JPH07274550A - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JPH07274550A
JPH07274550A JP6065102A JP6510294A JPH07274550A JP H07274550 A JPH07274550 A JP H07274550A JP 6065102 A JP6065102 A JP 6065102A JP 6510294 A JP6510294 A JP 6510294A JP H07274550 A JPH07274550 A JP H07274550A
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JP
Japan
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driving force
vibration
elastic body
ultrasonic motor
point
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Application number
JP6065102A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Okazaki
光宏 岡崎
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 2つの駆動力取出部の運動軌跡を等しくする
ことにより、駆動力の伝達効率が向上することを可能に
する。 【構成】 弾性体11と、弾性体11に結合される圧電
素子12,13と、圧電素子12,13により弾性体1
1に縦振動と屈曲振動とを発生させ、それらの合成振動
により生ずる楕円運動によって、弾性体11の所定の位
置から駆動力を取り出す突起部(駆動力取出部)11
b,11cとを備え、突起部11b,11cは、屈曲振
動の腹の位置から内側にλ/7だけずらして設けられて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弾性体に楕円運動を発
生させて駆動力を得る超音波モータに関し、特に、縦振
動モードと屈曲振動モードを2相駆動する超音波モータ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13は、リニア型超音波モータの従来
例を示す図である。従来のリニア型超音波モータは、棒
状弾性体101の一端側に加振用の変成器102が配置
され、他端側に制振用の変成器103が配置されてい
る。各変成器102,103には、振動子102a,1
03aが接合されている。加振用の振動子102aに発
振器102bから交流電圧を印加して棒状弾性体101
を振動させ、この振動が棒状弾性体101を伝播するこ
とにより進行波となる。この進行波により、棒状弾性体
101に加圧接触された移動体104が駆動される。
【0003】一方、棒状弾性体101の振動は、制振用
の変成器103を通じて振動子103aに伝えられ、こ
の振動子103aによって振動エネルギーが電気エネル
ギーに変換される。この振動子103aに接続された負
荷103bにより電気エネルギーを消費することにより
振動を吸収する。この制振用の変成器103により、棒
状弾性体101の端面の反射を抑制して、棒状弾性体1
01の固有モードの定在波の発生を防いでいる。
【0004】図13のリニア型超音波モータは、移動体
104の移動範囲だけ、棒状弾性体101の長さが必要
であり、その棒状弾性体101の全体を加振しなければ
ならず、装置が大型化するとともに、固有モードの定在
波の発生を防止するために、制振用の変成器103など
が必要となる、という問題があった。
【0005】このような問題を解決するために、自走式
の超音波モータが種々提案されており、例えば、「第5
回電磁力関連のダイナミックスシンポジウム講演論文
集」の「222 光ピックアップ移動を目的とした圧電
リニアモータ」に記載されている「異形縮退縦L1−屈
曲B4モード・平板モータ」が知られている。
【0006】図14は、異形縮退縦L1−屈曲B4モー
ド・平板モータの従来例を示す模式図であって、図14
(A)は正面図、図14(B)は側面図、図14(C)
は平面図である。弾性体1は、矩形平板状の基礎部1a
と、その基礎部1aの一方の面に形成された突起部(駆
動力取出部)1b,1cとから構成されている。圧電素
子2,3は、弾性体1の基礎部1aの他方の面に貼付さ
れ、縦振動L1モードと屈曲振動B4モードを発生させ
る素子である。弾性体1の突起部1b,1cは、基礎部
1aに発生する屈曲振動B4モードの腹の位置に設けら
れており、駆動対象物又は固定面などの接触部材4〔図
16(B)参照〕に押し付けられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】まず、本発明者の解析
した結果に基づいて、図14の超音波モータの動作を説
明し、併せて、その問題点に言及する。図15(A)
は、超音波モータに入力される2相の高周波電圧A,B
の時間的変化をt1〜t9で示している。図15(A)
の横軸は、高周波電圧の電圧値を示している。図15
(B)は、超音波モータの断面の変形の様子を示し、超
音波モータに発生する屈曲振動の時間的変化(t1〜t
9)を示している。図15(C)は、超音波モータの断
面の変形の様子を示し、超音波モータに発生する縦振動
の時間的変化(t1〜t9)を示している。図15
(D)は、超音波モータの突起部1b,1cとに発生す
る楕円運動の時間的変化(t1〜t9)を示している。
ここで、Gはグランドである。
【0008】つぎに、従来の超音波モータの動作を、時
間的変化(t1〜t9)ごとに説明する。時間t1にお
いて、図15(A)に示すように、高周波電圧Aは正の
電圧を発生し、同様に高周波電圧Bは同一の正の電圧を
発生する。図15(B)に示すように、高周波電圧A,
Bによる屈曲運動は互いに打ち消し合い、点Y1とZ1
とが振幅零の位置となる。また、図15(C)に示すよ
うに、高周波電圧A,Bによる縦振動は収縮する方向に
発生する。点Y2とZ2とは矢印で示されるように運動
して、節Xを中心にして弾性体が収縮する。その結果、
図15(D)に示すように、上記両振動が複合され、点
Y1とY2との運動の合成が点Yの運動となり、また、
点Z1とZ2との運動の合成が点Zの運動となる。
【0009】時間t2において、図15(A)に示すよ
うに、高周波電圧Bは零となり、高周波電圧Aは正の電
圧を発生する。図15(B)に示すように、高周波電圧
Aによる屈曲運動が発生し、点Y1が正方向に振幅し、
点Z1が負方向に振幅する。また、図15(C)に示す
ように、高周波電圧Aによる縦振動が発生し、点Y2が
時間t1のときよりも弾性体が縮む方向に移動し、点Z
2が元の位置に戻る。その結果、図15(D)に示すよ
うに、上記両振動が複合され、点YとZとが時間t1の
ときよりも左回りに移動する。
【0010】時間t3において、図15(A)に示すよ
うに、高周波電圧Aは正の電圧を発生し、同様に高周波
電圧Bは同一の負の電圧を発生する。図15(B)に示
すように、高周波電圧A及びBによる屈曲運動が合成さ
れて増幅され、点Y1が時間t2のときよりも正方向に
増幅され、最大の正の振幅値を示す。また、図15
(C)に示すように、高周波電圧A及びBによる縦振動
は、点Y2が弾性体の縮み方向に移動し、点Z2が弾性
体の伸びる方向に移動する。その結果、図15(D)に
示すように、上記両振動が複合され、点YとZとが時間
t2のときよりも左回りに移動する。
【0011】時間t4において、図15(A)に示すよ
うに、高周波電圧Aは零となり、高周波電圧Bは負の電
圧を発生する。図15(B)に示すように、高周波電圧
Bによる屈曲運動が発生し、点Y1は時間t3のときよ
りも振幅が低下し、点Z1が時間t3のときよりも振幅
が低下する。また、図15(C)に示すように、高周波
電圧Bによる縦振動が発生し、点Y2が元の位置に戻
り、点Z2が弾性体の伸びる方向に移動する。その結
果、図15(D)に示すように、上記両振動が複合さ
れ、点YとZとが時間t3のときよりも左回りに移動す
る。
【0012】時間t5において、図15(A)に示すよ
うに、高周波電圧Aは負の電圧を発生し、同様に高周波
電圧Bは同一の負の電圧を発生する。図15(B)に示
すように、高周波電圧A,Bによる屈曲運動は互いに打
ち消し合い、点Y1とZ1とが振幅零となる。また、図
15(C)に示すように、高周波電圧A,Bによる縦振
動は伸びる方向に発生する。その結果、図15(D)に
示すように、上記両振動が複合され、点YとZとが時間
t4のときよりも左回りに移動する。
【0013】時間t6〜t9に変化するにしたがって、
上述の原理と同様に屈曲振動及び縦振動が発生し、その
結果、図15(D)に示すように、点Y及び点Zが左回
りに移動し、楕円運動をする。以上の原理により、この
超音波モータは、突起部1a,1bとの先端部に楕円運
動を発生させ、駆動力を発生させる構成となっている。
従って、突起部1b,1cの先端部を接触部材4に加圧
すると、弾性体1は、接触部材4に対して自走する。
【0014】しかし、前述した図14のモータでは、突
起部1b,1cは、屈曲振動が大きい屈曲振動の腹の位
置に設けられていたので、この突起部1b,1cの先端
部に生ずる楕円運動の軌跡1b−1,1c−1は、図1
6(B)に示すように、厳密には、ハの字形に傾いた楕
円となっていた。このように、突起部1b,1cの運動
軌跡1b−1,1c−1が異なるので、例えば、駆動方
向をAとした場合には、駆動方向Aの後方となる突起部
1b(Bの部分)が接触部材4を駆動方向Aと逆方向に
押してしまい、駆動力を効率よく接触部材4に伝達する
ことはできない、という問題があった。
【0015】本発明の目的は、前述の課題を解決し、駆
動力取出部が接触部材に接触するときの運動軌跡を等し
くすることにより、駆動力の伝達効率を向上させること
ができる超音波モータを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明による超音波モータの第1の解決手段は、第
1面とその反対側の第2面を有する弾性体(11)と、
前記弾性体の第1面側に結合される電気機械変換素子
(12,13)と、前記電気機械変換素子により前記弾
性体に縦振動と屈曲振動とを発生させ、それらの合成振
動により生ずる楕円運動によって、前記弾性体の第2面
側の所定位置から駆動力を取り出す駆動力取出部(11
b,11c)とを備えた超音波モータにおいて、前記駆
動力取出部は、前記屈曲振動の腹の位置から内側にずら
して設けられていることを特徴としている。
【0017】また、第2の解決手段は、第1の解決手段
の超音波モータにおいて、前記屈曲振動の腹における前
記縦振動の振幅をaとし、前記屈曲振動の波長をλ、振
幅をbとし、前記駆動力取出部の突出量をhとした場合
に、前記腹の位置を原点する前記駆動力取出部の位置x
Q は、 xQ =(−λ/2π)sin-1〔21/2 λa/(4πb
・h)〕 ただし、21/2 λa/(4πb・h)≦1 によって与えられることを特徴としている。
【0018】第3の解決手段は、第1の解決手段の超音
波モータにおいて、前記駆動力取出部は、前記内側への
ずれ量が前記屈曲振動の波長λの1/4以下であること
を特徴としている。
【0019】
【作用】本発明によれば、駆動力取出部を屈曲振動の腹
の位置から内側にずらしてあり、駆動力取出部が接触部
材に接触するときの各々の運動軌跡を等しくすることが
できるので、駆動効率を向上させることができる。
【0020】
【実施例】以下、図面等を参照して、実施例につき、さ
らに詳細に説明する。図1は、本発明による超音波モー
タの実施例を示した図、図2は、本実施例に係る超音波
モータの駆動力取出部を説明するための図である。弾性
体11は、基礎部11aと、2つの突起部11b,11
cとを有し、その基礎部11aには、縦振動L1モード
と屈曲振動B4モードとを発生させるための圧電素子1
2,13が配置されている。各要素の機能は、前述した
図14に示したものと同様である。弾性体11の材料と
しては、ステンレス、アルミニウム、インバーなどの金
属、樹脂、炭素繊維若しくはガラス繊維等を含有する金
属又は樹脂などがあげられる。
【0021】この実施例では、図1(A)に示すよう
に、突起部11b,11cは、屈曲振動の腹の位置M,
Nからずらして設けられている。具体的には、屈曲振動
M,Nの腹の位置から内側であって、そのずれ量が屈曲
振動の波長の1/7の位置にしてある。また、圧電素子
12,13は、図1(C)のように、分極されており、
前述した図15(A)のような2相の入力電圧A,Bが
印加される。
【0022】図1に示すように、この超音波モータは、
2つの圧電素子12,13に高周波電圧A,Bを印加す
ることによって、屈曲振動と縦振動との複合振動を起こ
し、これにより突起部11b,11cの先端部に楕円運
動を発生させ、駆動力を発生させる構成になっている。
また、2つの圧電素子12,13は、互いに極性が同一
方向になるように分極され、高周波電圧A,Bは、π/
2の時間的位相差を有している。なお、2つの圧電素子
12,13の分極は互いに逆方向であってもよい。
【0023】つぎに、図2を参照して、駆動力取出部の
動作を概念的に説明する。ここでは、簡単のために、縦
振動と屈曲振動の複合振動のうち、屈曲振動のみが発生
していると仮定して説明する。図16(A)に示すよう
に、駆動力取出部1b,1cが屈曲振動の腹に配置され
ている場合には、図2(a)に示すように、駆動力取出
部1b,1cの付け根部と先端部の軌跡は、ほぼ一致す
る。しかし、図1に示す本実施例のように、駆動力取出
部11b,11cが屈曲振動の腹からずらして配置され
ていると、図2(b)に示すように、駆動力取出部11
b,11cに揺動運動が発生する。この揺動運動によっ
て、駆動力取出部11b,11cの先端部にx方向に変
位が生ずる。このとき、y方向の変位も生ずるが、x方
向の変位に比較して、極めて小さい。
【0024】次いで、駆動力取出部11b,11cの軌
跡変化について説明する。駆動力取出部11b,11c
の揺動運動によって生ずる変位は、縦振動で生ずる変位
と同じx方向である。この揺動運動があった場合には、
駆動力取出部11b,11cの先端部の運動軌跡は、付
け根部の縦振動及び屈曲振動と、先端部の揺動運動を合
成したものと考えられる。このとき、駆動力取出部11
b,11cの先端部の揺動運動は、屈曲振動の腹から離
れるほど大きくなり、節に達すると最大になる。また、
付け根部の縦振動は、弾性体11の両端が最も大きく、
中央に近くなるほど小さくなる。
【0025】以上の振動を利用して、駆動力取出部11
b,11cをずらす方向、ずらす量を実験・計算によっ
て求めた結果、本実施例では、駆動力取出部11b,1
1cの両方を、腹の内側に屈曲振動の波長λの約1/7
ずらして配置し、駆動力取出部11b,11cの先端部
の軌跡を、図1(B)に示すように、変化させることが
できた。
【0026】本実施例では、前述のような結果が得るこ
とができたが、弾性体11の形状、材質、駆動力取出部
11b,11cの形状などが変わると、駆動力取出部1
1b,11cの最適な位置も変わる。また、駆動力取出
部11b,11cは、屈曲運動の腹の位置よりも外側に
ずらした場合に、駆動力取出部11b,11cの運動軌
跡は、図1(B)よりもさらに異なる方向へ変化し、駆
動力の伝達効率が低下する。したがって、この振動軌跡
が等しくなる位置は、屈曲振動の腹よりも内側にあるこ
とがわかる。
【0027】この駆動力取出部11b,11cは、屈曲
振動の腹の位置からλ/4ずれた場合に、屈曲振動の節
になるために、屈曲振動の振幅は、小さくなり駆動が不
可能になる。また、取付位置は、屈曲振動の腹よりもλ
/4以上内側になった場合には、縦振動の振幅が小さく
なるので、駆動速度が低下してしまう。したがって、駆
動力取出部11b,11cの取付位置は、図2(c)に
示すような範囲Cにすることが好ましい。この範囲Cの
幅はλ/4、外側の点線は屈曲振動の腹の位置を示して
いる。つまり、範囲Cとは、屈曲振動の腹の位置の内側
で、腹の位置からλ/4の範囲である。また、取付位置
は、屈曲振動の腹に近い方が大きな駆動速度が得られる
ので、その腹になるべく近い取付位置で、2つの駆動力
取出部11b,11cの運動軌跡が等しくなるような弾
性体11の形状、材質、駆動力取出部11b,11cの
形状などに設定することが望ましい。
【0028】次に、本発明の超音波モータの駆動力取出
部の軌跡を理論計算によって求めて、駆動力取出部と屈
曲振動の腹の位置との関係について、図3を用いて、更
に詳しく説明する。まず、弾性体11の中央部Pを固定
した状態を仮定し、L1−B4モードを、L1モードと
B4モードに分けて考える。また、L1モードの振幅を
a、B4モードの波長をλ、振幅をbとする。ここで、
点Qの振動を考えると、L1モードの振動はx方向、B
4モードの振動はy方向であり、従来例のt1 =0とす
ると、点Qの軌跡は、それぞれ式(1)、式(2)によ
って表される。 x=a・sin(ωt−π/4) (1) y=−b・sinωt (2)
【0029】式(1)、式(2)を展開すると、式
(3)、式(4)となる。 x=(21/2 /2)a・sinωt−(21/2 /2)cosωt (3) y=−b・sinωt (4) 式(3)の第1項がなければ、xとyの位相差はπ/2
となり、傾いていない楕円となる。
【0030】従来のように、B4モードの腹に点Qがあ
る場合には、弾性体の点Qでの傾きは、0であるである
ので、点Rの軌跡は、点Qの軌跡と等しい〔図5(a)
参照〕。ここで、駆動力取出部の先端部Rの軌跡のx,
yの位相差をπ/2にするには、点Qと点Rの軌跡の関
係を図4のようにずらすことができればよい。そのため
には、腹より内側〔図5(b)参照〕にすればよいこと
が分かる。このようにすれば、点Qが下のときには、点
Rは点Qよりも左になり、点Qが上のときには、点Rは
点Qよりも右になる。
【0031】いま、図6(a)に示すように、直線QR
=hとし、点Qから鉛直に距離h隔てた点をR0 とした
場合(直線QR=直線QR0 =h)には、
【数1】のようになる。
【0032】
【数1】
【0033】直線QRと直線QR0 のなす角θは、角速
度ωで振動しているので、角θは、式(6)で表すこと
ができる。 θ=θ0 sinωt (6) 弾性体がB4モードのピークに達したときの形状は、図
6(b)に示すようになり、 y=−b・cos〔2π(x/λ)〕 (7) と表されるので、点Qにおける傾きtQ は、式(8)で
表される。 tQ =b・(2π/λ)・sin〔2π(xQ /λ)〕 (8) したがって、点Qでのθの変化は、式(9)となる。 θ0 =tan-1Q ≒tQ (9) 上記式(6),(8),(9)より、 θ=tQ sinωt =b・(2π/λ)・sin〔2π(xQ /λ)〕sinωt (10) となる。これを式(5)に代入すると、式(11)のよ
うになる。
【0034】
【数2】
【0035】この振動が式(3)の第1項を打ち消すた
めには、点Qの位置xQ は、以下のようになる。 (21/2 /2)a+h・b・(2π/λ)・sin〔2π(xQ /λ)〕 =0 (12) sin〔2π(xQ /λ)〕=−21/2 λa/(4πb・h) (13) xQ =(−λ/2π)sin-1〔21/2 λa/(4πb・h)〕 (14) ただし、式(15)を満たす必要がある。 21/2 λa/(4πb・h)≦1 (15)
【0036】ここで、B4モードの波長λを代表値とし
て、h=λ/5、a=b=λ/20000と仮定する
と、 xQ =−0.095λ (原点よりも左側) (16) となる。このときの点Rの軌跡及び点Qの位置を左右に
ずらした場合の点R(図7の〜の点)の軌跡を、図
8〜図12に示す。
【0037】以上の計算結果より分かることは、 (a) 点Qは、腹より内側にずれているほうがよい。 (b) 点Qは、式(14)の位置が最もよい。
【0038】以上説明した実施例に限定されず、種々の
変形や変更が可能であって、それらも本発明に含まれ
る。電気機械変換素子として、圧電素子を例に説明した
が、電歪素子であってもよい。また、縦振動L1−屈曲
振動B4モードの例で説明したが、L1−B2、L1−
B6、L2−B4など他のモードであっても適用でき
る。また、本実施例では、接触部材を固定して、超音波
モータを駆動したが、超音波モータを固定して、接触部
材を移動子としてもよい。
【0039】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、請求項1に
よれば、駆動力取出部を屈曲振動の腹の位置から内側に
ずらしてあり、駆動力取出部が接触部材に接触するとき
の運動軌跡を等しくすることができるので、駆動効率、
つまり駆動力、駆動速度を向上させることができる、と
いう効果がある。
【0040】請求項2によれば、一番理想的な駆動効率
となる。また、請求項3によれば、内側へのずれ量が屈
曲波形の波長の1/4以下であれば、単に、屈曲振動の
腹の位置に駆動力取出部があるものよりも効率がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超音波モータの実施例を示した図
である。
【図2】本実施例の超音波モータの駆動力取出部を説明
する図である。
【図3】本発明による超音波モータの実施例を模式的に
示した図である。
【図4】本実施例の超音波モータの駆動力取出部の付け
根部の軌跡と先端部の軌跡を示した図である。
【図5】本実施例の超音波モータの駆動力取出部の付け
根部と屈曲振動の腹の位置の関係を示す図である。
【図6】本実施例の超音波モータの駆動力取出部のB4
モードがピークの時の波形を示した図である。
【図7】本実施例の超音波モータの駆動力取出部の点Q
の位置を左右にずらした場合を説明する図である。
【図8】本実施例の超音波モータの駆動力取出部の点Q
の位置を左右にずらした場合(QがxQ よりも内側)の
軌跡を示す図である。
【図9】本実施例の超音波モータの駆動力取出部の点Q
の位置を左右にずらした場合(QがxQ の位置)の軌跡
を示す図である。
【図10】本実施例の超音波モータの駆動力取出部の点
Qの位置を左右にずらした場合(QがxQ と腹の間の位
置)の軌跡を示す図である。
【図11】本実施例の超音波モータの駆動力取出部の点
Qの位置を左右にずらした場合(QがxQ と腹の位置)
の軌跡を示す図である。
【図12】本実施例の超音波モータの駆動力取出部の点
Qの位置を左右にずらした場合(QがxQ と腹よりも外
側)の軌跡を示す図である。
【図13】リニア型超音波モータの従来例を示す図であ
る。
【図14】異形縮退縦L1−屈曲B4モード・平板モー
タの一例を示す模式図である。
【図15】図14のモータの動作を説明するための図で
ある。
【図16】図14のモータの駆動力取出部の軌跡を示す
図である。
【符号の説明】
11 弾性体 11b,11c 駆動力取出部 12、13 電気機械変換素子(圧電素子)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1面とその反対側の第2面を有する弾
    性体と、 前記弾性体の第1面側に結合される電気機械変換素子
    と、 前記電気機械変換素子により前記弾性体に縦振動と屈曲
    振動とを発生させ、それらの合成振動により生ずる楕円
    運動によって、前記弾性体の第2面側の所定位置から駆
    動力を取り出す駆動力取出部とを備えた超音波モータに
    おいて、 前記駆動力取出部は、前記屈曲振動の腹の位置から内側
    にずらして設けられていることを特徴とする超音波モー
    タ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の超音波モータにおい
    て、 前記屈曲振動の腹における前記縦振動の振幅をaとし、
    前記屈曲振動の波長をλ、振幅をbとし、前記駆動力取
    出部の突出量をhとした場合に、前記腹の位置を原点す
    る前記駆動力取出部の位置xQ は、 xQ =(−λ/2π)sin-1〔21/2 λa/(4πb
    ・h)〕 ただし、21/2 λa/(4πb・h)≦1 によって与えられることを特徴とする超音波モータ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の超音波モータにおい
    て、 前記駆動力取出部は、前記内側へのずれ量が前記屈曲振
    動の波長の1/4以下であることを特徴とする超音波モ
    ータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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