JPH0725986A - 繊維強化樹脂組成物 - Google Patents

繊維強化樹脂組成物

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JPH0725986A
JPH0725986A JP16695293A JP16695293A JPH0725986A JP H0725986 A JPH0725986 A JP H0725986A JP 16695293 A JP16695293 A JP 16695293A JP 16695293 A JP16695293 A JP 16695293A JP H0725986 A JPH0725986 A JP H0725986A
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JP
Japan
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component
carboxylic acid
acid anhydride
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liquid
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JP16695293A
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Shoichi Sato
正一 佐藤
Tooru Imanara
徹 今奈良
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 耐熱性、機械的特性および成形性に優れた実
質的にボイド、欠陥のない高充填密度を有する繊維強化
樹脂複合材を、反応射出成形(RIM)またはRTM法
により安定的に製造することが出来る樹脂組成物を提供
する。 【構成】 下記A,B,C成分を含む〔A液〕と下記
D,E,F成分を含む〔B液〕を混合後、繊維強化材を
載置した型内に注入し、硬化させてなる繊維強化樹脂組
成物。 A成分:エポキシ樹脂。 B成分:下記一般式〔I〕で示される重合性不飽和基含
有エポキシ化合物。 (式中、R1 はHまたはCH3 であり、R2 は炭素数1
〜20のアルキレン基、nは0〜10の整数を示す) C成分:重合抑制剤 D成分:単官能カルボン酸無水物および/または低級脂
肪族多価アルコールとトリメリット酸またはその誘導体
との反応によって得られる多官能カルボン酸無水物を含
有する液状カルボン酸無水物。 E成分:硬化促進剤 F成分:ラジカル重合開始剤

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繊維強化樹脂組成物に関
するものであり、特に反応射出成形(RIM)、R(リ
インフォース)RIM、S(ストラクチュアル)RIM
またはレジン・トランスファー・モールディング(RT
M)法により自動車部品、電機部品等に適した複合材料
を得る為の優れた樹脂特性と、成形性の良い繊維強化樹
脂複合材を与える樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維強化複合材は、自動車部品、電機部
品、建材、船舶、スポーツ用品、航空機部品等広い分野
に利用され、プラスチック化による軽量化が行なわれて
いる。繊維強化材としては、ガラス繊維、アラミド繊
維、炭素繊維等が用いられ、マトリックス樹脂もウレタ
ン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹
脂、エポキシ樹脂等種々のマトリックス樹脂が使用され
ている。また成形方法についても、ハンドレイアップ成
形、フィラメントワインディング成形、プルトルージョ
ン成形、プリプレグを用いた圧力成形、BMC成形、S
MC成形等様々な成形方法により複合材が作られてい
る。反応射出成形法についても従来より確立された成形
方法ではあるが、この方法は成形サイクルタイムが短
く、自動化により広範な種々の成形品が得られる優れた
成形法である。近年更にこの方法を用いた大型の成形、
複雑形状物への要望が高まっており、また構造材料とし
ての高度な機械的特性と耐熱性、耐久性等が要求されつ
つある。
【0003】従来、反応射出成形を利用した繊維強化材
には種々のマトリックス樹脂が用いられている。主なマ
トリックス樹脂の特徴と欠点を示すと、ウレタン樹脂は
硬化速度は速いが耐熱性が不十分であり、不飽和ポリエ
ステル樹脂も硬化速度が速い特徴を有するが、他の特性
を十分に満足しない。またビニルエステル樹脂は、耐食
性、作業性に優れているが、エポキシ樹脂に比べ複合材
料物性、耐熱性が低い傾向にあり硬化収縮による表面性
の悪化等をもたらす。一方エポキシ樹脂は比較的良好な
耐熱性と優れた耐食性、機械的強度を有する反面硬化速
度が遅く粘度が高い等の欠点があり、また耐衝撃性、強
靱性の不足が指摘されている。これらのエポキシ樹脂に
ついて更に特性の高度化を目指し検討されているが、低
粘度かつ耐熱性と高靱性を共に満足することは難しく、
特に強化繊維を用いた繊維強化樹脂複合材の場合、繊維
固有の機械的物性を十分に発現させるためには、樹脂硬
化物の破断伸びが強化繊維の破断伸び以上である必要が
ある。特に、繊維強化樹脂複合材の疲労特性を十分高く
保つためには、硬化物の伸びは繊維の伸びよりもかなり
の程度高い必要がある。たとえば強化材として伸度4%
のガラス繊維を用いた場合、樹脂の破断伸びはこの数値
以上である必要があり、これら諸条件を十分に満足する
樹脂組成物は殆ど知られていないのが現状である。
【0004】エポキシ樹脂について、特開昭63−21
8325号公報に比較的硬化が速い脂環式アミン系硬化
剤によるエポキシ樹脂のRIM製造方法が記載されてい
るが、これら反応射出成形に必要な高硬化速度を有する
エポキシ樹脂は一般に極めて粘度が高いため、連続繊
維、織物等あらかじめ配備された強化材への含浸性が悪
く、成形品中のボイドまたは未含浸部発生の原因となっ
ている。特に強化材を高密度に充填した場合にこの傾向
は顕著である。また特にアミン系硬化剤においては安全
衛生面、作業環境の悪化等が問題となる場合がある。
【0005】これら樹脂の低粘度化、可撓性付与の目的
よりエポキシ樹脂に脂肪族のジグリシジルエーテル、一
官能エポキシ化合物等の反応性希釈剤を添加することが
一般に知られている。しかし反応性希釈剤を添加するこ
とにより耐熱性、機械的特性、耐水性等の低下が顕著で
あり、要求性能を満足することは難しい。強靱性につい
ては、従来よりエポキシ樹脂にアクリルゴムやカルボキ
シ基等の末端基を有するアクリロニトリル−ブタジエン
共重合物の添加により改善が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれらの方法で
は樹脂の混合粘度の上昇と共に硬化物の耐熱性、弾性
率、耐水性等の低下がある。特にRIM成形に必要な低
粘度、速硬化性を有し更に硬化物の耐熱性、強靱性をも
満足し、耐久性に優れた繊維強化樹脂複合材を得ること
はきわめて困難である。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者はエポキ
シ樹脂を用いた反応射出成形に於けるかかる問題点を解
決すべく鋭意検討した結果、エポキシ樹脂と特定の重合
性不飽和基含有エポキシ化合物、液状のカルボン酸無水
物硬化剤を用いることにより、100〜120℃程度の
比較的低い温度で短時間の成形が可能であり、更に射出
温度でのA液、B液の熱安定性が良好であり、高い耐熱
性と高靱性及び高い充填密度の連続繊維等により強化さ
れた実質的にボイド、未含浸部のない優れた複合材特性
を有する成形物を迅速に得ることができることを見い出
し、本発明を完成した。
【0008】すなわち本発明の目的は、反応射出成形ま
たはRTM法により成形サイクルタイムが短く、混合樹
脂の低粘度化による強化繊維の高充填化とマトリックス
樹脂にエポキシ樹脂と特定の化合物を用いることにより
高耐熱性、高弾性および強靱性を両立し、優れた機械的
特性を有する繊維強化樹脂複合材を提供するものであ
り、自動車用構造材、電機部品、建材、スポーツ用品、
航空機部品等広い展開が可能である。
【0009】そしてその目的は、繊維強化樹脂複合材を
製造するに際し、下記A,B,C成分を含む〔A液〕と
下記D,E,F成分を含む〔B液〕を混合後、繊維強化
材を載置した型内に注入し、硬化させてなる繊維強化樹
脂組成分であって、該〔A液〕中のC成分の量がAおよ
びB成分100重量部に対し0.01〜10重量部であ
ることを特徴とする繊維強化樹脂組成物により容易に達
成される。 A成分:1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポ
キシ樹脂。 B成分:下記一般式〔I〕で示される重合性不飽和基含
有エポキシ化合物。
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1 はHまたはCH3 であり、R
2 は炭素数1〜20のアルキレン基、nは0〜10の整
数を示す) C成分:重合抑制剤 D成分:単官能カルボン酸無水物および/または低級脂
肪族多価アルコールとトリメリット酸またはその誘導体
との反応によって得られる多官能カルボン酸無水物を含
有する液状カルボン酸無水物。 E成分:硬化促進剤 F成分:ラジカル重合開始剤
【0012】以下本発明を詳細に説明する。本発明に於
けるA成分であるエポキシ樹脂は分子末端に2個以上の
エポキシ基を有する化合物である。一般にこのエポキシ
樹脂は、大過剰のエピハロヒドリン(例えばエピクロル
ヒドリン)中、100℃以下の温度でエピハロヒドリン
を付加反応させ、次いで40〜100℃の温度で減圧下
苛性アルカリ水溶液を滴下し、共沸で系内の水を留去し
ながらエポキシ化する方法、また不飽和二重結合部を過
酢酸等でエポキシ化する方法等で合成される。
【0013】このエポキシ樹脂としては、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールF、ノボラック樹脂等とエピクロ
ルヒドリンとの反応生成物であるグリシジルエーテル型
エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリ
シジルエステル型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹
脂、ハロゲン化エポキシ樹脂等であり、これらの1種ま
たは2種以上を併用して用いることが出来る。しかし本
発明の目的の一つである高含浸性を十分に達成させるた
めには、これら単独または混合物が常温で液状であり、
より低粘度のエポキシ樹脂を用いるのが好ましい。
【0014】本発明におけるB成分である重合性不飽和
基含有エポキシ化合物としては一般式〔I〕で示される
片末端にラジカル重合性のアクリルまたはメタクリル基
を含有し、また他方片末端に付加重合性のエポキシ基を
有した化合物であり、この例としては、グリシジルメタ
クリレート、またエチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール等のジグリシジルエー
テルまたはアルキレン基含有ポリグリシジル化合物の片
末端に(メタ)アクリル酸を付加させることにより得ら
れる化合物等が挙げられる。この不飽和基含有エポキシ
化合物は、A成分に用いられるエポキシ樹脂の種類に応
じて適宜選択されるが、本発明の一つの目的である強靱
性改良には特に効果が大きい。更に本発明のA成分であ
るエポキシ樹脂とD成分の液状カルボン酸無水物硬化剤
との組合せ、また付加重合硬化促進剤およびラジカル重
合開始剤を用いて加熱によりエポキシ基と不飽和基の同
時硬化を行なうことにより、耐熱性(ガラス転移温度=
Tg)および適度な硬化物の伸びを保持したまま弾性率
を向上し、衝撃強度等にも優れた強靱な樹脂硬化物が得
られる。
【0015】本発明では、不飽和モノマー化合物、不飽
和ポリエステル、ビニルエステル樹脂等他の不飽和系の
化合物を併用する事なく硬化反応性、低粘度化について
も改善されている。更に不飽和基を有するラジカル重合
性化合物の欠点でもある成形時の硬化収縮も小さく、表
面性の良好な繊維強化樹脂複合材が得られる。本発明に
おけるC成分である重合抑制剤としてはハイドロキノ
ン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−ベンゾキ
ノン、メチル−p−ベンゾキノン、メチルハイドロキノ
ン、t−ブチルハイドロキノン、フェノチアジン、N,
N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等が
挙げられる。これらの化合物は、成形時の硬化反応性お
よび硬化物の特性を低下することなく、〔A液〕の熱安
定性を著しく向上している。
【0016】本発明におけるD成分であるカルボン酸無
水物硬化剤は室温において液状であり、単官能カルボン
酸無水物単独あるいは低級脂肪族多価アルコールとトリ
メリット酸またはその誘導体の反応により得られる多官
能カルボン酸無水物を併用するものである。単官能カル
ボン酸無水物としては3−メチルテトラヒドロ無水フタ
ル酸、4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3−メチ
ルヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ
無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、ドデセニル無
水コハク酸およびそれらの構造異性体もしくは幾何異性
体が例示される。そして単官能カルボン酸無水物として
は、好ましくは25℃の粘度が500cps以下の液状
の物がよい。500cps以上では十分な低粘度化を達
成できない。
【0017】また多官能カルボン酸無水物としては低級
脂肪族多価アルコールとトリメリット酸またはその誘導
体とを反応して得られた反応生成物を含有する液状変性
物が挙げられるが、この多官能カルボン酸無水物の一成
分である低級脂肪族多価アルコールとしては好ましくは
炭素原子数2〜10個のものがよく、例えばエチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリ
オール等が挙げられる。
【0018】本発明で用いられるE成分である硬化促進
剤としては、ルイス酸、BF3 ・アミン錯体、第三アミ
ン及びその塩類、イミダゾール及びその錯体、有機ホス
フィン化合物等が挙げられる。好ましくはイミダゾー
ル、有機ホスフィン化合物であり、イミダゾール化合物
の例としては、2−エチルイミダゾール、2−ウンデシ
ルイミダゾール、2−ペンタデシルイミダゾール、2−
メチル−4−エチルイミダゾール、1−ブチルイミダゾ
ール、1−プロピル−2−メチルイミダゾール、1−シ
アノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチ
ル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−
2−フェニルイミダゾール、1−アジン−2−メチルイ
ミダゾール、1−アジン−2−ウンデシルイミダゾール
等が例示され、有機ホスフィン化合物の具体例は、トリ
フェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシク
ロヘキシルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン等
の第三ホスフィン化合物、ブチルフェニルホスフィン、
ジフェニルホスフィン等の第二ホスフィン化合物、フェ
ニルホスフィン、オクチルホスフィン等の第一ホスフィ
ン化合物、及びビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、
1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン等の第三
ビスホスフィン化合物が例示され、必要に応じこれらの
一種またはそれ以上を併用してもよい。
【0019】本発明のF成分であるラジカル重合開始剤
としては、重合性不飽和基含有エポキシ化合物の片末端
ラジカル重合性基を加熱によりラジカルを発生し重合さ
せる通常の有機過酸化物が挙げられる。有機過酸化物の
例としては、アゾイソブチルニトリルのようなアゾ化合
物、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ
イソプロピルカルボネート、1,1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バ
レレート、ベンゾイルパーオキサイド、t−パーオクト
エート、アセト酢酸エステルパーオキサイド、メチルエ
チルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
t−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられ、これ
らの1種または2種以上を用いることが出来る。
【0020】本発明では、B成分である重合性不飽和基
含有エポキシ化合物をA成分100重量部に対して5〜
300重量部添加して用いるが、更に好ましくは20〜
150重量部である。この添加量が上記範囲より少ない
と、低粘度化、耐熱性、弾性率、強靱性改良に効果が少
ない。また上記範囲を越えると硬化物の耐熱性、機械的
物性が低下し好ましくない。
【0021】またC成分である重合抑制剤はAおよびB
成分100重量部に対して0.01〜10重量部添加し
て用いるが、好ましくは0.1〜5重量部である。この
添加量が上記範囲より少ないと、〔A液〕の十分な熱安
定性は得られず、また上記範囲を越えると硬化反応性を
低下し、本発明の目的である短時間に優れた特性の硬化
物が得られず好ましくない。
【0022】またD成分である液状カルボン酸無水物硬
化剤は、AおよびB成分のエポキシ基に対してカルボン
酸無水物官能基の当量比が1.0/0.3〜1.4、更
に好ましくは1.0/0.4〜1.2である。カルボン
酸無水物の当量比が上記範囲より少ないと耐熱性、硬化
物の破断伸びが低下し、また低粘度化の効果も少なくな
る。また上記の範囲を越えても耐熱性は低下し好ましく
ない。更に混合樹脂の低粘度化については単官能カルボ
ン酸無水物を単独で用いた方がその効果は大きいが、よ
り速硬化性、耐熱性を向上させる為には、多官能カルボ
ン酸無水物を単官能カルボン酸無水物に対して2〜80
重量%、好ましくは5〜40重量%用いるのがよい。こ
の量が上記範囲より少ないと速硬化性、耐熱性の向上に
あまり効果がなく、上記範囲より多いと粘度が増大し目
的とする成形物が得られにくくなり好ましくない。
【0023】E成分の硬化促進剤の添加量は特に制限は
なく、反応速度を適度にコントロールする。この硬化促
進剤はあらかじめD成分中に均一に溶解して用いられる
が、実質的にエポキシ樹脂の単独重合を促進しないもの
であれば、AおよびB成分に混合して用いてもよい。こ
の硬化促進剤は通常AおよびB成分100重量部に対し
0.1〜20重量部になるように配合するが、好ましく
は1〜10重量部である。
【0024】F成分のラジカル重合開始剤の添加量につ
いても特に制限はないが、通常B成分100重量部に対
し0.05〜20重量部になるように配合され、好まし
くは0.2〜10重量部である。本発明の主成分である
A,B,D3成分混合物は比較的低粘度であり、高充填
密度を有する高レベルの繊維強化樹脂複合材が得られ、
従来よりエポキシ樹脂系の欠点であった粘度、硬化反応
性、硬化物の強靱性を改善している。
【0025】RIM成形においてA,B,C成分とから
なる〔A液〕/D,E,F成分よりなる〔B液〕の混合
割合は1/1容量部に近い程その計量精度、混合性は良
好であるが、この点に於いても本発明のカルボン酸無水
物硬化剤系はアミン硬化剤系に対し配合比のずれは少な
く優れている。成形は、A液、B液反応性樹脂成分をミ
キシングヘッドまたはスタティックミキサー等により高
速で混合後、所定の温度に加熱保持された金型内に注入
し硬化、脱型により完了する。繊維強化材はマット状、
織物状等でも良いし、必要に応じてウレタン、エポキシ
等の発泡材を芯材として用いたサンドイッチ構造とし
て、あらかじめ型内にプリセットする。また短繊維等を
樹脂に混合して注入することも可能である。本発明の目
的である成形物は短時間の成形サイクルにより製造さ
れ、注入から脱型までに必要な時間は10分以内、好ま
しくは5分以内、更に好ましくは3分以内である。実際
に成形に必要な温度及び時間は反応性樹脂組成、成形物
の形状、厚さ等により適宜決定される。本発明の樹脂組
成物は、ゲル化後の硬化反応性が高いため脱型性にも優
れている。また成形物は所要に応じ短時間の熱処理を行
い硬化を完結させる事により、優れた耐熱性と機械的特
性を有する繊維強化樹脂複合材が得られる。
【0026】またこれらの成分の他に、反応性、耐熱
性、強靱性等を低下させない程度のエポキシド反応性希
釈剤を添加しても良い。反応性希釈剤の例としては、フ
ェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテ
ル、アルキルグリシジルエーテル、スチレンオキサイ
ド、オクチレンオキサイド及びこれらの混合物等であ
る。この他、シラン、チタネート化合物等のカップリン
グ剤、高級脂肪酸およびワックス等の離型剤、ハロゲ
ン、リン化合物等の難燃性付与剤、消泡剤、着色剤等の
添加剤も必要に応じ用いることが出来る。
【0027】本発明で使用される連続繊維強化材として
は、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、炭
素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維等であり、これ
らはテープ、シート状物、マット状物、織物、編物等の
形態で使用され、必要特性に応じこれら種々の組合せで
用いられる。また必要に応じこれらの短繊維強化材も使
用される。繊維強化材の容積含有量は、樹脂成分との合
計容量の2〜70%が好ましく、必要特性に応じてその
構成および量が適宜選択される。また本発明のエポキシ
樹脂組成物は反応射出成形、RTM成形に適するが、公
知の成形方法たとえばフィラメントワインディング法、
プルトルージョン法等によっても所望の複合材料に成形
され有用である。
【0028】
【実施例】以下に実施例をあげて更に詳細に説明する
が、本発明はこの実施例によって制限されるものではな
い。なお例中の部は、特に特記しない限り重量基準であ
り、エポキシ樹脂とカルボン酸無水物の配合比は、すべ
てエポキシ/酸無水物=1.0/1.0当量比とした。
【0029】なお〔A液〕の熱安定性試験は、air雰
囲気下100℃オーブン中にて行い結果を第1表に示
す。また樹脂特性として、25℃における混合樹脂の粘
度はEM型回転粘度計により測定し、繊維強化複合材は
反応射出装置(ポリウレタンエンジニアリング社“MC
102−N”)を用い、実施例2〜5および比較例2の
各樹脂組成物をA液、B液として、ミキシングヘッド部
の温度を100℃に保持し、120℃に加熱保持された
40×70×0.2cmの平板金型に射出注入後5分で
脱型し、その後オーブン中で150℃/1時間の後硬化
を行なった。また樹脂硬化物の物性は300×300m
mの金型を用いてオーブン中で120℃/0.5時間お
よび150℃/1時間の硬化を行ない注型板を作製し測
定した。硬化物のガラス転移温度(Tg)はTMA法に
より、熱膨張曲線の変化より求め、またこの樹脂硬化物
および繊維強化した複合材の曲げ特性および強靱性に対
応する破断歪みは、ASTM−D790に準拠し東洋ボ
ールドウィン社UTM−5Tにより3点曲げ試験より求
めた。結果を表2に示す。
【0030】実施例1 ビスフェノールF型エポキシ樹脂(“エピクロン83
0”、大日本インキ化学社製)、脂環式エポキシ樹脂
(“ELM4221”、ユニオンカーバイド社製)、グ
リシジルアミン型エポキシ樹脂(“TETRAD−
X”、三菱瓦斯化学社製)それぞれ50部にグリシジル
メタクリレート(“SYモノマーG”、阪本薬品社製)
20部およびハイドロキノンモノメチルエーテル(“メ
トキシMQ”、川口化学社製)0.2部混合物について
100℃での熱安定性試験を行なった。
【0031】実施例2 RIM装置を用い、ガラス繊維コンティニアストランド
マット(CSM8600、旭ファイバーグラス社製、強
化材の重量:FAW=600g/m2 )を4プライ〔繊
維強化材容積含有量:Vf=47.0%〕積層し、設置
後20kg/cm2 に型締めした。A成分として80℃
に加熱、脱泡保持したビスフェノールF型グリシジルエ
ーテル(“スピクロン830”、大日本インキ化学社
製)50部、B成分としてグリシジルメタクリレート
(“SYモノマーG”、阪本薬品社製)50部、C成分
としてハイドロキノンモノメチルエーテル(“メトキノ
ンMQ”、川口化学社製)0.2部またD成分として7
0℃に加熱、窒素シールしたメチルテトラヒドロ無水フ
タル酸(MT500、新日本理化社製)106部、E成
分として2−エチル−4−メチルイミダゾール(“2E
4MZ”、四国化成工業社製)5部およびF成分として
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン(“パーヘキサ3M”,日本油
脂社製)1部を金型内に射出注入し成形した。その結
果、実質的に未含浸部、ボイドがなく表面性の良好な成
形物が得られた。また上記A,B,C成分を含有する
〔A液〕およびD,E,F成分を含有する〔B液〕は3
日間連続運転(昇降温繰り返し、各液所定温に30時間
保持)後も殆ど粘度変化がなく、熱安定性に優れてい
た。結果を表2に示す。
【0032】実施例3 実施例2と同様の方法で、“CSM8600”を4プラ
イ積層後、A成分としてビスフェノールA型グリシジル
エーテル(“E827”、油化シェル社製)を50部、
B成分として“SYモノマーG”を50部、C成分とし
て“メトキノンMQ”を0.2部、D成分として“MT
500”を104部、E成分として“2E4MZ”を5
部およびF成分としてt−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート(“パーブチルO”、日本油脂社製)
を1部用い、金型内に注入後脱型した。結果を表2に示
す。
【0033】実施例4及び5 実施例2と同様の方法で、金型内に平織炭素繊維(“ト
レカCO6343”、東レ社製、FAW=198g/m
2 )を8プライ及びCSM8600”(FAW=600
g/m2 )1プライ〔Vf=53.5%〕を内層に積層
後、A成分としてテトラグリシジルメタキシレンジアミ
ン(“TETRAD−X”、三菱瓦斯化学社製)または
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポ
キシシクロヘキサンカルボキシレート(“ERL422
1”,ユニオンカーバイド社製)を70部、B成分とし
て“R−7038”を30部、C成分として“メトキノ
ンMQ”を0.5部またD成分として“MTA15”を
142部または100部、E成分として“2E4MZ”
を8部またはトリフェニルホスフィンを10部、および
F成分としてバーヘキサ3M”を1部を用い、金型内に
注入後脱型した。結果を表2に示す。
【0034】比較例1 C成分である重合抑制剤を用いなかった以外は実施例1
と同様に100℃での熱安定性試験を行なった。
【0035】比較例2 C成分である重合抑制剤を用いなかった以外は実施例2
と同様に、CSM8600を4プライ〔Vf=46.5
%〕積層を行い、金型に注入後脱型した。3日間連続運
転の結果100℃に保持したミキシングヘッド部におい
て、〔A液〕の一部にゲル分が生成し、オリフィスの閉
塞により射出圧が上昇し、安定的な成形が不能となっ
た。
【0036】比較例3 C成分である重合抑制剤を20部用いた以外は実施例2
と同様に成形を行なった。その結果、脱型時に硬化物が
軟化し変形した。また一部未硬化部が発生し、良好な成
形品が得られなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明により耐熱性、機械的特性および
成形性に優れた実質的にボイド、欠陥のない高充填密度
を有する繊維強化樹脂複合材を、反応射出成形(RI
M)またはRTM法により安定的に製造することが出来
る。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記A,B,C成分を含む〔A液〕と下
    記D,E,F成分を含む〔B液〕を混合後、繊維強化材
    を載置した型内に注入し、硬化させてなる繊維強化樹脂
    組成物であって、該〔A液〕中のC成分の量がAおよび
    B成分100重量部に対し0.01〜10重量部である
    ことを特徴とする繊維強化樹脂組成物。 A成分:1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポ
    キシ樹脂。 B成分:下記一般式〔I〕で示される重合性不飽和基含
    有エポキシ化合物。 【化1】 (式中、R1 はHまたはCH3 であり、R2 は炭素数1
    〜20のアルキレン基、nは0〜10の整数を示す) C成分:重合抑制剤 D成分:単官能カルボン酸無水物および/または低級脂
    肪族多価アルコールとトリメリット酸またはその誘導体
    との反応によって得られる多官能カルボン酸無水物を含
    有する液状カルボン酸無水物。 E成分:硬化促進剤 F成分:ラジカル重合開始剤
  2. 【請求項2】 B成分の重合性不飽和基含有エポキシ化
    合物がA成分100重量部に対し5〜300重量部であ
    る請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 D成分の液状カルボン酸無水物がAおよ
    びB成分のエポキシ基に対してカルボン酸無水物官能基
    の当量比が1.0/0.3〜1.4の範囲である請求項
    1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 多官能カルボン酸無水物が単官能カルボ
    ン酸無水物に対して2〜80重量%含有した物であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の樹
    脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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