JPH0726901U - 回転磁気ヘッド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 広帯域特性をもち、しかも高周波外来ノイズ
の影響を受けないロータリートランスを備えた回転磁気
ヘッド装置を得るにある。 【構成】 回転ドラム５に設ける磁気ヘッド８と装置固
定部との間をロータリートランス９Ａで磁気的に結合し
たヘリカルスキャン方式の回転磁気ヘッド装置におい
て、前記回転ドラム５に固定するロータリートランスの
ロータ側コア１０及び装置固定部に固定するステータ側
コア１１の少なくとも外表面をそれぞれ鉄系金属等の電
気的良導体１５，１６で覆った回転磁気ヘッド装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はヘリカルスキャン方式の回転磁気ヘッド装置に関し、特に、外来高周 波ノイズに対して安定した回転磁気ヘッド装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

周知のように、例えばＶＴＲやＤＡＴ等のような磁気テープを記録媒体とする プレーヤにおいては、図３に示すようなヘリカルスキャン方式の回転磁気ヘッド 装置が用いられる。

【０００３】 即ち、図３に示された上ドラム回転式回転磁気ヘッド装置はダイレクトベアリ ング１を介して装置固定部である取付ボス２に回転可能に支持された回転軸３を 備え、この回転軸３の下端部にはＤＤモータ４のロータ４ａが、また、同回転軸 ３の上端部には回転ドラムである上ドラム５を取付けられるフランジ部材６が固 定される。 そして、前記取付ボス２に対しては磁気テープのガイドとなる下ドラム７が前 記回転軸３に対して同心的に固定され、前記上ドラム５の下面には一対の磁気ヘ ッド８が前記上ドラム５の直径方向に対向した位置に固定されるけれども、これ らの磁気ヘッド８に対する電圧の印加や信号の授受のため、前記下ドラム７の内 部には、詳細を図４に示すロータリートランス９が配置される。

【０００４】 つまり、図４に示すように、非接触型のロータリートランス９は、前記フラン ジ部材６の下面に固定されるフェライト製ロータ側コア１０と、前記取付ボス２ の表面に固定されるフェライト製ステータ側コア１１とを備える。また、これら のロータ側コア１０及びステータ側コア１１の対向面にはチャンネルごとの巻線 溝１０ａ，１０ｂ，１１ａ，１１ｂがそれぞれ形成され、これらの各巻線溝１０ ａ，１０ｂ，１１ａ，１１ｂに対しては、各チャンネルの前記磁気ヘッド８に結 線される１次側巻線１２Ａ，１２Ｂ及び装置固定部の端子板１３（図３示）に結 線される２次側巻線１４Ａ，１４Ｂが配置される。

【０００５】 したがって、このようなロータリートランス９によると、装置固定部の端子板 １３と上ドラム５に固定する各チャンネルの磁気ヘッド８が磁気的に結合され、 同端子板１３からの電圧の印加や信号の授受が可能になる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前述したＶＴＲやＤＡＴ等のプレーヤにあっては、デジタル化が図 られて高速化、高周波化されつつあるけれども、これに伴ってロータリートラン ス９においても、ロータ側コア１０やステータ側コア１１の材質を改善する等の 方法により広帯域特性の良好なものが開発されている。 しかしながら、ＶＴＲやＤＡＴ等のプレーヤの内部は、デジタル化等により高 周波外来ノイズがますます多なった環境下にあり、単に広帯域型のロータリート ランス９を用いるでけでは、これらの高周波外来ノイズが１次側巻線１２Ａ，１ ２Ｂや２次側巻線１４Ａ，１４Ｂに入力して、ロータリートランス９が誤動作を 起こしたり、記録・再生画像の画質が劣化したり、再生音に耳障りなノイズ音が 混入する等の問題が発生している。 本考案の目的は、以上に述べたような従来の回転磁気ヘッド装置のロータリー トランスの問題に鑑み、広帯域特性をもち、しかも高周波外来ノイズの影響を受 けないロータリートランスを備えた回転磁気ヘッド装置を得るにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するため、本考案は、回転ドラムに設ける磁気ヘッドと装置固 定部との間をロータリートランスで磁気的に結合したヘリカルスキャン方式の回 転磁気ヘッド装置において、前記回転ドラムに固定するロータ側コア及び装置固 定部に固定するステータ側コアの少なくとも外表面をそれぞれ電気的良導体で覆 った回転磁気ヘッド装置を提案するものである。

【０００８】

【実施例】 以下、図１及び図２について本考案の実施例の詳細を説明する。 図１は本考案の第１実施例の回転磁気ヘッド装置で用いるロータリートランス ９Ａの図４対応断面図であり、図４と同一構造部分については図４と同一符号を 付して示してある。

【０００９】 即ち、図１示のロータリートランス９Ａは、回転ドラム側に固定されるロータ 側コア１０と、装置固定側に固定されるステータ側コア１１とを備え、これらの ロータ側コア１０及びステータ側コア１１の対向面にはチャンネルごとの巻線溝 １０ａ，１０ｂ，１１ａ，１１ｂがそれぞれ形成され、これらの各巻線溝１０ａ ，１０ｂ，１１ａ，１１ｂに対して、各チャンネルの磁気ヘッドに結線される１ 次側巻線１２Ａ，１２Ｂ及び装置固定部に結線される２次側巻線１４Ａ，１４Ｂ が配置されるのは、従来と全く同様である。

【００１０】 第１実施例の特徴は、それぞれの外表面側からロータ側コア１０及びステータ 側コア１１に被せられかつ対応したロータ側コア１０及びステータ側コア１１に 貼着された鉄系金属等の電気的良導体カップ１５，１６にある。即ち、これらの 電気的良導体カップ１５，１６は薄い鋼板等の電気的良導体板をロータ側コア１ ０及びステータ側コア１１の外形に対応させてプレス加工したもので、ロータ側 コア１０及びステータ側コア１１の外表面に対応した表壁部１５ａ，１６ａと、 これらのロータ側コア１０及びステータ側コア１１の周面に対応した周壁部１５ ｂ，１６ｂとを備えている。

【００１１】 第１実施例のロータリートランス９Ａは、以上のような構造であるから、１次 側巻線１２Ａ，１２Ｂ及び２次側巻線１４Ａ，１４Ｂが位置されるロータ側コア １０及びステータ側コア１１の内部空間は電気的良導体カップ１５，１６で外界 から完全に遮蔽されることになる。したがって、この構造では、ロータリートラ ンス９Ａの内部に高周波外来ノイズが入力するのを電気的良導体カップ１５，１ ６で完全に阻止できる。

【００１２】 図２は本考案の第２実施例の図１相当断面図であり、図１と同一構造部分につ いては同一符号を付してある。 第２実施例によるロータリートランス９Ｂの特徴は、ロータ側コア１０及びス テータ側コア１１のそれぞれの外表面に形成した電気的良導体層１５Ａ，１６Ａ にあり、これらの電気的良導体層１５Ａ，１６Ａは真空蒸着法またはスパッタリ ング法等の周知の薄膜形成法により形成したものである。

【００１３】 これらの電気的良導体層１５Ａ，１６Ａはロータ側コア１０及びステータ側コ ア１１の周面には、施されてはいないけれども、この理由は、高周波外来ノイズ のほとんどが面積の大きなロータ側コア１０及びステータ側コア１１の外表面か ら入力する事実を考慮して、これらの外表面を電気的良導体層１５Ａ，１６Ａで シールドすれば充分な効果が得られることによる。

【００１４】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案によれば、ロータリートランスを構成 するロータ側コア及びステータ側コアの外表面を電気的良導体で覆うだけの簡単 な構成により、広帯域型で、しかも高周波外来ノイズの影響を受けない回転磁気 ヘッド装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による回転磁気ヘッド装置に用いるロー
タリートランスの拡大断面図である。

【図２】本考案の他の実施例の図１対応断面図である。

【図３】従来の回転磁気ヘッド装置の断面図である。

【図４】同回転磁気ヘッド装置に用いるロータリートラ
ンスの断面図である。

【符号の説明】

５ 上ドラム（回転ドラム） ８ 磁気ヘッド ９Ａ，９Ｂ ロータリートランス １０ ロータ側コア １１ ステータ側コア １５，１６ 電気的良導体カップ １５Ａ，１６Ａ 電気的良導体層

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転ドラムに設ける磁気ヘッドと装置固
   定部との間をロータリートランスで磁気的に結合したヘ
   リカルスキャン方式の回転磁気ヘッド装置において、前
   記回転ドラムに固定するロータリートランスのロータ側
   コア及び装置固定部に固定するステータ側コアの少なく
   とも外表面をそれぞれ電気的良導体で覆ったことを特徴
   とする回転磁気ヘッド装置。