JPH07261908A - 位置検出装置及び方法 - Google Patents

位置検出装置及び方法

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JPH07261908A
JPH07261908A JP7394494A JP7394494A JPH07261908A JP H07261908 A JPH07261908 A JP H07261908A JP 7394494 A JP7394494 A JP 7394494A JP 7394494 A JP7394494 A JP 7394494A JP H07261908 A JPH07261908 A JP H07261908A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 位置検出装置において、高速サンプリング及
び高速演算処理を用いることなく、位置指示器の座標を
短時間で正確に求める。 【構成】 多数のループコイルを並設したセンス部1と
位置指示器(入力ペン)3との電磁作用により生じた受
信信号50に基づいて信号処理を行い、得られたデータ
値を用いて入力ペンの座標を算出する位置検出装置であ
る。信号処理において、1組の互いに直交関係にある位
相検波信号とそのそれぞれと反転関係にある1組の位相
検波信号を用い、受信信号に対して乗算及び積分からな
るアナログ位相検波を行い、目的の周波数成分の実数部
及び虚数部の各値を得る。その後これらのデータ値に対
して所定の加減算を行うことによりアナログ位相検波部
70におけるオフセット及び素子の利得差に起因する誤
差を相殺し、正確なデータを得た後、精度の良い簡易な
近似式を用いて座標の算出のための振幅及び位相角の計
算を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、位置指示器を用いて指
定位置の座標値等を求める位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この出願に先立ち、出願人は特開平第3
−147012号(以下、先願と称する)により、セン
ス部と位置指示器との間で電波を送受し該位置指示器に
よる指定位置の座標値等を求める位置検出装置におい
て、検出時間の短縮、測定条件の選択度の拡張及び小型
化を実現する手段を具備した装置を提案した。前記先願
の内容を簡単に説明する。先ず、多数のループコイルを
位置検出方向に並設してなるセンス部を複数のループコ
イルのグループに分割し、各グループより1つずつのコ
イルを選択してそれらに同時に交流信号を加えて電波を
発生させ、該電波により位置指示器に内蔵した同調回路
を励振させる。この際、該同調回路から発信される電波
を前記選択されたループコイルに受信させて誘導電圧を
発生させる。これを前記各グループ内の複数のループコ
イルについて順次切替えて繰返し、各ループコイルに発
生する誘導電圧、すなわち、受信信号の振幅及び位相角
を検出し、これらに基づいて指定位置の座標値等を求め
ていた。
【0003】先願の特徴の1つは、前記各グループの複
数のループコイルの切替え順序を各々所定順序とするこ
とにより、得られた信号振幅のパターンが位置指示器の
位置するループコイルを示すべく1対1対応するように
して、位置指示器の位置を判別することである。これに
より、多数のループコイルを一つずつ切替える場合に比
べ検出時間が短縮される。さらに先願の別の特徴は、周
波数等を任意に設定可能な交流信号を検出信号として用
いかつその信号発生手段及び受信信号処理手段にデジタ
ル信号処理を組み込むことにより、複数の位置指示器の
使用を可能にするとともに装置の小型化を実現すること
である。
【0004】先願の信号処理手段に関して具体的に述べ
ると、先ず、受信信号を所定周期でサンプリングしてデ
ジタル・アナログ変換を行い、次にこれに対して離散フ
ーリエ変換を実行することにより、受信信号に含まれる
任意の周波数成分についての振幅及び位相を算出してい
た。これによれば、一のループコイルについて複数の周
波数の位相及び振幅を確実に算出することが可能であ
り、それ以前のセラミックフィルタを用いたものに比べ
て共振周波数の異なる複数の位置指示器を同時に使用す
ることができるとともに実装面積を縮小することもでき
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、離散フ
ーリエ変換の信頼性を得るためには、前記所定周期(受
信期間)におけるサンプリングの数が所定の数以上必要
である。すなわち、非常に高周波のサンプリング信号
(クロック)を用いてサンプリングを行なわななければ
ならないという問題点があった。例えば、先願の、実施
例では32μSecの受信期間中に500kHzの16
波の正弦波信号を受信し、これを128個の6ビットデ
ジタルデータに変換する。よって、250nSec毎に
サンプリングするための4MHzのクロックが必要であ
る。実際には、高速のアナログ・デジタル(AD)変換
器を用いる。高速性と分解能を共に備えたAD変換器及
び後段の離散フーリエ変換を行う演算処理部分は、この
様な高速データを処理するために回路規模と消費電力が
大きくなる。また、高速AD変換器は、その内部回路の
ノイズ等による誤差要因が低速AD変換器に比べて多
い。さらにこれらの処理を制御するコンピュータのCP
Uの負担も大きくなるため、これを補助するためのデジ
タル・シグナル・プロセッサ(DSP)を付設しなけれ
ばならない。
【0006】また、高速AD変換を用いない別の方法と
して、受信信号をアナログ信号のままでフーリエ変換を
行って任意の周波数に対する振幅及び位相に相当する信
号を得る方法が考えられる。これは一般に位相検波器あ
るいは同期検波器と呼ばれるもので、具体的には、受信
信号と任意の周波数の交流信号とをアナログ的に乗算し
た後積分する機能を有する。これによって受信信号中の
該周波数成分の振幅及び位相角に関連した出力値が得ら
れる。その後、低速AD変換を行い、そのデジタル・デ
ータに基づいて座標値等の算出を行えばよい。しかしな
がら、一般的なアナログ位相検波器の問題点として、回
路を構成する素子である演算増幅器固有のオフセット電
圧、ドリフト等により、あるいはこれら複数の素子間の
利得のばらつきにより、その出力信号に誤差を生じてし
まうことがある。このような誤差を含む値に基づいて振
幅、位相角を算出した場合、その後の座標値等の値も実
際とは異なり正確な位置が検出されない結果となる。
【0007】本発明の目的は、高速サンプリング及び高
速演算処理を用いることなく、位置指示器の位置を正確
かつ速やかに検出することである。また本発明の別の目
的は、高速サンプリング及び高速演算処理を用いること
なく、使用する交流信号の周波数、位相、振幅を任意に
設定可能にし、複数の位置指示器を同時に使用可能とす
ることである。また本発明の別の目的は、位置検出装置
における消費電力及びコストを低減させることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
1)上記目的を達成するために本発明は、多数のループ
コイルを位置検出方向に並設してなるセンス部と少なく
ともコイルを有する位置指示器との間の電磁作用に基づ
いて位置指示器による指定位置の座標値等を求める位置
検出装置において、前記センス部からの受信信号を受け
てそれに基づいて信号処理を行う信号処理手段と、前記
位置指示器の座標を算出する座標算出手段とを有し、前
記信号処理手段が、互いに直交関係にある位相検波信号
と該位相検波信号のそれぞれと互いに反転関係にある位
相検波信号とを含む複数の位相検波信号を発生可能な位
相検波信号発生部と、前記複数の位相検波信号を切替え
る切替部と、前記複数の位相検波信号を前記受信信号に
適用してアナログ的に乗算及び積分を実行し、該受信信
号中の任意の周波数成分に対応する複数の実数部の値及
び虚数部の値を出力するアナログ位相検波部と、前記複
数の実数部の値及び虚数部の値をデジタル信号に変換す
るアナログ・デジタル変換部と、前記複数の実数部の値
及び虚数部の値に含まれるオフセット成分と利得差の双
方又はいずれかを相殺すべく、該複数の実数部の値及び
虚数部の値に対して所定の加算と減算の双方又はいずれ
かを行う第1の演算部とを具備し、前記座標算出手段
が、前記第1の演算部の演算結果を用いて前記受信信号
中の任意の周波数成分に対する振幅と位相角の双方又は
いずれかを算出する第2の演算部を具備したことを特徴
とする位置検出装置を提供する。
【0009】2)さらに本発明は、多数のループコイル
を位置検出方向に並設してなるセンス部と少なくともコ
イルを有する位置指示器との間の電磁作用に基づいて位
置指示器による指定位置の座標値等を求める位置検出装
置において、前記センス部からの受信信号を受けてそれ
に基づいて信号処理を行う信号処理手段と、前記位置指
示器の座標を算出する座標算出手段とを有し、前記信号
処理手段が、互いに直交関係にある1組の位相検波信号
と該1組の位相検波信号のそれぞれと互いに反転関係に
ある別の1組の位相検波信号とを発生可能な位相検波信
号発生部と、前記4つの位相検波信号を切替える切替え
部と、前記4つの位相検波信号を前記受信信号に適用し
てアナログ的に乗算及び積分を実行し、該受信信号中の
任意の周波数成分に対応する2つの実数部の値及び2つ
の虚数部の値を出力するアナログ位相検波部と、前記2
つの実数部の値及び2つの虚数部の値をデジタル信号に
変換するアナログ・デジタル変換部と、前記2つの実数
部の値及び2つの虚数部の値に含まれるオフセット成分
を相殺すべく、該2つの実数部の値及び2つの虚数部の
値に対して所定の減算を行う第1の演算部とを具備し、
前記座標算出手段が、前記第1の演算部の演算結果を用
いて前記受信信号中の任意の周波数成分に対する振幅と
位相角の双方又はいずれかを算出する第2の演算部を具
備したことを特徴とする位置検出装置を提供する。
【0010】3)さらに本発明は、多数のループコイル
を位置検出方向に並設してなるセンス部と少なくともコ
イルを有する位置指示器との間の電磁作用に基づいて位
置指示器による指定位置の座標値等を求める位置検出装
置において、前記センス部からの受信信号を受けてそれ
に基づいて信号処理を行う信号処理手段と、前記位置指
示器の座標を算出する座標算出手段とを有し、前記信号
処理手段が、2つの互いに直交関係にある位相検波信号
を発生可能な位相検波信号発生部と、前記2つの位相検
波信号を切替える切替え部と、前記2つの位相検波信号
を前記受信信号に適用してアナログ的に乗算及び積分を
実行し、該受信信号中の任意の周波数成分に対応する2
つの実数部の値及び2つの虚数部の値を出力するアナロ
グ位相検波部と、前記2つの実数部の値及び2つの虚数
部の値をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変
換部と、前記2つの実数部の値及び2つの虚数部の値に
含まれる利得差を相殺すべく、該2つの実数部の値及び
2つの虚数部の値に対して所定の加算を行う第1の演算
部とを具備し、前記座標算出手段が、前記第1の演算部
の演算結果を用いて前記受信信号中の任意の周波数成分
に対する振幅と位相角の双方又はいずれかを算出する第
2の演算部を具備したことを特徴とする位置検出装置を
提供する。
【0011】4)さらに本発明は、上記1)の装置にお
いて、前記信号処理手段における前記複数の位相検波信
号が、互いに位相の90゜異なる第1及び第2の位相検
波信号並びに該第1及び該第2の位相検波信号とそれぞ
れ位相の180゜異なる第3及び第4の位相検波信号を
含み、 前記アナログ位相検波部が、第1及び第2のア
ナログ位相検波器からなりかつそれぞれが乗算手段と積
分手段とを含み、前記複数の実数部の値及び虚数部の値
が、第1及び第3の位相検波信号による第1及び第2の
位相検波器の出力であるそれぞれの実数部の値と、第2
及び第4の位相検波信号による第1及び第2の位相検波
器の出力であるそれぞれの虚数部の値とからなり、前記
第1の演算部における所定の加算及び減算が、第1及び
第3の位相検波信号による第1の位相検波器の出力であ
る実数部の値同士の差を算出しかつ第1及び第3の位相
検波信号による第2の位相検波器の出力である実数部の
値同士の差を算出した後これらを加算する演算又は第1
の位相検波信号による第1及び第2の位相検波器の出力
である実数部の値同士を加算しかつ第3の位相検波信号
による第1及び第2の位相検波器の出力である実数部の
値同士を加算した後これらの差を算出する演算と、第2
及び第4の位相検波信号による第1の位相検波器の出力
である虚数部の値同士の差を算出しかつ第2及び第4の
位相検波信号による第2の位相検波器の出力である虚数
部の値同士の差を算出した後これらを加算する演算又は
第2の位相検波信号による第1及び第2の位相検波器の
出力である虚数部の値同士を加算しかつ第4の位相検波
信号による第1及び第2の位相検波器の出力である虚数
部の値同士を加算した後これらの差を算出する演算とを
含み、前記座標算出手段が、前記第1の演算部の演算結
果を用いて前記受信信号中の任意の周波数成分に対する
振幅と位相角の双方又はいずれかを算出する第2の演算
部を具備したことを特徴とする位置検出装置を提供す
る。
【0012】5)さらに本発明は、上記2)の装置にお
いて、前記信号処理手段における前記4つの位相検波信
号とが、互いに位相の90゜異なる第1及び第2の位相
検波信号並びに該第1及び該第2の位相検波信号とそれ
ぞれ位相の180゜異なる第3及び第4の位相検波信号
であり、前記アナログ位相検波部が、第1及び第2のア
ナログ位相検波器からなりかつそれぞれが乗算手段と積
分手段とを含み、前記2つの実数部の値及び2つの虚数
部の値が、第1及び第3の位相検波信号による第1の位
相検波器の出力であるそれぞれの実数部の値と、第2及
び第4の位相検波信号による第2の位相検波器のそれぞ
れの虚数部の値とからなり、前記第1の演算部における
所定の減算が、第1及び第3の位相検波信号による第1
の位相検波器の実数部の値同士の差を算出し、第2及び
第4の位相検波信号による第1の位相検波器の虚数部の
値同士の差を算出する演算を含み、前記座標算出手段
が、前記第1の演算部の演算結果を用いて前記受信信号
中の任意の周波数成分に対する振幅と位相角の双方また
はいずれかを算出する第2の演算部を具備したことを特
徴とする位置検出装置を提供する。
【0013】6)さらに本発明は、上記3)の装置にお
いて、前記信号処理手段における前記2つの位相検波信
号が、互いに位相の90゜異なる第1及び第2の位相検
波信号であり、前記アナログ位相検波部が、第1及び第
2のアナログ位相検波器からなりかつそれぞれが乗算手
段と積分手段とを含み、前記2つの実数部の値及び2つ
の虚数部の値が、第1の位相検波信号による第1及び第
2の位相検波器の出力であるそれぞれの実数部の値と、
第2の位相検波信号による第1及び第2の位相検波器の
出力であるそれぞれの虚数部の値とからなり、前記第1
の演算部における所定の加算が、第1の位相検波信号に
よる第1及び第2の位相検波器の実数部の値同士の和を
算出し、第2の位相検波信号による第1及び第2の位相
検波器の虚数部の値同士の和を算出する演算を含み、前
記座標算出手段が、前記第1の演算部の演算結果を用い
て前記受信信号中の任意の周波数成分に対する振幅と位
相角の双方又はいずれかを算出する第2の演算部を具備
したことを特徴とする位置検出装置を提供する。
【0014】7)さらに本発明は、上記4)乃至6)の
いずれかの装置において、前記位相検波信号発生部によ
り発生される位相検波信号が、極性切替信号であり、前
記アナログ位相検波器の乗算手段が、前記受信信号の反
転波形信号及び非反転波形信号を発生する手段と、前記
極性切替信号により制御され、該信号の極性反転周期と
同一の周期で切替わるスイッチとを含み、前記スイッチ
により交互に切替えられる前記反転信号と前記非反転信
号とからなる前記乗算手段の出力信号が、前記受信信号
と双極性方形波との乗算処理の結果得られる信号と等価
であることを特徴とする位置検出装置を提供する。
【0015】8)さらに本発明は、上記4)乃至6)の
いずれかの装置において、前記位相検波信号発生部によ
り発生される位相検波信号が、アナログサイン波信号で
あり、前記アナログ位相検波器の乗算手段が、前記受信
信号と前記アナログサイン波信号とを乗算するアナログ
乗算器を含むことを特徴とする位置検出装置を提供す
る。
【0016】9)さらに本発明は、上記4)乃至6)の
いずれかの装置において、前記位相検波信号発生部によ
り発生される位相検波信号が、デジタル疑似サイン信号
であり、前記アナログ位相検波器の乗算手段が、デジタ
ル−アナログ変換器とアナログ乗算器とを含むことを特
徴とする位置検出装置を提供する。
【0017】10)さらに本発明は、上記4)乃至6)
のいずれかの装置において、前記位相検波信号発生部に
より発生される位相検波信号が、デジタル疑似サイン信
号であり、乗算型デジタル・アナログ変換器に前記デジ
タル疑似サイン信号を入力しかつ該乗算型デジタル・ア
ナログ変換器の参照信号として前記受信信号を入力する
ことにより、アナログ位相検波部の乗算手段を実現する
ことを特徴とする位置検出装置を提供する。
【0018】11)さらに本発明は、多数のループコイ
ルを位置検出方向に並設してなるセンス部と少なくとも
コイルを有する位置指示器との間の電磁作用に基づいて
位置指示器による指定位置の座標値等を求める位置検出
装置において、前記センス部からの受信信号を受けてそ
れに基づいて信号処理を行う信号処理手段と、前記位置
指示器の座標を算出する座標算出手段とを有し、前記信
号処理手段が、前記受信信号と同位相の第1の位相検波
信号と、該受信信号と逆位相の第2の位相検波信号とを
該受信信号から生成する位相検波信号発生部と、前記第
1の位相検波信号と前記第2の位相検波信号とを切替え
る切替部と、前記第1及び第2の位相検波信号を前記受
信信号に適用してアナログ的に乗算及び積分を実行し、
該受信信号中の基本周波数成分に対応する2つの実数部
の値を出力するアナログ位相検波部と、前記2つの実数
部の値をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変
換部と、前記2つの実数部の値に含まれるオフセット成
分を相殺すべく、該2つの実数部の値に対して所定の減
算を行う第1の演算部とを具備し、前記座標算出手段
が、前記第1の演算部の演算結果を用いて前記受信信号
中の基本周波数成分に対する振幅を算出する第2の演算
部を具備することを特徴とする位置検出装置を提供す
る。
【0019】12)さらに本発明は、上記11)の装置
において、前記第1及び第2の位相検波信号が、前記受
信信号を比較器に入力し、その非反転出力及び反転出力
をそれぞれ取出すことにより生成される極性切替信号で
あり、前記アナログ位相検波器の乗算手段が、前記受信
信号の反転波形信号及び非反転波形信号を発生する手段
と、前記第1及び第2の位相検波信号である極性切替信
号の極性反転周期と同一の周期で切替わるスイッチとを
含み、前記スイッチにより交互に切替えられる前記反転
信号と前記非反転信号とからなる前記乗算手段の出力信
号が、前記受信信号と双極性方形波との乗算処理の結果
得られる信号と等価であることを特徴とする位置検出装
置を提供する。
【0020】13)さらに本発明は、上記11)の装置
において、前記第1及び第2の位相検波信号が、前記受
信信号を演算増幅器に入力し、その非反転出力及び反転
出力をそれぞれ取出すことにより生成される信号であ
り、前記アナログ位相検波器の乗算手段が、前記受信信
号と前記第1の位相検波信号又は前記受信信号と前記第
2の位相検波信号とを乗算するアナログ乗算器を含むこ
とを特徴とする位置検出装置を提供する。
【0021】14)さらに本発明は、上記2)の装置に
おいて、前記アナログ位相検波部が、1つの乗算手段及
び1つの積分手段を含むアナログ位相検波器からなり、
前記4つの位相検波信号を前記受信信号に順次適用して
前記2つの実数部の値及び前記2つの虚数部の値を出力
することを特徴とする位置検出装置を提供する。
【0022】15)さらに本発明は、多数のループコイ
ルを位置検出方向に並設してなるセンス部と少なくとも
コイルを有する位置指示器との間の電磁作用に基づいて
位置指示器による指定位置の座標値等を求める位置検出
方法であって、前記センス部からの受信信号を受けてそ
れに基づいて信号処理を行うことにより前記位置指示器
による座標を算出し、前記信号処理において、互いに直
交関係にある位相検波信号と該位相検波信号のそれぞれ
と互いに反転関係にある位相検波信号とを含む複数の位
相検波信号を発生し、前記複数の位相検波信号を切替
え、前記複数の位相検波信号を前記受信信号に適用して
アナログ的に乗算及び積分を実行し、該受信信号中の任
意の周波数成分に対応する複数の実数部の値及び虚数部
の値を出力し、前記複数の実数部の値及び虚数部の値を
デジタル信号に変換し、前記複数の実数部の値及び虚数
部の値に含まれるオフセット成分と利得差の双方又はい
ずれかを相殺すべく、該複数の実数部の値及び虚数部の
値に対して所定の加算と減算の双方又はいずれかを行
い、前記座標算出において、前記加減算の結果得られた
値を用いて前記受信信号中の任意の周波数成分に対する
振幅と位相角の双方又はいずれかを算出することを特徴
とする位置検出方法を提供する。
【0023】16)さらに本発明は、上記15)の方法
において、前記複数の実数部の値及び虚数部の値に対し
て所定の加算と減算の双方又はいずれかを行った後に、
デジタル信号に変換することを特徴とする位置検出方法
を提供する。
【0024】17)さらに本発明は、多数のループコイ
ルを位置検出方向に並設してなるセンス部と少なくとも
コイルを有する位置指示器との間の電磁作用に基づいて
位置指示器による指定位置の座標値等を求める位置検出
方法であって、前記センス部からの受信信号を受けてそ
れに基づいて信号処理を行うことにより前記位置指示器
の座標を算出し、前記信号処理において、互いに直交関
係にある1組の位相検波信号と該1組の位相検波信号の
それぞれと互いに反転関係にある別の1組の位相検波信
号とを発生し、前記4つの位相検波信号を切替え、前記
4つの位相検波信号を前記受信信号に適用してアナログ
的に乗算及び積分を実行し、該受信信号中の任意の周波
数成分に対応する2つの実数部の値及び2つの虚数部の
値を出力し、前記2つの実数部の値及び2つの虚数部の
値をデジタル信号に変換し、前記2つの実数部の値及び
2つの虚数部の値に含まれるオフセット成分を相殺すべ
く、該2つの実数部の値及び2つの虚数部の値に対して
所定の減算を行い、前記座標算出において、前記減算の
結果得られる値を用いて前記受信信号中の任意の周波数
成分に対する振幅と位相角の双方又はいずれかを算出す
ることを特徴とする位置検出方法を提供する。
【0025】18)さらに本発明は、上記17)の方法
において、前記2つの実数部の値及び2つの虚数部の値
に対して所定の減算を行った後に、デジタル信号に変換
することを特徴とする位置検出方法を提供する。
【0026】19)さらに本発明は、多数のループコイ
ルを位置検出方向に並設してなるセンス部と少なくとも
コイルを有する位置指示器との間の電磁作用に基づいて
位置指示器による指定位置の座標値等を求める位置検出
方法において、前記センス部からの受信信号を受けてそ
れに基づいて信号処理を行うことにより前記位置指示器
の座標を算出し、前記信号処理において、2つの互いに
直交関係にある位相検波信号を発生し、前記2つの位相
検波信号を切替え、前記2つの位相検波信号を前記受信
信号に適用してアナログ的に乗算及び積分を実行し、該
受信信号中の任意の周波数成分に対応する2つの実数部
の値及び2つの虚数部の値を出力し、前記2つの実数部
の値及び2つの虚数部の値をデジタル信号に変換し、前
記2つの実数部の値及び2つの虚数部の値に含まれる利
得差を相殺すべく、該2つの実数部の値及び2つの虚数
部の値に対して所定の加算を行い、前記座標算出におい
て、前記第1の演算部の演算結果を用いて前記受信信号
中の任意の周波数成分に対する振幅と位相角の双方又は
いずれかを算出することを特徴とする位置検出方法を提
供する。
【0027】20)さらに本発明は、上記19)の方法
において、前記2つの実数部の値及び2つの虚数部の値
に対して所定の加算を行った後に、デジタル信号に変換
することを特徴とする位置検出方法を提供する。
【0028】21)さらに本発明は、多数のループコイ
ルを位置検出方向に並設してなるセンス部と少なくとも
コイルを有する位置指示器との間の電磁作用に基づいて
位置指示器による指定位置の座標値等を求める位置検出
方法であって、前記センス部からの受信信号を受けてそ
れに基づいて信号処理を行うことにより前記位置指示器
の座標を算出し、前記信号処理において、前記受信信号
と同位相の第1の位相検波信号と、該受信信号と逆位相
の第2の位相検波信号とを該受信信号から生成し、前記
第1の位相検波信号と前記第2の位相検波信号とを切替
え、前記第1及び第2の位相検波信号を前記受信信号に
適用してアナログ的に乗算及び積分を実行し、該受信信
号中の基本周波数成分に対応する2つの実数部の値を出
力し、前記2つの実数部の値をデジタル信号に変換し、
前記2つの実数部の値に含まれるオフセット成分を相殺
すべく、該2つの実数部の値に対して所定の減算を行
い、前記座標算出において、前記減算の結果得られた値
を用いて前記受信信号中の基本周波数成分に対する振幅
を算出することを特徴とする位置検出方法を提供する。
【0029】22)さらに本発明は、上記21)の方法
において、前記2つの実数部の値に対して所定の減算を
行った後に、デジタル信号に変換することを特徴とする
位置検出方法を提供する。
【0030】23)さらに本発明は、上記15)乃至2
0)のいずれかの方法の前記座標算出において、前記実
数部の絶対値及び前記虚数部の絶対値のうち、大きい方
をB、他方をA、及び算出される振幅をLCとした場
合、近似式 LC=B+A/2を用いて振幅LCを算出
し、複数の近接し合う前記ループコイルから得られた複
数のLCの値に基づいて前記座標算出を行うことを特徴
とする位置検出方法を提供する。
【0031】24)さらに本発明は、上記15)乃至2
0)のいずれかの方法の前記座標算出において、前記実
数部の絶対値及び前記虚数部の絶対値のうち、大きい方
をB、他方をA、及び算出される位相角をθとした場
合、近似式 θ={1.5A/(B+0.5A)}×K
を用いて位相角θを算出し、Kは45度に相当する角
度を表す値とすることを特徴とする位置検出方法を提供
する。
【0032】25)さらに本発明は、上記1)乃至1
0)のいずれか又は14)に記載の装置において、前記
座標算出手段が、近似式 LC=B+A/2 (前記実
数部の絶対値及び前記虚数部の絶対値のうち大きい方を
B、他方をAとする)を用いて振幅LCを算出し、複数
の近接し合う前記ループコイルから得られた複数のLC
の値に基づいて前記座標算出を行うことを特徴とする位
置検出装置を提供する。
【0033】26)さらに本発明は、上記1)乃至1
0)のいずれか又は14)に記載の位置検出装置におい
て、前記座標算出手段が、近似式 θ={1.5A/
(B+0.5A)}×K (前記実数部の絶対値及び前
記虚数部の絶対値のうち大きい方をB、他方をAとす
る。Kは45度に相当する角度を表す値)を用いて位相
角θを算出することを特徴とする位置検出装置を提供す
る。
【0034】
【作用】本発明の位置検出装置の各構成では、アナログ
位相検波部において乗算及び積分を実行することにより
受信信号中の目的の周波数の実数部の値及び虚数部の値
をアナログ回路により得られる。これらの出力の値をA
D変換するには低速のAD変換器で実行可能である。上
記1)の構成によれば、互いに直交関係にある位相検波
信号とそれらのそれぞれと反転関係にある位相検波信号
を含む複数の位相検波信号をもちいて受信信号に対しア
ナログ位相検波を実行し、それぞれ対応する実数部の値
及び虚数部の値である出力が得られる。これらの出力に
対して前記第1の演算部において所定の減算と加算の双
方又はいずれかを行うことにより、回路素子固有のオフ
セット成分及び回路素子の利得差の双方又はいずれかが
相殺される。
【0035】上記2)の構成によれば、前記のような4
つの位相検波信号をもちいて受信信号に対しアナログ位
相検波を実行してそれぞれ対応する実数部の値及び虚数
部の値である出力が得られる。これらの出力に対して前
記第1の演算部において所定の減算を行うことにより、
回路素子固有のオフセット成分が相殺される。上記3)
の構成によれば、2つの互いに直交関係にある位相検波
信号をもちいて受信信号に対しアナログ位相検波を実行
してそれぞれ対応する実数部の値及び虚数部の値である
出力が得られる。これらの出力に対して前記第1の演算
部において所定の加算を行うことにより、回路素子の利
得差が相殺される。
【0036】上記4)の構成によれば、受信信号と同位
相及び逆位相の2つの位相検波信号を受信信号から生成
し、これらの検波信号を用いて受信信号に対してアナロ
グ位相検波を実行してそれぞれ対応する受信信号の振幅
値である実数部の値を出力として得る。これらの出力に
対して減算を行うことにより実数部の値のオフセット成
分が相殺される。本発明の位置検出装置の各構成によれ
ば、受信信号の目的の周波数成分の実数部及び虚数部の
双方又はいずれかについて誤差を相殺した値が得られ
る。本発明の振幅及び位相角の算出方法及び装置によれ
ば、主に加算で構成される簡単な近似式を用いるため高
速で精度の良い算出ができる。
【0037】
【実施例】図1は、本発明を実施した位置検出装置の一
例の全体構成図である。図中、1はセンス部、2はルー
プコイル切替部、3は位置指示器、4は信号発生部、5
は信号検出部、6は制御部、7はインターフェース部、
8は処理部である。センス部1は、並設されグループに
分けられた多数のループコイル(図示せず)を有し各グ
ループの複数のループコイルの切替え順序が各々所定順
序となるようにループコイル切替部2の選択端子(図示
せず)に接続されている。このような構成のセンス部を
X方向とY方向に互いに直交させて設けることにより2
方向の指定位置の座標を検出する。
【0038】ループコイル切替部2は、スイッチを有し
センス部1に対して信号発生部4及び信号検出部5を切
替える。このスイッチは、例えばCMOSFETやバイ
ポーラ・トランジス等の素子を用いた無接点スイッチで
ある。以下の記載において、信号伝送ライン上のスイッ
チについては同様のものとする。センス部1のループコ
イルと信号発生部4及び信号検出部5との間の信号の送
受信の切替え、並びにループコイルの切替えは、処理部
8からの指令に基づいて制御部8がそのタイミングを制
御する。図2は、位置指示器(以下、入力ペンと称す
る)3の断面図である。入力ペン3は、図2に示すよう
に合成樹脂等の非金属材からなる筺体31の内部にその
先端寄りから、ボールペン等の芯体32と、該芯体32
を摺動自在に収容しうる貫通孔を備えたフェライト33
と、コイルバネ34と、スイッチ351、コンデンサ3
53及び354からなる同調回路35とが一体的に組合
わされて内蔵され、その後端にはキャップ36が取付け
られている。
【0039】前記コイル352とコンデンサ353は互
いに直列に接続され、所定の共振周波数をもつ共振回路
を構成している。またコンデンサ354はスイッチ35
1がオンのとき該共振周波数を低くする作用をする。ス
イッチ351は入力ペン3をセンス部に押しつけたとき
オンになる構造となっている。信号発生部4は図1に示
すように、任意の交流信号データを記憶したランダムア
クセスメモリ(RAM)41、デジタル・アナログ(D
A)変換器42及び低域フィルタ43を含む。RAM4
1内のデータをDA変換してアナログパルス(PAM)
信号を得る。このPAM信号をLPF43に通すことに
よりそのエンベロープ信号を得た後、適宜増幅して目的
とする交流信号を出力する。尚、このアナログ交流信号
又はRAM41に記憶されたデジタル・データは、後述
する信号検出部5の位相検波信号発生のために利用して
もよい。
【0040】また、RAM41の代わりに所定数の交流
信号に対応するディジタル・データを記憶したリードオ
ンリメモリ(ROM)を用いてもよい。また処理部8に
高速なCPUを用いればバスバッファとしてもよい。図
3に信号検出部5についての構成図を示す。図3に示す
ように信号検出部5は、センス部1からの受信信号50
の目的の周波数成分に対する振幅及び位相角を検出する
ものであり、プリアンプ51、アンプ52、53及び減
衰器(ATT)54からなる前段アンプ部と、位相検波
信号発生部55及び位相検波信号切替部56と、乗算手
段57及び積分手段58からなるアナログ位相検波部7
0と、アナログ・デジタル(AD)変換器59と、第1
の演算部60及び第2の演算部61とから構成されてい
る。
【0041】受信信号50は、前段アンプ部69のプリ
アンプ51、アンプ52、53、減衰器54により適当
なレベルまで増幅される。位相検波信号発生部55は、
任意の周波数、振幅及び位相を有する交流信号又はデジ
タル信号を発生することができる。位相検波信号切替部
56は、位相検波信号発生部55が出力する様々な位相
検波信号50を切替える。尚、この検波信号発生部55
の機能は、前記信号発生部4の機能と同様であるので、
信号発生部4の機能を利用してもよくまた信号発生部4
と一体化させても良い。乗算手段57は、アンプ53の
出力信号すなわち受信信号と位相検波信号とを乗算する
機能をもつアナログ乗算器であり、所定の演算増幅器及
び回路素子から構成される。積分手段58は、乗算手段
57の出力を積分するアナログ積分器であり、所定の演
算増幅器及び回路素子から構成される。
【0042】乗算手段57及び積分手段58は受信信号
50に対して後述するフーリエ変換を実行することによ
り、受信信号中に含まれる、検波信号と同じ周波数の成
分に対する実数部及び虚数部に相当する出力の値を得
る。AD変換器59は、アナログ位相検波部70の出力
信号をデジタル・データに変換する低速のAD変換器で
ある。第1の演算部60は、AD変換器59によりデジ
タル化されたアナログ位相検波部70の出力値を用い
て、後に詳述する加算や減算を行うことにより、前段ア
ンプ部69及びアナログ位相検波部70の構成素子のオ
フセット成分や利得のばらつきに起因する出力値中の誤
差分を相殺し、真の実数部の値及び虚数部の値を得る。
第2の演算部61は、第1の演算部60で得られた実数
部の値及び虚数部の値を用いて、受信信号50中の目的
とする周波数成分に対する振幅及び位相角を算出する。
前記アナログ位相検波部70、第1の演算部60及び第
2の演算部61については、いくつかの実施例に基づい
て後に詳述する。
【0043】尚、信号検出部5における各制御すなわ
ち、位相検波信号の発生及び切替え、乗算手段57及び
積分手段58の調節、AD変換器59の動作、第1の演
算部60及び第2の演算部61における演算並びに減衰
器54の調節等は、制御部6によって行われる。制御部
6は、処理部8よりの指令に基づいて動作し、予め設定
されたシーケンスに従って各部のタイミングを制御す
る。尚、消費電力を低減するために、受信信号を受ける
時は、センス部1への送信を待機状態にし、また、一定
時間以上受信信号50が得られない、すなわち入力ペン
3が検出されないときは信号発生部4及び信号検出部5
をともに一時的に待機状態とする。
【0044】インターフェース部7は、ホストコンピュ
ータとの間でデータをやりとりするためのもので、該ホ
ストコンピュータのバスラインに直結した少なくとも2
つのFIFO構造のレジスタからなっている。ホストコ
ンピュータはこのレジスタにアクセスすることによりデ
ータを読出す。処理部8は、指定位置の座標値の計算等
を行うとともに、ホストコンピュータとのデータ伝送及
び各部の総合的な制御を行うもので、周知のマイクロプ
ロセッサ及び必要なROM、RAM等からなっている。
次に、本装置全体の動作を簡単に述べる。先ず、処理部
8は、信号発生部4に対して所定の周波数f0、ここで
は500kHzの正弦波を32μSec送出する指令を
送り、制御部6に対してループコイルの切替えデータを
送った後、制御部6にループコイルの切替えと電波の送
受信を実行させる。信号検出部5における受信信号50
の処理により振幅と位相角のデータが処理部8に送ら
れ、処理部8はそのパターンから入力ペン3が位置する
ループコイルを判別した後、その位置の座標、位相情報
を計算してその結果をインターフェース部7へ転送す
る。
【0045】図9は、図1の実施例のループコイル切替
部2の1つの端子についての送受信に関する制御部6に
よる処理の流れ図である。先ず、ループコイル切替部2
に1つの端子を選択させ(SP1)、ループコイル切替
部2を送信状態にセットする(SP2)。次に信号発生
部4を起動し所定の交流信号を発生させ、選択されたル
ープコイルに送信する(SP3)。このときループコイ
ルと入力ペンの共振回路との電磁相互作用が生じる。次
に信号発生部4を待機状態にして(SP4)ループコイ
ル切替部2を受信状態にセットする(SP5)。SP1
乃至SP5は、送信期間32μSの間に実行される。そ
の後信号検出部4を起動するとともに位相検波信号の発
生と切替えを行い(SP6)、位相検波を実行する(S
P7)。SP6及びSP7は、受信期間32μSの間に
実行される。次に位相検波データをAD変換する(SP
8)。
【0046】次に必要な位相検波データが揃ったかを判
断し、揃っていない場合はSP2へ戻り処理を繰返す
(SP9)。必要な位相検波データが全て得られたなら
ば、回路素子に起因する誤差を相殺すべく第1の演算部
60において所定の加減算を行う(SP10)。次に、
選択すべき全てのループコイルからの信号検出データが
全て揃ったかを判断し(SP11)、揃っていなければ
SP1へ戻り別のループコイルへ切替えて処理を繰返
す。必要な検出データが全て得られたならば第2の演算
部61において受信信号中の周波数f0の成分の振幅及
び位相角を算出(SP12)した後、処理部8へ一連の
データを送る(SP13)。尚、SP10における所定
の加減算の詳細については後述する。
【0047】実際の動作においては、SP8のAD変換
中に次のSP2とSP3の信号発生を行わせることによ
りこの繰返し処理の時間を短縮できる。処理部8は、信
号検出部4から送られた信号のレベル(振幅)パターン
に基づいて、このパターンに1対1対応する入力ペン3
が上に位置するループコイルを判別する。次にこのパタ
ーンが単峰パターンとなるようにループコイル端子切替
順序を変更した後、その順序において再び一連の送受信
を繰返して単峰パターンが得られることを確認する。単
峰パターンが得られたならば入力ペン3が上に位置する
ループコイルを決定して判別を完了する。そして、その
単峰パターンのピーク位置を補間的に求める演算を行い
入力ペン3の座標を算出し、位相情報とともにデータを
インターフェース部7へ転送する。
【0048】次に、本発明の特徴であるアナログ位相検
波部70から第2の演算部61までの受信信号の処理に
ついていくつかの実施例に基づいて詳述する。先ず、ア
ナログ位相検波部70を構成する位相検波器についてそ
の一般的な構成及び動作を説明する。位相検波器は入力
信号に含まれる特定の周波数成分の実数部の値及び虚数
部の値を取出す機能を有する。これは数学的にいえば入
力信号に対してフーリエ変換を実行することである。図
10は、一般的な位相検波器の構成例である。図11
は、図10の位相検波記の各部における信号波形を示
す。増幅器A0は、入力信号(受信信号)(図11の
(a))の反転出力信号及び非反転出力信号の2つの出
力信号を発生する機能を持つ演算増幅器であり、いくつ
かの演算増幅器又は差動出力型演算増幅器と抵抗等の素
子により構成されている。
【0049】0゜検波信号は、図11(b)に示すよう
な極性切替信号であり、入力信号中に含まれる目的とす
る周波数成分と同じ周波数を有する。90゜検波信号
は、図11(c)に示すように、0゜検波信号と同じ周
波数をもつ極性切替信号であるが、位相角が90゜異な
っている。図10のスイッチS1は0゜検波信号により
制御されその極性反転に従って交互に切替わるスイッチ
であり、その2つの入力端子はそれぞれ増幅器A0の反
転出力及び非反転出力に接続されている。このスイッチ
S1の動作により、増幅器A1の入力信号として図11
(d)の0゜復調信号が得られる。
【0050】同様にスイッチS2は90゜検波信号によ
り制御されその極性反転に従って交互に切替わるスイッ
チであり、その2つの入力端子はそれぞれ同じく増幅器
A0の反転出力及び非反転出力に接続されている。この
スイッチS2の動作により、増幅器A2の入力信号とし
て図11(e)の90゜復調信号が得られる。図10の
演算増幅器A1及びA2は、所定の値の抵抗及びコンデ
ンサにより規定される積分定数を有する積分器であり
(以降、積分器と称する)、図3の積分手段58に相当
する。積分器A1及びA2は、それぞれ0゜復調信号及
び90゜復調信号を所定時間(受信期間の間)積分す
る。ここではA0、A1及びA2を構成する素子による
オフセット電圧、利得のばらつき等の誤差を無視する
と、A1の出力信号として、入力信号の目的とする周波
数成分の実数部の値(Re)が、A2の出力信号とし
て、同じく虚数部の値(Im)が得られる。
【0051】ここで、スイッチS1及びS2による入力
信号の反転出力と非反転出力の切替え動作で得られた復
調信号は、入力信号に方形波の0゜検波信号及び90゜
検波信号を乗算した信号と等価である。すなわち、増幅
器A0とスイッチS1、S2により実行される動作は乗
算器の動作と同一である。従って、A0、A1及びA2
で構成される位相検波器は乗算器と積分器とから構成さ
れており、入力信号に対してアナログ的にフーリエ変換
を実行していることになる。以下に、フーリエ変換につ
いて簡単に説明する。フーリエ変換は信号波形の分析に
広く用いられている周知の技術である。任意波形(任意
関数)f(t)の、フーリエ変換又はフーリエ積分で次
のように表される。
【0052】
【数1】
【0053】又、逆フーリエ変換は次のようになる。
【0054】
【数2】
【0055】f(t)は、式(2)からわかるように、
周波数ωの正弦波成分exp(−jωt)をスペクトル
密度F(ω)で無限加算した形で表される。従って、ス
ペクトル密度F(ω)はf(t)に含まれる周波数ωの
成分ということができる。F(ω)は、式(1)のよう
に受信信号に相当するf(t)にexp(−jωt)を
乗算して無限積分を行うことにより得られる。実際に
は、有限時間の積分を行う。式(1)のF(ω)は一般
的に次のように表される。 F(ω)=Re(ω)+jIm(ω)=A(ω)・exp(jφ(ω)) (3) 複素数exp(jωt)の実数部はcosωt、虚数部
はsinωtであるので、式(1)の実数部Re(ω)
及び虚数部Im(ω)は、以下のように表される。 Re(ω)=A(ω)cosφ(ω) (4) Im(ω)=A(ω)sinφ(ω) (5) さらに、
【0056】
【数3】
【0057】となる。A(ω)はf(t)のフーリエス
ペクトルすなわち振幅、φ(ω)は位相角である。この
ように、実際の受信信号に対して式(1)のフーリエ変
換を行うことにより、受信信号中の周波数ωの成分の実
数部Re(ω)及び虚数部Im(ω)を得た後、式
(6)の演算を行って受信信号の振幅及び位相角が求め
られる。本発明の位置検出装置においては、受信信号の
振幅情報は入力ペンが上に位置するループコイルを判別
するために用いられ、その結果から入力ペンの座標が算
出される。受信信号の位相情報は送信信号と受信信号と
の位相角の差であり、入力ペンのオン/オフ状態の判別
に用いられる。
【0058】以上において、フーリエ変換の説明を容易
にするために指数関数形の表現を用いたが、フーリエ変
換の調波成分となる関数は基本的には数学的に互いに直
交する関数(すなわち、
【0059】
【数4】
【0060】という関係を満す)の組であればよい。後
述する図4乃至図6の実施例及び図10の一般例では位
相検波信号として受信信号中の目的の周波数成分と同じ
周波数のいくつかの方形波を用いているが、これらの方
形波は該周波数のサイン波又はコサイン波である基本波
とその高調波成分を含むものである。フーリエ変換によ
り高調波成分による項は0となり基本波成分による項の
みが値に寄与する。すなわち任意のサイン波(受信信
号)は、この方形波と同じ周波数の基本波であるコサイ
ン波成分(実数部)とサイン波成分(虚数部)に分離で
きる。ここで、図10のような一般的なアナログ位相検
波回路における問題点は、構成要素である演算増幅器の
オフセット電圧及び利得のばらつきが実際には無視でき
ないために、出力値に誤差を生じることである。
【0061】先ず、図10の回路におけるオフセット電
圧に起因する誤差を説明する。理想的な演算増幅器で
は、正相入力と逆相入力が等しい場合、出力VO=0と
なるが、実際には0ではないことが多い。VO=0とな
るときの2つの入力端子の入力電圧差を入力オフセット
電圧という。このオフセット電圧は真の入力電圧と同様
に増幅されて出力電圧の誤差となる。またオフセット電
圧は温度によっても変動する。これはドリフトと呼ばれ
るが、同様に出力電圧の誤差の原因となる。例えば、図
10の増幅器A0のオフセット電圧に起因する出力電圧
に含まれる誤差を、非反転出力の場合ε+、反転出力の
場合ε-とすると、増幅器A0の出力におけるオフセッ
ト電圧による誤差は、 (ε-+ε+)/2 (7) で表される。ここで目的とする周波数を500kHzと
すると受信期間中に16波含まれるので、同じ周波数の
位相検波信号により制御されるスイッチS1、S2は3
2回切替り、ε-とε+が交互に16回づつ出力信号に含
まれる。式(7)はこれを時間平均的に示したものであ
る。これが、そのまま次段の積分器A1及びA2の入力
電圧の誤差となる。
【0062】積分定数RCをもつ積分器の出力電圧Vo
は入力電圧をVinとすると、Vo=−VinT/RC(T
は受信期間)で表される。以下の式(9)乃至式(1
6)ではR11=R22=RCとする。積分器A1の真
の(誤差を含まない)逆相入力信号をVi、入力オフセ
ット電圧をε1(積分器A1の正相入力電圧と等価)と
すると、積分器A1の実際の入力電圧Vi1は、 Vi1=Vi+(ε-+ε+)/2−ε1 (8) となるので、積分器A1の出力電圧Vo1は、 Vo1=−(Vi+(ε-+ε+)/2−ε1)T/RC+ε1 (9) となる。式(9)で、第1項は積分による値、第2項の
ε1はオフセット電圧による出力のゼロ点のずれであ
る。式(9)は、以下のように書換えられる。 Vo1=−ViT/RC+(ε1−(ε-+ε+)/2)T/RC+ε1 (10) ここで、出力電圧V01を後段の演算処理のためにAD変
換器によりデジタルデータに変換すると、AD変換器の
オフセット電圧εADが出力電圧に加わるので、 V01=−ViT/RC+(ε1−(ε-+ε+)/2)T/RC+ε1+εAD (11) 従って、積分器A1の真の実数部出力をRe、出力の全
オフセット誤差をO1とすると、 Vo1=Re+O1 (12) Re=−ViT/RC (13) O1=(ε1−(ε-+ε+)/2)T/RC+ε1+εAD(14) で表される。
【0063】積分器A2については、増幅器A0のオフ
セット電圧の影響は同じであるので真の逆相入力電圧を
i´とし、入力オフセット電圧をε2(積分器A2の正
相入力電圧と等価)とすると、積分器A2の実際の入力
電圧Vi2は、 Vi2=Vi´+(ε-+ε+)/2−ε2 (15) となるので、積分器A2の出力電圧Vo2は、 Vo2=−(Vi´+(ε-+ε+)/2−ε2)T/RC+ε2 (16) となる。式(15)で、第1項は積分による値、第2項
のε2はオフセット電圧による出力のゼロ点のずれであ
る。式(15)は、以下のように書換えられる。 Vo2=−Vi´T/RC+(ε2−(ε-+ε+)/2)T/RC+ε2 (17) ここで、出力電圧V02を後段の演算処理のためにAD変
換器によりデジタルデータに変換すると、AD変換器の
オフセット電圧εADが出力電圧に加わるので、 V02=−Vi´T/RC+(ε2−(ε-+ε+)/2)T/RC+ε2+εAD (18) 従って、積分器A2の真の虚数部出力をIm、出力の全
オフセット電圧誤差をO2とすると、積分器A1の場合
と同様に、 Vo2=Im+O2 (19) Im=−Vi´T/RC (20) O2=(ε2−(ε-+ε+)/2)T/RC+ε2+εAD (21) で表される。
【0064】以上のように、積分器A1、A2の出力に
はそれぞれオフセット電圧に起因するO1、O2という誤
差が含まれる。次に積分器A1とA2の利得のばらつき
について述べる。積分器A1、A2の利得は、それぞれ
1=−1/R11、G2=−1/R22であるが、前述
の演算を正確に行うためにはG1=G2と設定されなけれ
ばならない。しかしながら、各積分器について抵抗R、
容量Cの値を完全に等しくすることは汎用的積分器では
困難であるためR11≠R22となりA1の利得G1
A2の利得G2は等しくなくなる。すなわちG1≠G2
なる。前述のオフセット電圧が無いと仮定した場合、す
なわち式(12)及び式(19)でO1=O2=0とした
場合、 Vo1=Re=G1iT (22) Vo2=Im=G2i´T (23) となる。従って、G1≠G2の場合、たとえオフセット電
圧が無いとしても正確な実数部出力Re及び虚数部出力
Imは得られないことになる。
【0065】図4は、本発明により、オフセット電圧に
起因する誤差の相殺を考慮した位相検波器の実施例の1
つ(実施例1)を示している。図7は、図4の回路中の
各部の信号波形を示す。図4及び図7とも図10と対応
する素子及び波形については同じ符号を用いている。図
4の位相検波器の乗算部の構成については、増幅器A0
の非反転出力と反転出力とを、スイッチS1及びS2に
おいて極性切替信号である位相検波信号の極性反転周期
により各々切替える動作を行う点では、図10と同じで
ある。0゜検波信号及び90゜検波信号を適用すること
により、それぞれ積分器A1及びA2の出力として式
(12)及び式(19)と同じ出力が得られる。実施例
1では、さらに0゜検波信号と位相の180゜異なる1
80゜検波信号(図7(f))を備えてセレクタスイッ
チS3により切替え、また、90゜検波信号と位相の1
80゜異なる270゜検波信号(図7(g))を備えて
セレクタスイッチS4により切替える機構を設けてい
る。
【0066】図7を参照すると、セレクタスイッチS3
及びS4がそれぞれ0゜検波信号及び90゜検波信号を
選択しているときは、スイッチS1及びS2により図7
(d)及び図7(e)の復調信号が得られる。これら
は、本質的に図10の対応するものと同じであるが、図
7ではオフセット成分が含まれている。また、セレクタ
スイッチS3及びS4がそれぞれ180゜検波信号及び
270゜検波信号を選択しているときは、スイッチS1
及びS2により図7(h)及び図7(i)の復調信号が
得られる。積分器A1へ入力する0゜復調信号及び18
0゜復調信号はともに、増幅器A0の非反転、反転の各
出力に対してそれぞれε1−ε+、ε1−ε-のオフセット
成分を含んでいる。ここで、0゜復調信号と180゜復
調信号とは、オフセット成分については同じ振幅と位相
を有し、真の信号成分については極性の反転した同じ振
幅を有していることを注記する。また、積分器A2へ入
力する90゜復調信号及び270゜復調信号はともに、
増幅器A0の非反転、反転の各出力に対してそれぞれε
2−ε+、ε2−ε-のオフセット成分を含んでいる。ここ
でやはり、90゜復調信号と270゜復調信号とは、オ
フセット成分については同じ振幅と位相を有し、真の信
号成分については極性の反転した同じ振幅を有している
ことを注記する。
【0067】これらの各検波信号による積分器A1及び
A2の出力を式(12)、式(19)と同様に表すと、
それぞれ以下のようになる。 Vo1(0)=Re+O1 (24) Vo1(180)=−Re+O1 (25) Vo2(90)=Im+O2 (26) Vo2(270)=−Im+O2 (27) 上記の式(24)乃至(27)に減算を行うことによ
り、真の実数部出力信号及び真の虚数部出力信号の値が
得られる。すなわち、式(24)と式(25)の両辺及
び式(26)と式(27)の両辺を減算すると、以下の
ようになる。 Vo1(0)−Vo1(180)=2Re (28) Vo2(90)−Vo2(270)=2Im (29) 式(28)及び式(29)で示されるように、オフセッ
ト成分が実数部、虚数部ともに相殺されることがわか
る。この減算は、例えばAD変換した後に第1の演算部
60でデジタルデータを用いて行うことができる。積分
器A1、A2の後段のAD変換器は、1周期の受信期間
(例えば32μS)の間に2個(例えば実施例1では、
0゜と90゜、及び180゜と270゜)のデータを変
換すればよいので、低速のAD変換器で可能である。従
来の受信信号を高速AD変換する形式では、受信期間中
に128個のデータをAD変換しなければならなかった
ためその変換データをデジタルフーリエ変換するDSP
の設置が必要であった。低速AD変換が可能となること
でDSPの設置が不要となる。
【0068】図12に、減算手段の別の実施例を示す。
この場合AD変換器の前にコンデンサC10とスイッチS
10からなる減算手段を設けている。先ずスイッチS10
AD変換器側ではなく接地側にある(a)の状態でV01
を入力すると、コンデンサC10が充電され電圧値がV01
となる。次に(b)においてスイッチS10をAD変換器
側へ切り替えてV02を入力すると電圧値V02−V01が得
られる。この値がAD変換される。この構成は非常に簡
易であるがεADは相殺されず誤差として残ることにな
る。図5は、本発明により、積分器の利得差に起因する
誤差の相殺を考慮した位相検波器の実施例の1つ(実施
例2)を示している。図8は、図5の回路中の各部の信
号波形を示す。図5及び図8とも図10と対応する素子
及び波形については同じ符号を用いている。図5の位相
検波器の乗算部の構成については、増幅器A0の非反転
出力と反転出力とを、スイッチS1及びS2において極
性切替信号である位相検波信号の極性反転周期により各
々切替える動作を行う点では、図10と同じである。0
゜検波信号及び90゜検波信号については、それぞれ積
分器A1及びA2の出力として式(12)及び式(1
9)と同じ出力が得られる。
【0069】実施例2は、さらに0゜検波信号を積分器
A2に適用し、90゜検波信号を積分器A1に適用する
ためのセレクタスイッチS5及びS6を設けている。図
8を参照すると、セレクタスイッチS5及びS6がそれ
ぞれ0゜検波信号及び90゜検波信号を選択していると
きは、スイッチS1及びS2により図8(d)及び図8
(e)の復調信号が得られる。この実施例2においては
オフセット誤差を無視できるものとする。従って(d)
及び(e)は、本質的に図10の対応するものと同じで
ある。セレクタスイッチS5及びS6がそれぞれ90゜
検波信号及び0゜検波信号を選択しているときは、スイ
ッチS1により図8(e)の復調信号が、そしてスイッ
チS2により図8(d)の復調信号が得られる。これら
の各検波信号を適用した場合の積分器A1及びA2の出
力を式(22)、式(23)と同様に表すと、それぞれ
以下のようになる。 Vo1(0)=Re1=G1iT (30) Vo2(0)=Re2=G2iT (31) Vo1(90)=Im1=G1i´T (32) Vo2(90)=Im2=G2i´T (33) 式(30)乃至式(33)では、簡単のために0゜復調
信号をVi、90゜復調信号をVi´としている。
【0070】上記の式(30)乃至(33)に加算を行
うことにより、真の実数部出力信号及び真の虚数部出力
信号の値が得られる。すなわち、式(30)と式(3
1)の各辺及び式(32)と式(33)の各辺を加算す
ると、以下のようになる。 Vo1(0)+Vo2(0)= Re1+Re2=(G1+G2)ViT (34) Vo1(90)+Vo2(90)= Im1+Im2=(G1+G2)Vi´T (35) 式(34)及び式(35)で示されるように、積分器A
1とA2との利得誤差が実数部、虚数部ともに相殺され
ることがわかる。この加算は、例えばAD変換された後
に第1の演算部60でデジタルデータを用いて行うこと
ができる。このAD変換は、実施例1について述べた通
り低速のAD変換器により可能である。図13は、加算
手段についての別の実施例を示す。この場合AD変換器
の前にコンデンサC11、スイッチS11及びS12からなる
加算手段を設けている。先ずスイッチS11が入力側であ
りS12が接地側にある(a)の状態でV01を入力する
と、コンデンサC11が充電され電圧値がV01となる。次
に(b)においてスイッチS11をAD変換器側スイッチ
へS12を入力側へ切替えてV02を入力すると電圧値V02
+V01が得られる。この値がAD変換される。この構成
は非常に簡易であるがεADは相殺されず誤差として残る
ことになる。
【0071】図6は、本発明により、オフセット電圧及
び積分器の利得差に起因する誤差を双方とも相殺するこ
とを考慮した位相検波器の実施例の1つ(実施例3)を
示している。図6の位相検波器の乗算部の構成について
は、増幅器A0の非反転出力と反転出力とを、スイッチ
S1及びS2において極性切替信号である位相検波信号
の極性反転周期により各々切替える動作を行う点では、
前述の例と同じである。実施例3は、実施例1及び実施
例2の双方の機能を統合したものである。すなわち、0
゜検波信号、90゜検波信号、180゜検波信号及び2
70゜検波信号をそれぞれ積分器A1及びA2に適用し
て対応する出力を得る。セレクタスイッチS7及びS8
は各々の検波信号をそれぞれ積分器A1及びA2対して
切り替えるためのものである。
【0072】従って、4種の検波信号と2個積分器との
組合わせにより、位相検波器の出力として結果的に8個
のデータが出力として得られる。これらの出力を前述の
実施例1及び実施例2と同様に表すと以下の通りにな
る。 Vo1(0) =Re1+O1 =G1iT+O1 (36) Vo1(180)=−Re1+O1=−G1iT+O1 (37) Vo1(90) =Im1+O1 =G1i´T+O1 (38) Vo1(270)=−Im1+O1=−G1i´T+O1 (39) Vo2(0) =Re2+O2 =G2iT+O2 (40) Vo2(180)=−Re2+O2=−G2iT+O2 (41) Vo2(90) =Im2+O2 =G2i´T+O2 (42) Vo2(270)=−Im2+O2=−G2i´T+O2 (43) 次に、式(36)乃至(43)で示される値を用いて、
所定の加減算を行うことにより誤差を相殺する。
【0073】先ず、式(36)と式(37)、式(3
8)と式(39)、式(40)と式(41)及び式(4
2)と式(43)の各々の組に対して減算を行うことに
より、実施例1と同様に、オフセット電圧による誤差O
1、O2が相殺されて以下の4個の値が得られる。 2Re1=2G1iT (44) 2Im1=2G1i´T (45) 2Re2=2G2iT (46) 2Im2=2G2i´T (47) さらに、式(44)と式(46)及び式(45)と式
(47)の各組に対して加算を行うことにより、実施例
2と同様に、積分器A1とA2の利得差による誤差が相
殺され、以下のように誤差を含まない真の実数部の値及
び虚数部の値が得られる。 2(Re1+Re2)=2(G1+G2)ViT (48) 2(Im1+Im2)=2(G1+G2)Vi´T (49) 上記の例では、先ず減算によりオフセット誤差を相殺
し、次に加算により利得差誤差を相殺しているが、この
順序を入替えることもできる。従って、先に加算により
利得差誤差を相殺し、次に減算によりオフセット誤差を
相殺してもよい。以上の加減算は、例えばAD変換され
た後に第1の演算部60においてデジタルデータを用い
て行うことができる。AD変換は、前述の通り低速のA
D変換器により可能である。
【0074】また、減算について図12に示した手段
を、あるいは加算について図13に示した手段を用いる
ことにより構成を簡易にしてもよいがその場合εADは誤
差として残ることになる。図12及び図13に示した例
のように、AD変換と同時に加算及び減算のいずれか又
は双方を行う手段は、上記の実施例の構成以外の位相検
波器と組合わせても利用することができる。実施例1乃
至3のいずれにおいても、得られた実数部の値Re及び
虚数部の値Imに基づいて式(6)の演算を行うことに
より、受信信号の振幅及び位相角の値を算出する。この
演算は図3の第2の演算部において行われ、その結果が
処理部に送られてループコイルの判別及び座標値等の計
算が行われる。実施例1乃至3においては、検波信号と
して方形波信号を用い、増幅器の反転非反転出力の切替
えを利用して乗算を行っている。方形波信号は、デジタ
ル的取り扱いが可能な点もあるので装置全体の信号処理
系に組入れやすい。しかしながら、前述の直交条件を満
たす信号波形であればいずれの信号も用いることがで
き、また、アナログ波の乗算手段であればいずれの乗算
方法も利用できる。
【0075】例えば、位相検波信号発生部より0゜、9
0゜、180゜及び270゜の各位相をもつアナログサ
イン波信号を発生し、各アナログサイン波信号を適宜選
択して受信信号とともにアナログ乗算器へ入力して各ア
ナログ乗算出力を得ることができる。また別の例とし
て、位相検波信号発生部より発生される各位相検波信号
がデジタル疑似サイン信号であり、これをDA変換して
アナログサイン波信号に変換した後、アナログ乗算器に
より受信信号との乗算を行うこともできる。この方法で
は、発生する信号の特徴をデジタルデータとして記憶し
ておくことが可能であり、その変更も容易である。従っ
て位相検波信号の切替えもそのデジタルデータを変更す
ることで可能になるため、位相検波信号切替部もデジタ
ル処理部分に含めることができる。
【0076】またさらに別の例として、位相検波信号発
生部より発生される各位相検波信号がデジタル疑似サイ
ン信号である場合、これを直接、乗算型DA変換器へ入
力しかつ参照入力として受信信号を入力することによ
り、乗算型DA変換器内部において位相検波信号のアナ
ログ化と乗算とを実行することもできる。この方法で
は、発生する信号をデジタルデータとして記憶及び変更
することが可能であるだけでなく、汎用的な乗算型DA
変換器を利用することによりコストを下げられる。図1
4及び図15は、位相検波信号を受信信号から生成する
場合の位相検波器の例を示す。図14(a)のように受
信信号をコンパレータA3に入力し、非反転出力及び反
転出力を取出すと図14(b)の方形波の0°検波信号
及び180°検波信号(図示せず)が得られる。0°検
波信号による復調信号が図14(c)である。2つの検
波信号により実数部の値がそれぞれ得られ、減算により
オフセット誤差を相殺できる。図15(a)はアナログ
乗算器を用いる構成例であるが、この場合は演算増幅器
A3により受信信号の非反転出力(0°検波信号)及び
反転出力(180°検波信号)を取り出し(方形波では
ない)、それぞれアナログ乗算器に入力して受信信号と
の乗算を行う。図15(b)は0°検波信号による復調
信号を示す。
【0077】図14及び図15に示したこの手段は、非
常に簡易であるので特に実数部の値についてのみオフセ
ット誤差を相殺したい場合に有用である。なぜなら、実
数部の値はそのまま受信信号の振幅値となるからであ
る。次に、図16乃至図18を参照し、位相検波器によ
り得られた実数部の値及び虚数部の値を用いて位相角及
び振幅を算出する方法について説明する。これは図3の
例では第2の演算部61において行われる。一般的な方
法としては、式(6)における位相角φ(ω)の計算で
はarctanのテーブルを用意し、このテーブルから
Im(ω)/Re(ω)に対応する値を呼び出すことに
より位相角を求めていた。本発明ではこの計算を近似的
に行う手段を提供する。
【0078】図16は、実数部の値と虚数部の値の関係
をベクトルにより表した図である。図16では実数部の
値Re(ω)と虚数部の値Im(ω)の絶対値のうち、
小さい方をA、大きい方をBと定義する。0≦A≦Bの
条件において、求める位相角をθDとすると以下の近似
式を用いて求めることができる。 θD={1.5A/(B+0.5A)}×45 [度] (50) ={1.5(A/B)/(1+0.5(A/B))}×45 式(50)は単位を度とした場合である。0゜≦θ≦4
5゜の範囲では真値との誤差は−0.1゜乃至+0.9
7゜の範囲内であり、かつ式(50)は、A/Bについ
て単調増加関数であるので1つのθDの値を決定でき
る。式(50)はラジアンで表せば、以下のようにな
る。 θR={1.5A/(B+0.5A)}×(π/4)[ラシ゛アン](51) また、コンピュータで計算しやすい任意の単位を利用し
てもよく、例えば45゜を256とする単位で表した場
合、式(50)は以下のようになる。 θC={1.5A/(B+0.5A)}×256 (52)
【0079】コンピュータの演算機能により式(52)
を計算する手順の一例を以下に列記する。 1)AをメモリMAに記憶する。 2)メモリMAの内容をビットシフトさせることによ
り、A/2を得てメモリMA2に記憶する。 3)BをメモリMBに記憶する。 4)メモリMAとメモリMA2の記憶内容を加算して、
その結果をメモリMAに記憶する。 5)メモリMBとメモリMA2の記憶内容を加算して、
その結果をメモリMBに記憶する。 6)メモリMAの内容をバイト操作することにより25
6をかけたものと同じ値を得、さらにメモリMBの内容
で割りθCを得る。 式(50)は0゜≦θ≦45゜の範囲で用いることがで
きるが、図17のように位相角の角度範囲を8つの区画
に分けた場合、それぞれの区画において実数部の値と虚
数部の値に基づいて位相角を求める際にも同様に適用す
ることができる。すなわち、式(50)によりθDの値
を得た後、各区画のベースとなる角度を用いて換算すれ
ば実際の位相角が得られる。例えば区画において式
(50)によりθDの値を得た場合、この得られたθD
角度90゜から負の方向への相対的な角度であるから実
際の位相角は90゜−θDとなる。
【0080】位相検波器により得られた実数部の値及び
虚数部の値から、位相角が図17のいずれの区画内にあ
るかを判別するためには、実数部の値及び虚数部の値の
それぞれの符号と絶対値に基づいて決定する。上記の位
相角算出手段によれば、arctanのテーブルが不要
になるので、このテーブルのための記憶装置が節約でき
るとともにテーブル検索に要する時間が不要になる。ま
た、用いる近似式は近似精度が高く、さらに分子及び分
母の計算手順がビットシフト、バイト操作及び加算のみ
で構成されるので計算が速い。さらに後述のように、上
記の計算手順5)により得られる結果、B+0.5Aの
値をそのまま振幅値として近似的に用いることができ
る。振幅値についても、一般的な方法では、式(6)を
実行するために平方根計算用のテーブルを用意し、
【0081】
【数5】
【0082】に対応する値を呼出すことにより値を得
る。本発明では、上記の位相角の場合と同様に近似的な
手段を用いることができる。図16を再び参照し、実数
部の値Re(ω)と虚数部の値Im(ω)の絶対値のう
ち、小さい方をA、大きい方をBと定義する。0≦A≦
Bの条件において、求める振幅をLCとすると以下の近
似式を用いて求めることができる。 LC=B+A/2 (53) 図18は、真値Lすなわち
【0083】
【数6】
【0084】と式(53)による近似値LCの双方の曲
線をA/Bに対して表した図である。図18によれば、
真値Lに対するLCの相対誤差すなわち(LC−L)/L
Cは11%以下である。実施例におけるように近隣の複
数のループコイルの測定から得られた複数の振幅及び位
相角について、それぞれの位相角θが大きく変動しない
場合すなわち図18におけるA/Bの値がほぼ同じ場
合、式(53)により得られたそれぞれのLCに含まれ
る相対誤差もほぼ同じである。従って、これら複数の値
を用いて後段において補間法により振幅ピークとなる位
置の座標を求める場合に、各点の振幅値の相対誤差がほ
ぼ等しければ結果にほとんど影響を与えない。例えば、
特公平第2−53805号には、3点を用いて補間法に
より座標値を求める次の式が記載されている。 xp=x2+(Δx/2) ×{(3Vx2−4Vx3+Vx4)/(Vx2−2Vx3+Vx4)} (54)
【0085】式(54)において、第2項の各添字を付
したVは、各点における振幅を表す。これらの各値に上
記の相対誤差が同程度含まれていても分子/分母の除算
により相殺されることがわかる。よって式(53)によ
り十分な精度で座標を求めることができる。式(53)
の計算手順は、前述のようにビットシフトと加算演算の
みから構成されているので計算が速く、また、平方根計
算用のテーブルが不要になる。上記の位相角算出と振幅
算出とは順不同であるので、振幅算出を先に行った場合
は、式(53)の結果をそのまま位相角算出のための式
(50)の分母として用いることができ、やはり算出時
間を短縮することができる。
【0086】以上述べたように、本発明の実施例によれ
ば、オフセット電圧と積分器の利得差のいずれか又は双
方に起因する信号処理回路の出力誤差を取除くことがで
きる。その結果、入力ペンの座標値等が正確に算出でき
るので位置検出装置の信頼性が向上する。実施例1及び
実施例2は、いずれかの誤差が許容できる場合や構成を
より簡易にしたい場合に有用である。実施例の位相検波
器では、受信期間1周期の間に受信信号の実数部出力信
号及び虚数部出力信号を各1個得ることができる。実施
例1及び2では4個の位相検波データが必要であるので
2周期の測定期間がかかる。実施例3では8個の位相検
波データが必要であるので4周期の測定期間がかかる。
しかし、積分器の数を増すことにより1周期の受信期間
内に得るデータ数を増して測定期間を短縮することが可
能である。また、1個の位相検波器のみを用いて0゜、
90゜、180゜及び270゜の位相検波信号を順次適
用することにより時分割測定を行い位相検波データを得
てもよい。この場合当然ながら複数の積分器間の利得差
を考慮する必要がない。従って本発明によるオフセット
電圧誤差及び利得差誤差の相殺手段は、積分器が2個の
場合に限定されるものではなく、1個又は3個以上の場
合においても同様に利用できる。
【0087】また、いずれの構成においてもそれぞれの
位相をもつ位相検波信号を適用する順序は、実施例に示
した順序に限定されるものではなく、必要なデータが最
終的に揃うならば順不同であってもよい。位置検出装置
の入力ペンが複数備えられ、それぞれ別の周波数に対し
て応答する場合にも、本発明を利用することができる。
すなわち、各周波数について別の受信期間すなわち測定
期間にその周波数をもつ位相検波信号を用いて位相検波
を行えば複数の入力ペンの位置検出が可能である。複数
の周波数成分の解析を1周期の受信期間で行うことがで
きる先願と比較すると、本発明の手段は時間的には遅く
なるが、高速のAD変換器が不要となり汎用的なアナロ
グ素子で構成できるので回路構成が簡易になる。また一
般に消費電流の大きい高速AD変換器を使用しなけれ
ば、位置検出装置全体の電流消費を低く設定することも
でき、電力消費が低減される。後段のAD変換において
もオフセット特性の良い低速AD変換器を使用すること
ができる。また、デジタル演算においても先願のデジタ
ルフーリエ変換を行う必要がなく、数回の加減算を行う
のみなのでCPUへの負担が著しく軽減され、前述のD
SPが不要になる。
【0088】さらに本発明は、実施例のようにセンス部
のループコイルから送信信号を発し同調回路を備えた入
力ペンとの電磁作用によりセンス部のループコイルが受
信信号を受取る位置検出装置においてのみ利用可能なも
のではない。例えば、入力ペンから送信しセンス部にて
受信する形態においても同様にその受信信号に対して適
用できる。すなわち、本発明はセンス部のループコイル
と入力ペンのコイルとの間の電磁作用に基づいて指定位
置の座標値等を求める装置であれば、どのような装置で
あっても適用可能である。
【0089】
【発明の効果】以上のように本発明は、位相の異なる複
数の位相検波信号の組合わせを受信信号に適用してアナ
ログ位相検波を行い、得られた複数のデータに基づい
て、所定の加減算を行うことにより信号処理回路のオフ
セット成分及び又は利得差に起因する誤差を相殺する構
成としたので、受信信号中の目的の周波数成分の真の実
数部及び虚数部の値を得ることができる。従って、これ
らの値に基づく入力ペンの位置検出の信頼性が向上す
る。また、高速AD変換器が不要でありかつアナログ位
相検波器は汎用的アナログ素子により構成されるので、
回路規模が縮小され装置全体の小型化につながる。さら
に、高速AD変換及びデジタルフーリエ変換演算を行わ
ないことから、DSPも不要となる。また消費電流も低
くできるので、装置全体の電力消費を低く設計できる。
さらに、振幅と位相角の算出方法として精度の良い近似
式を用いたので、メモリを節約し演算時間を短縮するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位置検出装置の一実施例を表す全体的
な構成図である。
【図2】本発明の実施例において用いる入力ペンの断面
図である。
【図3】図1の位置検出装置の信号検出部を中心とした
構成図である。
【図4】図3の信号検出部のアナログ位相検波部の一実
施例を表す回路構成図である。
【図5】図3の信号検出部のアナログ位相検波部の別の
実施例を表す回路構成図である。
【図6】図3の信号検出部のアナログ位相検波部のさら
に別の実施例を表す回路構成図である。
【図7】図4のアナログ位相検波部の実施例における各
信号波形を表す図である。
【図8】図5のアナログ位相検波部の実施例における各
信号波形を表す図である。
【図9】図1の制御部による処理の流れ図である。
【図10】一般的なアナログ位相検波器を表す回路構成
図である。
【図11】図10の一般的なアナログ位相検波器におけ
る各信号波形を表す図である。
【図12】本発明における位相検波出力の減算手段の例
を示す構成図である。
【図13】本発明における位相検波出力の加算手段の例
を示す構成図である。
【図14】本発明における位相検波信号発生手段の例を
示す構成図である。
【図15】本発明における位相検波信号発生手段の例を
示す構成図である。
【図16】本発明における位相検波器により得られた実
数部の値及び虚数部の値と、振幅及び位相角との関係を
表す図である。
【図17】本発明における位相角の算出において、位相
角を8区画に分ける方法を示した図である。
【図18】本発明における振幅の算出において、真値と
近似値との関係を示した図である。
【符号の説明】
1 センス部 2 ループコイル切替部 3 入力ペン 4 信号発生部 5 信号検出部 6 制御部 7 インターフェース部 8 処理部 55 位相検波信号発生部 56 位相検波信号切替部 57 乗算手段 58 積分手段 59 AD変換器 60 第1の演算部 61 第2の演算部

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数のループコイルを位置検出方向に並
    設してなるセンス部と少なくともコイルを有する位置指
    示器との間の電磁作用に基づいて位置指示器による指定
    位置の座標値等を求める位置検出装置において、 前記センス部からの受信信号を受けてそれに基づいて信
    号処理を行う信号処理手段と、 前記位置指示器の座標を算出する座標算出手段とを有
    し、 前記信号処理手段が、 互いに直交関係にある位相検波信号と該位相検波信号の
    それぞれと互いに反転関係にある位相検波信号とを含む
    複数の位相検波信号を発生可能な位相検波信号発生部
    と、 前記複数の位相検波信号を切替える切替部と、 前記複数の位相検波信号を前記受信信号に適用してアナ
    ログ的に乗算及び積分を実行し、該受信信号中の任意の
    周波数成分に対応する複数の実数部の値及び虚数部の値
    を出力するアナログ位相検波部と、 前記複数の実数部の値及び虚数部の値をデジタル信号に
    変換するアナログ・デジタル変換部と、 前記複数の実数部の値及び虚数部の値に含まれるオフセ
    ット成分と利得差の双方又はいずれかを相殺すべく、該
    複数の実数部の値及び虚数部の値に対して所定の加算と
    減算の双方またはいずれかを行う第1の演算部とを具備
    し、 前記座標算出手段が、 前記第1の演算部の演算結果を用いて前記受信信号中の
    任意の周波数成分に対する振幅と位相角の双方又はいず
    れかを算出する第2の演算部を具備したことを特徴とす
    る位置検出装置。
  2. 【請求項2】 多数のループコイルを位置検出方向に並
    設してなるセンス部と少なくともコイルを有する位置指
    示器との間の電磁作用に基づいて位置指示器による指定
    位置の座標値等を求める位置検出装置において、 前記センス部からの受信信号を受けてそれに基づいて信
    号処理を行う信号処理手段と、 前記位置指示器の座標を算出する座標算出手段とを有
    し、 前記信号処理手段が、 互いに直交関係にある1組の位相検波信号と該1組の位
    相検波信号のそれぞれと互いに反転関係にある別の1組
    の位相検波信号とを発生可能な位相検波信号発生部と、 前記4つの位相検波信号を切替える切替え部と、 前記4つの位相検波信号を前記受信信号に適用してアナ
    ログ的に乗算及び積分を実行し、該受信信号中の任意の
    周波数成分に対応する2つの実数部の値及び2つの虚数
    部の値を出力するアナログ位相検波部と、 前記2つの実数部の値及び2つの虚数部の値をデジタル
    信号に変換するアナログ・デジタル変換部と、 前記2つの実数部の値及び2つの虚数部の値に含まれる
    オフセット成分を相殺すべく、該2つの実数部の値及び
    2つの虚数部の値に対して所定の減算を行う第1の演算
    部とを具備し、 前記座標算出手段が、 前記第1の演算部の演算結果を用いて前記受信信号中の
    任意の周波数成分に対する振幅と位相角の双方又はいず
    れかを算出する第2の演算部を具備したことを特徴とす
    る位置検出装置。
  3. 【請求項3】 多数のループコイルを位置検出方向に並
    設してなるセンス部と少なくともコイルを有する位置指
    示器との間の電磁作用に基づいて位置指示器による指定
    位置の座標値等を求める位置検出装置において、 前記センス部からの受信信号を受けてそれに基づいて信
    号処理を行う信号処理手段と、 前記位置指示器の座標を算出する座標算出手段とを有
    し、 前記信号処理手段が、 2つの互いに直交関係にある位相検波信号を発生可能な
    位相検波信号発生部と、 前記2つの位相検波信号を切替える切替え部と、 前記2つの位相検波信号を前記受信信号に適用してアナ
    ログ的に乗算及び積分を実行し、該受信信号中の任意の
    周波数成分に対応する2つの実数部の値及び2つの虚数
    部の値を出力するアナログ位相検波部と、 前記2つの実数部の値及び2つの虚数部の値をデジタル
    信号に変換するアナログ・デジタル変換部と、 前記2つの実数部の値及び2つの虚数部の値に含まれる
    利得差を相殺すべく、該2つの実数部の値及び2つの虚
    数部の値に対して所定の加算を行う第1の演算部とを具
    備し、 前記座標算出手段が、 前記第1の演算部の演算結果を用いて前記受信信号中の
    任意の周波数成分に対する振幅と位相角の双方又はいず
    れかを算出する第2の演算部を具備したことを特徴とす
    る位置検出装置。
  4. 【請求項4】 前記信号処理手段における前記複数の位
    相検波信号が、互いに位相の90゜異なる第1及び第2
    の位相検波信号並びに該第1及び該第2の位相検波信号
    とそれぞれ位相の180゜異なる第3及び第4の位相検
    波信号を含み、 前記アナログ位相検波部が、第1及び第2のアナログ位
    相検波器からなりかつそれぞれが乗算手段と積分手段と
    を含み、 前記複数の実数部の値及び虚数部の値が、 第1及び第3の位相検波信号による第1及び第2の位相
    検波器の出力であるそれぞれの実数部の値と、 第2及び第4の位相検波信号による第1及び第2の位相
    検波器の出力であるそれぞれの虚数部の値とからなり、 前記第1の演算部における所定の加算及び減算が、 第1及び第3の位相検波信号による第1の位相検波器の
    出力である実数部の値同士の差を算出しかつ第1及び第
    3の位相検波信号による第2の位相検波器の出力である
    実数部の値同士の差を算出した後これらを加算する演
    算、又は第1の位相検波信号による第1及び第2の位相
    検波器の出力である実数部の値同士を加算しかつ第3の
    位相検波信号による第1及び第2の位相検波器の出力で
    ある実数部の値同士を加算した後これらの差を算出する
    演算と、 第2及び第4の位相検波信号による第1の位相検波器の
    出力である虚数部の値同士の差を算出しかつ第2及び第
    4の位相検波信号による第2の位相検波器の出力である
    虚数部の値同士の差を算出した後これらを加算する演
    算、又は第2の位相検波信号による第1及び第2の位相
    検波器の出力である虚数部の値同士を加算しかつ第4の
    位相検波信号による第1及び第2の位相検波器の出力で
    ある虚数部の値同士を加算した後これらの差を算出する
    演算とを含み、 前記座標算出手段が、 前記第1の演算部の演算結果を用いて前記受信信号中の
    任意の周波数成分に対する振幅と位相角の双方又はいず
    れかを算出する第2の演算部を具備したことを特徴とす
    る請求項1に記載の位置検出装置。
  5. 【請求項5】 前記信号処理手段における前記4つの位
    相検波信号とが、互いに位相の90゜異なる第1及び第
    2の位相検波信号並びに該第1及び該第2の位相検波信
    号とそれぞれ位相の180゜異なる第3及び第4の位相
    検波信号であり、 前記アナログ位相検波部が、第1及び第2のアナログ位
    相検波器からなりかつそれぞれが乗算手段と積分手段と
    を含み、 前記2つの実数部の値及び2つの虚数部の値が、 第1及び第3の位相検波信号による第1の位相検波器の
    出力であるそれぞれの実数部の値と、 第2及び第4の位相検波信号による第2の位相検波器の
    それぞれの虚数部の値とからなり、 前記第1の演算部における所定の減算が、 第1及び第3の位相検波信号による第1の位相検波器の
    実数部の値同士の差を算出し、第2及び第4の位相検波
    信号による第1の位相検波器の虚数部の値同士の差を算
    出する演算を含み、 前記座標算出手段が、 前記第1の演算部の演算結果を用いて前記受信信号中の
    任意の周波数成分に対する振幅と位相角の双方またはい
    ずれかを算出する第2の演算部を具備したことを特徴と
    する請求項2に記載の位置検出装置。
  6. 【請求項6】 前記信号処理手段における前記2つの位
    相検波信号が、互いに位相の90゜異なる第1及び第2
    の位相検波信号であり、 前記アナログ位相検波部が、第1及び第2のアナログ位
    相検波器からなりかつそれぞれが乗算手段と積分手段と
    を含み、 前記2つの実数部の値及び2つの虚数部の値が、 第1の位相検波信号による第1及び第2の位相検波器の
    出力であるそれぞれの実数部の値と、 第2の位相検波信号による第1及び第2の位相検波器の
    出力であるそれぞれの虚数部の値とからなり、 前記第1の演算部における所定の加算が、 第1の位相検波信号による第1及び第2の位相検波器の
    実数部の値同士の和を算出し、第2の位相検波信号によ
    る第1及び第2の位相検波器の虚数部の値同士の和を算
    出する演算を含み、 前記座標算出手段が、 前記第1の演算部の演算結果を用いて前記受信信号中の
    任意の周波数成分に対する振幅と位相角の双方又はいず
    れかを算出する第2の演算部を具備したことを特徴とす
    る請求項3に記載の位置検出装置。
  7. 【請求項7】 前記位相検波信号発生部により発生され
    る位相検波信号が、極性切替信号であり、 前記アナログ位相検波器の乗算手段が、 前記受信信号の反転波形信号及び非反転波形信号を発生
    する手段と、 前記極性切替信号により制御され、該信号の極性反転周
    期と同一の周期で切替わるスイッチとを含み、 前記スイッチにより交互に切替えられる前記反転信号と
    前記非反転信号とからなる前記乗算手段の出力信号が、
    前記受信信号と双極性方形波との乗算処理の結果得られ
    る信号と等価であることを特徴とする請求項4乃至6の
    いずれかに記載の位置検出装置。
  8. 【請求項8】 前記位相検波信号発生部により発生され
    る位相検波信号が、アナログサイン波信号であり、 前記アナログ位相検波器の乗算手段が、前記受信信号と
    前記アナログサイン波信号とを乗算するアナログ乗算器
    を含むことを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記
    載の位置検出装置。
  9. 【請求項9】 前記位相検波信号発生部により発生され
    る位相検波信号が、デジタル疑似サイン信号であり、 前記アナログ位相検波器の乗算手段が、デジタル−アナ
    ログ変換器とアナログ乗算器とを含むことを特徴とする
    請求項4乃至6のいずれかに記載の位置検出装置。
  10. 【請求項10】 前記位相検波信号発生部により発生さ
    れる位相検波信号が、デジタル疑似サイン信号であり、 乗算型デジタル・アナログ変換器に前記デジタル疑似サ
    イン信号を入力しかつ該乗算型デジタル・アナログ変換
    器の参照信号として前記受信信号を入力することによ
    り、アナログ位相検波部の乗算手段を実現することを特
    徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の位置検出装
    置。
  11. 【請求項11】 多数のループコイルを位置検出方向に
    並設してなるセンス部と少なくともコイルを有する位置
    指示器との間の電磁作用に基づいて位置指示器による指
    定位置の座標値等を求める位置検出装置において、 前記センス部からの受信信号を受けてそれに基づいて信
    号処理を行う信号処理手段と、 前記位置指示器の座標を算出する座標算出手段とを有
    し、 前記信号処理手段が、 前記受信信号と同位相の第1の位相検波信号と、該受信
    信号と逆位相の第2の位相検波信号とを該受信信号から
    生成する位相検波信号発生部と、 前記第1の位相検波信号と前記第2の位相検波信号とを
    切替える切替部と、 前記第1及び第2の位相検波信号を前記受信信号に適用
    してアナログ的に乗算及び積分を実行し、該受信信号中
    の基本周波数成分に対応する2つの実数部の値を出力す
    るアナログ位相検波部と、 前記2つの実数部の値をデジタル信号に変換するアナロ
    グ・デジタル変換部と、 前記2つの実数部の値に含まれるオフセット成分を相殺
    すべく、該2つの実数部の値に対して所定の減算を行う
    第1の演算部とを具備し、 前記座標算出手段が、 前記第1の演算部の演算結果を用いて前記受信信号中の
    基本周波数成分に対する振幅を算出する第2の演算部を
    具備したことを特徴とする位置検出装置。
  12. 【請求項12】 前記第1及び第2の位相検波信号が、
    前記受信信号を比較器に入力し、その非反転出力及び反
    転出力をそれぞれ取出すことにより生成される極性切替
    信号であり、 前記アナログ位相検波器の乗算手段が、 前記受信信号の反転波形信号及び非反転波形信号を発生
    する手段と、 前記第1及び第2の位相検波信号である極性切替信号の
    極性反転周期と同一の周期で切替わるスイッチとを含
    み、 前記スイッチにより交互に切替えられる前記反転信号と
    前記非反転信号とからなる前記乗算手段の出力信号が、
    前記受信信号と双極性方形波との乗算処理の結果得られ
    る信号と等価であることを特徴とする請求項11に記載
    の位置検出装置。
  13. 【請求項13】 前記第1及び第2の位相検波信号が、
    前記受信信号を演算増幅器に入力し、その非反転出力及
    び反転出力をそれぞれ取出すことにより生成される信号
    であり、 前記アナログ位相検波器の乗算手段が、前記受信信号と
    前記第1の位相検波信号又は前記受信信号と前記第2の
    位相検波信号とを乗算するアナログ乗算器を含むことを
    特徴とする請求項11に記載の位置検出装置。
  14. 【請求項14】 前記アナログ位相検波部が、1つの乗
    算手段及び1つの積分手段を含むアナログ位相検波器か
    らなり、前記4つの位相検波信号を前記受信信号に順次
    適用して前記2つの実数部の値及び前記2つの虚数部の
    値を出力することを特徴とする請求項2に記載の位置検
    出装置。
  15. 【請求項15】 多数のループコイルを位置検出方向に
    並設してなるセンス部と少なくともコイルを有する位置
    指示器との間の電磁作用に基づいて位置指示器による指
    定位置の座標値等を求める位置検出方法であって、 前記センス部からの受信信号を受けてそれに基づいて信
    号処理を行うことにより前記位置指示器による座標を算
    出し、 前記信号処理において、 互いに直交関係にある位相検波信号と該位相検波信号の
    それぞれと互いに反転関係にある位相検波信号とを含む
    複数の位相検波信号を発生し、 前記複数の位相検波信号を切替え、 前記複数の位相検波信号を前記受信信号に適用してアナ
    ログ的に乗算及び積分を実行し、該受信信号中の任意の
    周波数成分に対応する複数の実数部の値及び虚数部の値
    を出力し、 前記複数の実数部の値及び虚数部の値をデジタル信号に
    変換し、 前記複数の実数部の値及び虚数部の値に含まれるオフセ
    ット成分と利得差の双方又はいずれかを相殺すべく、該
    複数の実数部の値及び虚数部の値に対して所定の加算と
    減算の双方又はいずれかを行い、 前記座標算出において、 前記加減算の結果得られた値を用いて前記受信信号中の
    任意の周波数成分に対する振幅と位相角の双方又はいず
    れかを算出することを特徴とする位置検出方法。
  16. 【請求項16】 前記複数の実数部の値及び虚数部の値
    に対して所定の加算と減算の双方又はいずれかを行った
    後に、デジタル信号に変換することを特徴とする請求項
    15に記載の位置検出方法。
  17. 【請求項17】 多数のループコイルを位置検出方向に
    並設してなるセンス部と少なくともコイルを有する位置
    指示器との間の電磁作用に基づいて位置指示器による指
    定位置の座標値等を求める位置検出方法であって、 前記センス部からの受信信号を受けてそれに基づいて信
    号処理を行うことにより前記位置指示器の座標を算出
    し、 前記信号処理において、 互いに直交関係にある1組の位相検波信号と該1組の位
    相検波信号のそれぞれと互いに反転関係にある別の1組
    の位相検波信号とを発生し、 前記4つの位相検波信号を切替え、 前記4つの位相検波信号を前記受信信号に適用してアナ
    ログ的に乗算及び積分を実行し、該受信信号中の任意の
    周波数成分に対応する2つの実数部の値及び2つの虚数
    部の値を出力し、 前記2つの実数部の値及び2つの虚数部の値をデジタル
    信号に変換し、 前記2つの実数部の値及び2つの虚数部の値に含まれる
    オフセット成分を相殺すべく、該2つの実数部の値及び
    2つの虚数部の値に対して所定の減算を行い、 前記座標算出において、 前記減算の結果得られる値を用いて前記受信信号中の任
    意の周波数成分に対する振幅と位相角の双方又はいずれ
    かを算出することを特徴とする位置検出方法。
  18. 【請求項18】 前記2つの実数部の値及び2つの虚数
    部の値に対して所定の減算を行った後に、デジタル信号
    に変換することを特徴とする請求項17に記載の位置検
    出方法。
  19. 【請求項19】 多数のループコイルを位置検出方向に
    並設してなるセンス部と少なくともコイルを有する位置
    指示器との間の電磁作用に基づいて位置指示器による指
    定位置の座標値等を求める位置検出方法において、 前記センス部からの受信信号を受けてそれに基づいて信
    号処理を行うことにより前記位置指示器の座標を算出
    し、 前記信号処理において、 2つの互いに直交関係にある位相検波信号を発生し、 前記2つの位相検波信号を切替え、 前記2つの位相検波信号を前記受信信号に適用してアナ
    ログ的に乗算及び積分を実行し、該受信信号中の任意の
    周波数成分に対応する2つの実数部の値及び2つの虚数
    部の値を出力し、 前記2つの実数部の値及び2つの虚数部の値をデジタル
    信号に変換し、 前記2つの実数部の値及び2つの虚数部の値に含まれる
    利得差を相殺すべく、該2つの実数部の値及び2つの虚
    数部の値に対して所定の加算を行い、 前記座標算出において、 前記第1の演算部の演算結果を用いて前記受信信号中の
    任意の周波数成分に対する振幅と位相角の双方又はいず
    れかを算出することを特徴とする位置検出方法。
  20. 【請求項20】 前記2つの実数部の値及び2つの虚数
    部の値に対して所定の加算を行った後に、デジタル信号
    に変換することを特徴とする請求項19に記載の位置検
    出方法。
  21. 【請求項21】 多数のループコイルを位置検出方向に
    並設してなるセンス部と少なくともコイルを有する位置
    指示器との間の電磁作用に基づいて位置指示器による指
    定位置の座標値等を求める位置検出方法であって、 前記センス部からの受信信号を受けてそれに基づいて信
    号処理を行うことにより前記位置指示器の座標を算出
    し、 前記信号処理において、 前記受信信号と同位相の第1の位相検波信号と、該受信
    信号と逆位相の第2の位相検波信号とを該受信信号から
    生成し、 前記第1の位相検波信号と前記第2の位相検波信号とを
    切替え、 前記第1及び第2の位相検波信号を前記受信信号に適用
    してアナログ的に乗算及び積分を実行し、該受信信号中
    の基本周波数成分に対応する2つの実数部の値を出力
    し、 前記2つの実数部の値をデジタル信号に変換し、 前記2つの実数部の値に含まれるオフセット成分を相殺
    すべく、該2つの実数部の値に対して所定の減算を行
    い、 前記座標算出において、 前記減算の結果得られた値を用いて前記受信信号中の基
    本周波数成分に対する振幅を算出することを特徴とする
    位置検出方法。
  22. 【請求項22】 前記2つの実数部の値に対して所定の
    減算を行った後に、デジタル信号に変換することを特徴
    とする請求項21に記載の位置検出方法。
  23. 【請求項23】 前記座標算出において、前記実数部の
    絶対値及び前記虚数部の絶対値のうち、大きい方をB、
    他方をA、及び算出される振幅をLCとした場合、 近似式 LC=B+A/2 を用いて振幅LCを算出し、
    複数の近接し合う前記ループコイルから得られた複数の
    LCの値に基づいて前記座標算出を行うことを特徴とす
    る請求項15乃至20のいずれかに記載の位置検出方
    法。
  24. 【請求項24】 前記座標算出において、前記実数部の
    絶対値及び前記虚数部の絶対値のうち、大きい方をB、
    他方をA、及び算出される位相角をθとした場合、 近似式 θ={1.5A/(B+0.5A)}×K を
    用いて位相角θを算出し、Kは45度に相当する角度を
    表す値とすることを特徴とする請求項15乃至20のい
    ずれかに記載の位置検出方法。
  25. 【請求項25】 請求項1乃至10のいずれか又は請求
    項14に記載の位置検出装置において、前記座標算出手
    段が、 近似式 LC=B+A/2 (前記実数部の絶対値及び
    前記虚数部の絶対値のうち大きい方をB、他方をAとす
    る)を用いて振幅LCを算出し、複数の近接し合う前記
    ループコイルから得られた複数のLCの値に基づいて前
    記座標算出を行うことを特徴とする位置検出装置。
  26. 【請求項26】 請求項1乃至10のいずれか又は請求
    項14に記載の位置検出装置において、前記座標算出手
    段が、 近似式 θ={1.5A/(B+0.5A)}×K
    (前記実数部の絶対値及び前記虚数部の絶対値のうち大
    きい方をB、他方をAとする。Kは45度に相当する角
    度を表す値)を用いて位相角θを算出することを特徴と
    する位置検出装置。
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