JPH0725934A - 吸水性樹脂の造粒方法 - Google Patents

吸水性樹脂の造粒方法

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JPH0725934A
JPH0725934A JP17167493A JP17167493A JPH0725934A JP H0725934 A JPH0725934 A JP H0725934A JP 17167493 A JP17167493 A JP 17167493A JP 17167493 A JP17167493 A JP 17167493A JP H0725934 A JPH0725934 A JP H0725934A
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JP
Japan
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water
absorbent resin
weight
stirring
organometallic compound
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JP17167493A
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English (en)
Inventor
Kiichi Ito
藤 喜 一 伊
Hiroyoshi Tsuchiya
屋 裕 義 土
Katsumi Takahashi
橋 勝 美 高
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大粒径で均一な造粒物を、吸水性能の低下を
伴わずに生成し得る吸水性樹脂の造粒方法を提供する。 【構成】 架橋構造を有し且つカルボキシル基又は(及
び)カルボキシレート基を重合体の構成成分として含有
する吸水性樹脂100重量部に対し、水10〜500重
量部の存在下、有機金属化合物0.0001〜20重量
部を添加し、然る後水を除去することを特徴とする吸水
性樹脂の造粒方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸水性樹脂の造粒方法
に関する。更に詳しくは、本発明は、大粒径で粒度分布
の狭い吸水性樹脂造粒物を、吸水性能の低下を伴わず
に、効率的に生成し得る吸水性樹脂の造粒方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、吸水性樹脂は、紙おむつ、生理用
品等の衛生用品、農園芸用品、産業資材等広範な分野に
利用されるようになってきており、これまでに種々のも
のが知られている。例えば、澱粉グラフト重合体(特公
昭53−46199号公報等)、セルロース変成材(特
開昭50−80376号公報等)、水溶性高分子の架橋
物(特公昭43−23462号公報等)、自己架橋型ア
クリル酸アルカリ金属塩ポリマー(特公昭54−307
10号公報等)等が報告されている。これらの吸水性樹
脂は、逆相懸濁重合、水溶液重合、溶液重合等により重
合体を合成した後、これを乾燥し、あるいは乾燥後粉砕
して粉体製品として得られるが、一般にその粒度分布は
広く、100メッシュ以下の微粉を相当量含んでいる。
このため、その使用の際に次の様な問題が生じていた。 (1)粉塵が発生し易く、作業環境の悪化や製品収率の
低下を招きやすい。 (2)流動性が悪く、このためホッパーを使用した場合
などにブリッジを形成して詰まりを生じ易く、定量性に
も問題を生じる。 (3)液体と接触した時、ママコになりやすい。
【0003】微粉の存在に起因する上記諸問題の解決策
として、微粉の除去、有機溶剤系バインダーを使用して
顆粒化させる方法(特開昭63−154766号公報、
特開平2−308820号公報)、界面活性剤存在下に
無機粉末を添加する造粒方法(特開昭62−13293
6号公報、特開平2−284927号公報、特公平3−
26204号公報)等が提案されている。しかしなが
ら、微粉の除去は製品収率の低下を伴い、また、そのた
めの分離装置を必要とするため、経済上の不利益が大き
い。一方、有機溶剤系バインダー使用による造粒は、製
品中に残存する有機溶剤による、特に衛生用品に使用す
る際の人体健康への悪影響が懸念され、更に、造粒によ
り樹脂の吸水性能が低下するという問題を有している。
また、界面活性剤存在下に無機粉末を添加する造粒方法
は、無機微粉末添加時の添加むらが生じ易く、それに伴
う粒径、嵩密度等の品質むらが生じ易く、更に得られる
顆粒状物の機械的強度が弱く、容易に破砕しやすいとい
った欠点を有している。
【0004】上記のものの他に、吸水性樹脂粉末の表面
に水性液を噴霧して造粒させる方法(特開昭61−97
333号公報)、吸水性樹脂を含む液に乾燥樹脂を混合
し、攪拌しながら乾燥機内で加熱乾燥させる方法(特開
昭57−117551号公報)等が提案されている。し
かしながら、特開昭61−97333号公報記載の方法
には、液滴の大きさ、噴霧方法等の少しのばらつきによ
り、粒度分布の広い造粒物となる欠点がある。特開昭5
7−117551号公報記載の方法の場合、攪拌しなが
ら乾燥する際に粒子同志の摩擦の為に再び微粉が生成
し、結果的に均一な造粒物をつくることが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の吸水
性樹脂造粒方法における上記の種々の問題点の解決を図
るものであり、大粒径で均一な樹脂造粒物を、低コスト
で効率的に、吸水性樹脂本来の吸水能を損わずに生成す
る方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
〔発明の概要〕吸水性樹脂を、特定量の水を含水させた
状態で特定の有機金属化合物にて処理し、次いで脱水す
ることにより樹脂粒子間の凝集、結着が極めて効率的に
行われ、上記目的が達成されることが本発明者らにより
見出された。即ち、本発明による吸水性樹脂の造粒方法
は、架橋構造を有し且つカルボキシル基又は(及び)カ
ルボキシレート基を重合体の構成成分として含有する吸
水性樹脂100重量部に対し、水10〜500重量部の
存在下、有機金属化合物0.0001〜20重量部を添
加し、然る後水を除去することを特徴とするものであ
る。
【0007】〔発明の具体的説明〕 <吸水性樹脂>本発明の方法においては、架橋構造を有
し、重合体の構成成分としてカルボキシル基又は(及
び)カルボキシレート基を有する吸水性樹脂であればい
かなるものも使用することができ、重合体の種類及び重
合法は問わない。これら吸水性樹脂の中でも、ポリ(メ
タ)アクリル酸塩架橋物、デンプン‐(メタ)アクリル
酸塩グラフト共重合体架橋物、デンプン‐アクリロニト
リルグラフト共重合体架橋物のケン化物、アクリル酸エ
ステル‐酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、(メ
タ)アクリル酸塩‐(メタ)アクリル酸エステル共重合
体架橋物、(メタ)アクリル酸塩‐アクリルアミド共重
合体架橋物及びポリアクリロニトリル架橋物の加水分解
物が好適な例として挙げられる。上記以外にも、アクリ
ル酸で架橋されたポリエチレンオキシド、ナトリウムカ
ルボキシメチルセルロースの架橋物、無水マレイン酸塩
‐イソブチレン共重合体架橋物、(メタ)アクリル酸塩
にマレイン酸塩、イタコン酸塩、2‐アクリルアミド‐
2メチルスルホン酸、2‐(メタ)アクロイルエタンス
ルホン酸、2‐ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
等のコモノマーを共重合せしめたものを例示することが
できる。また、吸水性樹脂中の上記カルボキシレート基
の塩の型としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩、アンモニウム塩等が挙げられるが、中でもアルカリ
金属塩が好適である。
【0008】上記の吸水性樹脂は、一般的に水溶液重合
法、溶液重合法、逆相懸濁重合法等により得られ、例え
ば、特公昭60−25045号、特願昭59−2101
98号、特開昭57−158210号、特開昭57−2
1405号、特公昭53−46199号、特開昭58−
71907号、特開昭55−84304号、特開昭56
−91837号、特開平2−49002号、特開昭61
−157513号および特開昭62−62807号各公
報に記載の方法により製造することができる。上記の吸
水性樹脂は、一般に重合後は水を含んだ含水ゲルとして
得られるが、通常この含水ゲルはそのままあるいは不活
性溶媒との共沸等により脱水され、最終的に乾燥され、
必要に応じて粉砕/分級等が行われて製品となる。また
この様な製造プロセスの過程で、あるいは製品に対し、
吸水性樹脂中のカルボキシル基又は(及び)カルボキシ
レート基と反応しうる2個以上の官能基を有する架橋
剤、例えば、ポリジグリシジルエーテル化合物、ハロエ
ポキシ化合物、ポリアルデヒド化合物、イソシアネート
化合物等の架橋剤により表面架橋処理が、あるいはシラ
ンカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウ
ムカップリング剤などの有機金属カップリング剤や多価
金属塩化合物等により吸水性樹脂表面の改質処理が施さ
れる場合がある。更に、製造プロセスの過程で、あるい
は製品に界面活性剤や水溶性高分子等を添加する処理が
施される場合がある。本発明の方法は、上記のようない
ずれの処理を施した吸水性樹脂に対しても有効に適用す
ることができる。
【0009】<水>本発明において上記吸水性樹脂を有
機金属化合物にて処理するに際しては水の存在が不可欠
であり、所望の効果を得るためには、樹脂100重量部
当り10〜500重量部の水が樹脂中に存在していなけ
ればならない。水の量が10重量部以下では造粒物が得
られないか、得られても造粒効率が低く、他方、500
重量部以上では造粒が過度に進行し、粗大粒子もしくは
塊状物が生成する結果となる。本発明における有機金属
化合物添加時の好ましい樹脂中水分量は20〜300重
量部であり、この場合に300〜5000μmの造粒物
が高収率で得られる。
【0010】<有機金属化合物>本発明で使用される有
機金属化合物としては、有機アルミニウム化合物、有機
チタン化合物、等を挙げることができる。尚、本明細書
において「有機アルミニウム化合物」、「有機チタン化
合物」とは、分子中にアルミニウム、チタンをそれぞれ
含む有機化合物のことをいう。有機アルミニウム化合物
としては、例えばアルミニウムイソプロピレート、モノ
sec‐ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、ア
ルミニウムエチレート等のトリアルコキシアルミニウム
化合物、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプ
ロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテ
ート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナー
ト)、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノア
セチルアセトネート等のアルミニウムキレート化合物、
アルミニウムアシレート化合物が挙げられる。また、有
機チタン化合物としては、例えばテトライソプロポキシ
チタン、テトラ‐n‐ブトキシチタン、テトラキス‐2
‐エチルヘキソキシチタン、テトラステアロキシチタ
ン、等のテトラアルコキシチタン化合物、チタンアシレ
ート化合物、ジ‐イソ‐プロポキシビス(アセチルアセ
トナト)チタン、イソプロポキシ(2‐エチルヘキサン
ジオラト)チタン、ジ‐n‐ブトキシビス(トリエタノ
ールアミナト)チタン、ヒドロキシビス(ラクタト)チ
タン、等のチタンキレート化合物、イソプロピルトリイ
ソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ‐n‐ド
デシルベンゼンスルホニルチタネート、等のチタネート
系カップリング剤を挙げることができる。上記化合物の
中でもトリアルコキシアルミニウム化合物、テトラアル
コキシチタン化合物が特に好ましい。これら有機金属化
合物の添加量はその種類、樹脂含水率によっても異なる
が、一般的には吸水性樹脂100重量部に対して0.0
001〜20重量部、好ましくは0.001〜10重量
部である。0.0001重量部以下の添加量では有意の
効果が認められず、20重量部以上では効果が飽和す
る。
【0011】<造粒操作>本発明の方法による造粒操作
においては、まず吸水性樹脂を上記所定の水分量に調整
する。この水分量の調製は、乾燥粉末に対しては水を攪
拌下に滴下あるいはスプレーし、又は調湿操作すること
により行うことができる。一方、重合反応工程からくる
ポリマーは通常含水ゲル形態であるので、この場合には
ゲルの含水率に応じて、上記のような加水操作を行う
か、あるいは脱水が必要であれば、公知の乾燥方法にて
直接脱水を行い、若しくは不活性有機溶媒との共沸によ
り脱水を行うことができる。特に、不活性溶媒を重合工
程で使用する逆相懸濁重合により得られたポリマーの場
合、重合に使用したのと同じ不活性溶媒を用いて共沸脱
水を行い、所定の水分量とすることができる。
【0012】上記の様にして所定の水分量に調整した含
水吸水性樹脂に、上記有機金属化合物を攪拌下に添加、
分散させる。この時の含水吸水性樹脂はそのままの状態
でもよいし、例えば炭化水素類、アルコール類等の不活
性溶媒存在下スラリー状であってもよい。また、有機金
属化合物はそのままであるいは不活性有機溶媒に溶解さ
せて、添加される。不活性有機溶媒としては、n‐ヘキ
サン、シクロヘキサン、n‐ヘプタン、ベンゼン、トル
エン等の炭化水素類、四塩化炭素、ジクロルエタン等の
ハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール等のアルコール類、等を使用すること
ができる。最終造粒物の所望の粒径および狭い粒度分布
を得るために、有機金属化合物の添加、分散は攪拌下に
行い、含水吸水性樹脂に均一に分散させることが必要で
ある。この時に使用される装置としては、例えば、攪拌
翼のついた槽型反応器、転動式混合機、流動式混合機、
気流型混合機、振動型混合機、高速回転パドル機等があ
る。また、この有機金属化合物添加時、他の物質、例え
ば界面活性剤、分散剤、凝集剤、無機物質添加剤等も使
用することができる。有機金属化合物添加時の温度は、
用いる有機金属化合物の種類、吸水性樹脂の含水率等に
より変動しうるが、一般的には0℃〜150℃、好まし
くは20℃〜100℃である。また、有機金属化合物が
添加されてからの保持時間は一般的に5時間以内、好ま
しくは2時間以内である。
【0013】上記のようにして有機金属化合物の添加、
分散を行った後、引きつづき脱水操作を行う。この時の
脱水方法としては、通常の加熱操作による脱水、あるい
は不活性有機溶媒との共沸による脱水、いずれの方法も
採用できる。この脱水操作は、有機金属化合物の添加・
分散時と同様に攪拌下に実施することが望ましい。脱水
操作時の温度は、通常20〜150℃、好ましくは30
〜120℃である。
【0014】
【実施例】以下の実施例および比較例は、本発明をより
具体的に説明するためのものである。尚、実施例で得ら
れた吸水性樹脂の後述の特性値は、以下の方法により測
定したものである。 (1)吸水倍率 吸水性樹脂約0.5gを精秤し、250メッシュのナイ
ロン袋(20cm×10cmの大きさ)に入れ、500
ccの人工尿に1時間浸漬する。その後ナイロン袋を引
き上げ、15分水切りした後、重量を測定し、ブランク
補正して、下記式に従い吸水倍率を算出した。 尚、人工尿の組成は以下の通りである。人工尿組成 尿 素 1.94% 塩化ナトリウム 0.80% 塩化カルシウム 0.06% 硫酸マグネシウム 0.11% 純 水 97.09% (2)吸水速度 図1に示す装置を用いて測定した。吸水性樹脂1 1g
を小穴の開いた支持板2上の不織布3上に置く。下方よ
り上記人工尿4を接触させたときに、吸水性樹脂1が1
0分間に吸水した人工尿の重量を測定し、この測定重量
をもって吸水速度とした。 (3)平均粒径 ASTM式標準フルイを上から8メッシュ、12メッシ
ュ、20メッシュ、40メッシュ、60メッシュ、80
メッシュ、100メッシュ、150メッシュ、200メ
ッシュ、325メッシュ、受け皿の順に組合わせ、最上
のフルイに吸水性樹脂を約50g入れ、ロータップ型自
動フルイ振とう器にて1分間振とうさせた。フルイに残
った吸水性樹脂の重量を秤量し、全体量を100%とす
る割合を質量基準で算出する。次に対数目盛の横軸に粒
子径、確率目盛の縦軸に積算フルイ下(質量基準)をプ
ロットし、積算フルイ下%が50%の粒子径を平均粒子
径とした。
【0015】比較例1 攪拌機、還流冷却器、温度計及び窒素ガス導入管を付設
した容量1リットルの四つ口丸底フラスコにシクロヘキ
サン319.1gを入れ、ソルビタンモノステアレート
1.596gを添加して溶解させた後、窒素ガスを吹き
込んで溶存酸素を追い出した。別に、容量500mlの
コニカルビーカー中でアクリル酸116.9gと水5
6.0gとの混合液に、氷冷下、水酸化ナトリウムの2
5%水溶液181.6gを加えてカルボキシル基の70
%を中和した。この場合の水溶液中におけるモノマー濃
度は、中和後のモノマー濃度として40重量%に相当す
る。次いで、架橋剤としてN,N′‐メチレンビスアク
リルアミド0.1286g、水溶性連鎖移動剤として次
亜リン酸ナトリウム0.0585g、及び重合開始剤と
して過硫酸カリウム0.1216gを加えて溶解させた
後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。前記
の四つ口丸底フラスコの内容物に、この容量500ml
のコニカルビーカーの内容物を添加し、攪拌して分散さ
せ、窒素ガスをバブリングさせながら油浴によりフラス
コ内温を昇温させ、その内温を73〜76℃に保ち、攪
拌しながら2時間反応させた。尚、攪拌は150rpm
で行った。2時間後の内容物は水で膨潤した生成吸水性
樹脂がシクロヘキサン中に分散したスラリー状の重合液
となった。引き続いて水分離器の付いた還流冷却器を取
付け、油浴の温度を上げ、攪拌下フラスコ内のシクロヘ
キサンとの共沸により脱水を行った。攪拌は500rp
mで行った。脱水後攪拌を停止すると、さらさらとした
ポリマー粒子が丸底フラスコの底に沈降したので、デカ
ンテーションによりシクロヘキサンと容易に分離でき
た。分離したポリマーを減圧乾燥機に移し、80〜10
0℃に加熱して付着したシクロヘキサン及び痕跡の水を
除去したところ、さらさらとした乾燥した吸水性樹脂が
得られた。この吸水性樹脂につき上記の測定を行った。
結果を表1に示す。
【0016】実施例1〜5 比較例1で得られた含水吸水性樹脂、シクロヘキサンお
よび界面活性剤からなるスラリー状の混合液に必要に応
じ加水(実施例3)あるいは共沸脱水(実施例4)を行
い、樹脂含水率を調整後、攪拌下に有機金属化合物とし
てテトライソプロポキシチタンを添加し、攪拌を継続し
ながら10分間保持した。次いで、同一攪拌条件下で共
沸により水を除去し、さらにシクロヘキサンを蒸留除去
後、乾燥して吸水性樹脂を得た。有機金属化合物添加処
理時の条件および得られた吸水性樹脂についての上記測
定の結果を表1に示す。
【表1】
【0017】比較例2 比較例1における界面活性剤ソルビタンモノステアレー
ト1.596gの代りにソルビタンモノステアレート
1.4360gとα‐オレフィン/無水マレイン酸共重
合体(ダイヤカルナー30、三菱化成(株)製)0.9
573gの混合物を使用し、重合時の攪拌回転数を16
0rpmとした以外は同例と同様にして重合、脱水、及
び乾燥を行い、さらさらとした吸水性樹脂の粉体を得
た。この吸水性樹脂につき上記の測定を行った。結果を
表2に示す。
【0018】実施例6〜11 比較例2で得られた含水吸水性樹脂、シクロヘキサンお
よび界面活性剤からなるスラリー状の重合液に攪拌下に
て種々の有機金属化合物を添加し、攪拌を継続しながら
10分間保持した。次いで、同一攪拌条件下で共沸によ
り水を除去し、さらにシクロヘキサンを蒸留除去後、乾
燥して吸水性樹脂を得た。有機金属化合物添加処理時の
条件および得られた吸水性樹脂についての上記測定の結
果を表2に示す。
【表2】
【0019】比較例3 比較例1における界面活性剤ソルビタンモノステアレー
ト1.596gの代りにソルビタンモノラウリレート
2.3933gを使用し、重合時の攪拌回転数を200
rpmとした以外は同例と同様にして重合、脱水、及び
乾燥を行い、さらさらとした吸水性樹脂の粉体を得た。
この吸水性樹脂についての上記測定の結果を表3に示
す。
【0020】実施例12 比較例3で得られた含水吸水性樹脂(含水率150
%)、シクロヘキサンおよび界面活性剤からなるスラリ
ー状の重合液に攪拌下(回転数500rpm)、液温7
0℃にて有機金属化合物としてテトライソプロポキシチ
タン0.1754g(吸水性樹脂に対して0.1236
重量%)を添加し、攪拌を継続しながら10分間保持し
た。次いで、同一攪拌条件下で共沸により水を除去し、
さらにシクロヘキサンを蒸留除去後、乾燥して吸水性樹
脂を得た。この吸水性樹脂についての上記測定の結果を
表3に示す。
【表3】
【0021】比較例4 比較例1における界面活性剤ソルビタンモノステアレー
ト1.596gの代りにHLB2.0のショ糖脂肪酸エ
ステル(DKエステルF−20、第一工業製薬製)2.
3933gを使用し、重合時の攪拌回転数を160rp
mとした以外は同例と同様にして重合、脱水、及び乾燥
を行い、さらさらとした吸水性樹脂の粉体を得た。この
吸水性樹脂についての上記測定の結果を表4に示す。
【0022】実施例13 比較例3で得られた含水吸水性樹脂(含水率150
%)、シクロヘキサンおよび界面活性剤からなるスラリ
ー状の重合液に攪拌下(回転数500rpm)、液温7
0℃にて有機金属化合物としてテトライソプロポキシチ
タン0.1754g(吸水性樹脂に対して0.1236
重量%)を添加し、攪拌を継続しながら10分間保持し
た。次いで、同一攪拌条件下で共沸により水を除去し、
さらにシクロヘキサンを蒸留除去後、乾燥して吸水性樹
脂を得た。この吸水性樹脂についての上記測定の結果を
表4に示す。
【表4】
【0023】実施例14 比較例1で得られた含水吸水性樹脂、シクロヘキサンお
よび界面活性剤からなるスラリー状の重合液を60℃に
て静置分散し、上澄みのシクロヘキサン相を220.9
g採取し、次いで60℃に加温したフレッシュなシクロ
ヘキサンを220.9g添加し、500rpmにて15
分間攪拌した。次いで更に60℃にて静置分離し、上澄
みのシクロヘキサン相を226.5g採取し、次いで6
0℃に加温したフレッシュなシクロヘキサン226.5
gを添加混合し、60℃に保持した。スラリー系内に存
在するソルビタンモノステアレートの量は吸水性樹脂に
対して1.125重量%から0.107重量%となっ
た。次いで液温を70℃に上げ、攪拌下(回転数500
rpm)、有機金属化合物としてテトライソプロポキシ
チタンを0.1169g(吸水性樹脂に対して0.08
24重量%)添加し、攪拌を継続しながら15分保持し
た。次いで、同一攪拌条件下で共沸により水を除去し、
さらにシクロヘキサンを蒸留除去後、乾燥して吸水性樹
脂を得た。この吸水性樹脂は、吸水倍率47、吸水速度
26、平均粒径715μmであった。
【0024】実施例15 比較例2で得られた含水吸水性樹脂、シクロヘキサンお
よび界面活性剤からなるスラリー状の重合液を60℃に
て静置分離し、上澄みのシクロヘキサン相を207.9
g採取し、次いで60℃に加温したフレッシュなシクロ
ヘキサンを207.9g添加し、500rpmにて15
分間攪拌した。次いで更に60℃にて静置分離し、上澄
みのシクロヘキサン相を201.0g採取し、次いで6
0℃に加温したフレッシュなシクロヘキサン201.0
gを添加混合し、60℃に保持した。スラリー系内に存
在するソルビタンモノステアレートとα‐オレフィン/
無水マレイン酸共重合体との混合物の量は、吸水性樹脂
に対して1.687重量%から0.651重量%となっ
た。次いで液温を70℃に上げ、攪拌下(回転数500
rpm)、有機金属化合物としてテトライソプロポキシ
チタンを0.1169g(吸水性樹脂に対して0.08
24重量%)添加し、攪拌を継続しながら15分間保持
した。次いで、同一攪拌条件下で共沸により水を除去
し、さらにシクロヘキサンを蒸留除去後、乾燥して吸水
性樹脂を得た。この吸水性樹脂は、吸水倍率46、吸水
速度25、平均粒径1650μmであった。
【0025】実施例16 攪拌機、還流冷却器、水分離器、窒素ガス導入管及び滴
下ロートを付設した容量1リットルの四つ口丸底フラス
コに、市販吸水性樹脂であるデンプン‐アクリル酸塩グ
ラフト共重合体架橋物(サンウエットIM−1000、
三洋化成製)150g、n‐ヘプタン300g及びソル
ビタンモノラウリレート2.3933gを入れ、回転数
500rpmで攪拌しながら水60gを滴下ロートから
ゆっくり加えた。このスラリー液を70℃に昇温し、攪
拌下(回転数500rpm)、有機金属化合物としてテ
トライソプロポキシチタンを0.100g(吸水性樹脂
に対し、0.067重量%)添加し、攪拌を継続しなが
ら15分間保持した。次いで、同一攪拌条件下で共沸に
より水を除去し、さらにシクロヘキサンを蒸留除去後、
乾燥して吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂は、吸水倍
率30、吸水速度13、平均粒径4500μmであっ
た。
【0026】実施例17 市販吸水性樹脂としてIM−1000の代りにポリアク
リル酸塩架橋物(アクアリックCAW4、日本触媒製)
を用いた以外は実施例16と同様の条件にて処理を行
い、吸水性樹脂造粒物を得た。この吸水性樹脂は、吸水
倍率40、吸水速度40、平均粒径3500μmであっ
た。
【0027】実施例18 市販吸水性樹脂としてIM−1000の代りにアクリル
酸エステル‐酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物(ス
ミカゲルS−50、住友化学製)を用いた以外は実施例
16と同様の条件にて処理を行い、吸水性樹脂造粒物を
得た。この吸水性樹脂は、吸水倍率40、吸水速度2
8、平均粒径1500μmであった。
【0028】
【発明の効果】本発明の吸水性樹脂の造粒方法によれ
ば、大粒径で粒度分布の狭い樹脂造粒物が低コストで効
率的に得られる。更に、本発明の方法によれば、吸水性
能の実質的な低下を伴わずに樹脂造粒物を生成すること
ができる。従って、本発明の方法により得られた製品
は、衛生用品、農園芸用品等の種々の用途に好適に用い
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸水性樹脂の吸水速度を測定する装置の概略図
である。
【符号の説明】
1 吸水性樹脂(1g) 2 小穴のあいた支持板 3 不織布 4 人工尿 5 ビューレット 6 ゴム栓 7,8 バルブ 9 空気入口
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 33:08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】架橋構造を有し且つカルボキシル基又は
    (及び)カルボキシレート基を重合体の構成成分として
    含有する吸水性樹脂100重量部に対し、水10〜50
    0重量部の存在下、有機金属化合物0.0001〜20
    重量部を添加し、然る後水を除去することを特徴とする
    吸水性樹脂の造粒方法。
  2. 【請求項2】吸水性樹脂が、ポリアクリル酸塩架橋物、
    デンプン‐アクリル酸塩グラフト共重合体架橋物、デン
    プン‐アクリロニトリルグラフト共重合体架橋物のケン
    化物、アクリル酸エステル‐酢酸ビニル共重合体架橋物
    のケン化物、アクリル酸塩‐アクリル酸エステル共重合
    体架橋物、アクリル酸塩‐アクリルアミド共重合体架橋
    物及びポリアクリロニトリル架橋物の加水分解物から選
    ばれる、請求項1に記載の造粒方法。
  3. 【請求項3】有機金属化合物がトリアルコキシアルミニ
    ウム化合物またはテトラアルコキシチタン化合物または
    これらの混合物である、請求項1または2に記載の造粒
    方法。
JP17167493A 1993-07-12 1993-07-12 吸水性樹脂の造粒方法 Pending JPH0725934A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009209373A (ja) * 2001-06-08 2009-09-17 Nippon Shokubai Co Ltd 吸水剤およびその製造方法、並びに、衛生材料

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