JPH07266486A - バリアー性積層体 - Google Patents

バリアー性積層体

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JPH07266486A
JPH07266486A JP6064186A JP6418694A JPH07266486A JP H07266486 A JPH07266486 A JP H07266486A JP 6064186 A JP6064186 A JP 6064186A JP 6418694 A JP6418694 A JP 6418694A JP H07266486 A JPH07266486 A JP H07266486A
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alkoxide
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film layer
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Nobuhiko Imai
伸彦 今井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、樹脂フィルムと蒸着薄膜との密着
性、後加工により付加されるインキや接着剤との密着性
に優れ、ガスバリアー性の低下することのない実用性の
高いバリアー性積層体を提供することを目的としてい
る。 【構成】高分子樹脂フィルム基材2上に、化学式 M
(OR )n (ただし、Mは金属元素であり、Rは炭素数
1〜8のアルキル基であり、nは1〜4の整数であ
る。)で表されるアルコキシド塗膜層3と、金属又は金
属化合物からなる蒸着薄膜層4と、アルコキシド塗膜層
5を積層してなるバリアー性積層体1である。アルコキ
シド塗膜層と蒸着薄膜層との密着性に優れ、アルコキシ
ド塗膜層により蒸着薄膜層を挟む構成による蒸着薄膜層
の保護が可能となり、蒸着薄膜の劣化が生じにくく、優
れたガスバリアー性を保持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品、医薬品等の包装
分野に用いられる、酸素、水蒸気などのガスの透過を有
効に阻止可能なガスバリア性積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食品、医薬品等の包装に用いられ
る包装材料は、内容物の変質、とくに食品においては蛋
白質や油脂等の酸化、変質を抑制し、さらに味、鮮度を
保持するために、また無菌状態での取扱いが必要とされ
る医薬品においては有効成分の変質を抑制し、効能を維
持するために、包装材料を透過する酸素、水蒸気、その
他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要が
あり、これら気体(ガス)を遮断するガスバリア性を備
えることが求められている。
【0003】そのため、従来から酸素を遮断するバリア
ー性フィルムとしてポリビニルアルコールフィルム(P
VA)、エチレンビニルアルコール共重合体フィルム
(EVOH)、或いはアクリロニトリルフィルムなど、
また水蒸気を遮断するバリアー性フィルムとしてポリプ
ロピレンフィルム、ポリエチレンフィルムなどがガスバ
リア性積層体として包装材料に用いられており、この包
装材料からなる包装フィルムが一般的に使用されてき
た。ところがこれらのフィルムは単独では酸素と水蒸気
の両方に対するガスバリア性を備えておらず、一般にガ
スバリア性が比較的高いと言われる特性の異なる他種の
高分子樹脂組成物をラミネート又はコーティングにより
積層した積層フィルムとして包装材料に用いられてきた
が、保存や使用環境における温度や湿度の影響を受け、
十分なガスバリア性を発揮できない場合もあった。
【0004】また単独で酸素と水蒸気の両方に対するガ
スバリア性を備えてなる樹脂フィルムがあり、ポリ塩化
ビニリデンフィルム(PVDC)、ポリエステルフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、及びナイロンフィルムに
ポリ塩化ビニリデンをコーティングしたコートフィルム
がある。このような樹脂フィルムは、使用後廃棄され焼
却すると有毒ガスが発生し、環境上の問題となるおそれ
がある。
【0005】一方、高度なガスバリア性が必要な包装材
料には、従来樹脂フィルム(適当な高分子樹脂組成物で
単独では、高いガスバリア性を有していない樹脂であっ
ても)にAlなどの金属又は金属化合物からなる金属箔
が用いられてきた。このような金属箔は、酸素、水蒸気
などの気体に対するバリアー性は優れているが、使用後
廃棄物として、焼却されると残滓として金属が残り、ま
た再利用も難しいため、この金属箔の廃棄は環境への影
響を避けることはできない。
【0006】また上記のような問題の解決するものとし
て、最近では一酸化珪素(SiO)などの珪素酸化物
(SiOX )、酸化アルミニウム(AlX Y )、アル
ミニウム(Al)などの金属、金属酸化物を樹脂フィル
ムに蒸着などの形成手段により形成した蒸着フィルムが
開発されており、これらは高分子樹脂組成物からなるガ
スバリア材より優れたガスバリア特性を有しており、高
湿度下での劣化も少なく、包装材料に用いられ始めてい
る。
【0007】そして、これらの蒸着フィルムからなる包
装材料は、蒸着フィルム単体で用いられることはほとん
どなく、蒸着後の後加工として包装容器、包装袋等に加
工される。例えば、包装袋は、蒸着フィルムをさらに他
の基材と貼り合わせ、製袋工程により袋状に加工されて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
金属、金属酸化物を樹脂フィルム上に薄膜形成手段した
蒸着フィルムは、樹脂フィルムは有機化合物であるのに
対して、それに無機化合物を形成するため、両者の機械
的性質、化学的性質、熱的性質などの物性が非常に異な
っている。これらを積層すると印刷加工や製袋加工、容
器加工、ラミネート加工などの後加工や包装材として用
いるときの使用方法、使用環境によっては、蒸着薄膜に
機械的ストレス、熱的ストレスが付加され、蒸着薄膜に
歪みを生じ、クラックやピンホールの発生、また蒸着薄
膜に接する物質の化学的結合状態が異なる、例えば樹脂
フィルム、インキ、接着剤などの間に層間剥離の発生、
さらには蒸着薄膜の凝集破壊が起こり、クラックやピン
ホールの発生など蒸着薄膜に損傷が生じる。この損傷部
分から空気、水蒸気などの気体が浸透するなどして本来
有しているはずの高いバリアー性が低下するという問題
を有している。
【0009】このような問題に対して、蒸着基材となる
樹脂フィルムと蒸着フィルムとの密着性を改善する方法
に、例えば樹脂フィルムの表面をコロナ放電処理、紫外
線照射処理、プラズマ処理又は火炎処理などにより、表
面を活性化してから金属又は金属酸化物の蒸着を行なう
ものである。ところが、蒸着薄膜の濡れによる二次結合
力の増進により接着性の向上は期待できるが、その活性
能力が経時とともに減少する、この処理によっても必ず
しも満足する接着力が得られないなどの問題を有してお
り、十分なものとは言えない。
【0010】別な方法として、酸やアルカリ等の薬剤に
よる表面処理、或いは樹脂フィルムとその他の樹脂成分
などと共重合させた共重合樹脂フィルム、樹脂フィルム
の製膜時に他の樹脂を共押し出しさせた共押し出し多層
樹脂フィルムを用いるなどがあるが、十分なものとは言
えない。
【0011】また、蒸着基材となる樹脂フィルム表面
に、オフライン又はインラインでエチレンイミン系、ア
ミン系、エポキシ系、ウレタン系又はポリエステル系な
どのコーティング剤を塗布する方法がある。密着性は向
上するが、コーティング層の熱寸法安定性が悪いため、
樹脂フィルムの熱負荷時に蒸着薄膜が機械的ストレスを
受け、それにより蒸着薄膜にクラック、ピンホールなど
が発生しバリアー性が低下した。
【0012】さらに樹脂フィルムに形成された蒸着薄膜
と、上記のような後加工によって付加されるインキ、接
着剤などとの密着性の改善も行なわれており、エチレン
イミン系、アミン系、エポキシ系、ウレタン系又はポリ
エステル系などのコーティング剤を塗布する方法があ
る。コーティング剤の樹脂成分によって、密着性の悪
化、或いはバリアー性の低下がみられ、密着性とバリア
ー性の両者を満足させるものではない。これによればコ
ーティング層の熱寸法安定性が悪いため、経時、或いは
製袋や成形加工で受ける熱負荷より体積膨張又は体積収
縮を起こし蒸着薄膜が機械的ストレスを受け、それによ
る蒸着薄膜にクラック、ピンホールなどの発生、イン
キ、接着剤などからの層間剥離が発生しバリアー性が低
下した。
【0013】そこで、本発明は樹脂フィルムと蒸着薄膜
との密着性、後加工により付加されるインキや接着剤と
の密着性に優れ、酸素や水蒸気等の気体に対するバリア
ー性の低下することのない実用性の高いバリアー性積層
体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、高分子樹脂フィルム上に、下記の化学式(I)、 M(OR) n (I) (ただし、Mは金属元素であり、Rは炭素数1〜8のア
ルキル基であり、nは1〜4の整数である。)で表され
るアルコキシド塗膜層と、金属又は金属化合物からなる
蒸着薄膜層と、前記アルコキシド塗膜層を順次積層して
なることを特徴とするバリアー性積層体である。
【0015】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
される発明に基づき、アルコキシド塗膜層を構成する金
属元素(M)がアルミニウム、ケイ素、又はチタンであ
ることを特徴とするバリアー性積層体である。
【0016】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
される発明に基づき、最外層に設けられるアルコキシド
塗膜層に接着層を介して熱接着性樹脂層を積層してなる
ことを特徴とするバリアー性積層体である。
【0017】
【作用】本発明によれば、樹脂フィルム上に形成される
アルコキシド塗膜層は、有機ケイ素化合物中の有機官能
基が樹脂フィルムの樹脂と結合力が強く、密着性が高
い。またアルコキシドの塗工時にアルコキシドを水、又
は水とアルコールの混合液に溶解させるとアルコキシド
の加水分解性基が加水分解し、水酸基(−OH)を生成
することにより活性な−M−OH結合を形成し、この活
性な−M−OH結合は熱処理による分解反応から、アル
コキシド塗膜層の強固な−O−M−O−M−結合を生成
し、さらに蒸着薄膜の金属元素(M')と−O−M−O−
M' −の強固な結合を形成し、アルコキシド塗膜層と蒸
着薄膜層との密着性が向上する。また蒸着薄膜が金属酸
化物の場合は、その界面に蒸着薄膜中の酸素元素(O')
も絡み、強固な−O−M−O' −M' −結合を形成す
る。
【0018】アルコキシド塗膜層は、耐熱性、熱寸法安
定性、硬度に優れ、蒸着薄膜層を挟む構成により、蒸着
薄膜層を保護することができる。
【0019】
【実施例】本発明の実施例に基づき詳細に説明する。図
1は本発明のバリアー性積層体の構成を説明する断面図
であり、図2乃至図4は本発明のバリアー性積層体の他
の構成を説明する断面図である。
【0020】図1において、1はバリアー性積層体あ
り、樹脂フィルム基材2、アルコキシド塗膜層3、蒸着
薄膜層4、アルコキシド塗膜層5である。樹脂フィルム
基材2は、シート状またはフィルム状のものであって、
ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、
ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レン2,4−ナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン
−6、ナイロン−12等)、ポリ塩化ビニル、ポリビニ
ルアルコール、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、
ポリエーテルイミドポリサルフォン、ポリエーテルサル
フォン、ポリエーテルケトン、ポリアリレート、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、テ
トラフルオロエチレン、一塩化三フッ化エチレン、フッ
化エチレンプロピレン共重合体、ポリイミドなどなど通
常包装材料として用いられるものが使用できる。これら
樹脂フィルム基材2は用途に応じて上記材料から適宜選
択される。必要に応じて二軸延伸樹脂フィルムを使用で
きる。これらの樹脂フィルム基材2には、例えば帯電防
止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤3 着色剤など公知の
添加剤を加えることができ、必要に応じて適宜添加され
る。
【0021】さらに樹脂フィルム基材2のアルコキシド
塗膜層3の形成面をコロナ放電処理、プラズマ活性化処
理、グロー放電処理、逆スパッタ処理、又は粗面化処理
などの公知の表面活性化処理を行ない、またオフライン
又はインラインでエチレンイミン系、アミン系、エポキ
シ系、ウレタン系又はポリエステル系などのコーティン
グ剤を塗布し、蒸着薄膜の密着性を向上させることも可
能である。
【0022】樹脂フィルム基材2の厚さは、とくに制限
はされないが、蒸着工程の加工適性などを考慮すると、
2〜400μmの範囲が好ましい。
【0023】アルコキシド塗膜層3、5は、下記の化学
式(I)、 M(OR)n (I) (ただし、Mは金属元素であり、Rは炭素数1〜8のア
ルキル基であり、nは1〜4の整数である。)で表され
るアルコキシドからなり、金属元素(M)はアルミニウ
ム(Al)、ケイ素(Si)、チタン(Ti)、ジルコ
ニウム(Zr)等であり、アルキル基(R)はテトラエ
チルオルソシリケート〔Si(OC2 5) 4 〕、トリイ
ソプロポキシアルミニウム〔Al(O−iC3 7)3
等である。これらは水系溶液中で比較的安定であるため
好ましく、また金属元素(M)は水との反応性が小さい
アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、チタン(T
i)が好ましく、とくにコストを考慮すればケイ素がよ
り好ましい。上記のアルコキシドを水、或いは水とアル
コールの混合液に溶解させた水系溶液を塗布する。この
水系溶液には公知のイソシアネート化合物、シランカッ
プリング剤、一般的な分散剤、安定化剤、粘度調整剤、
着色剤、界面活性剤などのアルコキシドと著しい化学反
応を伴わないものであれば、必要に応じて添加すること
ができる。
【0024】アルコキシド塗膜層3の形成方法として
は、樹脂フィルムの製造時に塗布するインライン方式、
樹脂フィルムの製造とは別工程で塗布するオフライン方
式の二つがあるが、インライン方式はオフライン方式に
比べ、工程数が少ない、製造工程での塵埃の混入が少な
いという利点と、樹脂フィルムとアルコキシド塗膜層と
の界面間の密着力が大きいため、密着性を考えると好ま
しい方式と言える。
【0025】インライン方式では、樹脂フィルムのポリ
マーを熱溶融し、そのまま押し出し成形した未延伸状態
の樹脂、或いは縦方向又は横方向の何れか一軸方向に延
伸した状態の結晶配向が完了する前の樹脂フィルム表面
に、上記のアルコキシドの水系溶液(水溶液、水とアル
コールの混合溶液、アルコキシドの加水分解物、熱分解
物も含む)を塗布する。 なお、塗布前にコロナ放電処
理、プラズマ活性化処理等の表面処理を行なってもよ
い。 塗布された樹脂フィルムは二軸延伸、熱固定の工
程を経て結晶配向を完了する。アルコキシド塗膜層の乾
燥は、樹脂フィルムの熱固定の工程を利用するが、その
直前乾燥工程を設けることが好ましい。
【0026】オフライン方式は、公知の塗工方法を用い
ることができる。例えばロールコート法、ロールブラッ
シュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、グ
ラビアコート法、含浸法、カーテンコート法などがあ
る。
【0027】アルコキシド塗膜層3、5の層厚は、とく
に制限されるものではないが、乾燥層厚が0.01〜5
0μmの範囲であればよく、反応速度や乾燥速度を短縮
するためには0.05〜5μmの範囲が好ましい。
【0028】蒸着薄膜層4には、Al、Si、Ti、Z
n、Zr、Mg、Sn、Cu、Feなどの金属やこれら
の金属の酸化物、窒化物、硫化物、フッ化物など、例え
ばAl2 3 、SiO、SiO2 、TiO2 、Zr
2 、MgO、SnO2 、ZnS、MgF2 が用いられ
る。形成方法は真空蒸着、イオンプレーティング、スパ
ッタリングなどの蒸着法を用いることができるが、真空
蒸着、イオンプレーティングは生産効率の点から好まし
い。蒸着装置の加熱方法は抵抗加熱、エレクトロンビー
ム(EB)加熱、高周波誘導加熱などが用いられる。
【0029】蒸着装置は内部を2×10-6〜8×10-3
Torr、好ましくは8×10-6〜8×10-5まで真空
に引いた後、蒸着処理を行なう。蒸着された金属薄膜は
酸素、水蒸気に対してバリアー性を示すが、バリアー性
は薄膜の材質、膜厚により異なる。とくにアルミニウ
ム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等はバリアー性に優
れる。
【0030】蒸着薄膜層4の膜厚は50〜5000Åの
範囲でよく、好ましくは300〜1500Åの範囲であ
る。これは膜厚が50Åを下回ると、蒸着薄膜に抜けが
生じ、バリアー性にバラツキが発生し易く、また500
0Åを越えると、蒸着薄膜のフレキシビリティーが損な
われ、クラック、ピンホールが発生し易くなり、いずれ
もバリアー性が低下する。なお、蒸着薄膜は。単一成分
の単層に限られることなく、上記蒸着材料の混合物から
なる蒸着薄膜であっても、また2層以上の多層としても
よい。
【0031】アルコキシド塗膜層5は、上記のアルコキ
シド塗膜層3と同一であり、形成方法は、オフライン方
式により形成される。
【0032】さらに図3に示す本発明のバリアー性積層
体10の最外層に位置するアルコキシド塗膜層5に接着
層7を介して熱接着性樹脂層8が積層される。この熱接
着性樹脂層8により袋、容器など包装容器などの加工さ
れる。
【0033】熱接着性樹脂層8は加熱加圧により熱融着
し易い樹脂層であり、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレンプロピレン共重合体などのポリオレフィ
ン、ポリエステル、ポリアミド、アイオノマー、エチレ
ン酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステルなどのアクリル樹脂、ポリビニルアセター
ル、フェノール樹脂、変性エポキシ樹脂及びこれらの共
重合体や混合物などが挙げられるが、上記条件を満たす
ものであれば、これらに限定されるものではない。とく
にポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エチレ
ン酢酸ビニル共重合体などが好ましい。
【0034】熱接着性樹脂層8の層厚は、用途により異
なるが、1〜200μmの範囲であり、好ましくは10
〜100μmの範囲である。形成方法はドライラミネー
ト加工法、無溶剤型ラミネート加工法、押し出しラミネ
ート加工法など一般的な加工法を用いることができる。
なお、熱接着性樹脂層8の融着温度はアルコキシド塗膜
層の耐熱性を考慮すると、200℃以下であり、80〜
180℃が好ましい。
【0035】以下、本発明の具体的な実施例を挙げ、詳
細に説明する。 <実施例1>結晶融解熱9.7cal/gのポリエチレ
ンテレフタレートを押し出し装置でダイから押し出し、
40℃に冷却したドラム上で静電印加しつつ、膜厚15
3μmの未延伸樹脂フィルムを作製した。このフィルム
を95℃に加熱した金属ロール上で流れ方向に3.65
倍延伸した後、テトラエチルオルソシリケート〔Si
(OC2 5)4 〕1部に、0.1Nの塩酸8.6部を加
え、攪拌し加水分解させた固形分3wt%(SiO2
算)水溶液をグラビアコート法によりフィルム片面に塗
布し、95℃の予熱ゾーンを経て、102℃で幅方向に
3.85倍延伸した。さらに200〜230℃で、4.
0秒間熱処理し、フィルムの片面に膜厚0.2μmのア
ルコキシド塗膜層が形成された12μmの二軸延伸エチ
レンテレフタレートフィルムを作製した。
【0036】この二軸延伸エチレンテレフタレートフィ
ルムを巻取り、EB加熱真空蒸着装置内に装填し、真空
度を1.5×10-5Torrとした後、アルコキシド塗
膜層面に金属アルミニウム(純度99.99%)をEB
−Powerが30kV−2A、巻取り速度1.5m/
sec.、圧力が2×10-4mbarで膜厚1000Å
に蒸着し、アルミニウム蒸着層を形成した。
【0037】アルミニウム蒸着層上に、巻取り速度40
m/min.、乾燥条件が95〜110℃、塗布量が
0.15g/m2 の条件でテトラエチルオルソシリケー
ト〔Si(OC2 5)4 〕1部に、0.1Nの塩酸8.
6部を加え、攪拌し加水分解させた固形分3wt%(S
iO2 換算)水溶液をグラビアコート法により塗布、乾
燥してアルコキシド塗膜層が形成された本発明のバリア
ー性積層体を作製した。
【0038】さらに、作製したバリアー性積層体の最外
層のアルコキシド塗膜層面にドライラミネート加工法に
より熱接着性樹脂層として膜厚30μmの未延伸ポリプ
ロピレンフィルムを貼り合わせ、実施例1のバリアー性
積層体を作製した。
【0039】<実施例2>アルコキシド加水分解溶液と
してトリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−iC
3 7)3 〕1.5部を、80℃の熱水22.5部で溶解
させた後、5Nの塩酸1部を添加し解膠させた固形分3
wt%(Al2 3 換算)水溶液とした以外は、実施例
1と同様にしてバリアー性積層体を作製した。
【0040】<実施例3>アルコキシド加水分解溶液と
してテトラメトキシチタネート〔Ti(OCH3) 4
1.5部を、80℃の熱水22.5部で溶解させた後、
5Nの塩酸1部を添加し解膠させた固形分3wt%(T
iO2 換算)水溶液とした以外は、実施例1と同様にし
てバリアー性積層体を作製した。
【0041】<実施例4>蒸着材料を一酸化ケイ素(純
度99.99%)、蒸着条件をEB−Powerを30
kV−0.75Aとした以外は、実施例1と同様にして
バリアー性積層体を作製した。
【0042】<実施例5>蒸着材料を酸化アルミニウム
(純度99.99%)、蒸着条件をEB−Powerを
30kV−0.5Aとした以外は、実施例1と同様にし
てバリアー性積層体を作製した。
【0043】<比較例1>アルコキシド加水分解溶液の
代わりにポリウレタン系接着剤100部にイソシアネー
ト45部を加え、さらに酢酸エチル90部を用いて、固
形分20%の溶液とした以外は、実施例1と同様にして
バリアー性積層体を作製した。
【0044】<比較例2>アルコキシド加水分解溶液の
代わりに共重合ポリエステルと、1モルのトリメチロー
ルプロパンに3モルのトルイレンジイソシアナートを付
加させたイソシアナート化合物とを混合比が重量比率で
90対10に混合、接着剤を調整し、さらに酢酸エチル
/トルエン/メチルエチルケトン混合溶剤(重量比率1
/1/1)に溶解、酢酸エチル/酢酸ブチル/メチルイ
ソブチルケトン混合溶剤(重量比率1/1/1)で希釈
し固形分25%の溶液とした以外は、実施例1と同様に
してバリアー性積層体を作製した。
【0045】<比較例3>蒸着材料を一酸化ケイ素(純
度99.99%)、蒸着条件をEB−Powerを30
kV−0.75Aとした以外は、比較例1と同様にして
バリアー性積層体を作製した。
【0046】実施例1〜実施例5と比較例1〜比較例3
のバリアー性積層体を以下のように比較評価した。バリ
アー特性を示す酸素透過率、透湿度と、蒸着薄膜層
と隣接層との密着性を示す剥離強度とをそれぞれ測定
し、その結果を表1に示す。なお、測定条件は、 酸素透過率:モコン法(MOCON−OXTRAN−
10/50A) 設定25度−100%RH 透湿度:モコン法(MOCON−PERMATRAN
−W6) 設定40度−100%RH 剥離強度:インストロン型引張試験機 試料15mm幅、剥離角度90度、剥離速度300mm
/min である。
【0047】
【表1】
【0048】表1からは、酸素、水蒸気に対するバリア
ー性は、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実
施例5は良好な結果が得られたが、比較例1、比較例
2、比較例3は不良であった。蒸着薄膜層と隣接層との
密着性を示す剥離強度は、実施例1、実施例2、実施例
3、実施例4、実施例5及び比較例3は良好な結果が得
られたが、比較例1、比較例2はやや不良であった。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、 樹
脂フィルム上に、アルコキシド塗膜層を設けることによ
り、樹脂フィルムの樹脂と結合力が強く、密着性が高
く、またアルコキシド塗膜層と強固な結合が形成されア
ルコキシド塗膜層と蒸着薄膜層との密着性が向上する。
さらにアルコキシド塗膜層が耐熱性、熱寸法安定性、硬
度に優れることから、アルコキシド塗膜層により蒸着薄
膜層を挟む構成とすることにより、蒸着薄膜層を保護す
ることができる。これにより積層体の製造時、後加工
時、使用時における積層体への応力付加、経時劣化など
による蒸着薄膜のクラック、ピンホールの発生などの劣
化が生じにくく、当初の優れた酸素、水蒸気などのガス
に対するバリアー性を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバリアー性積層体の一実施例を示す断
面図である。
【図2】本発明のバリアー性積層体の他の実施例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1、9、10、11 バリアー性積層体 2 樹脂フィルム基材 3 アルコキシド塗膜層 4 蒸着薄膜層 5 アルコキシド塗膜層 7 接着層 8 熱接着性樹脂層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子樹脂フィルム上に、下記の化学式
    (I)、 M(OR) n (I) (ただし、Mは金属元素であり、Rは炭素数1〜8のア
    ルキル基であり、nは1〜4の整数である。)で表され
    るアルコキシド塗膜層と、金属又は金属化合物からなる
    蒸着薄膜層と、前記アルコキシド塗膜層を順次積層して
    なることを特徴とするバリアー性積層体。
  2. 【請求項2】前記アルコキシド塗膜層を構成する金属元
    素(M)がアルミニウム、ケイ素、又はチタンであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のバリアー性積層体。
  3. 【請求項3】最外層に設けられる前記アルコキシド塗膜
    層に接着層を介して熱接着性樹脂層を積層してなること
    を特徴とする請求項1記載のバリアー性積層体。
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