JPH0726777A - 機械式駐車設備の搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水平移動手段の駆動手段と受渡手段の駆動手
段とを１つの駆動手段で共用して装置の構造の簡素化を
図り、設備費用を低減する。 【構成】 パレットＰ受渡し時、格納スペース３に対
し接離するよう水平移動可能に設けられた水平移動台１
４の格納スペース３に対する接近動作と、パレットＰを
格納スペース３との間で受け渡す受渡手段２１の受渡し
動作とを１つの駆動モータ２３で行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、機械式駐車設備の搬送
装置の改良に関し、特に格納スペース等の受渡スペース
との間でパレットを受け渡す際に駆動する装置の簡素化
対策に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、例えば車両をパレットに搭載
して駐車部内の格納スペース等の受渡スペースに受け渡
す場合、搬送台車を走行路に沿って走行させて目的の受
渡スペースの側方で停止させ、上記搬送台車に設置され
た水平移動手段を水平移動させて上記受渡スペースに接
近させた後、該水平移動手段に設けられたスプロケット
およびエンドレスチェーン等からなる受渡手段を作動さ
せて上記パレットを受渡スペースとの間で受け渡すこと
により、車両をパレットごと受渡スペースに受け渡すよ
うになされている（例えば、特開平３−２２４９７２号
公報参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の従来
の搬送装置では、パレット受渡し時の第１段階である水
平移動手段の受渡スペースへの接近動作を行わせる駆動
手段と、第２段階である受渡手段を作動させる駆動手段
とを各々個別に設けていることから、装置の構造が複雑
になって設備費用が嵩むという問題があった。

【０００４】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、水平移動手段の駆動手
段と受渡手段の駆動手段とを共用することにより、１つ
の駆動手段で両者を駆動させ、その分だけ装置の構造の
簡素化を図って設備費用を低減せんとすることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、車両をパレットに搭載して駐車部に格納
する機械式駐車設備において上記パレットを受渡スペー
スに搬送する搬送装置を対象とし、次のような解決手段
を講じた。

【０００６】すなわち、本発明の第１の解決手段は、上
記パレットを搭載して搬送路を移動する搬送手段を設け
る。さらに、パレット受渡し時、上記受渡スペースに接
近する水平移動手段を上記搬送手段に受渡スペースに対
し接離するよう水平移動可能に設ける。また、上記パレ
ットを受渡スペースとの間で受け渡す受渡手段を上記水
平移動手段に設ける。加えて、パレット受渡し時、上記
水平移動手段を受渡スペースに接近させるべく作動させ
た後、上記パレットを受渡スペースとの間で受け渡すべ
く上記受渡手段を作動させる１つの駆動手段を設けてい
ることを特徴とする。

【０００７】本発明の第２の解決手段は、第１の解決手
段において、受渡手段を、一対のスプロケットと、該両
スプロケットに巻き掛けられたエンドレスチェーンと、
該エンドレスチェーンに設けられた複数の係合ピンと、
パレットに設けられ上記各係合ピンに係合する係合部材
とを備えて構成したことを特徴とする。

【０００８】本発明の第３の解決手段は、第２の解決手
段において、水平移動手段を受渡スペースに接近させる
際、エンドレスチェーンの駆動を停止させる停止手段を
受渡手段に設けていることを特徴とする。

【０００９】

【作用】上記の構成により、本発明の第１ないし第３の
解決手段では、搬送台車が目的の受渡スペースの側方に
移動して来ると、まず、水平移動手段が駆動手段によっ
て水平移動させられて上記受渡スペースに接近した後、
スプロケットおよびエンドレスチェーン等からなる受渡
手段が上記駆動手段によって作動させられ、パレットが
受渡手段との間で受け渡されることから、水平移動手段
用の駆動手段と受渡手段用の駆動手段とを各々専用化せ
ずに済み、１つの駆動手段で共用できてその分だけ装置
の構造が簡素になって設備費用が低減する。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１１】図５は機械式駐車設備の駐車部１を示す。
２は該駐車部１の床に設けられた搬送路としての走行
路、３は該走行路２に沿って設けられた複数の受渡スペ
ースとしての格納スペースであって、上記走行路２には
２条の走行レール４，４が敷設され、該走行レール４，
４には本発明の実施例に係る搬送装置Ａが上記走行路２
に沿って走行可能に配置されている。

【００１２】図１および図２に示すように、上記搬送装
置Ａは、上記走行レール４，４を転動する４個の車輪
５，５，…が取り付けられた搬送手段としての搬送台車
６を備えてなり、該搬送台車６には、上記４つの車輪
５，５，…のうち走行方向の一方側（図１手前）の２つ
の車輪５，５を駆動させる走行駆動装置７が設置され、
該走行駆動装置７の出力軸（図示せず）に連結されたシ
ャフト８を上記２つの車輪５，５に連結して該車輪５，
５に走行駆動装置７の動力を伝達することにより、パレ
ットＰを搭載して走行路２を移動するようになされてい
る。

【００１３】また、上記搬送台車６には、上方に延びる
出力軸９ａに出力スプロケット１０が連結された旋回駆
動装置９が設置され、該旋回駆動装置９の上方には、旋
回台１１が外周に歯部１２ａ，１２ａ，…を有する旋回
軸１２に水平面内で旋回可能なように支持されて配置さ
れ、かつ上記旋回軸１２の歯部１２ａ，１２ａ，…およ
び出力スプロケット１０にはエンドレスチェーン１３が
巻き掛けられている。そして、上記旋回駆動装置９の動
力を出力スプロケット１０、エンドレスチェーン１３お
よび旋回軸１２の歯部１２ａ，１２ａ，…に伝達して上
記旋回台１１を水平面内で所定角度だけ旋回させるよう
になされている。

【００１４】上記旋回台１１には、水平移動手段として
水平移動台１４が上記格納スペース３に対し接離するよ
うクロスローラベアリング１５，１５（図２に表われ
る）を介して水平移動可能に支持されて配置され、パレ
ットＰ受渡し時、上記格納スペース３に接近するように
なされている。また、上記水平移動台１４の上面には、
８個のローラ１６，１６，…が水平移動方向に所定間隔
をあけて２列に４個ずつ配置され、これらのローラ１
６，１６，…には車両搭載用パレットＰがその２条のガ
イドレールｐ1 ，ｐ1 を上方から載せて支持されるよう
になされている。

【００１５】また、上記水平移動台１４の両側の前後に
は、８個のスプロケット１７，１７，…が２個ずつシャ
フト１８，１８の両端にそれぞれ連結されて配置され、
両側の前後４個のスプロケット１７，１７には２条のエ
ンドレスチェーン１９，１９が巻き掛けられている。ま
た、該エンドレスチェーン１９，１９には、図３および
図４に拡大詳示するように、複数（図では１つのみ表わ
れる）の係合ピン２０，２０，…が所定間隔をあけて取
り付けられ、該各係合ピン２０は、上記パレットＰの前
後両端に取り付けられた係合部材ｐ2 ，ｐ2 のＵ字状の
係合溝ｐ3 に係合するようになされている。そして、上
記エンドレスチェーン１９の各係合ピン２０をパレット
Ｐの各係合部材ｐ2 の係合溝ｐ3 に係合させた状態でエ
ンドレスチェーン１９を駆動させることにより、パレッ
トＰを水平移動させて格納スペース３との間で受け渡す
ようになされている。

【００１６】したがって、スプロケット１７、エンドレ
スチェーン１９、係合ピン２０および係合部材ｐ2 等に
より、パレットＰを格納スペース３との間で受け渡す受
渡手段２１が構成されている。また、上記前側（図１左
側）のシャフト１８には停止手段としてのブレーキ２２
が装着され、該ブレーキ２２の作動により、水平移動台
１４を格納スペース３に接近させる際、上記エンドレス
チェーン１９の駆動を停止させるようになされている。

【００１７】また、上記旋回台１１には、駆動手段とし
ての駆動モータ２３が設置され、該駆動モータ２３の出
力軸（図示せず）には、２つのアイドラースプロケット
２４，２４の間に位置して上記エンドレスチェーン１９
が巻き掛けられた出力スプロケット２５が連結されてい
る。そして、パレットＰ受渡し時、上記ブレーキ２２を
作動させた状態で、つまりエンドレスチェーン１９の作
動を停止させた状態で、上記駆動モータ２３を作動させ
ることにより、図６に示すように、出力スプロケット２
５を時計回り方向に回転させて水平移動台１４を格納ス
ペース３に接近させるようになされている。また、上記
水平移動台１４を格納スペース３に接近させた状態で、
上記ブレーキ２２を解除させた状態で、つまりエンドレ
スチェーン１９の作動を許容した状態で、上記駆動モー
タ２３を作動させることにより、図７に示すように、上
記出力スプロケット２５を反時計回り方向に回転させて
パレットＰを格納スペース３との間で受け渡すようにな
されている。

【００１８】さらに、上記旋回台１１には、上方に出没
可能なロッキングピン２６ａを有するロッキング装置２
６が設置されている一方、上記水平移動台１４の下面に
は３つの係合孔２７，２７，２７が前後方向に所定間隔
をあけて形成されている。そして、上記ロッキング装置
２６のロッキングピン２６ａは、図５に示すように、搬
送台車６が走行中は突出して上記係合孔２７，２７，２
７のうち真中の係合孔２７に係合して水平移動台１４の
水平移動を規制している一方、図６に示すように、水平
移動台１４を水平移動させる際には没入させて係合孔２
７との係合を解除し、さらに、図７に示すように、パレ
ットＰを水平移動台１４との間で受け渡す際には突出し
て後側（図で右側）の係合孔２７に係合して水平移動台
１４の水平移動を規制するようになされている。なお、
前側（図で左側）の係合孔２７は、格納スペース３が反
対側にもある場合に機能するものである。

【００１９】一方、図５ないし図７に示すように、上記
各格納スペース３には、８個のローラ２８，２８，…が
上記水平移動台１４のローラ１６の延長線上に位置する
ように所定間隔をあけて２列に４個ずつ配置され、これ
らのローラ２８，２８，…により上記水平移動台１４か
ら受け渡されるパレットＰを載せて下方から支持するよ
うになされている。また、格納スペース３の奥部にはス
トッパー２９が設けられ、移載されたパレットＰを位置
決めするようになされている。

【００２０】そして、上述の如く構成された搬送装置Ａ
により、車両をパレットＰに搭載して機械式駐車設備の
駐車部１に駐車すべく上記パレットＰを各格納スペース
３に搬送するようになされている。

【００２１】その搬送の要領を車両を入庫する場合を例
に挙げて説明するに、まず、図示しない入出庫口で車両
ＭをパレットＰごと搬送装置Ａの水平移動台１４上に載
せ、図５に示すように、該搬送装置Ａ（搬送台車６）を
走行路２に沿って走行させて目的の格納スペース３の側
方で停止させる。この際、ロッキング装置２６のロッキ
ングピン２６ａが突出して水平移動台１４の真中の係合
孔２７に係合し、該水平移動台１４を旋回台１１に対し
て動かないようにしている。また、ブレーキ２２が作動
してエンドレスチェーン１９の駆動を規制している。

【００２２】次いで、図６に示すように、上記ロッキン
グ装置２６のロッキングピン２６ａを没入させて係合孔
２７との係合を解除し、この状態で駆動モータ２３を作
動させて出力スプロケット２５を時計回り方向に回転さ
せる。この際、エンドレスチェーン１９は上述の如くブ
レーキ２２によって動きが規制されていて駆動せず、こ
れにより上記水平移動台１４が水平移動して格納スペー
ス３に接近して該格納スペース３とパレットＰとの隙間
Ｃを受渡しに支障をきたさない程度に埋め、パレットＰ
の受渡し態勢を整える。

【００２３】その後、図７に示すように、上記ロッキン
グ装置２６のロッキングピン２６ａを突出させて後側の
係合孔２７に係合させ、水平移動台１４を旋回台１１に
対し動かないようにする。また、上記ブレーキ２２の作
動を停止してエンドレスチェーン１９が駆動可能なよう
にする。この状態から上記駆動モータ２３を上記とは逆
方向に作動させて出力スプロケット２５を反時計回り方
向に回転させる。これにより上記水平移動台１４は動か
ずその場に固定状態にあるが、エンドレスチェーン１９
は駆動するので、パレットＰがエンドレスチェーン１９
の駆動に伴って水平移動して格納スペース３のローラ２
８，２８，…上に乗り入れ、その前端がストッパー２９
に当接して正規の格納位置に格納される。この際、エン
ドレスチェーン１９が前側のスプロケット１７のところ
で反転することにより、パレットＰの係合部材ｐ2 が係
合ピン２０から外れ、パレットＰはそれ以上格納スペー
ス３側に送り込まれない。

【００２４】しかる後、上述の如く車両Ｍの格納が終了
すると、上記の動作とは逆の動作にて各水平移動台１
４、ロッキング装置２６およびブレーキ２２等を図５の
状態に戻し、次の入出庫に備える。なお、車両Ｍを出庫
する場合にも上記と逆の動作にて行えばよい。

【００２５】このように、本実施例では、水平移動台１
４を水平移動させる駆動モータと、エンドレスチェーン
１９を駆動させる駆動モータとを１つの駆動モータ２３
で共用していることから、専用の駆動モータを別々に設
ける必要がなくなり、その分だけ装置の構造を簡素なも
のにすることができて設備費用を低減することができ
る。

【００２６】なお、上記実施例では、受渡手段２１をス
プロケット１７およびエンドレスチェーン１９等によっ
て構成したが、ベルトを用いてパレットＰを格納スペー
ス３との間で受け渡すようにしてもよい。

【００２７】また、上記実施例では、パレットＰ側にガ
イドレールｐ1 を、水平移動台１４側にローラ１６をそ
れぞれ設けたが、これとは逆にパレットＰ側にローラ
を、水平移動台１４側にガイドレールをそれぞれ設ける
ようにしてもよい。

【００２８】さらに、上記実施例では、搬送装置Ａとし
て旋回台１１を備えたタイプのものを示したが、駐車設
備の構造によっては旋回台１１を備えていないタイプの
ものであってもよく、さらには、搬送手段も搬送台車６
に限らず、例えばエレベータ方式の駐車設備にあっては
エレベータであってもよいことは勿論である。また、受
渡スペースも格納スペース３だけではなく、リフト、入
出庫口および待機スペース等であってもよい。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１〜３に係
る本発明によれば、水平移動手段の受渡スペースへの接
近動作と、受渡手段の受渡スペースとの間でのパレット
受渡動作とを１つの駆動手段で行わせるようにしたの
で、駆動手段を共用できてその分だけ装置の構造を簡素
にして設備費用を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】搬送装置の正面図である。

【図２】搬送装置の側面図である。

【図３】エンドレスチェーンとパレットとの係合箇所の
底面図である。

【図４】エンドレスチェーンとパレットとの係合箇所の
側面図である。

【図５】搬送装置の格納スペース側方への移動直後の状
態を示す駐車部の正面図である。

【図６】水平移動台の格納スペースへの接近状態を示す
駐車部の正面図である。

【図７】パレットの格納スペースへの移載状態を示す駐
車部の正面図である。

【符号の説明】

１ 駐車部 ２ 走行路（搬送路） ３ 格納スペース（受渡スペース） ６ 搬送台車（搬送手段） １４ 水平移動台（水平移動手段） １７ スプロケット １９ エンドレスチェーン ２０ 係合ピン ２１ 受渡手段 ２２ ブレーキ（停止手段） ２３ 駆動モータ（駆動手段） Ａ 搬送装置 Ｐ パレット ｐ2 係合部材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両をパレットに搭載して駐車部に格納
   する機械式駐車設備において上記パレットを受渡スペー
   スに搬送する搬送装置であって、 上記パレットを搭載して搬送路を移動する搬送手段と、 該搬送手段に上記受渡スペースに対し接離するよう水平
   移動可能に設けられ、パレット受渡し時、上記受渡スペ
   ースに接近する水平移動手段と、 該水平移動手段に設けられ、上記パレットを受渡スペー
   スとの間で受け渡す受渡手段と、 パレット受渡し時、上記水平移動手段を受渡スペースに
   接近させるべく作動させた後、上記パレットを受渡スペ
   ースとの間で受け渡すべく上記受渡手段を作動させる１
   つの駆動手段とを備えていることを特徴とする機械式駐
   車設備の搬送装置。
2. 【請求項２】 受渡手段は、一対のスプロケットと、該
   両スプロケットに巻き掛けられたエンドレスチェーン
   と、該エンドレスチェーンに設けられた複数の係合ピン
   と、パレットに設けられ上記各係合ピンに係合する係合
   部材とを備えていることを特徴とする請求項１記載の機
   械式駐車設備の搬送装置。
3. 【請求項３】 受渡手段には、水平移動手段を受渡スペ
   ースに接近させる際、エンドレスチェーンの駆動を停止
   させる停止手段が設けられていることを特徴とする請求
   項２記載の機械式駐車設備の搬送装置。