JPH0726152B2 - 降伏伸びの大きい高強度鉄筋用鋼の製造方法 - Google Patents

降伏伸びの大きい高強度鉄筋用鋼の製造方法

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JPH0726152B2
JPH0726152B2 JP29813790A JP29813790A JPH0726152B2 JP H0726152 B2 JPH0726152 B2 JP H0726152B2 JP 29813790 A JP29813790 A JP 29813790A JP 29813790 A JP29813790 A JP 29813790A JP H0726152 B2 JPH0726152 B2 JP H0726152B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、降伏強度にして70kgf/mm2以上の高強度を有
し、且つ降伏伸びも20%以上を有する鉄筋用鋼を製造す
る為の方法にも関するものである。
[従来の技術] 近年、超高層ビルの建設には、鉄骨を利用しない鉄筋コ
ンクリート構造が採用されつつある。特に高層ビルでは
部材の軽量化が必要不可欠の要素であり、使用される鉄
筋に対してますます高強度化が求められている。
鉄筋コンクリートに用いる棒鋼は、現在JISG3112に規定
されており、炭素鋼やマンガン鋼を熱間圧延したもの
で、その強度規格の最大はSD50で降伏強度が50〜64kgf/
mm2の範囲であり、65kgf/mm2以上のものはない。また制
御圧延法を用いてフェライト結晶粒度を細かくし、強度
を高め降伏伸びを大きくした鋼材の製法も提案されてい
るが(例えば特開昭58−87222号)、これでも降伏強度
は65kgf/mm2以下である。
[発明が解決しようとする課題] 従来の鉄筋用鋼で降伏強度を65kgf/mm2以上に高める為
には、鋼材成分の内強度を高めるCやMn等の添加量を増
加させる方法がある。しかしながら、この様な成分のみ
の改善では、通常の鋼材熱間圧延およびそれに続く冷却
工程において、鋼材の焼き入れ性が大きくなり過ぎ、通
常のフェライト+パーライト組織ではなく、ベイナイト
やマルテンサイトが混在した組織となり、鉄筋用鋼に必
要な大きな降伏伸びが得られない。また鋼材成分の添加
量を少なくし焼き入れ等の熱処理によって強度向上を図
る方法もあるが、この様な方法を採用しても鋼材組織が
フェライト+パーライト混合相とは異なったものとな
り、高い降伏強度が得られず、或は仮に降伏強度は高く
なっても大きな降伏伸びは得られない。
本発明はこうした状況のもとになされたものであって、
その目的は、高強度を有し且つ降伏伸びも大きく、高層
ビル用鉄筋として最適な鉄筋鋼の製造方法を提供するこ
とにある。
[課題を解決する為の手段] 上記目的を達成し得た本発明とは、 C:0.25〜0.4% Si:0.5〜2% Mn:1〜2% Nb:0.01〜0.1% V:0.1〜0.3% B:0.0005〜0.01% Ti:0.01〜0.1% A:0.1%以下 を含む鋼片に対して、粗圧延に続く中間および仕上げ圧
延において900℃以下の温度で且つ60%以上の減面率で
圧延を行なう点に要旨を有する降伏伸びの大きい高強度
鉄筋用鋼の製造方法である。また成分組成として、Crを
1%以下含有させることも有効であり、これによって強
度および靱性を高めることができる。
[作用] 高強度鉄筋用鋼に必要な機械的性質は、SD70クラスを例
にすると、降伏強度:70〜77kgf/mm2、引張強さ:90kgf/m
m2以上、降伏歪量:1%以上、降伏伸び:15%以上が必要
と考えられている。この様に、高強度鉄筋用鋼に対して
は、高い降伏強度と大きな降伏伸びが必要と考えられ
る。
本発明者らは、上記の様な機械的性質を満足させる為の
条件として、成分組成および製造条件の双方から検討を
加えた。
まず、本発明者らは、上記機械的性質を満足させる為に
は、降伏歪の条件からフェライト+パーライト組織にす
ることが基本的に必要であると考えた。但し、上記機械
的性質をフェライト+パーライト組織で全て満足させる
ことは、通常の条件だけでは不可能であり、下記の条件
を考慮する必要があった。
まず成分組成の条件として、下記(1)〜(5)の点を
考慮する必要がある。
(1) Cを多くし過ぎると、フェライト分率が少なく
なり、降伏歪量が減少する。
(2) C,Mn,Cr等の焼入れ性向上元素を多くし過ぎる
とフェライト+パーライト組織にならない。
(3) Nb添加のもとで制御圧延を行なうと、フェライ
ト結晶粒は微細化して高降伏歪に対しては有利である
が、反面変態前のオーステナイト粒微細化により焼き入
れ性が悪くなり、強度向上に対して不利である。
(4) Vは析出強化により強度向上に寄与するが、添
加しすぎると延性・靱性を劣化させる。
(5) Siはフェライト強化で強度向上が期待でき、フ
ェライト+パーライト組織では降伏歪量に対しても悪影
響を与えない。従ってSiはできるだけ積極的に利用すべ
き元素である。但し、過度の添加は靱性に対して悪影響
を与える。
次に、製造条件特に圧延条件については、フェライト粒
度を微細化する条件を選定する必要がある。このための
方法は、Nb添加鋼においては下記の(1),(2)の2
通りの方法が考えられた。
(1) 圧延前加熱温度を1200℃程度以上に高温加熱
し、Nbを鋼中に固溶させ、再結晶温度以上で圧延を施し
て再結晶オーステナイト粒度を細粒化し、更に未再結晶
域圧延で変形帯を導入してフェライト核生成サイトを増
大する方法(例えば特開昭58−87222号)。
(2) 加熱温度をあまり高温にしないが、低温での圧
下率を大きくすることによってオーステナイト再結晶粒
を細粒化する方法であり、この方法においてNbの添加は
再結晶粒の粗大化防止に役立つ。
上記各条件を総合的に検討した結果、降伏歪量を増大さ
せる手段として、Nb添加のもとで低温高圧下圧延とSiの
添加を行なう一方、強度向上の手段として、Mn,V,B(お
よびCr)を添加し、これらを適切に組み合わせれば、希
望する機械的性質が得られることを見出し、本発明を完
成した。
本発明に係る鉄筋用鋼における成分組成の限定理由は下
記の如くである。
C:0.25〜0.4% Cは強度付与元素として必要であり、降伏強度70kgf/mm
2以上といった高強度を確保するにはC量が0.25%以上
の中炭素鋼を使用することが必要である。しかしC量が
多過ぎると、降伏伸びが少なくなり、高強度鉄筋として
の建造物設計上要求される値が得られなくなるので0.4
%以下に抑える必要がある。
Si:0.5〜2% Siは強度を高めるとともに降伏伸びを小さくしない元素
であり、0.5%未満では強度上昇効果が少なく、2%を
超えると靱性を著しく損なう。
Mn:1〜2% Mnは固溶強化元素であるとともにオーステナイト域拡大
元素であり、制御圧延法を実施した場合フェライトおよ
びパーライト変態温度を低下せしめる。その結果として
強度−靱性バランスが改善できる。このため1%以上の
添加が必要であるが、2%を越えて含有させると圧延冷
却過程においてベイナイトやマルテンサイト組織を生成
することがある。
Nb:0.01〜0.1% Nbは上述の機構によりフェライト+パーライト組織微細
化に有効であり、降伏伸びを改善出来る。このためには
0.01%を越えて含有させる必要があるが、0.1%を越え
て含有させてもそれ以上の微細化効果が期待されない。
V:0.1〜0.3% 上記C含有範囲においてのフェライト+パーライト組織
では高強度を達成出来ないため、Vは析出強化元素とし
て必須であり、0.1%未満ではその効果が少なく、0.3%
を越えて含有させると強度上昇は大きいが、降伏伸びの
減少量が大きくなりすぎる。
B:0.0005〜0.01% Bはオーステナイトからフェライト生成を遅らせる焼き
入れ性向上元素であり、Siを含有したことによるフェラ
イト生成促進を遅らせ強度上昇に寄与する。0.0005%未
満では上記効果がなく、一方0.01%を越えて含有させて
も焼き入れ性向上効果は飽和する。
Ti:0.01〜0.1% TiはBの焼き入れ性向上効果に有害な固溶NをTiN化合
物として固定する効果があり、Bの焼き入れ性を向上さ
せるために必要である。その為には0.01%以上の添加が
必要であるが、0.1%を越えるとTiN析出物が大きな介在
物となり靱性に悪影響がある。
Al:0.1%以下 脱酸成分として添加されるが、多過ぎると加工性が劣化
するので、0.1%以下に抑えるべきである。
また本発明では上記成分の他、Cr添加は強度および靱世
を高めるのに効果的であるが、1%を越えると圧延冷却
過程においてベイナイトやマルテンサイト組織を生成さ
せることがあるので1%以下に抑えるべきである。
本発明における圧延条件に関して、粗圧延に続く中間お
よび仕上げ圧延において、900℃以下の圧延温度で且つ6
0%以上の減面率で圧延を施すことによりNb含有の効果
が効果的に発揮され、その結果として微細なフェライト
+パーライト組織が得られる。
本発明では、前記化学成分によりフェライト+パーライ
ト組織での強度上昇を図ると共に、上述の圧延条件を組
み合わせることにより微細結晶粒を生成せしめ、降伏伸
びを確保するものである。
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下
記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・
後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明
の技術的範囲に含まれるものである。
[実施例] 下記第1表に示す成分組成の鋼について、第2表に示す
製造条件で鉄筋用鋼を製造した。尚製造に当たっては、
115角ビレットを用いて粗圧延→中間圧延→仕上げ圧延
を実施した。
得られた鉄筋用鋼の機械的性質を第3表に示す。尚機械
的性質の測定は、JIS 4号試験片を用いて行なった。
第3表から明らかなように、本発明方法による鉄筋用鋼
は、いずれも降伏強度が70kgf/mm2以上で降伏歪が1%
以上ある高強度高延性を有しているのが分かる。
[発明の効果] 本発明は以上の様に構成されており、成分組成および製
造条件の双方を巧みに調整することによって、高強度を
有し且つ降伏伸びも大きく、高層ビルの鉄筋として最適
な鉄筋用鋼を製造することができた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.25〜0.4% (重量%の意味、以下同じ) Si:0.5〜2% Mn:1〜2% Nb:0.01〜0.1% V:0.1〜0.3% B:0.0005〜0.01% Ti:0.01〜0.1% Al:0.1%以下 を含む鋼片に対して、粗圧延に続く中間および仕上げ圧
    延において900℃以下の温度で且つ60%以上の減面率で
    圧延を行なうことを特徴とする降伏伸びの大きい高強度
    鉄筋用鋼の製造方法。
  2. 【請求項2】C:0.25〜0.4% Si:0.5〜2% Mn:1〜2% Nb:0.01〜0.1% V:0.1〜0.3% B:0.0005〜0.01% Ti:0.01〜0.1% Al:0.1%以下 Cr:1%以下 を含む鋼片に対して、粗圧延に続く中間および仕上げ圧
    延において900℃以下の温度で且つ60%以上の減面率で
    圧延を行なうことを特徴とする降伏伸びの大きい高強度
    鉄筋用鋼の製造方法。
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