JPS6140099Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は刈取機の走行装置に関するもので、
特に刈取機が畔の法面の雑草刈取に供される場合
に、その刈取機の機体支持と移動とが良好に行わ
れるように改良したものである。

雑草などの刈取を行う刈取機は、刈取機筐の左
右両側部に２個づつ配設される計４個の接地車輪
で機体を移動可能に支持して構成されるが、この
４輪タイプの刈取機では、その４個の車輪がいず
れも接地し得る場所で刈取作業するときには機体
の支持移動が難なく行われるけれども、例えば作
業場所が畔法面のように轍間距離より狭い個処で
ある場合には、刈取機筐の左右いずれか一側部の
２輪が接地せず、ために機体は不安定となつて機
体の姿勢維持と移動にオペレータの負坦が大とな
り、作業は整斎に実施されにくいという問題を生
ずる。

そこで本考案は上記の問題を生ずる場所で刈取
作業を実施するときでも、刈取機々体の支持と移
動とを確実に行わせて整斎な刈取を行わせ得るよ
うに、極く簡単な操作で変更できる走行装置を提
供したものである。

本考案の具体的な実施例は添付図面に示すとこ
ろであつて、以下に実施例の構成を説明する。

１は刈取機筐で、エンジン２と伝動ケース３と
が直結して構成される駆動部Ａが取付けられ、そ
の駆動部Ａの出力軸４には刈刃５が嵌着される。

刈刃５は、底部開口の刈取機筐１内に位置して
前記出力軸４の回動により矢印イ方向に回転する
もので、刈取つた草を前記刈取機筐１の横側部に
開設した放出口６から矢印ロ方向に外方へ跳ね出
すようになつている。

そして、刈取機筐１の前後両側部には、支持ア
ーム７……によつて車軸８，８が取付けられ、各
車軸８，８それぞれの左右両端に走行輪９……を
遊転状に装して４輪支持構造に構成している、ま
た、各車軸８，８の長さ方向（刈取機筐の左右幅
方向）中程部には、車輪取付アーム１０，１０が
設置され、これらの取付アーム１０，１０によつ
て、必要に応じ別個の車輪１１，１１を接地転動
可能に装し得るようにしている。

別個の車輪１１，１１は、機体中心線Ｐ−Ｐ上
に位置して図示されているが、必ずしも同位置に
限定されるのではなく、機体中心線から適宜左右
にずれて位置する場合も含まれるのである。

さらに、刈取機筐１にはハンドル取付台１２が
設置され、回動支点軸１３によつて横方向に扇動
固定できるようにして操縦ハンドル１４が設置さ
れる。

なお、上述実施例では、常設の４個の走行輪９
……とは別個の車輪１１，１１を準備して、これ
を必要に応じて刈取機筐１の幅方向中央部に位置
させて取付けるようにしているが、これは、別個
の車輪１１，１１を準備せず、前記常設車輪のう
ちの左側部２輪又は右側部２輪を必要に応じて取
外して、刈取機筐１の幅方向中央部に付換装着で
きるように構成してもよいのである。

つぎに上記構成装置の作用を説明する。

刈取機が通常の使用をされる場合には、刈取機
筐１中央部には走行輪１１又は９は存在せず、同
機筐１の左右両側にそれぞれ２輪づつ配置された
計４輪の走行輪によつて機体支持されるのであ
り、また、操縦ハンドル１４は左右に傾斜せず固
定されている。

したがつて、エンジン２を始動し刈刃５を回転
させて、操縦ハンドル１４により機体を手押し状
に進行させれば、機体は４輪接地の走行輪９……
の転動で移動し、刈刃５によつて切断された刈草
を放出口６から排出しながら作業できるのであ
る。

刈取機で、畔法面のような狭い傾斜箇処の刈取
を行う場合には、常設４輪のうちの片側２輪を付
けかえるか、若しくは常設４輪はそのままで別個
の車輪１１，１１を装備するかして、機筐１の幅
方向中央部に走行輪が位置するように変更すると
ともに、操縦ハンドル１４は操作し易いように角
度変更して固定する。

そして前記の場合と同様に刈刃５を作動させ
て、法面を歩かせれば機体は機筐１の幅方向中央
部に位置する走行輪と傾斜下側の走行輪とで確実
に４輪接地して支持され、しかも操縦ハンドル１
４は機体傾斜にかかわらず、操作し易い位置にあ
るので、安定の良い走行がオペレータの負坦を増
すことなく実施できることとなつて整斎な刈取作
業が難なく実施できるのである。

なお、常設４輪のうちの片側２輪を取外して機
筐中央部に付換える場合には、放出口６設置がわ
の２輪を付換えるものとすれば、傾斜狭少部を走
行する際に放出口６が放出良好側に位置すること
となるので作業が好都合に行われる。

このように本考案は、刈取機筐１の左右両側部
に配設される４個の走行輪９……によつて機体を
支持し走行させる構成の刈取機において、前記４
輪のうちの左側部２輪又は右側部２輪もしくは４
輪とは別個の２輪１１，１１を、刈取機筐１の幅
方向中央部に位置させて接地転動可能に取付けで
きるように構成したものであるから、畔法面のよ
うな狭い傾斜箇処の刈取を行う場合でも、４輪接
地で機体を確実に傾斜姿勢に維持して走行させる
ことができ、同箇処の刈取を整斎に行うことがで
きる。

しかも上記を可能とするためには走行輪を着脱
するだけで良いから取扱いがきわめて容易であ
り、構造は簡潔で容易に実施できる特徴がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は本考案
による刈取機の全体側面図、第２図は同刈取機の
一部切欠平面図、第３図は作業実施態様説明図で
ある。 １……刈取機筐、９……走行輪、１１……別の
走行輪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈取機筐１の左右両側部に配設される４個の走
   行輪９……によつて機体を支持して走行させる構
   成の刈取機において、前記４輪のうちの左側部２
   輪又は右側部２輪もしくは４輪とは別個の２輪１
   １，１１を、刈取機筐１の幅方向中央部に位置さ
   せて接地転動可能に取付けできるようにした刈取
   機における走行装置。