JPH07263329A - X線マスクの製造治具およびそれを用いたx線マスクの製造方法 - Google Patents

X線マスクの製造治具およびそれを用いたx線マスクの製造方法

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JPH07263329A
JPH07263329A JP7546494A JP7546494A JPH07263329A JP H07263329 A JPH07263329 A JP H07263329A JP 7546494 A JP7546494 A JP 7546494A JP 7546494 A JP7546494 A JP 7546494A JP H07263329 A JPH07263329 A JP H07263329A
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ray mask
ray
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保直 斎藤
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 少ない工程数でX線マスクの一定領域に反射
防止膜,遮光膜等の膜を形成する。 【構成】 X線マスク載置台21上にX線マスク10と
ステンシルマスクホルダ24を配設する。ステンシルマ
スクホルダ24の開口27に開口部29を有するステン
シルマスク28を配設する。調整機構30によってX線
マスク10を同一平面内で回転させると共に、X,Y方
向に移動させて膜形成領域を開口部29に対応させる。
ビームを照射すると、前記開口部29に対応するX線マ
スク10の一定領域のみに膜が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線リソグラフィに用
いるX線マスクの製造治具およびそれを用いたX線マス
クの製造方法に関し、特に反射防止膜や遮光膜をアライ
メントパタン部等の部分的な領域だけに成膜する際に用
いて好適なX線マスクの製造治具およびX線マスクの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】波長が5オングストロームから15オン
グストロームの範囲の軟X線と呼ばれるX線を用いてマ
スクパタンをシリコンなどに代表される集積回路用ウエ
ハ基板に転写するX線リソグラフィ技術はサブミクロン
メータからナノメータ幅のパタンまで高精度に転写でき
る技術であり、今後の超大容量集積回路や超高速電子デ
バイス開発の有力な手段として注目されている。X線リ
ソグラフィ技術開発の重要な課題として、高精度なパタ
ンを有するX線マスクの作製、及びマスクと転写するウ
エハの高精度な位置合わせを行うアライメントの開発が
あり、精力的な研究開発が進められている。
【0003】図7(a),(b)はX線露光装置に使用
されるX線マスクの従来構造を示すもので、(a)は同
マスクの平面図、(b)は(a)のA−A線断面図であ
る。図中1はマスク基板、2はマスク支持体、3はフレ
ーム、4は吸収体パタン、5は反射防止膜、6は遮光膜
である。マスク基板1はX線透過率を大きくするため、
1〜3μm厚の極薄膜にする必要があり、そのため機械
的強度の大きい材料、例えばSiNやSiC等が用いら
れている。マスク基板1を支持するマスク支持体2は、
平坦性に優れ強度の大きい材料で、かつウインド加工し
易いSiウエハが一般的に用いられ、フレーム3上に接
着剤7によって接合されている。マスク基板1上に形成
される吸収体パタン4は、密度が高く、X線吸収係数の
大きい重金属、例えばAu、Ta、W等が用いられる。
吸収パタン4にはデバイスパタンと位置合わせ用のアラ
イメントパタンがある。位置合わせ用のアライメントパ
タン部には遮光膜6が形成されている。遮光膜6には、
薄い膜厚で遮光性の高いCr等の金属が用いられてい
る。一方、反射防止膜5は光学的特性を備えた低応力膜
である必要があり、レジストやSiO2 およびアルミナ
などが用いられている。
【0004】このようなX線マスクの製造方法は、Si
ウエハ表面にマスク基板材料を堆積し、その上に吸収体
材料を成膜し、電子ビーム描画装置でパタニングした
後、吸収体パタン4を形成する。次に、遮光膜6を形成
し、エッチング法またはリフトオフ法を用いて遮光すべ
き部分を残して取り除く。次に、転写に必要な領域のS
iを裏面からエッチングする。その後、マスク基板1の
両面に反射防止膜5を形成し、最後にマスク支持体2と
フレーム3を接着剤7により接着して完成させる。
【0005】X線露光のアライメントでは、マークの検
出にレーザ光等が用いられている。特に、回折格子を用
いた光ヘテロダイン干渉による位相検出では、高精度の
位置合わせが可能となってきている。しかしながら、マ
スクとウエハとが数十μmで近接した状態で位置合わせ
を行うX線露光では、マスク・ウエハ間でレーザ光が多
重反射し位置合わせ精度が劣化するという問題があっ
た。多重反射の問題を解決するため、X線マスクに反射
防止膜や遮光膜を形成する方法が用いられ、大幅な精度
向上が得られている。これらの膜が必要な理由について
以下に説明する。
【0006】図8はマスク・ウエハ間で生じる多重反射
による干渉の様子を説明するための模式図である。パタ
ンを転写するためのX線マスク10には、位置合わせ用
アライメントマーク(マスク回折格子)8’が、パタン
が転写されるウエハ11には、位置合わせ用アライメン
トマーク(ウエハ回折格子)12’がそれぞれ形成され
ている。実線で示すように位置検出用レーザ光f1 が、
一次回折角の方向から回折格子8’、12’に入射する
と、その回折格子面に垂直な方向に一次回折光8a,7
aがそれぞれ出射する。これらの一次回折光8a,7a
は、位置合わせ信号として用いられる。
【0007】ところで、破線で示したようにマスク回折
格子8’では、マスク回折格子8’で透過回折し、ウエ
ハ面で全反射して再度、マスク回折格子8’を透過した
回折光8b、あるいはマスク回折格子8’を透過し、ウ
エハ面で全反射して再度、マスク回折格子8’で透過回
折した回折光8cなどの多重反射回折光が生じる。一
方、ウエハ回折格子12’ではマスクメンブレンで全反
射しウエハ回折格子12’で全反射して再度、マスクメ
ンブレンを透過した回折光12b、或いはウエハ回折格
子12’で全反射し、マスクメンブレンで全反射しウエ
ハ回折格子で反射回折して再度、マスクメンブレンを透
過した回折光12cなどの多重反射回折光が生じる。多
重反射光としては、マスク・ウエハ間でそれぞれ1回ず
つ全反射、あるいは一次回折して検出側に出射する回折
光のみを示したが、実際にはこれらの反射を繰り返した
回折光も考えられる。これらの多重反射光は、回折光8
a,12aとそれぞれ多重干渉し、位置合わせ精度を劣
化させる。
【0008】多重反射を防止するために、マスク回折格
子8’の場合は、レーザ光を遮光する膜を回折格子部に
形成し、マスク回折格子8’からの透過光を除去すれば
軽減できる。ウエハ回折格子12’の場合は、マスクメ
ンブレンの透過率を良くすることにより軽減できる。マ
スクメンブレンの両面に反射防止膜を形成することによ
り、容易にマスクメンブレンの透過率を向上できる。こ
のように、レーザ光を透過しない遮光膜と反射防止膜と
をX線マスク10に形成することによって、位置合わせ
精度を向上させることができる。
【0009】従来の遮光膜や反射防止膜を形成する場合
に用いる通常の成膜装置では、X線マスクの全面に成膜
される。したがって、遮光膜の場合には、転写パタン領
域にも成膜されるため、転写やアライメントができなく
なる。そのため、アライメントマークの必要な一部分だ
けに形成しなければならない。そこで、転写パタン部分
に成膜された膜は、エッチング法やリフトオフ法等を用
いて除去していた。一方、反射防止膜では、上記した通
りX線透過率の高い膜が用いられ、例えばSiO2 の場
合には、特に除去していない。しかしながら、材料によ
っては、SR光等のX線照射に対し、照射ダメージを受
けて膜質が変化し、位相歪が生じることやパタン露光時
に位相変化によってパタンのボケが生じるなどの問題が
あった。したがって、反射防止膜についてもマーク部分
に限定することが望ましい。
【0010】このように遮光膜や反射防止膜の形成に
は、従来のプロセスを適用して、X線マスクの全面に成
膜した後、加工によって部分的な領域に形成する方法が
一般的である。
【0011】図9および図10はそれぞれ遮光膜の代表
的な形成工程を示す図である。図9に示す形成方法は、
(a)マスク基板1上に吸収体パタン4を形成する工程
と、(b)吸収体パタン4が形成されたマスク基板1の
表面全体に遮光膜6を成膜する工程と、(c)遮光膜6
上にレジスト15を塗布してホト露光する工程と、
(d)ホト露光されたレジスト15を除去する工程と、
(e)遮光膜6部分を残して露出したその他の不要な遮
光膜部分をドライエッチングまたは化学液を用いたウエ
ットエッチングで除去する工程と、(f)残っているレ
ジストを除去する工程とからなる。図10に示す形成方
法は、(a)マスク基板1上に吸収体パタン4を形成す
る工程と、(b)吸収体パタン4が形成されたマスク基
板1の表面全体にレジスト15を塗布してホト露光する
工程と、(c)ホトプロセスを行って吸収体パタン4の
一部分を露出させる工程と、(d)遮光膜6を全面に成
膜する工程と、(e)リフトオフ法で不要な遮光膜およ
びレジストを除去することにより必要な遮光膜6を残す
工程とからなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記した通り遮光膜や
反射防止膜材料の成膜に、従来装置を用いて全面に成膜
し、ホトプロセスやエッチング加工によって一定量領域
に形成する方法が一般的に採用されている。しかしなが
ら、これらの形成方法は、いずれも工程数が多くなり、
製作時間が増加するという問題があった。また、それに
伴って欠陥発生要因も増加するため、大きな問題となっ
ていた。反射防止膜では、X線マスクの全面に形成する
場合には、表面の両面とも特に問題はない。しかし、部
分的な領域に形成する場合には、図9に示した遮光膜を
反射防止膜に置き換えたプロセスで形成するため、遮光
膜と同様の問題が発生する。その上、裏側の一定領域に
形成する場合には、マスク支持基板の厚さがあるため、
その分だけホト露光の際のホトマスクとマスク基板に大
きなギャップが生じ、光の回折によるパタンのボケが生
じるという問題があった。したがって、成膜領域の寸法
を制御することは、困難があった。また、ホトプロセス
をマスク化した後の薄膜上で行うことになるため、取扱
い等が非常に困難な工程となっている。さらに、近年の
デバイスパタンの微細化に伴う無欠陥化の重要性は、さ
らに大きなウエイトを占めつつある。そのため、欠陥を
発生させる要因は極力抑える必要があり、工程数の増加
は、欠陥数を増加させる要因でもあるため、大きな問題
になっていた。その他、一定領域に成膜する方法につい
ては、 イオンビーム成膜装置のように、反応ガスを導
入してビームを照射したところのみに膜を形成する方法
がある。しかし、この種の装置は、非常に高価であるた
め、このような成膜工程への導入に対し、経済的負担が
大きいという問題がった。
【0013】したがって、本発明は上記したような従来
の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするとこ
ろは、少ない工程数で一定領域に遮光膜や反射防止膜を
形成することができ、工程数の削減と、欠陥の発生要因
の抑止と、経済的負担の軽減を可能にしたX線マスクの
製造治具を提供することにある。また、本発明は従来の
成膜装置を用いて少ない工程数でマスクを作製し得るよ
うにしたX線マスクの製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載のX線マスクの製造治具は、X線マス
クを支持する第1の構体と、開口部を有するマスク板が
取り付けられた第2の構体とから構成され、前記第1の
構体と前記第2の構体の間隔を設定し、前記X線マスク
と前記マスク板との間隔を一定に保持する間隔設定部
と、前記マスク板に対する前記X線マスクの位置を調整
する調整機構とを備えたことを特徴とする。請求項2記
載のX線マスクの製造治具は、請求項1記載のX線マス
クの製造治具において、前記間隔設定部は、前記第1の
構体に設けられ前記X線マスクが載置されるマスク支持
部と、前記第2の構体が載置固定される固定部とからな
ることを特徴とする。請求項3記載のX線マスクの製造
方法は、請求項1又は2記載のX線マスクの製造治具に
おいて、前記調整機構は、前記X線マスクを同一平面内
で回転させる回転部材と、前記X線マスクを直交する2
方向に移動させる移動調整手段とからなることを特徴と
する。請求項4記載のX線マスクの製造方法は、吸収体
パタン上の一部に遮光膜と反射防止膜とを有するX線マ
スクの製造方法であって、前記吸収体パタンを所定の領
域に形成した基板と、開口部を有するマスク板とを接触
させずに位置合わせする工程と、前記開口部から金属原
子を前記基板に照射する工程と、を有することを特徴と
する。
【0015】
【作用】本発明において、マスク板は開口部を有し、こ
の開口部を透過する金属原子でX線マスクを照射する
と、この照射された一定領域だけに膜が形成される。間
隔設定部は、X線マスクとマスク板との間隔を一定間隔
に設定保持する。調整機構は、X線マスクを回転および
移動させてマスク板との位置合わせを行い、成膜すべき
領域をマスク板の開口部と対応一致させる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。図1は本発明に係るX線マスクの製造
治具の一実施例を示す一部破断斜視図、図2は位置調整
ねじによるX線マスクの位置出し調整を詳細に説明する
ための要部拡大断面図である。これらの図において、2
0は成膜前のX線マスク10を保持する一定領域膜形成
用の製造治具で、この製造治具20は第1の構体である
円板状のX線マスク載置台21を備えている。X線マス
ク載置台21の上面半径方向中間部にはX線マスク10
の下面外周寄りを支持する環状のマスク支持部22が一
体に突設され、さらにその外側には同じく環状の固定部
26が全周にわたって一体に突設され、その上に第2の
構体であるステンシルマスクホルダ24が設置され、か
つ止めねじ25によって固定されている。マスク支持部
22と、固定部26は、その高さが異なることで前記X
線マスク10と後述するステンシルマスク(マスク板)
28の間隔を一定に保持する間隔設定部23を構成して
いる。前記ステンシルマスクホルダ24は、リング状に
形成されることにより中央に前記X線マスク10より小
さい穴径を有する開口27を有し、裏面側には前記開口
27を塞ぐ前記ステンシルマスク28がその上面外周縁
部を固定されて配設されている。ステンシルマスク28
は前記X線マスク10と略同一外径の円板状に形成さ
れ、前記開口27に臨む表面所要部分にマスク基板の吸
収体パタン上にアライメントパタンを形成するための開
口部29が所要個数形成されている。
【0017】また、前記X線マスク載置台21とステン
シルマスクホルダ24との間には前記X線マスク10を
前記ステンシルマスク28に対して位置決め固定する調
整機構30が配設されている。この調整機構30は、前
記固定部26の内周面を回転ガイドとする回転リング3
1と、回転リング31を回転させると共にX線マスク1
0を直交する2方向(X,Y方向)に移動させる調整手
段としての調整ねじ32とを備えている。回転リング3
1は、前記X線マスク10を同一平面内で回転させるも
ので、周方向に等配されて配設された4つの調整ねじ3
2によって回転方向の位置調整がされた後、前記ステン
シルマスクホルダ24に取り付けられた止めねじ33に
よって前記X線マスク載置台21上に押圧固定されるよ
うに構成されている。前記調整ねじ32は、前記回転リ
ング31をその径方向に螺合貫通して配設され、頭部が
前記X線マスク載置台21の外周面、言い換えれば前記
固定部26に形成された開口部35からX線マスク載置
台21の外部に突出している。前記回転リング31の回
転角度は、前記開口部35の大きさによって決定され
る。したがって、X線マスク10をマスク支持部22上
に載置する場合、回転方向が制限されているため、X線
マスク載置台21に収まるようにする必要がある。ま
た、前記調整ねじ32の先端小径部には前記X線マスク
10の周面を押圧固定する回転自在なマスク押え板36
が止め輪37によって取り付けられており、これによっ
てX線マスク10がX,Yの2方向に移動調整され、位
置決めされる。すなわち、例えばX方向に移動させたい
場合、Y方向に対向する2つの調整ねじ32を緩めた状
態で、X方向に対向する2つの調整ねじ32のうち、マ
スク移動側の調整ねじを回転操作して後退させ、マスク
移動側とは反対側のねじを同じく回転操作して前進させ
ると、当該ねじに設けられたマスク押え板36がX線マ
スク載置台21の上面に沿ってスライドしX線マスク1
0の周面を押圧する。したがって、X線マスク10は移
動方向に押圧移動され、位置調整される。そして、調整
後Y方向の調整ねじを締め付けてマスク押え板36をX
線マスク10の周面に当接させると、X線マスク10は
4つの調整ねじ32によって固定される。同様に、Y方
向に移動させる場合には上記とは反対にX方向に対向す
る2つのねじを緩めておき、Y方向の調整ねじで移動さ
せればよい。このように位置調整ねじ32は、X線マス
ク10の位置出し機能と回転リング31を回転させる取
手としての機能を有するものである。なお、回転リング
31によってX線マスク10を回転させる場合には、予
め4つの調整ねじ32でX線マスク10を保持してお
き、固定ねじ33を緩めて調整ねじ32をX線マスク載
置台21の周方向に移動させればよい。
【0018】ここで、図2に示すようにマスク押え板3
6は、X線マスク10に対する力の作用中心軸が構造上
X線マスク10の中心軸線より下方にずれているため、
X線マスク10がマスク支持部22から浮き上がること
も考えられる。そこで、本発明治具においてはX線マス
ク載置台21に調整ねじ32の軸線方向に進退移動自在
な対向板38を前記マスク押え板36に対向して配設
し、この対向板38の一端面を前記マスク押え板36の
下部に圧縮コイルばね等の付勢手段39によって圧接す
ることにより、X線マスク10の浮き上がりを防止して
いる。
【0019】製造治具20のセッティング方法は、X線
マスク10をX線マスク載置台21に設置し、ステンシ
ルマスク28を保持しているステンシルマスクホルダ2
4をX線マスク載置台21に搭載した後、固定ねじ25
で固定し、一体化する。次に、調整ねじ32で先端に取
り付けられたマスク押え板36をX線マスク10に軽く
押し当てることにより、X線マスク10を仮止め固定す
る。次に、位置決め用のマークあるいはオリフラ等を目
視または顕微鏡を用いて観察しながら、X線マスク10
の膜形成すべき領域とステンシルマスク28の開口部2
9の位置合わせを行う。そのため、まず回転方向の位置
出しを調整ねじ32を持って回転リング31を回転させ
ることによって行い、回転リング31を固定ねじ33に
よって固定する。次に、X方向およびY方向について
は、X軸およびY軸上の2つの調整ねじ32の一方を緩
めて、もう一方を締め付けることによりX線マスク10
をスライドさせて調整する。X線マスク10の位置決め
が決まったとき調整ねじ32を両側から締め付けてX線
マスク10を固定する。位置出しが不十分であった場合
は、回転方向、X,Y方向の調整を繰り返すことによっ
て位置を出し、最終的にX線マスク10および回転リン
グ31を固定することにより位置決めが完了したことに
なる。このような構成からなる製造治具20において
は、マスク支持部22と固定部26とからなる間隔設定
部23をX線マスク載置台21に一体もしくは一体的に
設けているので、構造が簡単であり、また調整機構30
の構成も簡単で操作性に優れている。
【0020】図3は上記した製造治具におけるステンシ
ルマスク28とX線マスク10のギャップ設定方法を説
明するための図である。遮光膜や反射防止膜を形成する
工程では、X線マスク10には既に吸収体パタンが形成
されているため、ステンシルマスク28とX線マスク1
0にギャップを設ける必要がある。ギャップ設定は、図
3に示すようにステンシルマスク28の厚さtsと、X
線マスク10の厚さtmが決定された後、ギャップ寸法
Δx、精度誤差αを加味して、X線マスク載置台21の
段差a(マスク支持部22と固定部26の高さの差)
と、ステンシルマスクホルダ24の下面外周部に設けら
れた段差bにより、次式によって設計される。 a−b=(tm+ts)+Δx+α このため、ギャップ寸法Δxは、製造治具20の加工精
度によって左右される。ギャップΔxの大きさは、大き
すぎると成膜装置の種類とその特性にもよるが、成膜領
域の寸法精度に影響を及ぼす。
【0021】一定領域への膜成形方法は、上記した通り
位置出しされた製造治具20を成膜装置に設置した後、
膜を形成する。例えば、Crの遮光膜を真空蒸着法で一
定領域に形成する場合について、図4に示す。真空蒸着
装置40に製造治具20のステンシル側を蒸着源41に
向けて設置し、電子ビームによってるつぼ42内のCr
43を溶解、蒸発させることにより、製造治具20の蒸
着源41側の面にCr膜が形成される。このとき、X線
マスク10は、ステンシルマスク28があるため、ステ
ンシルマスク28の開口部29の領域に限られて成膜さ
れる。したがって、X線マスク10の遮光膜の形成領域
は、ステンシルマスク28の開口部29だけの一定領域
に限定されて形成できることになる。
【0022】真空蒸着法を使用した場合のステンシルマ
スク28とX線マスク10間のギャップΔxは、蒸着源
41の直径をr、蒸着源41と試料の距離をLとすれ
ば、膜形成領域周辺部でのボケ量をΔrとすると、次式
で表される。 Δx=Δr・L/r r=5mm、L=300mmのときは、ボケ量Δrを1
0μmでよいとすると、Δx=600μmとなる。この
ように、ステンシルマスク28とX線マスク10間のギ
ャップΔxが比較的大きく、余裕があることから、X線
マスク10のセッティングの際にステンシルマスク28
と接触して表面に損傷を与えることはない。また、製造
治具20を製作する場合も加工精度が厳しくないため、
製作が容易であり、したがって、安価に製作できる。な
お、成膜部との段差を生じるX線マスク裏面への一定領
域の成膜に対しては、後述するようにステンシルマスク
の形状を変えることで容易に対処することができる。
【0023】成膜領域の精度が要求される場合には、マ
スク板としてステンシルマスクを用いると、一定方向か
ら金属原子やクラスタが入射でき、その直行性が優れて
いる成膜法がよい。スパッタリング法などでは成膜部境
界のボケ量が大きくなるため、成膜領域の精度が劣る。
【0024】図5はSi製ステンシルマスクの作製方法
を説明するための製作工程図である。ステンシルマスク
28の開口部29は、X線マスク10の膜を形成する領
域に位置を合わせる必要がある。このため、ステンシル
マスク材料としては、Siウエハが扱い易い。その理由
は、開口部29が矩形の場合には、結晶の面方位を利用
できること、またX線マスク10の支持基板がSiウエ
ハであることから、位置合わせにオリフラ等が利用でき
るためである。Si製のステンシルマスク28の作製方
法は、まずSiウエハにSiエッチングに対するマスク
材料としてSiN膜を形成する()。その他のマスク
材料を用いる場合には、Siエッチング溶液に対する耐
食性があればよい。次に、ホトプロセスを行い所望のサ
イズと位置に開口部とすべき領域を露出させ(,
)、その領域のSiNをエッチングしてSiを露出さ
せる()。次に、加熱(約100°C)した水酸化カ
リウムの水溶液で露出したSiをエッチングする
()。最後にフッ酸でSiNを除去し、Siのステン
シルマスクとして完成する()。
【0025】図6はX線マスク10の裏面のように大き
な段差がある場合、すなわち成膜部とステンシルのギャ
ップが非常に大きくなってしまうときのステンシルマス
クの作製方法と使用方法の説明図である。大きな段差を
図5で示したステンシルマスク28で成膜すると、ギャ
ップが大きすぎて成膜領域周辺にボケが生じる。例え
ば、このときのギャップを2mmとし、真空蒸着法で成
膜した場合を、単純に計算してもボケ量は30μm以上
となってしまう。さらに、成膜領域が小さい場合には、
成膜できないこともある。このような場合に反射防止膜
や、遮光膜を一定領域に成膜する方法は、図6に示した
ように、複数のステンシル28,28’を準備し、これ
らを接着して使用する。第1のステンシルマスク28は
X線マスク10の凹部より小さい大きさ、すなわちウイ
ンドサイズより小さい外形寸法のものを作製し、第2の
ステンシルマスク28’は、第1のステンシルマスク2
8の外形寸法より小さい開口部を設けて、2つのステン
シル28,28’を接着する。このようにすることによ
り、第1のステンシルマスク28の厚さ分だけ、X線マ
スク10の支持基板(Si)2の凹部に接近できるた
め、X線マスク10の成膜しようとするマスク基板裏面
とのギャップを小さくすることができる。したがって、
開口部からの成膜領域の広がりを防止するため、開口部
の寸法精度を忠実に反映でき、大幅にボケ量を減少させ
ることが可能となる。すなわち、成膜領域の寸法精度を
向上させることが可能となる。
【0026】なお、ステンシルマスクについては、材料
や開口部の形状、精度、大きさに制限されるものではな
く、成膜領域や形状等に応じて選択する。例えば、開口
部の形状が矩形の場合には、Siが結晶の面方位を利用
できるため、有効であるが、円形等の場合には、金属板
やガラス等を加工して用いたほうが有効である。また、
本実施例の一定領域膜形成用製造治具については、X線
マスクの装着、位置出し、成膜装置への設置を手動で行
う手法について述べたが、自動化も可能である。また、
本実施例では、成膜対象にX線マスクの遮光膜や反射防
止膜を取り上げたが、一定領域に成膜するものであれ
ば、X線マスクに制限されるものではない。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るX線マ
スクの製造治具によれば、開口部を有するマスク板を備
えているので、この開口部を通して成膜領域だけに膜を
形成することができ、したがって、ホトプロセスやエッ
チング加工等の工程を行う必要がなく、また従来装置を
使用できることから、工程数の削減、さらにそれに伴う
欠陥の低減化に効果があり、X線マスク製作における経
済的な効果がある。また、本発明による製造治具は間隔
設定部と調整機構を備えているので、X線マスクとマス
ク基板との間隔を一定に保持すると共に、X線マスクと
マスク基板との位置合わせを可能にする。また、間隔設
定部と調整機構も構造が簡単で、安価に治具を製作する
ことができる。本発明によるX線マスクの製造方法は、
開口部を有するマスク板を金属原子で照射すると、X線
マスクには前記開口部に対応する一定領域にのみ膜を成
形することができる。したがって、ホトプロセスやエッ
チング加工等の工程が不要で、工程数の削減と欠陥発生
を軽減防止し得る。成膜領域の精度が要求される場合に
は、マスク板としてステンシルマスクを用いると、一定
方向から金属原子やクラスタが入射でき、その直行性が
優れている成膜法がよい。真空蒸着法は、蒸着源とステ
ンシルマスクとの距離を30cmにした場合、ステンシ
ルマスクとX線マスクとのギャップを300μm以上に
しても成膜部境界のボケが少ない。スパッタリング法な
どでは成膜部境界のボケ量が大きくなるため、成膜領域
の精度が劣る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るX線マスクの製造治具の一実施
例を示す一部破断斜視図である。
【図2】 位置調整ねじによるX線マスクの位置出し調
整を詳細に説明するための要部拡大断面図である。
【図3】 製造治具におけるステンシルマスクとX線マ
スクのギャップ設定方法を説明するための図である。
【図4】 製造治具におけるステンシルマスクとX線マ
スクのギャップ設定方法を説明するための図である。
【図5】 Si製ステンシルマスクの作製方法を説明す
るための製作工程図である。
【図6】 X線マスクの裏面のように大きな段差がある
場合、すなわち成膜部とステンシルのギャップが非常に
大きくなってしまうときのステンシルマスクの作製方法
と使用方法の説明図である。
【図7】 (a),(b)は従来のX線マスクの平面図
およびA−A線断面図である。
【図8】 X線マスクとウエハのアライメントで生じる
多重干渉を説明するための模式図である。
【図9】 エッチング法による遮光膜形成工程の説明図
である。
【図10】 リフトオフ法による遮光膜形成工程の説明
図である。
【符号の説明】 1…マスク基板、2マスク支持体、3…フレーム、4…
吸収体パタン、5…反射防止膜、6…遮光膜、10…X
線マスク、20…製造治具、21…X線マスク載置台、
22…マスク支持部、23…間隔設定部、24…ステン
シルマスクホルダ、26…固定部、27…開口、28…
ステンシルマスク、29…開口部、30…調整機構、3
1…回転リング、33…調整ねじ。
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 雅則 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線マスクを支持する第1の構体と、開
    口部を有するマスク板が取り付けられた第2の構体とか
    ら構成され、前記第1の構体と前記第2の構体の間隔を
    設定し、前記X線マスクと前記マスク板との間隔を一定
    に保持する間隔設定部と、前記マスク板に対する前記X
    線マスクの位置を調整する調整機構とを備えたことを特
    徴とするX線マスクの製造治具。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のX線マスクの製造治具に
    おいて、 前記間隔設定部は、前記第1の構体に設けられ前記X線
    マスクが載置されるマスク支持部と、前記第2の構体が
    載置固定される固定部とからなることを特徴とするX線
    マスクの製造治具。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のX線マスクの製造
    治具において、 前記調整機構は、前記X線マスクを同一平面内で回転さ
    せる回転部材と、前記X線マスクを直交する2方向に移
    動させる移動調整手段とからなることを特徴とするX線
    マスクの製造治具。
  4. 【請求項4】 吸収体パタン上の一部に遮光膜と反射防
    止膜とを有するX線マスクの製造方法であって、 前記吸収体パタンを所定の領域に形成した基板と、開口
    部を有するマスク板とを接触させずに位置合わせする工
    程と、 前記開口部から金属原子を前記基板に照射する工程と、 を有することを特徴とするX線マスクの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7628862B2 (en) 2003-05-13 2009-12-08 Dainippon Screen Mfg. Co., Ltd. Treating solution supply nozzle, a substrate treating apparatus having this nozzle, and a method of manufacturing a treating solution supply nozzle
WO2019067841A1 (en) * 2017-09-29 2019-04-04 Molex, Llc REFLECTIVE LAYER COATING JIB APPARATUS FOR REFLECTOR AND REFLECTOR MANUFACTURING METHOD

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US7628862B2 (en) 2003-05-13 2009-12-08 Dainippon Screen Mfg. Co., Ltd. Treating solution supply nozzle, a substrate treating apparatus having this nozzle, and a method of manufacturing a treating solution supply nozzle
WO2019067841A1 (en) * 2017-09-29 2019-04-04 Molex, Llc REFLECTIVE LAYER COATING JIB APPARATUS FOR REFLECTOR AND REFLECTOR MANUFACTURING METHOD

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