JPH072736A - 二塩基酸エステルの製造方法 - Google Patents

二塩基酸エステルの製造方法

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JPH072736A
JPH072736A JP14483593A JP14483593A JPH072736A JP H072736 A JPH072736 A JP H072736A JP 14483593 A JP14483593 A JP 14483593A JP 14483593 A JP14483593 A JP 14483593A JP H072736 A JPH072736 A JP H072736A
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dibasic acid
chloride
aliphatic dibasic
acid
alkali metal
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JP14483593A
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Shingo Araki
慎吾 荒木
Kikuo Tsuchiya
幾久郎 土屋
Akihiro Iwamoto
明洋 岩本
Seiji Inagaki
正爾 稲垣
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感熱記録シートの発色を助ける増感剤として
有用な、脂肪族二塩基酸エステルの優れた製造法を提供
する。 【構成】 脂肪族二塩基酸のアルカリ金属塩と、ハロゲ
ン化アルキル、ハロゲン化アラルキルおよびハロゲン化
フェナシルよりなる群から選ばれる少なくとも1種のハ
ロゲン化物とから、脱ハロゲン化アルカリして所望のエ
ステルを製造するに当たり、溶媒として、ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびジメチ
ルスルホキシドよりなる群から選ばれる少なくとも1種
を用いる。 【効果】 シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)その他の
目的物が、工業的に高純度、短時間、高収率で得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリやプリン
ターなどの用紙、ラベル、あるいは自動改札券等に使用
される感熱記録シート用の増感剤として有用な脂肪族二
塩基酸エステルを工業的に、高純度、短時間かつ高収率
で提供する製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カルボン酸とハロゲン化アルキルまたは
ハロゲン化アラルキルとを、塩基性物質であるアミンの
存在下、反応させてカルボン酸エステルを合成する方法
は古くから知られている(例えば、J.Org.Che
m.,Vol.26,5180〜5182(196
1))。また、脂肪族二塩基酸ジアルキルまたはジアラ
ルキルエステルを合成するに際し、脂肪族二塩基酸とハ
ロゲン化アルキルまたはハロゲン化アラルキルとをテト
ラエチルアンモニウムヒドロキシドの存在下、ジメチル
ホルムアミド中で反応させる方法が報告されている(S
yntheticCommunications,Vo
l.2,No.4,215〜219(1972))。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アミン
あるいはテトラエチルアンモニウムヒドロキシド等は高
価であり、また副反応も多く、上記の方法は工業的には
適さない。また、テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ドを用いると生成したエステルが加水分解するおそれが
あり、収率は低下する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる状
況に鑑みて鋭意検討した結果、脂肪族二塩基酸のアルカ
リ金属塩と、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキ
ルおよびハロゲン化フェナシル等のハロゲン化物から選
ばれる少なくとも1種とを、ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミドおよびジメチルスルホキ
シドよりなる群から選ばれる少なくとも1種を溶媒とし
て用いて反応させることにより、脂肪族二塩基酸ジアル
キル、ジアラルキルまたはジフェナシルエステルまたは
それらの混合物を工業的に、高純度、短時間かつ高収率
で製造できることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】すなわち、本発明は、脂肪族二塩基酸のア
ルカリ金属塩と、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラ
ルキルおよびハロゲン化フェナシルよりなる群から選ば
れる少なくとも1種のハロゲン化物とを、ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびジメチ
ルスルホキシドよりなる群から選ばれ少なくとも1種の
溶媒を用いて反応させることを特徴とする、脂肪族二塩
基酸ジアルキル、ジアラルキル、ジフェナシルエステル
等二塩基酸エステルの新規な製造方法に関するものであ
る。
【0006】本発明で用いる脂肪族二塩基酸としては、
例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ノナン−1,9−ジカルボン酸、デカン−
1,10−ジカルボン酸、ウンデカン−1,11−ジカ
ルボン酸、ドデカン−1,12−ジカルボン酸、トリデ
カン−1,13−ジカルボン酸、テトラデカン−1,1
4−ジカルボン酸、ペンタデカン−1,15−ジカルボ
ン酸、ヘキサデカン−1,16−ジカルボン酸、ヘプタ
デカン−1,17−ジカルボン酸、オクタデカン−1,
18−ジカルボン酸、ノナデカン−1,19−ジカルボ
ン酸、エイコサン−1,20−ジカルボン酸等、および
これらの主鎖の水素原子がアルキル基、ハロゲン等で置
換された脂肪族二塩基酸等が挙げられる。
【0007】なかでも、シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、およびセバシン酸が好ましく、シュ
ウ酸が特に好ましい。
【0008】本発明で用いるアルカリ金属塩としては、
リチウム、ナトリウム、およびカリウム塩が挙げられ
る。特に、シュウ酸エステルを製造する場合はカリウム
塩が好ましい。
【0009】本発明で用いるハロゲン化アルキルとして
は、炭素原子数1〜20の直鎖もしくは分岐状アルキル
基の水素原子が塩素、臭素、あるいはヨウ素原子で置換
されたもの等が挙げられる。
【0010】本発明で用いるハロゲン化アラルキルとし
ては、塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジル、
およびこれらのベンゼン環に置換基を有するもの等が挙
げられる。それらの具体例としては、塩化o−メチルベ
ンジル、塩化m−メチルベンジル,塩化p−メチルベン
ジル、塩化o−エチルベンジル、塩化m−エチルベンジ
ル、塩化p−エチルベンジル、塩化o−プロピルベンジ
ル、塩化m−プロピルベンジル、塩化p−プロピルベン
ジル、塩化o−イソプロピルベンジル、塩化m−イソプ
ロピルベンジル、塩化p−イソプロピルベンジル、塩化
o−ブチルベンジル、塩化m−ブチルベンジル、塩化p
−ブチルベンジル、塩化o−イソブチルベンジル、塩化
m−イソブチルベンジル、塩化p−イソブチルベンジ
ル、塩化o−t−ブチルベンジル、塩化m−t−ブチル
ベンジル、塩化p−t−ブチルベンジル、塩化p−オク
チルベンジル、塩化p−ラウリルベンジル、塩化p−ヘ
キサデシルベンジル、塩化2,4−ジメチルベンジル、
塩化2,5−ジメチルベンジル、塩化3,4−ジメチル
ベンジル、塩化3,5−ジメチルベンジル、塩化2,4
−ジエチルベンジル、塩化2,5−ジエチルベンジル、
塩化3,4−ジエチルベンジル、塩化3,5−ジエチル
ベンジル、塩化2,4,6−トリメチルベンジル、塩化
2,4,6−トリエチルベンジル、塩化2,3,4,6
−テトラメチルベンジル、塩化2,3,4,6−テトラ
エチルベンジル、塩化2,3,4,5,6−ペンタメチ
ルベンジル、塩化2,3,4,5,6−ペンタエチルベ
ンジル、塩化o−クロロベンジル、塩化m−クロロベン
ジル、塩化p−クロロベンジル、塩化o−ブロモベンジ
ル、塩化m−ブロモベンジル、塩化p−ブロモベンジ
ル、塩化o−ヨードベンジル、塩化m−ヨードベンジ
ル、塩化p−ヨードベンジル、塩化o−フルオロベンジ
ル、塩化m−フルオロベンジル、塩化p−フルオロベン
ジル、および上記の化合物各々に対応する臭化物とヨウ
化物などが挙げられる。
【0011】なかでも塩化o−メチルベンジル、塩化m
−メチルベンジル、塩化p−メチルベンジル、塩化o−
クロロベンジル、塩化m−クロロベンジル、塩化p−ク
ロロベンジル、およびこれらに対応する臭化物が好まし
く、工業的な観点から塩化p−メチルベンジルおよび塩
化p−クロロベンジルが特に好ましい。
【0012】本発明で用いるハロゲン化フェナシルとし
ては、塩化フェナシル、臭化フェナシル、ヨウ化フェナ
シル、およびこれらのベンゼン環にアルキル基やハロゲ
ンなどの置換基を有するもの等が挙げられる。
【0013】本発明の方法で脂肪族二塩基酸エステルを
製造する際のハロゲン化アラルキル等のハロゲン化物の
使用量は、特に限定的なものではないが、通常、脂肪族
二塩基酸のアルカリ金属塩1モルに対してハロゲン化物
が1.5〜8モルが好ましく、なかでも1.8〜6モル
が特に好ましい。また、後に詳述するが、反応系に微量
のアルカリ性の水を、好ましくは0.001〜1重量
%、存在させることによって、反応速度を高め得るが、
このアルカリ水の不存在下でも、反応は完遂される。
【0014】反応溶媒として使用するジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびジメチルス
ルホキシド等の使用量は特に限定されるものではない
が、通常、ハロゲン化物に対して0.5〜10重量倍で
使用される。これらの溶媒は単独あるいは混合して使用
することができ、場合によっては上記以外の溶媒と混合
して使用することも可能である。なお、上記の溶媒のう
ち、N,N−ジメチルアセトアミドを使用するのが特に
好ましい。
【0015】脂肪族二塩基酸のアルカリ金属塩は、既製
のものを用いることもできるが、好適には、脂肪族二塩
基酸と水酸化アルカリを水または水と有機溶剤の混合溶
媒中で反応させてを合成するのが良く、その場合、少な
くとも脂肪族二塩基酸が水酸化アルカリに対して過剰に
ならないようにして、系を弱アルカリ性にすることが次
のハロゲン化物との反応の速度を速める上で好ましい。
反応させる水酸化アルカリは、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等の塩基性
アルカリ金属塩で置き換えたり、これらと併用すること
も可能である。
【0016】また、この後、脱水するが、反応系の含水
率が0.001〜1重量%の範囲になるようにコントロ
ールすることが好ましい。これらの理由は明らかではな
いが、微量のアルカリ水が脂肪族二塩基酸のアルカリ金
属塩とハロゲン化物との反応に触媒的に関与しているの
ではないかと考えられる。含水率が0.001%より少
ないと触媒的効果が少なくなるものと思われ、また1%
より多いと、生成したエステルがその水のために加水分
解されてしまう。
【0017】なお脱水方法としては、常圧あるいは減圧
で水を蒸発させるのが通常であるが、その際、水と共沸
する有機溶剤、例えばトルエンやシクロヘキサン等を加
えて、水を共沸除去させることも可能である。なお、次
段階のハロゲン化物との反応の溶媒であるジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド等のいずれかをこの段階であらかじめ加えておいても
差し支えない。
【0018】脂肪族二塩基酸のアルカリ金属塩とハロゲ
ン化物との反応の際の温度は、通常50〜150℃の範
囲であり、好ましくは80〜130℃の範囲である。ま
た反応時間は1〜50時間の範囲である。
【0019】反応終了後、生成したエステルが溶解して
いる場合は、副生成物のハロゲン化アルカリをろ過によ
り除去することができる。またエステルが析出している
場合は、冷却してからエステルとハロゲン化アルカリの
混合物をろ過等で取り出し、その後、水洗でハロゲン化
アルカリを除去することができる。なお、場合によって
は反応溶液を濃縮したり、あるいは貧溶媒を加えて生成
物の析出量を増加させる。こうして得られた脂肪族二塩
基酸エステルは、必要に応じて洗浄あるいは再結晶等に
より精製する。
【0020】以上のように本発明の製造方法により脂肪
族二塩基酸ジアルキル、ジアラルキル、およびジフェナ
シルエステルを工業的に、高純度、短時間かつ高収率で
得ることができる。
【0021】
【実施例】次に実施例および比較例により本発明をより
具体的に説明するが、本発明はこれらにより何等限定さ
れるものではない。なお、例中の%はすべて重量基準で
ある。
【0022】実施例1 1000mlの4ツ口フラスコ中で水酸化カリウム6
6.4g(有効成分85%以上)を水200mlに溶解
させ、そこにシュウ酸2水和物をpHが9〜11の範囲
になるように加えてシュウ酸カリウム水溶液を得た。次
にトルエン50gとN,N−ジメチルアセトアミド25
0gを投入し、デイーンスタークトラップをつけて、水
とトルエンとを共沸にて除去した。その時、系内の水分
率は0.08%であった。次に塩化p−メチルベンジル
140gを加え、120℃で8時間かくはんした。この
時点での反応収率をガスクロマトグラフィにてチェック
したところ、93.5%であった。次に50℃まで冷却
した後、副生成物の塩化カリウムをろ過により除去し、
ろ液にシクロヘキサン100gを投入した。室温まで冷
却して、析出した無色板状結晶をろ過し、シクロヘキサ
ン100gで洗浄した後、減圧乾燥し、目的とするシュ
ウ酸ジ(p−メチルベンジル)エステル136gを得た
(得量率91.2%。純度99.8%。融点101.7
〜102.9℃)。
【0023】実施例2 実施例1と同様にしてシュウ酸カリウム水溶液を得た
後、トルエン50gとジメチルスルホキシド250g投
入し、同様に水とトルエンとを共沸にて除去した。その
時、系内の水分率は0.07%であった。次に塩化p−
クロロベンジル159gを加え、120℃で10時間か
くはんした。この時点での反応収率をガスクロマトグラ
フィにてチェックしたところ、91.7%であった。実
施例1と同様に後処理して、目的とするシュウ酸ジ(p
−クロロベンジル)エステル152gを得た(得量率8
9.5%。純度99.7%。融点118.8〜119.
8℃)。
【0024】実施例3 塩化p−メチルベンジル140gのかわりに塩化ベンジ
ル126gを加えた以外は実施例1と同様に反応を行っ
た。反応収率は93.3%であった。次に35℃まで冷
却した後、副生成物の塩化カリウムをろ過により除去
し、ろ液にノルマルヘキサン100gを投入した。室温
まで冷却して、析出した無色板状結晶をろ過し、ノルマ
ルヘキサン100gで洗浄した後、減圧乾燥し、目的と
するシュウ酸ジベンジルエステル122gを得た(得量
率90.3%。純度99.7%。融点80.2〜81.
2℃)。
【0025】実施例4 1000mlの4ツ口フラスコ中で水酸化ナトリウム4
2.1g(有効成分95%以上)を水200gに溶解さ
せ、そこにアジピン酸をpHが9〜11の範囲になるよ
うに加えてアジピン酸ナトリウム水溶液を得た。次にト
ルエン50gとN,N−ジメチルホルムアミド250g
を投入し、デイーンスタークトラップをつけて、水とト
ルエンとを共沸にて除去した。その時、系内の水分率は
0.06%であった。次に塩化o−クロロベンジル15
9gを加え、110℃で24時間かくはんした。この時
点での反応収率をガスクロマトグラフィにてチェックし
たところ、90.2%であた。次に反応溶液から減圧蒸
留にてジメチルホルムアミドを120g除去し、10℃
で24時間放置下後、析出した無色板状結晶を塩化ナト
リウムと共にろ過した。この混合物を水洗することによ
り塩化ナトリウムを除去し、さらにメタノール100g
で洗浄下後、減圧乾燥し、目的とするアジピン酸ジ(o
−クロロベンジル)エステル183gを得た(得量率8
8.4%。純度99.8%。融点87.4〜88.5
℃)。
【0026】実施例5 シュウ酸2水和物のかわりにグルタル酸を、また塩化p
−メチルベンジル140gのかわりに塩化フェナシル1
61gを用い、さらに反応を100℃で15時間かけた
以外は実施例1と同様に反応を行った。反応収率は9
1.5%であった。次に反応溶液から減圧蒸留にてN,
N−ジメチルアセトアミドを120g除去し、10℃で
24時間放置下後、析出した無色板状結晶を塩化カリウ
ムと共にろ過した。この混合物を水洗することにより塩
化カリウムを除去し、さらにメタノール100gで洗浄
下後、減圧乾燥し、目的とするグルタル酸ジフェナシル
エステル164gを得た(得量率89.2%。純度9
9.6%。融点105.2〜106.3℃)。
【0027】実施例6 1000mlの4ツ口フラスコ中で実施例1と同量のシ
ュウ酸2水和物をN,N−ジメチルアセトアミド200
gに溶解させ、そこに水200gに水酸化カリウム6
6.4gを溶かした水溶液を加えた。次にトルエン50
gを投入し、実施例1と同様に水とトルエンを共沸除去
した。系内の水分率は0.07%であった。次に塩化p
−メチルベンジル140gを添加し、110℃で11時
間かくはんした。反応収率は93.4%であった。次に
50℃まで冷却した後、副生成物の塩化カリウムをろ過
により除去し、ろ液にリグロイン100gを投入した。
室温まで冷却して、析出した無色板状結晶をろ過し、リ
グロイン100gで洗浄した後、減圧乾燥し、目的とす
るシュウ酸ジ(p−メチルベンジル)エステル135g
を得た(得量率90.5%。純度99.9%。融点10
1.8〜102.9℃)。
【0028】実施例7 シュウ酸カリウム水溶液のpHが5〜7の範囲になるよ
うにシュウ酸2水和物を加えた以外は実施例1と同様に
して反応を行った。120℃で8時間かくはんした後の
反応収率は75.3%であったので、さらに2時間かく
はんしたところ、反応収率は93.4%になった。後処
理は実施例1と同様に行い、目的とするシュウ酸ジ(p
−メチルベンジル)エステル134gを得た(得量率8
9.8%。純度99.8%。融点101.7〜102.
9℃)。
【0029】実施例8 系内の水分率を2.5%にした以外は実施例1と同様に
して反応を行った。120℃で8時間かくはんした後の
反応収率は87.7%であり、残りは未反応の塩化p−
メチルベンジルと加水分解生成物のp−メチルベンジル
アルコールであった。後処理は実施例1と同様に行い、
目的とするシュウ酸ジ(p−メチルベンジル)エステル
127gを得た(得量率85.1%。純度99.7%。
融点101.7〜102.9℃)。
【0030】比較例1 N,N−ジメチルアセトアミドのかわりにN−メチルピ
ロリドンを用いた以外は実施例1と同様にして反応を行
った。120℃で8時間反応させた後の反応収率をガス
クロマトグラフィにてチェックしたところ、18.5%
であり、残りは未反応の塩化p−メチルベンジルであっ
た。
【0031】比較例2 N,N−ジメチルアセトアミドのかわりにキシレンを用
いた以外は実施例1と同様にして反応を行った。120
℃で8時間反応させた後の反応収率は1.2%であり、
残りは未反応の塩化p−メチルベンジルであった。
【0032】比較例3 1000mlの4ツ口フラスコに無水シュウ酸40.5
g、トリエチルアミン101g、塩化p−メチルベンジ
ル140g、およびN,N−ジメチルアセトアミド25
0gを仕込み、120℃で8時間かくはんした。反応収
率をガスクロマトグラフィにてチェックしたところ、7
4.8%であり、残りは未同定の副生成物であった。
【0033】比較例4 シュウ酸2水和物のかわりにテトラエチルアンモニウム
ヒドロキシドを用いた以外は実施例3と同様にして反応
を行った。120℃で8時間反応させた後の反応収率を
ガスクロマトグラフィにてチェックしたところ、73.
3%であり、残りは未同定の副生成物および加水分解生
成物のp−メチルベンジルアルコールであった。
【0034】
【発明の効果】本発明の脂肪族二塩基酸エステルの新規
な製造方法によれば、工業的に、高純度、短時間かつ高
収率で脂肪族二塩基酸エステルを製造することができ
る。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族二塩基酸のアルカリ金属塩と、ハ
    ロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキルおよびハロゲ
    ン化フェナシルよりなる群から選ばれる少なくとも1種
    のハロゲン化物とを、ジメチルホルムアミド、N,N−
    ジメチルアセトアミドおよびジメチルスルホキシドより
    なる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒を用いて反応
    させることを特徴とする、脂肪族二塩基酸ジアルキル、
    ジアラルキル、ジフェナシルエステル等の二塩基酸エス
    テルの製造方法。
  2. 【請求項2】 反応系にアルカリ性の水を0.001〜
    1重量%共存させることを特徴とする請求項1記載の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 脂肪族二塩基酸と、水酸化アルカリおよ
    び塩基性アルカリ金属塩の一方または両方とを、水また
    は水と有機溶剤の混合溶媒中で反応させて脂肪族二塩基
    酸のアルカリ金属塩を合成した後、反応系の含水率が
    0.001〜1重量%の範囲になるように脱水し、次い
    でハロゲン化物を反応させることを特徴とする請求項1
    または2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 脂肪族二塩基酸が水酸化アルカリおよび
    /または塩基性アルカリ金属塩に対して過剰にならない
    ように0.4〜0.5モル当量の範囲で反応させて、系
    を弱アルカリ性にすることを特徴とする請求項3記載の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 脂肪族二塩基酸がシュウ酸および炭素数
    1〜8の直鎖アルキレン基を有するα,ω−ジカルボン
    酸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つ
    に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 脂肪族二塩基酸のアルカリ金属塩がカリ
    ウム塩であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    1つに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 脂肪族二塩基酸のアルカリ金属塩に対し
    てハロゲン化物を1.5〜8モル当量の範囲で反応させ
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
    ルアセトアミドまたはジメチルスルホキシドの使用量
    が、ハロゲン化物に対して0.5〜10重量倍であるこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 ハロゲン化アラルキルが置換基を有して
    いてもよい塩化ベンジルである請求項1〜8のいずれか
    1つに記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 置換基を有する塩化ベンジルが塩化p
    −メチルベンジルである請求項9記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 置換基を有する塩化ベンジルが塩化p
    −クロルベンジルである請求項9記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000052077A1 (fr) * 1999-03-03 2000-09-08 Ube Industries, Ltd. Procede de production de polycarbonate
JP2010531852A (ja) * 2007-07-02 2010-09-30 シンケム フェノフィブラートの新規合成法
CN108299196A (zh) * 2018-02-10 2018-07-20 潍坊大有生物化工有限公司 一种热敏增感剂对甲基苯甲醇草酸二酯的合成方法

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