために、(1)常温で
固体、加熱することによって溶融する高温溶融インクを
用いた非接触型記録装置において、記録紙に付着したイ
ンクを定着するため、記録紙のインク付着の反対面に加
熱手段を設け、該加熱手段に対応してインク付着紙面側
の印写領域内に紙面温度検出手段を設け、該紙面温度検
出手段により検出されたインク付着紙面温度を一定に制
御する制御手段を設けたこと、更には、(2)前記制御
する紙面温度が、前記インクの固体から液体に完全溶解
するまでの温度範囲における転移温度と融点近傍の温度
の間に設定されていること、更には、(3)前記紙面温
度制御手段が、ヘッドからのインクが紙面に付着する位
置、又はその近傍に設けられていることを特徴としたも
のである。特に、紙面に付着したインクを紙面側よりイ
ンクを加熱し、接触面のインクのみを紙面に浸透させ、
定着性能を向上させようとするものである。以下、本発
明の実施例に基づいて説明する。
第1図は、本発明による非接触型記録装置の一実施例
を説明するための構成図で、図中、1は給紙部、2は記
録ヘッド、3は排紙部、4は温度制御部、5は紙面温度
検出部、6は定着ヒータ、7は温度検出素子、8は搬送
ベルトである。
給紙部1からの記録紙が記録ヘッド2の位置に搬送ベ
ルト8により搬送され、インクが記録紙に付着される。
このインクを定着するために、定着ヒータ6、紙面温度
検出部5、温度検出素子7、温度制御部4から成る定着
装置が設けられ、記録紙上のインクが定着されて排紙部
3に送られる。温度検出素子7はバネ力によって定着ヒ
ータ6の方へ圧接されている。ここで使用する記録ヘッ
ドは従来のあらゆる方式のインクジェットが適応可能で
ある。
第2図は、ピエゾオンデマンド方式に用いられる記録
ヘッドの構成図で、(a)は平面図、(b),(c)は
断面図である。図中、9はプリント面、10はピエゾ素
子、11は共同インク室、12は記録ヘッド、13はインク、
14はオリフィスである。この例は、サイクロニクス型と
呼ばれるもので、バイモルフ型のピエゾ素子を振動さ
せ、インク室が収縮した時にはオリフィス14よりインク
液を吐出させ(図(b))、膨張した時にはインク13を
インクタンクより補給して次のインク吐出の準備がなさ
れるものである(図(c))。そして、インクを完全溶
解の状態で、オリフィスへ供給するためのヘッド基板に
密着した加熱ヒータを有する構成となっている。
第3図は、定着装置と記録ヘッドの関係を示す図で、
図中、15は記録ヘッド、16は記録紙、17は回収エアー、
その他第1図と同じ作用をする部分は同一の参照番号を
付してある。記録紙16を水平方向に搬送し、記録ヘッド
15は下向きに構成して下向きにインクを吐出するもので
ある。ここではエアー流を用いたインクの冷却、スイッ
チングヒータにより吐出させるものである。一般に、こ
こで使用する様な高温溶融インクは、低表面張力の化合
物より成り、その値は20〜30dyne/cm程度である。従っ
て、紙面上のインクを融点以上の高い温度に加熱すると
ただちに紙中への浸透が発生し、画像は滲んでしまうこ
とになる。したがって、紙表面温度を検出し、紙の種
類、環境温度の変化にもかかわらず、適正値にコントロ
ールすることにより、定着性の良い高画質が得られるこ
とになる。又、インク付着位置に温度制御手段が設定さ
れているため付着インクは室温レベルまで冷却されるこ
となく紙面側インクを溶融させることが出来、加熱電力
の省エネ化が可能である。
第4図は、ヘッド部の具体例を示す。図中、21は共通
液室、23は気体流路、24はスイッチングヒータ、26は表
面部材、27は断熱材、28はアルミ材、29はアルミナ基
板、31は保持部材、32は気体流路構成部材である。
表面部材26には、温度伝導率が大きく、耐熱性に優れ
ている材料が用いられる。例えば、Al、Al合金、緻密質
アルミナ、サファイア、スピネル、炭化珪素、窒化珪
素、サーメットなどである。また、断熱材27には、温度
伝導率の小さい材料が用いられる。例えば、石英ガラ
ス、ソーダガラス等のガラス類、多孔質アルミナ、フォ
ルステライト、ステアタイト、ジルコン、コージライ
ト、ムライト、ジルコニア等のセラミックス類である。
まず、0.1kg/cm2以上に加圧したエアーを供給し、ス
リット状の2つのエアー流路を合流させ、その後、印字
面に向けて流出さす。このエアー流出口から、印字面ま
では、1〜2mmの距離に設定する。この間を層流を保ち
ながら、エアーを流すには吐出口のエアー流速は、50m/
s以上が必要である。この様な高速エアー流中に、安定
にインクを供給、搬送することを実現するのが本発明の
実施例の構成である。この例では、2つのエアー流路
は、90゜の角度で合流している例を示している。そし
て、この合流点に、インクの吐出スリット部先端を設定
し、加圧供給されたインクがスイッチングヒータONによ
って、低粘度に溶融したインクを吐出し、合流エアーの
内側セーター部に飛翔するものである。
これにより、搬送気体流がスリットから吐出し、紙面
に到達する間、インクを搬送気体流の中心付近に保ちな
がら確実な搬送が可能であり、流路へのインクの蓄積が
無く、信頼性が確保できることになる。
第5図は、本発明のインクジェット記録法に用いるイ
ンクの示差熱分析結果の一例を示す。このインクは、固
体から液体に相転移する際に常温から、完全に溶解する
までの温度範囲で、一つ又は二つ以上の転移温度を有す
る常温で固体のインクである。常温とは、5〜35℃の範
囲であり、この温度から溶融点までに一つ又は二つ以上
の転移温度を有するか否かは示差熱分析(DSC)を行な
うことにより容易に判別できる。すなわち、示差熱分析
において現われる吸熱のピークに相当する温度が転移温
度である。第5図においては、2つの吸熱のピークを示
している。この例に示す様な複数の転移温度を有するの
は、単一化合物によりビークルを達成する場合において
は、部分的に微細な結晶構造を有する常温で固体であっ
て、50〜200℃の範囲で融点を有し、常温から融点まで
の範囲でガラス転移点を有する化合物である場合であ
る。この様な特性を示す化合物の例としては、ポリアク
リス酸エステル類、ポリエチレンオキサイド、エチレン
酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。また、複数の化合
物でインクのビークルを構成する場合で、融点が異なる
2種以上の化合物を混合すると、複数の転移温度が現わ
れる。以上のインクに用いられる化合物は他に、カルナ
バワックス、キャンデリラワックス、鯨ろう、密ろう、
木ろう、ホホバろう等の天然ワックス、テトラフサノー
ル、ヘキサコサノール、等の高級アルコール類、および
それらのエステル類がある。
そして、インク全体が流動性となるための完全溶解温
度は最も高温にある転移温度以上の値であることにな
る。この第5図の特性インクを用いた場合、55.1℃が転
移温度、66.6℃が融点であるため、記録ヘッドの方式又
はインク1ドットの質量、インク熱伝導率、インク比重
によって適正値を選ぶ必要があるが、約55〜70℃の範囲
に紙面制御温度を設定すれば良い。
効果 以上の説明から明らかなように、本発明によると、イ
ンク定着性能の向上による画像の耐久性、質感の向上
と、滲みの無い高画質化が可能となる。また、加熱電力
の省エネ化が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による非接触記録装置の一実施例を説
明するための構成図、第2図(a)〜(c)は、ピエゾ
オンデマンド方式に用いられる記録ヘッドの構成図、第
3図は、定着装置と記録ヘッドの関係を示す図、第4図
は、ヘッド部の具体例を示す図、第5図は、インクの示
差熱分析結果の一例を示す図である。 4……温度制御部、5……紙面温度検出部、6……定着
ヒータ、7……温度検出素子。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】常温で固体、加熱することによって溶融す
    る高温溶融インクを用いた非接触型記録装置において、
    記録紙に付着したインクを定着するため、記録紙のイン
    ク付着の反対面に加熱手段を設け、該加熱手段に対応し
    てインク付着紙面側の印写領域内に紙面温度検出手段を
    設け、該紙面温度検出手段により検出されたインク付着
    紙面温度を一定に制御する制御手段を設けたことを特徴
    とする非接触型記録装置。
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JP5930167B2 (ja) * 2012-01-24 2016-06-08 セイコーエプソン株式会社 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置

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