JPH07265646A - 除湿機の湿度制御装置 - Google Patents

除湿機の湿度制御装置

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JPH07265646A
JPH07265646A JP6129490A JP12949094A JPH07265646A JP H07265646 A JPH07265646 A JP H07265646A JP 6129490 A JP6129490 A JP 6129490A JP 12949094 A JP12949094 A JP 12949094A JP H07265646 A JPH07265646 A JP H07265646A
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JP
Japan
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storage chamber
humidity
temperature
peltier element
power supply
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Pending
Application number
JP6129490A
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English (en)
Inventor
Tomio Oguma
富雄 小熊
Yukihiro Ando
幸広 安藤
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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  • Devices For Blowing Cold Air, Devices For Blowing Warm Air, And Means For Preventing Water Condensation In Air Conditioning Units (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】カビが生成しない低温域(例えば10°C以
下)では、通常モード処理を実行せず、ペルチェ素子2
の除湿能力を低下させ、節電を図る除湿機の湿度制御装
置を提供する。 【構成】収納室10の温度が10°Cよりも高いときに
は、ペルチェ素子2への電圧を大きくして通常モード処
理する。収納室10の温度が10°Cよりも低いときに
は、カビが生成しないので、ペルチェ素子2への電圧を
小さくして低温モード処理する。収納室10が乾燥しす
ぎのときには、ファン3を作動させるとともに、ペルチ
ェ素子2を反転通電して冷却盤21を放熱して、吸水部
材37の水分を蒸発させ、加湿処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は給電冷却体により結露ま
たは結氷を生成して空気中の水蒸気を減少することによ
り除湿する方式の除湿機の湿度制御装置に関する。この
装置は、例えばレンズやカメラや顕微鏡等の光学機器、
半導体等の電子部品、菓子、海苔、青果物等の食品、化
粧品、靴、書籍、衣類といった被収納物を保管する際の
制御に適する。
【0002】
【従来の技術】収納室が高温多湿の場合には、収納室に
保管した被収納物にカビが発生し易い。そこで近年、結
露または結氷を生成する電子冷却機能をもつ給電冷却体
例えばペルチェ素子の結露機能または結氷機能を除湿の
ために利用した除湿機が知られている(特開昭64−8
4033号公報、特開平3−169319号公報等)ま
た除湿機として、ペルチェ素子に通電して冷却板を冷却
して結氷を生成し、その後ペルチェ素子への通電方向を
反転して結氷を融解させるものが知られている(特開平
2−187125号公報)。このものでは結氷を融解さ
せるので、冷却板に付着した過剰の結氷を回避でき、冷
却板の冷却効果を得るのに有利である。
【0003】更に物品保管庫として、収納室の温度を検
出する温度センサを設け、温度センサの検出温度が高温
域のときにはペルチェ素子に通電して収納室を冷却し、
温度センサの検出温度が低温域のときには通電方向を反
転してペルチェ素子に通電して収納室を保温加熱する様
にしたものが知られている(特開平1−302088号
公報)。このものは収納室の室温の安定化を図るもので
あり、乾燥したときにおける加湿機能を有するものでは
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、高温多湿
域では被収納物にカビが発生し易いものの、高湿であっ
ても低温の場合には被収納物にカビが発生しにくいこと
に着目した。また高温であっても低温であっても、乾燥
し過ぎは被収納物において割れや剥離が発生する要因と
なる。例えばカメラ等の精密機器では、乾燥しすぎは樹
脂の割れや接着剤の剥離を招来する。
【0005】本発明は上記した実情に鑑みなされたもの
である。請求項1の課題は、基準温度域よりも高温のと
きには除湿を行う通常モード処理を実行し、基準温度域
よりも低温のときには除湿能力を通常モード処理よりも
低下させる低温モード処理を実行することにより、高温
高湿下における被収納物のカビの発生を抑えると共に、
低温高湿下における節電を図り得る除湿機の湿度制御装
置を提供することにある。
【0006】請求項2の課題は、基準温度域よりも高温
のときには除湿を行う通常モード処理を実行し、基準温
度域よりも高温のとき基準温度域よりも低温のときのい
ずれにおいても、乾燥しすぎのときには加湿処理を実行
し、被収納物の乾燥を抑える除湿機の湿度制御装置を提
供することにある。請求項3の課題は、低温モード処理
の実行の基準となる基準温度域を指定できるので、被収
納物の種類に応じてまたは使用者の所望に応じて対処す
ることができ、汎用性に富む除湿機の湿度制御装置を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の除湿機の湿度
制御装置は、被収納物が収納される収納室を給電に伴い
冷却して結露又は結氷を生成して除湿する給電冷却体
と、給電冷却体に給電する給電手段と、収納室の温度を
検出する温度センサと、給電冷却体への給電手段の給電
量を制御して収納室の湿度を制御する湿度制御手段とで
構成され、湿度制御手段は、収納室の温度が基準温度域
よりも高温の領域であるか低温の領域であるかを判定す
る収納室温度判定手段と、収納室の温度が基準温度域よ
りも高温のときには、収納室の湿度に基づき、給電冷却
体への給電手段の給電量を制御して収納室の湿度を適湿
域に制御する通常モード処理を実行する第1制御手段
と、収納室の温度が基準温度域よりも低温のときには、
給電冷却体の除湿能力を通常モード処理よりも低下させ
る低温モード処理を実行する第2制御手段とを備えてい
ることを特徴とするものである。
【0008】請求項2の除湿機の湿度制御装置は、被収
納物が収納される収納室を給電に伴い冷却して結露又は
結氷を生成して除湿すると共に反転通電可能なペルチェ
素子と、ペルチェ素子に給電する給電手段と、ペルチェ
素子が反転通電されたときに収納室の加湿を行う加湿部
と、収納室の湿度を検出する湿度センサと、収納室の温
度を検出する温度センサと、ペルチェ素子への給電手段
の給電量を制御して収納室の湿度を制御する湿度制御手
段とで構成され、湿度制御手段は、収納室の温度が基準
温度域よりも高温の領域であるか低温の領域であるかを
判定する収納室温度判定手段と、収納室の温度が基準温
度域よりも高温のときには、湿度センサで検出した収納
室の検出湿度に基づき、ペルチェ素子への給電手段の給
電量を制御してペルチェ素子で収納室を除湿し、収納室
の湿度を適湿域に制御する通常モード処理を実行する除
湿制御手段と、収納室の温度が基準温度域よりも高温の
とき、及び、収納室の温度が基準温度域よりも低温のと
きのいずれにおいても、収納室が乾燥しすぎと判定され
たときには、ペルチェ素子への通電を反転させて、加湿
部で収納室を加湿する加湿処理を実行する加湿制御手段
を備えていることを特徴とするものである。
【0009】請求項3の除湿機の湿度制御装置は、請求
項1または2において、基準温度域を指定する指定手段
を備えているものである。指定手段で指定された基準温
度域は制御手段のメモリに格納できる。本発明について
更に説明を加える。給電冷却体は結露生成手段や結氷生
成手段として機能するものである。給電冷却体として
は、熱電素子とも呼ばれるペルチェ素子が代表的なもの
であるが、場合によっては気体状冷媒の膨張(一般的に
は断熱膨張)により冷却する方式のものでも良い。湿度
センサは、収納室の湿度を検出するものであり、相対湿
度を検出する形態のものが好ましいが、絶対湿度を検出
し相対湿度に補正する形態のものでも良い。
【0010】湿度制御手段は、ペルチェ素子等の給電冷
却体への給電量を制御するものであるが、給電冷却体に
印加する電圧を制御する形態でも、給電冷却体に流す電
流を制御する形態でも良い。湿度制御手段は、マイコン
を利用してソフト的に構成でき、またワイヤードロジッ
ク回路を利用しても構成できる。
【0011】
【作用】本発明装置では、給電冷却体(ペルチェ素子を
含む)が作動して結露又は結氷が生成し、収納室の水蒸
気量が減少して収納室が除湿される。湿度センサで検出
した収納室の検出湿度に基づき、湿度制御手段は給電手
段への給電量を制御し、これにより給電冷却体(ペルチ
ェ素子を含む)の除湿能力を制御し、収納室の湿度を適
湿域に制御する。
【0012】請求項1の装置では、収納室の温度が基準
温度域よりも高温のときには通常モード処理が実行され
る。即ち、湿度センサで検出した収納室の湿度に基づ
き、給電冷却体への給電手段の給電量が制御され、収納
室の湿度は適湿域に制御される。収納室の温度が基準温
度域よりも低温のときには、給電冷却体の除湿能力を通
常モード処理よりも低下させる低温モード処理が実行さ
れる。
【0013】請求項2の装置では、収納室の温度が基準
温度域よりも高温のときには通常モード処理が実行され
る。即ち、湿度センサで検出した収納室の検出湿度に基
づき、ペルチェ素子への給電手段の給電量が制御され、
ペルチェ素子の電子冷却機能で収納室が除湿され、収納
室の湿度は適湿域に制御される。収納室の温度が基準温
度域よりも高温のとき、及び、収納室の温度が基準温度
域よりも低温のときのいずれにおいても、収納室が乾燥
しすぎのときには、加湿処理が実行される。即ち、湿度
制御手段はペルチェ素子への通電を反転させ、加湿部に
より収納室は加湿される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 (実施例の構成)図1は可搬式の除湿部1の縦断面を示
し、図2は除湿部1の横断面を示し、図3は使用状態を
示す。除湿部1は食器棚、本棚、靴箱、押入れ等の保管
庫の収納室10に着脱可能に配置される。除湿部1は持
ち運び可能な箱体1xを備えている。箱体1x内は第1
仕切板1kにより導風室1mとタンク室1nに仕切られ
ている。除湿部1の箱体1x内には、給電冷却体として
のペルチェ素子2が装備されている。ペルチェ素子2は
熱電素子や電子冷却素子とも呼ばれ、給電により電子冷
却及び電子加熱作用を行うペルチェ効果を奏するもので
あり、従ってペルチェ素子2は、熱を帯びる電子加熱部
と吸熱される電子冷却部をもつ。ペルチェ素子2の電子
加熱部側には放熱部としての放熱盤20が設けられてい
る。ペルチェ素子2の電子冷却部側には冷却部としての
冷却盤21が設けられている。冷却盤21は箱体1xの
吸込口1yに対面している。放熱盤20及び冷却盤21
は、共に熱伝導性を確保すべくアルミ系合金で形成され
ている。ペルチェ素子2に一方向に給電すれば、電子加
熱部が発熱して放熱盤20が放熱し、電子冷却部が吸熱
して冷却盤21が冷却される。またペルチェ素子2に給
電する電流の向きを反転して逆にすれば、発熱と吸熱と
が逆になり、放熱盤20が冷却され、冷却盤21が放熱
する。
【0015】図1に示す様に、放熱盤20は、横方向に
のびる横通路20rを形成する断面『コ』の字形状の横
型のコ字体20sを縦方向に列設して構成されている。
よって放熱盤20の放熱面積は大面積とされている。図
2に示す様に、冷却盤21は、縦通路21rを形成する
断面『コ』の字形状の縦型のコ字体21sを横方向に列
設して構成されている。冷却盤21は、冷却能力を維持
して結露を効果的になし得る様に放熱盤20よりも小面
積とされている。加湿部として機能する吸水部材37
は、帯状の第1吸水部材37aと帯状の第2吸水部材3
7bとを備えている。吸水部材37の幅は図1において
Lで示されている。吸水部材37は、貯水室38cの水
を吸い上げる毛細管現象を呈する長繊維を揃えた集束体
と、集束体の外面を樹脂で被覆した被覆層とを備えてい
る。被覆層により、集束体からの水蒸発性が防止され、
集束体で受けられた結露水は水タンク38に到達でき
る。吸水部材37はカビ発生を抑制する様に防菌処理さ
れている。吸水部材37の一方の第1吸水部材37aは
冷却盤21の一方の取付面に留具21cを宛てがい、螺
子21dにより固着されている。他方の第2吸水部材3
7bも同様に冷却盤21の他方の取付面に留具21c及
び螺子21dにより固着されている。従って第1吸水部
材37aの先端の集束体、第2吸水部材37bの集束体
の先端は冷却盤21に密着しており、熱伝導性が確保さ
れている。この場合後述する加湿処理において、第1吸
水部材37aの先端、第2吸水部材37bからの水蒸発
性は確保される。
【0016】水タンク38は冷却盤21の下方に配置さ
れている。水タンク38は、ペルチェ素子2で結露した
結露水や別途供給される水を溜める貯水手段を構成す
る。水タンク38の天井壁の凹部38jの底部には、開
口面積が小さな差込口38iが形成されている。従って
水タンク38は差込口38i以外は密閉構造であり、水
タンク38からの水蒸発が抑制されている。水タンク3
8の貯水室38cには水が貯溜され、吸水部材37の先
端37eは水タンク38の差込口38iから差し込ま
れ、貯水室38cの水に浸漬されている。
【0017】収納室10の湿度を検出する湿度センサ
4、収納室10の温度を検出する温度センサ4Mはそれ
ぞれ除湿部1に保持されている。湿度センサ4は相対湿
度を検出するものである。図2に示す様に除湿部1には
ファン3が配置されている。ファン3は収納室10の気
体を移送する送風手段を構成する。ファン3はシロッコ
ファンである。ファン3の送風筒3kは箱体1xの吹出
口1wに対面している。
【0018】図3に示す様に収納室10の外方には本体
部9が配置されている。本体部9と除湿部1との間に
は、可撓性をもつ連結管90が配置されている。本体部
9には制御手段7が内蔵されている。連結管90には、
ペルチェ素子2と制御手段7とをつなぐ給電線、ファン
3と制御手段7とをつなぐ給電線、センサと制御手段7
とをつなぐ信号線等が収容されている。図4は制御手段
7のブロック図を示す。制御手段7は上記した湿度制御
手段を構成するものであり、入力処理回路71、マイコ
ン72、出力処理回路73、記憶手段としてのメモリ7
4を備えている。図4に示す様に湿度センサ4の検出信
号、温度センサ4Mの検出信号は制御手段7に入力され
る。切替手段としての切替スイッチ78は、基準温度T
1よりも低温のときには除湿機能を大幅に低下させる低
温モード処理を実行するかしないかを使用者が切り替え
るスイッチである。切替スイッチ78がオンされると、
基準温度T1よりも低温領域では低温モード処理が実行
されることになり、切替スイッチ78がオフされると、
基準温度T1よりも低温領域であっても低温モード処理
が実行されない。指定手段としての指定器79は使用者
が基準温度T1、後述するしきい値T2、しきい値T3
を変更するものである。被収納物の種類に応じてあるい
は使用者の所望に応じて指定器79により基準温度T1
が種々変更される。なお切替スイッチ78及び指定器7
9は、本体部9の操作パネルに装備されている。
【0019】制御手段7からの制御信号は給電手段とし
てのペルチェ素子給電回路29に入力される。ペルチェ
素子給電回路29はペルチェ素子2へ給電する電圧Vを
制御し、これによりペルチェ素子2は除湿能力の大きな
強モード、除湿能力の中程度の中モード、除湿能力が小
さな弱モード、除湿能力が極めて小さな微弱モードとい
った各モードに制御される。制御手段7からの制御信号
はファン駆動回路39に入力される。ファン駆動回路3
9はファン3のファンモータの回転数Nを制御し、これ
によりファン3は送風量の大きな強モード、送風量の小
さな中モード、送風量が小さな弱モード、送風量が極め
て小さな微弱モードといった各モードに制御される。
【0020】(使用方法、作用、効果) さて使用方法について作用及び効果と共に説明する。
この例では収納室10は適湿域を30%〜60%とす
る。先ず図3に示す様に除湿部1を保管庫の収納室10
に収納する。本体部9を収納室10の外方に配置してお
く。低温モード処理の実行の有無の基準となる基準温度
域としての基準温度T1は、本例では10°Cとして予
め設定されているが、使用者は被収納物の種類に応じて
指定器79により基準温度T1を変更可能である。指定
器79で指定された基準温度T1は制御手段7のメモリ
74に格納される。
【0021】収納室10の温度はペルチェ素子2による
冷却の影響をのぞけば、基本的には外気の温度に依存す
る。収納室10の温度は温度センサ4Mで検出される。
収納室10の湿度は湿度センサ4で検出される。 通常モード処理 温度センサ4Mで検出している収納室10の検出温度T
が基準温度T1よりも高温域であるときには、通常モー
ド処理で除湿される。
【0022】以下、通常モード処理について説明する。
湿度センサ4で検出される収納室10の検出湿度Hが高
く、しきい値Ha(適宜選択でき例えば60%とする
が、これに限定されるものではない)を越えているとき
には、制御手段7によりペルチェ素子2が作動され冷却
盤21が冷却され、冷却盤21の冷却面21fに結露が
生成し、除湿される。
【0023】このときファン3の作動により風が生成さ
れる。即ち、収納室10の空気は吸込口1yから箱体1
x内に矢印S1方向に移行し、冷却盤21付近を通り、
通風口19を矢印S2方向に移行して仕切板1kの裏側
の放熱盤20側に回り、放熱盤20の横通路20rを横
方向に通過して吹出口1wに至る。そして風は吹出口1
wから矢印S4方向に吹き出される。この様にペルチェ
素子2の結露生成による除湿作用と送風作用により、収
納室10の水蒸気量が次第に減少する。これにより収納
室10は適湿域となる様に除湿処理される。従って収納
室10に保管した被収納物におけるカビ等の発生は回避
される。
【0024】一定体積における水蒸気量をeとし、その
温度における飽和水蒸気量をEとすると、相対湿度は
(e/E)×100%の意味である。ここで温度が高い
ほど飽和水蒸気量Eは大きくなる。従って高温域と低温
域とで絶対水蒸気量が同じであっても、高温域の方が相
対湿度は低くなる。この点本実施例では吹出口1wから
吹き出される風は、放熱盤20の放熱作用により加熱さ
れるので、吹出口1wから吹き出される風は加熱され、
風の湿度を下げるのに一層有利である効果が得られる。
【0025】また本実施例では湿度センサ4で検出した
収納室10の検出湿度Hが目標湿度よりも大きくかつ検
出湿度Hと目標湿度との差が大きいときには、収納室1
0の高湿度が高いために、ペルチェ素子2の印加電圧V
を大きくなる様に制御手段7はペルチェ素子給電回路2
9を制御する。また、湿度センサ4で検出した収納室1
0の検出湿度Hが目標湿度よりも大きくかつその差が小
さなときには、収納室10の高湿の度合が小さいため
に、ペルチェ素子2の印加電圧Vを小さくする様に制御
手段7はペルチェ素子給電回路29を制御する。
【0026】即ち、収納室10が高湿度が高いときに
は、ペルチェ素子2の印加電圧Vを大きくし、収納室1
0の高湿度があまり高くないときには、ペルチェ素子2
の印加電圧Vを小さくする。従って『強モード』で作動
するペルチェ素子2を単にオンオフする場合の制御形態
に比較して、除湿処理における湿度の上下変動幅が小さ
くなり、安定した湿度制御が可能となる効果が得られ
る。更に強モードでペルチェ素子2をオンオフさせる繰
返しがないので、ペルチェ素子2における熱衝撃の回避
や低減に有利であり、ペルチェ素子2の耐久性の向上、
長寿命化に有利である効果も得られる。
【0027】本実施例では冷却盤21の縦通路21rの
壁面は垂直である。そのため、冷却盤21の冷却面21
fで生成した結露は、重力により冷却盤21の縦通路2
1rの壁面にそって短時間のうちに流下し、吸水部材3
7に受け止められ、吸水部材37の外面の被覆層にそっ
て案内されて水タンク38の凹部38jに到達し、更に
貯水室38cに溜まる。この様に結露水によって水タン
ク38に自動給水されるので、水タンク38への給水作
業を低減または回避するのに有利である効果が得られ
る。
【0028】更に前述した様に結露水は、冷却盤21の
縦通路21rの壁面にそって短時間のうちに流下し、冷
却盤21には溜まらないので、除湿処理の際に加湿に使
用されることは実質的にはない。図2から理解できる様
に水タンク38は差込口38i以外は実質的に密閉構造
であり、水タンク38の差込口38iは、吸水部材37
の先端37eが進入できる程度の開口面積の小さなもの
であり、しかも差込口38iは吸水部材37で実質的に
塞がれているため、水タンク38の貯水室38cに溜ま
った水の蒸発を抑制するのに有利である効果も得られ
る。
【0029】低温モード処理 収納室10の温度が基準温度T1(例えば10°C)よ
りも低温の場合には、高湿であってもカビが生成しない
か、生成しにくいものである。そこで使用者が切替スイ
ッチ78で低温モード処理の実行を選択しているときに
は、収納室10の温度が基準温度T1よりも低温であれ
ば、上記した通常モード処理は実行されず、低温モード
処理が実行される。低温モード処理では、ペルチェ素子
2は『強モード』とされず、『微弱モード』とされ、ペ
ルチェ素子3の電圧は微小となり、除湿能力は大幅に低
下するか或いは無くなる。同様に低温モード処理ではフ
ァン3の回転数も微小となり、送風が微弱となる。これ
によりカビが生成しない温度領域における電力消費の節
約を図り得る効果が得られる。
【0030】加湿処理 収納室10が乾燥しており、湿度センサ4で検出される
収納室10の検出湿度Hが低く、しきい値Hb(例えば
30%)未満のときには、制御手段7により加湿処理さ
れる。即ち、制御手段7によりペルチェ素子2の通電方
向が逆となる様にペルチェ素子2に通電される。従って
上記した除湿処理の場合と逆に冷却盤21が放熱する。
そのため吸水部材38の集束体のうち冷却盤21に固着
されている部分に含有されている水分は蒸発が促進され
る。従って吸水部材37の集束体の毛細管現象により、
水タンク38の貯水室38c内の水は吸水部材38の集
束体を介して吸い上げられ、冷却盤21に到達し、放熱
する冷却盤21により蒸発が促進され、空気は加湿され
る。
【0031】この際にもファン3の作動により風が生成
され、蒸発した水分子はその風にのって吹出口1wから
矢印S4方向に吹き出され、これにより収納室10の加
湿処理が実行される。この様な加湿処理の際には放熱盤
20が冷却されるので、放熱盤20で結露することもあ
る。ファン3で生成した風は放熱盤20の横通路20r
を通過するので、放熱盤20で生成した結露水に風が接
触する。よって結露水から蒸発した水分子は風にのって
収納室10へ移行し、収納室10の加湿の促進に用いら
れる。殊に放熱盤20の横通路20rは横方向にのびる
ので、放熱盤20で生成した結露水の流下は抑えられ、
放熱盤20に結露水が溜まる構造とされている。よって
放熱盤20で生成した結露水を収納室10の加湿に有効
に利用できる効果が得られる。
【0032】前述した相対湿度の求め方に基づけば、高
温域と低温域とで絶対水蒸気量が同じであっても、低温
域の方が相対湿度は高くなる。この点本実施例では吹出
口1wから吹き出される風は、放熱盤20の冷却作用に
より冷やされているので、吹出口1wから吹き出される
風の温度を下げ、これにより風の湿度を上げるのに有利
であり、収納室10の加湿に適する効果も得られる。
【0033】図1において放熱盤20の下部に位置する
コ字体20t付近は構造上、通風しにくいことがある。
この場合コ字体20tで生成した結露水が蒸発しにくい
こともある。この点本実施例では図1に示す様に放熱盤
20の下部のコ字体20tは水タンク38に向かうにつ
れて下降傾斜しているので、下部のコ字体20tで生成
した結露水は、案内孔38y、38x、案内部38wを
介して水タンク38の凹部38jに向けて流下し、水タ
ンク38に移行できるので、結露水を有効利用できる効
果も期待できる。
【0034】また収納室10が乾燥しており、湿度セン
サ4で検出した収納室10の検出湿度Hが目標湿度より
も小さくかつ検出湿度Hと目標湿度との差が大きいとき
には、収納室10の乾燥度が高いため、反転通電してい
るペルチェ素子2の印加電圧Vを大きくなる様に制御手
段7はペルチェ素子給電回路29を制御し、かつ、その
差が小さなときには、収納室10の乾燥度が小さいた
め、反転通電しているペルチェ素子2の印加電圧Vを小
さくする様に制御手段7はペルチェ素子給電回路29を
制御する。
【0035】即ち、収納室10の乾燥度が高いときに
は、反転通電しているペルチェ素子2の印加電圧Vを大
きくし、収納室10の乾燥度が小さいときには、反転通
電しているペルチェ素子2の印加電圧Vを小さくする様
に制御手段7はペルチェ素子給電回路29を制御する。
従って『強モード』で作動するペルチェ素子2を単にオ
ンオフする場合に制御形態に比較して、加湿処理におけ
る湿度の上下変動幅が小さくなり、安定した湿度制御が
可能となる効果が得られる。更に強モードでペルチェ素
子2をオンオフさせる繰返しがなく、従ってペルチェ素
子2における熱衝撃の回避や低減に有利であり、ペルチ
ェ素子2の耐久性の向上、長寿命化に有利である効果も
得られる。
【0036】(制御形態)図5は制御手段7のマイコン
72が実行するメインルーチンのフローチャートであ
る。図5に示す様に電源投入と共にルーチンがスタート
する。ステップS1でレジスタやフラグ等が初期設定さ
れ、ステップS2で1ルーチンの所要時間を規定する内
部タイマがスタートし、ステップS3で収納室10の湿
度H、収納室10の温度Tの信号の検出処理が実行され
る。この場合所定時間内に複数回検出し、その平均値で
把握できる。ステップS4で収納室10の温度Tと基準
温度T1(適宜選択でき、例えば10°Cとするが、こ
れに限定されるものではない)を比較し、収納室10の
検出温度Tが基準温度T1よりも高温であれば、通常モ
ード処理を実行する。即ちステップS5に進み、収納室
10の湿度Hがしきい値Ha(例えば60%)つまり目
標湿度上限値を越えるか判定する。越えていれば、収納
室10は高温高湿のためカビが発生するおそれがある。
そこでステップS6に進み除湿処理を実行する。越えて
いなければ、ステップS7に進み、収納室10の湿度H
がしきい値Hb(例えば30%)つまり目標湿度下限値
未満か判定する。未満であれば、収納室10は高温でか
つ乾燥し過ぎているので、乾燥に起因する不具合、例え
ば被収納物の樹脂割れや接着剤の剥離等の発生のおそれ
がある。そこでステップS8に進み加湿処理を実行す
る。ステップS7での判定の結果、収納室10の湿度H
がしきい値Hb(例えば30%)未満でなければ、収納
室10は適湿域である。よってステップS9に進み、ペ
ルチェ素子2を『微弱モード』にして除湿能力を大幅に
低下させるか或いは無しにし、かつ、ファン3を『微弱
モード』にし送風量を微弱にする。
【0037】ステップS4での判定の結果、収納室10
の温度Tが基準温度T1よりも低温のときには、ステッ
プS10に進み切替スイッチ78がオンかオフか判定す
る。切替スイッチ78がオフであれば、低温モード処理
を実行せず、通常モード処理つまりステップS5に進
む。従ってステップS10は低温モード処理判定手段を
構成する。ステップS10において切替スイッチ78が
オンであれば、ステップS11に進み低温モード処理が
実行される。そしてステップS12においてその他の処
理が実行され、ステップS13で内部タイマの終了を待
ってステップS2に戻る。これにより1ルーチンの所要
時間が規定され、マイコン72の作動の円滑化が図られ
る。
【0038】図5において、ステップS4は収納室10
の温度が基準温度T1よりも高温か低温かを判定する収
納室温度判定手段を構成する。図6はマイコン72が実
行する除湿処理のサブルーチンである。ステップS60
2ではファン3がオンされているか判定し、NOであれ
ばステップS604でファン3をオンする。ステップS
606では湿度センサ4で検出されている収納室10の
検出湿度Hがしきい値H1(例えば75%)を越えてい
るか判定する。湿度センサ4で検出した収納室10の検
出湿度Hがしきい値H1を越えておれば、収納室10は
かなり高湿である。そこでステップS608に進みペル
チェ素子2を『強モード』にする指令信号をペルチェ素
子給電回路29に出力し、ファン3を『強モード』にす
る指令信号をファン駆動回路39に出力し、メインルー
チンにリターンする。これによりペルチェ素子2の結露
生成力つまり除湿能力が高まり、ファン3の送風量が高
まる。
【0039】またステップS606での判定の結果、N
Oつまり収納室10の検出湿度Hがしきい値H1(例え
ば75%)を越えていなければ、ステップS610に進
み、収納室10の検出湿度Hがしきい値H2(例えば7
0%)を越えているか判定する。YESつまり越えてい
れば、収納室10の高湿度は中程度のため、ステップS
612に進み、ペルチェ素子2を『中モード』にする指
令信号をペルチェ素子給電回路29に出力し、ファン3
を『中モード』にする指令信号をファン駆動回路39に
出力し、メインルーチンにリターンする。これによりペ
ルチェ素子2の結露生成力つまり除湿能力が中程度とな
り、ファン3の送風量が中程度となる。
【0040】またステップS610での判定の結果、N
Oであれば、ステップS614に進み、収納室10の検
出湿度Hがしきい値H3(例えば62%)を越えている
か判定する。YESつまり越えていれば、ペルチェ素子
2を『弱1モード』にする指令信号をペルチェ素子給電
回路29に出力し、ファン3を『弱1モード』にする指
令信号をファン駆動回路39に出力し、メインルーチン
にリターンする。これによりペルチェ素子2の結露生成
力つまり除湿能力が弱程度となる。
【0041】ステップS614での判定の結果、NOで
あれば、ステップS618に進み、ペルチェ素子2を
『弱2モード』にする指令信号をペルチェ素子給電回路
29に出力し、ファン3を『弱2モード』にする指令信
号をファン駆動回路39に出力し、メインルーチンにリ
ターンする。『弱2モード』は『弱1モード』よりも除
湿能力、送風量は微弱なものである。これによりペルチ
ェ素子2の結露生成力つまり除湿能力が微弱となる。
【0042】なおステップS608、S612、S61
6、S618は、収納室10の検出湿度Hに応じてペル
チェ素子2の印加電圧を増減させることにより除湿する
ので、除湿処理におけるペルチェ素子給電量増減手段を
構成する。図7はマイコン72が実行する加湿処理のサ
ブルーチンである。ステップS800、S802ではペ
ルチェ素子2の極性を反転して通電方向を逆にする。ス
テップS804でファン3がオンされているか判定し、
NOであればステップS806でファン3をオンする。
ステップS808では収納室10の検出湿度Hがしきい
値H7(例えば20%)未満か判定する。YESつまり
未満であれば、収納室10はかなり乾燥している。そこ
でステップS810に進みペルチェ素子2を『強モー
ド』にする指令信号をペルチェ素子給電回路29に出力
し、ファン3を『強モード』にする指令信号をファン駆
動回路39に出力し、メインルーチンにリターンする。
これによりペルチェ素子2の加湿力が高まると共に、フ
ァン3の送風量が高まる。
【0043】またステップS808での判定の結果、N
Oつまり収納室10の検出湿度Hがしきい値H7未満で
なければ、ステップS812に進み、収納室10の検出
湿度Hがしきい値H6(例えば24%)未満か判定す
る。YESつまり未満であれば、収納室10の乾燥度は
中程度のため、ステップS814に進み、ペルチェ素子
2を『中モード』にする指令信号をペルチェ素子給電回
路29に出力し、ファン3を『中モード』にする指令信
号をファン駆動回路39に出力し、メインルーチンにリ
ターンする。これによりペルチェ素子2による加湿力が
中程度となり、ファン3の送風量が中程度となる。
【0044】またステップS812での判定の結果、N
Oであれば、ステップS816に進み、収納室10の検
出湿度Hがしきい値H5(例えば28%)未満か判定す
る。YESつまり未満であれば、ペルチェ素子2を『弱
1モード』にする指令信号をペルチェ素子給電回路29
に出力し、ファン3を『弱1モード』にする指令信号を
ファン駆動回路39に出力し、メインルーチンにリター
ンする。これによりペルチェ素子2による加湿力が弱程
度となる。
【0045】ステップS816での判定の結果、NOで
あれば、ステップS820に進み、ペルチェ素子2を
『弱2モード』にする指令信号をペルチェ素子給電回路
29に出力し、ファン3を『弱2モード』にする指令信
号をファン駆動回路39に出力し、メインルーチンにリ
ターンする。これによりペルチェ素子2の加湿力つまり
除湿能力が微弱となる。なお『弱2モード』は『弱1モ
ード』よりも加湿力、送風量は微弱なものである。
【0046】なおステップS810、S814、S81
8、S820は、収納室10の検出湿度Hに応じてペル
チェ素子2の印加電圧を増減させ加湿するので、加湿処
理におけるペルチェ素子給電量増減手段を構成する。図
8はマイコン72が実行する低温モード処理のサブルー
チンのフローチャートである。図8に示すフローチャー
トでは、まずステップS100、S101でファン3の
オンが実行される。ステップS102で収納室10の湿
度Hがしきい値Hb未満か判定する。YESつまり未満
であれば、収納室10の低温であっても乾燥しすぎのた
め、樹脂割れや接着剤剥離等の不具合を招来するおそれ
がある。そこで収納室10の加湿処理を実行すべく、図
7のステップS800にジャンプし、以下前述同様に加
湿処理が実行される。
【0047】ステップS102の判定の結果、乾燥しす
ぎでなければ、ステップS104に進み、収納室10の
温度Tがしきい値T2(適宜選択でき例えば5°Cとす
るが、これに限定されるものではない)を越えるか判定
する。YESつまり越えれば、ステップS106に進
み、ペルチェ素子2の電圧をV(0.8)に設定し、フ
ァン3の回転数をN(0.8)に設定する。換言する
と、ペルチェ素子2を『微弱1モード』にする指令信号
をペルチェ素子給電回路29に出力し、ファン3を『微
弱1モード』にする指令信号をファン駆動回路39に出
力し、メインルーチンにリターンする。
【0048】ステップS104の判定の結果、NOつま
り収納室10の検出温度Tがしきい値T1(例えば5°
C)よりも低温であれば、ステップS108に進む。ス
テップS108では収納室10の検出温度Tがしきい値
T3(例えば0°C)を越えているか判定する。YES
つまり検出温度Tがしきい値T3よりも高温であれば、
ステップS110に進み、ペルチェ素子2の電圧をV
(0.5)に設定し、ファン3の回転数をN(0.5)
に設定する。換言すると、ペルチェ素子2を、より微弱
の『微弱2モード』にする指令信号をペルチェ素子給電
回路29に出力し、ファン3を、より微弱の『微弱2モ
ード』にする指令信号をファン駆動回路39に出力し、
メインルーチンにリターンする。
【0049】ステップS108での判定の結果、NOで
あり、つまり検出温度Tがしきい値T3よりも低温であ
れば、カビ生成のおそれはないので、ステップS112
に進み、ペルチェ素子2の電圧をV(0.3)に設定
し、ファン3の回転数をN(0.3)に設定する。換言
すると、ペルチェ素子2を、より一層微弱とする『微弱
3モード』にする指令信号をペルチェ素子給電回路29
に出力し、ファン3を、より一層微弱とする『微弱3モ
ード』にする指令信号をファン駆動回路39に出力し、
メインルーチンにリターンする。
【0050】なおペルチェ素子2の除湿能力は、『微弱
1モード』>『微弱2モード』>『微弱3モード』の関
係にある。ファン3の送風量は、『微弱1モード』>
『微弱2モード』>『微弱3モード』の関係にある。従
って、しきい値T3以下の低温ではペルチェ素子2によ
る除湿能力は実質的にはないか極めて小さいものであ
る。
【0051】なおステップS106、S110、S11
2は、低温モード処理において、収納室10の検出湿度
Hに応じてペルチェ素子2の印加電圧を増減させるの
で、低温モード処理におけるペルチェ素子給電量増減手
段を構成する。さて図9は上記した制御を実行する際に
おける収納室10の温度と収納室10の湿度との関係を
概念的に示すグラフである。除湿処理が実行される領域
は、基本的には、特性線V1よりも上方の領域である。
加湿処理が実行される領域は、基本的には、特性線V2
よりも下方の領域である。図9から理解できる様に基準
温度T1よりも高温では通常モード処理が実行され、湿
度が基本的には60%〜30%の範囲に抑えられる。し
かし基準温度T1よりも低温では低温モード処理が実行
されるので、図9に示すハッチング領域αでは除湿能力
が大幅に低減されており、低温域では60%を越える湿
度となり得る。これによりカビが生成しないか或いはし
にくい温度領域における電力節約を図り得る。
【0052】(他の例)なお上記した例では除湿があま
り必要とされないときにはペルチェ素子2を『微弱モー
ド』としているが、これに限らず『オフモード』にして
も良い。しきい値T1、T2、T3、Ha、Hb、H1
〜H7等は上記した値に限定されるものではなく、必要
に応じて適宜変更できるものである。
【0053】上記した例では除湿機は、可搬式の除湿部
1と本体部9とを備えた除湿機に適用しているが、これ
に限定されるものではなく、例えば図10に示す除湿機
能付き保管庫に適用しても良い。この例では、収納室1
0をもつ箱体1xにペルチェ素子2、冷却盤21、箱体
1xの背面板も兼用する放熱盤20、制御手段7を一体
的に組み込んだ形態である。冷却盤21は螺子21co
により放熱盤20に保持されている。この例でも図4に
示す制御ブロック図が採用されるが、ファン及びファン
駆動回路は装備されていない。
【0054】なお32は、ペルチェ素子2の冷却盤21
で生成した結露水を案内する導水通路35を区画する樹
脂製のカバー部材である。カバー部材32はペルチェ素
子2等を収容する冷却室31xを区画する。冷却室31
xと収納室10は貫通孔30を介して連通している。カ
バー部材32は放熱盤20の内面20roに被着されて
いる。放熱盤20の下部のコ字形状部分及び導水通路3
5には、カビ抑制のため防菌処理された吸水部材37が
開口20fに対面して保持されている。吸水部材37の
上端は冷却盤21の下端部に接触している。よってペル
チェ素子2の反転通電により冷却盤21が放熱すると、
吸水部材37に含まれている水分が蒸発して加湿処理が
実行される。吸水部材37はスポンジ等の多孔質体で構
成できる。
【0055】なお、11はドア、13はシール部材、4
2は透孔1tを介して外気の湿度を検出する外気湿度セ
ンサである。この例においてもペルチェ素子2が通電さ
れると、冷却盤21が冷却され冷却面21fに結露水が
生成して収納室10が除湿される。このとき放熱盤20
が放熱する。またペルチェ素子2が反転通電されると、
放熱盤20が冷却されると共に、冷却盤21が放熱して
吸水部材37に含まれている水分子の蒸発を促進させる
機能をもち、これにより加湿できる。
【0056】この例においても、前記した実施例と同様
に、湿度制御手段は図5〜図8に示す制御を実行する。 (付記) 上記した実施例から次の技術的思想も把握できる。 請求項1、2において、放熱盤は横方向にのびるとと
もに結露したときに結露水の流下を抑える横通路を備え
ている。ペルチェ素子を反転通電したときに、放熱盤に
結露水が溜まる構造とされている。
【0057】
【発明の効果】請求項1の除湿機の湿度制御装置によれ
ば、カビが発生しないか発生しにくい温度領域、即ち基
準温度域よりも低温のときには、除湿能力を通常モード
処理よりも低下させる低温モード処理を実行するので、
消費電力の節約を図り得る。請求項2の除湿機の湿度制
御装置によれば、基準温度域のいかんにかかわらず、収
納室が乾燥しすぎのときには収納室を加湿するので、乾
燥しすぎによる不具合(樹脂割れや接着剤の剥離等)を
回避できる。
【0058】請求項3の除湿機の湿度制御装置によれ
ば、低温モード処理の実行の基準となる基準温度域を指
定できるので、被収納物の種類に応じてまたは使用者の
所望に応じることができ、汎用性に富む。
【図面の簡単な説明】
【図1】除湿部の縦断面図である。
【図2】除湿部の横断面図である。
【図3】使用状態の説明図である。
【図4】制御手段のブロック図である。
【図5】制御手段のマイコンが実行するメインルーチン
のフローチャートである。
【図6】制御手段のマイコンが実行する除湿処理のサブ
ルーチンのフローチャートである。
【図7】制御手段のマイコンが実行する加湿処理のサブ
ルーチンのフローチャートである。
【図8】制御手段のマイコンが実行する低温モード処理
のサブルーチンのフローチャートである。
【図9】収納室の温度と収納室の湿度との関係を模式的
に示すグラフである。
【図10】他の実施例に係る除湿機能付き保管庫の縦断
面図である。
【符号の説明】
図中、1は除湿部、10は収納室、2はペルチェ素子
(給電冷却体)、20は放熱盤、21は冷却盤、29は
ペルチェ素子給電回路(給電手段)、3はファン、4は
湿度センサ、4Mは温度センサ、7は制御手段、79は
指定器(指定手段)、37は吸水部材(加湿部)を示
す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被収納物が収納される収納室を給電に伴い
    冷却して結露又は結氷を生成して除湿する給電冷却体
    と、 該給電冷却体に給電する給電手段と、 該収納室の温度を検出する温度センサと、 該給電冷却体への該給電手段の給電量を制御して該収納
    室の湿度を制御する湿度制御手段とで構成され、 該湿度制御手段は、 該収納室の温度が基準温度域よりも高温の領域であるか
    低温の領域であるかを判定する収納室温度判定手段と、 該収納室の温度が基準温度域よりも高温のときには、該
    収納室の湿度に基づき、該給電冷却体への該給電手段の
    給電量を制御して該収納室の湿度を適湿域に制御する通
    常モード処理を実行する第1制御手段と、 該収納室の温度が基準温度域よりも低温のときには、該
    給電冷却体の除湿能力を該通常モード処理よりも低下さ
    せる低温モード処理を実行する第2制御手段とを備えて
    いることを特徴とする除湿機の湿度制御装置。
  2. 【請求項2】被収納物が収納される収納室を給電に伴い
    冷却して結露又は結氷を生成して除湿すると共に反転通
    電可能なペルチェ素子と、 該ペルチェ素子に給電する給電手段と、 該ペルチェ素子が反転通電されたときに該収納室の加湿
    を行う加湿部と、 該収納室の湿度を検出する湿度センサと、 該収納室の温度を検出する温度センサと、 該ペルチェ素子への該給電手段の給電量を制御して該収
    納室の湿度を制御する湿度制御手段とで構成され、 該湿度制御手段は、 該収納室の温度が基準温度域よりも高温の領域であるか
    低温の領域であるかを判定する収納室温度判定手段と、 該収納室の温度が基準温度域よりも高温のときには、該
    湿度センサで検出した該収納室の検出湿度に基づき、該
    ペルチェ素子への該給電手段の給電量を制御して該ペル
    チェ素子で該収納室を除湿し、該収納室の湿度を適湿域
    に制御する通常モード処理を実行する除湿制御手段と、 該収納室の温度が基準温度域よりも高温のとき、及び、
    該収納室の温度が基準温度域よりも低温のときのいずれ
    においても、該収納室が乾燥しすぎと判定されたときに
    は、該ペルチェ素子への通電を反転させて、該加湿部で
    該収納室を加湿する加湿処理を実行する加湿制御手段を
    備えていることを特徴とする除湿機の湿度制御装置。
  3. 【請求項3】前記基準温度域を指定する指定手段を備え
    ている請求項1または2に記載の除湿機の湿度制御装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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