JPH07264916A - 歩行型草刈機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 前後に各１輪を備えた車体フレームの前後輪
３，４間で、且つ車体中心から一側方へオフセットした
位置に刈刃１３を配置し、この刈刃１３をカッタハウジ
ング１２で囲ったことを特徴とする歩行型草刈機。 【効果】 前後に各１輪を備えた車体フレームの前後輪
間に刈刃を配置し、この刈刃をカッタハウジングで囲っ
たので、畦の斜面を走行しながら草刈をする場合でも前
後輪はほぼ鉛直になり、作業者の負担は少なくなる。角
が丸くなったところの馬の背形状の畦で、角の部分もき
れいに草を刈ることができる。車体フレームの高さが下
がるので、歩行型草刈機の重心高さが低くなるため、操
作性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は田の畦の草刈りに好適な
歩行型草刈機に関する。

【０００２】

【従来の技術】畦の雑草は病害虫の巣になりやすいこと
から、１番刈り、２番刈り…の如く年に数回は刈る必要
がある。この作業は重労働であることから、畦草刈機、
草刈機、刈取機などの名称で様々な機械が提案され、実
用に供されている。

【０００３】例えば、実公昭６１−４００９９号公報の
刈取機は、機体を前後４輪で支承し、機体にエンジン、
刈刃を備え、自走しつつ草を刈るものである。同公報の
第３図に示されるように、畦の斜面を刈る場合は全体を
傾斜させる。この斜面の幅が狭い場合には左右の車輪間
隔を狭めることができる点に特徴がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】図８は理想的な畦の断
面図、図９は実際の畦の断面図である。図８の畦１００
は上面１０１、斜面１０２，１０２からなる等脚台形で
あり、Ｐで示した４輪式刈取機１０３はその刈刃１０４
で斜面１０２の草を刈ることは可能である。また、想像
線Ｑで示した刈取機１０３もハンドル１０５をしっかり
と保持すれば草は刈れる。

【０００５】しかし、実際は図９に示すように角が丸く
なったところの馬の背形状の畦１１０がほとんどであ
る。この様な畦１１０では車輪の横滑りを止める部分が
乏しいので強くハンドルを保持したとしても、矢印の
如く転倒しやすい。刈刃１０４の上方にエンジン１０６
等を配置する都合で重心が高くなり、上記転倒の可能性
は高く農作業者の負担は極めて大きい。

【０００６】そこで、本発明の目的は馬の背形状の畦に
も十分に対応でき、且つ作業者の負担が小さい歩行型草
刈機を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく
本発明は、前後に各１輪を備えた車体フレームの前後輪
間で、且つ車体中心から一側方へオフセットした位置に
刈刃を配置し、この刈刃をカッタハウジングで囲ったこ
とを特徴とする。

【０００８】又は、前後に各１輪を備えた車体フレーム
の前後輪間で、且つ車体中心から一側方へオフセットし
た位置に刈刃を配置し、この刈刃をカッタハウジングで
囲い、また、前記車体フレームの車体中心から他側方へ
オフセットした位置に草刈用エンジンを配置したことを
特徴とする。

【０００９】更に、平面視で前記エンジンと前記後輪と
の少なくとも一部を重ねることが好ましい。

【００１０】

【作用】前後輪はほぼ鉛直であるにもかかわらず、刈刃
は斜面に倣った状態に傾く。また、車体フレームの高さ
が下がるので、歩行型草刈機の重心高さは低くなる。更
に、各１輪からなる前後輪を車体フレームに備えたの
で、狭い道での畦の草刈りが容易である。更にまた、車
体中心から一側方へオフセットした位置に刈刃を配置し
たので、前後輪を畦の端まで寄せることなく、畦の端ま
で草刈りができる。

【００１１】前後に各１輪を備えた車体フレームの両側
にエンジンとカッタハウジングを各配置して、左右のバ
ランスを取りやすくする。

【００１２】エンジンの下方に後輪を収めることで、歩
行型草刈機の長さを短縮する。

【００１３】

【実施例】本発明の実施例を添付図面に基づいて以下に
説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図１は本発明の第１実施例に係る歩行型草刈機の側断面
図であり、歩行型草刈機１は、非揺動部分Ａと揺動部分
Ｂとで構成される。

【００１４】非揺動部分Ａは、長手方向に湾曲形成され
たへ字状の車体フレーム２と、この車体フレーム２の前
後に取付けられた前輪３及び後輪４と、車体フレーム２
から後斜め上に延ばされた操作ハンドル５と、後輪用ギ
アケースユニット６とからなり、操作ハンドル５に一体
的に接続されている。

【００１５】揺動部分Ｂは、エンジンマウントパイプ１
０と、このパイプ１０にマウントされた縦型クランク軸
エンジン１１と、パイプ１０下面にボルト止めされたカ
ッタハウジング１２と、このカッタハウジング１２に収
納された刈刃１３と、この刈刃１３にクランクシャフト
１４からの動力を伝える伝動部品（小プーリ１５，ベル
ト１６，大プーリ１７）と、カッタハウジング１２の一
側（図２参照）に取付けられたガイド部材１８と、揺動
部分Ｂの前後に突出された前ピボット軸２０及び後ピボ
ット軸２１とからなり、図示する通りに揺動部分Ｂは前
・後ピボット軸２０，２１で非揺動部分Ａの車体フレー
ム２に懸架されていることを特徴とする。上記ガイド部
材１８は揺動部分Ｂの地面からの高さを保つ部材であっ
て、補助輪やソリが好適である。

【００１６】図中、２２はエンジン１１の動力取出軸２
３の動力を後輪用ギアケースユニット６に伝えるユニバ
ーサルジョイント、２４はエンジンマウントパイプ１０
後部に固設されたチャンネル、２５はエンジンのスター
タグリップ、２６は前輪カバーである。

【００１７】なお、非揺動部分Ａは揺動部分Ｂと対比す
るために名付けたものであり、例えば操作ハンドル５を
作業者から見て左右に倒せば、同方向に倒れることは勿
論である。

【００１８】図２は本発明の第１実施例に係る歩行型草
刈機の概略平面図であり、説明を簡単にするために図１
の構成要素の一部を平面図化したものである。本実施例
の歩行型草刈機１は所謂前後２輪車であり、前輪３は細
幅タイヤ、後輪４は広幅タイヤで構成されている。

【００１９】前輪３、前後ピボット軸２０，２１、後輪
４を通るＣ軸（非揺動部分Ａの長手軸に相当）に対し
て、クランクシャフト１４、刈刃１３の各中心を通るＤ
軸（揺動部分Ｂの重心を通る長手軸に相当）がｄだけ偏
心している（車体中心から一側方へオフセットしてい
る）ことに特徴がある。これにより、図示Ｅ側が（図表
から裏へ）下がるのでガイド部材１８を設けた訳であ
る。

【００２０】以上の構成からなる歩行型草刈機の作用を
次に述べる。図１において、スタータグリップ２５を引
いてエンジンを始動し、操作ハンドル５のグリップ２７
の近傍に設けた刈刃入切りレバー２８を「入」に倒すこ
とで刈刃１３は回転し、また刈刃入切りレバー２８の奥
又は手前走行レバー２９を「停止」から「走行」へ切換
えることで後輪４が回転し、自走を開始する。

【００２１】自走中は操作ハンドル５をある程度の力で
保持する必要がある。揺動部分Ｂは前輪３、後輪４及び
ガイド部材１８で支承されているので問題無いが、非揺
動部分Ａは前後の２輪３，４で支承されているために人
手で支える必要があるからである。しかし、非揺動部分
Ａのみを支えるだけであるから、負担は小さい。

【００２２】図３は畦の上面を刈る時の作用図であり、
後輪４及び操作ハンドル５はほぼ鉛直とされ、カッタハ
ウジング１２及び刈刃１３はほぼ水平の状態で刈り取り
作業がなされる。

【００２３】図４は畦の角を刈る時の作用図であり、後
輪４及び操作ハンドル５はほぼ鉛直のままであるが、カ
ッタハウジング１２がピボット軸２０，２１を中心に回
転し、結果刈刃１３は左下りに傾斜して、草を刈る。

【００２４】図５は畦の斜面を刈る時の作用図であり、
後輪４及び操作ハンドル５はほぼ鉛直のままであるが、
カッタハウジング１２がピボット軸２０，２１を中心に
回転し、結果、刈刃１３は斜面に倣った状態で草を刈る
ことができる。図５の状態で当該畦の先端に到着した
ら、そこで１８０゜ターンして他方の斜面に取り掛かれ
ばよい。

【００２５】図３〜図５おいて、前後輪３，４をほぼ鉛
直に保持することに特徴がある。斜面において作業者は
鉛直に立とうとするので、そのような作業者に取って操
作ハンドル５をほぼ鉛直に保つことは容易である。そし
て、斜面であっても、前後輪３，４が地面に若干食込む
ので横滑りすることなく走行可能である。

【００２６】尚、本実施例では後輪４を広幅のもので１
輪としたが、これを細幅のもので２輪としてもよい。後
輪を２輪としたところの３輪車は、平地走行が安定し且
つターンが２輪車より簡単になる。

【００２７】図６は本発明の第２実施例に係る歩行型草
刈機の平面図であり、前記第１実施例での符号の大部分
を援用するが、ピボット軸２０，２１を結んだところの
揺動軸Ｅを基準に操作者から見て右にエンジン１１の中
心が配置され（オフセットされている）、左にカッタハ
ウジング１２の中心が配置されている（オフセットされ
ている）ことに特徴がある。

【００２８】カッタハウジング１２はほとんど揺動軸Ｅ
から外され、結果、その草取入れ口１２ａ、草排出口１
２ｂは共に揺動軸Ｅの一側（操作者から見て左）に位置
する。例えば、これから刈るべき草帯の右端に前輪３を
沿わせれば草取入れ口１２ａ幅の草を容易に取入れるこ
とができ、歩行型草刈機の位置合せが簡単である。

【００２９】図６を詳しく説明すると、エンジン１１に
係る重心線Ｇ１は揺動軸ＥからＬ１だけ離され、また刈
刃１３を含むカッタハウジング１２の重心線Ｇ２は揺動
軸ＥからＬ２だけ離され、モーメント（Ｇ１にかかる荷
重×Ｌ１）よりモーメント（Ｇ２にかかる荷重×Ｌ２）
が僅かに大とされている。カッタハウジング１２に付設
した補助輪１８を常に接地させるためである。反面、ほ
ぼ左右のバランスが取れているので、操作が楽であり、
特に平地走行での作業者の負担は軽微になるといえる。

【００３０】図７は図６の側面図であり、図１に比較し
て、後輪４が前輪３側に大幅に寄っていることに特徴が
ある。これは、カッタハウジング１２が図面表側に大き
く寄って後輪４と干渉しなくなったこと、及びエンジン
１１が嵩上げされたことで、エンジン１１の下方に後輪
４の少なくとも前半部分が収められる。すなわち、図６
にて示されるように、平面視で後輪４とエンジン１１と
の少なくとも一部が重ねられている。よって、操作者は
歩行型草刈機１に近づくことができ、もって、歩行型草
刈機１の長さを短縮でき、方向転換等の取り回しが容易
になる。

【００３１】

【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項１の歩行型草刈機は、前後に各１輪を備え
た車体フレームの前後輪間に刈刃を配置し、この刈刃を
カッタハウジングで囲ったので、畦の斜面を走行しなが
ら草刈をする場合でも前後輪はほぼ鉛直になり、作業者
の負担は少なくなる。また、角が丸くなったところの馬
の背形状の畦で、角の部分もきれいに草を刈ることがで
きる。更に、車体フレームの高さが下がるので、歩行型
草刈機の重心高さが低くなるため、操作性が向上する。
また、各１輪からなる前後輪を車体フレームに備えたの
で、狭い道での畦の草刈りが容易である。更に、車体中
心から一側方へオフセットした位置に刈刃を配置したの
で、前後輪を畦の端まで寄せることなく、畦の端までき
れいに草刈りができ、操作性も良い。

【００３２】請求項２の歩行型草刈機は、前後に各１輪
を備えた車体フレームの前後輪間で、且つ車体中心から
一側方へオフセットした位置に刈刃を配置し、この刈刃
をカッタハウジングで囲い、また、車体フレームの車体
中心から他側方へオフセットした位置に草刈用エンジン
を配置したことにより、ほぼ左右のバランスが取れるの
で、操作が楽であり、特に平地走行での作業者の負担が
軽くなる。

【００３３】請求項３の歩行型草刈機は、平面視で前記
エンジンと前記後輪との少なくとも一部を重ねたので、
エンジンの下方に後輪を収めることで、歩行型草刈機の
長さを短くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係る歩行型草刈機の側断
面図

【図２】本発明の第１実施例に係る歩行型草刈機の概略
平面図

【図３】本発明での畦の上面を刈る時の作用図

【図４】本発明での畦の角を刈る時の作用図

【図５】本発明での畦の斜面を刈る時の作用図

【図６】本発明の第２実施例に係る歩行型草刈機の平面
図

【図７】本発明の第２実施例に係る歩行型草刈機の側面
図

【図８】従来の理想的な畦の断面図

【図９】従来の実際の畦の断面図

【符号の説明】

１…歩行型草刈機、２…車体フレーム、３…前輪、４…
後輪、５…操作ハンドル、１１…エンジン、１２…カッ
タハウジング、１３…刈刃、１８…ガイド部材、２０，
２１…ピボット軸、Ａ…非揺動部分、Ｂ…揺動部分、Ｅ
…揺動軸。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前後に各１輪を備えた車体フレームの前
   後輪間で、且つ車体中心から一側方へオフセットした位
   置に刈刃を配置し、この刈刃をカッタハウジングで囲っ
   たことを特徴とする歩行型草刈機。
2. 【請求項２】 前後に各１輪を備えた車体フレームの前
   後輪間で、且つ車体中心から一側方へオフセットした位
   置に刈刃を配置し、この刈刃をカッタハウジングで囲
   い、また、前記車体フレームの車体中心から他側方へオ
   フセットした位置に草刈用エンジンを配置したことを特
   徴とする歩行型草刈機。
3. 【請求項３】 平面視で前記エンジンと前記後輪とは、
   少なくとも一部が重なっていることを特徴とする請求項
   ２記載の歩行型草刈機。