JPH07260807A - フォトン走査トンネル顕微鏡 - Google Patents

フォトン走査トンネル顕微鏡

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JPH07260807A
JPH07260807A JP5569894A JP5569894A JPH07260807A JP H07260807 A JPH07260807 A JP H07260807A JP 5569894 A JP5569894 A JP 5569894A JP 5569894 A JP5569894 A JP 5569894A JP H07260807 A JPH07260807 A JP H07260807A
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元伸 興梠
Genichi Otsu
元一 大津
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Abstract

(57)【要約】 【目的】測定精度が高く、試料及び光ファイバプローブ
を破損することがなく、光学像の測定と同時に原子間力
の測定を行なうことができるフォトン走査トンネル顕微
鏡を提供する。 【構成】光学系10はレーザ光源1からの照明光を試料
2表面に照射し、光ファイバプローブ3は試料2表面に
局在するエバネッセント光を集光し、フォトダイオード
4は光ファイバプローブ3からの光を検出して検出出力
を出力し、駆動部5は検出端部3bが試料2表面を走査
するように試料2を駆動すると共に、位置情報を出力す
る。制御部6は、変位検出部20で検出した変位に基づ
いて光ファイバプローブ3が試料2表面から受ける力を
測定し、駆動部5からの位置情報とフォトダイオード4
からの検出出力と、測定した力とに基づいて試料2の形
状を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物体表面に局在するエ
バネッセント光を検出して物体の形状を測定するフォト
ン走査トンネル顕微鏡に関し、特にエバネッセント光を
検出する光プローブとして光ファイバプローブを用いた
フォトン走査トンネル顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、物体の表面形状を高分解能で測定
する顕微鏡としては、物体表面の光の波長より小さい領
域にに局在するエバネッセント光を検出して物体の形状
を測定するフォトン走査トンネル顕微鏡(PSTM:Ph
oton Scanning Tunneling Microscope)が、従来の光学
顕微鏡の回折限界を超えた分解能をもつ超高分解能光学
顕微鏡として知られている。
【0003】具体的には、例えば図4に示すように、全
反射条件下で試料30の裏面から試料表面を照射すると
試料表面には表面形状に応じてエバネッセント場が発生
する。フォトン走査トンネル顕微鏡では、このエバネッ
セント場の強度を測定するエバネッセント光の波長以下
の開口をもつ検出端部31を形成した光プローブ32で
検出することにより、従来の光学顕微鏡の回折限界を超
えた分解能を得ることができる。
【0004】従来のフォトン走査トンネル顕微鏡は、図
5に示すように、半導体レーザ43からのレーザ光を試
料30の裏面から照射させる光学系44と、試料30の
表面に局在するエバネッセント光を散乱させて集光する
光プローブ32と、光プローブ32からの光を検出する
光検出器45と、Z走査器47とXY走査器48の制御
に基づいて光プローブ32を駆動するアクチュエータ4
9等を備えていた。
【0005】そして、アクチュエータ49は、Z走査器
47の制御とXY走査器48の制御に基づいて光プロー
ブ32の先端が試料30の表面を走査するように光プロ
ーブ32を駆動する。また、加算回路42は、参照信号
に基づく制御用電源40からの電流と直流電流源41か
らの電流を加算し、駆動電流を半導体レーザ43に供給
して駆動する。
【0006】一方、光検出器45は、光プローブ32か
らの光を検出して、検出した光の強度を表わす光強度信
号をロックインアンプ46に供給し、ロックインアンプ
46は、参照信号に基づいて光強度信号から参照信号の
周波数成分を抽出し、Z走査器を介して画像処理システ
ム50に供給する。
【0007】すなわち、このフォトン走査トンネル顕微
鏡では、半導体レーザ43からのレーザ光に参照信号の
周波数成分を重畳し、ロックインアンプ46において、
光強度信号から参照信号の周波数成分を抽出して、所謂
同期検波を行ない光強度信号に含まれる雑音の影響を低
減させている。
【0008】また、画像処理システム50は、XY走査
器48からの座標情報と、光強度信号とから試料30の
画像を構成して、表示するようになっていた。かくし
て、従来のフォトン走査トンネル顕微鏡では、試料30
の形状を測定していた。
【0009】一方、高分解能で物体の表面形状を測定す
る他の顕微鏡として、原子間力を測定して、試料の形状
を測定する原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Mic
roscope )が知られている。
【0010】この原子間力顕微鏡では、先端に針状の先
鋭部を有するカンチレバーを試料表面に接触させて、試
料表面を走査し、原子間力によるカンチレバーのたわみ
量を検出し、このたわみ量から原子間力を測定して試料
の形状を測定していた。
【0011】また、原子間力を測定する他の方法として
は、例えばピエゾ素子等の電気振動素子によりカンチレ
バーをその共振周波数で振動させて試料表面を走査し、
原子間力による共振周波数の変化を測定して原子間力を
測定する方法が知られていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
フォトン走査トンネル顕微鏡は、光プローブ32のZ方
向の位置を一定としてXY方向の走査を行なっているた
め、試料30表面の凹凸等により試料30と光プローブ
32の距離が変化するとエバネッセント光の光強度が低
下し、測定誤差が大きくなる問題があった。
【0013】また、従来のフォトン走査トンネル顕微鏡
に使用していた光ファイバプローブ32では、クラッド
径D(90μm程度)が検出端部31の長さL(2〜6
μm程度)よりもずっと大きいので、試料の表面を走査
させる際に、クラッドの周端部33が試料20に衝突し
て、試料及び/又はプローブ自体を破損する虞れがあっ
た。
【0014】さらに、エバネッセント光の出力は、極め
て小さいので、エバネッセント光を検出する光ファイバ
プローブでは、散乱光の影響を避け、検出効率を高くす
る必要があった。
【0015】一方、原子間力顕微鏡は、カンチレバーを
精度よく作成することが困難で、解像度を向上させるこ
とが難しかった。また、原子間力顕微鏡で同時にエバネ
ッセント光等の光学像を得るためには、例えばカンチレ
バーの先端部に光ファイバを接続して観測する方法が考
えられるが、このためにはカンチレバーに微細な加工が
必要となり、制作が難しく高価となる問題があった。
【0016】本発明は、上述のような問題点に鑑みてな
されたものであり、測定精度の高いフォトン走査トンネ
ル顕微鏡を提供することを目的とする。
【0017】また、本発明は、クラッドの周端部が試料
表面に衝突することがなく、試料及び光ファイバプロー
ブを破損することがないフォトン走査トンネル顕微鏡を
提供することを目的とする。
【0018】また、本発明は、光学像の測定と同時に原
子間力の測定を行なうことができるフォトン走査トンネ
ル顕微鏡を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明に係るフォトン走査トンネル顕微鏡は、照
明光を発生する照明光源と、照明光源からの照明光を導
いて試料表面に照射する光学系と、先端を先鋭化させた
光ファイバからなり、試料に対して傾斜させて配設さ
れ、試料表面に局在するエバネッセント光を散乱させて
集光する光ファイバプローブと、光ファイバプローブか
らの光を検出して検出出力を出力する光検出手段と、光
ファイバプローブの先端が試料表面を走査するように試
料と光ファイバプローブとの位置関係を変化させると共
に、位置情報を出力する走査手段と、光ファイバプロー
ブの変位を検出する変位検出手段と、変位検出手段で検
出した変位に基づいて光ファイバプローブが試料表面か
ら受ける力を測定する測定手段と、走査手段からの位置
情報と、検出手段からの検出出力と、測定手段で測定し
た力とに基づいて試料の形状を測定する形状測定手段と
を備えることを特徴とする。
【0020】また、本発明に係るフォトン走査トンネル
顕微鏡は、光ファイバプローブが、コアとクラッドから
なる光ファイバの一端にクラッドの厚さを薄くした基端
部を有し、基端部の先端にコアを先鋭化した検出端部を
有し、検出端部の表面に金の被覆層を有し、検出端部の
先端に開口部を有することを特徴とする。
【0021】また、本発明に係るフォトン走査トンネル
顕微鏡は、測定手段で測定した力に基づいて走査手段を
制御して試料の表面と光ファイバプローブとの距離を一
定に保持する距離制御手段を有することを特徴とする。
【0022】また、本発明に係るフォトン走査トンネル
顕微鏡は、変位検出手段が、光ファイバプローブの側面
から検出光を照射する光源と、光源からの検出光が光フ
ァイバプローブによって遮られることにより発生する干
渉パターンを測定する検出手段とを備えることを特徴と
する。
【0023】
【作用】本発明に係るフォトン走査トンネル顕微鏡で
は、光学系は、照明光源からの照明光を導いて試料表面
に照射し、光ファイバプローブは、試料表面に局在する
エバネッセント光を散乱させて集光し、光検出手段は、
光ファイバプローブからの光を検出して検出出力を出力
し、走査手段は、光ファイバプローブの先端が試料表面
を走査するように試料と光ファイバプローブとの位置関
係を変化させると共に、位置情報を出力する。測定手段
は、変位検出手段で検出した変位に基づいて光ファイバ
プローブが試料表面から受ける力を測定し、形状測定手
段は、走査手段からの位置情報と、検出手段からの検出
出力と、測定手段で測定した力とに基づいて試料の形状
を測定する。
【0024】また、本発明に係るフォトン走査トンネル
顕微鏡では、検出端部の表面の金の被覆層が光を遮断す
る遮光部として機能し、検出端部の先端の開口部からエ
バネッセント光を取り込む。
【0025】また、本発明に係るフォトン走査トンネル
顕微鏡では、距離制御手段は、測定手段で測定した力に
基づいて走査手段を制御して試料の表面と光ファイバプ
ローブとの距離を一定に保持する。
【0026】また、本発明に係るフォトン走査トンネル
顕微鏡では、光源は、光ファイバプローブの側面から検
出光を照射し、検出手段は、光源からの検出光が光ファ
イバプローブによって遮られることにより発生する干渉
パターンを測定して光ファイバプローブの変位を検出す
る。
【0027】
【実施例】以下、本発明に係るフォトン走査トンネル顕
微鏡の好適な実施例を図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0028】この実施例は、本発明を物体表面に局在す
るエバネッセント光を検出して物体の形状を測定するフ
ォトン走査トンネル顕微鏡(以下、PSTM:Photon S
caning Tunneling Microscope )に適用したものであ
る。
【0029】このPSTMは、例えば図1に示すよう
に、レーザ光を発生するレーザ光源1と、該レーザ光源
1からのレーザ光を導いて裏面から試料2の表面に照射
する光学系10と、試料2の表面に近接して試料2の表
面に局在するエバネッセント光を散乱させて集光する光
ファイバプローブ3と、光ファイバプローブ3からの光
を検出して検出出力を出力するフォトダイオード4と、
光ファイバプローブ3の先端が試料2の表面を走査する
ように試料2を駆動すると共に、位置情報を出力する駆
動部5と、光ファイバプローブ3の変位を検出する変位
検出部20と、変位検出部20で検出した変位に基づい
て光ファイバプローブ3の受ける力を測定する制御部6
と、画像を表示する画像表示部7を備える。
【0030】また、制御部6は、駆動部5からの位置情
報と、フォトダイオード4からの検出出力と、測定した
光ファイバプローブ3の受ける力とに基づいて試料の形
状を測定し、測定した試料2の表面の像を画像表示部7
に表示するようになっている。
【0031】また、上記光学系10は、具体的には、上
記レーザ光源1からのレーザ光を平行光線とするレンズ
11と、該レンズ11からのレーザ光を反射するミラー
12と、該ミラー12からのレーザ光を屈折させるプリ
ズム13からなり、レンズ11で平行光線としたレーザ
光をミラー12、プリズム13を介して試料2の裏面に
導くようになっている。
【0032】なお、この例では、試料2の裏面から照明
光を照射して、試料2の表面を照明した場合を説明して
いるが、試料2が遮光性である場合は、試料2の斜め上
方から照明光を照射するように構成してもよい。
【0033】また、上記光ファイバプローブ3は、例え
ばコアとクラッドからなる光ファイバからなり、一端に
クラッドの厚みを小さくした基端部3aを有し、この基
端部3aの先端にコアを先鋭化した検出端部3bを有す
る。
【0034】この光ファイバプローブ3は、例えば酸化
ゲルマニウムを添加した石英コアと石英クラッドからな
る光ファイバの一端を、フッ化アンモニウム、フッ酸及
び水からなるエッチング液でエッチングすることにより
クラッドの厚さを薄くして基端部3aを形成し、さら
に、フッ化アンモニウム、フッ酸及び水からなるエッチ
ング液でエッチングすることによりコアを先鋭化して検
出端部3bを形成して作成する。この結果、基端部3a
の径を14〜18μm程度とすることができ、従来に比
して柔軟で、わずかな力を受けただけでも、基端部3a
にたわみが生じるようになっている。
【0035】さらに、検出端部3bには、遮光性に優れ
た、例えば金等からなる被覆層が形成され、検出端部3
bの先端が開口部とされている。そして、この光ファイ
バプローブ3は、試料2に対して傾斜角δが85度とさ
れて配設されており、試料2から受ける、原子間力等に
より基端部3aがたわむようになっている。すなわち、
このPSTMでは、この光ファイバプローブ3のたわみ
量として原子間力等に基づく力を測定するようになって
いる。
【0036】また、駆動部5は、制御部6からの制御に
基づいて、検出端部3bの先端が試料2の表面を走査す
るように試料2を駆動すると共に、位置情報を制御部6
に供給する。光ファイバプローブ3は、試料2の表面に
局在するエバネッセント光を散乱させて検出端部3bの
開口部から集光し、集光した光をフォトダイオード4に
供給する。フォトダイオード4は、光ファイバプローブ
3からの光を検出して、試料2の表面のエバネッセント
光の強度を示すPSTM信号(検出出力)を制御部6に
供給する。
【0037】一方、変位検出部20は、光ファイバプロ
ーブ3の変位を検出して、光ファイバプローブ3のたわ
み量を示すAFM信号を制御部6に供給する。制御部6
は、変位検出部20からのAFM信号に基づいて、光フ
ァイバプローブ3が試料2の表面から受ける力を測定す
る。
【0038】そして、制御部6は、駆動部5からの位置
情報と、PSTM信号と、AFM信号に基づいて測定し
た力とに基づいて試料2の表面の像を構成して、画像信
号を画像表示部7に供給し、画像表示部7は、供給され
た画像信号に基づく画像を表示する。すなわち、このP
STMでは、位置情報とPSTM信号とに基づいて試料
2の表面の光学像(PSTM像)を測定すると同時に、
位置情報とAFM信号に基づいて測定した力とに基づい
て試料2の表面の形状を測定することができる。
【0039】また、このPSTMでは、制御部6は、上
述のように測定した光ファイバプローブ3が試料2の表
面から受ける力に基づいて駆動部5を制御して試料2の
表面と光ファイバプローブ3との距離を一定に保持する
ようになっている。
【0040】この結果、試料2の表面と検出端部3bと
の距離が一定に保持されるので、エバネッセント光の測
定精度を向上させることができる。
【0041】なお、上述の実施例では、このPSTM
に、検出端部3bに金等からなる被覆層を形成し、検出
端部3bの先端を開口部とした光ファイバプローブ3を
用いた場合を説明したが、被覆層は必ずしも必要ではな
く、検出端部3bに被覆層を形成しない光ファイバプロ
ーブ3を用いても同様に、検出端部3bの先端からエバ
ネッセント光を散乱させて集光することができる。
【0042】ここで、上記変位検出部20をさらに詳し
く説明する。上記変位検出部20は、レーザ光を側面か
ら光ファイバプローブ3に照射するレーザ光源21と、
該レーザ光源21からのレーザ光が光ファイバプローブ
3によって遮られることにより発生する干渉パターンを
受光する2分割フォトダイオード22と、該2分割フォ
トダイオード22の出力に基づいて差信号を出力する差
動増幅器23と、該差動増幅器23からの差信号のゲイ
ンを調整して光ファイバプローブ3のたわみ量を示すA
FM信号を出力するアンプ24とを備える。
【0043】具体的には、上記レーザ光源21からのレ
ーザ光は、例えば光ファイバプローブ3の手前側で焦点
を結ぶようになっており、レーザ光が光ファイバプロー
ブ3によって遮られると、光ファイバプローブ3の左右
左右端から回折したレーザ光が干渉して、干渉パターン
が発生する。
【0044】このため、平行光線としたレーザ光を、光
ファイバプローブ3の側面から照射した場合に比して干
渉パターンの検出感度が向上する。
【0045】そして、2分割フォトダイオード22は、
上述のように発生する干渉パターンを受光して2つの検
出出力Pa、Pbを出力し、差動増幅器23は、この検
出出力Pa、Pbの差を増幅して差信号を出力する。ま
た、アンプ24は、差信号のレベルを調整してAFM信
号を制御部6に供給する。
【0046】具体的には、2分割フォトダイオード22
は、例えば図2に示すように、2つのフォトダイオード
22a、22bからなり、光ファイバプローブ3の側方
に、光ファイバプローブ3の中心軸に対してフォトダイ
オード22a、22bが垂直方向となるように配設され
ている。
【0047】ここで光ファイバプローブ3の変位を測定
する動作を説明する。例えば試料2の表面に凹凸等があ
ると、光ファイバプローブ3は、変位dHに基づく原子
間力等の上下方向の力を受ける。そして、図2中に破線
で示すように、基端部3aがたわみ、例えば基端部3a
のAーA’断面の位置がdLの変位を生じる。
【0048】ところで、レーザ光源21からのレーザ光
が基端部3aによって遮られると基端部3aの左右端か
ら回折した光が干渉し、基端部3aの左右端からの光路
差によって干渉パターン(光の強度分布)を発生する。
【0049】具体的には、例えば位置検出部20の断面
A−A’を図3に示すように、フォトダイオード22
a、22bは、基端部3aから距離Rの位置に配設され
ている。また、基端部3bの径は、Dとなっている。
【0050】このときの、フォトダイオード22a、2
2bの平面での干渉パターンは、上述の図3にフォトダ
イオード22a、22bの中心からの距離Lと光強度I
の分布を示すように、基端部3aの変位が0の場合で
は、図3中に実線で示すように、距離Lが0、すなわち
光路差が0の点で光強度Iが最大となり、距離Lがλ/
4D、すなわち光路差がλ/2の点で光強度Iが最小と
なり、距離Lがλ/2Dのn倍(n=±1、±2、±
3、・・・)の点、すなわち光路差がλのn倍の点で光
強度Iがピークを持つ。
【0051】ここで、例えば上述のように、基端部3a
の変位がdLとなると、光強度Iの分布がdL移動し、
例えば図3中に破線で示すように、光強度Iが最大の点
が距離LがdLの点となる。
【0052】また、フォトダイオード22a、22bで
受光される光強度Ia、Ibは、距離Lがa、bの点で
の光強度Iとなり、上述の図3に示すように、基端部3
aの変位が0の場合では、光強度Ia=Ib=I0 とな
り、基端部3aの変位がdLの場合では、Ia=I1
Ib=I2 (I1 >I2 )となる。すなわち、基端部3
aの変位dLに対応して、光強度Ia、Ibの比が変化
するようになっている。そこで、変位検出部20は、光
強度Ia、Ibの比を求めることにより基端部3aの変
位dLを測定するようになっている。
【0053】具体的には、例えば上述のように、フォト
ダイオード22a、22bは、受光した光強度Ia、I
bに比例した検出出力Pa、Pbを出力し、差動増幅器
23は、この検出出力Pa、Pbの差を増幅して差信号
を出力し、アンプ24は、差信号のレベルを調整してA
FM信号を制御部6に供給する。
【0054】かくして、変位検出部20は、光ファイバ
プローブ3の変位を検出して光ファイバプローブのたわ
み量を検出して、光ファイバプローブ3のたわみ量を示
すAFM信号を制御部6に供給する。
【0055】
【発明の効果】上述の説明で明らかなように、本発明で
は、光学系は、照明光源からの照明光を導いて試料表面
に照射し、光ファイバプローブは、試料表面に局在する
エバネッセント光を散乱させて集光し、光検出手段は、
光ファイバプローブからの光を検出して検出出力を出力
し、走査手段は、光ファイバプローブが試料表面を走査
するように試料と光ファイバプローブとの位置関係を変
化させると共に、位置情報を出力する。測定手段は、変
位検出手段で検出した変位に基づいて光ファイバプロー
ブが試料表面から受ける力を測定し、形状測定手段は、
走査手段からの位置情報と、検出手段からの検出出力
と、測定手段で測定した力とに基づいて試料の形状を測
定することにより、光学像の測定と同時に原子間力の測
定を行なうことができるフォトン走査トンネル顕微鏡を
提供することができる。
【0056】また、本発明では、検出端部の表面の金の
被覆層が光を遮断する遮光部として機能し、検出端部の
先端の開口部からエバネッセント光を取り込むことによ
り、クラッドの周端部が試料表面に衝突することがな
く、試料及び光ファイバプローブを破損することがな
く、検出効率の高いフォトン走査トンネル顕微鏡を提供
することができる。
【0057】また、本発明では、距離制御手段が、測定
手段で測定した力に基づいて走査手段を制御して試料の
表面と光ファイバプローブとの距離を一定に保持するこ
とにより、測定精度の高いフォトン走査トンネル顕微鏡
を提供することができる。
【0058】また、本発明では、光源は、光ファイバプ
ローブの側面から検出光を照射し、検出手段は、光源か
らの検出光が光ファイバプローブによって遮られること
により発生する干渉パターンを測定して光ファイバプロ
ーブの変位を検出することにより、光ファイバプローブ
の変位を高精度で測定することができ、試料の表面形状
の測定精度を向上させたフォトン走査トンネル顕微鏡を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したフォトン走査トンネル顕微鏡
の構造を示すブロック図である。
【図2】上記フォトン走査トンネル顕微鏡を構成する変
位検出部の具体的な構成を示す側面図である。
【図3】上記変位検出部の動作を説明するための図であ
る。
【図4】フォトン走査トンネル顕微鏡の原理を模式的に
示す図である。
【図5】従来のフォトン走査トンネル顕微鏡の構造を示
す図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源 2 試料 3 光ファイバプローブ 3a 基端部 3b 検出端部 4 フォトダイオード 5 駆動部 6 制御部 7 画像表示部 10 光学系 11 レンズ 12 ミラー 13 プリズム 20 変位検出部 21 レーザ光源 22 フォトダイオード 23 差動増幅器 24 アンプ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照明光を発生する照明光源と、 該照明光源からの照明光を導いて試料表面に照射する光
    学系と、 先端を先鋭化させた光ファイバからなり、試料に対して
    傾斜させて配設され、試料表面に局在するエバネッセン
    ト光を散乱させて集光する光ファイバプローブと、 該光ファイバプローブからの光を検出して検出出力を出
    力する光検出手段と、 上記光ファイバプローブの先端が試料表面を走査するよ
    うに試料と光ファイバプローブとの位置関係を変化させ
    ると共に、位置情報を出力する走査手段と、 上記光ファイバプローブの変位を検出する変位検出手段
    と、 該変位検出手段で検出した変位に基づいて光ファイバプ
    ローブが試料表面から受ける力を測定する測定手段と、 上記走査手段からの位置情報と、上記検出手段からの検
    出出力と、上記測定手段で測定した力とに基づいて試料
    の形状を測定する形状測定手段とを備えることを特徴と
    するフォトン走査トンネル顕微鏡。
  2. 【請求項2】 前記光ファイバプローブは、コアとクラ
    ッドからなる光ファイバの一端にクラッドの厚さを薄く
    した基端部を有し、 該基端部の先端にコアを先鋭化した検出端部を有し、 該検出端部の表面に金の被覆層を有し、 上記検出端部の先端に開口部を有することを特徴とする
    請求項1記載のフォトン走査トンネル顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記測定手段で測定した力に基づいて走
    査手段を制御して試料の表面と光ファイバプローブとの
    距離を一定に保持する距離制御手段を有することを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載のフォトン走査トンネ
    ル顕微鏡。
  4. 【請求項4】 前記変位検出手段は、光ファイバプロー
    ブの側面から検出光を照射する光源と、 該光源からの検出光が光ファイバプローブによって遮ら
    れることにより発生する干渉パターンを測定する検出手
    段とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2
    記載のフォトン走査トンネル顕微鏡。
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