JP2014016120A - 冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成であるとともに外気の取り入れの頻度を極力少なくし、貯蔵室内を効果的に加湿する。
【解決手段】冷蔵庫は、冷蔵温度帯に冷却される第一貯蔵室と、第一貯蔵室から供給される冷気によって第一貯蔵室に比べて高温の冷蔵温度帯に冷却される第二貯蔵室と、第一貯蔵室および第二貯蔵室を冷却するための冷気を生成する冷却器と、冷却器で生成された冷気を第一貯蔵室へ供給する送風機と、第一貯蔵室と第二貯蔵室とを接続し第一貯蔵室の冷気を第二貯蔵室へ供給する接続部と、第一貯蔵室内または第二貯蔵室内にあって接続部の近傍に設けられ第一貯蔵室から第二貯蔵室へ流れる冷気が接触する冷却部材と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】冷蔵庫は、冷蔵温度帯に冷却される第一貯蔵室と、第一貯蔵室から供給される冷気によって第一貯蔵室に比べて高温の冷蔵温度帯に冷却される第二貯蔵室と、第一貯蔵室および第二貯蔵室を冷却するための冷気を生成する冷却器と、冷却器で生成された冷気を第一貯蔵室へ供給する送風機と、第一貯蔵室と第二貯蔵室とを接続し第一貯蔵室の冷気を第二貯蔵室へ供給する接続部と、第一貯蔵室内または第二貯蔵室内にあって接続部の近傍に設けられ第一貯蔵室から第二貯蔵室へ流れる冷気が接触する冷却部材と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
一般に、冷蔵庫において野菜などが貯蔵される貯蔵室内は、野菜の蒸散を抑制するために相対湿度が高いことが望ましい。ここで、通常、外気は、貯蔵室内の空気より高温であることから飽和水蒸気量が大きく、そのため、ほとんどの場合、外気の絶対湿度は貯蔵室内の空気の絶対湿度に比べて高い。そこで、貯蔵室内に外気を積極的に取り入れて、貯蔵室内を加湿する技術が考えられている。これによれば、絶対湿度の高い外気を取り込んで貯蔵室内で露点温度以下に冷却することで、相対湿度の高い空気を得ることができる。
しかし、このような冷蔵庫は、外気を取り入れる構造が複雑で高コストなものになり易い。また、高温の外気を頻繁に取り入れることから、貯蔵室内の温度が上がり易い。そのため通常より高い能力で貯蔵室を冷却する必要があり、その結果、省エネ効果の低下につながっていた。
そこで、簡易な構成であるとともに外気の取り入れの頻度を極力少なくし、貯蔵室内を効果的に加湿することができる冷蔵庫を提供する。
本実施形態の冷蔵庫は、冷蔵温度帯に冷却される第一貯蔵室と、前記第一貯蔵室から供給される冷気によって前記第一貯蔵室に比べて高温の冷蔵温度帯に冷却される第二貯蔵室と、前記第一貯蔵室および前記第二貯蔵室を冷却するための冷気を生成する冷却器と、前記冷却器で生成された冷気を前記第一貯蔵室へ供給する送風機と、前記第一貯蔵室と前記第二貯蔵室とを接続し前記第一貯蔵室の冷気を前記第二貯蔵室へ供給する接続部と、前記第一貯蔵室内または前記第二貯蔵室内にあって前記接続部の近傍に設けられ前記第一貯蔵室から前記第二貯蔵室へ流れる冷気が接触する冷却部材と、を備える。
以下、複数の実施形態による冷蔵庫を、図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第一実施形態)
図1に示すように、冷蔵庫10は、前面が開口した縦長矩形箱状の断熱箱体11内に、複数の貯蔵室を有して構成されている。以下、断熱箱体11の開口側すなわち図1において左側を冷蔵庫10の前側として説明する。
断熱箱体11は、鋼板製の外箱111および合成樹脂製の内箱112の間に断熱材113を設けて構成されている。断熱箱体11は、その内部に、上段から順に冷蔵室12、野菜室13が設けられ、その下方に製氷室14および図示しない小冷凍室が左右に並べて設けられ、さらにその下方に冷凍室16が設けられている。製氷室14には自動製氷装置15が設けられている。
図1に示すように、冷蔵庫10は、前面が開口した縦長矩形箱状の断熱箱体11内に、複数の貯蔵室を有して構成されている。以下、断熱箱体11の開口側すなわち図1において左側を冷蔵庫10の前側として説明する。
断熱箱体11は、鋼板製の外箱111および合成樹脂製の内箱112の間に断熱材113を設けて構成されている。断熱箱体11は、その内部に、上段から順に冷蔵室12、野菜室13が設けられ、その下方に製氷室14および図示しない小冷凍室が左右に並べて設けられ、さらにその下方に冷凍室16が設けられている。製氷室14には自動製氷装置15が設けられている。
冷蔵室12および野菜室13の間は、プラスチック製の仕切壁17により上下に仕切られている。仕切壁17には、後部の一部に開口171が形成されており、これにより冷蔵室12と野菜室13とは連通している。冷蔵室12および野菜室13は、いずれも冷蔵温度帯の貯蔵室であり、通常、冷蔵室12および野菜室13は、異なる温度に設定されている。すなわち、冷蔵室12は、冷蔵温度帯である1〜5℃程度に冷却される。野菜室13は、冷蔵室12から開口171を介して供給される冷気によって、冷蔵室12に比べてやや高温の冷蔵温度帯である2〜6℃程度に冷却される。この場合、冷蔵室12は第一貯蔵室として、野菜室13は第二貯蔵室として機能する。また、開口171は、冷蔵室12と野菜室13とを接続し、冷蔵室12の冷気を野菜室13へ供給する接続部として機能する。
冷蔵室12内には、複数の棚板18が設けられている。冷蔵室12内は、この複数の棚板18により上下に複数段に区切られている。また、冷蔵室12の前面部にはヒンジ開閉式の冷蔵室用断熱扉19が設けられている。冷蔵室用断熱扉19の外側面には、操作パネル20が設けられている。使用者は、操作パネル20を操作することによって、運転に関する各種の設定を行う。
野菜室13の前側には、引出し式の野菜室用断熱扉23が設けられている。野菜室用断熱扉23の背面部には、上下二段に構成された収納容器24が取付けられている。収納容器24には、青果物つまり野菜や果物などが収納される。野菜室13の天井部下面つまり仕切壁17の野菜室13側の面には、野菜室温度センサ25が設けられている。野菜室温度センサ25は、例えばサーミスタや熱電対などで構成され、野菜室13内の温度を検出する。
製氷室14、図示しない小冷凍室、および冷凍室16は、いずれも冷凍温度帯、例えば−10〜−20℃のマイナス温度帯の貯蔵室である。野菜室13と、製氷室14および小冷凍室との間は断熱仕切壁26により上下に仕切られている。製氷室14の前側には、貯氷容器27が連結された引出し式の製氷室用断熱扉28が設けられている。また、冷凍室16の前側にも、上下二段に構成された貯蔵容器29が連結された引出し式の冷凍室用断熱扉30が設けられている。そして、詳細は図示しないが、小冷凍室の前側にも貯蔵容器が連結された引出し式の断熱扉が設けられている。
冷蔵庫10には、図2に示す冷凍サイクル31が組込まれている。冷凍サイクル31は、冷却器として冷蔵用冷却器32および冷凍用冷却器33を有している。冷蔵用冷却器32は、冷蔵温度帯の貯蔵室、つまり冷蔵室12および野菜室13を冷却するための冷気を生成する。冷凍用冷却器33は、冷凍温度帯の貯蔵室、つまり製氷室14、小冷凍室、および冷凍室16を冷却するための冷気を生成する。
冷凍サイクル31は、図2に示すように、冷媒の流れ順に、圧縮機34と、凝縮器35と、ドライヤ36と、切替弁37と、冷蔵側キャピラリチューブ38および冷凍側キャピラリチューブ39と、冷蔵用冷却器32および冷凍用冷却器33とを環状に接続して構成されている。圧縮機34の高圧吐出口には、凝縮器35とドライヤ36とが順に接続されている。ドライヤ36の吐出側には、三方弁からなる切替弁37が接続されている。
切替弁37は、ドライヤ36が接続される一つの入口と、二つの出口とを有している。切替弁37の二つの出口のうち、一方の出口には冷蔵側キャピラリチューブ38と冷蔵用冷却器32とが順に接続されている。冷蔵用冷却器32は、圧縮機34に接続されている。切替弁37の二つの出口のうち他方の出口には、冷凍側キャピラリチューブ39と冷凍用冷却器33とが順に接続されている。冷凍用冷却器33は、冷媒の逆流防止のための逆止弁40を介して圧縮機34に接続されている。切替弁37は、制御指令を受けて駆動し、二つの出口のうち入口と連通する一の出口を択一的に切替える。これにより、圧縮機34から圧送された冷媒は、冷蔵用冷却器32または冷凍用冷却器33のどちらか一方へ供給される。
圧縮機34は、図1に示すように、冷蔵庫10の背面下端部に形成された機械室41内に設けられている。また、機械室41には、除霜水蒸発皿42や図2に示す凝縮器35、さらには圧縮機34や凝縮器35を冷却する図示しない冷却ファンなどが設けられている。
圧縮機34は、図1に示すように、冷蔵庫10の背面下端部に形成された機械室41内に設けられている。また、機械室41には、除霜水蒸発皿42や図2に示す凝縮器35、さらには圧縮機34や凝縮器35を冷却する図示しない冷却ファンなどが設けられている。
図1に示すように、冷蔵庫10内にあって冷凍温度帯の貯蔵室つまり製氷室14、小冷凍室、および冷凍室16の後部には、冷凍室ダクト部材43が設けられている。冷凍室ダクト部材43によって、冷凍温度帯の貯蔵室の後部には、冷凍用冷却器室44と、冷凍用冷却器室44の上方に位置する冷凍用冷気ダクト45とが形成されている。冷凍用冷却器室44と冷凍用冷気ダクト45とは連通している。冷凍用冷却器33は、冷凍用冷却器室44内に設けられている。冷凍用冷却器33の近傍には、冷凍用冷却器33に生じた霜を除霜する除霜ヒータ46が設けられている。
冷凍用冷却器33の上方つまり冷凍用冷気ダクト45内には、冷凍用送風機48が設けられている。冷凍用冷却器室44の前面には複数この場合二つの冷凍用冷気供給口49が形成されており、下端部には吸い込み口50が形成されている。吸い込み口50の近傍には、冷凍室16内の温度を検出するための冷凍室温度センサ51が設けられている。
冷蔵庫10内にあって冷蔵温度帯の貯蔵室つまり冷蔵室12および野菜室13の奥方には、覆い部材としての冷蔵室ダクト部材52が設けられている。冷蔵室ダクト部材52は、例えば合成樹脂などで構成されている。この冷蔵室ダクト部材52によって、冷蔵温度帯の貯蔵室の後部には、上側から順に、冷蔵用冷気ダクト53、冷蔵用冷却器室54、および送風ダクト55が形成されている。冷蔵用冷却器室54の上端部は、冷蔵用冷気ダクト53の下端部と連通し、冷蔵用冷却器室54の下端部は、送風ダクト55の上端部と連通している。冷蔵用冷気ダクト53は、冷蔵室12の上端部まで延び、その前部に、冷蔵室12内に連通する複数の冷蔵用冷気供給口56が形成されている。
冷蔵用冷却器32は、冷蔵用冷却器室54内に収容されている。冷蔵用冷却器室54内の下部には、冷蔵用冷却器32の下方に位置して、冷蔵側排水樋58が設けられている。冷蔵側排水樋58は、冷凍用冷却器33からの除霜水を受けて庫外へ排出する。冷蔵側排水樋58は、機械室41に設けられた除霜水蒸発皿42へ繋がっている。そして、冷蔵側排水樋58に受けられた除霜水は、機械室41内に設けられた除霜水蒸発皿42へ導かれて蒸発する。
送風ダクト55は、その上端部が冷蔵側排水樋58をう回して冷蔵用冷却器室54の下端部に接続されている。冷蔵室ダクト部材52の前部には戻り口521が形成されており、この戻り口521によって、送風ダクト55内と野菜室13内とが連通している。送風ダクト55内には、送風機として冷蔵用送風機59が設けられている。
冷蔵室12内において、冷蔵用冷気ダクト53の前面部には、冷蔵室温度センサ57が設けられている。冷蔵室温度センサ57は、例えばサーミスタや熱電対などで構成され、冷蔵室12内の温度を検出する。
冷蔵室12内において、冷蔵用冷気ダクト53の前面部には、冷蔵室温度センサ57が設けられている。冷蔵室温度センサ57は、例えばサーミスタや熱電対などで構成され、冷蔵室12内の温度を検出する。
また、野菜室13内にあって開口171の後方近傍には、冷却部材として冷却板21が設けられている。冷却板21は、冷蔵室ダクト部材52よりも熱伝導率が高い材料、例えばアルミや鉄、銅などの金属製の板で構成されている。冷却板21は、冷蔵室ダクト部材52における野菜室13側の面に接触して設けられている。冷却板21は、冷蔵室12から開口171を介して野菜室13内へ流れる空気の流れの途中に配置されている。そのため、冷却板21には、冷蔵室12から野菜室13内へ流れる冷気が接触する。この場合、冷却板21は、冷蔵室12から野菜室13内へ供給される冷気によって冷却されるとともに、冷蔵室ダクト部材52を介して冷蔵用冷却器室54内の冷気によっても冷却される。なお、冷却板21は、金属製以外の材料であってもよく、例えば比較的熱伝導率が高い樹脂などで構成することもできる。
冷蔵庫10の背面下部寄り部分には、制御手段としての制御装置60が設けられている。制御装置60は、図示しないマイコン、タイマ、記憶装置などを有して構成されている。制御装置60は、冷凍サイクル31の圧縮機34や切替弁37、冷凍用送風機48、および冷蔵用送風機59などの制御を行う。具体的には、図3に示すように、制御装置60には、入出力機器として操作パネル20が接続され、さらに、センサ機器として冷凍室温度センサ51、冷蔵室温度センサ57、および野菜室温度センサ25が接続されている。
また、制御装置60には、制御機器として冷蔵用送風機59、冷凍用送風機48、冷凍サイクル31の圧縮機34および切替弁37、除霜ヒータ46などが接続されている。制御装置60は、冷凍室温度センサ51、冷蔵室温度センサ57、および野菜室温度センサ25からの検出信号、および予め記憶された制御プログラムに基づいて、冷蔵用送風機59、冷凍用送風機48、冷凍サイクル31の圧縮機34および切替弁37、除霜ヒータ46などを制御する。
制御装置60は、主に冷蔵室冷却運転と冷凍室冷却運転とを交互に実行するとともに、定期的に冷蔵冷却器除霜運転および冷凍冷却器除霜運転を実行する。各種運転の切替えは、主に切替弁37の切替えによって行われる。
冷蔵室冷却運転では、冷蔵温度帯の貯蔵室のうち主として冷蔵室12が冷却される。制御装置60は、冷蔵室冷却運転を開始すると、切替弁37を切替えて、冷凍サイクル31の圧縮機34から吐出された冷媒を冷蔵用冷却器32へ供給する。そして、冷蔵用送風機59を駆動させて、冷蔵用冷却器32で生成された冷気を冷蔵室12へ供給することで冷蔵室12を冷却する。この場合、野菜室13は、冷蔵室12を冷却した冷気の余力によって冷却される。
冷蔵室冷却運転では、冷蔵温度帯の貯蔵室のうち主として冷蔵室12が冷却される。制御装置60は、冷蔵室冷却運転を開始すると、切替弁37を切替えて、冷凍サイクル31の圧縮機34から吐出された冷媒を冷蔵用冷却器32へ供給する。そして、冷蔵用送風機59を駆動させて、冷蔵用冷却器32で生成された冷気を冷蔵室12へ供給することで冷蔵室12を冷却する。この場合、野菜室13は、冷蔵室12を冷却した冷気の余力によって冷却される。
すなわち、冷蔵用送風機59が駆動されると、野菜室13内の空気は、図1の白抜き矢印で示すように、冷蔵用送風機59の吸込み作用によって戻り口521から送風ダクト55内へ吸い込まれる。送風ダクト55内へ吸い込まれた空気は、冷蔵用冷却器室54内へ送風されて冷蔵用冷却器32で冷却される。そして、冷蔵用冷却器32で冷却された冷気は、冷蔵用冷気ダクト53を通って複数の冷蔵用冷気供給口56から冷蔵室12内へ吹き出される。
その後、冷気は、冷蔵室12内を冷却しながら下降した後、冷蔵室12の底部に形成された開口171から野菜室13内へ供給される。このとき、開口171から野菜室13内へ供給される冷気は、冷却板21に接触して冷却板21を冷却する。そして、野菜室13内へ供給された冷気は、仕切壁17の下面に沿って拡散した後、収納容器24の外周面に沿って下降し、戻り口521から送風ダクト55内へ吸い込まれる。このように、冷凍用冷却器33で冷却された冷気は、冷蔵用送風機59の作用によって循環される。この場合、冷蔵室12には、冷蔵用冷却器32で冷やされた冷気が直接供給され、これにより冷蔵室12は冷却される。そして、野菜室13には、冷蔵用冷却器32で冷やされた冷気が冷蔵室12を経由して供給される。これにより、野菜室13は、冷蔵室12内を冷却した冷気の余力すなわち余冷によって冷却される。
冷凍冷却運転では、冷凍温度帯の貯蔵室すなわち製氷室14、図示しない小冷凍室、および冷凍室16が冷却される。制御装置60は、冷凍室冷却運転を開始すると、図3に示す冷凍サイクル31の切替弁37を冷凍用冷却器33側へ切替えて冷凍用冷却器33へ冷媒を供給するとともに、図1に示す冷凍用送風機48を駆動させる。すると、冷凍用冷却器33で生成された冷気は、冷凍用送風機48の作用によって、冷凍用冷気ダクト45を通り、冷凍用冷気供給口49から製氷室14、小冷凍室、および冷凍室16内へ供給された後、吸い込み口50から冷凍用冷却器室44内へ戻されるといった循環を行う。これにより、製氷室14、小冷凍室、および冷凍室16が冷却される。
冷蔵冷却器除霜運転および冷凍冷却器除霜運転では、各冷却器32、33に対する冷媒の供給が停止され、各冷却器32、33の除霜が行われる。制御装置60は、冷凍用冷却器除霜運転を開始すると、除霜ヒータ46を駆動させて冷凍用冷却器33を温め、これにより冷凍用冷却器33に付着した霜が取り除かれる。また、制御装置60は、冷蔵用冷却器除霜運転を開始すると、冷蔵用送風機59を駆動させる。このとき、冷蔵用送風機59の送風作用によって、冷蔵室12および野菜室13内のプラス温度の空気が、冷蔵用冷却器室54内へ取り込まれる。このプラス温度の空気により冷蔵用冷却器32が温められ、冷蔵用冷却器32に付着した霜が取り除かれる。
この構成において、使用者が野菜などの収容物を出し入れするために野菜室13の野菜室用断熱扉23を開放すると、高温多湿の外気が野菜室13内へ流入する。すると、野菜室13内へ流入した高温多湿の空気は、野菜室13内に設けられた冷却板21に接触して冷却される。そして、その空気が露点温度以下に冷却されると、その空気に含まれていた湿気が結露し冷却板21の表面に付着する。その後、野菜室用断熱扉23が閉鎖されて冷蔵室冷却運転が行われると、冷蔵室12から野菜室13内へ供給される冷気は、開口171を通り冷却板21に接触した際、冷却板21の表面に付着した結露によって加湿される。これにより、野菜室13内は、加湿された冷気によって冷却される。
これによれば、冷却板21は、野菜室用断熱扉23の開閉の際に流入する外気が該冷却板21に接触することで、該冷却板21の表面に結露を発生させる。そして、野菜室13内は、その結露水によって加湿される。このため、冷蔵庫10は、加湿用の外気を取り入れるための複雑な構造を必要とせず、簡易な構成であっても野菜室13内を効果的に加湿することができる。
また、冷却板21に結露水を生じさせるための外気は、使用者が収容物を出し入れする際の扉23の開閉によって野菜室13内に流入する外気を利用する。これによれば、野菜室13内の加湿のために高温の外気を頻繁に取り入れる必要がなく、高温の外気の取り入れの頻度を極力少なくすることができる。そのため、外気を取り入れて野菜室13内を加湿する構成であっても、野菜室13内の温度上昇を抑制することができる。したがって、通常より高い能力で野菜室13内を冷却する必要がなく、その結果、省エネ効果を得つつ効果的に加湿を行うことができる。
そして、冷却板21は、野菜室13内に対する冷気の吹き出し口となる開口171の近傍に設けられている。このため、冷蔵室12から野菜室13内へ流入する際に温度が上昇して相対湿度が低下した冷気を効果的に加湿することができる。
そして、冷却板21は、金属板で構成されている。これによれば、冷却板21は、樹脂製の冷蔵室ダクト部材52よりも熱伝導率が高い。そのため、野菜室13内に流入した外気は、冷蔵室ダクト部材52に接触した場合に比べて、冷却板21に接触した場合の方がより多くの熱が奪われる。つまり、野菜室13内に流入した外気は、冷蔵室ダクト部材52に接触するよりも、冷却板21に接触する方がより低温に冷却されるため、冷却板21に集中させて結露を生じさせることができる。
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について図4を参照して説明する。
第二実施形態において、冷蔵庫10は、第一実施形態の冷却板21に換えて冷却部材61を備えている。冷却部材61は、冷却板21と同様に金属製で構成されており、その一部が冷蔵室ダクト部材52を貫いて冷蔵用冷却器室54内に位置している。この場合、冷却部材61は、断面がH状であって、二枚の板によって冷蔵室ダクト部材52を挟み込むようにして構成されている。
次に、第二実施形態について図4を参照して説明する。
第二実施形態において、冷蔵庫10は、第一実施形態の冷却板21に換えて冷却部材61を備えている。冷却部材61は、冷却板21と同様に金属製で構成されており、その一部が冷蔵室ダクト部材52を貫いて冷蔵用冷却器室54内に位置している。この場合、冷却部材61は、断面がH状であって、二枚の板によって冷蔵室ダクト部材52を挟み込むようにして構成されている。
この構成によれば、冷却部材61は、野菜室13内よりも低温である冷蔵用冷却器室54内の冷気で直接冷却される。したがって、野菜室用断熱扉23の開閉によって野菜室13内に流入した高温多湿の外気を、野菜室13内における周囲の温度よりも低温に冷却することができる。このため、冷却部材61に集中して結露が生じやすく、また、その結露量も増大させることができる。これにより、冷却部材61による加湿能力が増大し、より効果的に野菜室13内に供給される冷気を加湿することができる。
(第三実施形態)
次に、第三実施形態について図5から図7を参照して説明する。
上記第一実施形態および第二実施形態では、野菜室用断熱扉23の開閉によって流入する外気に対して受動的に結露を生じさせていたが、第三実施形態では能動的に結露を生成する点で異なる。すなわち、第三実施形態において、冷蔵庫10は、冷却部材としての冷却板21に加え、ペルチェ素子62および扉開閉検知器63を備えている。
次に、第三実施形態について図5から図7を参照して説明する。
上記第一実施形態および第二実施形態では、野菜室用断熱扉23の開閉によって流入する外気に対して受動的に結露を生じさせていたが、第三実施形態では能動的に結露を生成する点で異なる。すなわち、第三実施形態において、冷蔵庫10は、冷却部材としての冷却板21に加え、ペルチェ素子62および扉開閉検知器63を備えている。
この場合、冷蔵室ダクト部材52は、ペルチェ素子62を収容する収容部64を有している。収容部64は、冷蔵室ダクト部材52の野菜室13側にあって開口171の近傍に設けられている。なお、収容部64は、冷蔵室ダクト部材52と一体でも別体でもよい。ペルチェ素子62は、収容部64内に設けられている。冷却板21は、ペルチェ素子62の野菜室13側の面に接触して設けられている。ペルチェ素子62は、通電によって駆動されると、冷却板21側の面が冷却され、これにより冷却板21を冷却する。
扉開閉検知器63は、野菜室用断熱扉23の近傍に設けられている。扉開閉検知器63は、例えば近接センサやリミットスイッチなどで構成され、野菜室用断熱扉23の開閉を検知する。扉開閉検知器63は、冷却板21が設けられた野菜室13の野菜室用断熱扉23の開閉を検知する扉開閉検知手段として機能する。
ペルチェ素子62および扉開閉検知器63は、図6に示すように、制御装置60に接続されている。制御装置60は、扉開閉検知器63により野菜室用断熱扉23の開閉を検知した後、ペルチェ素子62を所定期間駆動する。この場合、制御装置60は、冷蔵室冷却運転や冷凍室冷却運転中において、扉開閉検知器63による野菜室用断熱扉23の開閉を検知すると、割り込み制御によりペルチェ素子62を駆動する。
具体的には、図7に示すように、扉開閉検知器63により扉23の開閉が検知されていない場合は(ステップS11でNO)、何も処理を行うことなく、冷蔵室冷却運転や冷凍室冷却運転を継続する。一方、扉開閉検知器63により扉23の開閉を検知すると(ステップS11でYES)、ステップS12で冷蔵用送風機59を停止させて、野菜室13内の空気の流れを止める。その後、ステップS13でペルチェ素子62を駆動し、冷却板21を冷却する。すると、野菜室用断熱扉23の開閉によって野菜室13内に流入した高温多湿の外気は、ペルチェ素子62によって冷却された冷却板21に接触し、これにより冷却板21の表面に結露が生成される。
その後、制御装置60は、ペルチェ素子62を所定期間駆動するため、ステップS14においてペルチェ素子62を駆動してから所定期間経過したか否かを判断する。本実施形態では、所定期間は、駆動時間Tとして予め一定時間、例えば5分程度に設定されている。制御装置60は、ステップS14において、ペルチェ素子62の駆動を開始してから駆動時間Tが経過していない場合は(ステップS14でNO)、駆動時間Tが経過するまでステップS14を繰り返す。そして、ペルチェ素子62の駆動を開始してから駆動時間Tが経過すると(ステップS14でYES)、ステップS15へ移行する。制御装置60は、ステップS15において、ペルチェ素子62を停止し、その後、ステップS16において冷蔵用送風機59を再駆動する。そして、冷蔵室冷却運転または冷凍室冷却運転を再開する。
この構成によれば、上記第一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。さらに、ペルチェ素子62によって冷却板21を積極的に冷却するため、単純に冷却板21を設けた場合に比べて、冷却板21をより低温に冷却することができる。このため、冷却板21に接触する空気をより低温に冷却することができ、外気による結露を冷却板21に集中させるとともに、冷却板21に生じる結露の量を増大させることができる。その結果、野菜室13内へ供給される冷気をより効果的に加湿することができる。
また、制御装置60は、扉開閉検知器63の検知結果に基づいてペルチェ素子62を駆動することで、野菜室用断熱扉23の開閉に応じて冷却板21の温度を能動的に制御することができる。つまり、制御装置60は、野菜室用断熱扉23の開閉によって高湿度の外気が流入し結露が生じ易くなっている期間を狙って、ペルチェ素子62を駆動させることができる。これにより、ペルチェ素子62の無駄な駆動を抑制することができ、その結果、無駄な電力の使用を抑制し省エネ効果を高めつつ、効果的に野菜室13内を加湿することができる。
そして、制御装置60は、ペルチェ素子62の駆動中において冷蔵用送風機59を停止させる。これにより、野菜室13内に流入した高湿の外気が、冷蔵用送風機59の送風作用によって送風ダクト55内に吸い込まれることを抑制することができる。そため、冷却板21に生成される結露の量を増加させることができる。
(第四実施形態)
次に、第四実施形態について図8から図11を参照して説明する。
図8に示すように、第四実施形態において、冷蔵庫10は、上記第三実施形態の構成に加えて、外気温度センサ65および外気相対湿度センサ66を備えている。外気温度センサ65および外気相対湿度センサ66は、断熱箱体11の外側上部に設けられている。外気温度センサ65は、冷蔵庫10の周囲の温度すなわち外気の温度を検出する。外気相対湿度センサ66は、外気の相対湿度を検出する。図9に示すように、外気温度センサ65および外気相対湿度センサ66は、制御装置60に接続されている。外気相対湿度センサ66は、湿度の検出方式として例えば抵抗式や静電容量式などがあるが、本実施形態では感湿膜に高分子材料を使用した静電容量式を採用している。
次に、第四実施形態について図8から図11を参照して説明する。
図8に示すように、第四実施形態において、冷蔵庫10は、上記第三実施形態の構成に加えて、外気温度センサ65および外気相対湿度センサ66を備えている。外気温度センサ65および外気相対湿度センサ66は、断熱箱体11の外側上部に設けられている。外気温度センサ65は、冷蔵庫10の周囲の温度すなわち外気の温度を検出する。外気相対湿度センサ66は、外気の相対湿度を検出する。図9に示すように、外気温度センサ65および外気相対湿度センサ66は、制御装置60に接続されている。外気相対湿度センサ66は、湿度の検出方式として例えば抵抗式や静電容量式などがあるが、本実施形態では感湿膜に高分子材料を使用した静電容量式を採用している。
ここで、単位体積当たりの空気に含まれる水蒸気量すなわち空気の絶対湿度は、図10に示すように、対象とする空気の温度および相対湿度から求めることができる。すなわち、図10には、対象とする空気について、温度を温度毎に異なる傾きの傾斜線で示し、相対湿度を横軸で示し、絶対湿度を縦軸で示している。この場合、例えば空気の温度が25[℃]、相対湿度が50[%RH]であるとすると、絶対湿度は11.5[g/m3]であることが求められる。
制御装置60は、図10に相当するデータベースまたは計算式を有しており、外気温度センサ65によって検出された外気の温度X1、および外気相対湿度センサ66によって検出された外気の相対湿度Y1から、外気の絶対湿度Z1を算出することができる。この場合、外気温度センサ65および外気相対湿度センサ66は、外気の絶対湿度を検出する外気絶対湿度検出手段として機能する。
第四実施形態において、制御装置60は、外気の温度X1および外気の相対湿度Y1から求めた外気の絶対湿度Z1に基づいてペルチェ素子62の駆動の可否を決定する。本実施形態では、制御装置60は、外気の絶対湿度Z1が所定値以上である場合に、ペルチェ素子62を駆動させる。この場合、所定値は、例えば野菜室13の設定温度における飽和水蒸気量とすることができる。例えば野菜室13の設定温度が5℃であれば、所定値としての絶対湿度を6.8[g/m3]とする。なお、この所定値は、野菜室13の設定温度や、消費電力に対する加湿の優先度合等によって適宜変更される。
第四実施形態において、制御装置60は、図11に示すように、扉開閉検知器63によって扉23の開閉を検知した後(ステップS11でYES)、ステップS20においてペルチェ素子62を駆動するか否かを判断する。制御装置60は、外気の絶対湿度Z1が所定値以上である場合には(ステップS20でYES)、ペルチェ素子62を駆動して結露を生成するために、ステップS12以降を実行する。一方、外気の絶対湿度Z1が所定値未満である場合には(ステップS20でNO)、ペルチェ素子62を駆動させることなく冷蔵室冷却運転または冷凍室冷却運転等を継続する。
この場合、制御装置60は、外気の絶対湿度Z1が小さくペルチェ素子62を駆動させたとしても冷却板21で生成できる結露量が少ない場合には、ペルチェ素子62を駆動させないため、無駄な電力の消費を抑えることができる。一方、外気の絶対湿度Z1が大きく冷却板21で多量の結露水の生成が見込まれる場合は、ペルチェ素子62を駆動させてより多くの結露を生成することができる。
これによれば、上記第三実施形態と同様の作用効果を得ることができる。さらに、無駄な電力の消費を抑制しつつ、より効果的に野菜室13内を加湿することができる。
これによれば、上記第三実施形態と同様の作用効果を得ることができる。さらに、無駄な電力の消費を抑制しつつ、より効果的に野菜室13内を加湿することができる。
(第五実施形態)
次に、第五実施形態について図12から図14を参照して説明する。
図12に示すように、第五実施形態において、冷蔵庫10は、上記第四実施形態における外気絶対湿度検出手段つまり外気温度センサ65および外気相対湿度センサ66に換えて、野菜室温度センサ25および野菜室相対湿度センサ67を備えている。野菜室相対湿度センサ67は、外気相対湿度センサ66と同様の構成であって、野菜室温度センサ25の近傍に設けられている。野菜室相対湿度センサ67は、図13に示すように、制御装置60に接続されており、野菜室13内の相対湿度を検出する。
次に、第五実施形態について図12から図14を参照して説明する。
図12に示すように、第五実施形態において、冷蔵庫10は、上記第四実施形態における外気絶対湿度検出手段つまり外気温度センサ65および外気相対湿度センサ66に換えて、野菜室温度センサ25および野菜室相対湿度センサ67を備えている。野菜室相対湿度センサ67は、外気相対湿度センサ66と同様の構成であって、野菜室温度センサ25の近傍に設けられている。野菜室相対湿度センサ67は、図13に示すように、制御装置60に接続されており、野菜室13内の相対湿度を検出する。
制御装置60は、第四実施形態における外気絶対湿度Z1の算出と同様に、図10に相当するデータベースまたは計算式と、野菜室温度センサ25によって検出された野菜室内の温度X2、および野菜室相対湿度センサ67によって検出された野菜室内の相対湿度Y2に基づいて、野菜室13内の絶対湿度Z2すなわち内気絶対湿度Z2を算出することができる。この場合、野菜室温度センサ25および野菜室相対湿度センサ67は、野菜室13内の空気すなわち内気の絶対湿度を検出する内気絶対湿度検出手段として機能する。
第五実施形態において、制御装置60は、野菜室13内の絶対湿度Z2が増加したことに基づいてペルチェ素子62の駆動を行う。すなわち、制御装置60は、図14に示すように、扉開閉検知器63によって扉23の開閉を検知した後(ステップS11でYES)、ステップS30においてペルチェ素子62を駆動するか否かを判断する。制御装置60は、野菜室13内の絶対湿度Z2が扉23の開閉前に比べて上昇した場合(ステップS30でYES)、扉23の開閉により多湿の外気が流入したと判断し、ペルチェ素子62を駆動させるためにステップS12以降を実行する。一方、野菜室13内の絶対湿度Z2の上昇がない場合は(ステップS30でNO)、ペルチェ素子62を駆動させても多量の結露水の生成は見込めないため、ペルチェ素子62を駆動させることなく冷蔵室冷却運転または冷凍室冷却運転等を継続する。
これによれば、上記第四実施形態と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、制御装置60は、多湿の外気が野菜室13内に流入し多量の結露水の生成が見込まれる場合を狙ってペルチェ素子62を駆動させることができる。そのため、無駄な電力の消費を抑制しつつ、より効果的に野菜室13内を加湿することができる。
なお、第四実施形態の構成においては、必ずしも野菜室13内の絶対湿度Z2を算出する必要はない。つまり、野菜室13内が設定された一定温度に保たれているとみなせば、制御装置60は、野菜室13内の相対湿度Y2から野菜室13内の絶対湿度Z2を推定することができる。この場合、野菜室相対湿度センサ67は、野菜室13内の空気すなわち内気の絶対湿度を間接的に検出する内気絶対湿度検出手段として機能する。
(第六実施形態)
次に、第六実施形態について図15から図18を参照して説明する。
図15に示すように、第六実施形態において、冷蔵庫10は、第三実施形態の構成に加え、上記第四実施形態における外気温度センサ65および外気相対湿度センサ66と、上記第五実施形態における野菜室相対湿度センサ67とを備えている。これら外気温度センサ65、外気相対湿度センサ66、および野菜室相対湿度センサ67は、図16に示すように、それぞれ制御装置60に接続されている。
次に、第六実施形態について図15から図18を参照して説明する。
図15に示すように、第六実施形態において、冷蔵庫10は、第三実施形態の構成に加え、上記第四実施形態における外気温度センサ65および外気相対湿度センサ66と、上記第五実施形態における野菜室相対湿度センサ67とを備えている。これら外気温度センサ65、外気相対湿度センサ66、および野菜室相対湿度センサ67は、図16に示すように、それぞれ制御装置60に接続されている。
第六実施形態において、制御装置60は、外気の絶対湿度Z1と野菜室13内の絶対湿度Z2との差に基づいて、ペルチェ素子62の駆動時間Tを決定する。具体的には、制御装置60は、図17に示すように、扉開閉検知器63によって扉23の開閉を検知した後(ステップS11でYES)、ステップS40においてペルチェ素子62を駆動するか否かを含めて駆動時間Tを次のように決定する。
すなわち、外気の絶対湿度Z1から野菜室13内の絶対湿度Z2を引いた差を絶対湿度差Zとすると、制御装置60は、ペルチェ素子62の駆動時間Tを、図18に示すように絶対湿度差Zに比例して設定する。例えば、絶対湿度差Z=7.5[g/m3]であれば駆動時間T=1[分]、絶対湿度差Z=10[g/m3]であれば駆動時間T=2[分]といったように、絶対湿度差Zの値に比例して駆動時間Tを増加させる。また、絶対湿度差Z=5[g/m3]以下であれば、駆動時間T=0[分]としてペルチェ素子62を駆動させない。
次にステップS41において、ペルチェ素子62の駆動を判断する。制御装置60は、駆動時間Tが0を超えていれば(ステップS41でYES)、ステップS12、S13を実行し、ステップS14において駆動時間Tが経過するまでペルチェ素子62を駆動させる。その後、ステップS15、S16を経て、冷蔵室冷却運転または冷凍室冷却運転等を再開する。一方、ステップS41において、駆動時間T=0であれば(ステップS41でNO)、制御装置60は、ペルチェ素子62を駆動させることなく冷蔵室冷却運転または冷凍室冷却運転等を継続する。
これによれば、制御装置60は、野菜室13内に流入する外気の状態および野菜室13内の現在の状態に合わせて、ペルチェ素子62の駆動時間を変化させることができる。例えば、外気の湿度が高く野菜室13内の湿度が低い場合、絶対湿度差Zは大きくなる。この場合、制御装置60は、ペルチェ素子62の駆動時間を長く設定して、より多くの結露水を生成する。一方、外気の湿度が低く野菜室13内の湿度が高い場合、絶対湿度差Zは小さくなる。この場合、制御装置60は、ペルチェ素子62の駆動時間を短く設定し、または駆動させないことにより、ペルチェ素子62の不要な駆動を避け、消費電力を抑制する。
このように、第六実施形態の構成によれば、制御装置60は、外気および野菜室13内の状態に合わせて、ペルチェ素子62をより適切に駆動させることができる。
このように、第六実施形態の構成によれば、制御装置60は、外気および野菜室13内の状態に合わせて、ペルチェ素子62をより適切に駆動させることができる。
(第七実施形態)
次に、第七実施形態について図19を参照して説明する。
第七実施形態において、冷蔵庫10は、上記第一実施形態の構成に加えて、さらに保湿部材68を備えている。保湿部材68は、冷却板21の前面に設けられており、冷却板21に生じた結露水を吸収し保湿する。保湿部材68は、通気性および吸湿性が良い材料で構成されている。この場合、保湿部材68の材料として、例えば多孔質のスポンジ状の部材や、樹脂繊維の不織布などがある。また、例えば冷却板21の表面に多数の孔や上下方向または左右方向若しくは格子状の多数の細い溝を形成することで、保湿部材68と冷却板21とを一体に構成してもよい。
次に、第七実施形態について図19を参照して説明する。
第七実施形態において、冷蔵庫10は、上記第一実施形態の構成に加えて、さらに保湿部材68を備えている。保湿部材68は、冷却板21の前面に設けられており、冷却板21に生じた結露水を吸収し保湿する。保湿部材68は、通気性および吸湿性が良い材料で構成されている。この場合、保湿部材68の材料として、例えば多孔質のスポンジ状の部材や、樹脂繊維の不織布などがある。また、例えば冷却板21の表面に多数の孔や上下方向または左右方向若しくは格子状の多数の細い溝を形成することで、保湿部材68と冷却板21とを一体に構成してもよい。
これによれば、保湿部材68は、冷却板21に付着した結露水を保持する。このため、冷却板21に生じた結露水が野菜室13内の底面に落下してしまうことを極力防ぐことができる。また、冷却板21に付着した結露水を保湿部材68に保湿させることで、結露が多量に生じた場合であっても結露水を有効に利用することができ、より長時間野菜室13内を加湿することができる。
(第八実施形態)
次に、第八実施形態について図20を参照して説明する。
第八実施形態において、冷蔵庫10は、上記第七実施形態の保湿部材68に加えて、さらに貯水部69を備えている。貯水部69は、冷却板21および保湿部材68の下方にあって、冷蔵室ダクト部材52と一体に形成されている。なお、貯水部69は、冷蔵室ダクト部材52と別体であってもよい。貯水部69は、容器状に形成されている。貯水部69は、保湿部材68が保持しきれなかった結露水を貯水する。
次に、第八実施形態について図20を参照して説明する。
第八実施形態において、冷蔵庫10は、上記第七実施形態の保湿部材68に加えて、さらに貯水部69を備えている。貯水部69は、冷却板21および保湿部材68の下方にあって、冷蔵室ダクト部材52と一体に形成されている。なお、貯水部69は、冷蔵室ダクト部材52と別体であってもよい。貯水部69は、容器状に形成されている。貯水部69は、保湿部材68が保持しきれなかった結露水を貯水する。
これによれば、上記第七実施形態と同様の作用効果が得られる。すなわち、保湿部材68および貯水部69によって、冷却板21に生じた結露が野菜室13の底面に落下してしまうことを防ぐことができる。また、保湿部材68および貯水部69により、さらに多くの結露水を保持することができる。そして、保湿部材68は、野菜室13内が乾燥した場合に、貯水部69に貯水された結露水を吸い上げて野菜室13内を加湿することができ、これにより、さらに長時間野菜室13内を加湿することができる。
(第九実施形態)
次に、第九実施形態について図21を参照して説明する。
上記各実施形態において、冷蔵庫10は、冷蔵温度帯の貯蔵室および冷凍温度帯の貯蔵室を、それぞれ二つの冷却器32、33によって冷却する構成であった。これに対し、第九実施形態の冷蔵庫10は、一つの冷却器によって冷蔵温度帯および冷凍温度帯の各貯蔵室を冷却する。
次に、第九実施形態について図21を参照して説明する。
上記各実施形態において、冷蔵庫10は、冷蔵温度帯の貯蔵室および冷凍温度帯の貯蔵室を、それぞれ二つの冷却器32、33によって冷却する構成であった。これに対し、第九実施形態の冷蔵庫10は、一つの冷却器によって冷蔵温度帯および冷凍温度帯の各貯蔵室を冷却する。
すなわち、第九実施形態の冷蔵庫10は、断熱箱体11内において、その最上部に冷蔵温度帯の貯蔵室である第一貯蔵室、この場合、冷蔵室12が設けられている。また、最下部に冷蔵温度帯の貯蔵室である第二貯蔵室、この場合、野菜室13が設けられている。そして、冷蔵室12と野菜室13との間には、冷凍温度帯の貯蔵室である冷凍室16が設けられている。なお、冷凍室16の上側または下側に隣接して、冷凍温度帯の貯蔵室である製氷室や小冷凍室を設けてもよい。
冷蔵室12と野菜室13とは、接続ダクト70によって接続されている。接続ダクト70は、冷蔵室12および野菜室13の後部寄りにあって、冷凍室16に跨って設けられている。冷蔵室12の冷気は、接続ダクト70を通って野菜室13内へ供給される。この場合、接続ダクト70は、接続部として機能する。
冷凍室16の奥方には冷却器室71が形成されている。冷却器室71には、冷却器72および送風機73が設けられている。冷却器室71は、冷蔵用冷気ダクト53を介して冷蔵室12内に繋がっているとともに、冷凍用冷気ダクト45を介して冷凍室16に繋がっている。冷却器室71内には、冷蔵用ダンパ74および冷凍用ダンパ75が設けられている。
冷蔵用ダンパ74は、冷却器室71と冷蔵用冷気ダクト53との接続部分に設けられ、該接続部分を開閉する。冷凍用ダンパ75は、冷却器室71と冷凍用冷気ダクト45との接続部分に設けられ、該接続部分を開閉する。ダンパ74、75は、上記各実施形態と同様の制御装置60に接続されており、制御装置60は、ダンパ74、75を開閉することによって冷却器72で生成された冷気の供給先および供給量を調節し、これにより冷蔵室12、冷凍室16、および野菜室13を適温に冷却する。
そして、冷却板21は、冷蔵室12内にあって接続ダクト70の入口701の後方近傍、または野菜室13内にあって接続ダクト70の出口702の後方近傍の少なくともいずれか一方に設けられている。この場合、冷蔵室12内に設けられた冷却板21には、冷蔵室用断熱扉19が開閉される際に流入する外気によって結露が生じる。また、野菜室13内に設けられた冷却板21には、野菜室用断熱扉23が開閉される際に流入する外気によって結露が生じる。
この構成において、冷却器72で生成された冷気は、送風機73の送風作用によって、冷蔵用冷気ダクト53を通って冷蔵室12へ供給されるとともに、冷凍用冷気ダクト45を通って冷凍室16へ供給される。そして、冷蔵室12に供給された冷気は、接続ダクト70を通って野菜室13へ供給される。このとき、野菜室13内へ供給される冷気は、接続ダクト70を通る前後において冷却板21に付着している結露を取り込み、これにより野菜室13内を加湿する。
この構成によれば、第一貯蔵室である冷蔵室12と第二貯蔵室である野菜室13とが離間して設けられ、これら冷蔵室12と野菜室13との間に冷凍温度帯の貯蔵室である冷凍室16が設けられている場合であっても、上記第一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、上記各実施形態は、適宜組み合わせることができる。
なお、上記各実施形態は、適宜組み合わせることができる。
以上説明した実施形態の構成によれば、冷蔵庫は、冷却部材を備えている。冷却部材は、第一貯蔵室内または第二貯蔵室内にあって接続部の近傍に設けられている。そして、冷却部材には、第一貯蔵室から第二貯蔵室へ流れる冷気が接触する。
これによれば、冷却部材が設けられた貯蔵室の扉を開閉した際、その扉の開閉によって流入する湿度の高い外気を利用して冷却部材に結露を生じさせ、その結露水によって貯蔵室を加湿する。そのため、加湿用の外気を取り入れるための複雑な構造は必要なく、また、外気の取り入れの頻度も少なくすることができる。したがって、簡易な構成であるとともに外気の取り入れの頻度を極力少なくし、貯蔵室内を効果的に加湿することができる。
これによれば、冷却部材が設けられた貯蔵室の扉を開閉した際、その扉の開閉によって流入する湿度の高い外気を利用して冷却部材に結露を生じさせ、その結露水によって貯蔵室を加湿する。そのため、加湿用の外気を取り入れるための複雑な構造は必要なく、また、外気の取り入れの頻度も少なくすることができる。したがって、簡易な構成であるとともに外気の取り入れの頻度を極力少なくし、貯蔵室内を効果的に加湿することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変更は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、10は冷蔵庫、12は冷蔵室(第一貯蔵室、冷蔵温度帯の貯蔵室)、13は野菜室(第二貯蔵室、冷蔵温度帯の貯蔵室)、14は製氷室(冷凍温度帯の貯蔵室)、16は冷凍室(冷凍温度帯の貯蔵室)、171は開口(接続部)、21は冷却板(冷却部材)、25は野菜室温度センサ(内気絶対湿度検出手段)、32は冷蔵用冷却器(冷却器)、52は冷蔵室ダクト部材(覆い部材)、54は冷蔵用冷却器室(冷却器室)、59は冷蔵用送風機(送風機)、60は制御装置(制御手段)、61は冷却部材、62はペルチェ素子、63は扉開閉検知器(扉開閉検知手段)、65は外気温度センサ(外気絶対湿度検出手段)、66は外気相対湿度センサ(外気絶対湿度検出手段)、67は野菜室相対湿度センサ(内気絶対湿度検出手段)、68は保湿部材、69は貯水部、70は接続ダクト(接続部)、71は冷却器室、72は冷却器、73は送風機を示す。
Claims (12)
- 冷蔵温度帯に冷却される第一貯蔵室と、
前記第一貯蔵室から供給される冷気によって前記第一貯蔵室に比べて高温の冷蔵温度帯に冷却される第二貯蔵室と、
前記第一貯蔵室および前記第二貯蔵室を冷却するための冷気を生成する冷却器と、
前記冷却器で生成された冷気を前記第一貯蔵室へ供給する送風機と、
前記第一貯蔵室と前記第二貯蔵室とを接続し前記第一貯蔵室の冷気を前記第二貯蔵室へ供給する接続部と、
前記第一貯蔵室内または前記第二貯蔵室内にあって前記接続部の近傍に設けられ前記第一貯蔵室から前記第二貯蔵室へ流れる冷気が接触する冷却部材と、を備える冷蔵庫。 - 前記冷却部材は金属板である請求項1記載の冷蔵庫。
- 前記第一貯蔵室または前記第二貯蔵室の奥方に前記冷却器を収容する冷却器室が形成され、
前記冷却部材は、その一部が前記冷却器室を形成する覆い部材を貫いて前記冷却器室内に位置している請求項1または2記載の冷蔵庫。 - 通電によって駆動されて前記冷却部材を冷却するペルチェ素子と、
前記第一貯蔵室および前記第二貯蔵室のうち前記冷却部材が設けられた貯蔵室の扉の開閉を検知する扉開閉検知手段と、
前記扉開閉検知手段の検知結果に基づいて前記ペルチェ素子の駆動を制御する制御手段と、をさらに備えている請求項1または2記載の冷蔵庫。 - 前記制御手段は、前記扉開閉検知手段により前記扉の開閉を検知した後、前記ペルチェ素子を所定期間駆動する請求項4記載の冷蔵庫。
- 外気の絶対湿度を検出する外気絶対湿度検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記外気絶対湿度検出手段の検出結果が所定値以上である場合に、前記ペルチェ素子を駆動する請求項5記載の冷蔵庫。 - 前記第一貯蔵室および前記第二貯蔵室のうち前記冷却部材が設けられた貯蔵室内の絶対湿度を検出する内気絶対湿度検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記扉開閉検知手段が前記扉の開閉を検知した後、前記内気絶対湿度検出手段の検出結果が上昇した場合に前記ペルチェ素子を駆動する請求項5記載の冷蔵庫。 - 外気の絶対湿度を検出する外気絶対湿度検出手段と、
前記第一貯蔵室および前記第二貯蔵室のうち前記冷却部材が設けられた貯蔵室内の絶対湿度を検出する内気絶対湿度検出手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記外気絶対湿度検出手段の検出結果と前記内気絶対湿度検出手段の検出結果との差に基づいて前記所定期間を決定する請求項5記載の冷蔵庫。 - 前記送風機は前記制御手段によって制御され、
前記制御手段は、前記ペルチェ素子の駆動中に前記送風機を停止させる請求項4から8いずれか一項記載の冷蔵庫。 - 前記冷却部材に生じた結露を保湿する保湿部材をさらに備える請求項1から9いずれか一項記載の冷蔵庫。
- 前記冷却部材に生じた結露を貯水する貯水部をさらに備える請求項1から10いずれか一項記載の冷蔵庫。
- 前記第一貯蔵室と前記第二貯蔵室との間に冷凍温度帯の貯蔵室を備え、
前記接続部は、前記冷凍温度帯の貯蔵室に跨って設けられている請求項1から11いずれか一項記載の冷蔵庫。
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TWI651504B (zh) * | 2018-08-09 | 2019-02-21 | 台灣松下電器股份有限公司 | 電冰箱 |
CN109974377A (zh) * | 2019-03-29 | 2019-07-05 | 青岛海尔电冰箱有限公司 | 冰箱的回风格栅及冰箱 |
CN113251725A (zh) * | 2020-02-10 | 2021-08-13 | 东芝生活电器株式会社 | 冰箱 |
-
2012
- 2012-07-10 JP JP2012154635A patent/JP2014016120A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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