JPH0727335Y2 - 移動間仕切りの固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は移動間仕切りの上・下圧接部材を張出して所定
位置にて固定するための装置に関するものである。

（従来技術） 移動間仕切りはその上部に吊車を装着していて、該吊車
が天井に配設されたレールを転がり走行することにより
間仕切りは移動出来る。そして、該間仕切りは所定位置
にて動かないように固定されることが必要であって、そ
のため間仕切りの上・下端には圧接部材が取着されてい
て、上圧接部材を天井レールに、下圧接部材を床面にそ
れぞれ圧接することで固定している。

ところで、上記圧接部材を張出しする装置として間仕切
りの固定装置が用いられる訳であるが、従来のこれら装
置には問題があった。移動間仕切りの固定装置に求めら
れるものは、間仕切りの固定並びに解除が手軽に行わ
れ、しかも一旦固定した間仕切りは多少の外力が作用し
ても安定して動かないことが必要である。

例えば、ジャッキ機構を採用した固定装置は最も基本的
な装置であるが、周知の通り、ハンドルの回転操作に時
間がかかってしまい、間仕切りの枚数が多くなれば大変
な重労働となってしまう。そこで近年に至っては非常に
手軽に、例えば、ワンタッチ式に間仕切りの固定が行な
える固定装置が開発されている。実開昭61−117892号に
係る「間仕切り用パネルの接天接床装置」もその１例で
あり、該装置は接天部材及び接床部材（圧接部材）に常
時張出するようなバネ力を押出しスプリングによって付
勢し、移動する場合には押し下げ桿を押し下げてスプリ
ングを圧縮することにより、上記両部材の圧縮を解除す
る方法が採られている。逆に固定する場合にはプッシュ
ボタンを押すことでバネ力が再び作用するように構成し
ている。間仕切りの固定並びに解除操作は比較的簡単で
あるが、プッシュボタン操作による固定時には瞬間的な
バネ力の作用で大きな衝撃音を発生する。

又特公昭54−43960号に係る「可動間仕切」や実公昭55
−14698に係る「可動式間仕切パネルにおける操作アー
ム装置」も従来知られている固定装置であって、その固
定並びに解除操作は比較的容易であるが、これら従来の
各固定装置はリンク機構を応用し、レバーによって操作
しているため、より小さい力で操作する場合には大きく
レバーを動かさなければならず、逆にレバーの小さい動
きで操作するには大きな力が必要となる。しかもこれら
の装置では、圧接部材のストローク長さ（天井レール及
び床面との隙間）にかかわらず、レバー操作は同じであ
って、時には大きな力を加えて無理に圧接することもあ
り、逆に圧接力が小さくて安定した固定が出来ないこと
も多い。すなわち、上記レバー操作にて圧接部材を張出
しする従来装置では、適度な圧接力が作用したところ
で、レバーを停止することは出来ない。

一方、特開昭63−32043号に係る「釣設パネルの固定及
び遮音装置」が知られており、該装置はウオームギヤを
用い、ウオームをハンドルにて回転させれば、ウオーム
ギヤが回転して該ウオームギヤに連結したロッドを押し
出すように作用する。したがって、該ロッドに作用する
反力がウオームギヤに加わってもウオームを回転するこ
とは出来ず、そのため圧接部材に適当な圧力が負荷され
たところで停止することが出来、しかも圧接力がひとり
でに解除されることもない。又ウオームギヤを介しての
ハンドル操作であるため、非常に軽いといった利点はあ
るが、その分だけハンドル操作に時間がかかり、ワンタ
ッチ式の間仕切り固定装置とはならない。

一方、固定を解除する場合には、ウオームを逆回転しな
いで、ハンドルを押し下げすることによってウオームを
ウオームギヤから分離することができる構造となってい
るため、ウオームギヤはバネの反力によって直ちに逆回
転して圧接部材は解除される。しかし、瞬間的な固定の
解除であるため、大きな衝撃音が発生する。

更に従来の固定装置はそれぞれの間仕切り専用として構
成されるため、汎用性はなく、コストも高くなってい
る。

（本考案の目的） このように、従来の移動間仕切りの固定装置には上記の
ごとき問題がある訳で、本考案はこれら問題点の解決を
目的とする。

すなわち、常に適切な圧接力が得られるとともに、簡単
な操作で間仕切りの固定並びに解除が行われ、これら固
定・解除操作が静かに行い得る固定装置を、更に汎用性
があってコスト的にも安い固定装置を提供する。

（本考案の構成） 本考案の移動間仕切りの固定装置は、上記問題点の解決
を図るために、次の特徴をもって構成されている。すな
わち、天井レール及び床面に圧接する圧接部材に関して
は任意であって、本考案では圧接部材を張出すための固
定装置をユニット化し、あらゆる間仕切りやドアの固定
装置として適用できるよう構成し、汎用性があり、コス
トの削減を図る。該固定装置は間仕切り本体から分離・
独立した形態で構成されるため、独立したフレームを持
ち、該フレームに各部品が取着される。

ところで、フレームの中央には回転板を設け、該回転板
の中心を基準とした対称位置に連結板の一端を屈曲自在
に連結して、その他端をスライダーに止着している。ス
ライダーは上記フレームをガイドとして上下方向にスラ
イド可能な部材であって、スライダーからは圧接部材を
張出しするための連結棒を伸ばしている。勿論、該連結
棒を本装置の構成部品とせずに、スライダーに止着可能
としてもよい。そして、上記回転板と同軸を成してウオ
ームギヤが設けられ、該ウオームギヤにはウオームが噛
み合い、更にウオームの軸には小歯車が取着され、該小
歯車は大歯車と噛み合っている。更に該大歯車からはハ
ンドル軸が伸びてフレームから突出している。

（作用） このように間仕切りの固定装置を構成しており、上記ハ
ンドル軸を回転すれば大・小歯車を介してウオームが回
り、該ウオームと噛み合っているウオームギヤが回転す
る。そこで、ウオームギヤとともに回転板が回動すれば
連結板を介してスライダーが上・下方向に移動する。ス
ライダーからは連結棒が伸びていて、連結棒の先端にて
連結する圧接部材を圧接又は解除する。そして、圧接部
材に作用する圧接力が適度なところでハンドル操作を停
止することが出来る。本考案では上記圧接部材に作用す
る圧接力を一定化するため、一定以上のトルクがハンド
ル軸に作用した場合には、それ以上のトルクが加わらな
いように、トルク調整器を適当な箇所に設けることも出
来る。

以下、本考案に係る実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。

（実施例） 第１図ａ、ｂは本考案に係る移動間仕切りの固定装置を
示す実施例である。同図において１はフレーム、２は回
転板、３は連結板、４はスライダー、更に５はウオーム
ギヤ、６はウオームを示している。上記回転板２はウオ
ームギヤ５と同軸上に固定され、ウオームギヤ５が回転
すれば同じく回転板２は回動する。該回転板２の両先端
には連結板3a、3bがピン7a、7bを軸として屈曲自在に連
結され、これら連結板3a、3bの他端はフレーム１をガイ
ドとして上・下動可能な状態で取着されているスライダ
ー4a、4bに連結している。該スライダー4a、4bからは連
結棒8a、8bが伸び、連結棒8a、8bの先端は圧接部材と直
接又は間接的に圧接調整器を介して連結している。

上記ウオームギヤ５はウオーム６と噛み合い、ウオーム
６と同じ軸上には小歯車９が固定され、該小歯車９とは
大歯車10が噛み合い、該大歯車10はハンドル軸11に固定
されている。勿論、上記ハンドル軸11、大・小歯車９、
10及びウオームギヤ５、更にウオーム６はフレーム１に
軸支され、自由な回転が許容される。

第２図ａ、ｂは上記ハンドル軸11を回転させた場合の状
態であって、ハンドル軸11が回転すれば大・小歯車９、
10を介してウオーム６が回る。この場合、大・小歯車
９、10の歯数比を限定しないが、2:1の比率としてハン
ドル軸11の１回転でウオーム６が約２回転するように構
成している。そして、ウオーム６の回転はウオームギヤ
５を回し、その結果、回転板２を回動して連結板３によ
りスライダー４を移動させる。

第３図は引戸付き移動間仕切りに具体例であって、間仕
切りを所定の位置に固定した場合であっても、引戸12
a、12bを開閉することが出来る。そして本考案の固定装
置は縦桟13a、13bの２箇所に内蔵され、同図Ａ部にそれ
ぞれ取着される。固定装置の前記ハンドル軸11先端は該
縦桟13に設けた孔14に位置し、孔14にハンドルを挿入し
てハンドル軸11を回転する。同図において間仕切りの上
端には吊車15が装着され、又圧接部材16a、16bが上・下
端に設けられる。上記固定装置によって圧接部材16を作
動する機構は従来装置と同じであるため、その説明は省
略する。

本考案の固定装置をこのように構成したことで、次のよ
うな効果を得ることが出来る。

（効果） （１）本考案の固定装置は間仕切り本体のフレームとは
別に、分離・独立したフレームを使用し、該フレームに
必要な部品を組み込んで構成するため、該固定装置は汎
用性があるとともに、間仕切りへの取付作業が便利であ
って、コストの大幅な消滅が出来る。

（２）又該固定装置にはウオームギヤ機構を用いている
ため、圧接部材に作用する圧接力が適切なところで停止
することが出来るため、床面レベルに多少の違いがあっ
ても何ら支障なく間仕切りの固定が行える。そして、圧
接力が緩むこともなく、固定・解除時のハンドル操作は
軽く、大・小歯車の使用によって手軽に行い得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の固定装置を示す実施例でありａは正面
図、ｂは側面図、第２図ａ、ｂはハンドル軸を回転して
圧接部材を圧接した状態を、更に第３図は引戸を装着し
た移動間仕切りの具体例をそれぞれ示している。 １……フレーム、２……回転板、 ３……連結板、４……スライダー、 ５……ウオームギヤ、６……ウオーム、 ７……ピン、８……連結棒 ９……小歯車、10……大歯車、 11……ハンドル軸、12……引戸、 13……縦桟、14……孔、 15……吊車。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】移動間仕切り等の本体に取着可能なフレー
   ムを有し、該フレームの中央にはウオームギヤを軸支
   し、該ウオームギヤと同軸上に回転板を固定し、その軸
   を基準とした対称位置にピンを介して連結板を屈曲自在
   に連結し、該連結板の他端はフレームに設けたガイドに
   沿って上・下方向に移動可能な状態で取着したスライダ
   ーに止着し、又上記ウオームギヤと噛み合うウオームを
   該フレームに軸支するとともに、同軸には小歯車を固定
   し、該小歯車には大歯車を噛み合わせて大歯車からハン
   ドル軸を伸ばし、更に上記スライダーからは間仕切り本
   体に取着した圧接部材へ伸びる連結棒を設けたことを特
   徴とする移動間仕切りの固定装置。
2. 【請求項２】上記ハンドル軸、又はウオーム軸、時には
   ウオームギア軸にトルク調整器を取着した実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の移動間仕切りの固定装置。