JP4471394B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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本発明は、空気調和装置に関するものである。更に詳しくは、例えば恒温恒湿室内の雰囲気の温度及び湿度を調節するにあたり、従来の平衡調温制御等によるものと比較して、より少ないエネルギーで調節が可能な空気調和装置に関する。
様々な研究施設に備えられているクリーンルーム、動物実験施設、恒温恒湿室等においては、室内の雰囲気が研究のための所定の環境に維持される必要がある。この環境の維持のために、空気調和装置によって大量のエネルギーが消費されている。近年、施設の大型化や高機能化等に伴い、このランニングコストが研究費等を圧迫してきており、空気調和のために必要なエネルギーの省エネルギー化は、重要な課題となっている。
恒温恒湿器等において空気調和を行う方法としては、昭和20年代〜30年代までは、水を露点温度にして噴霧し、露点飽和空気を再熱する方法が主流であったが、昭和40年代になってからは、連続冷却をしながら再熱と再加湿をする、平衡調温制御といわれる方法が現在まで主流になっている。前記各制御方法においては、飽和露点の制御には再熱が必要であり、特に平衡調温制御は再熱と再加湿が必要であった。
例えば、平衡調温制御による恒温恒湿室の空気調和(温度及び湿度の制御)は次のように行われている。まず、温度の制御は、使用範囲の最低温度に必要な冷却を常時行い、ヒーターを比例制御して、目的の温度に再熱することにより行われている。また、湿度の制御は、常時稼動している冷却器を使用範囲の最低湿度になる除湿を行うことができるように冷媒の蒸発温度や風速を設定し、目的の湿度に達するようにパン型加湿器のヒーターを比例制御することにより行われている。前記温度の制御はヒーターの容量制御によって、また湿度の制御は加湿ヒーターの容量制御によって精密な制御が可能である。
前記従来の各方法は、温度及び湿度の制御は比較的簡単であるが、再熱と再加湿のために大量のエネルギーを必要とし、ランニングコストが高くなっていた。特に平衡調温制御においては、過冷却後に冷却を続けながら再熱と再加湿を行うため、大量のエネルギーを無駄に消費(または損失)していた。
本願発明者は、前記課題を解決するため、空気調和エネルギーの省エネルギー化を研究する過程で、通常は内部の水を加熱して加湿のためだけの制御を行うパン型加湿器に着目し、逆に水を冷却するとどうなるかを確認するための実験を行った。
本願発明者は、この実験を通じて、パン型加湿器の水を冷却すると、実験室の湿度が低下する現象を確認した。そして、パン型加湿器の内部の水の温度が室内の雰囲気の湿球温度より低下すると、効率よく除湿が行われることを見い出した。本願発明は、この結果を基にさらに研究を重ねることにより完成したものである。
(本発明の目的)
本発明は、恒温恒湿室等の内部の雰囲気の温度及び湿度を調節するにあたり、雰囲気内にある水の温度を雰囲気の湿球温度より低くすることで吸湿作用を持つという水の特性を利用し、従来の平衡調温制御等によるものと比較して、より少ないエネルギーで調節が可能な空気調和装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
本発明は、
雰囲気が雰囲気の湿球温度未満の水と接触すると除湿と同時に熱交換が行われ、前記水の表面を通るように流れる空気流の風速は1〜10m/secで雰囲気の顕熱の降下は0〜−2℃であり、顕熱が不足した熱量を室温用冷却コイルで追加して制御が行われる空気調和装置であって、
空気調和室の内部を制御空間部と機械室に区画する区画板と、
前記区画板の上部に設けられており制御空間部と機械室を連通させる吹出口と、
前記区画板の下部に設けられており制御空間部と機械室を連通させる吸込口と、
前記区画板の下部でつながっており、前記空気調和室内を循環している雰囲気を湿球温度未満に冷却された水の水面に接触するように誘導して流す整風板と、
前記機械室に設けられている、室温用ヒーター、室温用冷却コイル、及び前記吹出口へ向けて送風を行う雰囲気循環用ファンと、
雰囲気に水面が接触するように設けられている貯水容器、貯水容器内の水を加温するヒーター及び貯水容器内の水を冷却する冷却コイルを備えている湿度調節駆動部と、
雰囲気の湿度を低くする場合は冷却コイルで水を雰囲気の湿球温度未満になるように、雰囲気の湿度を高くする場合はヒーターで水を雰囲気の湿球温度以上になるように制御を行う制御部と、
前記室温用冷却コイルと湿度調節駆動部の冷却コイルに冷媒を供給する冷凍機と、
を備え、
前記冷凍機から室温用冷却コイルへつながっている冷却用冷媒供給路には、冷却用電磁膨張弁が設けられており、冷凍機から冷却コイルへつながっている除湿用冷媒供給路には、除湿用電磁膨張弁が設けられており、前記冷却用電磁膨張弁及び除湿用電磁膨張弁は、時間比例電磁弁であり、
前記恒温恒湿室装置の前記制御部による雰囲気の温度の制御は、冷却は、冷凍機から室温用冷却コイルへ供給する冷媒を0〜100%容量制御とし、加熱は室温用ヒーターを0〜100%の時間比例制御とし、湿度調節駆動部の貯水容器内の水の温度の制御は、冷却コイルに供給する冷媒を0〜100%容量制御とし、加湿の際に使用するヒーターは、0〜100%の時間比例制御としたことを特徴とする、
空気調和装置である。
本発明にいう「雰囲気」とは、例えば恒温恒湿室のように実質的に密閉された空間の内部にある雰囲気、または密閉されておらず、温度や湿度の制御が不能とならない限度で、外気(または新鮮空気)が多少入れ替わるようになっている空間の内部にある雰囲気を含むものである。
ヒーターや冷却コイル(加熱手段や冷却手段)は、雰囲気の温度及び湿度を検出し、その温度及び湿度をあらわす信号により、ON・OFFの二位置制御、三位置制御、または比例制御によって制御し、雰囲気内の水の加熱または冷却を行うのが好ましい。
水の表面を通るように流される空気流の風速は、例えば1〜10m/secに制御するのが好ましいが、この範囲に限定するものではない。なお、風速が1m/secに満たないと冷却能力が劣り実用的でなく、10m/secを超えると水面が乱れたり飛沫が飛んで湿度調節が不能になり、同じく実用的でなくなる傾向がある。
雰囲気を、湿度調節駆動部の水の表面上で他の箇所より速い速度で流れるように誘導する手段としては、整風部材の他、雰囲気循環用のファンとは別に設けたファン等も採用することができる。
雰囲気内の水を攪拌する手段としては、例えば水を攪拌する攪拌羽根(攪拌部材)を備えた構造、水を循環ポンプにて循環させる構造等が挙げられるが、これらに限定するものではない。
湿度調節駆動部の水の温度が、雰囲気の湿球温度より高ければ、水は自然蒸発しており、水を加熱すると加湿量は増加する。雰囲気の温度のみ制御すると、水の温度は湿球温度に限りなく近い温度となり、湿度は自然にバランスがとられて安定する。水の温度を湿球温度より下げると、蒸発が止まり、除湿傾向に向かう。
さらに、水の温度が雰囲気の露点温度より低くなると、雰囲気中の水分は親和性のよい水面に吸収され、除湿される。露点温度以下の温度の水は、蒸発はしなくなる。言い換えれば、水の温度が雰囲気の露点温度より低いと水は強力な吸湿材となる。また、水の温度が雰囲気の湿球温度と比較して、より低いほど除湿能力が増大する。吸湿量は、水の温度を湿球温度より低い範囲で調節することによって調節が可能であり、これにより除湿能力の調節も可能である(後述、図2参照)。
(作用)
本発明に係る空気調和装置及び恒温恒湿室装置の作用を説明する。
恒温恒湿室装置は、空気調和室と空気調和装置で構成されている。
空気調和室内の温度及び湿度の目的の値(例えば20℃/45%)を制御部等で設定する。空気調和室内の雰囲気は、空気調和中は雰囲気循環用ファンにより常時循環している。
まず、室温用ヒーターまたは室温用冷却コイルを制御部等で制御し運転することによって空気調和室内の雰囲気の温度を調節し、設定温度(20℃)に向かわせる。
前記温度の調節と並行して、制御部の制御によって、雰囲気の湿度を設定湿度(45%)に向かわせる。なお、温度が設定温度に到達した後に湿度の制御を行うこともできる。
湿度の制御においては、雰囲気の湿度が設定湿度より高く、湿度を低くする必要がある場合は、湿度調節駆動部において冷却コイルで水を雰囲気の湿球温度未満になるように冷却する。除湿能力を高めたいときには、水の温度をより低くする。また、水を不凍液で代替して使用すれば、0℃以下での運転も可能になり、除湿能力をさらに高めることができる。
雰囲気は、空気調和室内において湿球温度未満に冷却された水の水面に接触するように流れており、水面で湿球温度未満に冷やされた雰囲気中の水分は凝縮し水となって水面から取り込まれる。これにより、雰囲気の除湿が行われる。なお、水分の凝縮の際に水面近傍で放散される潜熱の大部分は低温の水に取り込まれ、雰囲気の温度の変動にはほとんど影響はない。
また、設定湿度へ向けて雰囲気の湿度を高くする必要がある場合は、制御部の制御によって、湿度調節駆動部においてヒーターで水を雰囲気の湿球温度以上になるように加熱する。これにより、水は自然蒸発ができるようになり、雰囲気は加湿される。なお、加湿能力を高めたいときは、水の温度をより高くする。また、水の蒸発の際に水面近傍で吸収される潜熱の大部分は加熱された水から供給され、雰囲気の温度の変動にはほとんど影響はない。
雰囲気は、雰囲気の湿球温度未満の水と接触すると、前記のように除湿が行われると同時に熱交換も行われ、顕熱も降下することになる。雰囲気の顕熱の降下は、水の表面積の大きさにもよるが、例えば0〜−2℃程度であり比較的低い。水の顕熱降下が少ないと、再熱に必要な熱量を少なくすることができる。
そして、雰囲気の温度及び湿度が設定湿度に到達すると、後の温度及び湿度の維持のための制御は、温度調節手段による温度調節と雰囲気内の水の温度を調節することにより行う。また、例えば密閉空間で一旦制御湿度になると、除湿も加湿もしない状態になり、除湿及び加湿による潜熱負荷がなくなり、ドアの隙間の漏れ空気等による負荷のみを補正するエネルギーが必要になるだけとなる。
さらに、外気(または新鮮空気)を導入した場合は、その量にもよるが、除湿制御において、制御範囲が仮に5〜10%RH(相対湿度)程度狭くなったとしても、この程度であれば実質的に密閉室とほぼ変らない温湿度制御が可能であり、除湿時においてランニングコストを平衡調温制御の1/10程度にすることも可能である(図5、図6参照)。
このように、空気調和装置によれば、従来の平衡調温制御によるもののように過冷却と再加湿を行う必要がなく、雰囲気の温度及び湿度を設定値へ並行して向かわせて到達させることができる。
また、設定値に到達した後の温度及び湿度の保持または制御を行うために必要なエネルギーは、前記のように除湿及び加湿を行うことによる潜熱負荷と、雰囲気内の水の温度の保持または調節に必要なエネルギーだけであり、しかもこの水の温度を調節するために必要なエネルギーは比較的小さい。したがって、本発明の空気調和装置によれば、従来の平衡調温制御によるものよりはるかに少ないエネルギーで、雰囲気の温度及び湿度の調節が可能である。
雰囲気を、湿度調節駆動部の水の表面上で他の箇所より速い速度で流れるように誘導する整風部材を備えたものは、制御開始から設定温度及び湿度に到達する時間を、誘導しないものと比較して短くすることができる。
湿度調節駆動部の水の温度を均一化するために水を攪拌する攪拌手段を備えているものは、雰囲気が接触する水面の温度(及び水全体の温度)にムラが生じにくいので、湿度の制御(除湿と加湿)を効率よく行うことができる。また、水温の均一化により、水を凍結させない範囲で最も低い温度で水温を維持することができるので、水面の面積が同じ条件下では最大限の除湿能力を得ることができる。
(a)本発明によれば、恒温恒湿室等の内部の雰囲気の温度及び湿度を調節するにあたり、雰囲気の湿度を低くする場合は、雰囲気内にある水の温度が雰囲気の湿球温度未満になるようにして雰囲気の除湿を行い、雰囲気の湿度を高くする場合は、雰囲気内にある水の温度が雰囲気の湿球温度を超えるようにして雰囲気の加湿を行うことができ、従来の平衡調温制御によるもののように過冷却と再加湿を行う必要がなく、雰囲気の温度及び湿度を設定値へ並行して向かわせて到達させることができる。
また、設定値に到達した後の温度及び湿度の保持または制御を行うために必要なエネルギーは、除湿及び加湿を行うことによる潜熱負荷と、雰囲気内の水の温度の保持または調節に必要なエネルギーだけであり、しかもこの水の温度を調節するために必要なエネルギーは比較的小さい。したがって、本発明によれば、従来の平衡調温制御によるものよりはるかに少ないエネルギーで、雰囲気の温度及び湿度の調節が可能である。
(b)雰囲気を、湿度調節駆動部の水の表面上で他の箇所より速い速度で流れるように誘導する整風部材を備えたものは、制御開始から設定温度及び湿度に到達する時間を、誘導しないものと比較して短くすることができる。これにより、誤差の少ない正確な制御が可能になる。
(c)湿度調節駆動部の水の温度を均一化するために水を攪拌する攪拌手段を備えているものは、雰囲気が接触する水または水面の温度にムラが生じにくいので、湿度の制御(除湿と加湿)を効率よく行うことができる。また、水温の均一化により、水を凍結させない範囲で最も低い温度で水温を維持することができるので、水面の面積が同じ条件下では最大限の除湿能力を得ることができる。
本発明を図面に示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
〔実施の形態〕
図1は本発明に係る恒温恒湿室装置の実施の形態を示す説明図である。
恒温恒湿室装置Aは空気調和室1を備えており、空気調和室1の内部には温湿度センサ80、ファン2、室温用ヒーター3、室温用冷却コイル4及び湿度調節駆動部6が配されている。また、空気調和室1の外部には冷凍機7が配されている。これらのうち、温湿度センサ80、ファン2、室温用ヒーター3、室温用冷却コイル4、湿度調節駆動部6及び冷凍機7は、空気調和室1の温度、湿度を調節する空気調和装置(符号省略)を構成する。
空気調和室1は、所定の容積を有する密閉することが可能な構造である。空気調和室1の内部には、垂直方向に設けられた区画板10によって、実質的に制御空間部11と機械室12に区画されている。制御空間部11側には、ドア15が設けられている。
区画板10の上部には、制御空間部11と機械室12を連通させる吹出口13が設けられている。吹出口13の近傍には、温湿度センサ80が設けられている。温湿度センサ80は、制御部8を構成する。
制御部8は、温湿度センサ80からの除湿・加湿信号により、雰囲気の湿度を低くする場合は後述する冷却コイル62で水64を雰囲気の湿球温度未満になるように冷却し、雰囲気の湿度を高くする場合はヒーター61で水を雰囲気の湿球温度以上になるように加熱する制御を行う。
また、区画板10の下部には、制御空間部11と機械室12を連通させる吸込口14が設けられている。吸込口14側には、区画板10の下部につながって整風板5が設けられている。整風板5は、取り付けられている基部側が、後述する水の水面との間が狭くなる方向へ傾斜し、先部側が水面と平行になっている。この傾斜部によって、雰囲気が流通するときの抵抗を軽減することができる。
前記機械室12の上部には、吹出口13へ向けて送風を行うファン2が設けられている。機械室12内のファン2の下方には、制御空間部11内の雰囲気を加熱するための室温用ヒーター3が設けられている。さらに室温用ヒーター3の下方には、制御空間部11内の雰囲気を冷却するための室温用冷却コイル4が設けられている。室温用冷却コイル4には、後述する冷凍機7から冷媒が供給される。
機械室12の下方(整風板5のさらに下方)には、湿度調節駆動部6が設けられている。湿度調節駆動部6は、浅い皿型(いわゆるパン型)の貯水容器60を備えている。貯水容器60には適量の水が入れられている。貯水容器60は、水の水面が空気調和室1内部の雰囲気のうち整風板5の下面側を流れる雰囲気と触れるようにして配されている。
貯水容器60の内部には、入れられる水に浸漬される箇所にヒーター61と冷却コイル62が設けられている。冷却コイル62には、後述する冷凍機7から冷媒が供給される。また、湿度調節駆動部6は、吸込口(符号省略)が貯水容器60の底部にあり、排出口(符号省略)が貯水容器60の上部にある、ポンプを備えた水循環装置63を備えている。
水循環装置63は、水64を循環させて攪拌することにより、水64の温度を均一化するものである。また、水の温度が氷点に近い温度、例えば2℃くらいになっても、水内の冷却コイル62付近が凍結することを防止できるものである。
空気調和室1の外部に配されている冷凍機7は、前記したように室温用冷却コイル4と、湿度調節駆動部6の冷却コイル62に冷媒を供給する。冷凍機7から室温用冷却コイル4へつながっている冷却用冷媒供給路70には、冷却用電磁膨張弁72が設けられている。符号71は冷却用冷媒返送路である。
また、冷凍機7から冷却コイル62へつながっている除湿用冷媒供給路73には、除湿用電磁膨張弁75が設けられている。符号74は除湿用冷媒返送路である。なお、前記冷却用電磁膨張弁72及び除湿用電磁膨張弁75は、除湿・加湿信号で作動する時間比例電磁弁である。
(作用)
図2は水の温度と雰囲気の湿球温度及び除湿出力、加湿出力の関係を示す説明図、
図3は雰囲気の湿度が設定湿度に到達するまでの湿り線図、
図4は雰囲気の湿度が設定湿度に到達した後の湿り線図、
図5は雰囲気の温度及び湿度の制御範囲を示す線図(外気が導入されない場合)、
図6は雰囲気の温度及び湿度の制御範囲を示す線図(外気が導入される場合)、
図7は雰囲気の温度及び湿度の制御に伴う温度、湿度及び水温の変動を示す説明図である。
恒温恒湿室装置Aの作用を図1ないし図7を参照して説明する。
恒温恒湿室装置Aの制御部8による雰囲気の温度の制御では、冷却と加熱をヒートクール制御とした。冷却は、冷凍機7から室温用冷却コイル4へ供給する冷媒を0〜100%容量制御とし、加熱は室温用ヒーター3を0〜100%の時間比例制御とした。
また、湿度調節駆動部6の貯水容器60内の水の温度の制御では、冷却コイル62に供給する冷媒を0〜100%容量制御とした。加湿の際に使用するヒーター61は、0〜100%の時間比例制御とした。
恒温恒湿室装置Aの作用は次の通りである。
設定温度及び湿度を目的の値(例えば20℃/45%)に制御部8で設定する。空気調和室1内の雰囲気は、ファン2により循環している。
まず、制御部8の制御によって、室温用ヒーター3または室温用冷却コイル4を運転することによって、空気調和室1内の雰囲気の温度を調節し、設定温度(20℃)に向かわせる。
前記温度の調節と並行して、制御部8の制御によって、空気調和室1内の雰囲気の湿度を設定湿度(45%)に調節する。雰囲気の湿度が設定湿度(45%)より高く、湿度を低くする必要がある場合は、湿度調節駆動部6において冷却コイル62で水64の温度が雰囲気の湿球温度(例えば13.1℃)以下になるように冷却する。除湿能力を高めたいときには、水64の温度をより低くする。
そして、水面で湿球温度未満に冷やされた雰囲気中の水分は水となって水面から水64中に取り込まれる。これによって、雰囲気の除湿が行われる。なお、除湿の際に水面近傍で放散される潜熱の大部分は低温の水46に取り込まれ、雰囲気の温度の変動にほとんど影響はない。
雰囲気は、雰囲気の湿球温度未満の水64と接触すると、前記のように除湿が行われると同時に熱交換も行われ、顕熱も降下する。雰囲気の顕熱の降下は、水の表面積の大きさにもよるが、例えば0〜−2℃程度であり比較的低い(以上、図3参照)。
また、空気調和室1内で循環している雰囲気は、整風板5で誘導されて、湿球温度未満に冷却された水64の水面に接触するようにして流れている。水面と整風板5の間の空間部はやや狭くなっているので、雰囲気は水64の表面を他の箇所より速い速度で流れる。
これによって、制御開始から設定湿度に到達する時間を、整風板5で誘導しないものと比較して短くすることができる。また、これにより設定湿度との誤差を例えば±0.5%RH以下に制御することができる等、制御の精度を向上させることが可能になる。
そして、まず雰囲気の温度が設定温度に到達し、続いて湿度が設定湿度に到達する(図7(a)、(b)参照)。
雰囲気の温度及び湿度が設定値に到達すると、後の温度及び湿度の維持のための制御は、室温用ヒーター3または室温用冷却コイル4による室温調節と雰囲気内の水64の温度を調節することにより行う(図7(c)参照)。
また、例えば密閉空間で一旦制御湿度になると、除湿も加湿もしない状態になり、除湿及び加湿による潜熱負荷がなくなり、ドアの隙間の漏れ空気等による負荷のみを補正するエネルギーが必要になるだけとなる(図4参照)。
また、貯水容器60内の水64は、水循環装置63によって常時循環、攪拌されている。これによると、水64の温度が氷点(0℃)近くなったときに、例えば2℃になったときにも、水温にムラが生じて氷点になることを防止でき、水64は凍結しにくい。これにより、水64を凍結させない範囲で最も低い温度で維持することができるので、水面の面積が同じ条件下では最大限の除湿能力を得ることができる。
なお、使用する水64は通常は純水であり、除湿によって水に取り込まれる水分は若干の不純物を含んではいるが無害であるので、オーバーフローをそのまま放流することも可能であり、廃棄する際の処理に困らない。
また、貯水容器60に純水や水でなく不凍液を入れて使用することもできる。例えば、不凍液として、エチレングリコール10%溶液(水90%)を使用すれば、液温が−10℃程度になっても流動性を保つことができるので、純水を使用する場合と比較して、除湿能力をさらに高めることが可能になる。この際の不凍液のエチレングリコール濃度は特に限定せず、必要な機能に応じて適宜設定することが可能である。不凍液を使用する場合は、放流はできないので繰り返し使用するのが好ましい。
また、設定湿度へ向けて雰囲気の湿度を高くする必要がある場合は、制御部8の制御によって、湿度調節駆動部6においてヒーター61で水64の温度が雰囲気の湿球温度以上になるように加熱する。これにより、水は自然蒸発ができるようになり、雰囲気は加湿される。加湿能力を高めたいときは、水64の温度をより高くする。また、加湿の際に水面近傍で吸収される潜熱の大部分は加熱された水から供給され、雰囲気の温度の変動にほとんど影響はない。
なお、恒温恒湿室装置Aの空気調和室1内に外気(新鮮空気)を常時導入する場合でも、除加湿信号を冷却加熱出力に変換すれば、湿度調節駆動部6の水64の温度の自動制御は可能である。
本実施の形態の恒温恒湿室装置Aを使用した制御の一実施例を説明する。
図7を主に参照する。
外気温度が25℃の時に、空気調和室1内の温度及び湿度設定値を温度20℃、湿度45%RH(相対湿度)として運転した。
まず、温度が設定値に到達し、続いて、水64の温度の調節により並行して制御されていた湿度が設定値に到達した(図7(a)、(b)参照)。
雰囲気の湿球温度は13.1℃であり、水64の温度は、設定値到達までにおいては最低で2.8℃であった。また、設定値到達の後の制御では、最低で3.5℃であった。水64の温度はその後安定し、ほぼ4.2℃近辺で推移した(図7(c)参照)。
設定値到達後の冷却出力は0〜4%の範囲内に収まり、加熱出力は0%であった。なお、このとき水64の水面付近の風速を5m/secに設定しており、湿度の設定値到達時間を比較的短かくすることができ、制御における変動幅を小さくして制御の精度を高めることができた。
ここで、図3を参照して雰囲気の湿度が設定湿度に到達するまでの制御の状況を説明し、図4を参照して、雰囲気の湿度が設定湿度に到達した後の制御の状況を説明する。
(図3の説明)
初期温度が25℃、60%RHである時に、温度20℃、湿度45%の設定値で制御する場合は、温度20℃にする冷却制御は、室温用冷却コイル4によって行う。また、湿度45%にする除湿制御は、湿度調節駆動部6によって行う。図3において(1)は初期時の温湿度、(2)は仮想温湿度、(3)は目的の温湿度(設定値)である。
湿り線図上では、初期の温湿度が目的の温湿度に直接に到達する。温度が目標20℃に達した後、並行して制御されていた湿度が45%に到達する。目的の温湿度に到達後の安定制御中の加熱加湿の熱分析をすると除湿時の少量の顕熱があり、顕熱が不足した熱量を室温用冷却コイル4で追加して制御が行われる。
(図4の説明)
図において(1)は制御ポイント、(2)は冷却負荷時のポイント、(3)は加熱負荷時のポイントである。温度は外壁の熱(−負荷)及びファン稼動熱(+負荷)を補う冷却又は加熱エネルギーにて制御を行う。また、発熱負荷が室内にある場合は発熱負荷量に対応した冷却負荷が増すことになる。湿度は、水64の温度を保持するだけの加熱にて制御を行うので、湿り線図上では平衡になる。
図5、図6を参照する。
図5に示すように、恒温恒湿室等で一般的に採用される温湿度設定値である25℃/45%近辺は、外気導入がない条件下での除湿制御範囲に含まれる領域に十分に含まれる。
また、外気導入がない条件下においては、10〜60℃の範囲内での除湿及び加湿制御が可能であり、湿度制御も高温部(60℃)では25〜95%の範囲で可能である。
また、図6に示すように、外気導入がある条件下においては、除湿及び加湿制御が可能な範囲は15〜50℃の範囲内であり、湿度制御は高温部(50℃)でも25〜90%の範囲となっている。このように、前記外気導入がない条件下と比較して温度及び湿度の制御可能な範囲がやや狭くなっているが、例えば(1)25℃/60%(除湿能力は1.88kg/h× 2 )、(2)25℃/50%(除湿能力は1.12kg/h× 2 )、(3)20℃/60%(除湿能力は0.5kg/h× 2 )、(4)20℃/50%(除湿能力は0.32kg/h× 2 )の各一般的な温湿度設定値においては温度及び湿度制御範囲に含まれており、制御が可能である。
2 =水面の面積 水面風速=1.0m/sec〜10m/secで制御)
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
本発明に係る恒温恒湿室装置の実施の形態を示す説明図。 水の温度と雰囲気の湿球温度及び除湿出力、加湿出力の関係を示す説明図。 雰囲気の湿度が設定湿度に到達するまでの湿り線図。 雰囲気の湿度が設定湿度に到達した後の湿り線図。 雰囲気の温度及び湿度の制御範囲を示す線図(外気が導入されない場合)。 雰囲気の温度及び湿度の制御範囲を示す線図(外気が導入される場合)。 雰囲気の温度及び湿度の制御に伴う温度、湿度及び水温の変動を示す説明図。
A 恒温恒湿室装置
1 空気調和室
10 区画板
11 制御空間部
12 機械室
13 吹出口
14 吸込口
15 ドア
2 ファン
3 室温用ヒーター
4 室温用冷却コイル
5 整風板
6 湿度調節駆動部
60 貯水容器
61 ヒーター
62 冷却コイル
63 水循環装置
64 水
7 冷凍機
70 冷却用冷媒供給路
71 冷却用冷媒返送路
72 冷却用電磁膨張弁
73 除湿用冷媒供給路
74 除湿用冷媒返送路
75 除湿用電磁膨張弁
8 制御部
80 温湿度センサ

Claims (1)

  1. 雰囲気が雰囲気の湿球温度未満の水と接触すると除湿と同時に熱交換が行われ、前記水の表面を通るように流れる空気流の風速は1〜10m/secで雰囲気の顕熱の降下は0〜−2℃であり、顕熱が不足した熱量を室温用冷却コイルで追加して制御が行われる空気調和装置であって、
    空気調和室(1)の内部を制御空間部(11)と機械室(12)に区画する区画板(10)と、
    前記区画板(10)の上部に設けられており制御空間部(11)と機械室(12)を連通させる吹出口(13)と、
    前記区画板(10)の下部に設けられており制御空間部(11)と機械室(12)を連通させる吸込口(14)と、
    前記区画板(10)の下部でつながっており、前記空気調和室(1)内を循環している雰囲気を湿球温度未満に冷却された水(64)の水面に接触するように誘導して流す整風板(5)と、
    前記機械室(12)に設けられている、室温用ヒーター(3)、室温用冷却コイル(4)、及び前記吹出口(13)へ向けて送風を行う雰囲気循環用ファン(2)と、
    雰囲気に水面が接触するように設けられている貯水容器(60)、貯水容器(60)内の水(64)を加温するヒーター(61)及び貯水容器(60)内の水(64)を冷却する冷却コイル(62)を備えている湿度調節駆動部(6)と、
    雰囲気の湿度を低くする場合は冷却コイル(62)で水(64)を雰囲気の湿球温度未満になるように、雰囲気の湿度を高くする場合はヒーター(61)で水(64)を雰囲気の湿球温度以上になるように制御を行う制御部と、
    前記室温用冷却コイル(4)と湿度調節駆動部(6)の冷却コイル(62)に冷媒を供給する冷凍機(7)と、
    を備え、
    前記冷凍機(7)から室温用冷却コイル(4)へつながっている冷却用冷媒供給路(70)には、冷却用電磁膨張弁(72)が設けられており、冷凍機(7)から冷却コイル(62)へつながっている除湿用冷媒供給路(73)には、除湿用電磁膨張弁(75)が設けられており、前記冷却用電磁膨張弁(72)及び除湿用電磁膨張弁(75)は、時間比例電磁弁であり、
    前記恒温恒湿室装置(A)の前記制御部(8)による雰囲気の温度の制御は、冷却は、冷凍機(7)から室温用冷却コイル(4)へ供給する冷媒を0〜100%容量制御とし、加熱は室温用ヒーター(3)を0〜100%の時間比例制御とし、湿度調節駆動部(6)の貯水容器(60)内の水の温度の制御は、冷却コイル(62)に供給する冷媒を0〜100%容量制御とし、加湿の際に使用するヒーター(61)は、0〜100%の時間比例制御としたことを特徴とする、
    空気調和装置。
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