JPH0727293Y2 - 建 材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、壁や床などに張り付ける建材に関するもの
である。

〔従来の技術〕

壁や床に張り付ける板状の建材には、石板が用いられ
る。

壁に石板を張り付ける場合、実開昭62−182305号公報に
示すように、まず、最下段ガイドレールのスライダのピ
ンに板状体の下縁面の凹孔を嵌め合わせたのち、中段ガ
イドレールのスライダに上方から挿通したピンの下部を
前記板状体の上縁面の凹孔に嵌入させて最下段の板状体
の上下縁を支持し、次いで中段ガイドレールのスライダ
のピンに板状体の下縁面の凹孔を嵌め合わせたのち、板
状体の上側中段ガイドレールのスライダに上方から挿通
したピンの下部を前記板状体の上縁面の凹孔に嵌入させ
て中段の板状体の上下縁を支持し、以上の繰返しにより
板状体を順次上方に張り付けながら、最上段板状体の上
縁面の凹孔に最上段ガイドレールのスライダに上方から
挿通したピンの下部を嵌入して、最上段板状体の上縁を
支持する。

また、床に石板を張り付ける場合、砂にセメントを混入
したモルタルを敷き、その上に載置した石板を木ハンマ
などにより軽打しながら傾きなどを修正する。

〔考案が解決しようとする課題〕

板状体（石板）の上下縁面にピンの嵌入用凹孔を設ける
ので、板状体の板厚を薄くすることができない。

このため、板状体が重く、取り扱いが困難になると共
に、建物の重量が著しく増加するなどの問題があった。

また、モルタルの搬入及び敷きならし作業や傾き修正に
より著しく手数がかかると共に、熟練を必要とする問題
があった。

さらに、石板を薄くすると割れるので、石板が厚くな
り、重量増加などの点で問題もあった。

そこで、この考案は軽量にし、かつ壁や床への張り付け
が容易になるようにした建材を提供することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、この考案は前面が開放す
る金属製の方形状ケースと、このケースに流し込んで固
化させると共に、上記ケースの開放前縁から表面部を突
出させた人造石板と、ケース内に上記流し込んだ人造石
板に埋没係合するよう設けた係合部材と、ケースの裏面
対向する二辺近傍に上記ケースの裏面に所定の間隔を存
して辺縁の方向に向くよう設けたフックとで構成したも
のである。

また、前面が開放する金属製の方形状ケースと、このケ
ースに流し込んで固化させると共に、上記ケースの開放
前縁から表面部を突出させた人造石板と、ケース内に上
記流し込んだ人造石板に埋没係合するよう設けた係合部
材と、ケースの少なくとも対向する二辺縁から突出させ
た釘止め片とで構成したものである。

〔作用〕

壁や床に建材を張り付ける場合、まず施工面に所定の間
隔を存して平行するバー材を取付ける。

次いで、このバー材の係合板をフックの内側（フックと
ケースの裏面との間隙）に嵌入して係合させる。

また、施工面に片を釘止めして順次建材を張り付ける。

〔実施例〕

以下、この考案に係る第１の実施例の建材を説明する。

図において、１は前面が開放する金属製の方形状ケース
である。

上記のケース１は、第１図に示すように底壁２と、この
底壁２の各辺縁から連なって上記底壁２の一面側に突出
する周壁３とで構成されている。

４はケース１の前縁から表面部が突出するようにして上
記ケース１内に流し込んで固化させた人造石板である。

上記の人造石板４は、大理石などの破砕石片とセメント
との混練物を流し込んで固化させると共に、固化後に表
面を研磨して仕上げる。

５はケース１内に設けて上記流し込み固化する人造石板
４に埋設係合させた係合部材で、この係合部材５によっ
てケース１から人造石板４が脱落するのを防止する。

上記の係合部材５は、第１図に示すようにケース１の底
壁２に半円弧状の切込み６を入れて切り起したが、別の
波状屈曲板などをケース内にスポット溶接により固着し
てもよい。

７はケース１の裏面対向する二辺縁近傍に上記ケース１
の裏面に所定の間隔を存して辺縁の方向に向くよう設け
たフックである。

上記のフック７は、第１図に示すようにケース１の強度
をそこなわないよう点在的に配置してプレスにより底壁
２にコ字状の切込み８を入れて切り起したが、壁に張り
付ける場合、床のように大きな強度が要求されないの
で、辺縁に沿って一本の長いフックを切り起しにより設
けてもよい。

なお、別に設けてあるフックをケースに溶接などにより
取付ける場合もある。

上記のように構成された建材Ａを壁面11に張り付ける場
合、第２図に示すように、まず壁面11に上下に所定の間
隔を存してバー材12を固着する。

上記のバー材12は、壁面11に釘13を介し取付ける帯状の
座板14と、この座板14の両側縁から連なって上記座板14
の表面側で対向する側板15と、この両側板15から連なっ
て互に相反する方向に突出すると共に、上記座板14に平
行する係合板16とで構成されている。

なお、上記のバー材にかえてＨ状の型材を用い、平行す
る一方の板の両側縁部を係合板としてもよい。

次いで、持ち上げた建材Ａの上縁側に位置するフック７
を上段バー材12の下位係合板16の裏面に差し込み、即
ち、フック７と底壁２との間に係合板16を差し込む。

そして、下段バー材12の上位係合板16の直上に建材Ａの
下縁側のフック７を臨ませたのち、上記持ち上げた建材
Ａを降下させながら、下段バー材12の上側係合板16に底
壁２とフック７との間隙が嵌り込むよう落し込む。

上記の繰り返しにより順次建材Ａを張り付ける。

なお、建材Ａの各対向する辺縁間の間隙には、目地材17
が充填される。

また、床面18に建材Ａを張り付ける場合は、第３図に示
すように壁面11と同様に床面18にバー材12を固定して、
上記と同様に両係合板16の裏面にフック６を差し込んで
係合させる。

なお、建材Ａの対向する辺縁の間隙には、接着剤19が充
填される。

次に第２実施例の建材を説明する。

第２実施例の建材Ａは、第１実施例のようにフック７を
用いないで施工面に直接取付けるようにしたものであ
り、第４図に示すようにケース１の少なくとも対向する
二辺縁から釘止め片９を突出させてある。

上記の釘止め片９は、図示の場合周壁３に二条の切込み
10を入れて、この切込み10間を外方に打ち出して底壁２
の板面と面一になっている。

上記のように構成すると、施工面11′に片９を釘20止め
して建材Ａを取付けることができる。

なお、図示の場合各辺（四辺）に片９を設けたが、対向
する二辺縁のみに設けてもよい。

また、施工面11′に取付けた建材Ａの対向する片縁の間
隙には、目地材が充填されている。

なお、ケース１は第１図、第４図に示す扁平な以外に柱
型に張り付ける弧状もある。

図中21は片９に設けた長孔である。

〔効果〕

以上のように、この考案に係る建材によれば、ケースに
よって人造石板を補強するので、人造石板を薄くするこ
とができる。

このため、軽量になり、作業時の取り扱いが容易にな
る。

また、ケースの裏面対向する二辺縁の近傍にフックを設
けてあるので、壁面や床面にバー材を介し取付けること
ができる。

さらに、係合部材によりケースと流し込み固化した人造
石板とが強固に結合され、脱落を防止することができ
る。

また、ケースの辺縁に釘止め辺を設けてあるので、施工
面に釘を介し建材を張り付けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る第１実施例の建材用ケースの斜
視図、第２図は壁面に建材を張り付けた縦断側面図、第
３図は床に建材を張り付けた縦断正面図、第４図は第２
実施例の建材用ケースの斜視図、第５図は壁面に建材を
張り付けた縦断側面図、第６図は柱型に建材を張り付け
た平面図である。 Ａ……建材、１……ケース、４……人造石板、５……係
合部材、７……フック、９……釘止め片。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｅ０４Ｆ 15/06 7416−2Ｅ 15/08 7416−2Ｅ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前面が開放する金属製の方形状ケースと、
   このケースに流し込んで固化させると共に、上記ケース
   の開放前縁から表面部を突出させた人造石板と、ケース
   内に上記流し込んだ人造石板に埋没係合するよう設けた
   係合部材と、ケースの裏面対向する二辺近傍に上記ケー
   スの裏面に所定の間隔を存して辺縁の方向に向くよう設
   けたフックとから成る建材。
2. 【請求項２】前面が開放する金属製の方形状ケースと、
   このケースに流し込んで固化させると共に、上記ケース
   の開放前縁から表面部を突出させた人造石板と、ケース
   内に上記流し込んだ人造石板に埋没係合するよう設けた
   係合部材と、ケースの少なくとも対向する二辺縁から突
   出させた釘止め片とから成る建材。