JPH07269781A - 真空断熱材およびその製造方法、ならびにその真空断熱材を用いた断熱箱体 - Google Patents

真空断熱材およびその製造方法、ならびにその真空断熱材を用いた断熱箱体

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JPH07269781A
JPH07269781A JP6063899A JP6389994A JPH07269781A JP H07269781 A JPH07269781 A JP H07269781A JP 6063899 A JP6063899 A JP 6063899A JP 6389994 A JP6389994 A JP 6389994A JP H07269781 A JPH07269781 A JP H07269781A
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JP
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heat insulating
vacuum heat
insulating material
thin body
core material
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JP6063899A
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English (en)
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Takumi Fujinami
匠 藤波
Takayoshi Iwai
隆賀 岩井
Kumiko Takeshima
久美子 竹島
Toru Yamaguchi
徹 山口
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Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 真空断熱材の周囲に形成される熱融着部位に
よる突起部を少なくする。 【構成】 フィルム状の薄体31の上にコア材33を置
き、コア材33を包むように薄体31を折り返し、この
状態で薄体31内部を真空引きする。折り返すことで相
互に接合された薄体31同志を、周囲三方にて熱融着に
より接着する。このとき、薄体31の折り返される部位
をコア材33の一端面33aに密着させることで、真空
断熱材23の端面29に熱融着による突起が形成されな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コア材とコア材周囲
を覆う可撓性の薄体との間が減圧されてこれら両者が密
着状態で接触し、前記コア材周囲における薄体相互の接
合面が融着された真空断熱材およびその製造方法、なら
びにその真空断熱材を用いた断熱箱体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックラミネートフィルム
などからなる、いわゆるガスバリア性のフィルムでコア
材を覆い、内部を低圧にして封止した真空断熱材は、そ
の封止技術として、容易性、信頼性および生産性などに
優れていることから、フィルム相互の接合面を熱によっ
て融着する熱融着が採用されている。
【0003】熱融着技術は、一般的に、樹脂組成物から
なる熱融着層を有するもの同志を向かい合わせ、樹脂組
成物の性質に適した温度と適度の圧力を加えることで、
両者を接着する技術である。
【0004】真空断熱材においては、図12に示すよう
に、2枚の可撓性のあるフィルム状の薄体1,3でコア
材5を両側から挟み、内部を減圧後、コア材5の全周に
ついて薄体1,3相互の接合面を前述した熱融着技術に
より接着し、これにより内部が封止されて、図13に示
すような真空断熱材7が製造されることになる。このよ
うにして製造される真空断熱材7は、断熱材本体9に対
して全周にわたり薄体1,3相互の接合面による熱融着
部位11が形成されることになり、このような熱融着部
位11は、コア材5の外周部に対して突起部となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の真空断熱材は、熱融着による突起部が全周にわたり形
成されてしまうので、以下に示すような問題点が発生す
る。
【0006】(1)図14に示すように、断熱箱体とし
て冷蔵庫のハウジングに、真空断熱材7と発泡ウレタン
17を併用する場合を考えると、真空断熱材7を挿入し
た内壁13と外壁15との間に発泡ウレタン17を充填
する際に、真空断熱材7の突起となる熱融着部位11
が、発泡ウレタン17の発泡や流れを阻害し、未充填部
19が発生することになり、熱漏洩や変形が発生し、断
熱箱体としての性能が低下する原因となる。
【0007】(2)図15に示すように、断熱箱体とし
て冷蔵庫のハウジングに、真空断熱材7のみを使用す場
合には、熱融着部位11が邪魔になり、真空断熱材7相
互間に隙間21が発生し、この隙間21を介して熱漏洩
が発生するなど断熱箱体としての性能が低下する (3)真空断熱材の取扱い中、輸送中あるいは保管中な
どに、突起部である熱融着部位11の先端で、他の断熱
材本体9の表面のガスバリア層を形成する薄体1,3を
傷付け、真空断熱材の真空度劣化を招く可能性がある。
【0008】(4)薄体1,3相互の熱融着に必要な樹
脂組成物は、ガス透過性を有しており、このため熱融着
部位11が外部に露出しかつ全周に形成されていると、
真空断熱材の真空度が経時的に低下しやすいという問題
がある。
【0009】そこで、この発明は、真空断熱材を利用し
た断熱箱体の性能低下を防止し、また、真空断熱材の真
空度を所望に維持して断熱性能を向上させることを目的
としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明は、コア材とコア材周囲を覆う可撓性の薄
体との間が減圧されてこれら両者が密着状態で接触し、
前記コア材周囲における薄体相互の接合面が融着された
真空断熱材において、前記接合面とほぼ同一面上にある
真空断熱材周囲の少くとも一端面に、前記接合面による
突起を持たない構成としてある。
【0011】
【作用】このような構成の真空断熱材を断熱箱体に利用
する場合、接合面による突起が少なくなっていることか
ら、この突起が邪魔になって形成される断熱箱体内の空
間容積が減少し、断熱性能の低下が抑制される。また、
真空断熱材の取扱い時などには、上記突起が少ないこと
から、この突起による他の真空断熱材のガスバリア層へ
の損傷も抑制されるなど、真空断熱材の真空度が所望に
維持される。
【0012】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づき説明
する。
【0013】図1は、この発明の第1実施例を示してい
る。図1(b)は、真空断熱材23の斜視図であり、外
周部の突起となる熱融着部位25は、断熱材本体27の
三方に形成され、一方の端面29には形成されていな
い。この真空断熱材23は、図1(a)に示すように、
可撓性のある1枚のフィルム状の薄体31とコア材33
とから構成されている。
【0014】薄体31は、プラスチック製ラミネートフ
ィルムまたは、金属層とプラスチック層とを備えたラミ
ネートフィルムなどであり、ガスバリア性樹脂または金
属箔からなるガスバリア層を間に挟み、一方の面に熱融
着層を、他方の面に保護層を備えた三層構造となってい
る。熱融着層には、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹
脂、ポリエチレン樹脂のいずれかを用い、ガスバリア層
の金属箔にはアルミニウム箔を、ガスバリア性樹脂には
エチレンビニルアルコールまたはPAN樹脂を用いる。
保護層には、ポリエチレンテレフタレートが用いられ
る。
【0015】コア材33の材質としては、連続発泡ウレ
タンか、無機のシリカ微細粉末がよい。連続発泡ウレタ
ンの場合は、必要とする断熱材の形状に裁断したものを
用いるが、シリカ微細粉末はパウダー状であるため、必
要とする断熱材の形状となるよう、ガス透過性の容器に
収納した状態で加圧成形する。
【0016】図1(b)に示すような真空断熱材23を
製造するには、図1(a)に示すように、薄体31の熱
融着層上にコア材33を置き、コア材33を包むように
薄体31の一方の端縁部31aを持ち上げて他方の端縁
部31bに接合させるべく折り曲げる。このとき、コア
材33の一方の端面33aに薄体31の内面を密着させ
るようにする。
【0017】薄体31によりコア材33を包み込んだ状
態で、これらを真空槽内にセットし、真空引きを行うこ
とで、薄体31とコア材33との間を減圧させ、これに
より薄体31はコア材33の表面に密着するとともに、
コア材33の端面33aを除く三方の周囲にて、薄体3
1の上下が重ね合わせられる接合面が形成される。この
状態で、三方の接合面を熱融着により接着して熱融着部
位25とすることで、図1にような真空断熱材23が完
成する。つまり、熱融着部位25とほぼ同一面上にある
真空断熱材23周囲の一端面29が、接合面による突起
を持たないことになる。
【0018】なお、上記実施例では、真空引きの後の熱
融着を、周囲三方の接合面について行っているが、真空
引きのために開口部が確保できればよいので、三方のう
ち少なくとも一方の接合面を真空引きの後に熱融着する
ようにしてもよい。
【0019】図2は、上記実施例による真空断熱材およ
び、前記図13に示した従来の真空断熱材の熱伝導率の
経時変化を、初期(製造直後)と30日後について示し
ている。コア材33には、150mm×150mm×20mm
のサイズの直方体形状の連続発泡ウレタンを用い、薄体
31にPET−アルミ泊−ポリエチレンからなる三層構
造のラミネートフィルムを用いたものとする。これによ
れば、本実施例のものは、熱融着部位25を三方として
あり、四方に熱融着部位が形成された従来のものに比
べ、熱融着部位の総延長が約25%減少したことにな
り、この結果、本実施例による真空断熱材の熱伝導率
は、初期値としては従来の0.0057に対して0.0001低いだ
けであるが、30日経過後では0.0005従来に比べて低く
なり、断熱特性が従来に比べて向上していることがわか
る。
【0020】図3は、真空断熱材23を、発泡ウレタン
35と併用して断熱箱体としての冷蔵庫のハウジングに
使用した例を示している。この場合には、真空断熱材2
3を挿入配置した内壁37と外壁39との間に、発泡ウ
レタン35を充填する際に、熱融着部位が形成されてい
ない端面29の付近については、発泡ウレタン35の発
泡および流れが所望になされ、発泡ウレタン35が未充
填となる部位の発生が回避され、熱漏洩や変形などが抑
制され、断熱性能の向上が図れる。
【0021】図4は、内壁37と外壁39との間に真空
断熱材23のみを挿入して形成した断熱箱体を示してい
る。この場合には、真空断熱材23の熱融着部位が形成
されていない端面29同志を突き合わせることで、真空
断熱材23相互間に隙間が発生せず、図3の例と同様
に、熱漏洩が回避されるなど断熱箱体としての性能低下
が抑制される。
【0022】また、真空断熱材23の周囲四方のうち一
方の端面29に、突起となる熱融着部位が形成されてい
ないので、例えば真空断熱材23を取り扱う際などに、
四方に熱融着部位が形成されているものに比べ、突起と
なる熱融着部位で他の真空断熱材の表面のガスバリア層
を形成する薄体に対する損傷を抑制でき、真空断熱材の
真空度劣化を抑制できる。さらに、熱融着に必要な樹脂
組成物は、ガス透過性を有しているが、熱融着部位が端
面29については形成されていないので、従来のものに
比べ、真空断熱材の真空度の経時的低下が抑制される。
【0023】図5は、この発明の第2実施例を示してい
る。この実施例は、前記第1実施例の図1に示した1枚
の薄体31の両端縁部31a,31b相互の熱融着面同
志をあらかじめ熱融着して接着しておくことで、薄体3
1をほぼ円筒形状とする。このとき、両端縁部31a,
31bにおける熱融着部位40が外部に突出することに
なる。
【0024】円筒形状の薄体31の内部にコア材33を
挿入し、このとき、薄体31とコア材33との間に、な
るべく隙間が発生しないように両者の寸法を設定してお
く。コア材33を薄体31内に挿入した状態で、真空引
きを行い、かつ両端の開口部41について熱融着を行う
ことで、図5(b)に示すような真空断熱材42が得ら
れる。この真空断熱材42は、開口部41を熱融着する
ことで熱融着部位43が形成されるが、この熱融着部位
43における接合面とほぼ同一面上の二つの端面44に
接合面による突起が発生しないことになる。
【0025】なお、上記図5の第2実施例では、コア材
の形状に応じて薄体を円錐形状に加工してもよい。
【0026】また、薄体の素材を、熱融着層とガスバリ
ア性樹脂とからなるプラスチック製のラミネートフィル
ムとすれば、共押し出しによる押し出し成形により、薄
体を円筒形状とすることができる。この場合には、図5
における熱融着部位40が存在しないので、より優れた
断熱特性が得られる。
【0027】さらに、薄体の両面に熱融着層を形成する
ことで、図6(a)のように、薄体45の両端縁部にお
ける外側の面同志を接合させて、熱融着部位46をコア
材が挿入される内側に突出させたり、図6(b)のよう
に、薄体45の両端縁部における外側の面と内側の面と
を接合させて、熱融着部位47を平面状に形成すること
もできる。これにより、真空断熱材の表面がより凹凸の
少ない構造となる。これは、薄体を円筒状に形成するも
のに限らず、図1の実施例のようにコア材を薄体で単に
包み込む方法にも適用できる。
【0028】図7は、この発明の第3実施例を示してい
る。この実施例は、前記図6での薄体45と同様に熱融
着層が両面に形成された薄体を用い、共押し出しによる
押し出し成形で円筒形状とした薄体48の一方の開口部
49について、まず図7(a)のように、周縁部の相互
に対向する図中で左右部位51を内側に折り返し、さら
に上下部位53を、すでに折り返してある左右部位51
に重ねるように内側に折り返す。この状態で熱融着する
ことで、図7(b)のように、平面部55が形成され、
薄体48を袋状とする。一対の上下部位53は、一方が
他方に重なるようにすることで、平面部55のシール性
を確保する。
【0029】平面部55を熱融着する際に使用する熱融
着装置としては、一対の面状の加熱部を有し、かつ一方
の加熱部は薄体48内に挿入できる形状である必要があ
る。また、平面部55を形成するための開口部49周縁
の折り返し方法としては上記したものに限らず、真空断
熱材製造後、真空が保たれる構造であればよい。
【0030】平面部55の四つの角部から平面部55と
反対側の開口部57に沿って折り目59を付けること
で、薄体48の形状を矩形状とし、この形状に合わせた
コア材33を薄体48内に挿入し、真空引きの後、開口
部57側を熱融着により封止する。
【0031】この実施例では、コア材33を薄体48内
に挿入する際、両者間の隙間が極力少なくなるよう両者
の寸法を設定することで、熱融着部位による外部への突
起は、コア材33を挿入する開口部57側の一方だけで
あるので、前述した各実施例に比べてより優れた真空断
熱材とすることができる。
【0032】なお、上記図7の実施例では、共押し出し
による押し出し成形で円筒形状とした薄体48を用いた
が、図5あるいは図6に示したように、端縁部同志を熱
融着により接着して円筒形状に形成した薄体を用いても
よい。また、上記図7の実施例では、コア材33に代え
て、無機のシリカ粉末を袋状の薄体48内に充填し、周
囲を覆う型と開口部より挿入した圧縮用の治具により加
圧しながら真空引きし、治具を抜いた後開口部を熱融着
により封止してもよい。
【0033】図8は、この発明の第4実施例を示してい
る。この実施例は、図8(a)に示すように、前記図6
および図7での薄体と同様に熱融着層が両面に形成され
た薄体61を2枚用い、真空断熱材の外面となるべき面
61aを相互に向かい合わせて内側に位置させ、周囲三
方の周縁を接合させて熱融着部位65を三方に形成し、
薄体61を開口部66を有する袋状とする。
【0034】次に、袋状となった薄体61を、内側とな
っている面61aを本来の外面となるよう図8(b)の
ように裏返し、この状態の袋状の薄体61内にコア材を
挿入し、真空引き後、開口部66を熱融着により封止す
る。この実施例では、突起となる三方の熱融着部位65
が、コア材が挿入される内側となるので、外側に突起と
して形成される熱融着部位は、前記図7の実施例と同様
に開口部66の封止部だけとなる。
【0035】上記図8での裏返す方法としては、袋状の
底部側を外側から押し込むか、内側から真空引きを行う
ものとする。前者の外側から押し込む場合には、開口部
66を固定して押し込み治具で押し込むか、開口部66
から輪状の治具を挿入し、外側から輪を通過する治具で
押し込む。後者の真空引きの場合には、漏れのないよう
に開口部66を治具で押さえ、内側から減圧し裏返す。
【0036】なお、図8(a)の裏返す前の状態では、
熱融着部位65を三方としたが、二方あるいは一方とし
た状態で裏返すようにしてもよい。また、裏返す前の状
態での熱融着部位65が曲線状となるよう加熱部を曲線
状のものを使用すれば、曲線状の端部にも熱融着部位に
よる突起をもたない真空断熱材が得られる。
【0037】図9は、この発明の第5実施例を示してい
る。この実施例は、前記図7の第3実施例で袋状に形成
した薄体48の平面部55と反対側の開口部57につい
て、図9(b)のように、その周縁部における相互に対
向する短辺67を内側に折り込み、この状態で開口部5
7の両端を同図(c)のように、上下方向に沿って熱融
着して熱融着部位69とする。
【0038】さらに、同図(d)に示すように、二つの
熱融着部位69を含む接合面を下方に移動させて平面部
55と反対側の平面部70を形成し、この状態で二つの
熱融着部位69の下端部相互を結ぶ線上に沿って熱融着
する。これにより形成される熱融着部位71より先端側
の突起部73は、同図(e)に示すように、熱融着部位
71に沿って平面部70側に折り返し固定し、これによ
り真空断熱材72が完成する。平面部70への固定方法
は、ウレタン系接着剤、両面テープ、粘着テープなどを
用いる。
【0039】上記図9の実施例では、開口部57を真空
封止する際の熱融着時に形成される突起部73を平面部
70側に密着させて固定しているので、この部分での接
合面による突起がなく、全周にわたり熱融着部位による
突起が形成されないものとなる。
【0040】このため、図9のようにして製造された真
空断熱材72を、断熱箱体として例えば図10のように
冷蔵庫のハウジング74の各壁部74a,74b,74
c,74d,74e内に挿入して使用した場合に、前記
図3のように、発泡ウレタンを併用する際には、発泡ウ
レタンの発泡および流れが、より確実になされ、また前
記図4のように、真空断熱材のみを組み合わせる際にお
いても、断熱材周囲のどの端面を断熱材同志接触させて
も相互が隙間なく密着させることができ、極めて断熱性
の高い断熱箱体が得られることになる。
【0041】また、真空断熱材72を取扱う際などに
は、周囲に接合面による突起がないので、突起により他
の真空断熱材の表面のガスバリア層を形成する薄体を損
傷させるという問題は発生せず、真空断熱材の真空度劣
化を抑制できる。
【0042】なお、上記図9の実施例では、開口部57
を真空封止する部位にて、突起部73を折り返すように
したが、この方法は、真空封止前の他の熱融着部に適用
してもよい。
【0043】図11は、この発明の第6実施例を示して
いる。この実施例は、可撓性の薄体75として、前述し
た各実施例での薄体に比べて厚く形成された、いわゆる
ラミネートシートからなるトレー部76と、このトレー
部76の底面のほぼ全面に、全体の半分が接着された蓋
部77とを有するものを使用している。蓋部77は、前
述した各実施例での薄体と同様にフィルム状のもので、
トレー部76および蓋部77ともに材質としては、前記
図1の実施例での薄体と同様のものでよい。蓋部77の
トレー部76に接着された部位と接着されていない部位
との境界部分におけるトレー部76の端縁部には、屈曲
部79が形成されている。この屈曲部79には、蓋部7
7は接着されていない。
【0044】図11(a)のようにトレー部76と蓋部
77とが一体となった状態で、トレー部76を真空成形
により、同図(b)のようにトレー状に形成する。これ
により、トレー部76は、コア材をセットする凹部81
が形成されるとともに、周囲三方にフランジ83が形成
される。このとき、トレー部76の屈曲部79は、フラ
ンジ83とともに真空成形時での押さえ部の役目を果た
す。
【0045】真空成形後は、屈曲部79は不要となるの
で切り落とし、その後前記図1に示したものと同様なコ
ア材33をトレー部76上にセットし、フィルム状の蓋
部77をコア材33を覆うようにトレー部76に被せ
る。このとき、蓋部77の折り返し部77aは、屈曲部
79を削除した状態のトレー部76の縁部に密着し、蓋
部77の周縁部は三つのフランジ83上に接合される。
この状態で、コア材が収納される内部を真空引きし、蓋
部77の周縁部とトレー部76のフランジ83との接合
部を熱融着して周囲三方に熱融着部位85を形成し、こ
れにより図11(c)のような真空断熱材87が完成す
る。
【0046】上記図11の実施例では、蓋部77の押し
返し部77aに突起が形成されず、突起となる熱融着部
位85は三方であるので、突起となる熱融着部位が周囲
四方にあった従来のものに比べて、断熱特性が向上する
など前記図1の実施例と同様の効果が得られる。
【0047】なお、上記図11の実施例において、蓋部
77に使用したようなフィルム状のものでも、強度が充
分であれば、トレー部76に使用してもよい。また、周
囲三方の熱融着部位85のうち、真空引き後に熱融着す
るのは、少なくとも一つあればよく、したがって一つあ
るいは二つの熱融着部位85を真空引き前に熱融着して
もよい。さらに、トレー部76上にセットするコア材と
して、無機のシリカ粉末用い、成形用の型と、治具によ
り圧力を加え成形しながら、真空引きし、熱融着封止し
てもよい。また、図11の例では、トレー部76に蓋部
77を接着してこれら両者を一体としたものであるが、
トレー部と蓋部とを同一素材により一体成形してもよ
く、この場合には、蓋部側の折り返し部に相当する位置
では、トレー部の真空成形時に押さえ部となる部分を突
起とならないよう折り返す必要がある。
【0048】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば、コア材周囲を覆う可撓性の薄体相互の接合面とほ
ぼ同一面上にある真空断熱材周囲の少くとも一端面に、
前記接合面による突起を持たない構成としたため、真空
断熱材を断熱箱体に利用する場合、接合面による突起が
少なくなっていることから、この突起が邪魔になって形
成される断熱箱体内の空間容積が減少し、断熱性能の低
下を抑制することができる。また、真空断熱材の取扱い
時などに、上記突起により他の真空断熱材のガスバリア
層への損傷も抑制できるなど、真空断熱材の真空度を所
望に維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係わる図で、(a)は
真空断熱材の製造過程を示す斜視図、(b)は真空断熱
材の斜視図である。
【図2】図1の真空断熱材と従来の真空断熱材との熱伝
導率の違いを示す説明図である。
【図3】図1の真空断熱材を発泡ウレタンと併用して断
熱箱体に使用した例を示す断面図である。
【図4】図1の真空断熱材を複数組み合わせて断熱箱体
に使用した例を示す断面図である。
【図5】この発明の第2実施例に係わる図で、(a)は
真空断熱材の製造過程を示す斜視図、(b)は真空断熱
材の斜視図である。
【図6】図5の実施例の変形例である。
【図7】この発明の第3実施例に係わる真空断熱材の製
造過程を示す説明図である。
【図8】この発明の第4実施例に係わる真空断熱材の製
造過程を示す説明図である。
【図9】この発明の第5実施例に係わる真空断熱材の製
造過程を示す説明図である。
【図10】図9の真空断熱材を利用した断熱箱体の斜視
図である。
【図11】この発明の第6実施例に係わる真空断熱材の
製造過程を示す説明図である。
【図12】従来例に係わる真空断熱材の製造過程を示す
斜視図である。
【図13】従来例を示す真空断熱材の斜視図である。
【図14】図13の真空断熱材を発泡ウレタンと併用し
て断熱箱体に使用した例を示す断面図である。
【図15】図13の真空断熱材を複数組み合わせて断熱
箱体に使用した例を示す断面図である。
【符号の説明】
23,42,72,87 真空断熱材 25,40,43,46,47,65,69,71,8
5 熱融着部位 29,44 真空断熱材の一端面 31,45,48,61,75 薄体 33 コア材 49,57 開口部 55 平面部 61a 外面 76 トレー部(受部) 77 蓋部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹島 久美子 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝住空間システム技術研究所内 (72)発明者 山口 徹 東京都港区新橋3丁目3番9号 東芝エ ー・ブイ・イー株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア材とコア材周囲を覆う可撓性の薄体
    との間が減圧されてこれら両者が密着状態で接触し、前
    記コア材周囲における薄体相互の接合面が融着された真
    空断熱材において、前記接合面とほぼ同一面上にある真
    空断熱材周囲の少くとも一端面に、前記接合面による突
    起を持たないことを特徴とする真空断熱材。
  2. 【請求項2】 可撓性の薄体は、コア材と薄体との間を
    減圧させる前の状態で、ほぼ円筒状に形成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の真空断熱材。
  3. 【請求項3】 可撓性の薄体は、少くとも二種の樹脂材
    からなる二層構造であり、押し出し成形によりほぼ円筒
    状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の真
    空断熱材。
  4. 【請求項4】 可撓性の薄体は、両端縁部相互が熱融着
    されてほぼ円筒状に形成されるものであり、かつ両面に
    熱融着層を備えていることを特徴とする請求項2記載の
    真空断熱材。
  5. 【請求項5】 可撓性の薄体は、両端縁部相互が熱融着
    されることで形成される相互に対向する一対の開口部の
    一方側について、その周縁部を折り返すことで平面部が
    形成され、かつ熱融着によりこの一方側の開口部が封止
    されていることを特徴とする請求項4記載の真空断熱
    材。
  6. 【請求項6】 両面に熱融着層を有しかつほぼ円筒状に
    形成した可撓性の薄体の一方の開口部の周縁部を折り返
    すことで平面部を形成した後、この平面部を形成した側
    の開口部を熱融着により封止し、他方の開口部からコア
    材を挿入し、コア材と薄体との間を減圧後、前記他方の
    開口部における薄体相互の接合面を熱融着することを特
    徴とする真空断熱材の製造方法。
  7. 【請求項7】 可撓性の薄体は、突起となる接合面の一
    部が、薄体で覆った内部側に形成されていることを特徴
    とする請求項1記載の真空断熱材。
  8. 【請求項8】 コア材周囲を覆う可撓性の薄体を、外面
    となるべき面相互を向かい合わせ、少くとも一端縁部を
    融着した後、内面と外面とが反対となるよう裏返し、こ
    の状態でコア材を覆う薄体の内部を減圧後、薄体相互の
    接合面を融着して封止することを特徴とする真空断熱材
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 コア材周囲を覆う薄体の開口部における
    相互に対向する周縁部を、互いに接近する内側方向に押
    し込み、この押し込んだ部位を融着して仮止めした後、
    開口部を融着により封止し、この封止によって形成され
    る薄体相互の接合面による突起を折り返し薄体表面に固
    定することを特徴とする真空断熱材の製造方法。
  10. 【請求項10】 コア材周囲を覆う薄体の開口部におけ
    る相互に対向する周縁部が、互いに接近する内側方向に
    押し込まれた状態で、開口部が融着により封止され、こ
    の封止によって形成される薄体相互の接合面による突起
    が、折り返されて薄体表面に固定されていることを特徴
    とする請求項1記載の真空断熱材。
  11. 【請求項11】 可撓性の薄体は、真空成形でトレー状
    に形成された受部と、この受部の端縁部付近から連続し
    て一体となり、かつ受部の開口側を覆う蓋部とから構成
    さていることを特徴とする請求項1記載の真空断熱材。
  12. 【請求項12】 可撓性の薄体の一部位を真空成形でト
    レー状に形成し、他の部位を前記トレー状部位の端部か
    ら折り返してトレー状部位を覆って蓋部とし、前記トレ
    ー状部位と蓋部との間のコア材が収納される空間内を減
    圧後、トレー状部位と蓋部との接合面を融着して封止す
    ることを特徴とする真空断熱材の製造方法。
  13. 【請求項13】 コア材とコア材周囲を覆う可撓性の薄
    体との間が減圧されてこれら両者が密着状態で接触し、
    前記コア材周囲における薄体相互の接合面が融着された
    真空断熱材を使用した断熱箱体において、外周部に前記
    薄体相互の接合面による突起のない真空断熱材を複数用
    い、この複数の真空断熱材を相互に密着させて構成した
    ことを特徴とする断熱箱体。
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