JPH07270970A - 写真印画紙用支持体 - Google Patents

写真印画紙用支持体

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JPH07270970A
JPH07270970A JP6392294A JP6392294A JPH07270970A JP H07270970 A JPH07270970 A JP H07270970A JP 6392294 A JP6392294 A JP 6392294A JP 6392294 A JP6392294 A JP 6392294A JP H07270970 A JPH07270970 A JP H07270970A
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JP
Japan
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polyolefin resin
photographic printing
printing paper
support
density polyethylene
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JP6392294A
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English (en)
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Haruyoshi Funae
晴芳 船江
Toru Noda
徹 野田
Akira Ninohira
明 仁ノ平
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 写像性、シャープネス、感度が優れ、ポリオ
レフィン樹脂、乳剤の膜付き性が良好な写真印画紙を提
供する。 【構成】 原紙の少なくとも片面にポリオレフィン樹脂
と二酸化チタンを含有するポリオレフィン樹脂組成物を
被覆した写真印画紙用支持体において、ポリオレフィン
樹脂が密度0.945g/cm3以上の高密度ポリエチレン
が50〜100重量%に、密度0.930g/cm3以下の
低密度ポリエチレンが50〜0重量%の範囲であり、二
酸化チタンを含むポリオレフィン樹脂組成物の200
℃、剪断速度1000/secにおける侵入抵抗力Qが3〜
50Kg/cm2とする。特に、高密度ポリエチレンが80重
量%より多く、低密度ポリエチレンが20重量%未満が
好ましく、侵入抵抗力Qが5〜35Kg/cm2であればより
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真印画紙用支持体に
関するものであり、更に詳しくは、原紙とポリオレフィ
ン樹脂層との膜付きが良好で、印画紙の平滑、写像性、
シャープネス、並びに感度に優れた写真印画紙の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、写真印画紙用支持体として、
原紙の両面を主として白色顔料とポリオレフィン樹脂か
らなる樹脂組成物で被覆されたものは良く知られてい
る。該支持体は、現像処理液を吸収しにくいために処理
後の水洗及び乾燥が大幅に短縮される他、寸法安定性に
も優れた特徴がある。
【0003】しかし、従来のバライタ紙に比べて、ポリ
オレフィン樹脂被覆支持体を使用した写真印画紙は、画
像のシャープネスが劣る欠点を有するものであった。そ
の原因は、操業性の問題でポリオレフィン樹脂組成物中
の白色顔料の含有率が制限される為、光の遮蔽効果が劣
るためと予想される。
【0004】又、ポリオレフィン樹脂中の白色顔料の為
に樹脂被覆支持体表面、印画紙表面の光沢、平滑、写像
性に劣る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、印画紙の平
滑、写像性、シャープネス、及び感度に優れた写真印画
紙の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの問
題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明の写真印画紙
用支持体を発明するに至った。
【0007】即ち、本発明の写真印画紙用支持体は、原
紙の少なくとも片面に二酸化チタンを含むポリオレフィ
ン樹脂を被覆した支持体にハロゲン化銀乳剤を設ける写
真印画紙であり、ポリオレフィン樹脂が密度0.945
g/cm3以上の高密度ポリエチレン(A)60〜100重
量%と、密度0.930g/cm3以下の低密度ポリエチレ
ン(B)40〜0重量%とからなり、該二酸化チタンを
含む該ポリオレフィン樹脂組成物の200℃、剪断速度
1000/secにおける侵入抵抗力Qが3〜50Kg/cm2
あることを特徴とするものである。
【0008】又、本発明の写真印画紙用支持体は、高密
度ポリエチレン(A)が75重量%より多く、低密度ポ
リエチレン(B)が25重量%未満であることを特徴と
するものである。
【0009】更に、本発明の写真印画紙用支持体は、ポ
リオレフィン樹脂組成物の侵入抵抗力Qが5〜35Kg/c
m2であることを特徴とするものである。
【0010】以下、本発明の写真印画紙用支持体につい
て、詳細に説明する。
【0011】本発明の写真印画紙用支持体は、原紙の少
なくとも片面に二酸化チタンを含む特定のポリオレフィ
ン樹脂で被覆したものであり、ポリオレフィン樹脂層の
侵入抵抗力Qが特定の範囲であることを特徴とするもの
である。
【0012】本発明の侵入抵抗力Qは、以下のように定
義される。図1、図2に示されるキャピラリーレオメー
ターを用いて測定される測定値から算出される。図1
は、キャピラリーレオメーター概要の断面図、図2は、
キャピラリー部の断面図を示す。
【0013】図1において、シリンダー5の直径は10
mm、図1、図2のキャピラリーの直径Dは1.5m
m、長さLは10mm、20mm、30mmの3種を用
いた。図2において、角θは45度である。
【0014】測定は、図1の恒温槽8を所定の温度(本
発明では200℃)に設定し、測定系温度を一定に保
つ。次に、シリンダー5にオレフィン樹脂層組成物を挿
入する。ロードセル2、プランジャー3が一定速度で降
下し、オレフィン樹脂層組成物はキャピラリー7を通過
して押し出される。この時にキャピラリー管壁で発生す
る剪断応力とシリンダーからキャピラリーへの侵入に伴
う侵入抵抗の合計がロードセル2により応力として検出
される。
【0015】図3は、測定値をプロットしたグラフを示
す。図3において、長さの異なるキャピラリーで測定さ
れた応力値をY軸に、L/Dの値をX軸にプロットする
と図3のグラフとなる。図3で3つの測定点を直線近似
した線とY軸との交点の応力値が侵入抵抗力Qを表して
いる。X軸との交点として物性値nが定義され、侵入抵
抗の総抵抗に対する寄与を表した値で無名数である。
【0016】ポリオレフィン樹脂の中の密度0.945
g/cm3以上の高密度ポリエチレンが50重量%より少な
く、密度が0.930g/cm3以下の低密度ポリエチレン
が50重量%より多いと印画紙の平滑性、写像性向上効
果が得られず、侵入抵抗力Qが3Kg/cm2より低いと原紙
の毛細管の中に溶融樹脂が過度に侵入して、二酸化チタ
ンの不透明度等の光学的特性が損なわれ、樹脂表面の平
滑性に劣るようになる。逆に、侵入抵抗力Qが50Kg/c
m2より大きいと原紙表面の粗い凹部にも溶融樹脂が侵入
しなくなり原紙と樹脂層との膜付き性に劣るようにな
る。
【0017】ポリオレフィン樹脂層には二酸化チタンが
含有されるが、ルチル型やアナターゼ型が使用され、電
子顕微鏡による定方向測定での平均粒子サイズが0.0
8〜0.5μmであることが好ましい。アルミナやシリ
カによる表面処理、脂肪酸金属塩等の有機物による表面
処理品が好ましく使用出来る。一般的には、ポリオレフ
ィン樹脂層の5〜30重量%が二酸化チタンとして含有
される。好ましくは10〜20重量%である。ここで、
5重量%未満では、印画紙のシャープネスが劣り、又、
30重量%を超えて多いと溶融ポリオレフィン樹脂層の
流動性に劣るようになる。
【0018】本発明におけるポリオレフィン樹脂組成物
に含まれる樹脂としては、特定の密度の高密度ポリエチ
レン(A)、低密度ポリエチレン(B)以外に、各種の
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリエ
チレンテレフタレート等及びそれらの共重合体を本発明
の効果を損なわないかぎりで使用出来るが、それらの樹
脂はポリオレフィン樹脂組成物の全樹脂の20重量%程
度以下が好ましい。
【0019】又、ポリオレフィン樹脂組成物中には、各
種の添加剤を含有することができる。例えば、白色顔料
として、ルチル型或はアナターゼ型の二酸化チタン、酸
化亜鉛、タルク等、離型剤として、ステアリン酸アミ
ド、アラキジン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩、
ポリオルガノシロキサン等の有機シリコン化合物等、酸
化防止剤として、ヒンダードフェノール化合物等、着色
顔料として、コバルトブルー、群青等、蛍光増白剤等を
適宜含有することができる。
【0020】本発明におけるポリオレフィン樹脂層は、
ポリオレフィン樹脂組成物をスリットダイからフィルム
状に溶融押出塗工して製造される。その際の溶融押出温
度は、200〜350℃の範囲でポリオレフィン樹脂組
成物により適宜選択される。スリットダイとしては、T
ダイ、Lダイ、フィシュティル型ダイ等が好ましく用い
られる。樹脂組成物を基紙に塗工する前に、基紙にコロ
ナ放電、火炎処理等の活性化処理を施すのが好ましい。
ポリオレフィン樹脂層の厚さは特に制限は無いが、10
〜50μm程度が一般的である。
【0021】本発明では、一般的に、基紙に樹脂組成物
を溶融押出で塗工した直後に、表面が5〜25℃程度の
冷却ロールと加圧ロール間を10〜40Kg/cm2程度の加
圧で通し、樹脂面を冷却ロール表面に密着させることに
より、樹脂層表面を冷却して樹脂層表面の平滑性、樹脂
層と原紙との密着性を向上させる。
【0022】本発明の写真印画紙において、シャープネ
スを向上させる目的でポリオレフィン樹脂被覆層上に、
ゼラチン等の親水性コロイド結合剤やスチレンーブタジ
ェン、メタクリル酸メチルーブタジェン共重合体等のラ
テックス、二酸化チタン等の白色顔料を含有した下塗り
層を塗布してもよい。塗布量は、0.5g/m2以上塗布す
ることが好ましいが、更に好ましくは2g/m2以上であ
る。
【0023】ポリオレフィン樹脂層又は下塗り層とハロ
ゲン化銀乳剤層との間に、イラジエーション防止やカブ
リ防止の目的で中間層を乳剤層と連続的に減圧スライド
ビード方式又はスライドホッパー方式により設けること
ができるが、中間層の塗層の厚みは、4〜5μm以下が
好ましく、4〜5μmを超えて中間層の塗層の厚みが厚
いとシャープネスに劣るようになる。
【0024】ハロゲン化銀乳剤の塗布には、スライドビ
ード方式、減圧スライドビード方式が用いられる。
【0025】スライドビード方式は、スライドホッパー
方式、Eバ−方式ともいわれ、傾斜するスライド面の上
縁に塗布液の吐出スリットを有し、スライド面で一旦被
覆層を形成しながらスライド面を斜降して、下層となる
被覆層に次々に重なり、所定の積層体となり一括して小
さなビードを形成しながら支持体面に塗設されるもので
ある。その方式は、特開昭52−115214号公報、
特開昭54−1350号公報等で記載されている塗布方
式であり、特開平3−269528号公報等にも良好な
写真層の形成について各種の技術開示がなされている。
【0026】減圧スライドビード方式は、スライドビー
ド方式でビードを支持体面に塗設する直前に減圧室を設
け、減圧にして塗布性を向上する方式であり、米国特許
明細書2,681,294号、同2,761,419
号、同2,761,791号等に記載されている塗布方
式であり、塗布時の均一安定化の方法は、米国特許明細
書3,220,877号、特開昭62−121451号
公報、特開平1−258772号公報等に開示されてい
る。
【0027】本発明に用いられる原紙としては、通常の
天然パルプ紙、合成繊維紙又はそれらの混抄紙、合成樹
脂フィルムの合成紙等が用いられる。特に、表面平滑性
の良い天然パルプ紙からなる原紙が好ましい。特に触針
粗さ計で測定されたSRaが3μm以下の原紙を使用す
ることで本発明の効果が大きい。
【0028】原紙中には、通常の抄紙で用いられるサイ
ズ剤、湿潤紙力増強剤、填料、pH調節剤、着色剤、着
色染料、蛍光剤等や、表面サイズとして澱粉系、ポリビ
ニルアルコール系、ゼラチン系等の水溶性ポリマー、塩
化ナトリウム、塩化カリウム、ポリスチレンスルホン酸
ソーダ等の無機或は有機の帯電防止剤、カオリン、クレ
ー、炭酸カルシウム等の顔料、着色顔料、染料、蛍光剤
等を適宜含有することができる。
【0029】本発明における写真印画紙の支持体には、
帯電防止、カール防止等のために、各種バックコート層
を設けることができる。バックコート層の素材として
は、コロイド状シリカ、コロイド状合成ヘクトライト、
塩化ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸塩、親水性バ
インダー、ラテックス重合体、顔料、界面活性剤等を使
用することができる。
【0030】本発明の写真印画紙では、各種の写真構成
層を塗設してカラー写真印画紙用、白黒写真印画紙用、
写植印画紙用、複写印画紙用等の各種用途に用いること
ができる。例えば、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、ヨウ臭
化銀等の乳剤層を設けることができる。ハロゲン化銀乳
剤層にカラーカプラーを含有して、多層ハロゲン化銀カ
ラー写真構成層を設けることもできる。結合剤として
は、通常のゼラチンの他、ポリビニルピロリドン、ポリ
ビニルアルコール等を用いることができる。写真構成層
には、増感色素、化学増感剤、カブリ防止剤、硬膜剤、
蛍光増白剤、帯電防止剤、pH調節剤等を含有すること
ができる。
【0031】本発明の写真印画紙は、「写真感光材料と
取扱法」(共立出版、宮本五郎著)に記載されているよ
うな露光、現像、停止、定着、漂白、安定等の各種処理
が施され、写真画像を形成させるものである。
【0032】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例中の部及び%は、それぞれ重量部及び重量
%を示すものである。
【0033】実施例1 坪量170g/m2の木材パルプを用いた原紙(SRa:
2.6μm)の裏面に、高密度ポリエチレン(密度:
0.962g/cm3)と低密度ポリエチレン(密度:0.
926)の比が50:50の混合物を30μmの厚さに
溶融押出コーティングした後、原紙の反対面にポリオレ
フィン樹脂組成物として高密度ポリエチレン(密度:
0.962g/cm3)と低密度ポリエチレン(密度:0.
926)の比が80:20の混合物に、アルミ処理アナ
ターゼ二酸化チタンを組成物の15重量%になるように
混合したポリオレフィン樹脂組成物を30μmの厚さに
溶融温度が300℃で溶融押出コーティング、冷却ロ−
ル処理をして、原紙の表面にポリオレフィン樹脂被覆層
を設け、本発明の写真印画紙用支持体を得た。なお、ポ
リオレフィン樹脂層の侵入抵抗力は、16Kg/cm2であっ
た。
【0034】原紙の表面のポリオレフィン樹脂被覆層上
に、減圧スライドビード方式で乳剤層及び保護層を同時
に設けて、白黒写真用印画紙とした。
【0035】乳剤層は 、ヘキサクロロイリジウム(II
I)酸カリウム1.2×10-5gの存在下に硝酸銀とし
て19.2gのハロゲン化銀粒子を生成、分散して製造
したArBr/AgCl/AgI=95/4.5/0.
5(モル%)なるハロゲン化銀写真乳剤組成物をゼラチ
ン14.4g中に有し、平均粒子径0.6μmの最適感
度に硫黄増感と金増感により併用増感したもので、実質
的に〔0、0、1〕面からなる中性法ハロゲン化銀写真
乳剤を含み、更に、成膜に必要なゼラチンの他、適量の
安定剤、増感色素、塗布助剤、硬膜剤、蛍光増白剤、増
粘剤、フィルター染料等を含み、硝酸銀で2.2g/m2
ゼラチンで4.4g/m2に相当する塗布量を、保護層と共
に減圧スライドビード塗布装置で減圧室の減圧度を−6
0mmH2O、塗布速度100m/分で重層塗布、乾燥
した。なお、保護層は、2g/m2に相当するゼラチンの他
に塗布助剤、硬膜剤を含む。
【0036】実施例2 実施例1の原紙の表面のポリオレフィン樹脂層の組成と
して、実施例1で用いた高密度ポリエチレンと低密度ポ
リエチレンの比を55:45に代えた以外は同様にして
本発明の写真印画紙用支持体を得、実施例1と同様にし
て白黒写真用印画紙を得た。なお、ポリオレフィン樹脂
層の侵入抵抗力は、30Kg/cm2であった。
【0037】実施例3 実施例1で表面のポリオレフィン樹脂として用いた高密
度ポリエチレンと低密度ポリエチレンの他に密度が0.
900のポリプロピレンを用い、それらの比が50:3
5:15に代えた以外は同様にして本発明の写真印画紙
用支持体を得、実施例1と同様にして白黒写真用印画紙
を得た。なお、ポリオレフィン樹脂層の侵入抵抗力は、
45Kg/cm2であった。
【0038】実施例4 実施例1の表面のポリオレフィン樹脂層上に下記の下塗
り層塗液をエアーナイフコーターで塗布、乾燥して下塗
り層を設けた以外は実施例1と同様にして白黒写真用印
画紙を得た。 メタクリル酸メチル−ブタジェン系ラテックス(固形) 85部 ゼラチン5%液(固形) 15部 表面処理したルチル型二酸化チタン(Al232%、SiO21%) 100部 水 100部
【0039】実施例5 実施例1の原紙の表面のポリオレフィン樹脂層の組成と
して、実施例1で用いた高密度ポリエチレンと低密度ポ
リエチレンの比を90:10に代えた以外は同様にして
本発明の写真印画紙用支持体を得、実施例1と同様にし
て白黒写真用印画紙を得た。なお、ポリオレフィン樹脂
層の侵入抵抗力は、7Kg/cm2であった。
【0040】比較例1 実施例1でポリオレフィン樹脂として用いた高密度ポリ
エチレンと低密度ポリエチレンの比を35:65とした
以外は実施例1と同様にして白黒写真用印画紙を得た。
なお、ポリオレフィン樹脂層の侵入抵抗力は、43Kg/c
m2であった。
【0041】比較例2 実施例1で原紙の表面のポリオレフィン樹脂として密度
が0.970g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂を100
%使用した以外は実施例1と同様にして白黒写真用印画
紙を得た。なお、ポリオレフィン樹脂層の侵入抵抗力
は、2Kg/cm2であった。
【0042】比較例3 実施例1で原紙の表面のポリオレフィン樹脂として密度
が0.945g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂と密度が
0.920g/cm3の低密度ポリエチレン、密度が0.9
00g/cm3のポリプロピレンの比を50:30:20に
した以外は実施例1と同様にして白黒写真用印画紙を得
た。なお、ポリオレフィン樹脂層の侵入抵抗力は、54
Kg/cm2であった。
【0043】以上、実施例1〜5、比較例1、3で得ら
れた白黒写真用印画紙を以下の方法で評価した。シャー
プネス(MTF)、下塗り層塗液の経時安定性、下塗り
層塗液の塗布適性、乳剤の膜付きの各評価結果につい
て、下記表1に示した。表1中のMTF(変調伝達関
数)は、5サイクル/mmでの値を示す。
【0044】[感度]実施例及び比較例により得られた
白黒写真用印画紙について、ウエッジ露光し、焼き付
け、D−72現像液で白黒現像処理後、濃度測定を行
い、感度を比較した。相対感度については、実施例の白
黒写真用印画紙は比較例のものに比べて同等かそれ以上
であった。
【0045】[シャープネス]シャープネスについて
は、未感光試料に正弦波チャートを用いて露光し、マイ
クロデンシトメーターで濃度測定して、変調伝達関数
(MTF)を求めて比較した。値が1に近い程優れてい
る。
【0046】[写像性]測定方法はJIS−H8686
で規定され、光学くしを通して得られた光量の波形から
写像性を像鮮明度として求める。スリット幅が2mmの
測定値より○△×で評価した。
【0047】[平滑性]三次元触針粗さ計によりSRa
(μm、0.8mm以上カットオフ)を求める。数字の
大きい程粗いことを示す。
【0048】[ポリオレフィン樹脂の膜付き]原紙とポ
リオレフィン樹脂層を手で剥し、その抵抗の程度で判
定。○:問題無し、△:やや抵抗が弱い、×:抵抗ほと
んど無し。
【0049】[乳剤の膜付き]乳剤の膜付きについて
は、実施例、比較例で得られた白黒印画紙の写真構成層
にカミソリでポリオレフィン樹脂層に到達する程度に傷
を碁盤目状につけ、その上にセロハンテープを圧着した
後、急激に剥離したときの写真構成層の支持体への残存
面積率で表示した。100%の値は、全く剥がれが無い
ことを表している。
【0050】
【表1】
【0051】表1より明らかなように、本発明の実施例
1〜5の写真用印画紙は、各種特性が優れていた。一
方、比較例1〜3の写真用印画紙は、感度、写像性、平
滑性に劣った。特に、比較例2の写真用印画紙は、シャ
−プネスが悪かった。又、比較例3の写真用印画紙は、
ポリオレフィン樹脂層と原紙の間の膜付き性が劣った。
【0052】
【発明の効果】本発明の写真印画紙用支持体を用いた写
真用印画紙は、写像性、シャープネス、感度に優れ、原
紙とポリオレフィン層、ポリオレフィン樹脂層と乳剤層
の膜付き性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャピラリーレオメーター概要の断面図。
【図2】キャピラリー部の断面図。
【図3】測定値をプロットしたグラフ。
【符号の説明】
1 降下梁 2 ロードセル 3 プランジャー 4 シリンダーブロック 5 シリンダー 6 キャピラリーブロック 7 キャピラリー 8 恒温槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 19/38 G03C 1/91 1/95 // D21H 19/80

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙の少なくとも片面にポリオレフィン
    樹脂と二酸化チタンを含有するポリオレフィン樹脂組成
    物を被覆した写真印画紙用支持体において、該ポリオレ
    フィン樹脂が、少なくとも、密度0.945g/cm3以上
    の高密度ポリエチレン(A)50〜100重量%と、密
    度0.930g/cm3以下の低密度ポリエチレン(B)5
    0〜0重量%とからなり、該ポリオレフィン樹脂と該二
    酸化チタンを含有する該ポリオレフィン樹脂組成物の2
    00℃、剪断速度1000/secにおける侵入抵抗力Qが
    3〜50Kg/cm2であることを特徴とする写真印画紙用支
    持体。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン樹脂が、高密度ポリエチ
    レン(A)を75重量%より多く、低密度ポリエチレン
    (B)を25重量%未満としてなることを特徴とする請
    求項1記載の写真印画紙用支持体。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン樹脂と二酸化チタンを含
    有するポリオレフィン樹脂組成物の侵入抵抗力Qが、5
    〜35Kg/cm2であることを特徴とする請求項1又は2記
    載の写真印画紙用支持体。
JP6392294A 1994-03-31 1994-03-31 写真印画紙用支持体 Pending JPH07270970A (ja)

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