JPH08140376A - 超音波モータを用いた駆動装置 - Google Patents

超音波モータを用いた駆動装置

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JPH08140376A
JPH08140376A JP6274925A JP27492594A JPH08140376A JP H08140376 A JPH08140376 A JP H08140376A JP 6274925 A JP6274925 A JP 6274925A JP 27492594 A JP27492594 A JP 27492594A JP H08140376 A JPH08140376 A JP H08140376A
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ultrasonic motor
drive device
elastic body
roller
relative motion
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JP6274925A
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Daisuke Satani
大助 佐谷
Michihiro Tobe
通宏 戸部
Tadao Takagi
忠雄 高木
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 線状部材等の相対運動部材との間の相対運動
を効率よく、しかも安定して行うことを可能とする。 【構成】 駆動部に超音波振動を発生する超音波モータ
10と、超音波モータ10の駆動部に接触して回転する
ことにより、相対運動部材4と相対運動を行うローラ部
材32とを含み、ローラ部材32は、超音波モータ10
の駆動部と接触する第1の部分32−1と、相対運動部
材4と接触する第2の部分32−2とが異なる面にあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、線状部材やシート状部
材などを搬送したり、自走するのに適した超音波モータ
を用いた駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超音波モータは、高トルク、良好な制御
性、高保持力、静粛性などの特徴を持っており、円環型
とリニア型に大別される。円環型のモータは、カメラの
AF用モータなどに用いられている。また、リニア型の
モータは、以下のような構造のものが知られている。図
10は、リニア型超音波モータの従来例を示す図であ
る。従来のリニア型超音波モータは、棒状弾性体101
の一端側に加振用の変成器102が配置され、他端側に
制振用の変成器103が配置されている。各変成器10
2,103には、振動子102a,103aが接合され
ている。加振用の振動子102aに発振器102bから
交流電圧を印加して棒状弾性体101を振動させ、この
振動が棒状弾性体101を伝播することにより進行波と
なる。この進行波により、棒状弾性体101に加圧接触
された移動体104が駆動される。
【0003】一方、棒状弾性体101の振動は、制振用
の変成器103を通じて振動子103aに伝えられ、こ
の振動子103aによって振動エネルギーが電気エネル
ギーに変換される。この振動子103aに接続された負
荷103bにより電気エネルギーを消費することにより
振動を吸収する。この制振用の変成器103により、棒
状弾性体101の端面の反射を抑制して、棒状弾性体1
01の固有モードの定在波の発生を防いでいる。
【0004】図10のリニア型超音波モータは、移動体
104の移動範囲だけ、棒状弾性体101の長さが必要
であり、その棒状弾性体101の全体を加振しなければ
ならず、装置が大型化するとともに、固有モードの定在
波の発生を防止するために、制振用の変成器103など
が必要となる、という問題があった。
【0005】このような問題を解決するために、自走式
の超音波モータが種々提案されており、例えば、「第5
回電磁力関連のダイナミックスシンポジウム講演論文
集」の「222 光ピックアップ移動を目的とした圧電
リニアモータ」に記載されている「異形縮退縦L1−屈
曲B4モード・平板モータ」が知られている。
【0006】図11は、異形縮退縦L1−屈曲B4モー
ド・平板モータの従来例を示す模式図であって、図11
(A)は正面図、図11(B)は側面図、図11(C)
は平面図である。弾性体1は、矩形平板状の基礎部1a
と、その基礎部1aの一方の面に形成された突起部1
b,1cとから構成されている。圧電体2,3は、弾性
体1の基礎部1aの他方の面に貼付され、縦振動L1モ
ードと屈曲振動B4モードを発生させる素子である。弾
性体1の突起部1b,1cは、基礎部1aに発生する屈
曲振動B4モードの腹の位置に設けられており、ガイド
レールなどの相対運動部材(不図示)に押し付けられ
る。
【0007】さらに、超音波モータは、2重モード屈曲
振動子を用いたもの等が知られており、その応用とし
て、カード搬送装置や紙送り装置に用いることが提案さ
れている(上羽、富川著、トリケップス刊、p.161
〜165)。このカード搬送装置や紙送り装置では、超
音波モータを用いてローラを回転させ、そのローラに接
触するカードや紙を駆動している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、図11
の超音波モータを用いて線状部材を駆動するために、鋭
意検討を行ったが、以下のような解決すべき課題があっ
た。図12は、図11の超音波モータを用いた駆動装置
の一例(比較例)のローラ部分を示す拡大図である。こ
の駆動装置では、下部ローラ6は、超音波モータの弾性
体1と線状部材4の両方に対して同じ面で接触してい
る。しかし、この例のような構成では、線状部材4の摩
耗粉やにごみ等が下部ローラ6に付着した場合に、その
ごみ等が下部ローラ6と弾性体1の間に入り込んでしま
い、弾性体1と下部ローラ6の接触面の条件が異なって
しまい、駆動効率が低下したり、駆動面が損傷する等の
問題があった。
【0009】また、円筒型のローラ5、6を用いて線状
部材4を駆動する場合に、線状部材4が下部ローラ6に
対して進行方向と直角の方向に横滑りを生じ、最悪の場
合には、線状部材4が下部ローラ6からはずれてしまう
という問題点もあった。
【0010】本発明の目的は、線状部材等の相対運動部
材との間の相対運動を効率よく、しかも安定して行うこ
とができる超音波モータを用いた駆動装置を提供するこ
とである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、駆動部に超音波振動を発生する
超音波モータと、前記超音波モータの駆動部に接触して
回転することにより、相対運動部材と相対運動を行うロ
ーラ部材と、を含む超音波モータを用いた駆動装置にお
いて、前記ローラ部材は、前記超音波モータの駆動部と
接触する第1の部分と前記相対運動部材と接触する第2
の部分とからなることを特徴する。
【0012】請求項2の発明は、請求項1に記載された
超音波モータを用いた駆動装置において、前記ローラ部
材は、前記超音波モータの駆動部と接触する第1の部分
と前記相対運動部材と接触する第2の部分とが異なる面
にあることを特徴とする。
【0013】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
に記載された超音波モータを用いた駆動装置において、
前記ローラ部材の前記第2の部分は、その大きさが前記
第1の部分の直径よりも小さい溝状であることを特徴と
する。
【0014】請求項4の発明は、請求項1又は請求項2
に記載された超音波モータを用いた駆動装置において、
前記ローラ部材の第2の部分は、その大きさが前記第1
の部分の直径よりも大きい車輪状であることを特徴とす
る。
【0015】請求項5の発明は、請求項1〜請求項4の
いずれか1項に記載された超音波モータを用いた駆動装
置において、前記超音波モータは、弾性体と、前記弾性
体に結合される電気機械変換素子とを有し、前記電気機
械変換素子により前記弾性体に縦振動モードと屈曲振動
モードとを発生させ、それらの合成振動により生ずる楕
円運動によって、前記弾性体の駆動部から駆動力を得る
ことを特徴とする。
【0016】
【作用】請求項1の発明によれば、ローラ部材は、第1
の部分が超音波モータの駆動部に、第2の部分が相対運
動部材に、それぞれ接触しているので、相対運動部材側
のごみ等によって、超音波モータの駆動部が汚染される
ことがなく、駆動効率が低下したり、駆動部が損傷した
りすることはない。
【0017】請求項2の発明によれば、第1の部分と第
2の部分とは、異なる面にあるので、相対運動部材と超
音波モータの環境をより確実に分離できる。
【0018】請求項3の発明によれば、第2の部分は、
その大きさを第1の部分の直径よりも小さくしてあるの
で、相対運動部材が線状部材の場合には、横滑りを防止
することが可能になる
【0019】請求項4の発明によれば、第2の部分は、
その大きさを第1の部分の直径よりも大きくしてあるの
で、相対運動部材が面状部材の場合でも駆動することが
でき、また、自走式にすることができる。
【0020】請求項5の発明によれば、超音波モータ
は、縦振動モードと屈曲振動モードの縮退による楕円楕
円運動によって、駆動力を得るので、弾性体の材質など
を制限される場合であっても、超音波モータの駆動力を
相対運動部材に有効に伝達でき、駆動効率を高めること
ができる。
【0021】
【実施例】
(第1実施例)以下、図面等を参照して、実施例につ
き、さらに詳細に説明する。図1は、本発明による超音
波モータを用いた駆動装置の第1実施例を全体的に示し
た模式図であって、図1(A)は正面図、図1(B)は
側面図である。本実施例の駆動装置は、超音波モータ1
0、上部ローラブロック20、下部ローラブロック30
から構成される。上部ローラブロック20は、枠体21
に上部ローラ22,22が回転自在に設けられている。
下部ローラブロック30は、枠体31に下部ローラ3
2,32が回転自在に設けられている。なお、図1にお
いて、分かりやすいように上部ローラブロック20、線
状部材4、下部ローラブロック30は離れた状態で描か
れているが、実際に駆動する場合は線状部材4が上下の
ローラに接触した状態で用いられる。
【0022】図2は、図1から超音波モータ10、上部
ローラ22、線状部材4、下部ローラ32を抜き出して
示した図であって、図2(A)は側面図、図2(B)は
正面図である。下部ローラ32は、線状部材4の直径よ
りも浅い深さの溝33が設けられており、線状部材4
は、溝33の底部に接触する。この溝33は、線状部材
4の横滑りを防止するとともに、下部ローラ32の超音
波モータ10との接触面(第1の部分)32−1と、下
部ローラ32の線状部材4との接触面(第2の部分)3
2−2とを別にするという効果がある。
【0023】図3は、第1実施例に係る駆動装置に用い
られる超音波モータを示す斜視図である。この実施例の
超音波モータ10は、弾性体11と、弾性体11に接合
された5つの圧電体12a、12b、12g、12p、
12p’と、摺動材14等とから構成されている。弾性
体11は、平板状の基礎部11aと、この基礎部11a
の下面に設けられた駆動力取り出しのための突起部11
b、11cとから構成されている。これらの突起部11
b、11cは、駆動時に発生する屈曲振動の腹(振幅最
大の部分)の位置に設けられている。
【0024】圧電体12a、12bは、電気信号を機械
的な変位に変換する電気機械変換素子であり、それぞれ
電気的に位相が90度異なる交流電圧が印加されること
により、弾性体11に縦振動L1モードと屈曲振動B4
モードの振動を発生させて、突起部11b、11cに楕
円運動による駆動力を発生させる。また、圧電体12g
は、導電性塗料13により弾性体11と電気的に短絡さ
れており、グランド電位に接続される。さらに、圧電体
12p、12p’は、機械的変位を電気信号に変換する
機械電気変換素子であり、弾性体11に発生する振動の
状態をモニタして、後述する制御回路45に接続され
る。
【0025】図4は、図3の超音波モータの駆動回路を
示すブロック図である。発振器41は、弾性体11と圧
電体12から構成される振動体の1次の縦振動モードと
4次の屈曲振動モードに相当する周波数の信号を発振す
るためのものである。発振器41の出力は分岐して、一
方の出力は、増幅器43によって増幅された後に、A相
電圧として、圧電体12aの電極に入力される。また、
分岐した他方の出力は、移相器42に接続されており、
この移相器42によって、A相電圧とはπ/2だけ位相
をずらしてB相電圧とした後に、増幅器44を介して、
圧電体12bの電極に入力される。
【0026】制御回路45は、圧電体12p,12p’
の出力電圧が入力されており、予め設定されていた基準
電圧と比較して、p,p’端子の出力の方が小さいとき
には、周波数を低く、また、p,p’端子の出力の方が
大きいときには、周波数を高くするように、発振器41
を制御する。これにより、超音波モータの振動振幅が所
定の大きさに保持される。
【0027】図5は、図3の超音波モータの動作を説明
するための図である。この超音波モータ10は、圧電体
12a、12bに電気的に位相が90度異なる交流電圧
を印加することにより、屈曲振動と縦振動との複合振動
を起こし、弾性体11の突起部11b、11cの先端に
楕円運動を発生させる。そして、弾性体11は、駆動用
の圧電体12a、12bが貼ってある面から加圧部材3
4によって加圧し、突起部11b、11cを下部ローラ
32に接触させ、駆動力を得る。また、2つの圧電体1
2a、12bは、図3(B)のように、互いに極性が同
一方向になるように分極され、印加される高周波電圧
A,Bは、π/2の時間的位相差を有している。なお、
2つの圧電体12a、12bの分極は、互いに逆方向で
あってもよい。
【0028】図5(A)は、超音波モータに入力される
2相の高周波電圧A,Bの時間的変化をt1〜t9で示
している。図5(A)の横軸は、高周波電圧の実効値を
示している。図5(B)は、超音波モータの断面の変形
の様子を示し、超音波モータに発生する屈曲振動の時間
的変化(t1〜t9)を示している。図5(C)は、超
音波モータの断面の変形の様子を示し、超音波モータに
発生する縦振動の時間的変化(t1〜t9)を示してい
る。図5(D)は、超音波モータの突起部11b,11
cとに発生する楕円運動の時間的変化(t1〜t9)を
示している。
【0029】次に、この実施例の超音波モータの動作
を、時間的変化(t1〜t9)ごとに説明する。時間t
1において、図5(A)に示すように、高周波電圧Aは
正の電圧を発生し、同様に高周波電圧Bは同一の正の電
圧を発生する。図5(B)に示すように、高周波電圧
A,Bによる屈曲運動は互いに打ち消し合い、質点Y1
とZ1とが振幅零となる。また、図5(C)に示すよう
に、高周波電圧A,Bによる縦振動は伸張する方向に発
生する。質点Y2とZ2とは矢印で示されるように、節
Xを中心にして最大の伸長を示す。その結果、図5
(D)に示すように、上記両振動が複合され、質点Y1
とY2との運動の合成が質点Yの運動となり、また、質
点Z1とZ2との運動の合成が質点Zの運動となる。
【0030】時間t2において、図5(A)に示すよう
に、高周波電圧Bは零となり、高周波電圧Aは正の電圧
を発生する。図5(B)に示すように、高周波電圧Aに
よる屈曲運動が発生し、質点Y1が正方向に振幅し、質
点Z1が負方向に振幅する。また、図5(C)に示すよ
うに、高周波電圧Aによる縦振動が発生し、質点Y2と
質点Z2とが時間t1のときよりも縮む。その結果、図
5(D)に示すように、上記両振動が複合され、質点Y
とZとが時間t1のときよりも右回りに移動する。
【0031】時間t3において、図5(A)に示すよう
に、高周波電圧Aは正の電圧を発生し、同様に高周波電
圧Bは同一の負の電圧を発生する。図5(B)に示すよ
うに、高周波電圧A及びBによる屈曲運動が合成されて
増幅され、質点Y1が時間t2のときよりも正方向に増
幅され、最大の正の振幅値を示す。質点Z1が時間t2
のときよりも負方向に増幅され、最大の負の振幅値を示
す。また、図5(C)に示すように、高周波電圧A及び
Bによる縦振動が互いに打ち消しあい、質点Y2とZ2
とが元の位置に戻る。その結果、図5(D)に示すよう
に、上記両振動が複合され、質点YとZとが時間t2の
ときよりも右回りに移動する。
【0032】時間t4において、図5(A)に示すよう
に、高周波電圧Aは零となり、高周波電圧Bは負の電圧
を発生する。図5(B)に示すように、高周波電圧Bに
よる屈曲運動が発生し、質点Y1は時間t3のときより
も振幅が低下し、質点Z1時間t3のときよりも振幅が
低下する。また、図5(C)に示すように、高周波電圧
Bによる縦振動が発生し、質点Y2とZ2が収縮する。
その結果、図5(D)に示すように、上記両振動が複合
され、質点YとZとが時間t3のときよりも右回りに移
動する。
【0033】時間t5において、図5(A)に示すよう
に、高周波電圧Aは負の電圧を発生し、同様に高周波電
圧Bは同一の負の電圧を発生する。図5(B)に示すよ
うに、高周波電圧A,Bによる屈曲運動は互いに打ち消
し合い、質点Y1とZ1とが振幅零となる。また、図5
(C)に示すように、高周波電圧A,Bによる縦振動は
収縮する方向に発生する。質点Y2とZ2とは矢印で示
されるように、節Xを中心にして最大の収縮を示す。そ
の結果、図5(D)に示すように、上記両振動が複合さ
れ、質点YとZとが時間t4のときよりも右回りに移動
する。
【0034】時間t6〜t9に変化するにしたがって、
上述の原理と同様に屈曲振動及び縦振動が発生し、その
結果、図5(D)に示すように、質点Y及び質点Zが右
回りに移動し、楕円運動をする。以上の原理により、こ
の超音波モータは、突起部11b,11cとの先端に楕
円運動を発生させ、駆動力を発生させる構成となってい
る。従って、突起部11b,11cの先端をローラ32
に加圧すると、ローラ32は回転する。
【0035】(第2実施例)図6は、第2実施例による
駆動装置の超音波モータを示す斜視図である。なお、以
下に示す各実施例では、第1実施例と同様な機能を果た
す部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜
省略する。第2実施例の超音波モータ10−1は、図3
に示す弾性体11の駆動用の突起部11b、11cを省
略したものである。摺動材14は、それらの突起部11
b、11cが設けられていたのと同じ部分(屈曲振動の
腹の部分)に貼られている。この弾性体11−1は、図
3の弾性体11と比較して、形状が簡単であるために、
加工コストを低くすることができるという利点がある。
【0036】(第3実施例)図7は、本発明による超音
波モータを用いた駆動装置の第3実施例を示す図であっ
て、図7(A)は全体図、図7(B)、(C)はローラ
部分を拡大して示した側面図、正面図である。第3実施
例の駆動装置は、超音波モータ10と、ローラブロック
50等とから構成される。ローラブロック50は、枠体
51にローラ52,52が回転自在に設けられている。
ローラ52は、超音波モータ10−1の相対運動部材4
−1と接触する部分に、その直径よりも大きい直径の車
輪53が設けられており、相対運動部材4−1は、車輪
53の外周に接触する。この車輪53は、ローラ52の
超音波モータ10−1との接触面52−1、ローラ52
の相対運動部材4−1との接触面42−2を別にすると
いう効果がある。
【0037】第3実施例では、超音波モータ10−1
は、ばね54aとねじ54bからなる加圧部材54によ
って、ローラ52に加圧接触しながら、枠体51に支持
されている。
【0038】第3実施例は、図7(A)のような配置で
あれば、ローラ52、52と接する、用紙やカード等の
シート状の相対運動部材4−1の搬送装置とすることが
できる。また、図7(B)、(C)のように逆におけ
ば、相対運動部材4−1を路面と考えて、自走式にする
ことができる。
【0039】(第4実施例)図8は、第4実施例に係る
駆動装置の主要部を示す図である。第4実施例の駆動装
置は、2つの超音波モータ10A,10Bからの出力を
それぞれ下部ローラ32A,32Bに伝達して、各下部
ローラ32A,32Bを連結する小径の連結軸33−1
に、線状部材4を接触させて駆動するようにしたもので
ある。この実施例によれば、2つの超音波モータ10
A,10Bから出力を取り出すことができるので、出力
を増加させることができる。また、連結軸33−1が段
部となっているので、線状部材4が横にずれることはな
い。なお、超音波モータは、3個以上配置するようにし
てもよい。
【0040】(第5実施例)図9は、第5実施例に係る
駆動装置の主要部を示す図である。第5実施例の駆動装
置は、2つの超音波モータ10A,10Bからの出力を
それぞれ下部ローラ32A,32Bに伝達して、各下部
ローラ32A,32Bを連結する連結軸33−2に、線
状部材4を接触させて駆動するようにした点は第4実施
例と同じであるが、連結軸33−2の大きさが、下部ロ
ーラ32A,32Bの直径よりも大きくしてある。従っ
て、線状部材4は、駆動される速度が速くなる。また、
この実施例では、上部ローラ22−1に、ずれ止めとな
る段部22aを設けて、線状部材4のずれを防止するよ
うにした。連結軸33−2によって面状部材を駆動した
り、自走させる構造とすることもできる。
【0041】(変形例)以上説明した実施例に限定され
ず、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明
に含まれる。前述した実施例では、圧電体12gの銀電
極を導電性塗料13により弾性体11と短絡させること
によりグランドを形成したが、圧電体の代わりに金属箔
などを用いてもよい。また、超音波モータは、縦−屈曲
複合振動を利用した超音波モータを用いた例を示した
が、他の原理によって駆動される超音波モータを用いる
場合でもローラの構造を同様のものとすれば、本発明と
同様の効果を得ることができる。
【0042】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、請求項1に
よれば、ローラ部材は、第1の部分が超音波モータの駆
動部に、第2の部分が相対運動部材に、それぞれ接触し
ているので、相対運動部材側のごみ等によって、超音波
モータの駆動部が汚染されることがなく、駆動効率が低
下したり、駆動部が損傷したりすることはない。
【0043】請求項2によれば、第1の部分と第2の部
分とは、異なる面にあるので、相対運動部材と超音波モ
ータの環境をより確実に分離できる。
【0044】請求項3によれば、第2の部分は、その大
きさを第1の部分の直径よりも小さくしてあるので、相
対運動部材が線状部材の場合には、横滑りを防止するこ
とが可能になる
【0045】請求項4によれば、第2の部分は、その大
きさを第1の部分の直径よりも大きくしてあるので、相
対運動部材が面状部材の場合でも駆動することができ、
また、自走式にすることができる。
【0046】請求項5によれば、超音波モータは、縦振
動モードと屈曲振動モードの縮退による楕円楕円運動に
よって、駆動力を得るので、弾性体の材質を制限される
場合であっても、超音波モータの駆動力を相対運動部材
に有効に伝達でき、駆動効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超音波モータを用いた駆動装置の
第1実施例を示した模式図である。
【図2】第1実施例に係る駆動装置のローラ部を示す拡
大図である。
【図3】第1実施例に係る駆動装置の用いられる超音波
モータを示す斜視図である。
【図4】図3の超音波モータの駆動回路を示すブロック
図である。
【図5】図3の超音波モータの駆動動作を説明する図で
ある。
【図6】第2実施例に係る駆動装置の超音波モータを示
した斜視図である。
【図7】本発明による超音波モータを用いた駆動装置の
第3実施例を示した模式図である。
【図8】第4実施例に係る駆動装置の主要部を示す図で
ある。
【図9】第5実施例に係る駆動装置の主要部を示す図で
ある。
【図10】リニア型超音波モータの従来例を示す図であ
る。
【図11】異形縮退縦L1−屈曲B4モード・平板モー
タの一例を示す模式図である。
【図12】図11の超音波モータを用いた駆動装置の一
例(比較例)のローラ部分を示す拡大図である。
【符号の説明】
4 線状部材 4−1 相対運動部材 10、10−1、10A、10B 超音波モータ 11、11−1 弾性体 11a 基礎部 11b、11c 突起部 12a、12b 駆動用の圧電体 12g グランド用の圧電体 12p、12p’ 振動モニタ用の圧電体 13 導電性塗料 14 摺動材 20 上部ローラブロック 22 上部ローラ 30 下部ローラブロック 32 下部ローラ 32−1 第1の部分 32−2 第2の部分 33 溝 33−1、33−2 連結軸 41 発振器 42 移相器 43、44 増幅器 45 制御回路 50 ローラブロック 51 枠体 52 ローラ 53 車輪 54 加圧部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動部に超音波振動を発生する超音波モ
    ータと、 前記超音波モータの駆動部に接触して回転することによ
    り、相対運動部材と相対運動を行うローラ部材と、を含
    む超音波モータを用いた駆動装置において、 前記ローラ部材は、前記超音波モータの駆動部と接触す
    る第1の部分と前記相対運動部材と接触する第2の部分
    とからなることを特徴とする超音波モータを用いた駆動
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された超音波モータを用
    いた駆動装置において、 前記ローラ部材は、前記超音波モータの駆動部と接触す
    る第1の部分と前記相対運動部材と接触する第2の部分
    とが異なる面にあることを特徴とする超音波モータを用
    いた駆動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載された超音
    波モータを用いた駆動装置において、 前記ローラ部材の前記第2の部分は、その大きさが前記
    第1の部分の直径よりも小さい溝状であることを特徴と
    する超音波モータを用いた駆動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載された超音
    波モータを用いた駆動装置において、 前記ローラ部材の第2の部分は、その大きさが前記第1
    の部分の直径よりも大きい車輪状であることを特徴とす
    る超音波モータを用いた駆動装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記
    載された超音波モータを用いた駆動装置において、 前記超音波モータは、弾性体と、前記弾性体に結合され
    る電気機械変換素子とを有し、前記電気機械変換素子に
    より前記弾性体に縦振動モードと屈曲振動モードとを発
    生させ、それらの合成振動により生ずる楕円運動によっ
    て、前記弾性体の駆動部から駆動力を得ることを特徴と
    する超音波モータを用いた駆動装置。
JP6274925A 1994-11-09 1994-11-09 超音波モータを用いた駆動装置 Pending JPH08140376A (ja)

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US08/874,249 US6091179A (en) 1994-11-09 1997-06-13 Vibration actuator drive device and method of use

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5534103A (en) * 1993-10-15 1996-07-09 Japan As Represented By Director General Of Agency Of Industrial Science And Technology Method for bonding of a ceramic body and a metallic body

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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