JPH0727190A - 車両用自動変速機 - Google Patents

車両用自動変速機

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Publication number
JPH0727190A
JPH0727190A JP5195140A JP19514093A JPH0727190A JP H0727190 A JPH0727190 A JP H0727190A JP 5195140 A JP5195140 A JP 5195140A JP 19514093 A JP19514093 A JP 19514093A JP H0727190 A JPH0727190 A JP H0727190A
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JP
Japan
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planetary gear
gear mechanism
gear
speed
counter
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Application number
JP5195140A
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English (en)
Inventor
Atsushi Tabata
淳 田端
Yasuo Hojo
康夫 北條
Masato Kaigawa
正人 甲斐川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 摩擦係合装置のジヤダーを防止する。 【構成】 主変速部1と副変速部2とがその中心軸線を
互いに平行にして配置され、互いに連結されている第2
遊星歯車機構12のリングギヤ2R並びに第3遊星歯車
機構13のキャリヤ3Cと、第4遊星歯車機構24の要
素のうち第4ブレーキ手段B-5で固定される要素以外の
要素との間にギヤ比が“1”以下のカウンタギヤ対1
9,23が設けられ、さらに第4遊星歯車機構24の要
素のうち第4ブレーキ手段B-5で固定される要素および
カウンタドリブンギヤ23が連結された要素以外の要素
が出力要素とされており、かつ後進段の設定時に前記第
3のクラッチ手段C-3が係合させられて第4遊星歯車機
構24の全体が一体となって回転する直結状態とされ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両で使用される自
動変速機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】乗用車などの車両で使用される自動変速
機は、歯車の噛合状態を変える必要がないなどの利点が
あることから、複数組の遊星歯車機構を使用して構成さ
れている。すなわち遊星歯車機構は、サンギヤおよびこ
れと同心円状に配置された内歯歯車であるリングギヤな
らびにこれらのギヤに噛合するピニオンギヤを保持した
キャリヤを要素として構成されており、いずれかの要素
を固定した状態で他の一つの要素を入力要素とし、かつ
更に他の要素を出力要素とすることにより、入力を増速
して出力し、あるいは減速して出力し、さらには反転し
て出力することができるので、複数の遊星歯車機構を適
宜に連結するとともに、それらのうちの所定の要素を固
定することにより、複数のギヤ段を設定することができ
る。そして設定可能なギヤ段は、使用する遊星歯車機構
の数が多いほど多くなる。
【0003】しかるに実用上要求されるギヤ段数や許容
される大きさなどには制限があり、またギヤ比列や製造
性などには厳しい要求があるから、実際には、それらの
制限の中で可及的にすべての要求を満たすように構成し
ている。例えば特開平4−312266号公報に記載さ
れた自動変速機では、オーバードライブ用変速部である
1組の遊星歯車機構からなる副変速部と、アンダードラ
イブ部である3組の遊星歯車機構からなる主変速部とを
同一軸線上に配列した歯車列を採用している。この自動
変速機では、主変速部で3種類の前進状態と1種類の後
進状態とを設定でき、主変速部を第1速に設定した状態
で副変速部をオーバードライブ状態とすることにより前
進第2速を設定し、また主変速部を直結段である第3速
に設定した状態で主変速部をオーバードライブ状態する
ことにより、全体として前進5段を設定するように構成
されている。また主変速部で後進状態を設定した場合の
ギヤ比が大きくなるので、後進段では副変速部をオーバ
ードライブ状態としている。
【0004】このように上記の公報に記載された自動変
速機では、例えば最高速段である第5速から第4速にパ
ワーオン・ダウンシフトする場合の変速ショックを防止
するために、副変速部には、その全体が一体となって回
転する直結状態となるように係合する一方向クラッチを
設けている。具体的には、副変速部を構成する遊星歯車
機構の入力要素であるキャリヤと、オーバードライブ時
の固定要素であるサンギヤとの間に、キャリヤからサン
ギヤに対して逆回転方向(サンギヤからキャリヤに対し
て正回転方向)のトルクを伝達する一方向クラッチを設
けている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した自動変速機で
は、4組の遊星歯車機構を使用する構成であるが、全体
として比較的コンパクトなものとすることができ、また
設定可能なギヤ段の数が充分でかつそのギヤ比列も動力
性能や変速特性などの点で充分なものである。しかしな
がら後進段を設定する際に副変速部をオーバードライブ
状態にする必要があるために、以下のような不都合が生
じる可能性があった。
【0006】すなわち副変速部の直結状態では、一方向
クラッチが係合して入力要素と固定要素とが一体化さ
れ、これに対してオーバードライブ状態ではその固定要
素がブレーキ手段で回転を止められるから、固定要素が
入力要素に対して相対的に逆回転することはできない。
そのため、例えば微速前進している状態でシフトレバー
をリバースレンジに設定した場合、主変速部がリバース
状態になることに伴い副変速部を構成する遊星歯車機構
の出力要素が逆回転させられる。これに対して後進段で
は副変速部の遊星歯車機構における固定要素がブレーキ
手段によって回転を止められる。その際に前記一方向ク
ラッチか係合し、後進段達成用のブレーキ手段のスリッ
プによるジャダーが生じる可能性がある。
【0007】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たもので、リバースレンジを選択した際にジャダーの生
じるおそれが少なく、また定常的な走行時の動力の伝達
効率の良好な車両用自動変速機を提供することを目的と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、サンギヤとリングギヤとこれらのギ
ヤに噛合したピニオンギヤを保持するキャリヤとを要素
とする3組の遊星歯車機構からなる主変速部と1組の遊
星歯車機構からなる副変速部とを有し、主変速部におけ
る第1遊星歯車機構のサンギヤと第2遊星歯車機構のサ
ンギヤとが連結されるとともに、第1遊星歯車機構のキ
ャリヤと第2遊星歯車機構のリングギヤと第3遊星歯車
機構のキャリヤとが連結され、さらに第1遊星歯車機構
のリングギヤと第3遊星歯車機構のサンギヤとが連結さ
れ、前記第1遊星歯車機構のサンギヤと第2遊星歯車機
構のサンギヤとのいずれか一方を入力軸に選択的に連結
する第1のクラッチ手段と、第1遊星歯車機構のリング
ギヤを入力軸に選択的に連結する第2のクラッチ手段
と、前記第1遊星歯車機構のサンギヤと第2遊星歯車機
構のサンギヤとを選択的に固定する第1のブレーキ手段
と、第2遊星歯車機構のキャリヤを選択的に固定する第
2のブレーキ手段と、第3遊星歯車機構のリングギヤを
選択的に固定する第3のブレーキ手段と、前記副変速部
を構成する第4遊星歯車機構のいずれか2つの要素を選
択的に連結する第3のクラッチ手段と、前記第4遊星歯
車機構のいずれかの要素を選択的に固定する第4のブレ
ーキ手段とを備えた車両用自動変速機において、前記主
変速部と副変速部とがその中心軸線を互いに平行にして
配置され、前記互いに連結されている第1遊星歯車機構
のキャリヤおよび第2遊星歯車機構のリングギヤならび
に第3遊星歯車機構のキャリヤと一体回転するカウンタ
ドイブギヤが設けられるとともに、このカウンタドライ
ブギヤによって増速回転させられるカウンタドリブンギ
ヤが前記第4遊星歯車機構と同軸的に配置され、カウン
タドリブンギヤは第4遊星歯車機構の入力要素に連結
し、後進段の設定時に第4遊星歯車機構は高速側に設定
されていることを特徴とするものである。
【0009】
【作用】この発明の自動変速機における主変速部は、3
組の遊星歯車機構を有しており、それらの各遊星歯車機
構の要素は上記の各クラッチ手段によって連結され、ま
た各ブレーキ手段によって適宜に固定され、そして後進
段は、第2のクラッチ手段と第2もしくは第3のブレー
キ手段とを係合させることにより設定される。この主変
速部と副変速部とは、カウンタドライブギヤとカウンタ
ドリブンギヤとによって連結されており、かつこれらの
カウンタギヤ対はカウンタドリブンギヤを増速回転させ
るように構成されているから、後進段を設定する際に副
変速部を構成する第4遊星歯車機構を第3のクラッチ手
段を係合させて直結状態としても後進段のギヤ比が特に
大きくならない。すなわち後進段で第4遊星歯車機構を
その全体を一体化させて回転させるから、前進走行状態
でリバースレンジに設定してもリバースレンジ達成用ブ
レーキ手段のスリップを生ぜず、したがってジャダーを
未然に防止することができる。またカウンタギヤ対が増
速作用をするから、オーバードライブ段で主変速部およ
び副変速部の全体を一体回転させることができ、したが
って走行時に設定される頻度の高いオーバードライブ段
では歯車列を構成する回転要素の相対回転が生じないの
で、動力の伝達効率が良好になる。
【0010】
【実施例】つぎにこの発明の実施例を図面を参照して説
明する。図1はこの発明の一実施例を示すスケルトン図
であって、ここに示す自動変速機は、3組の遊星歯車機
構を主体とする主変速部1と1組の遊星歯車機構を主体
とする副変速部2とを、互いに平行な軸線上に配置して
構成されている。すなわち主変速部1は、トルクコンバ
ータ3と同一軸線上にかつトルクコンバータ3に並んで
配置されている。このトルクコンバータ3は、従来一般
に使用されているものと同様に、フロントカバー4と一
体化させてあるポンプインペラー5に対向してタービン
ランナー6が配置されるとともに、これらポンプインペ
ラー5とタービンランナー6との間にステータ7が配置
されている。タービンランナー6はハブ8を介して入力
軸9に連結されており、またこのハブ8を介して入力軸
9にフロントカバー4から直接トルクを伝達するための
ロックアップクラッチ10が設けられている。
【0011】主変速部1を構成する3組の遊星歯車機構
11,12,13はそれぞれ、サンギヤ1S,2S,3
Sと、内歯歯車であるリングギヤ1R,2R,3Rと、
これのギヤに噛合するピニオンギヤ1P,2P,3Pを
保持するキャリヤ1C,2C,3Cとを回転要素とする
いわゆるシングルピニオン型の遊星歯車機構である。そ
して図1に示す例では、これらの遊星歯車機構11,1
2,13が、トルクコンバータ3側からこの順に配置さ
れている。また第1遊星歯車機構11のサンギヤ1Sと
第2遊星歯車機構12のサンギヤ2Sとが、一体となっ
て回転するように連結されており、さらに第1遊星歯車
機構11のキャリヤ1Cと第2遊星歯車機構12のリン
グギヤ2Rと第3遊星歯車機構13のキャリヤ3Cと
が、これら三者が一体となって回転するように連結され
ている。そしてまた第1遊星歯車機構11のリングギヤ
1Rと第3遊星歯車機構13のサンギヤ3Sとが、中間
軸14を介して一体的に連結されている。
【0012】この中間軸14は、入力軸9の延長上の位
置に配置されており、その入力軸9側の端部は、軸受1
5を介して入力軸9によって支持されており、またこれ
は反対側の端部は、軸受16を介してハウジング17に
よって支持されている。さらにこの中間軸14に一体回
転するように連結されている第3遊星歯車機構13のサ
ンギヤ3Sは、スラスト軸受18を介してハウジング1
7で支持されている。
【0013】この主変速部1は、後進段と前進側の四つ
の変速段とを設定することができ、そのためのクラッチ
およびブレーキが以下のように設けられている。まずク
ラッチについて述べると、入力軸9を前記中間軸14も
しくは第1遊星歯車機構11のリングギヤ1Rに選択的
に連結する第1クラッチC-1が、第1遊星歯車機構11
よりもトルクコンバータ3側に配置されており、また入
力軸9を第1遊星歯車機構11のサンギヤ1Sもしくは
第2遊星歯車機構12のサンギヤ2Sに選択的に連結す
る第2クラッチC-2が、第1遊星歯車機構11よりもト
ルクコンバータ3側に配置されている。
【0014】つぎにブレーキについて説明すると、第1
ブレーキB-1はバンドブレーキであって、第1遊星歯車
機構11および第2遊星歯車機構12のサンギヤ1S,
2Sの回転を止めるように配置されている。具体的には
第2クラッチC-2のクラッチドラムの回転を止めるよう
に第1ブレーキB-1が配置されている。またこれらのサ
ンギヤ1S,2Sとハウジング17との間には、第1一
方向クラッチF-1と多板ブレーキである第2ブレーキB
-2とが直列に配列されている。なおこの第1一方向クラ
ッチF-1は、サンギヤ1S,2Sが入力軸9とは反対方
向に回転しようとする際に係合するように構成されてい
る。またこれら第1ブレーキB-1および第2ブレーキB
-1ならびに第1一方向クラッチF-1がこの発明における
第1ブレーキ手段を構成している。
【0015】また第2遊星歯車機構12のキャリヤ2C
の回転を選択的に止める多板ブレーキである第3ブレー
キB-3が、このキャリヤ2Cとハウジング17との間に
配置されている。なおこの第3ブレーキB-3はこの発明
における第2ブレーキ手段を構成している。
【0016】さらに第3遊星歯車機構13のリングギヤ
3Rとハウジング17との間には第2一方向クラッチF
-2と多板ブレーキである第4ブレーキB-4とが並列に配
列されている。この第2一方向クラッチF-2は第3遊星
歯車機構13のリングギヤ3Rが入力軸9に対して逆回
転しようとする際に係合するように構成されている。ま
たこれら第2一方向クラッチF-2および第4ブレーキB
-4は、この発明における第3ブレーキ手段を構成してい
る。
【0017】そして互いに一体的に回転するよう連結さ
れた第1遊星歯車機構11のキャリヤ1Cおよび第2遊
星歯車機構12のリングギヤ2Rならびに第3遊星歯車
機構13のキャリヤ3Cに一体的に連結されたカウンタ
ドライブギヤ19が、第3遊星歯車機構13よりも第2
遊星歯車機構12側に配置されている。このカウンタド
ライブギヤ19は第2遊星歯車機構12のリングギヤ2
Rの外周側に一体的に形成することもできる。
【0018】上述した主変速部1の中心軸線と平行にカ
ウンタ軸20が配置されている。このカウンタ軸20
は、その両端部を軸受21を介してハウジング17によ
って支持されるとともに、このカウンタ軸20には、前
記カウンタドライブギヤ19に噛合し、かつカウンタド
ライブギヤ19より小径のカウンタドリブンギヤ23が
取り付けられている。すなわちこのカウンタギヤ対のギ
ヤ比は“1”より小さい値に設定されている。
【0019】カウンタ軸20のうちカウンタドリブンギ
ヤ23よりもトルクコンバータ3側には、シングルピニ
オン型の第4遊星歯車機構24が同一軸線上に設けられ
ており、そのリングギヤ4Rがカウンタ軸20に連結さ
れている。またこの第4遊星歯車機構24のキャリヤ4
Cが出力ギヤ25に連結されるとともに、このキャリヤ
4Cとサンギヤ4Sとの間にこれら両者を選択的に連結
する第3クラッチC-3が設けられている。またこのサン
ギヤ4Sとハウジング17との間には、多板ブレーキで
ある第5ブレーキB-5と第3一方向クラッチF-3とが並
列に配列されている。この第3一方向クラッチF-3は、
サンギヤ4Sがキャリヤ4Cより高速で正回転しようと
する際に係合するように構成されている。そしてこれら
の第5ブレーキB-5と第3一方向クラッチF-3とがこの
発明における第4ブレーキ手段を構成している。なお、
出力ギヤ25は例えばフロントディファレンシャル26
のリングギヤ27に噛合している。またキャリヤ4Cと
出力ギヤ25とを連結する部材の外周にパーキングギヤ
28が取り付けられている。
【0020】上述した自動変速機では、前進5段と2つ
の後進段とを設定することができ、そのための上記各摩
擦係合装置の係合作動表を示せば、図2のとおりであ
る。なお、図2において○印は係合、◎印はエンジンブ
レーキ時に係合、△印は係合するもののトルクを伝達し
ない状態、空欄は解放をそれぞれ示している。
【0021】まず前進段について説明すると、第1速
は、第1クラッチC-1および第5ブレーキB-5を係合さ
せることに伴って第2および第3の一方向クラッチF-
2,F-3を係合させて設定する。したがって第3遊星歯
車機構13のリングギヤ3Rが固定された状態でそのサ
ンギヤ3Sが入力軸9と共に回転するから、キャリヤ3
Cおよびこれに取り付けてあるカウンタドライブギヤ1
9が入力軸9に対して減速されて正回転する。このカウ
ンタドライブギヤ19に噛合しているカウンタドリブン
ギヤ23およびこれと一体のカウンタ軸20は、このカ
ウンタギヤ対のギヤ比が“1”より小さいためにカウン
タドライブギヤ19に対して増速させられて回転する。
また第4遊星歯車機構24においてはカウンタ軸20を
連結してあるリングギヤ4Rが入力要素となり、かつサ
ンギヤ4Sが第5ブレーキB-5および第3一方向クラッ
チF-3によって回転が止められて固定要素となるから、
キャリヤ4Cおよびこれと一体の出力ギヤ25がカウン
タ軸20に対して減速されて回転し、ディファレンシャ
ル26のリングギヤ27にトルクを伝達する。なお、こ
の第1速でエンジンブレーキを効かせる場合には、第2
一方向クラッチF-2と並列に設けてある第4ブレーキB
-4を係合させる。
【0022】また第2速は、主変速部1においては第1
クラッチC-1と第3ブレーキB-3とを係合させ、副変速
部2では上記第1速の場合と同様に第5ブレーキB-5を
係合させることに伴って第3一方向クラッチF-3を係合
させる。したがって第1遊星歯車機構11においては、
リングギヤ1Rが入力軸9と一体となって回転するとと
もに、キャリヤ1Cが入力軸9より低速で正回転し、さ
らにサンギヤ1Sが逆回転する。また第2遊星歯車機構
12では、キャリヤ2Cが第3ブレーキB-3で固定され
た状態でサンギヤ2Sが逆回転し、かつリングギヤ2R
が入力軸9より低速で正回転する。すなわちカウンタド
ライブギヤ19が、入力回転を第1遊星歯車機構11お
よび第2遊星歯車機構12のギヤ比(サンギヤの歯数と
リングギヤの歯数との比)に応じて減速した回転数で回
転する。このカウンタドライブギヤ19からカウンタド
リブンギヤ23および第4遊星歯車機構24を介して出
力ギヤ25にトルクが伝達されるので、出力ギヤ25
は、カウンタドライブギヤ19の回転数に対してカウン
タドリブンギヤ23で増速されかつ第4遊星歯車機構2
4で減速された回転数で回転する。
【0023】第3速は、副変速部2を上記第1速および
第2速の場合と同様にしたまま主変速部1における第1
クラッチC-1と第2ブレーキB-2とを係合させる。した
がって第1遊星歯車機構11では、サンギヤ1Sを第2
ブレーキB-2および第1一方向クラッチF-1により固定
した状態でリングギヤ1Rが入力軸9と共に回転するの
で、キャリヤ1Cおよびこれと一体のカウンタドライブ
ギヤ19とが、入力軸9の回転数に対して第1遊星歯車
機構11のギヤ比に応じて減速した回転数で回転する。
そして出力ギヤ25は、カウンタドライブギヤ19の回
転数に対してカウンタドリブンギヤ23および第4遊星
歯車機構24で増減速した回転数で正回転する。
【0024】第4速は、副変速部2を上述した状態に維
持したまま主変速部1の第1および第2クラッチC-1,
C-2を係合させる。したがって第1遊星歯車機構11で
はリングギヤ1Rとサンギヤ1Sとが入力軸9と同速度
で回転し、また第2遊星歯車機構12も同様にサンギヤ
2Sとリングギヤ2Rとが入力軸9と同速度で回転する
ので、主変速部1の全体が入力軸9と一体となって回転
する。すなわち出力ギヤ25は入力回転数を、カウンタ
ギヤ対で増速し、かつ第4遊星歯車機構24で減速した
回転数で回転する。
【0025】第5速は、上記の第4速の状態から副変速
部2の第3クラッチC-3を係合させかつ第5ブレーキB
-5および第3一方向クラッチF-3を解放させて設定す
る。したがって第4遊星歯車機構24はその全体が一体
回転するので、出力ギヤ25は、入力回転をカウンタギ
ヤ対で増速した回転数で回転し、オーバードライブ段と
なる。
【0026】また後進段は、主変速部1においては第2
クラッチC-2と第4ブレーキB-4とを係合させ、また副
変速部2では第3クラッチC-3を係合させ、あるいは第
5ブレーキB-5を係合させて設定する。したがって第1
遊星歯車機構11ではサンギヤ1Sが入力軸9と共に回
転し、またキャリヤ1Cが逆回転し、さらにリングギヤ
1Rが更に高速で逆回転する。また第3遊星歯車機構1
3では、リングギヤ3Rを固定した状態でサンギヤ3S
が第1遊星歯車機構11のリングギヤ1Rと共に高速で
逆回転するので、キャリヤ13Cがカウンタドライブギ
ヤ19と共に逆回転する。その結果、カウンタ軸20が
カウンタドライブギヤ19より高い回転数で逆回転し、
したがって出力ギヤ25がカウンタ軸20と共に、もし
くは第4遊星歯車機構24で減速された回転数で逆回転
する。
【0027】なお、図2の作動表において、符号P1 ,
P2 はパーキングレンジを示し、また符号R1 ,R2 は
リバースレンジを示し、更にN1 ,N2 はニュートラル
レンジを示しており、パーキングレンジをP1 のパター
ンで設定する場合には、リバースレンジをR1 のパター
ンで設定し、かつニュートラルレンジをN1 のパターン
で設定する。また同様にパーキングレンジをP2 のパタ
ーンで設定した場合には、リバースレンジをR2 のパタ
ーンで設定し、かつニュートラルレンジをN2のパター
ンで設定する。
【0028】したがって図1に示す構成の自動変速機で
は、後進段を設定する場合に、副変速部2を減速状態も
しくは全体を一体回転させる直結状態とするから、微速
前進状態で後進段を設定するように各摩擦係合装置が係
合・解放させられても、いずれかのブレーキで固定され
ている回転要素を強制的に回転させる事態が生じない。
そのためこのようなシフト操作を行っても、摩擦係合装
置のジャダーが生じることはない。また図1に示す構成
では、カウンタドライブギヤ19が第3遊星歯車機構1
3よりもトルクコンバータ3側に設けられているから、
自動変速機の全体としての軸長を短縮することができ、
併せてカウンタ軸20の軸長を短くできるので、その曲
げ剛性を低くすることが可能になり、それに伴い軽量化
に有利になる。さらに最も走行時間の長いオーバードラ
イブ段を各遊星歯車機構が一体回転する状態で設定でき
るので、動力の伝達効率が良好になって燃費を向上させ
ることができる。そして第1速では第3遊星歯車機構1
3のサンギヤ3Sからトルクを入力することになるが、
このサンギヤ3Sを連結してある中間軸14は実質上、
前記軸受16およびスラスト軸受18を介してケーシン
グ17によってラジアル方向およびスラスト方向に支持
されているから、その歪みもしくは撓みを最小限に抑え
ることができ、ひいてはその偏心やそれに伴う摩擦の増
大を防止して耐久性を向上させることができる。なお、
図1に示す第1および第2の一方向クラッチF-1,F-2
は必要に応じて廃止できるので、そのようにすれば、自
動変速機の全体としての軸長を更に短くすることができ
る。
【0029】図3はこの発明の第2の実施例を示すスケ
ルトン図であって、ここに示す歯車列は、上述した第1
の実施例における主変速部1の遊星歯車機構の配列を変
えたものである。すなわち第1遊星歯車機構11が第2
遊星歯車機構12と第3遊星歯車機構13との間に配置
されており、それに伴い第2ブレーキB-2および第3ブ
レーキB-3ならびに第1一方向クラッチF-1が第2遊星
歯車機構12よりトルクコンバータ3側に配置されてい
る。
【0030】この図3に示す歯車列を備えている自動変
速機においても、図2の作動表に示すように各摩擦係合
装置を係合させることにより、前進5段・後進1段の変
速段を設定することができる。そして図1に示す歯車列
を備えた自動変速機と同様な作用・効果を得ることがで
きる。
【0031】図4はこの発明の第3の実施例を示すスケ
ルトン図であって、ここに示す歯車列は、図1に示す歯
車列のうち第2一方向クラッチF-2とケーシング17と
の間に多板ブレーキである第6ブレーキB-6を配置し、
その他の構成は図1に示す構成と同じにしたものであ
る。そしてこの図4に示す歯車列を備えた自動変速機
は、各摩擦係合装置を図5の作動表に示すように係合・
解放させることにより前進5段・後進1段の変速段を設
定することができる。
【0032】この図4に示す歯車列を備えた自動変速機
では、第6ブレーキB-6を設けたことにより、後進段を
設定する際に主変速部1では第2クラッチC-2と第3ブ
レーキB-3とが係合させられ、第6ブレーキB-6が解放
させられる。したがって後進段を設定する場合、第2遊
星歯車機構12ではキャリヤ2Cを固定した状態でサン
ギヤ2Sが入力軸9と共に回転するので、カウンタドラ
イブギヤ19は入力回転数を第2遊星歯車機構12のギ
ヤ比に応じて減速した回転数で逆回転する。したがって
図1に示す歯車列を備えた自動変速機では、後進段にお
いて第1遊星歯車機構11および第3遊星歯車機構13
のギヤ比に応じて入力回転数が減速させられるのに対し
て、図4に示す歯車列を備えた自動変速機では後進段で
作用する主変速部1の遊星歯車機構は第2遊星歯車機構
12のみになるので、その変速比は上述した実施例の後
進段のギヤ比より小さくなる。そのため副変速部2にお
ける第5ブレーキB-5の容量を小さくすることができる
ので、自動変速機の小型軽量化に有利になる。
【0033】なお、図4に示す実施例において、第6ブ
レーキB-6は全ての前進段およびニュートラルレンジで
係合し、その他の変速段での摩擦係合装置の係合・解放
のパターンは図1に示す実施例と同様である。
【0034】またこの図4に示す構成であっても、第1
遊星歯車機構11を第2遊星歯車機構12と第3遊星歯
車機構13との間に配置する構成に変更することができ
るのであり、その例を図6に示してある。この図6に示
す構成の歯車列を備えた自動変速機であっても、各摩擦
係合装置を図5に示すように係合・解放することにより
前進5段・後進1段の変速段を設定することができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の自動変速
機では、後進状態を設定する主変速部と副変速部とをカ
ウンタギヤ対を介して連結し、後進段では副変速部をそ
の全体が一体となって回転する直結状態とするように構
成したから、微速前進状態で後進段を設定してもブレー
キ手段で固定される事態が生じず、したがってジャダー
を防止し、ひいては摩擦係合装置の耐久性の低下を防止
することができる。また走行時間の長いオーバードライ
ブ段で各遊星歯車機構が一体となって回転し、それらの
回転要素の間の相対回転が生じないので、動力の伝達効
率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すスケルトン図であ
る。
【図2】その各変速段を設定するための摩擦係合装置の
係合作動表を示す図表である。
【図3】この発明の第2の実施例を示すスケルトン図で
ある。
【図4】この発明の第3の実施例を示すスケルトン図で
ある。
【図5】第3実施例における各変速段を設定するための
各摩擦係合装置の係合作動表を示す図表である。
【図6】この発明の第4の実施例を示すスケルトン図で
ある。
【符号の説明】
1 主変速部 2 副変速部 9 入力軸 11 第1遊星歯車機構 12 第2遊星歯車機構 13 第3遊星歯車機構 19 カウンタドライブギヤ 23 カウンタドリブンギヤ 24 第4遊星歯車機構

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンギヤとリングギヤとこれらのギヤに
    噛合したピニオンギヤを保持するキャリヤとを要素とす
    る3組の遊星歯車機構からなる主変速部と1組の遊星歯
    車機構からなる副変速部とを有し、主変速部における第
    1遊星歯車機構のサンギヤと第2遊星歯車機構のサンギ
    ヤとが連結されるとともに、第1遊星歯車機構のキャリ
    ヤと第2遊星歯車機構のリングギヤと第3遊星歯車機構
    のキャリヤとが連結され、さらに第1遊星歯車機構のリ
    ングギヤと第3遊星歯車機構のサンギヤとが連結され、
    前記第1遊星歯車機構のサンギヤと第2遊星歯車機構の
    サンギヤとのいずれか一方を入力軸に選択的に連結する
    第1のクラッチ手段と、第1遊星歯車機構のリングギヤ
    を入力軸に選択的に連結する第2のクラッチ手段と、前
    記第1遊星歯車機構のサンギヤと第2遊星歯車機構のサ
    ンギヤとを選択的に固定する第1のブレーキ手段と、第
    2遊星歯車機構のキャリヤを選択的に固定する第2のブ
    レーキ手段と、第3遊星歯車機構のリングギヤを選択的
    に固定する第3のブレーキ手段と、前記副変速部を構成
    する第4遊星歯車機構のいずれか2つの要素を選択的に
    連結する第3のクラッチ手段と、前記第4遊星歯車機構
    のいずれかの要素を選択的に固定する第4のブレーキ手
    段とを備えた車両用自動変速機において、 前記主変速部と副変速部とがその中心軸線を互いに平行
    にして配置され、前記互いに連結されている第1遊星歯
    車機構のキャリヤおよび第2遊星歯車機構のリングギヤ
    ならびに第3遊星歯車機構のキャリヤと一体回転するカ
    ウンタドイブギヤが設けられるとともに、このカウンタ
    ドライブギヤによって増速回転させられるカウンタドリ
    ブンギヤが前記第4遊星歯車機構と同軸的に配置され、
    カウンタドリブンギヤは第4遊星歯車機構の入力要素に
    連結し、後進段の設定時に第4遊星歯車機構は高速側に
    設定されていることを特徴とする車両用自動変速機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100452870B1 (ko) * 2002-07-31 2004-10-14 현대자동차주식회사 차량용 6속 자동 변속기의 파워 트레인 및 변속 제어방법
US7311634B2 (en) 2005-09-28 2007-12-25 Hyundai Motor Company Seven-speed powertrain of an automatic transmission for vehicles
KR101310066B1 (ko) * 2012-08-27 2013-09-24 현대 파워텍 주식회사 자동변속기용 동력전달장치

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